JP2003182007A - 防曇性フィルム - Google Patents

防曇性フィルム

Info

Publication number
JP2003182007A
JP2003182007A JP2001385835A JP2001385835A JP2003182007A JP 2003182007 A JP2003182007 A JP 2003182007A JP 2001385835 A JP2001385835 A JP 2001385835A JP 2001385835 A JP2001385835 A JP 2001385835A JP 2003182007 A JP2003182007 A JP 2003182007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
resin composition
corona discharge
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001385835A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Ichige
昭弘 市毛
Yuichi Murata
祐一 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2001385835A priority Critical patent/JP2003182007A/ja
Publication of JP2003182007A publication Critical patent/JP2003182007A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防曇性に優れたオレフィン系フィルムを提供
すること。 【解決手段】 フィルムの防曇剤濃度が0.01重量%
以上、1重量%未満であり、少なくとも一方のフィルム
表面がコロナ放電処理されており、コロナ放電処理され
た少なくとも一方のフィルム表面が、下記樹脂組成物
(C)を含有する層から形成されてなるフィルム。 (C):密度が870〜910kg/m2であり、n−
ヘキサン抽出量が4重量%以下であるエチレン−α−オ
レフィン共重合体(A)と高圧ラジカル法低密度ポリエ
チレン(B)とからなり、成分(A)と成分(B)の合
計量100重量%に対し、成分(A)の含有量が95〜
40重量%であり、成分(B)の含有量が5〜60重量
%である樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防曇性フィルムに関
するものである。更に詳しくは、ストレッチ包装用フィ
ルムに好適な、防曇性に優れたオレフィン系フィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】青果物や鮮魚、鮮肉、惣菜などの食品
を、直接にまたはプラスチックトレー上に載せてストレ
ッチ包装するフィルムなどに用いられるフィルムは、防
曇性が要求され、従来、塩化ビニル樹脂からなるフィル
ムが用いられてきた。近年、安全衛生や環境問題から、
塩化ビニル系樹脂に代わって、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体などのオレフィン系樹脂からなるオレフィン
系フィルムの開発が行われているが、塩化ビニル系樹脂
からなるフィルムに比べ、オレフィン系フィルムは、防
曇性に劣るという問題があった。この問題に対し、防曇
剤の濃度を高くすることや防曇性の高い防曇剤を用いる
ことが検討されており、例えば、特開平9−29535
4号公報には、エチレン−1−ヘキセン共重合体樹脂9
7重量%とジグリセリンモノ/ジオレート3重量%から
なるフィルムが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該フィ
ルムの防曇性は、まだ、十分満足のいくものではなかっ
た。かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題
は、防曇性に優れたオレフィン系フィルムを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、フ
ィルムの防曇剤濃度が0.01重量%以上、1重量%未
満であり、少なくとも一方のフィルム表面がコロナ放電
処理されており、コロナ放電処理された少なくとも一方
のフィルム表面が、下記樹脂組成物(C)を含有する層
から形成されてなるフィルムに係るものである。 (C):密度が870〜910kg/m2であり、n−
ヘキサン抽出量が4重量%以下であるエチレン−α−オ
レフィン共重合体(A)と高圧ラジカル法低密度ポリエ
チレン(B)とからなり、成分(A)と成分(B)の合
計量100重量%に対し、成分(A)の含有量が95〜
40重量%であり、成分(B)の含有量が5〜60重量
%である樹脂組成物
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるエチレン−α
−オレフィン共重合体(A)とは、プロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセンなどの炭素原子数3〜10のα−
オレフィン1種または2種以上とエチレンとの共重合体
であって、エチレンから誘導される繰り返し単位を50
重量%以上含有する共重合体である。エチレン−α−オ
レフィン共重合体としては、例えば、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレ
ン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共
重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、
エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体があげら
れる。
【0006】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(A)の密度は、870〜910kg/m
2であり、好ましくは890〜905kg/m2である。
密度が低すぎると、フィルムのブロッキングが強くなる
ことがある。密度が高すぎると、フィルムの防曇性が低
下することがある。
【0007】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体のn−ヘキサン抽出量は4重量%以下であ
り、好ましくは3.5重量%以下であり、より好ましく
は3重量%以下である。n−ヘキサン抽出量が高すぎる
と、フィルムの防曇性が低下することがある。
【0008】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体は、公知のオレフィン重合用触媒、例えば
チーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン錯体や非メタロ
セン錯体等の錯体系触媒等を用いて、公知の重合方法、
例えばスラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相
重合法等により製造される。
【0009】本発明で用いられる高圧ラジカル法低密度
ポリエチレンは高圧ラジカル重合法により製造される長
鎖分岐を有するポリエチレンである。高圧ラジカル重合
法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いること
ができる。例えば、オートクレーブ型やチューブラー型
の反応器を用いて、500〜4000気圧(50〜40
5MPa)の圧力下で、パーオキサイド等のラジカル発
生剤を用いて、エチレン等を重合させる方法等があげら
れる。
【0010】本発明で用いられる高圧ラジカル法低密度
ポリエチレンのメルトフローレートは、好ましくは0.
