JP3114632B2 - エチレン系共重合体、その製造方法およびその組成物 - Google Patents

エチレン系共重合体、その製造方法およびその組成物

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JP3114632B2 JP08288087A JP28808796A JP3114632B2 JP 3114632 B2 JP3114632 B2 JP 3114632B2 JP 08288087 A JP08288087 A JP 08288087A JP 28808796 A JP28808796 A JP 28808796A JP 3114632 B2 JP3114632 B2 JP 3114632B2
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−オレフィン含
量の高い非晶性のエチレン系共重合体、その製造方法お
よびその組成物に関し、さらに詳しくは耐熱性、低温特
性、力学特性、加工性、柔軟性に優れたエチレン系共重
合体、その共重合体を効率よく製造する方法および架橋
に際しての有用なエチレン系共重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エチレン/プロピレン/非共役ジ
エン系共重合体(EPDM)に代表されるオレフィン系
ゴムは、耐熱性、耐候性、低温特性に優れ、ホース、バ
ンパーベルト等各種自動車部品に好適に用いられてい
る。このようなオレフィン系ゴムは、チタン化合物と有
機アルミニウム化合物あるいはバナジウム化合物と有機
アルミニウム化合物からなる触媒により製造する方法が
一般に知られている。しかしながら、チタン系触媒は高
い活性を示すものの、複数の活性種が存在するために、
得られる共重合体の組成分布、分子量分布は広く、低温
特性、力学特性に劣る。一方、バナジウム系触媒はチタ
ン系触媒と比較して共重合性に優れ、比較的分子量分
布、組成分布の狭い共重合体の製造を可能にするもの
の、炭素数5以上のα−オレフィンとの共重合は困難で
あり、得られる共重合体の物性は満足のいくものではな
い。また、活性が低いうえに、重合は比較的低い温度
(0〜50℃)で行われるため、モノマーの溶解度の関
係から重合系内の溶液粘度を低く抑える必要があり、共
重合体濃度は制限を受け、生産性が低いといった問題が
あった。
【0003】一方、メタロセン触媒は優れた活性、共重
合性を有し、組成分布、分子量分布の狭い新規なオレフ
ィン系共重合体の製造を可能にした。メタロセン触媒と
しては、メタロセン系化合物とアルミノキサン化合物と
の組み合わせ(特開昭58−19309号公報、特開昭
60−35006号公報、特開昭61−130314号
公報、特開平3−163088号公報)、あるいはメタ
ロセン系化合物と、これと反応して安定なアニオンを形
成するイオン化イオン性化合物との組み合わせ(特表平
1−502036号公報、WO91/14713号公
報、WO92/01723号公報、特開平5−3108
29号公報)が挙げられる。
【0004】このような触媒系を使用したエチレン系共
重合体についてもすでに多くの例が開示されている。例
えば、特公平5−80493号公報、特公平6−820
号公報にはメタロセン化合物とアルミノキサンよりなる
触媒系を用い、溶液重合による低結晶性かつランダム性
に優れたエチレン系共重合体が開示されており、従来の
チタンあるいはバナジウム系触媒で得られる共重合体と
比較して透明性、表面非粘着性に優れることが示されて
いる。また、特開平2−276807号公報には特定の
ハフニウム系化合物とアルミノキサンからなる触媒を用
い、分子量分布が狭く、流動性に優れたエチレン系共重
合体およびその製法が開示されている。しかしながら、
ここで開示されている共重合体はエチレン連鎖に基づく
結晶性を有しており、低温特性が厳しく要求される分野
への応用は困難であった。また、上記問題を克服するた
めには非晶性とする必要があるが、上記特許に開示され
ている製法で得られる共重合体は、溶融弾性に乏しいと
いった問題がある。
【0005】また、メタロセン触媒をスラリー重合プロ
セスに適用する方法がWO93/25591号公報、特
開平7−2943号公報、特開平7−149834号公
報等に開示されている。これらの手法により、高分子量
のエチレン/プロピレン系あるいはエチレン/ブテン系
共重合体の製造は可能であるが、その低温特性は不充分
であり、より一層の改良が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決するためになされたものであり、エチレン系共重
合体が本質的に優れた耐熱性、耐候性を損なうことな
く、低硬度で、ロール加工性、力学特性、低温特性、特
に低温圧縮永久歪みに優れた新規なエチレン系共重合
体、その製造方法およびその組成物を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち本発明は、(i)エチレンと(i
i)炭素数5〜20のα−オレフィンからなるエチレン
系共重合体、または(i)エチレンと(ii)炭素数5
〜20のα−オレフィンと(iii)非共役ジエンを含
むエチレン系共重合体であり、 (a)エチレン成分単位が42〜75モル%、α−オレ
フィン成分単位が25〜58モル%(必要に応じて、非
共役ジエン成分単位が0.01〜10モル%)、 (b)100℃の熱水に1時間浸した後に室温まで放冷
したものの密度が0.88g/cm3未満、 (c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.2〜3、 (d)示差走査型熱量計において、200℃で5分溶融
し、その後10℃/分で−100℃まで冷却したものを
再度10℃/分で昇温させたときに結晶融解ピークを示
さず、 (e)示差走査熱量計により測定したガラス転移温度が
−50℃以下、 (f)230℃におけるゼロせん断粘度(η0)が50
000〜1000000poise、 (g)230℃における重量平均緩和時間(τw)が
0.3〜15秒であることを特徴とするエチレン系共重
合体、その製造方法およびその組成物に関するものであ
る。
【0008】以下、本発明に係わるエチレン系共重合
体、その製造方法およびその組成物について具体的に説
明する。
【0009】本発明に係わるエチレン系共重合体は、
(i)エチレンと(ii)炭素数5〜20のα−オレフ
ィンと必要に応じて(iii)非共役ジエンを含有する
共重合体である。
【0010】本発明で用いられる(ii)炭素数5〜2
