JP5758008B2 - エチレン系共重合体、当該共重合体を含む組成物、及びエチレン系共重合体あるいは組成物からなる成形品並びにフィルム又はシート - Google Patents

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Description

本発明は、非架橋下においても、優れたゴム弾性を有し、且つ、無機充填剤やプロセスオイルなどの可塑剤を多量配合されても、成形加工性や機械的特性に優れるエチレン系共重合体、当該共重合体を含む組成物、及びエチレン系共重合体あるいは組成物からなる成形品並びにフィルム又はシートに関する。
エチレン・α−オレフィン共重合体やエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体は、主鎖に不飽和結合を持たないため、ジエン系のゴムと比較して耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、自動車工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建材用品、ゴム引布等のゴム製品等に広く用いられている。
特に、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、非共役ポリエンに由来する二重結合が架橋反応に関与でき、架橋反応を起こすことによりゴム製品においてより優れた強度とゴム弾性を達成することができるので、広く使用されている。
エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体を用いてゴム製品を製造する際には、通常、カーボンブラックや、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤とプロセスオイル等の可塑剤が多量に配合されている。
しかしながら、カーボンブラックや、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤とプロセスオイル等の可塑剤を多量に配合すると、ロール加工性や押出加工性など、成形加工性が著しく低下し、また、架橋して得られるゴム製品の機械的特性やゴム弾性が顕著に悪化する。
高充填性に優れるエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体を得る方法の一つとして、例えば、135℃、デカリン溶媒中で測定した極限粘度〔η〕が3.7〜4.1dl/gのエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体を用いる方法(特許文献1:特開平6−1893号公報)、ポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)が45万〜300万の範囲にあるエチレン、炭素数6〜12のα−オレフィンおよび環状非共役ジエンからなる共重合体(A)あるいはエチレン、プロピレン、炭素数6〜12のα−オレフィンおよび環状非共役ジエンからなる共重合体(B)を用いる方法(特許文献2:特開平9−151283号公報)など、高分子量のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体を用いる方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1あるいは特許文献2に開示されているエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体(極限粘度〔η〕が4dl/g程度)を用いても、非架橋下においては所望のゴム弾性が発現せず、著しい高充填配合の適用は難しい。
なお、特許文献2には極限粘度〔η〕の開示はないが、比較例3に記載の日本合成ゴム(株)製の商品名EP98A〔エチレン含量:75.9モル%、プロピレン含量:22.6モル%、ENB含量:1.16モル%、Mw117.9万、Mw/Mn4.4であり、伸展油としてパラフィン系プロセスオイルを75質量部含有するエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネンランダム共重合体〕を入手して、伸展油を除去しランダム共重合体の極限粘度〔η〕を測定したところ、4.45dl/gであった。
又、成形加工方法の一つに熱可塑性重合体を2本以上のロール間で圧延して、一定の厚みを有するフィルムやシートを連続的に成形する方法(カレンダー成形法)がある。
カレンダー成形法は、通常の押出成形法に比べて、生産能力が大きいため、安価にフィルムやシートを製造できる成形法である。従来、カレンダー成形法では、主として各種の可塑剤を含有するポリ塩化ビニルが使用され、レザー、シート、フィルムなどが多量に製造されていた。近年、ポリ塩化ビニルのVOC問題、廃棄物焼却時のガス発生の問題などから、他の材料への転換が迫られている。
オレフィン系重合体からなる材料は、ポリ塩化ビニルの代替材として有望とされてきたが、高い結晶性を有する高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどは柔軟性に問題を抱え、さらに溶融すると急激な粘度変化が起こることから、カレンダー成形可能な好適範囲が狭い、カレンダーロールからの離型性が悪い、また、カレンダー成形物の表面平滑性が悪い、厚みムラが生じ易いなどの問題があった。
一方、結晶性の低いオレフィン系材料であるα−オレフィン共重合体では、剥離不良や食い込み不良などの問題により、カレンダー成形性が著しく悪い。剥離不良とは、樹脂がロールからはなれず、ロールに巻きついてしまうことであり、食い込み不良とは、樹脂がロール間に食い込んでいかず、バンクがどんどん大きくなってしまうことを意味する。これら不具合は、オイルなどの可塑剤を添加した柔軟処方では、さらに悪化する傾向にある。
上記の問題を解決するために数多くの提案がされている。例えば、特許文献3には、カレンダー成形性に適した材料として、広い分子量を有するポリプロピレンのブレンド物が開示されている。また、特許文献4には、プロピレンとエチレンのランダム共重合体およびプロピレンとエチレンとのブロック共重合体の組成物を使用したカレンダー成形法が開示されている。さらに特許文献5には、シンジオタクチックプロピレン重合体を主成分とし、シンジオタクチック構造プロピレン・エチレン共重合体、非晶性α−オレフィン系共重合体、エチレン・α−オレフィン系共重合体、およびアイソタクチックプロピレン重合体を含む軟質シンジオタクチックポリプロピレン系組成物が提案されている。
他方、カレンダーロールからの離型性を改善する方法として、特許文献6では、ポリプロピレン樹脂組成物と脂肪族モノカルボン酸の金属塩とからなる組成物が開示されているが充分な性能を有するフィルムは得られていない。
特開平6−1893号公報 特開平9−151283号公報 特開平8−67778号公報 特開昭53−119946号公報 特開2001−172448号公報 特開平8−319382号公報
本発明が解決しようとする課題は、非架橋下においても優れたゴム弾性を有し、著しい高充填配合においても十分な成形加工性を維持するエチレン系共重合体を得ること、良好な機械物性を有する架橋体を提供すること、柔軟かつ高い伸張性を有するフィルムまたはシートを提供すること、および柔軟かつ高い伸張性を有するフィルムまたはシートを生産性良く製造できる方法を提供することである。
本発明は、下記(1)〜(3)の特徴を有する、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、ポリエンおよび/または環状オレフィン[C]である、成分[A]、成分[B]および成分[C]に由来する構造単位を含むエチレン系共重合体(X)、当該共重合体(X)を含むエチレン系共重合体組成物、当該共重合体(X)を含有するフィルムまたはシート、および、当該組成物からなるフィルムまたはシートである。
(1)エチレン[A]に由来する構造単位が、前記共重合体(X)の全構造単位100モル%中、50〜90モル%の範囲、
(2)少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン[C]に由来する構造単位が、前記共重合体(X)の全構造単位100モル%中、1.0〜5.0モル%の範囲、および、
(3)エチレン系共重合体(X)の135℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が、7.8〜13.0dl/gの範囲。
前記フィルムまたはシートのJIS K 6253の方法により測定されるデュロメータタイプA硬さが、が、10〜80であると柔軟性と伸張性の点で好ましい。
また、前記フィルムまたはシートの少なくとも一部が架橋、特に電子線架橋されていると伸張後の残留歪みを低減する点で好ましい。
成分[C]が、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)であると架橋反応性の点で好ましい。
成分[B]が、プロピレンまたは1−ブテンであると力学特性ならびに成形加工性の点で好ましい。
また本発明は、前記のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、可塑剤(Y)を100〜500質量部含んでなるエチレン系共重合体組成物である。
前記のエチレン系共重合体組成物が、190℃における0.01rad/secの損失正接(tanδ)が、0.1〜1.0であると非架橋下におけるゴム弾性の点で好ましい。
本発明のエチレン系共重合体(X)は、架橋の有無に関わらず、それ自体が優れた力学特性を有している。また、本発明のエチレン系共重合体(X)は、エチレン系共重合体(X)100質量部に対して多くの可塑剤とその他の配合剤を含むことができ、配合部数の合計が700質量部を超える著しい高充填配合であっても、良好な成形加工性を示し、かつ架橋の有無に関わらず、優れた力学特性とゴム弾性を発現することができるので、新規材料を提供することができる。
また、本発明のエチレン系共重合体(X)を用いてなるフィルムまたはシートは、柔軟性および高い伸長性を有する。
特に、電子線架橋してなるフィルムまたはシートは、伸張後の残留歪みが著しく小さいフィルムまたはシートとなる。
さらに、本発明のエチレン系共重合体(X)および当該エチレン系共重合体(X)を含むエチレン系共重合体組成物はカレンダー成形によりフィルムまたはシートを製造でき、また製造にあたっての成形性も良好である。
図1は実施例で用いた複合型6本カレンダーロールのロール構成図を示す。
[エチレン系共重合体(X)]
本発明のエチレン系共重合体(X)は、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、ポリエンおよび/または環状オレフィン[C]である、成分[A]、成分[B]および成分[C]に由来する構造単位を含むエチレン系共重合体(X)であって、
(1)エチレン[A]に由来する構造単位が、前記共重合体(X)の全構造単位100モル%中、50〜90モル%、好ましくは55〜85モル%、より好ましくは55〜83モル%の範囲、
(2)少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン[C]に由来する構造単位が、前記共重合体(X)の全構造単位100モル%中、1.0〜5.0モル%、好ましくは1.0〜4.0モル%、より好ましくは1.0〜3.5モル%の範囲、および、
(3)エチレン系共重合体(X)の135℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が、7.8〜13.0dl/g、好ましくは8.0〜13.0dl/g、より好ましくは8.0〜12.0dl/g、更に好ましくは8.5〜12.0dl/gの範囲、
であることを特徴とするエチレン系共重合体である。
以下、上記(1)〜(3)について、詳細に説明する。
<(1)[A]エチレン>
エチレン[A](以下、単に「成分[A]」ともいう。)に由来する構造単位は、本発明のエチレン系共重合体(X)(以下、単に「共重合体(X)」ともいう場合がある。)を含むエチレン系共重合体組成物を成形・架橋して得られるゴム成形品に耐低温衝撃性と優れた機械強度を与える。
また、本発明の共重合体(X)の全構造単位中のエチレン[A]に由来する構造単位の割合は、種々の公知の方法により測定することができ、例えば、1H−NMRスペクトルの測定により前記割合を求めることができる。
<[B]炭素数3〜20のα―オレフィン>
炭素数3〜20のα−オレフィン[B](以下、単に「成分[B]」ともいう。)に由来する構造単位は、本発明のエチレン系共重合体(X)に柔軟性(低結晶性)を与える。
成分[B]の炭素数は、原料コスト、本発明の共重合体(X)の機械的性質および、後述する前記共重合体を含む組成物から得られる成形品のゴム弾性の観点から、好ましくは炭素数3〜20、好ましくは3〜8のα−オレフィン、より好ましくはプロピレン、1−ブテンであり、特に好ましくはプロピレンである。
このような成分[B]の例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが好ましく、より好ましくはプロピレン、1−ブテンであり、特に好ましくはプロピレンである。
成分[B]は、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、成分[B]に由来する構造単位は、本発明の共重合体(X)の柔軟性と本発明のゴム成形品の耐低温衝撃性の点から、本発明の共重合体(X)の全構造単位100モル%中、通常、9〜49モル%含まれ、好ましくは14〜44モル%含まれる。
本発明の共重合体全構造単位中の成分[B]に由来する構造単位の割合は、種々の公知の方法により測定することができ、例えば、1H−NMRスペクトルの測定により前記割合を求めることができる。
<(2)[C]少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン>
少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン[C](以下、単に「成分[C]」ともいう。)に由来する構造単位は、本発明のエチレン系共重合体(X)に架橋反応性を与える。
本発明に係る成分[C]の一つである少なくとも一種のポリエン[C−1](以下、単に、「成分[C−1]」ともいう。)は、二重結合を二つ以上(通常4個以下)有し、かつその二重結合同士が共役していなければ特に限定されないが、コストの観点から、炭素数5〜20の非共役ジエンが好ましく、炭素数5〜15の非共役ジエンがより好ましい。
このような非共役ジエンの例としては、環状非共役ジエンとして5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、ノルボルナジエンおよびメチルテトラヒドロインデンが、鎖状非共役ジエンとして1,4−ヘキサジエンおよび7−メチル−1,6−オクタジエンが挙げられる。