5〜10g/10分であり、より好ましくは1〜5g/
10分である。フィルムの強度をより高める観点から、
メルトフローレートが低い方が好ましく、フィルム加工
時の押出機モーターの負荷を低くする観点から、メルト
フローレートが高い方が好ましい。
【0011】本発明で用いられる樹脂組成物(C)は、
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)及び高圧ラジ
カル法低密度ポリエチレン(B)からなり、その配合量
は、成分(A)と成分(B)の合計量100重量%に対
して、成分(A)が95〜30重量%であり、好ましく
は90〜35重量%であり、より好ましくは80〜45
重量%であり、成分(B)が5〜70重量%であり、好
ましくは10〜65重量%であり、より好ましくは20
〜55重量%である。成分(A)が多すぎる(成分
(B)が少なすぎる)と、フィルムの防曇性が低下する
ことがある。成分(A)が少なすぎる(成分(B)が多
すぎる)と、フィルムの強度が低下することがある。
【0012】樹脂組成物(C)には、必要に応じて各種
添加剤や充填剤、例えば酸化防止剤、造核剤、防曇剤、
紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止
剤などを含ませることができる。さらにまた、他の樹脂
をブレンドして使用してもよい。例えば、トリミングロ
ス等から発生するリサイクル樹脂や、石油樹脂またはそ
の水素添加物をブレンドできる。
【0013】本発明で用いられる防曇剤としては、例え
ば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポ
リエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタ
ノールアミド等の単独あるいは併用系があげられる。
【0014】本発明で用いられる防曇剤としては、下記
(X)および(Y)からなる混合物が、より防曇性に優
れるため好ましく、(X)と(Y)の重量比率が80:
20〜10:90の範囲内にあると更に好ましく、
(X)と(Y)の重量比率が60:40〜40:60の
範囲内にあると特に好ましい。 (X):ジグリセリンと炭素原子数8〜22の脂肪酸と
のエステルからなる界面活性剤。 (Y):分子中にエチレンオキサイドから誘導される繰
り返し単位を有する界面活性剤。
【0015】前記界面活性剤(X)は公知の方法によっ
て合成することができる。ジグリセリンと反応する脂肪
酸は単独でも2種類以上の混合物でも良い。ジグリセリ
ンと脂肪酸の反応モル比は適宜選択できるが、ジグリセ
リン1モルに対し、脂肪酸を1〜2モル反応させたもの
が好ましい。本発明では例えば、ジグリセリン1モルと
オレイン酸1モルを反応させて得られた化合物をジグリ
セリンモノオレートと呼び、ジグリセリン1モルとオレ
イン酸1.5モル、2モルを反応させて得られた化合物
をそれぞれジグリセリンセスキオレート、ジグリセリン
ジオレートと呼ぶことにする。従って、ジグリセリンモ
ノオレートと称するものは、モノエステルのみならずジ
エステルやトリエステル等も含まれている。
【0016】前記界面活性剤(X)としてはジグリセリ
ンモノオレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリ
セリンモノステアレート、ジグリセリンモノパルミテー
ト、ジグリセリンモノベヘネート、ジグリセリンセスキ
オレート、ジグリセリンセスキラウレート、ジグリセリ
ンセスキステアレート、ジグリセリンセスキパルミテー
ト、ジグリセリンセスキベヘネート、ジグリセリンジオ
レート、ジグリセリンジラウレート、ジグリセリンジス
テアレート、ジグリセリンジパルミテート、ジグリセリ
ンジベヘネート等があげられ、これらのうちの1種また
は2種類以上の混合物として用いることが好ましく、中
でもジグリセリンモノオレートまたはジグリセリンモノ
ラウレートが好ましい。
【0017】前記界面活性剤(Y)としては例えばポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエー
テル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンステアリルフェニルエーテル、ポリエチレ
ングリコールオレイン酸エステル、ポリエチレングリコ
ールラウリン酸エステル、ポリエチレングリコールステ
アリン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンラウ
リン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンオレイ
ン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリン酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリルエーテル
等があげられ、これらのうちの1種または2種以上の混
合物として用いることが好ましい。
【0018】本発明のフィルムの防曇剤濃度は、フィル
ム100重量%に対し0.01重量%以上1重量%未満