0のα−オレフィンとしては、例えば1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウン
デセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデ
セン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプ
タデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エ
イコセン等が挙げられ、これらの1種または2種以上が
用いられる。なかでも良好な低温特性と加工性の発現の
ためには1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが好
ましい。
【0011】本発明で用いられる(iii)非共役ジエ
ンとしては、例えば5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、
1,4−ペンタジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、5−メチレン−2−ノルボルネン、2,5−ノル
ボルナジエン、1,6−シクロオクタジエン、1,7−
オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、ト
リシクロペンタジエン等が挙げられ、これらの1種また
は2種以上が用いられる。なかでも良好な架橋速度、力
学特性の発現、入手の容易さの面から5−エチリデン−
2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンが好ましい。
【0012】本発明で用いられる(ii)炭素数5〜2
0のα−オレフィンの含量は、20〜60モル%であ
り、なかでも耐熱性と低温特性のバランスの面から25
〜58モル%、さらに好ましくは30〜55モル%であ
る。α−オレフィン含量が20モル%未満であると低温
圧縮永久歪み等の低温特性に劣り、また、60モル%を
越えると低温柔軟性に劣るとともに、目的とする共重合
体の製造は困難となるため好ましくない。
【0013】本発明で用いられる(iii)非共役ジエ
ンの含量は、0.01〜10モル%であり、なかでも良
好な架橋速度を得るためには0.1〜5モル%であるこ
とが好ましい。非共役ジエンの含量が10モル%を越え
るとゲル状の架橋重合体が生成するため好ましくない。
【0014】本発明のエチレン系共重合体は、100℃
における熱水に1時間浸した後に室温まで放冷したとき
の密度が0.88g/cm3未満である。密度が0.8
8g/cm3以上のエチレン系共重合体は、結晶性が高
く、柔軟性、低温特性に劣るため好ましくない。
【0015】本発明のエチレン系共重合体は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定
した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の
比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1.2〜3、
さらに好ましくは1.5〜2.5の範囲にある。分子量
分布が3を越えると力学特性の低下を招き、1.2未満
のものは製造が困難であり好ましくない。
【0016】本発明のエチレン系共重合体は、非晶性で
あることを特徴とする。非晶性であることは、示差走査
熱量計において、200℃で5分溶融し、その後10℃
/分で−100℃まで冷却したものを再度10℃/分で
昇温させたときに結晶融解ピークを示さないことを意味
している。一般に、エチレン/プロピレン/非共役ジエ
ン共重合体(EPDM)に代表されるオレフィン系ゴム
は、エチレン連鎖に基づく結晶性を有するため、汎用ゴ
ムと比較して圧縮永久歪みに劣る。しかしながら、本発
明の共重合体は非晶性で溶融弾性に優れるため、力学特
性を損なうことなく良好な圧縮永久歪み、特に低温にお
いて良好な圧縮永久歪みを有することが特徴である。
【0017】本発明のエチレン系共重合体は、示差走査
熱量計により測定したガラス転移温度が−50℃以下、
好ましくは−55℃以下であることを特徴とする。ガラ
ス転移温度が−50℃を越えると低温柔軟性が損なわれ
るため好ましくない。
【0018】本発明のエチレン系共重合体は、230℃
におけるゼロせん断粘度(η0)が50000〜100
0000poiseであることを特徴とする。ゼロせん
断粘度は、市販のレオメーターを用いて動的粘弾性測定
または定常流測定を行うことにより評価することが可能
である。ゼロせん断粘度が50000poise未満で
あると引張強さ、破断伸びに代表される力学特性が損な
われ、1000000poiseを越えると押出加工が
困難となるため好ましくない。
【0019】本発明のエチレン系共重合体は非晶性であ
るため、良好な溶融弾性を有するには230℃における
重量平均緩和時間(τw)が0.3〜15秒、好ましく
は0.4〜12秒、さらに好ましくは0.5〜10秒で
ある必要がある。重量平均緩和時間が0.3秒未満であ
ると溶融時の弾性に乏しく、充填材、可塑材等をコンパ
ウンドする際に分散不良が生じ好ましくない。また、1
5秒を越えると押出成形が困難になるため好ましくな
い。なお、重量平均緩和時間は、動的粘弾性の周波数
(ω)依存性測定により与えられる動的貯蔵弾性率
(G’)および動的損失弾性率(G”)の合成曲線から
求められる。
【0020】本発明のエチレン系共重合体は、(A)下
記一般式で表されるメタロセン化合物
【0021】
【化7】
【0022】[Cp 1 は無置換または置換基(−R,−
BR 2 ,−SiR 3 ,−NR 2 ,−PR 2 ,−OR,−S
R,−F,−Cl,−Br,−I:ただし、Rは水素ま
たは炭素数1〜20の炭化水素基である。)を有するシ
クロペンタジエニル基、インデニル基もしくはフルオレ
ニル基であり、Cp 2 は無置換または置換基(−R,−
BR 2 ,−SiR 3 ,−NR 2 ,−PR 2 ,−OR,−S
R,−F,−Cl,−Br,−I:ただし、Rは水素ま
たは炭素数1〜20の炭化水素基である。)を有するフ
ルオレニル基であり、R 1 ,R 2 は各々独立して水素、ハ
ロゲンまたは炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ
基もしくはアリーロキシ基であり、また、少なくとも一
方がアリール基または置換アリール基であり、Mはチタ
ンまたはジルコニウムであり、R3,R4は各々独立して
水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12の炭化水素基、ア