これらの中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエンおよび5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が好ましく用いられ、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が特に好ましく用いられる。
本発明に係る成分[C]の一つである環状オレフィン[C−2]は、不飽和の単環式の炭化水素であって、炭素―炭素二重結合を環内に一個持つものである。環状オレフィンとしては、具体的には、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
本発明に係る成分[C]は、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の共重合体全構造単位中の少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン[C]に由来する構造単位の割合は、種々の公知の方法により測定することができ、例えば、1H−NMRスペクトルの測定により前記割合を求めることができる。
本発明のエチレン系共重合体(X)としては、成分[C]として、非共役ポリエンが好ましく、中でも、非共役ジエンが好ましく、特にENBが好ましい。
<(3)極限粘度[η]>
本発明のエチレン系共重合体(X)は、135℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が上記範囲にあることにより、非架橋下においても優れたゴム弾性を発現する。
極限粘度[η]が上記範囲未満のエチレン系共重合体は、可塑剤を多量に含む場合に塑性変形してしまう虞があり、一方、極限粘度[η]が上記範囲を超えるエチレン系共重合体は製造上の不具合を生じる虞がある。
本発明のエチレン系共重合体(X)は、好ましくは、(i)13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求められるB値が0.9〜1.0、
B値=[POE]/(2・[P]・[P])
(式中、[P]は、該ランダム共重合体中の(イ)エチレンから導かれる単位の含有モル分率であり、[P]は、ランダム共重合体中の(ロ)α−オレフィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[POE]は、ランダム共重合体における全ダイアド(dyad)連鎖数に対するα−オレフィン・エチレン連鎖数の割合である)、及び、
(ii)−10℃、1Hzで動的粘弾性測定を行って得られる損失正接tanδの値が0.1以下である。
B値は、エチレン系共重合体(X)中におけるエチレンとα−オレフィンとの分布状態を表わす指標であり、J.C.Randall (Macromolecules, 15, 353(1982))、J.Ray(Macromolecules, 10,773 (1977))らの報告に基づいて求めることができる。
上記(i)及び(ii)を満たすエチレン系共重合体は、低温領域でのゴム特性に優れる。
[エチレン系共重合体(X)の製造方法]
本発明のエチレン系共重合体(X)は、メタロセン触媒を用いて製造し得る。具体的には、以下の方法で製造し得る。
(触媒例1)
前記メタロセン触媒としては、下記一般式[I]または[II]で表される遷移金属化合物が挙げられる。
Figure 0005758008
Figure 0005758008
一般式[I]および[II]においてYは、ケイ素原子もしくは炭素原子である。
また一般式[I]および[II]においてR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数が1〜20の炭化水素基およびケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1からR14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
前記炭素数が1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール(aryl)基および置換アリール(aryl)基などが挙げられる。
より具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル(allyl)基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、イソプロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ベンジル基およびクミル基を挙げることができ、メトキシ基、エトキシ基およびフェノキシ基などの酸素含有基、ニトロ基、シアノ基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基およびN−フェニルアミノ基などの窒素含有基、ボラントリイル基およびジボラニル基などのホウ素含有基、スルホニル基およびスルフェニル基などのイオウ含有基を含むものも前記炭化水素基の例として挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよく、そのようなハロゲン置換炭化水素基として例えば、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基およびクロロフェニル基などを挙げることができる。
上記ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基および炭化水素置換シロキシ基などを挙げることができる。より具体的には、例えば、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基およびジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などを挙げることができる。
上記一般式[I]および[II]におけるR1からR4を有するシクロペンタジエニル基としては、R1からR4が水素原子である無置換シクロペンタジエニル基、3−t−ブチルシクロペンタジエニル基、3−メチルシクロペンタジエニル基、3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、3−フェニルシクロペンタジエニル基、3−アダマンチルシクロペンタジエニル基、3−アミルシクロペンタジエニル基および3−シクロヘキシルシクロペンタジエニル基などの3位1置換シクロペンタジエニル基、3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル基、3−t−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル基、3−フェニル−5−メチルシクロペンタジエニル基、3,5−ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル基、3,5−ジメチルシクロペンタジエニル基、3−フェニル−5−メチルシクロペンタジエニル基および3−トリメチルシリル−5−メチルシクロペンタジエニル基などの3,5位2置換シクロペンタジエニル基などを挙げることができるが、この限りではない。
遷移金属化合物の合成のし易さ、製造コスト及び非共役ポリエン[C]の共重合能の観点から、無置換(R1〜R4が水素原子)であるシクロペンタジエニル基が好ましい。
前記一般式[I]および[II]におけるR5からR12を有するフルオレニル基としては、R5からR12が水素原子である無置換フルオレニル基、2−メチルフルオレニル基、2−t−ブチルフルオレニル基および2−フェニルフルオレニル基などの2位1置換フルオレニル基、4−メチルフルオレニル基、4−t−ブチルフルオレニル基および4−フェニルフルオレニル基などの4位1置換フルオレニル基、あるいは2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル基および3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基などの2,7位もしくは3,6位2置換フルオレニル基、2,7−ジメチル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基および2,7−ジフェニル−3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル基などの2,3,6,7位4置換フルオレニル基、あるいは下記一般式[V−I]および[V−II]で表されるような、R6とR7とが互いに結合して環を形成し、R10とR11とが互いに結合して環を形成している2,3,6,7位4置換フルオレニル基などが挙げられるが、この限りではない。
Figure 0005758008
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一般式[V−I]および[V−II]中、R5、R8、R9、R12は前記一般式[I]あるいは[II]における定義と同様であり、
a、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、RgおよびRhは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、隣接した置換基と互いに結合して環を形成していてもよい。
前記アルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、アミル基およびn−ペンチル基を例示できる。
また、一般式[V−I]中、RxおよびRyはそれぞれ独立に炭素数1〜3の不飽和結合を有してもよい炭化水素基であり、RxがRaまたはRcが結合した炭素と共同して二重結合を形成していてもよく、RyがReまたはRgが結合した炭素と共同して二重結合を形成していてもよく、RxおよびRyがともに炭素数1または2の飽和あるいは不飽和の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式[V−I]または[V−II]で表される化合物として、具体的には、下記式[V−III]で表されるオクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、下記式[V−IV]で表されるテトラメチルドデカヒドロジベンゾフルオレニル基、下記式[V−V]で表されるオクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基、下記式[V−VI]で表されるヘキサメチルジヒドロジシクロペンタフルオレニル基、及び下記式[V−VII]で表されるb,h−ジベンゾフルオレニル基が挙げられる。
Figure 0005758008
Figure 0005758008
Figure 0005758008
Figure 0005758008
Figure 0005758008
これらのフルオレニル基を含む上記一般式[I]または[II]で表される遷移金属化合物はいずれも少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン[C]の共重合能に優れるが、Yがケイ素原子である場合、2,7位2置換フルオレニル基、3,6位2置換フルオレニル基、2,3,6,7位4置換フルオレニル基、上記一般式[V−I]に表される2,3,6,7位4置換フルオレニル基を有する遷移金属化合物が特に優れる。Yが炭素原子である場合、R5からR12が水素原子である無置換フルオレニル基、3,6位2置換フルオレニル基、2,3,6,7位4置換フルオレニル基、上記一般式[V−I]に表される2,3,6,7位4置換フルオレニル基を有する遷移金属化合物が特に非共役ポリエン[C]の共重合能に優れる。
重合活性については、Yがケイ素原子および炭素原子いずれの場合も、2,7位2置換フルオレニル基、3,6位2置換フルオレニル基、2,3,6,7位4置換フルオレニル基、上記一般式[V−I]に表される2,3,6,7位4置換フルオレニル基を有する上記一般式[I]および[II]で表される遷移金属化合物が特に優れる。
上記一般式[I]においてR13、R14は相互に同一でも異なってもよい。前述の通りR13、R14は炭化水素基になり得るが、その炭化水素基の中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、フェニル基、m−トリル基、p−トリル基、4−t−ブチルフェニル基、p−クロロフェニル基、4−ビフェニル基、2−ナフチル基、キシリル基、ベンジル基およびm−トリフルオロメチルフェニル基が好ましい。
上記一般式[II]で表される遷移金属化合物において、Aは芳香環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の二価の飽和もしくは不飽和の炭化水素基であり、YはこのAと結合し、例えば、下記式[VI-I]に表されるシクロヘキシリデン基などのシクロアルキリデン基、下記式[VI-II]に表されるシクロテトラメチレンシリレン基(1−シラシクロペンチリデン基)などのシクロメチレンシリレン基などを構成する。
Figure 0005758008
(式[VI−I]及び[VI−II]において、●は、上記一般式[II]における(置換)シクロペンタジエニル基および(置換)フルオレニル基との結合点を表す。)
また、一般式[II]においてAはYとともに形成する環を含めて二つ以上の環構造を含んでいてもよい。
YがAと結合して形成する環構造としては、上記式[VI−I]に表されるシクロヘキシリデン基以外に具体的には、シクロプロピリデン基、シクロブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘプチリデン基、シクロオクチリデン基、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン基、ノルボルニリデン基、アダマンチリデン基、テトラヒドロナフチリデン基およびジヒドロインダニリデン基などを挙げることができる。
同様に、YがAと結合して形成する環構造としては、上記式[VI−II]に表されるシクロテトラメチレンシリレン基(1−シラシクロペンチリデン基)以外に具体的には、シクロジメチレンシリレン基、シクロトリメチレンシリレン基、シクロペンタメチレンシリレン基、シクロヘキサメチレンシリレン基およびシクロヘプタメチレンシリレン基などを挙げることができる。
上記一般式[I]および[II]においてMは、チタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、好ましくはチタニウム原子またはハフニウム原子である。
一般式[I]および[II]においてQは、ハロゲン原子、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれる。
前記ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