であり、好ましく0.05重量%以上0.7重量%以下
であり、より好ましくは0.1重量%以上0.5重量%
以下である。防曇剤濃度が低すぎるあるいは高すぎる
と、防曇性が低下することがある。
【0019】本発明のフィルムは、少なくとも一方のフ
ィルム表面がコロナ放電処理されており、コロナ放電処
理された少なくとも一方のフィルム表面が、上述の樹脂
組成物(C)を含有する層から形成されているフィルム
である。樹脂組成物(C)を含有する層から形成された
少なくとも一方のフィルム表面のコロナ放電処理条件
は、フィルムの防曇性をより高める観点から、フィルム
の防曇剤濃度が0重量%において、該フィルム表面の濡
れ指数が32〜45dyne/cmとなるコロナ放電処
理条件が好ましく、該濡れ指数が33〜42dyne/
cmとなるコロナ放電処理条件がより好ましく、該濡れ
指数は35〜40dyne/cmとなるコロナ放電処理
条件が更に好ましい。
【0020】本発明のフィルムは、単層フィルムでもよ
く、多層フィルムでもよい。層構成としては、樹脂組成
物(C)を含有する層を層(I)、層(I)とは異なる
層を他の層とすると、例えば、層(I)、層(I)/他
の層、層(I)/他の層/層(I)などがあげられ、片
面がコロナ放電処理されていてもよく、両面がコロナ放
電処理されていてよい。(ただし、片面がコロナ放電処
理されている場合、コロナ放電処理面は、樹脂組成物
(C)を含有する層から形成されている。)ここで、樹
脂組成物(C)を含有する層が2層以上である場合、各
層に用いられる樹脂組成物(C)は同一の樹脂組成物で
もよく、異なる樹脂組成物でもよい。これらの中では、
フィルムの取り扱い性の観点から、フィルム表面の両面
は、コロナ放電処理されており、樹脂組成物(C)を含
有する層から形成されていることが好ましい。また、コ
ロナ放電処理条件は、前述の条件であることが好まし
い。
【0021】上記フィルムの他の層は、単層であっても
よく、多層であってもよい。また、他の層としては、特
に制限はなく、リサイクル樹脂層や他の熱可塑性樹脂
層、例えば、ガスバリヤーを付与するためポリアミド樹
脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエステ
ル樹脂などからなるバリヤー性樹脂層などがあげられ
る。これらの中では、フィルムの耐熱性、フィルムの防
曇性をより高める観点から、他の層として、プロピレン
重合体樹脂を含有する層を有することが好ましい。
【0022】本発明で用いられるプロピレン重合体樹脂
とは、プロピレンを重合して得られる熱可塑性樹脂を意
味し、プロピレンから誘導される繰り返し単位を50重
量%以上含有する熱可塑性のプロピレン重合体樹脂が好
ましく、プロピレンの単独重合体、プロピレンと炭素原
子数2〜10のオレフィン(但し、プロピレンを除く)
との共重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の他
のモノマーとの共重合体などがあげられる。プロピレン
以外のオレフィンとしては、例えばエチレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセンがあげられる。他のモノマーとして
は、例えば共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレ
ン)があげられる。プロピレン重合体樹脂としては、ア
イソタクチックポリプロピレンやシンジオタクチックポ
リプロピレンがさらに好ましい。
【0023】本発明で用いられるプロピレン重合体樹脂
の融解熱量は、フィルムの耐熱性、フィルムの防曇性を
より高める観点から、好ましくは70〜120kJ/k
gであり、より好ましくは80〜100kJ/kgであ
る。
【0024】本発明で用いられるプロピレン重合体樹脂
は、公知のオレフィン重合用触媒、例えばチーグラー・
ナッタ型触媒、メタロセン錯体や非メタロセン錯体等の
錯体系触媒等を用いて、公知の重合方法、例えばスラリ
ー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等によ
り製造される。
【0025】本発明で用いられるプロピレン重合体樹脂
には、必要に応じて各種添加剤や充填剤、例えば酸化防
止剤、造核剤、防曇剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、帯電防止剤などを含ませることができ
る。さらにまた、他の樹脂をブレンドして使用してもよ
い。例えば、トリミングロス等から発生するリサイクル
樹脂や、石油樹脂またはその水素添加物をブレンドでき
る。
【0026】本発明のフィルムを構成する樹脂に対し
て、防曇剤等の各種添加剤やリサイクル樹脂、石油樹脂
またはその水素添加物を配合する方法は特に制限される
ものでなく、公知の方法、例えば、ニーダー、バンバリ
ーミキサー、ロール等の混練機、1軸または2軸押出機
等を用いて原料の樹脂を加熱溶融混練するとともに防曇
剤等と混合する方法があげられる。また、予め防曇剤等
を高濃度で含有するマスターバッチを製造しておき、原
料の樹脂ペレットと防曇剤等を含有する該マスターバッ
チとをドライブレンドしてもよい。
