JP2653707B2 - 環状オレフィン系重合体からなる射出成形品 - Google Patents

環状オレフィン系重合体からなる射出成形品

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JP2653707B2 JP1337010A JP33701089A JP2653707B2 JP 2653707 B2 JP2653707 B2 JP 2653707B2 JP 1337010 A JP1337010 A JP 1337010A JP 33701089 A JP33701089 A JP 33701089A JP 2653707 B2 JP2653707 B2 JP 2653707B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は射出成形品に関し、特に、耐熱性、耐薬品
性、耐溶剤性、誘電特性、剛性および耐衝撃性などに優
れた環状オレフィン系ランダム重合体からなる射出成形
品に関する。
発明の技術的背景 射出成形品に使用される合成樹脂としては、従来、AB
S樹脂、ポリカーボネートなどがある。これらの樹脂
は、射出成形品の用途に応じて適宜に選択して使用され
ており、例えば電気アイロンの水タンクおよび電子レン
ジ用品のような耐熱性および耐水性の要求される用途、
プリント基板および導電性シートのような特定の電気的
特性が必要とされる用途、ならびにヘルメットのような
優れた強度が必要となる用途などの特殊な状況下で用い
られる射出成形品にも使用されている。このため、これ
らの樹脂のコスト面の他に、最近は優れた耐熱性、耐薬
品性、耐溶剤性および耐衝撃性などの特性を有している
ものであることが益々要求されている。
発明の目的 このような最近の樹脂成形品の多様化に応えるため、
さらに、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、および耐衝撃性
などが総合的に優れた改良樹脂からなる射出成形品が望
まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、優
れた成形性を維持しつつ、さらに耐熱性、耐溶剤性、剛
性および耐衝撃性などの特性においても優れている射出
成形品を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る環状オレフィン系重合体からなる射出成
形品は、下記式[I]で表される環状オレフィンを開環
重合してなる重合体もしくは共重合体またはその水素添
加物、 および/または 下記式[I]で表される環状オレフィンとエチレン成
分を付加重合してなる共重合体100重量部に対し、下記
(i)〜(v)からなる群から選ばれ、ガラス転移温度
(Tg)が0℃以下、135℃デカリン中で測定した極限粘
度[η]=0.01〜10dl/g、X線回折法によって測定され
た結晶化度が0〜10%である軟質重合体が5〜100重量
部の量で配合されている樹脂組成物からなることを特徴
としている。
(i)環状オレフィン成分を2〜20モル%の量で含む軟
質重合体 (ii)エチレン/α−オレフィン共重合体のモル比が40
/60〜95/5であるα−オレフィン系共重合体 (iii)ジエン成分から誘導される繰り返し単位の含有
量が1〜20モル%であるα−オレフィン−・ジエン系共
重合体 (iv)芳香族ビニル系炭化水素/共役ジエン系軟質共重
合体のモル比が10/90〜70/30である芳香族ビニル系炭化
水素・共役ジエン系軟質共重合体 (v)イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンか
らなる軟質重合体 上記式[I]において、nは、0もしくは正の整数で
あり、R1〜R12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子および炭化水素基より成る群から選ばれる原子もし
くは基を表し、 R9〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、 また、R9とR10とで、またはR11とR12とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。
本発明に係る射出成形品は、前記環状オレフィンを含
んでなる重合体あるいはその水素添加物を素材とする
が、さらに、前記環状オレフィン系重合体に、炭化水素
から誘導される重合体、塩素含有重合体、不飽和酸から
誘導される重合体、不飽和アルコールあるいはアミンか
ら誘導される重合体、エポキシドから誘導される重合
体、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリカ
ーボネート、ポリスルフォン、尿素樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、ホルムアミド系樹脂、および天
然重合体の内の少なくとも1種類以上の重合体をブレン
ドしたものを素材とすることができる。
本発明に係る環状オレフィン系重合体からなる射出成
形品は、その重合体が耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、お
よび耐衝撃性に優れたバランスを有すると共に射出成形
性を有するため、電気アイロンの水タンク、電子レンジ
用品、プリント基板、高周波回路基板、導電性シートな
どの電気分野、カメラボディ、各種計器、機器類ハウジ
ング、各種容器、工業部品、家電部品、シート、ヘルメ
ット、プロテクターなどの保安用品などとして種々の分
野に使用することができると共に、上記以外の光学分
野、家庭用雑貨分野、自動車部品分野、玩具分野、医療
分野などの特殊な分野の射出成形品に使用することがで
きる。
発明の具体的説明 以下、本発明の射出成形品について具体的に係る実施
態様をしめして説明する。
[環状オレフィン成分の種類] 本発明に係る射出成形品を形成する環状オレフィン系
樹脂は、式[I]で表される環状オレフィンを開環重合