前記炭素数1〜10の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1、1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基およびベンジル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基およびベンジル基である。
前記炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエンの具体例としては、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、およびs−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
前記アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、t−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテートおよびベンゾエート等のカルボキシレート基、ならびにメシレートおよびトシレート等のスルホネート基等が挙げられる。
前記孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンおよびジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、ならびにテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンおよび1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。
最後に、上記一般式[I]および[II]においてjは1〜4の整数であり、jが2以上の場合は、Qは互いに同一でも異なってもよい。
以上説明した遷移金属化合物の例は、特開平2011-1497号公報に挙げられている。
前記遷移金属化合物は公知の方法によって製造可能であり、特に製造方法が限定されるわけではない。製造方法として例えば、J.Organomet.Chem.,63,509(1996)、本出願人による出願に係る公報であるWO2006−123759号公報、WO01/27124号公報、特開2004−168744号公報、特開2004−175759号公報および特開2000−212194号公報等記載の方法が挙げられる。
(触媒例2)
また、本発明のエチレン系共重合体(X)の製造に使用可能なメタロセン触媒として、下記一般式(X)で表わされる化合物を挙げることができる。
Figure 0005758008
式(X)中、R’およびR’’はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、Mはチタンであり、Yは−NR*−であり、Z*は−SiR* 2−であり、前記二つのR*はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、pおよびqのうち一方は0であり、他方は1であり、
pが0かつqが1である場合には、Mは+2の酸化状態であり、X’は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは、1,3−ペンタジエンであり、
pが1かつqが0である場合には、Mは+3の酸化状態であり、Xは2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルである。
前記一般式(X)で表わされる構造を有する化合物としては、得られるエチレン系共重合体の超低分子量成分によるフォギングおよびベタが抑制されるといった観点から、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン(別名:(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン)(下記式(XI)で表される構造を有する化合物)が特に好ましい。なお、下記式(XI)で表わされる構造を有する化合物は、例えば特表2001−522398号公報に記載された方法で得ることができる。
Figure 0005758008
前記一般式(X)で表わされる構造を有する化合物は、少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン[C]の重合性に優れている。また、このようなメタロセン触媒を用いて合成される本発明のエチレン系共重合体(X)は、分子量分布および組成分布が狭く、均一な分子構造を有する共重合体である。このため、本発明の共重合体(X)を含む共重合体組成物、該組成物から得られる成形品は、表面外観に優れる傾向がある。
(共触媒)
本発明のエチレン系共重合体(X)は、例えば以上挙げたメタロセン触媒を主触媒とし、ホウ素系化合物および/またはトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を共触媒として用いて合成することができる。
前記ホウ素系化合物としては、例えば、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(s−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムn−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレートおよびN,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;
ジ(イソプロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、およびジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのジアルキルアンモニウム塩;
トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(o−トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの三置換されたホスホニウム塩;
ジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(o−トリル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびジ(2,6−ジメチルフェニル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの二置換されたオキソニウム塩;
ジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(o−トリル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびビス(2,6−ジメチルフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの二置換されたスルホニウム塩が挙げられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムおよびトリn−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウム、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、LiAl(C254、LiAl(C7154、さらに有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることができる。
前記有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
<重合条件>
本発明のエチレン系共重合体(X)を合成する際の反応温度は、通常−20〜200℃であり、好ましくは0〜150℃である。重合圧力は通常0MPaを超えて8MPa(ゲージ圧)以下、好ましくは0MPaを超えて5MPa(ゲージ圧)以下の範囲である。
反応時間(共重合が連続法で実施される場合は平均滞留時間)は、触媒濃度および重合温度などの条件によって異なるが、通常0.5分間〜5時間、好ましくは10分間〜3時間である。さらに、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
上記のようなメタロセン触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、上記一般式[I]、[II]および[X]で示した遷移金属化合物は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-8モルになるような量で用いられる。
前記遷移金属化合物と共に用いられる上記共触媒は、共触媒と、遷移金属化合物中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔共触媒/M〕が、通常0.1/1〜1000/1、好ましくは1/1〜500/1となるような量で用いられる。
本発明において、エチレン系共重合体の製造は、溶液(溶解)重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施可能であり、特に限定されないが、下記重合反応液を得る工程を有することが好ましい。
重合反応液を得る工程とは、脂肪族炭化水素を重合溶媒として用いて、上述のメタロセン触媒および共触媒の存在下に、エチレン[A]、上記成分[B]、上記少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン[C]および任意にその他のモノマーを共重合し、エチレン[A]・成分[B]・少なくとも一種のポリエンおよび/または環状オレフィン[C](・その他のモノマー)共重合体の重合反応液を得る工程である。
前記重合溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素などが挙げられる。具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素、ならびにエチレンクロリド、クロルベンゼンおよびジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、重合に供するα−オレフィン自身を重合溶媒として用いることもできる。
以上説明した重合溶媒のうち、得られるエチレン系共重合体との分離、精製の観点から、ヘキサンが好ましい。
重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
例えば以上説明したようにして重合反応を実施し、反応系内にメタノールなどの酸性アルコールを添加することによって、重合反応を終了させることができる。
重合反応により得られるエチレン系重合体の分子量は、重合系内に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによっても調節することができる。具体的には、重合系内に水素を少なくすることにより、得られるエチレン系共重合体の分子量を大きくすることができ、その結果、本発明における極限粘度の範囲のエチレン系共重合体を得ることができる。さらに、重合温度をあまり高くせず、触媒活性を高く維持することによって、得られるエチレン系共重合体の分子量を著しく伸ばすことが可能であり、結果、前記極限粘度の範囲を達成することができる。
さらに、使用する共触媒の量により前記エチレン系共重合体の分子量を調節することもできる。
[エチレン系共重合体組成物]
本発明においてエチレン系共重合体組成物とは、前記エチレン系共重合体(X)に種々公知の添加剤を添加したものをいうが、前記エチレン系共重合体(X)100質量部に対し可塑剤(Y)を100〜1000質量部含む組成物が成形加工性と柔軟性の点で好ましい。もちろん可塑剤以外に種々公知の添加剤を含んでいてもよい。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、前記エチレン系共重合体(X)100質量部に対し可塑剤(Y)を、好ましくは130質量部以上、さらには150質量部以上、より好ましくは180質量部以上、とくに好ましくは200質量部以上、最も好ましくは250質量部以上を含む。
一方、可塑剤(Y)の上限は、好ましくは700質量部以下、より好ましくは500質量部以下、とくに好ましくは400質量部以下であり、また、可塑剤が700質量部以上、好ましくは701質量部以上であるものも、好ましい態様の一つである。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、従来のエチレン系共重合体組成物に比べ、可塑剤(Y)を1000質量部以下と多量に含んでも、組成物から可塑剤(Y)が滲みだす虞が少なく、高油展領域への展開が可能となる。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、190℃における0.01rad/secの損失正接(tanδ)が、0.1〜1.0であることが非架橋下におけるゴム弾性の点から好ましく、より好ましくは0.3〜1.0である。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、好ましくは下記式[I]を満たす。
η+max>10000×(η+@10s)^0.47‥式[I]
(式中、η+maxは190℃、0.01[1/s]で伸長粘度を測定した場合の最大到達粘度であり、η+@10sは測定開始から10秒後の粘度である。)
上記の式[I]を満たすエチレン系共重合体組成物は、溶融延伸時の粘度が高いことからカレンダー成形性に優れ、薄く平滑なフィルムの成形が可能である。
本発明のエチレン系共重合体組成物の一例としては、前記エチレン系共重合体に架橋剤を配合して共重合体組成物とし、これを成形し、架橋することにより、所望のゴム成形品を得ることができる。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、本発明のエチレン系共重合体を単味で使用し、その他の重合体成分を実質的に含まないものが成形加工性と柔軟性の点で好ましいが、その他の重合体成分を特性を損なわない範囲で使用することもできる。
以上説明した種々の成分を含む本発明のエチレン系共重合体組成物は、成形加工性に優れているので、これを成形することによって所望のゴム成形品が得られる。このような本発明のゴム成形品を架橋する場合の方法については後述する。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、具体的には、著しい高充填配合であっても、粘着やバギングすることなく、ロールでの混練加工が可能であり、押出成形や型成形時のハンドリング性に優れ、容易に成形加工可能である。