【0027】本発明のフィルムの製造方法は、特に限定
されるものでなく、公知の方法、例えば、インフレーシ
ョン法やキャスト法を用いることができ、多層フィルム
は共押出積層法、押出しラミネーション法、サンドラミ
ネーション法、ドライラミネーション法等を用いること
ができる。
【0028】本発明のフィルムの厚みは特に限定される
ものでなく任意に選択することができるが、通常は、2
〜1000μmの範囲であり、好ましくは3〜200μ
m、さらに好ましくは5〜50μm、特に好ましくは7
〜30μmである。
【0029】本発明のフィルムを多層フィルムとした場
合、樹脂組成物(C)を含有する層の厚さは、特に限定
されるものでなく、任意に選択することができる。通常
は、該層の厚みをフィルム総厚みの10〜90%となる
ように構成し、好ましくは30〜70%、より好ましく
は40〜60%となるように構成する。
【0030】本発明のフィルムに収縮性が必要である場
合は、フィルムを形成した後に少なくとも一軸方向に延
伸することが好ましい。延伸は一軸でも二軸でも可能で
ある。一軸延伸の場合は、例えば通常用いられるロール
延伸法が好ましい。また、二軸延伸の場合は、例えば一
軸に延伸した後に二軸延伸を行なう逐次延伸方式でもよ
く、チューブラー延伸のような同時に二軸に延伸する方
法でも可能である。
【0031】本発明のフィルムは、防曇性に優れ、更に
は、強度、ブロッキング性、耐熱性に優れうるため、ス
トレッチ包装用フィルム、家庭用ラップフィルムなどの
包装用フィルムとして、特にストレッチ包装用フィルム
として好適に用いられる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづき説明する。
はじめに、以下の実施例および比較例における物性値の
測定方法を説明する。
【0033】(1)密度 JIS K6760に規定された方法に従った。ただ
し、アニールは行わなかった。
【0034】(2)メルトフローレート(MFR) JIS K6760に規定された方法に従い、測定し
た。
【0035】(3)n−ヘキサン抽出量 180℃プレス成形することにより、25mm×25m
m×100μmのシートを作成し、これを試験片とし
た。50℃に調整した400mlのn−ヘキサン中に試
験片を入れ、攪拌しながら2時間抽出を行った。抽出終
了後、n−ヘキサン溶液から試験片を取り出し、次に、
n−ヘキサン溶液からn−ヘキサンを蒸発させることに
より、n−ヘキサン溶液に抽出した成分の量を測定し、
抽出前の試験片重量に対するn−ヘキサン溶液に抽出し
た成分の重量の割合を求めた。
【0036】(4)融解熱量 装置としてセイコー電子工業(株)社製RDC220を
用い、試料約5mgをアルミパンに詰め、100℃/分
で230℃まで昇温し、230℃で5分間保持したのち
10℃/分で−50℃まで降温し、−50℃で5分間保
持したのち10℃/分で230℃まで昇温して融解曲線
を測定した。融解曲線が高温側のベースラインに戻る点
と、融解曲線の0℃の点を直線で結び、この直線と融解
曲線で囲まれる部分の総面積から融解熱量を求めた。
【0037】(5) 濡れ指数 防曇剤を添加しない場合のフィルム表面にコロナ放電処
理を行い、JIS K6768に規定された方法に従い
測定した。
【0038】(6) 防曇性 図1に示すように、樹脂製容器に深度10mmになるよ
う23℃の水を張り、その中に製造後3日間経過した試
料フィルムをポリ塩化ビニル製円筒に被せて置き、0℃
に調節した恒温恒湿器内に入れた。恒温恒室器投入3分
後の状態を観察し、下記基準に基づき5段階評価を行っ
た。この値が高いものほど防曇性に優れる。 評価基準) 5:均一な水膜を形成し、透視感良好。 4:水膜にわずかな乱れがあり、透視感が劣る。 3:水膜に乱れがあり 2:水滴が多数付着し、透視感が悪い。 1:曇りが発生し、透視できない。
【0039】(7) 耐熱性 市販のハンド式トレー包装機(ARC(株)製 ポリラ
ッパー)の熱シール用熱板にフィルム1枚を2秒間接触
させ、フィルムに穴が開かない最高熱板温度を測定し、
耐熱温度とした。
【0040】[実施例1] 〔表面層樹脂組成物の調製〕エチレン−α−オレフィン
共重合体として住友化学工業(株)製エクセレンFX
(CX2001)[密度=898kg/m3、n−ヘキ
サン抽出量=2.3重量%]を50重量%、高圧ラジカ
ル法低密度ポリエチレンとして住友化学工業(株)製ス
ミカセン(CE2575)[MFR=2g/10分]を
49重量%、防曇剤として丸菱油化工業(株)製STO
421[ジグリセリンモノラウレート・オレート85重
量%とポリエチレングリコールモノラウレート15重量
%からなる混合物]を1重量%混合し、バンバリーミキ
サーで溶融混練して表面層を構成する樹脂組成物を調整
した。 〔ストレッチ包装用フィルムの製造〕得られた表面層樹
脂組成物とプロピレン重合体樹脂[住友化学工業(株)
製エクセレンEPX(KS37G1)、融解熱量=81
kJ/kg]を、それぞれ(株)プラコー製三層インフ
レフィルム加工機の内外層押出機と中間層押出機に供給
して、ダイス温度200℃、ブロー比4.5、引取速度
30m/minで加工した後、濡れ指数37dyne/