ルコキシ基もしくはアリーロキシ基である。] (B)イオン化イオン性化合物 (C)有機アルミニウム化合物 から形成される触媒の存在下、エチレンと炭素数5〜2
0のα−オレフィン、必要に応じて非共役ジエンを共重
合せしめることにより製造される。
【0023】(A)メタロセン化合物の具体例として
は、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニ
ルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)
ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シク
ロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレ
ニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフェニルメチ
レン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチ
ルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニ
ルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチ
ルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メチルフ
ェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ
メチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフ
ェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ
フェニルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、メ
チルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,
7−ジフェニルフルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)
(a,i−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロ
ライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(a,i−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジ
クロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(b,h−ジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジ
クロライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジ
エニル)(b,h−ジペンゾフルオレニル)ジルコニウ
ムジクロライド、ジ(4−トリル)メチレン(シクロペ
ンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロラ
イド、ジ(4−ビフェニル)メチレン(シクロペンタジ
エニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−ジ
メチルアミノフルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)
(2−ジメチルアミノフルオレニル)ジルコニウムジク
ロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(2−メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロ
ライド、メチルフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(2−メトキシフルオレニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ジフェニルメチレン(3−メチルシクロペンタ
ジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、メチルフェニルメチレン(3−メチルシクロペンタ
ジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチルシクロペン
タジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、メチルフェニルメチレン(3,4−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロ
ライドおよび上記化合物のジルコニウムをチタンまたは
ハフニウムに置換した化合物等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。なかでも置換フルオレニル
基を配位子に持ち、ハフニウムを中心金属とした化合物
が共重合性に優れ、本発明の共重合体を効率よく得る点
で好ましい。また、これらの化合物は単独で用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】(B)イオン化イオン性化合物は、上記
(A)メタロセン化合物をカチオン性のメタロセン化合
物にしうる化合物であり、下記に示すプロトン酸、ルイ
ス酸、金属塩、ルイス酸性化合物が挙げられる。
【0025】プロトン酸は、下記一般式
【0026】
【化8】
【0027】[式中、Hはプロトンであり、L 1 は各々
独立してルイス塩基であり、lは0<l≦2であり、B
はホウ素原子であり、R5は各々独立して炭素数6〜2
4のアリール基もしくはアラルキル基、またはハロゲ
ン、炭化水素基もしくはヘテロ原子含有炭化水素基を置
換基として有する炭素数6〜24のアリール基もしくは
アラルキル基である。]で表される化合物である。
【0028】ルイス酸は,下記一般式
【0029】
【化9】
【0030】[式中、Cはカルボニウムカチオンまたは
トロピリウムカチオンであり、Bはホウ素原子であり、
5は各々独立して炭素数6〜24のアリール基もしく
はアラルキル基、またはハロゲン、炭化水素基もしくは
ヘテロ原子含有炭化水素基を置換基として有する炭素数
6〜24のアリール基もしくはアラルキル基である。]
で表される化合物である。
【0031】金属塩は、下記一般式
【0032】
【化10】