してなる重合体もしくは共重合体またはその水素添加
物、 および/または 下記式[I]で表される環状オレフィンとエチレン成
分を付加重合してなる共重合体から形成されている。
ただし、上記式[I]において、nおよびmはいずれ
も0もしくは正の整数であり、R1〜R12は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基よりな
る群から選ばれる基もしくは原子を表わす。さらに、R9
〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形成し
ていてもよく、この環が架橋構造を有していてもよい。
さらにこの単環または多環の基が二重結合していてもよ
い。また、これらの環が組み合わされた基であってもよ
い。
すなわち、上記R9〜R12が共同して、例えば以下に記
載するような多環あるいは単環の基を形成していてもよ
い。
なお、上記式において、1および2を賦した炭素原子
は、式[I]において、R9〜R12で表される基が結合し
ている脂環構造の炭素原子を表す。さらに、これらの基
はメチル基等の置換基を有していてもよい。
さらに、R9とR11とで、あるいはR10とR12とで、アル
キリデン基を形成していてもよい。さらに、R9〜R12
エステル基などが入ってもかまわない。
このような環状オレフィンの内、好ましい例として
は、たとえば次式[II]で示される環状オレフィンを挙
げることができる。
ただし、上記式[II]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、 R1〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしく
は基を表す。
さらに、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環
の基を形成していてもよく、かつ該単環または多環の基
が二重結合を有していてもよい。
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。
また、脂環構造を有するオレフィン重合体は、たとえ
ば式[I]、あるいは好ましくは式[II]を単独あるい
は共存下に下記式で示すように開環重合させることによ
り得られる開環重合体あるいは開環共重合体であっても
よい。さらに、本発明においては、上記のような開環重
合体あるいは開環共重合体中に存在する二重結合の少な
くとも一部を水素化することによって得られる水添物を
も使用することができる。
上記式[I]、あるいは好ましくは式[II]で表わさ
れる環状オレフィンは、シクロペンタンジエン類と対応
するオレフィン類、あるいは環状オレフィン類とをディ
ールス・アルダー反応により縮合させることにより容易
に製造することができる。
本発明において使用される上記式[I]で表わされる
環状オレフィンとしては、具体的には、 ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導体、 テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセン誘
導体、 ヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]−4
−ヘプタンデンセン誘導体、 オクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体、 ペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−ヘキ
サデセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−イコセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−ウンデセン誘導体、 ペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、 ペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,1
12.15]−4−エイコセン誘導体、 および ノナシクロ[9,10,1,1,4.7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体を挙
げることができる。
以下にこのような化合物の具体的な例を示す。
などのようなビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導
体; などのテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセ
ン誘導体; などのヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14
−4−ヘプタデセン誘導体; などのオクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体; などのペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−
ヘキサデセン誘導体; などのヘプタシクロ−5−イコセン誘導体あるいはヘプ
タシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体; などのトリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体; などのトリシクロ[4,4,0,12.5]−3−ウンデセン誘導
体; などのペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−
ペンタデセン誘導体; などのジエン化合物; などのペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−
ペンタデセン誘導体; などのヘプタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,