cmを与える強度レベルでフィルム両表面のコロナ放電
処理を行い、各層厚み比が内層/芯層/外層の順に25
%/50%/25%、全厚み13μ、全フィルムに対す
る防曇剤添加量が0.5重量%の3層フィルムを製造し
た。得られた3層フィルムの物性値を表1に示す。
【0041】[比較例1]実施例1において、表面層樹
脂組成物中の防曇剤量を2重量%、全フィルムに対する
防曇剤添加量を1重量%に変更した以外は、実施例1と
同様にして3層フィルムを製造した。得られたフィルム
の物性値を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、防
曇性に優れたオレフィン系フィルムを提供することがで
きた。該フィルムは、強度、ブロッキング性、耐熱性に
も優れうるため、ストレッチ包装用フィルム、家庭用ラ
ップフィルムなどの包装用フィルムとして、特にストレ
ッチ包装用フィルムとして好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例における防曇性評価の際に使用
した装置の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/08 C08L 23/08 Fターム(参考) 3E086 AB02 AC22 AD13 AD17 BA02 BA04 BA15 BA35 BB41 BB55 BB85 BB90 CA01 CA17 CA18 CA25 DA03 4F073 AA01 BA07 BA09 BB01 CA21 4F100 AK01B AK06A AK06C AK07B AK63A AK63C AL05A AL05C BA01 BA03 BA06 BA10A BA10C BA15 CA10A CA10C EH20 EJ55A EJ55C GB15 GB23 JA04B JA13A JA13C JB04A JJ03 JK01 JK07 JL07 YY00A YY00B YY00C 4J002 BB03X BB05W BB15W GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムの防曇剤濃度が0.01重量%
    以上、1重量%未満であり、少なくとも一方のフィルム
    表面がコロナ放電処理されており、コロナ放電処理され
    た少なくとも一方のフィルム表面が、下記樹脂組成物
    (C)を含有する層から形成されてなるフィルム。 (C):密度が870〜910kg/m2であり、n−
    ヘキサン抽出量が4重量%以下であるエチレン−α−オ
    レフィン共重合体(A)と高圧ラジカル法低密度ポリエ
    チレン(B)とからなり、成分(A)と成分(B)の合
    計量100重量%に対し、成分(A)の含有量が95〜
    40重量%であり、成分(B)の含有量が5〜60重量
    %である樹脂組成物
  2. 【請求項2】 請求項1記載のコロナ放電処理の条件
    が、下記条件(イ)である請求項1記載のフィルム。 (イ):防曇剤濃度が0重量%以外は請求項1と同じフ
    ィルムにおいて、請求項1記載の樹脂組成物(C)を含
    有する層から形成され、かつ、コロナ放電処理されたフ
    ィルム表面の濡れ指数が、32〜45dyne/cmと
    なるコロナ放電処理条件
  3. 【請求項3】 フィルム表面の両面がコロナ放電処理さ
    れており、フィルム表面の両面が請求項1記載の樹脂組
    成物(C)を含有する層から形成されている請求項1ま
    たは2記載のフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の樹脂組成物(C)を含有
    する層とプロピレン重合体樹脂を含有する層とを有する
    請求項1〜3いずれかに記載のフィルム。
  5. 【請求項5】 プロピレン重合体樹脂の融解熱量が70
    〜120kJ/kgである請求項4記載のフィルム。
  6. 【請求項6】 フィルムがストレッチ包装用フィルムで
    ある請求項1〜5いずれかに記載のフィルム。
JP2001385835A 2001-12-19 2001-12-19 防曇性フィルム Pending JP2003182007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001385835A JP2003182007A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 防曇性フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001385835A JP2003182007A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 防曇性フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003182007A true JP2003182007A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27595140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001385835A Pending JP2003182007A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 防曇性フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003182007A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103571024A (zh) * 2012-07-19 2014-02-12 中国石油天然气股份有限公司 一种长效聚烯烃防雾滴薄膜母料