【0033】[式中、M 2 は周期表1族、2族、8族、
9族、10族、11族または12族から選ばれる金属の
陽イオンであり、L 2 はルイス塩基またはシクロペンタ
ジエニル基であり、mは0≦m≦2であり、Bはホウ素
原子であり、R5は各々独立して炭素数6〜24のアリ
ール基もしくはアラルキル基、またはハロゲン、炭化水
素基もしくはヘテロ原子含有炭化水素基を置換基として
有する炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル
基である。]で表される化合物である。
【0034】ルイス酸性化合物は、下記一般式
【0035】
【化11】
【0036】[式中、Bはホウ素原子であり、R5は各
々独立して炭素数6〜24のアリール基もしくはアラル
キル基、またはハロゲン、炭化水素基もしくはヘテロ原
子含有炭化水素基を置換基として有する炭素数6〜24
のアリール基もしくはアラルキル基である。]で表され
る化合物である。
【0037】本発明の触媒の構成成分として用いられる
プロトン酸、ルイス酸、金属塩、ルイス酸性化合物は、
上記のメタロセン化合物と反応し、カチオン性メタロセ
ン化合物を生成しうる化合物であり、生成したカチオン
性メタロセン化合物に対して対アニオンを提供する化合
物でもある。
【0038】プロトン酸の具体例として、ジエチルオキ
ソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−
ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0039】ルイス酸としては、具体的にはトリチルテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピ
リウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。また、これらの化合物は単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】金属塩としては、具体的にはリチウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のリチウ
ム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のフェロセ
ニウム塩、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート等の銀塩等を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。また、これらの化合物は
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0041】ルイス酸性化合物の具体的な例として、ト
リス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス
(2,3,4,5−テトラフェニルフェニル)ボラン、
トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、
フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。また、
これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0042】上記プロトン酸、ルイス酸、金属塩、ルイ
ス酸性化合物は、2種以上組み合わせて用いることも可
能である。その際、プロトン酸、ルイス酸または金属塩
に少量のルイス酸性化合物を添加することが好ましい。
本手法により、少量の(C)有機アルミニウム化合物の
存在下においても高い触媒活性を発現させることが可能
である。
【0043】(C)有機アルミニウム化合物は、具体的
には下記一般式
【0044】
【化12】
【0045】[式中、Alはアルミニウム原子である
6は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキ
ル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜24のア
リール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、ア
リールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアル
キルアリールオキシ基であり、少なくとも1つのR6
水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6
〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアル
キルアリール基である]で表される有機アルミニウム
化合物である。
【0046】有機アルミニウム化合物としては、例え
ば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−
n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウ
ムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウムエトキサ
イド、ジ−n−プロピルアルミニウムエトキサイド、ジ
イソブチルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−ブチル
アルミニウムエトキサイド、ジメチルアルミニウムハイ
ドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソ
プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピル
アルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウム
ハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライ
ド等のアルミニウム化合物を例示することができるが、
これらに限定されるものではない。また、これらの化合
物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0047】本発明においては、(i)エチレンと(i
i)炭素数5〜20のα−オレフィン、必要に応じて
(iii)非共役ジエンとを(A)特定のメタロセン化
合物、(B)イオン化イオン性化合物および(C)有機
アルミニウム化合物から形成される触媒の存在下、エチ
レンと炭素数5〜20のα−オレフィンのモル比が10