エチレン系共重合体組成物のムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いてJIS K 6300に準拠して125℃において測定したムーニー粘度〔ML(1+4)125℃)〕は、通常20〜80であり、好ましくは25〜70である。
「重合体成分」とは、重合性の官能基(たとえばエチレン性不飽和結合、カルボン酸基及びアミノ基の組合せ)を有するモノマーを反応させて得られる化合物を指す。
次に、「実質的に含まない」とは、本発明のエチレン系共重合体組成物における本発明のエチレン系共重合体以外の重合体成分の含有量が、当該組成物100質量%中、1質量%以下であることを意味する。
上記架橋剤の例としては、加硫剤、加硫促進剤および加硫助剤が挙げられる。
<加硫剤>
前記加硫剤としては、例えば、硫黄系化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂およびオキシム化合物などが挙げられる。
前記硫黄系化合物としては、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドおよびジチオカルバミン酸セレンなどが好ましく、硫黄およびテトラメチルチウラムジスルフィドなどがより好ましい。
硫黄系化合物の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常0.1〜10質量部である。配合量が上記範囲内であると、得られる架橋体の機械物性が優れるため好適である。
前記有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびt−ジブチルヒドロペルオキシドなどが好ましく、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシドおよびジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどがより好ましい。
有機過酸化物の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100gに対して、通常0.001〜0.05モルである。有機過酸化物の配合量が上記範囲内であると、得られる架橋体の機械物性が優れるため好適である。
以上説明した加硫剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<加硫促進剤>
次に、上記加硫剤として硫黄系化合物を用いる場合には、加硫促進剤を併用することが好ましい。
前記加硫促進剤としては、N−シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(例:「サンセラーCM」(商品名;三新化学工業(株)製))、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例:「サンセラーM」(商品名;三新化学工業(株)製))、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例:「ノクセラーMDB−P」(商品名;三新化学工業(株)製))、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩(例:「サンセラーHM」(商品名;三新化学工業(株)製))等のチアゾール系;
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物等のアルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオウレア系;
テトラメチルチウラムモノスルフィド(例:「ノクセラーTS」(商品名;大内新興化学工業(株)製))、テトラメチルチウラムジスルフィド(例:「サンセラーTT」(商品名;三新化学工業(株)製))、テトラエチルチウラムジスルフィド(例:「サンセラーTET」(商品名;三新化学工業(株)製))、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(例:「サンセラーTRA」(商品名;三新化学工業(株)製))、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(例:「ノクセラーTOT」(商品名;大内新興化学工業(株)製))等のチウラム系;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(例:「サンセラーPZ」(商品名;三新化学工業(株)製))、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例:「サンセラーBZ」(商品名;三新化学工業(株)製))、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(例:「サンセラーTE」(商品名;三新化学工業(株)製))、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(例:「ノクセラーZTC」(商品名;大内新興化学工業(株)製))等のジチオ酸塩系;
エチレンチオ尿素(例:「サンセラー22−C」(商品名;三新化学工業(株)製))、N,N’−ジエチルチオ尿素(例:「サンセラーBUR」(商品名;三新化学工業(株)製))等のチオウレア系;ジブチルキサトゲン酸亜鉛等のザンテート系;
その他、亜鉛華(例えば、META−Z102(商品名;井上石灰工業社製、酸化亜鉛))などが挙げられる。
加硫促進剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常0.1〜20質量部である。加硫促進剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
以上説明した加硫剤および加硫促進剤の配合量が上記範囲にあると、得られる架橋体の機械物性が優れるため好ましい。
<加硫助剤>
上記架橋剤の例として挙げた加硫助剤としては、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系加硫助剤;エチレングリコールジメタクリレートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのアクリル系加硫助剤;ジアリルフタレートおよびトリアリルイソシアヌレート(例えば、M−60(商品名;日本化成社製))などのアリル系加硫助剤;その他マレイミド系加硫助剤;ジビニルベンゼン;酸化亜鉛、酸化マグネシウム/亜鉛華(例えば、META−Z102(商品名;井上石灰工業社製)など)が挙げられ、その用途に応じて適宜選択することができる。
加硫助剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫助剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常1〜50質量部である。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、本発明の共重合体(X)および上記の架橋剤に加えて、必要に応じてこれら以外のその他の成分を含有してもよい。
<可塑剤(Y)>
本発明に係る可塑剤(Y)としては、プロセスオイル(例えば、ダイアナプロセスオイル PW−380、ダイアナプロセスオイル PW−100(商品名;出光興産(株)製)、ダイアナプロセスオイル PS−430(商品名;出光興産社製))、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルトおよびワセリンなどの石油系可塑剤;コールタールおよびコールタールピッチなどのコールタール系可塑剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油およびヤシ油などの脂肪油系可塑剤;蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムおよびラウリン酸亜鉛などの脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油およびロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレンおよびクマロンインデン樹脂などの合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどのエステル系可塑剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油、トール油およびサブ(ファクチス)などが挙げられる。
これらのなかでも、石油系可塑剤が特に好ましい。本発明に係る可塑剤(Y)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明のエチレン系共重合体組成物から得られるゴム成形品を自動車部品用途に用いる場合には、オイル抽出を避けるため、上記の石油系可塑剤の使用は、最小限に抑えるのが好ましい。
<その他の成分>
その他の成分としては、発泡剤、発泡助剤、補強剤、無機充填剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、活性剤および吸湿剤等が挙げられ、本発明の共重合体組成物の用途、目的等に応じて前記組成物中に配合される。
前記発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムなどの無機系発泡剤;N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミンおよびN,N'−ジニトロソテレフタルアミドなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミドおよびアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジドおよび4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などのヒドラジド化合物;カルシウムアジドおよび4,4'−ジフェニルジスルホニルアジドなどのアジド化合物などの有機発泡剤が挙げられる。
また、それらの市販品としては、例えば、ビニホールAC−2F(商品名;永和化成工業社製)、ビニホールAC#LQ(商品名;永和化成工業社製、アゾジカルボンアミド(略号ADCA))、ネオセルボンN#1000SW(商品名;永和化成工業社製、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド(略号OBSH))、およびセルラーD(商品名;永和化成工業社製、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(略号DPT))などが挙げられる。
前記発泡剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常1〜70質量部である。
前記発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進または気泡の均一化などの作用を示す。このような発泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸およびクエン酸などの有機酸またはその塩;尿素またはその誘導体などが挙げられる。
これらの市販品としては、例えば、セルペーストK5(商品名;永和化成工業社製、尿素)およびFE−507(商品名;永和化成工業社製、重曹)などが挙げられる。
発泡助剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常0.1〜5質量部である。
本発明のエチレン系共重合体組成物には、該組成物から得られるゴム成形品の引張強度、引裂強度および耐摩耗性などの機械的性質を向上させる目的で、補強剤または無機充填剤を配合してもよい。
前記補強剤としては、旭#55G、旭#50HGおよび旭#60G(商品名;旭カーボン社製)ならびにシースト(SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FTおよびMTなど)などのカーボンブラック(東海カーボン社製);これらのカーボンブラックをシランカップリング剤などで表面処理したもの;シリカ;活性化炭酸カルシウム;微粉タルクおよび微粉ケイ酸などが挙げられる。
これらのうち、旭#55G、旭#50HG、旭#60GおよびシーストFEFなどが好ましい。
前記無機充填剤としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルクおよびクレーなどが挙げられ、なかでもタルクが好ましい。また、タルクとしては、例えば、市販のMISTRON VAPOR(日本ミストロン社製)などを用いることができる。
補強剤または無機充填剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常、150〜800質量部である。
補強剤または無機充填剤の配合量が上記範囲内にあると、本発明のエチレン系共重合体組成物は混練加工性に優れ、得られるゴム成形品(架橋成形体)は強度および柔軟性などの機械的性質ならびに圧縮永久歪みに優れる。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、通常のゴム組成物と同様に、老化防止剤を使用することにより、その製品寿命を長くすることができる。
前記老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤および硫黄系老化防止剤などの従来公知の老化防止剤が挙げられる。具体的には、フェニルブチルアミンおよびN,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族2級アミン系老化防止剤;ジブチルヒドロキシトルエンおよびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタンなどのフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィドなどのチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾールおよび2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩;ジラウリルチオジプロピオネートおよびジステアリルチオジプロピオネートなどの硫黄系老化防止剤などが挙げられる。これらの老化防止剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常0.3〜10質量部である。老化防止剤の配合量が前記範囲にあると、得られるエチレン系共重合体組成物の表面のブルームがなく、さらに加硫阻害を起こさないため好ましい。
上記加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ステアリン酸エステル類、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