112.15]−4−エイコセン誘導体; などのノナシクロ[9,10,1,14.7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体を挙
げることができる。
そして更には、 を挙げることができる。
式[I]で表される多環式環状オレフィンとして具体
的には、上記の化合物、あるいは1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの他に2
−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−プロピル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−3−エ
チル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、2−クロロ−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ブ
ロム−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−
ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2−n−ブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレンなどのオクタヒドロナフタレン類などを例示
することができる。
[環状オレフィン系重合体] 本発明における環状オレフィン系重合体としては、 (1)前記式[I]で表される環状オレフィンの開環重
合体もしくは開環共重合体またはその水素添加物と、 (2)前記式[I]で表される環状オレフィンとエチレ
ンとの付加重合により得られる共重合体を挙げることが
できる。
(1)環状オレフィン開環重合体およびその水素添加物 環状オレフィン開環重合体は、前記式[I]、好まし
くは[II]で表される環状オレフィンをそれ自体公知の
方法で開環重合させたものであり、単独重合または共重
合させたものである。たとえば、1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン類同士を
共重合させたもの、または前記のノルボルネン(ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)とを共重合させたもの
でもよい。
上記のような環状オレフィンの開環重合体あるいは開
環共重合体において、例えば式[II]で表される環状オ
レフィンの少なくとも一部は、次式[III]で表される
構造を有しているものと考えられる。
また、上記開環重合体はそれ自体公知の方法で容易に
残留している二重結合を水素添加することができ、水素
添加物はより熱安定性、耐候性に優れた射出成形用素材
である。
このような水添物において、例えば式[II]で表され
る環状オレフィンの少なくとも一部は、例えば次式[I
V]で表される構造を有しているものと考えられる。
上記式[III]及び[IV]において、R1〜R18は、式
[II]における意味と同じ意味である。
なお、環状オレフィンを開環重合させる場合、上記式
[I]、あるいは好ましくは式[II]で表される環状オ
レフィンから形成される開環(共)重合体の物性を損な
わない範囲でこれ以外の環状オレフィンを開環共重合さ
せることができる。そのような環状オレフィンの例とし
ては、シクロブロテン、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロ
ヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキ
セン、2,3,3a,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−イ
ンデンおよび3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−
1H−インデンなどを挙げることができる。
(2)環状オレフィンとエチレンとの付加重合により得
られる共重合体(環状オレフィン付加重合体と称するこ
ともある。) 環状オレフィン付加重合において、エチレン成分/環
状オレフィン成分(モル比)は通常10/90〜90/10であ
り、好ましくは50/50〜75/25である。エチレン系共重合
体の製造は、エチレンと環状オレフィンとを炭化水素媒
体中、炭化水素可溶性バナジウム化合物およびハロゲン
含有有機アルミニウム化合物とから形成される触媒の存
在下で重合させて行なう。このような重合方法は既に公
知であり、特開昭60−168708号公報などに提案されてい
る。
また、環状オレフィン付加重合体において、上記の式
[I]、あるいは好ましくは[II]で表わされる環状オ
レフィン化合物を共重合して脂環構造を有する共重合体
を構成する単量体は、エチレンである。ただし、本発明
で用いられる脂環構造を有する共重合体においては、オ
レフィン化合物としてエチレンの他に、本発明の組成物
の特性を損なわない範囲内で他のオレフィン化合物を共
重合させることもできる。本発明において、エチレンお
よび上記の式[I]、あるいは好ましくは式[II]で表
わされる環状オレフィン化合物と共重合させることがで
きる他のオレフィン化合物の例としては、プロピレン、
1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テ
トラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよ
び1−エイコセンなどの炭素原子数が3〜20のα−オレ
フィン; シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロ
ヘキセン、シクロオクテンおよび3a,5,6,7a−テトラヒ
ドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフ
ィン; 1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンなどの非
共役ジエン類; ノルボルネン−2、5−メチルノルボルネン−2、5
−エチルノルボルネン−2、5−イソプロピルノルボル
ネン−2、5−n−ブチルノルボルネン−2、5−i−
ブチルノルボルネン−2、5,6−ジメチルノルボルネン
−2、5−クロロノルボルネン−2、2−フルオロノル
ボルネン−2および5,6−ジクロロノルボルネン−2な
どのノルボルネン類などを挙げることができる。これら
の中では、炭素原子数3〜15、特に3〜10のα−オレフ
ィンが好ましい。
これらの他のオレフィンは、単独で、あるいは組合わ
せて使用することができる。
式[I]、あるいは[II]で表される環状オレフィン
以外の環状オレフィンとして二重結合を分子内に二個以
上有するものを用いた場合、耐候性を向上させる目的で
水素添加して用いることができる。
環状オレフィン付加重合体の沃素価は通常5以下、そ
の多くは1以下である。
このような環状オレフィンランダム共重合体におい
て、例えば環状オレフィン[II]から誘導される繰り返
し単位の内、少なくとも一部は、通常は、例えば次式
[III]で表される構造を有しているものと考えられ
る。
なお、上記式[V]において、R1〜R18は、式[II]
におけるこれらと同じ意味である。
環状オレフィンが、例えば上記[III]〜[V]のよ
うな構造をとることは、得られた重合体を、13C−NMRに
よって分析することによって裏付けられる。このような
環状オレフィン付加重合体は化学的に安定な構造であ
り、耐熱老化性に優れた重合体となる。
以上述べた(1)環状オレフィン開環重合体およびそ
れの水素添加物および(2)環状オレフィン付加重合体
は、135℃、デカリン中で測定した極限粘度[]が0.01
〜20dl/gであり、特に0.05〜10dl/g、さらには0.08〜8d
l/gが好ましい。
そして、これらの環状オレフィン系重合体は、一般に
非晶性または低結晶性であり、好ましくは非晶性であ
る。したがって透明性が良好である。一般にはX線によ
る結晶化度が5%以下、その多くは0%、示差走査型熱
量計(DSC)で融点が観察されないものが多い。
このような環状オレフィン系重合体の別の性質として
ガラス転移温度Tgおよび軟化温度(TMA)が高いことが
挙げられる。ガラス転移温度Tgが通常50〜230℃、多く
が100〜200℃の範囲内に測定される。したがって、直接
成形材料に使用する場合は、軟化温度が通常70〜180
℃、多くが90〜180℃の範囲内に測定されるものであ
る。
また熱分解温度は、通常は350〜420℃、多くが370〜4
00℃の範囲内にある。
機械的性質として、この樹脂自体の曲げ弾性率は、通
常1×104〜5×104Kg/cm2の範囲内にあり、曲げ強度も
通常300〜1500Kg/cm2の範囲内にある。
また、この樹脂自体の密度は、通常0.86〜1.10g/c
m3、その多くが0.88〜1.08g/cm3の範囲にある。また屈
折率(ASTM D542)は通常1.47〜1.58、多くが1.48〜1.
56の範囲内であり、実質的に非結晶性であるので、霞度
(ヘイズ:ASTM D1003)は、通常20%以下、多くが10%
以下である。
電気的性質として、この樹脂自体のASTM D150によっ
て測定した誘電率(1K Hz)は通常1.5〜3.0、多くは1.9
〜2.6、誘電正接は通常9×10-4〜8×10-5、多くは3
×10-4〜9×10-5の範囲内にある。
このような環状オレフィン系重合体を使用した本発明
に係る射出成形品は、耐薬品性に優れ、射出成形品を硫
酸、アンモニア水、アセトン、酢酸エチル等の酸、アル
カリ、あるいは有機溶媒に、24時間浸漬した場合でも、
変色、透明性の低下、クラックの発生、変形、及び樹脂
の溶解などがみられなかった。
本発明に係る射出成形品は、上記環状オレフィン系共
重合体に軟質重合体をブレンドして、例えば環状オレフ
ィン系重合体に他の樹脂を微細に分散させた、所謂ポリ
マーアロイを素材としている。軟質重合体としては以下
に述べる(i)〜(v)の群から選ばれるゴム状成分で
ある。
なお、環状オレフィン系重合体とこれらゴム状成分と
のポリマーアロイにおいては、有機過酸化物の存在下に
架橋反応を行なってもよく、このような架橋性ポリマー
アロイは剛性および耐衝撃性に優れた射出成形品を提供
する。
[環状オレフィン成分を含む軟質重合体(i)] 環状オレフィン成分を含む軟質重合体は、エチレン成
分と前記環状オレフィン系重合体で使用した同種の環状
オレフィン(式[I]、あるいは好ましくは[II])成
分と共重合させることにより得られる共重合体である。
この軟質重合体(i)には、環状オレフィン成分および
エチレン成分を必須成分とする他に、α−オレフィン成
分を本発明の目的を損なわない範囲で使用することがで
きる。α−オレフィンとしては、たとえば、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデゼン、1−テ
トラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1
−エイコセンなどが挙げられる。これらの中では、炭素
原子数3〜20のα−オレフィンが好ましい。また、ノル
ボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジ
エンなどの環状オレフィン、環状ジエンも好ましい。
環状オレフィン成分を含む軟質重合体(i)におい
て、エチレン成分は40〜98モル%、好ましくは50〜90モ
ル%の範囲で用いられる。α−オレフィン成分は2〜50
モル%の範囲で用いられ、環状オレフィン成分は2〜20
モル%、好ましくは2〜15モル%の範囲で用いられる。
軟質重合体(i)は、前記環状オレフィン系重合体と
相違して、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下、好ましく
は−10℃以下のもので、135℃のデカリン中で測定した
極限粘度[η]が、通常は0.01〜10dl/g、好ましくは0.