/90〜40/60、好ましくは15/85〜35/6
5の溶液中で共重合を行うことを特徴としている。
【0048】本発明の共重合反応は、通常以下の条件下
で行われる。重合温度は20℃以上120℃未満であ
り、比較的高い共重合体濃度を達成し、効率よく本発明
の共重合体を得るためには40℃以上120℃未満、さ
らに好ましくは60℃以上120℃未満である。また、
反応圧力は常圧〜80kg/cm2、好ましくは常圧〜
50kg/cm2、反応時間は触媒濃度、重合温度等の
条件により異なるため特に制限はないが、通常1分〜5
>時間、好ましくは5分〜3時間である。
【0049】本発明のエチレン系共重合体の製造は溶液
相中で行われ、その場合の溶媒としては一般に用いられ
る有機溶剤であればいずれでもよく、具体的にはベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素やペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭
化水素が挙げられ、または、α−オレフィン自身を溶媒
として用いることもできる。
【0050】重合は、バッチ式、半連続式、連続式のい
ずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変え
て2段以上に分けて行うことも可能である。また、生成
した共重合体は、常法により処理され、例えばメタノー
ルやエタノールなどのような生成した共重合体に対する
貧溶媒を加えることで重合溶液から分離回収され、乾燥
させることで固体状として得ることができる。
【0051】本発明のエチレン系共重合体組成物は、前
述したエチレン系共重合体と硫黄および/または有機過
酸化物とからなるものである。有機過酸化物としてはベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシ
ヘキシン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらの有機過酸化物
は単一でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0052】このような架橋剤の添加量は、本発明のエ
チレン系共重合体100重量部当たり0.1〜10重量
部用いられる。0.1重量部未満では架橋が充分に行わ
れない可能性があり、10重量部を越えると臭気が残る
ため好ましくない。
【0053】本発明のエチレン系共重合体組成物には、
架橋を効率よく行うために、必要に応じて加硫促進剤、
加硫促進助剤を併用することができる。架橋促進剤とし
ては、N,N−ジフェニルグアニジン、N,N−ジ−o
−トリルグアニジンなどのようなグアニジン誘導体;
N,N−ジブチルチオ尿素、2−メルカプトイミダゾリ
ン、テトラメチルチオ尿素などのようなチオ尿素;ジブ
チルキサントゲン酸亜鉛などのようなキサントゲン酸
塩;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛などのようなジチオ酸塩;ヘキサメチ
レンテトラミン、アセトアルデヒドアニリン、ブチルア
ルデヒドアニリンなどのようなアルデヒドアンモニア系
化合物;メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルジスルフィドなどのようなチアゾール系化合物;テト
ラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラ
ムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのようなチ
ウラムサルファイド;メルカプトベンゾチアゾール、ジ
ベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチ
アゾール亜鉛などのようなチアゾール系化合物;N−シ
クロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミ
ド、N−t−ブチルベンゾチアゾールスルフェンアミド
などのようなスルフェンアミドなどが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらの架橋促進剤は
単一でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0054】これらの架橋促進剤を用いる場合は、その
使用量は共重合体100重量部当たり10重量部以下で
あり、好ましくは5重量部以下である。10重量部を越
えると得られる架橋ゴムの物性が低下する恐れがある。
また、架橋の際に亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛
華、炭酸亜鉛、リサージおよび酸化マグネシウムなどに
代表される架橋促進助剤および分散剤を併用することも
可能である。
【0055】さらに、架橋の際には共架橋剤を使用する
と架橋効果が向上するので有効である。共架橋剤として
は、例えば、P・キノンジオキシム、P・Pジベンゾイ
ルキノンジオキシム、N−メチル−N’−4−ジニトロ
ソアニリン、ジニトロソベンゼン、ラウリルメタアクリ
レート、エチレングリコールジメタアクリレート、トリ
エチレングリコールジメタアクリレート、テトラエチレ
ングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタアクリレート、ジアリールフマレート、ジアリール
フタレート、テトラアリールオキシエタン、トリアリー
ルシアヌレート、アリールメタアクリレート、マレイミ
ド、フェニールマレイミド、N,N’−m−フェニレン
ビスマレイミド、無水マレイン酸、イタコン酸、ジビニ
ルベンゼン、ジアリールメラミン、ジフェニルグアニジ
ン、ジビニルアジペート、ビニールトルエン、1,2−
ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ム、ジペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、メル
カプトベンゾチアゾール、硫黄等が挙げられ、これらの
うち1種もしくは2種以上が必要に応じて使用される。
【0056】本発明のエチレン系共重合体組成物には、
無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、ニトロソ化合物
に代表されるスコーチ防止剤、クマロン樹脂、テルペン
樹脂、石油系炭化水素化合物、ロジン誘導体に代表され
る粘着付与剤、パラフィン系軟化剤、ナフテン系軟化
剤、アロマ系軟化剤、アスファルト、ワセリン、オゾケ