CN103571021A (zh) * 2012-07-19 2014-02-12 中国石油天然气股份有限公司 聚烯烃长效防雾滴薄膜母料
JP2016013844A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 三井化学東セロ株式会社 鮮度保持包装体または容器
WO2016027885A1 (ja) * 2014-08-22 2016-02-25 三井化学株式会社 積層フィルムおよびそれを利用した包装袋
CN105619985A (zh) * 2016-03-11 2016-06-01 淄博市临淄宽力塑料制品厂 接枝法永久性消雾流滴农用膜及其制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103571024A (zh) * 2012-07-19 2014-02-12 中国石油天然气股份有限公司 一种长效聚烯烃防雾滴薄膜母料
CN103571021A (zh) * 2012-07-19 2014-02-12 中国石油天然气股份有限公司 聚烯烃长效防雾滴薄膜母料
JP2016013844A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 三井化学東セロ株式会社 鮮度保持包装体または容器
WO2016027885A1 (ja) * 2014-08-22 2016-02-25 三井化学株式会社 積層フィルムおよびそれを利用した包装袋
JPWO2016027885A1 (ja) * 2014-08-22 2017-04-27 三井化学株式会社 積層フィルムおよびそれを利用した包装袋
US10639871B2 (en) 2014-08-22 2020-05-05 Mitsui Chemicals, Inc. Laminate film and packaging bag using same
CN105619985A (zh) * 2016-03-11 2016-06-01 淄博市临淄宽力塑料制品厂 接枝法永久性消雾流滴农用膜及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1228140B1 (en) Breathable films and method for making
JP2006307072A (ja) 水冷インフレーション成形ポリプロピレン系フィルム及びその用途
US7722961B2 (en) Resin composition and stretched film obtained by using the same
JP2001162737A (ja) 包装用多層フィルム
JP2002240210A (ja) 食品包装用フィルム
JP2006096939A (ja) アンチブロッキング剤マスターバッチおよびポリプロピレンフィルム用組成物およびその製造方法
JP2003011297A (ja) 包装用ポリプロピレン系延伸フィルム
JP2003182007A (ja) 防曇性フィルム
JP4588490B2 (ja) 樹脂組成物およびそれから得られる延伸フィルム
JP4359850B2 (ja) 包装用フィルム
JP2004099679A (ja) ポリエチレン系樹脂組成物およびそれからなるレトルト包装用フィルム
JP3876619B2 (ja) 包装用フィルム
JP4212348B2 (ja) ポリエチレン系樹脂組成物およびその組成物からなるフィルム
JP4624729B2 (ja) 積層樹脂一軸延伸フィルム
JP4624721B2 (ja) 積層樹脂一軸延伸フィルム
EP0377121A2 (en) Medical bag
KR100770195B1 (ko) 수지 조성물 및 그의 필름
JP2001105551A (ja) 食品包装用多層フィルム
JP6942530B2 (ja) 多層二軸延伸フィルムおよび転写フィルム
JP2005089693A (ja) 樹脂組成物およびそれから得られる延伸フィルム
JP3822117B2 (ja) ポリオレフィン系多層フィルム
JP2002294083A (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP2003011298A (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP2001072810A (ja) ポリエチレン組成物およびそのフィルム
JP2000211078A (ja) ポリオレフィン系積層軟質シ―ト