加工助剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常10質量部以下である。加工助剤の配合量が前記範囲にあると、得られるエチレン系共重合体組成物の表面のブルームがなく、さらに加硫阻害を起こさないため好ましい。
上記活性剤としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、アクチングB(商品名;吉冨製薬社製)およびアクチングSL(商品名;吉冨製薬社製)などのアミン類;
ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG#4000(商品名;ライオン社製))、レシチン、トリアリレートメリテートならびに脂肪族および芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(例えば、Struktol activator 73、Struktol IB 531およびStruktol FA 541(商品名;Scill&Seilacher社製))などの活性剤;ZEONET ZP(商品名;日本ゼオン社製)などの過酸化亜鉛調製物;オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド;合成ハイドロタルサイト;特殊4級アンモニウム化合物(例えば、アーカード2HT-F(商品名;ライオン・アクゾ社製))などが挙げられる。
これらのうち、ポリエチレングリコール(例えば、PEG#4000(商品名;ライオン社製))およびアーカード2HT-Fが好ましい。
これらの活性剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。
活性剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常0.2〜10質量部である。
上記吸湿剤としては、酸化カルシウム(例えば、VESTA−18(商品名;井上石灰工業社製)、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライトおよびホワイトカーボンなどが挙げられる。このうち、酸化カルシウムが好ましい。
前記吸湿剤はその用途により適宜選択でき、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。吸湿剤の配合量は、本発明のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、通常0.5〜15質量部である。
<エチレン系共重合体組成物の製造方法>
本発明のエチレン系共重合体組成物の製造方法は特に限定されず、エチレン系重合体(X)と添加剤とを混合する種々の公知の方法が採用可能である。
前記製造方法の例としては、エチレン系共重合体組成物に含まれる各成分を、例えば、ミキサー、ニーダー、ロール等の従来知られている混練機、さらに二軸押出機のような連続混練機等を用いて混合する方法、エチレン系共重合体組成物に含まれる各成分が溶解または分散した溶液を調製し、溶媒を除去する方法、等が挙げられる。
[架橋ゴム成形品]
以上説明した本発明のエチレン系共重合体組成物を成形すると同時に架橋することにより(製造法1)、または成形をした後に架橋することにより(製造法2)、架橋ゴム成形品を得ることができる。
なお、本発明においては、「成形品」とは、厚みが1.5mm以下のフィルムまたはシートを除く成形物を意味する。
前記製造法1の例としては、本発明のエチレン系共重合体組成物を、押出成形機、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームまたはLCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽などを使用した種々の成形法によって所望形状に予備成形し、予備成形と同時に加熱する方法が挙げられる。
この方法においては、上述した加硫剤を用い、必要に応じて加硫促進剤および/または加硫助剤も併用する。また、前記加熱の条件は、一般に140〜300℃、好ましくは150〜270℃で、通常0.5〜30分間、好ましくは0.5〜20分間である。このような加熱により架橋反応が起こり、本発明のエチレン系共重合体は高次の網目構造を形成し、高い強度と優れたゴム弾性を有するゴム成形品が得られる。
本発明のエチレン系共重合体組成物を成形および架橋する際は、金型を用いてもよいし、用いなくてもよい。金型を用いない場合、本発明の共重合体組成物は通常連続的に成形および架橋される。
前記製造法2の例としては、前記エチレン系共重合体組成物を上記成形法によって予備成形し、成形物を加硫槽内に導入して加熱する方法、および成形物に電子線を照射する方法が挙げられる。
加硫槽内に導入して加熱する場合の加熱の条件は、上記の予備成形と同時に加熱する方法における条件と同じである。
次に、電子線を照射する方法では、予備成形されたものに0.1〜10MeVの電子線を、吸収線量が例えば0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜20Mradとなるように照射することによって架橋反応が起こり、上記と同じく本発明のエチレン系共重合体組成物は架橋高分子を形成し、高い強度を有するゴム成形品が得られる。
例えば以上説明した方法により製造されるゴム成形品は、様々な分野で用いることが可能である。具体的には、前記成形品として、自動車用部品、船舶用部品、土木建築用部品、医療用部品、電気・電子機器用部品、輸送機およびレジャー用部品、ホース(ラジエータホース、ヒーターホース等)、防振ゴム、シート、各種ベルト、各種パッキン、シーリング材、ポッティング材およびコーティング材等を好適に形成することができる。
前記自動車用部品としては、例えば、グラスランチャネル、ウェザーストリップスポンジ、ドアオープニングトリム、シール部材、グロメット、自動車エンジンのガスケット、電装部品もしくはオイルフィルターのシーリング材; イグナイタHICもしくは自動車用ハイブリッドICのポッティング材;自動車ボディ、自動車用窓ガラス、エンジンコントロール基板のコーティング材;オイルパンもしくはタイミングベルトカバー等のガスケット、モール、ヘッドランプレンズ、サンルーフシール、ミラー用の接着剤等が挙げられる。
前記ウェザーストリップスポンジとしては、例えば、ドアウェザーストリップ、トランクウェザーストリップ、ラゲージウェザーストリップ、ルーフサイドレールウェザーストリップ、スライドドアウェザーストリップ、ベンチレーターウェザーストリップ、スライディングルーフウェザーストリップ、フロントウィンドゥウェザーストリップ、リアウィンドゥウェザーストリップ、クォーターウィンドゥウェザーストリップ、ロックピラーウェザーストリップ、ドアガラスアウターウェザーストリップおよびドアガラスインナーウェザーストリップ等が挙げられる。
上記船舶用部品としては、例えば、配線接続分岐箱、電気系統部品もしくは電線用のシーリング材;電線もしくはガラス用の接着剤等が挙げられる。
上記土木建築用部品としては、例えば、商業用ビルのガラススクリーン工法の付き合わせ目地、サッシとの間のガラス周り目地、トイレ、洗面所もしくはショーケース等における内装目地、バスタブ周り目地、プレハブ住宅用の外壁伸縮目地、サイジングボード用目地に使用される建材用シーラント; 複層ガラス用シーリング材;道路の補修に用いられる土木用シーラント;金属、ガラス、石材、スレート、コンクリートもしくは瓦用の塗料・接着剤;粘着シート、防水シートもしくは防振シート等が挙げられる。
上記医療用部品としては、例えば、医薬用ゴム栓、シリンジガスケットおよび減圧血管用ゴム栓等が挙げられる。
上記電気・電子機器用部品としては、例えば、重電部品、弱電部品、電気・電子機器の回路や基板のシーリング材、ポッティング材、コーティング材もしくは接着材;電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の絶縁シール材;OA機器用ロール;振動吸収剤;グロメット;またはゲルもしくはコンデンサの封入材等が挙げられる。
上記輸送機用部品としては、例えば、自動車、船舶、航空機および鉄道車輌等が挙げられる。
上記レジャー用部品としては、例えば、スイミングキャップ、ダイビングマスクおよび耳栓等のスイミング部材;スポーツシューズおよび野球グローブ等のゲル緩衝部材などが挙げられる。
上記防振ゴムとしては、例えば、自動車用防振ゴム(エンジンマウント、液封エンジンマウント、ダンパープーリ、チェーンダンパー、キャブレーターマウント、トーショナルダンパー、ストラットマウント、ラバーブッシュ、バンパーゴム、ヘルパーゴム、スプリングシート、ショックアブソーバー、空気バネ、ボディマウント、バンパーガード、マフラーサポート、ゴムカップリング、センターベアリングサポート、クラッチ用ゴム、デフマウント、サスペンションブッシュ、すべりブッシュ、クッションストラットバー、ストッパ、ハンドルダンパー、ラジエーターサポーターまたはマフラーハンガー)、鉄道用防振ゴム(スラブマット、バラスマットまたは軌道マット)および産業機械用防振ゴム(エキスパンションジョイント、フレキシブルジョイント、ブッシュ、マウント)等が挙げられる。
上記シートとしては、例えば、ルーフィングシートおよび止水シート等が挙げられる。
上記各種ベルトとしては、伝動ベルト(Vベルト、平ベルト、歯付きベルト、タイミングベルト)および搬送用ベルト(軽搬送用ベルト、円筒型ベルト、ラフトップベルト、フランジ付き搬送用ベルト、U型ガイド付き搬送用ベルト、V型ガイド付き搬送用ベルト)等が挙げられる。
上記シーリング材は、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、ガスメーター、電子レンジ、スチームアイロン、漏電ブレーカー用のシール材として好適に用いられる。なお、シーリング材とは、シール(封印,密封)する材料のことをいう。また、機械、電気、化学等各種工業において、接合部や接触部の水密、気密の目的で使用される材料も広義のシーリング材である。
上記ポッティング材は、例えば、トランス高圧回路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トランス、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品をポッティングするために好適に用いられる。
上記コーティング材は、例えば、高電圧用厚膜抵抗器もしくはハイブリッドIC等の各種回路素子;HIC、電気絶縁部品;半導電部品;導電部品;モジュール;印刷回路;セラミック基板;ダイオード、トランジスタもしくはボンディングワイヤー等のバッファー材;半導電体素子;または光通信用オプティカルファイバーをコーティングするために好適に用いられる。
上記以外にも本発明のゴム成形品として、自動車用カップ・シール材(マスターシリンダーピストンカップ、ホイールシリンダーピストンカップ、等速ジョイントブーツ、ピンブーツ、ダストカバー、ピストンシール、パッキン、Oリング、ダイヤフラム、ダムウィンドシールド、ドアミラー用ブラケット、シールヘッドランプ、シールカウルトップ)、産業用シール材(コンデンサパッキン、Oリング、パッキン)、発泡体(ホース保護用スポンジ、クッション用スポンジ、断熱スポンジ、インシュレーションパイプ)、被覆電線、電線ジョイント、電気絶縁部品、半導電ゴム部品、OA機器ロール(帯電ロール、転写ロール、現像ロール、給紙ロール)、工業用ロール(製鉄用ロール、製紙用ロール、印刷用電線ロール)、アノードキャップ、プラグキャップ、イグニッションケーブル、ランプソケットカバー、端子カバー、ワイパーブレード、各種チューブ(バキュームチューブ、タイヤチューブ)、エアスプリング、シューズソール、シューズヒール、タイヤサイドウォール、ファブリックコーティングなどの用途の成形品を好適に形成することができる。
[フィルムまたはシート]
本発明のエチレン系共重合体(X)を含有するフィルムまたはシート(以下、併せてフィルムと呼称する場合がある。)は、前記エチレン系共重合体(X)を主たる樹脂成分とするフィルムが好ましい態様である。
本発明のフィルムには共重合体(X)以外の樹脂をその性能を損なわない範囲で含んでいても良く、具体的にはLDPEやLLDPE等の樹脂が例示される。
本発明のフィルムの厚さは、用途により種々決め得るが、通常、10〜1500μm、好ましくは20〜1500μmの範囲にある。
本発明のフィルムは、前記エチレン系共重合体(X)100質量部に対して、可塑剤(Y)を100〜1000質量部の範囲、好ましくは130〜700質量部、さらに好ましくは150〜500質量部含んでいてもよい。
可塑剤(Y)を上記範囲で含むことにより、得られるフィルムが軟化し、柔軟(低硬度)かつ高い伸張性が得られることから好ましい。また、後に述べるカレンダー成形も可能になる。
本発明に係る可塑剤(Y)は、その用途により適宜選択でき、1種単独で用いてもよく、2種以上混合しても用いてもよい。可塑剤としては、例えば、プロセスオイル(例:「ダイアナプロセスオイル PW−380」(商品名;出光興産(株)製)、「ダイアナプロセスオイル PW−100」(商品名;出光興産(株)製)、「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名;出光興産(株)製))、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系可塑剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系可塑剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系可塑剤;蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)が挙げられる。これらの中でも、石油系可塑剤が好ましく、プロセスオイルが特に好ましい。
本発明のフィルムまたはシートの硬度(JIS K 6253の方法により測定されるデュロメータタイプA硬さ)は、10〜80が柔軟性と伸張性の点で好ましく、10〜60の範囲がより好ましい。
また、本発明のフィルムまたはシートは、充分な強度と高い伸びを有する。
本発明のフィルムまたはシートに含まれるエチレン系共重合体(X)は一部架橋していてもよく、架橋させることにより伸張後の残留歪みを低減する効果が得られる。
架橋方法は、特に限定無く使用できるが、例えば硫黄や過酸化物等の架橋剤を用いる方法や、電子線を照射する方法が挙げられる。電子線としては、エチレン系共重合体(X)が架橋する電子線であれば特に制限無く使用することができる。
架橋は、一般的にはフィルムにしたのちに、10〜200kGyの範囲で電子線照射して架橋させる。電子線の照射量は、フィルムの用途により調整するが、一般的には照射量が増えるに従い、架橋の度合いが増加する傾向にある。