ライト等に代表される軟化剤などを必要に応じて添加す
ることが可能である。
【0057】さらに、必要に応じて炭酸カルシウム、マ
イカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ベントナイ
ト、セリサナイト、ゼオライト、ネフェリンシナイト、
アタパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、珪
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化
アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、酸化鉄、二硫化モリブデン、カーボンブラック、石
膏、石英などの無機充填剤や補強剤、さらには有機,無
機顔料を配合することもできる。また、離型剤、アンチ
ブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、滑剤、耐熱
安定剤、光安定剤、UV吸収剤、耐候性安定剤、発泡
剤、消泡剤、防錆剤、防黴剤、イオントラップ剤、難燃
剤、難燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0058】また、架橋方法も特に限定を受けず、ロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダーなどのバッチ式混練
機やスクリュー押出機、ローター型連続混練機などの連
続混練機などを用いて素練り、混合、ブレンドなどを行
い、さらに、得られたコンパウンドを押出、射出、カレ
ンダー、圧縮、ブロー、発泡およびトランスファー成形
など任意の成形法で賦形し、架橋される。
【0059】また、本発明のエチレン系共重合体および
その組成物は、タイヤ、バンパー、ウェザーストリッ
プ、ウォーターホース、ラジエーターホース、ラジエー
ターパッキング、ブレーキカップ等の自動車部品、給紙
ロール、チューブ、ベルト等の工業用品や絶縁体などへ
の利用が可能である。
【0060】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する
が、これらは例示的なものであって、限定的なものでは
ない。実施例中の各種測定は下記の方法により行った。
【0061】(α−オレフィン含量、非共役ジエン含
量)o−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d6(75/2
5容量%)を溶媒に、100MHz、13C−NMRスペ
クトル(日本電子(株)製 JNM GX400)測定
を行い、以下の文献に記載の方法により算出した。
【0062】エチレン/プロピレン系共重合体:Mac
romolecules,15,1150(1982) エチレン/1−ヘキセン系共重合体:Macromol
ecules,15,1402(1984) エチレン/1−オクテン共重合体:Polymer,2
5,441(1984) (密度)100℃の熱水に1時間浸し、その後室温まで
放冷したものについて、JISK6760(1981
年)に準拠して、23℃に保った密度勾配管を用いて測
定した。
【0063】(分子量分布)溶媒にo−ジクロロベンゼ
ンを用いて、140℃におけるゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(ミリポア(株)社製 150C型G
PC)を用い測定した。
【0064】(結晶融解挙動、ガラス転移温度)示差走
査型熱量計(DSC)(パーキンエルマー,DSC−
7)を用いて測定した。DSC内で試料を200℃で5
分間溶融し、その後10℃/分の速度で温度を−100
℃まで下げて固化させた試料について、再度10℃/分
の速度で昇温させ測定した。結晶融解ピークが存在する
サンプルについては、そのピーク温度を測定した。
【0065】(ゼロせん断粘度(η0)と重量平均緩和
時間(τw))粘度粘弾性測定装置 MR−500
((株)レオロジ製)を用いて、動的粘弾性の周波数
(ω)依存性を190〜270℃で測定した。測定モー
ドは平行円板型とし、線形領域で行った。時間温度の重
ねあわせによって基準温度230℃として動的貯蔵弾性
率(G’)および動的損失弾性率(G”)の合成曲線を
求め、下記一般式によって求めた。
【0066】ゼロせん断粘度(η0
【0067】
【数1】
【0068】重量平均緩和時間(τw)
【0069】
【数2】
【0070】なお、サンプルは熱安定剤としてヒンダー
ドフェノール系安定剤 イルガノックス1010(チバ
・ガイギー社製)600ppm、イルガフォス168
(チバ・ガイギー社製)1000ppm、滑剤としてス
テアリン酸カルシウム1000ppmを添加して測定に
用いた。
【0071】(ロール加工性)8インチオーブンロール
でのコンパウンドのロール巻き付き性を肉眼で観察し
た。評価は、◎:優れる ○:良好 ×:悪い の3段
階で行った。
【0072】(引張試験)JIS K6301(198
9年)に準拠し、引張試験を行った。温度は25℃、3
号ダンベル試験片を用い、速度500mm/分にて実施
し、引張破断点応力(TB)と引張破断点伸び(EB)を
測定した。
【0073】(硬度)JIS K6301(1989
年)に準拠し、スプリング硬さ(ShoreA硬度)を
測定した。
【0074】(圧縮永久歪み)JIS K6301(1
989年)に準拠し、100℃×77時間および−20
℃×22時間の条件で測定した。
【0075】実施例1 (エチレン系共重合体の合成)5lのオートクレーブ
に、トルエン 2250mlおよび1−ヘキセン 25
0mlを加え、80℃に昇温し、さらに、エチレンを分
圧で4kg/cm2導入した。次に、別の反応容器にト
ルエン 10ml、トリイソブチルアルミニウム1.5
mmol、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ハフニウムジクロライド 3μm
ol、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロ
フェニルボレート 3.6μmolを加え、この混合溶
液を20分間撹拌した後、オートクレーブに導入し、重
合を開始した。重合はエチレンを連続的に導入し、80
℃で10分間行った。重合終了後、多量のエタノールに
よりポリマーを洗浄し、60℃で12時間減圧乾燥を行
った。その結果、1−ヘキセン含量が39モル%のエチ
レン/1−ヘキセン共重合体を52g得た。得られた共
重合体の特性を表1に示す。
【0076】(配合、架橋)得られた共重合体100重
量部、HAFカーボンブラック(三菱化学(株)製ダイ