8〜7dl/gである。軟質重合体(i)はX線回折法により
測定した結晶化度が通常は0〜10%、好ましくは0〜7
%、特に好ましくは0〜5%の範囲のものである。
軟質重合体(i)は、特開昭60−168708号公報、特開
昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭
61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61
−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−
252406号公報などで本出願人が提案した方法に従い適宜
に条件を選択して製造することができる。
[α−オレフィン系共重合体(ii)] 軟質重合体として用いられるα−オレフィン系共重合
体(ii)は、少なくとも2種のα−オレフィンからな
り、非晶性ないし低結晶性の共重合体である。具体的な
例としては、エチレン・α−オレフィン共重合体および
プロピレン・α−オレフィン共重合体がある。
エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オ
レフィンは、通常炭素数3〜20のものが用いられ、具体
的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ブ
テン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンな
ど、あるいはこれらの混合物が挙げられる。この内、特
に炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体のモル比(エチレ
ン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種類によっ
ても異なるが、一般に40/60〜95/5である。また、上記
モル比はα−オレフィンがプロピレンである場合には40
/60〜90/10であることが好ましく、α−オレフィンが炭
素数4以上である場合には50/50〜95/5であることが好
ましい。
プロピレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−
オレフィンとしては、通常炭素数4〜20のものが用いら
れ、具体的には、1−ブテン、4−メチル−1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンな
ど、あるいはこれらの混合物が挙げられる。このうち、
特に炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
上記のようなプロピレン・α−オレフィン共重合体に
おいては、プロピレンとα−オレフィンとのモル比(プ
ロピレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種類
によっても異なるが、一般に50/50〜95/5である。
[α−オレフィン・ジエン系共重合体(iii)] 軟質重合体として使用されるα−オレフィン・ジエン
系共重合体(iii)としては、エチレン・α−オレフィ
ン・ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α−オレフィン
・ジエン共重合体ゴムがある。
これらの共重合体ゴムを構成するα−オレフィンは、
通常、炭素数3〜20(プロピレン・α−オレフィンの場
合は4〜20)のα−オレフィン、たとえばプロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンあるいは
これらの混合物などが挙げられる。これらの中では、炭
素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましい。
また、これらの共重合体ゴムを構成するジエン成分
は、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチ
ル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエ
ンおよび7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状
非共役ジエン、 シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチル
テトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノ
ルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン
および6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノ
ルボルネンのような環状非共役ジエン、 2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−
エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン
および2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエンなどが
挙げられる。
上記エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム
では、エチレンとα−オレフィンとのモル比(エチレン
/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種類によって
も相違するが、一般には40/60〜90/10である。
また、これら共重合体ゴム中におけるジエン成分から
誘導される繰り返し単位の含有量は、通常は1〜20モル
%、好ましくは2〜15モル%である。
[芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体
(iv)] 軟質重合体として使用される芳香族ビニル系炭化水素
・共役ジエン系軟質共重合体は、芳香族ビニル系炭化水
素、共役ジエン系のランダム共重合体、ブロック共重合
体またはこれらの水素化物である。具体的にはスチレン
・ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタジ
エン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソ
プレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体ゴム、水素添加スチレン・ブ
タジエン・スチレンブロック共重合体、水素添加スチレ
ン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチ
レン、ブタジエンランダム共重合体ゴムなどが用いられ
る。
これらの共重合体ゴムにおいて、一般に芳香族ビニル
炭化水素と共役ジエンとのモル比(芳香族ビニル炭化水
素/共役ジエン)は10/90〜70/30である。また、水素添
加した共重合体ゴムとは、上記の共重合体ゴム中に残存
する二重結合の一部または全部を水素化した共重合体ゴ
ムである。
[イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンからな
る軟質重合体または共重合体(v)] 軟質重合体として使用されるイソブチレン系軟質重合
体または共重合体(v)は、具体的には、ポリイソブチ
レンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、
イソブチレン・イソプレン共重合体ゴムなどである。
なお、軟質重合体である(ii)〜(v)の共重合体の
特性は、環状オレフィン系軟質重合体(i)の特性と同
様であり、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、通常は.01〜10dl/g、好ましくは0.08〜7dl/g
の範囲であり、ガラス転移温度(Tg)は、通常0℃以
下、好ましくは−10℃以下、特に好ましくは−20℃以下
である。また、X線回折法により測定した結晶化度は、
通常0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0
〜5%の範囲内にある。
上記のようなポリマーアロイは、そのままで環状オレ
フィン系重合体と混練して使用することもできるが、こ
のようにして混練することにより、例えば環状オレフィ
ン系重合体中に他の樹脂が分散している重合体粒子をさ
らに有機過酸化物で処理することにより架橋構造を形成
させて用いることができる。
ここで使用される有機過酸化物の例としては、 メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノン
パーオキシドなどのケトンパーオキシド類、 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタンなどのパ
ーオキシケタール類、 t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパ
ーオキシド、 1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキシドな
どのヒドロパーオキシド類、 ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3などのジアルキルパーオキシド、 ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドな
どのジアシルパーオキシド類、 t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイ
ルパーオキシ)ヘキサンなどのパーオキシエステル類な
どを挙げることができる。
上記有機過酸化物成分の配合量は、環状オレフィン付
加重合体と軟質重合体成分との合計量100重量部に対し
て、通常は0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量
部である。
そして、さらに架橋効率を高める目的で有機過酸化物
で処理する際に、ラジカル重合性の官能基を分子内に2
個以上有する化合物をさらに含有させると、耐衝撃性に
優れたポリマーアロイが得られるので好ましい。
ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する化
合物としては、ジビニルベンゼン、アクリル酸ビニル、
メタアクリル酸ビニルなどを挙げることができる。これ
らの化合物は環状オレフィン付加重合体と軟質重合体と
の合計量100重量部に対して、通常は1重量部以下、好
ましくは0.1〜0.5重量部の量で使用される。
このような軟質重合体(ゴム状成分)を含むポリマー
アロイおよび有機過酸化物で処理した架橋性ポリマーア
ロイでは、環状オレフィン付加重合体100重量部に対し
て、各種(i)〜(v)の軟質共重合体の合計量を、通
常は5〜150重量部、好ましくは5〜100重量部、特に好
ましくは10〜80重量部の範囲内で使用することにより、
衝撃強度、剛性、熱変形温度および硬度などの特性のバ
ランスが取れたポリマーアロイが得られる。
なお、これらポリアーアロイの溶融流れ指数(MFR;AS
TM D1238 条件)は、0.1〜100であることが好ましい。
[その他の添加物] 本発明に係る射出成形品を形成するために餅委られる
環状オレフィン開環重合体およびこれの水素添加物、環
状オレフィン付加重合体およびこれらに種々の重合体を
ブレンドしたポリマーアロイには、発明の目的を損なわ
ない範囲で、自体公知の耐熱安定性、耐候安定性、帯電
防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、
滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、有機あ
るいは無機の充填剤などを配合することができる。
たとえば、任意成分として配合される安定剤として
は、 テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミ
ドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系
酸化防止剤、 ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−
ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属
塩、 グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレ
ート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタ
エリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトール
トリステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エステル
などを挙げることができる。これらは単独で配合しても
よいが、組み合わせて配合してもよい。たとえばテトラ
キス[メチレン−3−(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリ
ン酸亜鉛とグリセリンモノステアレートとの組み合わせ
などを例示できる。
また、有機または無機の充填剤としてはシリカ、ケイ
藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石
粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイト、硫酸カ
ルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カ
ルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラ
ス繊維、ガラスフレーク、ガラスピーズ、ケイ酸カルシ
ウム、モンモリロナイト、ペントナイト、グラファイ
ト、アルミニウム粉硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化
ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、
ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などを挙げることが
できる。
環状オレフィン系重合体と他と成分との混合方法とし
ては、それ自体公知の方法が適用でき、たとえば各成分
を同時に混合することができる。
[成形品] 本発明に係る射出成形品は、前記の各種共重合体をそ
れ自体公知の射出成形法により実施することができ、以
下の如き成形品を製造できる。
(1) 自動車部品 インストウルメントパネル、コンソールボックス、メ
ータークラスター、コラムカバー、グリルドアミラー、
フェンダー、ボンネット、ラジエターグリル。
(2) 機械ハウジング 工具(電動工具)、事務器(ワープロ、パソコン、複
写機、プリンター、FDD、CRT)、精密機器(カメラ)、
家電製品(電子レンジ、電気釜、冷蔵庫、ポット、掃除
機)。
(3) 機械部品 エアコン用シロッコファン。
発明の効果 以上説明したように本発明に係る環状オレフィン系重
合体からなる射出成形品は、環状オレフィン成分に軟質
重合体を配合して重合させた重合体を射出成形したの
で、充分な成形性を維持して、耐熱性、耐溶剤性、剛
性、および耐衝撃性が総合的に優れた射出成形品を提供
することができる。
実施例 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本発明における各種物性値の測定および評価方
法を次に示した。
(1)機械的強度測定方法 (単位は表中に記載のため略) (i)引張強度;温度23℃において、ASTM−D638の方法
で測定する。
(ii)引張伸び;温度23℃において、ASTM−D638の方法
で測定する。
(iii)曲げ弾性率;温度23℃において、ASTM−D790の
方法で測定する。
(iv)曲げ温度;温度23℃において、ASTM−D790の方法
で測定する。
(v)アイゾット衝撃強度;温度23℃、0℃、−30℃に
おいて、ASTM−D256の方法で測定する。
(vi)落錘衝撃強度;温度23℃、0℃、−30℃におい
て、ASTM−D3029の方法で測定する。
(vii)ロックウェル硬度;温度23℃において、ASTM−D
785の方法で測定する。
(viii)鉛筆硬度;温度23℃において、JISK5401の方法
で測定する。
(2)熱的物性測定方法 (i)熱変形温度;4.6Kg/cm2、18.6Kg/cm2荷重の条件に
おいて、ASTM−D648の方法で測定する。
(ii)線膨張係数;アニール(条件80℃×24時間)の
有、無について、ASTM−D696の方法で測定する。
(3)成形性測定方法 (i)溶融流れ指数;所定の温度(T℃)に於てASTM−
D1238の方法で測定する(MFRT)。
(ii)スパイラルフロー;温度200℃、240℃、280℃に
おいて、東芝機械(株)製射出成形機IS−50EP、スパイ
ラル形状4.8mm半円形の金型を用い射出速度99%(最
高)、射出圧力1000(kg/cm2)、金型温度50℃の条件で
スパイラル長さを測定する。
(iii)成形収縮率;予め原寸を測定してある角板用金
型(形状約120×130×2mmt)を用いて試験用角板を射出
成形する。角板を成形後、23℃で48時間以上放置し角板
の寸法を測定して下式により求める。
収縮率(%)={(L0−L)/L0}×100 L0;金型の原標線間距離 L;試験片(角板)標線間距離 (4)電気的性質測定方法 (i)誘導率:温度23℃、1MHzにおいて、ASTM−D150の
方法で測定する。
(ii)誘電正接;温度23℃、1MHzにおいて、ASTM−D150
の方法で測定する。
(iii)体積抵抗;温度23℃、500vにおいて、ASTM−D25
7の方法で測定する。
(iv)表面抵抗;温度23℃、500vにおいて、ASTM−D257
の方法で測定する。
(5)その他の物性測定方法 (i)比重;温度23℃において、ASTM−D792の方法で測
定する。
(ii)吸水率;温度23℃、24時間において、JIS−K7209
の方法で測定する。
(iii)グロス;温度60℃において、ASTM−D523の方法
で測定する。
(iv)燃焼性;サンプルの厚み2mm、3mm、5mmにおい
て、MVSS302の方法で測定する。
実施例1 (i) 環状オレフィン付加重合体(極限粘度[η]0.