極限粘度[η]が7.8dl/g未満のエチレン系共重合体を成形してなるフィルムは、通常、溶融したフィルムを引取る際に、引取方向(MD)に配向する傾向にあるので、フィルムまたはシートは引取り方向(MD)の強度がそれと直交する方向(TD)の強度よりも高くなる傾向がある。
それに対し、本発明のエチレン系共重合体(X)からなるフィルムまたはシートは、TD方向の強度がMD方向よりも高くなる傾向にある。
この理由は定かでは無いが、本発明のエチレン系共重合体(X)からなるフィルムまたはシートの強度発現機構は、主に重合体の絡み合いの強さに由来するものと推測される。この場合、フィルムのTDと比較して、MDは重合体が延伸によりほどけて絡み合いが少なくなることによる強度低下の効果が、重合体が延伸結晶化することによる強度上昇効果より大きくなるものと考えられ、その結果、MDの強度よりTDの強度が高くなったものと推測される。
また、本発明のエチレン系重合体(X)は、前述したメタロセン触媒を用いて重合するのが好ましい態様の一つであるが、このような重合体は従来のチーグラー触媒を用いて重合した重合体と比べてB値が低くなる傾向にある。これは、そのような重合体のブロック性が高いことを示している。一般に、重合体に結晶性がない場合、オイル(特にパラフィン系オイル)との相溶性はB値が低いものの方が良好と考えられるため、チーグラー触媒を用いて重合した重合体と比較して、前記のメタロセン触媒により重合した重合体は、特にTDの絡み合いが均一であり、これはTDの強度向上に効果があるため、MDとTDの強度の差がより大きくなったものと推測される。
本発明のエチレン系共重合体(X)からなるフィルムまたはシートは、好ましくは、後述する引張試験(JIS K6251)を実施して求められる、TDの引張破断強度(STD)とMDの引張破断強度(SMD)の比STD/SMDが1.1以上、好ましくは1.5以上であり、上限は特に制限はないが通常3.0以下である。
また、本発明のエチレン系共重合体(X)からなるフィルムまたはシートは、通常厚さ100μm〜1000μm程度であり、その未架橋状態での強度は通常2MPa〜15MPa、架橋した場合の強度は通常2MPa〜15MPaであるが、この範囲に限定されるものではない。
本発明のエチレン系共重合体(X)からなるフィルムまたはシートは、特に横方向の延伸性に優れるので、施工性に優れている。例えば、フィルムまたはシートの幅より広い対象物を包装する場合、通常のフィルムまたはシートは横方向に延伸すると破断しやすいため、2回に分けて包装することが多いが、本発明のエチレン系共重合体(X)からなるフィルムまたはシートでは、横方向に延伸しながら包装しても切れや裂けが生じにくいため、1回で包装することが可能である。
[フィルムの製造方法]
本発明のフィルムは、種々公知の製造方法、例えば、溶融押出法(Tダイ法、インフレーション法)、溶液法(溶液流延法、湿式流延法)、カレンダー法などによって成形することができる。中でも生産性の観点から、カレンダー法による成形が好ましい。
[フィルムの用途]
本発明のフィルムは、従来塩ビフィルム、シリコンフィルム等のフィルムが使用されていた用途に使用可能である。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例および比較例で得られたエチレン系共重合体の各物性は、以下に示す方法に従い、測定した。
〔エチレン[A]に由来する構造単位のモル量〕
1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
〔非共役ポリエン[C]に由来する構造単位のモル量〕
1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
〔極限粘度[η]:dl/g〕
極限粘度[η]は、離合社製 全自動極限粘度計を用いて、温度:135℃、測定溶媒:デカリンにて測定した。
〔損失正接(tanδ)〕
損失正接(tanδ)は、ティー・エイ・インスツルメント社製の粘弾性試験機(型式ARES)を用いて測定した。具体的には、試料として、190℃でプレスした2mm厚のシートから、直径25mm×2mm厚の円盤状に成形したものを使用し、以下の条件で測定を行った。なお、データ処理ソフトとしてRSI Orchestrator(ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いた。
Geometry:パラレルプレート、
測定温度:−10℃、
周波数:1Hz。
〔実施例1:エチレン系共重合体−1〕
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて連続的に、成分[A]:エチレン、成分[B]:プロピレン、成分[C]:5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)からなる三元共重合体の重合反応を60℃にて行った。
重合溶媒としてはヘキサン(フィード量44Kg/h)を用いて、エチレンフィード量を4.5Kg/h、プロピレンフィード量を2.9Kg/h、ENBフィード量を0.55Kg/h、水素を0.4NL/hとして重合器に連続供給した。重合圧力を1.6MPaに保ちながら主触媒として、上記式(VIII)で表される構造を有する触媒である(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエンを用いて、0.04mmol/hとなるよう重合器に連続的に供給した。また、共触媒としてトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[(C65)3CB(C65)4]を0.21mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」ともいう。)を13mmol/hとなるように、それぞれを重合器に連続的に供給した。
このようにして、エチレン、プロピレン、およびENBからなる共重合体を、2.1質量%含む重合液を得た。なお、該主触媒は、国際公開WO98/49212に記載されている方法に準じて合成して得た。重合器下部から抜き出した重合液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。得られたエチレン系共重合体−1の物性を表1に示す。
〔実施例2:エチレン系共重合体−2〕
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合した。得られたエチレン系共重合体−2の物性を表1に示す。
〔実施例3:エチレン系共重合体−3〕
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合した。得られたエチレン系共重合体−3の物性を表1に示す。
〔実施例4:エチレン系共重合体−4〕
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合した。得られたエチレン系共重合体−4の物性を表1に示す。
〔比較例1:エチレン系共重合体−5〕
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合した。得られたエチレン系共重合体−5の物性を表1に示す。
〔比較例2:エチレン系共重合体−6〕
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合した。得られたエチレン系共重合体−6の物性を表1に示す。
〔比較例3〕
EP98(商品名、JSR(株)製、油展量75質量部)を沸騰メチルエチルケトン(MEK)を用いてソックスレー抽出し、残物としてエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体(三元共重合体)を得た。得られた共重合体の物性を表1に示す。
〔比較例4:エチレン系共重合体−7〕
[エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の製造例]
攪拌翼を備えた容量15Lの重合器を用いて、連続的にエチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合反応を行った。重合器上部から重合溶媒としてヘキサンを毎時5Lの速度で連続的に供給し、一方、重合器下部から重合器中の重合液が常に5リットルとなるように連続的に重合液を抜き出した。触媒としては、VOCl、Al(C1.5Cl1.5を使用した。すなわちVOClは重合器中のバナジウム原子濃度が0.55mmol/Lとなるように、またAl(C1.5Cl1.5は重合器中のアルミニウム原子濃度が3.3mmol/Lとなるように重合器中に連続的に供給した。
モノマーのエチレンは200L/h、及びプロピレンは60L/hの速度で連続供給した。またENBは重合器中の濃度が4g/Lとなるように連続供給した。分子量調整剤としては水素を使用し、これを重合器ガス相の水素濃度が5mol%となるように供給した。共重合反応は、重合器外部ジャケットに冷却水を循環させることにより、40℃の温度で行った。
以上に述べたような条件で共重合反応させ、エチレン、プロピレン、ENB共重合体が均一な溶液状態で得られた。重合器下部から抜き出した重合液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離したのち、80℃で一昼夜減圧乾燥した。以上の操作でエチレン、プロピレン、ENB共重合体が毎時265gの速度で得られた。
得られたエチレン系共重合体−7のエチレン/プロピレンmol比は77/23、極限粘度[η]は4.5dl/g、ENBの含有量は1.3mol%あった。得られた共重合体の物性を表1に示す。
Figure 0005758008
以下の比較例5及び参考例1で得られたエチレン系共重合体の圧縮永久歪は以下に示す方法に従い測定した。
〔圧縮永久歪〕
圧縮永久歪を測定する試料は以下の方法で準備した。
エチレン系共重合体組成物220質量部(エチレン系共重合体:100質量部、可塑剤:120質量部)に対して、加硫助剤として亜鉛華3号を5質量部、加工助剤としてステアリン酸を1質量部、活性剤として「PEG#4000」(商品名;ポリエチレングリコール、ライオン株式会社製)を1質量部、補強剤としてカーボンブラック:「旭#50G」(商品名;旭カーボン株式会社製)を50質量部、無機充填剤として重炭酸カルシウム:「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社製)を40質量部及び表面処理炭酸カルシウム「白艶華CC」(商品名;白石カルシウム株式会社製)を30質量部および可塑剤として「ダイアナプロセスオイル PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)50質量部を1.7Lのバンバリーミキサーを用いて混練した。
得られた混練物を、14インチロール(前ロール温度/後ロール温度=50℃/50℃)に供給し、加硫促進剤[「サンセラーBZ」三新化学(株)製:化合物名:ジ−n−ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛:2.0重量部と、「サンセラーM」三新化学(株)製:化合物名:2−メルカプトベンゾチアゾール:1.0重量部と、「サンセラーTT」三新化学(株)製:化合物名テトラメチルチウラムジスルフィド0.5重量部、「サンセラーTRA」三新化学(株)製:化合物名ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド0.5重量部、硫黄:1.2重量部、を添加して混練し、配合ゴム(ゴム組成物)を得た。
次いで、上記ゴム組成物を用いて、JIS K6250の8.5の要領で加硫サンプルを作成し(170℃、15分間加硫)、JIS K6262(1997)に従って、−10℃×22時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
〔比較例5〕
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は比較例4と同様の条件で重合した。得られたエチレン系共重合体−7の物性を表2に示す。
〔参考例1〕
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合した。得られたエチレン系共重合体−rの物性を表2に示す。
Figure 0005758008
[エチレン共重合体組成物]
実施例および比較例で得られたエチレン系共重合体組成物の各物性は、以下に示す方法に従い、測定した。
〔損失正接(tanδ)〕
損失正接(tanδ)は、ティー・エイ・インスツルメント社製の粘弾性試験機(型式ARES)を用いて測定した。具体的には、試料として、190℃でプレスした2mm厚のシートから、直径25mm×2mm厚の円盤状に成形したものを使用し、以下の条件で測定を行った。なお、データ処理ソフトとしてRSI Orchestrator(ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いた。
Geometry:パラレルプレート、
測定温度:190℃、
周波数:0.01rad/sec、
歪率:1.0%。
〔永久伸び〕
190℃でプレスした2mm厚のシートを被験試料とし、室温(23℃)にて100%伸長した状態で24時間保持した後開放し、1時間後の残留歪み量を測定することで求めた。
〔実施例11〕
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例1で得られたエチレン系共重合体−1:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を200質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の物性を表3に示す。
〔実施例12〕
実施例11で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、実施例2で得られたエチレン系共重合体−2を用いる以外は、実施例11と同様に行いエチレン系共重合体組成物を得た。
得られたエチレン系共重合体組成物の物性を表3に示す。
〔実施例13〕
実施例11で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、実施例3で得られたエチレン系共重合体−3を用いる以外は、実施例11と同様に行いエチレン系共重合体組成物を得た。
得られたエチレン系共重合体組成物の物性を表3に示す。
〔比較例11〕
実施例11で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、比較例1で得られたエチレン系共重合体−5を用いる以外は、実施例11と同様に行いエチレン系共重合体組成物を得た。
得られたエチレン系共重合体組成物の物性を表3に示す。
〔比較例12〕
実施例11で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、比較例2で得られたエチレン系共重合体−6を用いる以外は、実施例11と同様に行いエチレン系共重合体組成物を得た。