アフラックH)50重量部、亜鉛華3重量部、ステアリ
ン酸1重量部を内容量100mlのラボプラストミルを
用い、回転数50rpm、50℃で3分間混練した後、
得られたコンパウンドに硫黄0.32重量部、ジクミル
パーオキサイド3重量部を加え、50℃に保持した8イ
ンチロールで10分間混練した。得られたコンパウンド
をプレス成形機を用い、プレス圧100kg/cm2
160℃×20分間加熱し、プレス加硫を行い、150
×150×2mmのシートを作成し、評価を行った。結
果を表1に示す。
【0077】実施例2〜7 表1に示した条件下で、種々のエチレン/α−オレフィ
ン系共重合体を得た。メタロセン化合物/ジメチルアニ
リニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート/
トリイソブチルアルミニウムの比は1/1.2/500
(モル比)、溶媒、α−オレフィンの合計量は2500
ml、重合時間は10分とした。得られた共重合体は実
施例1に従い配合、架橋し、各種評価を行った。結果を
表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】比較例1〜8 表2に示した条件とした以外は実施例1と同様の操作に
より種々のエチレン/α−オレフィン系共重合体を得
た。得られた共重合体は実施例1に従い配合、架橋し、
各種評価を行った。結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】実施例8 5lのオートクレーブに、トルエン 1450ml、1
−ヘキセン 1000mlおよび5−エチリデン−2−
ノルボルネン(ENB) 50mlを加え、80℃に昇
温し、さらに、エチレンを分圧で8kg/cm2導入し
た。次に、別の反応容器にトルエン 10ml、トリイ
ソブチルアルミニウム 2.5mmol、ジフェニルメ
チレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフ
ニウムジクロライド 5μmol、ジメチルアニリニウ
ムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート 6μm
olを加え、この混合溶液を20分間撹拌した後、オー
トクレーブに導入し、重合を開始した。重合はエチレン
を連続的に導入し、80℃で10分間行った。重合終了
後、多量のエタノールによりポリマーを洗浄し、60℃
で12時間減圧乾燥を行った。その結果、1−ヘキセン
含量が55モル%、ENB含量が1.1モル%のエチレ
ン/1−ヘキセン/ENB共重合体を110g得た。得
られた共重合体の特性を表3に示す。
【0082】(配合、架橋)得られた共重合体100重
量部、HAFカーボンブラック(三菱化学(株)製ダイ
アフラックH)80重量部、パラフィン系オイル(出光
石油化学(株)製ダイアナプロセスオイルPWー90)
50重量部、亜鉛華5重量部、ステアリン酸1重量部を
内容量100mlのラボプラストミルを用い、回転数5
0rpm、50℃で3分間混練した後、得られたコンパ
ウンドに硫黄1.5重量部、加硫促進剤(テトラメチル
チウラムスルフィド(大内新興(株)製)ノクセラー
T)1.0重量部、加硫促進剤(2−メルカプトベンゾ
チアゾール(大内新興(株)製)ノクセラーM)0.5
重量部を加え、50℃に保持した8インチロールで10
分間混練した。得られたコンパウンドをプレス成形機を
用い、プレス圧100kg/cm2で170℃×20分
間加熱し、プレス架橋を行い、150×150×2mm
のシートを作成し、評価を行った。結果を表3に示す。
【0083】実施例9、比較例9〜10 表3に示した条件下で、種々のエチレン/α−オレフィ
ン系共重合体を得た。メタロセン化合物/ジメチルアニ
リニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート/
トリイソブチルアルミニウムの比は1/1.2/500
(モル比)、溶媒、α−オレフィン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン(ENB)の合計量は2500ml、
重合時間は10分とした。得られた共重合体は実施例8
に従い配合、架橋し、各種評価を行った。結果を表3に
示す。
【0084】
【表3】
【0085】実施例10 2lのオートクレーブに、トルエン 800mlおよび
1−ヘキセン 200mlを加え、撹拌させながら内温
を40℃まで上昇させた。このとき内圧は0.2kg/
cm2であり、ここにエチレンを導入し、全圧を4.2
kg/cm2まで上昇させた。次に、別の反応容器にト
ルエン 10ml、ジメチルアニリニウムテトラキスペ
ンタフルオロフェニルボレート 0.6μmol、トリ
イソブチルアルミニウム 500μmol、ジフェニル
メチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロライド 0.5μmolを加え、この
混合溶液を30分撹拌した後、オートクレーブに導入
し、重合を開始した。この重合はエチレンを連続的に導
入することで全圧を4.2kg/cm2、内温を40℃
に保ち、10分間経過した後、10mlのエタノールを
オートクレーブに圧入して重合を終了させた。重合終了
後、多量のエタノールによってポリマーを洗浄し、90
℃で8時間減圧乾燥を行った。その結果、1−ヘキセン
含量が35モル%のエチレン/1−ヘキセン共重合体を
18g得た。
【0086】実施例11〜13 表4に示した条件下で、種々のエチレン/α−オレフィ
ン系共重合体を得た。得られた共重合体の諸物性を表4
に示す。
【0087】
【表4】
【0088】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のエチレン系
共重合体は非晶性であり、溶融弾性に優れ、オレフィン
系ゴムの耐熱性、耐候性を損なうことなく、低温特性、
特に低温圧縮永久歪み、低温柔軟性、加工性に優れる。
したがって、本発明のエチレン系共重合体およびその組
成物は各種自動車部品、工業部品、絶縁材等に好適に用
いられる。また、本発明の製造方法により、比較的高温
下で、効率よくエチレン系共重合体を製造することが可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23/08 C08L 23/08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 210/00 - 210/18 C08F 4/60 - 4/70 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)エチレンと(ii)炭素数5〜20
    のα−オレフィンからなるエチレン系共重合体であり、 (a)エチレン成分単位が42〜75モル%、α−オレ
    フィン成分単位が25〜58モル%、 (b)100℃の熱水に1時間浸した後に室温まで放冷
    したものの密度が0.88g/cm3未満、 (c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
    C)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分
    子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.2〜3、 (d)示差走査型熱量計において、200℃で5分溶融
    し、その後10℃/分で−100℃まで冷却したものを
    再度10℃/分で昇温させたときに結晶融解ピークを示
    さず、 (e)示差走査熱量計により測定したガラス転移温度が
    −50℃以下、 (f)230℃におけるゼロせん断粘度(η0)が50
    000〜1000000poise、 (g)230℃における重量平均緩和時間(τw)が
    0.3〜15秒であることを特徴とするエチレン系共重
    合体。
  2. 【請求項2】少なくとも一種の非共役ジエン成分単位を
    0.01〜10モル%含有することを特徴とする請求項
    1に記載のエチレン系共重合体。
  3. 【請求項3】(A)下記一般式で表されるメタロセン化
    合物 【化1】 [Cp1は無置換または置換基(−R,−BR2,−Si
    3,−NR2,−PR2,−OR,−SR,−F,−C
    l,−Br,−I:ただし、Rは水素または炭素数1〜
    20の炭化水素基である。)を有するシクロペンタジエ
    ニル基、インデニル基もしくはフルオレニル基であり、
    Cp2は無置換または置換基(−R,−BR2,−SiR
    3,−NR2,−PR2,−OR,−SR,−F,−C
    l,−Br,−I:ただし、Rは水素または炭素数1〜
    20の炭化水素基である。)を有するフルオレニル基で
    あり、R1,R2は各々独立して水素、ハロゲンまたは炭
    素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基もしくはアリ
    ーロキシ基であり、また、少なくとも一方がアリール基
    または置換アリール基であり、Mはチタンまたはジルコ
    ニウムであり、R3,R4は各々独立して水素、ハロゲン
    または炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基もし
    くはアリーロキシ基である。] (B)下記一般式で表される化合物から選択される1種
    以上のイオン化イオン性化合物【化2】 [式中、Hはプロトンであり、L 1 は各々独立してルイ
    ス塩基であり、lは0<l≦2であり、Bはホウ素原子
    であり、R 5 は各々独立して炭素数6〜24のアリール
    基もしくはアラルキル基、またはハロゲン、炭化水素基
    もしくはヘテロ原子含有炭化水素基を置換基として有す
    る炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基で
    ある。] 【化3】 [式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウム
    カチオンであり、Bはホウ素原子であり、R 5 は各々独
    立して炭素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル
    基、またはハロゲン、炭化水素基もしくはヘテロ原子含
    有炭化水素基を置換基として有する炭素数6〜24のア
    リール基もしくはアラルキル基である。] 【化4】 [式中、M 2 は周期表1族、2族、8族、9族、10
    族、11族または12族か ら選ばれる金属の陽イオンで
    あり、L 2 はルイス塩基またはシクロペンタジエニル基
    であり、mは0≦m≦2であり、Bはホウ素原子であ
    り、R 5 は各々独立して炭素数6〜24のアリール基も
    しくはアラルキル基、またはハロゲン、炭化水素基もし
    くはヘテロ原子含有炭化水素基を置換基として有する炭
    素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基であ
    る。] 【化5】 [式中、Bはホウ素原子であり、R 5 は各々独立して炭
    素数6〜24のアリール基もしくはアラルキル基、また
    はハロゲン、炭化水素基もしくはヘテロ原子含有炭化水
    素基を置換基として有する炭素数6〜24のアリール基
    もしくはアラルキル基である。] (C)下記一般式で表される有機アルミニウム化合物 【化6】 [式中、Alはアルミニウム原子である。R 6 は各々独
    立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくは
    アルコキシ基、または炭素数6〜24のアリール基、ア
    リールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコ
    キシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリール
    オキシ基であり、少なくとも1つのR 6 は水素原子、炭
    素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリ
    ール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール
    基である。]から形成される触媒の存在下、20℃以上
    120℃未満の温度にて、エチレンと炭素数5〜20の
    α−オレフィンの比が10/90〜40/60(モル
    比)の溶液中で共重合を行うことを特徴とする請求項1
    または2に記載の共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】(I)請求項1または2に記載のエチレン
    系共重合体と(II)硫黄および/または有機過酸化物
    からなることを特徴とするエチレン系共重合体組成物。
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