得られたエチレン系共重合体組成物の物性を表3に示す。
〔比較例13〕
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、比較例3に示したEP98:175質量部(エチレン系共重合体:100質量部+伸展油:75質量部)に対して、可塑剤としてプロセスオイル:PW−380(商品名;出光興産株式会社製)を125質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は142℃であった。得られたエチレン系共重合体組成物の物性を表3に示す。
Figure 0005758008
以下の実施例および比較例で得られたエチレン系共重合体及びその組成物の各物性は上記記載の方法及び以下に示す方法に従い測定した。
〔伸長粘度〕
伸長粘度は、一軸伸長治具(Sentmanat Extensional Rheometer)を備え付けた粘弾性装置(アントンパール社製の粘弾性試験機(型式MCR301))を用いて測定した。
伸長粘度測定用試料として、エチレン系共重合体組成物を210℃でプレスして得た厚み2mmのシートを、幅10mm、長さ20mmに切り出した。このサンプルを用い、190℃、ひずみ速度0.01sec−1にて伸長粘度測定を行い、最大到達粘度と測定開始から10秒後の粘度を求めた。
〔実施例21〕
〈エチレン系共重合体の製造〉
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合してエチレン系共重合体−21を得た。得られたエチレン系共重合体−21の物性を表4に示す。
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例21で得られたエチレン共重合体−21:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を150質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の伸長粘度の値を表4に示す。
〔実施例22〕
〈エチレン系共重合体の製造〉
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合してエチレン系共重合体−22を得た。得られたエチレン系共重合体−22の物性を表4に示す。
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例22で得られたエチレン共重合体−22:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を150質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の伸長粘度の値を表4に示す。
〔実施例23〕
〈エチレン系共重合体の製造〉
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合してエチレン系共重合体−23を得た。得られたエチレン系共重合体−23の物性を表4に示す。
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例23で得られたエチレン共重合体−23:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を150質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の伸長粘度の値を表4に示す。
〔実施例24〕
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例21で得られたエチレン共重合体−21:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を250質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の伸長粘度の値を表4に示す。
〔実施例25〕
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例23で得られたエチレン共重合体−23:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を250質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の伸長粘度の値を表4に示す。
〔実施例26〕
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例23で得られたエチレン共重合体−23:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を400質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の伸長粘度の値を表4に示す。
〔比較例21〕
〈エチレン系共重合体の製造〉
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合してエチレン系共重合体−24を得た。得られたエチレン系共重合体−24の物性を表4に示す。
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例21で得られたエチレン共重合体−24:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を150質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の伸長粘度の値を表4に示す。
〔比較例22〕
〈エチレン系共重合体の製造〉
エチレン、プロピレン、ENBおよび水素のフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で重合してエチレン系共重合体−25を得た。得られたエチレン系共重合体−25の物性を表4に示す。
〈エチレン系共重合体組成物の製造〉
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例21で得られたエチレン共重合体−25:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を150質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。
得られたエチレン系共重合体組成物の伸長粘度の値を表4に示す。
Figure 0005758008
以下の実施例および比較例で得られたゴム組成物および架橋体の各物性は、以下に示す方法に従い、測定した。
〔ゴム組成物の物性:最低粘度(Vm)およびスコーチ時間(t5、min)〕
ゴム組成物の物性試験はJIS K6300に準拠して行った。具体的には、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、125℃においてムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度(Vm)を求め、さらにその最低粘度Vmより5ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(t5、min)とした。
〔コンパウンドのロール加工性評価〕
ロール加工性の評価として、まず評価用の試料(ゴム組成物)を以下の手順により調製した。MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、エチレン系共重合体組成物(実施例4〜6、比較例4〜6の組成物)300質量部(エチレン系共重合体:100質量部、可塑剤:200質量部)に対して、加硫助剤として酸化亜鉛:「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)を5質量部、加工助剤としてステアリン酸を1質量部、活性剤として「PEG#4000」(商品名;ポリエチレングリコール、ライオン株式会社製)を2質量部、補強剤としてカーボンブラック:「旭#60G」(商品名;旭カーボン株式会社製)を415質量部、無機充填剤として重炭酸カルシウム:「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社製)を30質量部および可塑剤として「ダイアナプロセスオイル PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を150質量部混練した。混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は145℃であった。
次に得られたゴム組成物を6インチオープンロールに巻きつけ、ロール加工性を評価した。ロール加工性は以下の基準により2段階で評価した。
○:ロールに対して良好な巻付き性を示し、ロール加工を適切に行うことが可能。
×:コンパウンドが垂れたり、または粘着するなどしてにロール加工処理が困難。
〔硬さ試験〕
ゴム成形品硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmのシート状ゴム成形品6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物の混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。
〔引張り試験〕
ゴム成形品(架橋体)について、JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、破断強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
〔圧縮永久歪み〕
JIS K6250の6.5の要領で加硫成形体からサンプルを抜き取り、JIS K6262(1997)に従って、70℃×22時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
〔実施例31〕
〈ゴム組成物の製造〉
架橋する前のゴム組成物は、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、エチレン系共重合体組成物(実施例11のエチレン系共重合体組成物)300質量部(エチレン系共重合体−1:100質量部、可塑剤:200質量部)に対して、加硫助剤として酸化亜鉛:「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)を5質量部、加工助剤としてステアリン酸を1質量部、活性剤としてポリエチレングリコール「PEG#4000」(商品名、ライオン株式会社製)を2質量部、補強剤としてカーブンブラック「旭#60G」(商品名;旭カーボン株式会社製)を415質量部、無機充填剤として重炭酸カルシウム:「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社製)を30質量部および可塑剤として「ダイアナプロセスオイル PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を150質量部混練した。混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は145℃であった。
次いで、上記配合物が温度40℃となったことを確認した後、8インチロールを用いて上記配合物に加硫促進剤として「サンセラーM」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.0質量部、加硫促進剤として「サンセラーTT」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.0質量部、加硫促進剤として「サンセラーBz」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.5質量部、加硫促進剤としてとして「サンセラー22」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.5質量部、加硫剤としてイオウを1.5質量部、および吸湿剤として「ベスタ18」(商品名;井上石灰工業株式会社)を5質量部混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとして混練時間8分間で分出しした。
〈架橋体の製造〉
上記配合物を、プレス成形機を用いて170℃で10分間加硫を行い、厚み2mmのゴムシートからなる架橋体を調製した。また、圧縮永久歪試験用のゴムブロックは、170℃で15分間加硫して調製した。
得られたゴム組成物および架橋体の物性を表5に示す。
〔実施例32〕
実施例31で用いたエチレン系共重合体組成物に替えて、実施例12で得られたエチレン系共重合体組成物を用いる以外は実施例31と同様に行い、ゴム組成物および架橋体を得た。
得られたゴム組成物および架橋体の物性を表5に示す。
〔実施例33〕
実施例31で用いたエチレン系共重合体組成物に替えて、実施例13で得られたエチレン系共重合体組成物を用いる以外は実施例31と同様に行い、ゴム組成物および架橋体を得た。
得られたゴム組成物および架橋体の物性を表5に示す。
〔比較例31〕
実施例31で用いたエチレン系共重合体組成物に替えて、比較例11で得られたエチレン系共重合体組成物を用いる以外は実施例31と同様に行い、ゴム組成物および架橋体を得た。
得られたゴム組成物および架橋体の物性を表5に示す。
〔比較例32〕
実施例31で用いたエチレン系共重合体組成物に替えて、比較例12で得られたエチレン系共重合体組成物を用いる以外は実施例31と同様に行い、ゴム組成物および架橋体を得た。
得られたゴム組成物および架橋体の物性を表5に示す。
〔比較例33〕
実施例31で用いたエチレン系共重合体組成物に替えて、比較例13で得られたエチレン系共重合体組成物を用いる以外は実施例31と同様に行い、ゴム組成物および架橋体を得た。
得られたゴム組成物および架橋体の物性を表5に示す。
Figure 0005758008
実施例及び比較例におけるエチレン系共重合体組成物からなるフィルム若しくはシートの各物性は、以下に示す方法に従い、測定した。
〔カレンダー成形加工性〕
2本ロール(日豊工機株式会社製6インチロール)を用い、ロール温度100℃で、ガイド幅20cm、ロールギャップ0.7mmで、エチレン系共重合体組成物150gを巻き付け、3分間切り返しを行い、その後ロールギャップを0.5mmにし、5分間放置後、ロールから切り出した。判定はロールでの作業性、混練中のバンク形状、および成形シート肌について行った。判定基準は以下の通り。
(1)ロールでの作業(加工)性
○;良好(切り返し作業が可能であり、ロールからの切り出しも容易。)
△;やや困難(ロールからの剥離性に難があり、シートがヘタってしまう。)
×;困難(切り返しが困難であり、シート形状での切り出しが出来ない。)
(2)バンク形状
○;乱れなく均一なバンク形状。
△;時々乱れが発生する。
×;常時乱れ、正常なバンクが全く出来ない。
(3)成形品肌
○;優れる。
△;やや劣る。
×;劣る(またはシート形状での切り出しが出来ない)。
〔実施例41〕
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例1で得たエチレン系共重合体−1:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル:PW−380(商品名;出光興産株式会社製)を200質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。得られたエチレン系共重合体組成物のカレンダー成形加工性を表6に示す。
〔実施例42〕
実施例41で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、実施例2で得たエチレン系共重合体−2を用いる以外は、実施例41と同様に行った。得られたエチレン系共重合体組成物のカレンダー成形加工性を表6に示す。
〔実施例43〕
実施例41で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、実施例3で得たエチレン系共重合体−3を用いる以外は、実施例41と同様に行った。得られたエチレン系共重合体組成物のカレンダー成形加工性を表6に示す。
〔実施例44〕
実施例41で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、実施例4で得たエチレン系共重合体−4を用いる以外は、実施例41と同様に行った。得られたエチレン系共重合体組成物のカレンダー成形加工性を表6に示す。
〔比較例41〕
実施例41で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、比較例1で得たエチレン系共重合体−5を用いる以外は、実施例41と同様に行った。得られたエチレン系共重合体組成物のカレンダー成形加工性を表6に示す。
〔比較例42〕
実施例41で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、比較例2で得たエチレン系共重合体−6を用いる以外は、実施例41と同様に行った。得られたエチレン系共重合体組成物のカレンダー成形加工性を表6に示す。
〔比較例43〕
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、比較例3に記載のEP98:175質量部(三元共重合体:100質量部+伸展油:75質量部)に対して、可塑剤としてプロセスオイル:PW−380(商品名;出光興産株式会社製)を125質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は142℃であった。得られたエチレン系共重合体組成物のカレンダー成形加工性を表6に示す。
〔比較例44〕
実施例41で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、比較例4で得たエチレン系共重合体−7を用いる以外は、実施例41と同様に行った。得られたエチレン系共重合体組成物のカレンダー成形加工性を表6に示す。
Figure 0005758008
実施例および比較例で得られたフィルム(シート)の物性は、以下に示す方法に従い、測定した。
〔油展量〕
フィルム(シート)を約1mm×1mm×1mmの立方体形状の試料に切断し、試料1g(W0)を秤量し、ガラスフィルタ−(G3)に入れる。フラスコにメチルエチルケトンを200ml入れ、ヒ−タ−で加熱後、沸騰したところで、試料を入れたガラスフィルタ−を入れ、2時間抽出する。抽出後、試料を105℃で1時間乾燥し、試料の重量(W1)を測定し、下記の式により、油展量を測定した。
油展量(phr)=(W0−W1)/W1×100
〔硬さ試験〕
シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている1mmのシート状ゴム成形品12枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物の混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。
〔引張り試験〕
JIS K 6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、シートの破断強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
〔実施例51〕
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例1で得たエチレン系共重合体−1:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル:「PW−380」(商品名;出光興産株式会社製)を120質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は156℃であった。
次いで2本ロール(日豊工機株式会社製6インチロール)を用い、ロール温度150℃でガイド幅30cm、ロールギャップ1mmで、共重合体組成物120gを巻き付け、3分間切り返しを行い、5分間放置後にロールから切り出し、厚さ1mmのシートを得た。
得られたシートの物性を表7に示す。
〔実施例52〕
実施例51で用いた可塑剤の量を、200質量部とする以外は、実施例51と同様に行いシートを得た。
得られたシートの物性を表7に示す。
〔実施例53〕
実施例52で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、実施例2で得たエチレン系共重合体−2を用いる以外は、実施例52と同様に行いシートを得た。
得られたシートの物性を表7に示す。
〔実施例54〕
実施例52で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、実施例3で得たエチレン系共重合体−3を用いる以外は、実施例52同様に行いシートを得た。
得られたシートの物性を表7に示す。
〔実施例55〕
実施例52で得たシートに、照射量60kGyで電子線照射を行い、架橋したシートを得た。
得られたシートの物性を表7に示す。
〔比較例51〕
実施例52で用いたエチレン系共重合体−1に替えて、比較例1で得たエチレン系共重合体−5を用いる以外は、実施例52と同様にしてシートの調製を試みたが、共重合体組成物のべた付きがひどく、カレンダー成形が困難であり、シート成形品を得ることができなかった。
Figure 0005758008
〔実施例61〕
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、実施例4で得たエチレン系共重合体−4:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル:PW−100(商品名;出光興産株式会社製)を250質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。得られたエチレン系共重合体組成物を用いて、前記6本カレンダーロールでフィルムを成形した。得られた結果を表8に示す。
〔比較例61〕
MS加圧式ニーダー(株式会社モリヤマ社製、DS3−10MWB−E型、容積3.0L)を用いて、比較例4で得たエチレン系共重合体−7:100質量部に対して、可塑剤としてプロセスオイル:PW−100(商品名;出光興産株式会社製)を120質量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が20分間で行い、混練排出温度は150℃であった。得られたエチレン系共重合体組成物- を用いて、前記6本カレンダーロールでフィルムを成形した。得られた結果を表8に示す。
〔表面平滑性〕
200ΦL×700mm複合型6本カレンダーロール(日本ロール製造社製)にてカレンダー成形を行った。ロールの配列を図1に示す。なお、各ロールのサイズは各々直径200mm、幅700mmであり、複合6本ロールで構成される。各ロールの温度はNo.1/No.2/No.3/No.4/No.5/No.6=70/70/65/70/65/70℃とし、第5ロールと第6ロールの間隙は0.45mmとした。得られたフィルムを用い、表面状態の評価を行なった。
Figure 0005758008
比較例61の試料はダイスウェルが大きいため、実施例61よりもフィルム厚みが増加した。
凹み個数:TD方向2cm範囲内におけるフィルム厚み×0.1以上の深さを有する凹み個数
〔実施例71〕
実施例4で得たエチレン系共重合体−4を用いて、前記6本カレンダーロールでフィルムを成形した。なお、その際、第5ロールと第6ロールの間隙を0.31mmとした。また、カレンダー成形で得られたフィルムに照射量60kGyで電子線照射を行い、架橋シートを得た。
得られたフィルムの物性を前記記載の方法で測定した。結果を表9に示す。
〔比較例71〕
比較例4で得たエチレン系共重合体−7を用いて、前記6本カレンダーロールでフィルムを成形した。なお、その際、第5ロールと第6ロールの間隙を0.31mmとした。また、カレンダー成形で得られたフィルムに照射量60kGyで電子線照射を行い、架橋シートを得た。
得られたフィルムの物性を前記記載の方法で測定した。結果を表9に示す。
Figure 0005758008
MD:フィルム引取り方向、TD:フィルム引取り方向と直交する方向
本発明のフィルムは、カレンダー成形性に優れ、かつ、柔軟性と高い伸張性を併せ持つ特徴から、塩化ビニルやシリコンゴムフィルムなどの代替材として有望であり、各種レザー、シート、フィルム、積層フィルムなど、様々な用途に用いることが可能である。
1〜6:カレンダーロールの第1ロール〜第6ロール
7:フィルム

Claims (19)

  1. エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、ポリエンおよび/または環状オレフィン[C]である、成分[A]、成分[B]および成分[C]に由来する構造単位を含むエチレン系共重合体(X)であって、
    (1)エチレン[A]に由来する構造単位が、前記共重合体(X)の全構造単位100モル%中、50〜90モル%の範囲、
    (2)ポリエンおよび/または環状オレフィン[C]に由来する構造単位が、前記共重合体(X)の全構造単位100モル%中、1.0〜5.0モル%の範囲、および、
    (3)エチレン系共重合体(X)の135℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が、7.8〜13.0dl/gの範囲、にあり、且つ
    (i) 13 C−NMRスペクトルおよび下記の式から求められるB値が0.9〜1.0である。
    B値=[P OE ]/(2・[P E ]・[P O ])
    (式中、[P E ]は、該ランダム共重合体中の(イ)エチレンから導かれる単位の含有モル分率であり、[P O ]は、ランダム共重合体中の(ロ)α−オレフィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[P OE ]は、ランダム共重合体における全ダイアド(dyad)連鎖数に対するα−オレフィン・エチレン連鎖数の割合である)
    (ii)−10℃、1Hzで動的粘弾性測定を行って得られる損失正接tanδの値が0.1以下である。
    であることを特徴とするエチレン系共重合体。
  2. 成分[C]が、ポリエンから選ばれる少なくとも1種以上の成分である請求項1記載のエチレン系共重合体。
  3. エチレン系共重合体(X)が、135℃のデカリン溶液中で測定した極限粘度[η]が、8.0〜13.0dl/gの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のエチレン系共重合体。
  4. 成分[C]が、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のエチレン系共重合体。
  5. 成分[B]が、プロピレンまたは1−ブテンである請求項1〜の何れか1項に記載のエチレン系共重合体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエチレン系共重合体(X)100質量部に対して、可塑剤(Y)を100〜1000質量部含んでなるエチレン系共重合体組成物。
  7. エチレン系共重合体組成物が、190℃における0.01rad/secの損失正接(tanδ)が、0.1〜1.0であることを特徴とする請求項に記載のエチレン系共重合体組成物。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載のエチレン系共重合体、または請求項の何れか1項に記載のエチレン系共重合体組成物を、架橋して得られる架橋体。
  9. 請求項に記載の架橋体からなるゴム成形品。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の成分[A]、成分[B]、および成分[C]に由来する構造単位を含むエチレン系共重合体(X)を含有することを特徴とするフィルムまたはシート。
  11. 成分[C]が、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)であることを特徴とする請求項10記載のフィルムまたはシート。
  12. エチレン系共重合体(X)100質量部に対して、可塑剤(Y)を100〜1000質量部含むことを特徴とする請求項10または11に記載のフィルムまたはシート。
  13. 可塑剤(Y)が、石油系可塑剤であることを特徴とする請求項12記載のフィルムまたはシート。
  14. JIS K 6253の方法により測定されるデュロメータタイプA硬さが、10〜80であることを特徴とする請求項1013のいずれか1項に記載のフィルムまたはシート。
  15. エチレン系共重合体(X)の少なくとも一部が電子線架橋されていることを特徴とする請求項1014のいずれか1項に記載のフィルムまたはシート。
  16. 照射線量10〜200kGyで電子線架橋されていることを特徴とする請求項15記載のフィルムまたはシート。
  17. 請求項1〜の何れか1項に記載のエチレン系共重合体(X)、または請求項の何れか1項に記載のエチレン系共重合体組成物を用いて、フィルムまたはシートを成形する方法。
  18. フィルムまたはシートを成形する方法が、カレンダー成形装置を用いることを特徴とする請求項17に記載のフィルムまたはシートの成形方法。
  19. 請求項1016の何れか1項に記載のフィルムまたはシートが、カレンダー成形によって得られたものであるカレンダー成形体。
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