6dl/g、Tg122℃、MFR260oC15g/分および軟化温度TMAが1
38℃で、エチレンと1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレンとのランダム共重合体;
エチレン含量66モル%)のペレット3.4Kg (ii) 低結晶性α−オレフィン系共重合体(エチレン
・プロピレンランダム共重合体;エチレン含量80モル
%、極限粘度[η]2.2dl/g、Tg−54℃、MFR230oC0.7g/
分)のペレット0.6Kg (i)と(ii)との共重合体を充分混合した後、二軸
押出機(池貝鉄工(株)製PCM−45)によりシリンダ温
度220℃で溶融ブレンドしペレタイザーにてペレット化
した。
得られたペレットを用いて下記の条件で容易に射出成
形品を製造することができた。また、成形品の一部を試
験片として、上記組成物の物性を測定し、その結果を表
1および2に示す。これにより、射出成形品が剛性、衝
撃強度、耐熱性、寸法精度、電気特性などに優れている
ことがわかる。
成形条件 射出成形機 東芝機械(株)性IS−50EP シリンダ温度 250℃ 金型温度 80℃ 射出圧力 一次/二次=1000/800Kg/cm2 射出速度 中速 実施例2 実施例1で得られたペレット1Kgに対して日本油脂
(株)製製パーヘキシン25B を1g、ジビニルベンゼン
を3gの割合で添加し、充分混合した。この混合物を二軸
押出機によりシリンダ温度230℃で溶融下、反応を行な
いペレタイザーにてペレット化した。
この結果、得られたペレットを用いて実施例1と同じ
成形条件により容易に射出成形品を製造することができ
た。また、成形品の一部を試験片として、上記組成物の
物性を測定し、その結果を表1および表2に示す。これ
により、射出成形品が剛性、衝撃強度、耐熱性、寸法精
度、電気特性などに優れていることがわかる。
実施例3 (i) 環状オレフィン付加重合体(極限粘度[η]0.
47dl/g、Tg137℃、MFR260oC35g/分および軟化温度TMA14
8℃で、エチレンと1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレンとのランダム共重合体;
エチレン含量62モル%)のペレット3.4Kg (ii)低結晶性α−オレフィン系共重合体(エチレン・
プロピレンランダム共重合体;エチレン含量80モル%、
極限粘度[η]2.2dl/g、Tg−54℃、MFR230oC0.7/分)
のペレット0.6Kg (i)と(ii)の共重合体を充分混合した後、二軸押
出機によりシリンダ温度220℃で溶融ブレンドしペレタ
イザーにてペレット化した。得られたペレット1Kgに対
して日本油脂(株)性パーヘキシン25B を1g、ジビニ
ルベンゼンを3gの割合で添加し、充分混合した。この混
合物を二軸押出機によりシリンダ温度230℃で溶融下、
反応を行ないペレタイザーにてペレット化した。
この結果、得られたペレットを用いて下記の条件で容
易に射出成形品を製造することができた。また、成形品
の一部を試験片として、上記組成物の物性を測定し、そ
の結果を表1および表2に示す。これにより、射出成形
品が剛性、衝撃強度、耐熱性、寸法精度、電気特性など
に優れていることがわかる。
成形条件 射出成形機 東芝機械(株)製IS−50EP シリンダ温度 250℃ 金型温度 80℃ 射出圧力 一次/二次=1000/800Kg/cm2 射出速度 中速 比較例1 変性PPO樹脂(ノリルSE90)を下記の条件で射出成形
し物性を評価した。結果を表1および2に示す。
成形条件 射出成形機 東芝機械製IS−50EP シリンダ温度 260℃ 金型温度 70℃ 射出圧力 一次/二次=1000/800Kg/cm2 射出速度 中速 比較例2 耐熱ABS樹脂(鐘淵化学(株)製:カネエースMUH−W2
015)を下記の条件で射出成形し物性を評価した。結果
を表1および2に示す。
成形条件 射出成形機 東芝機械(株)製IS−50EP シリンダ温度 250℃ 金型温度 60℃ 射出圧力 一次/二次=1000/800Kg/cm2 射出速度 中速 比較例3 ABS樹脂(日本合成ゴム(株)製ABS 15A)を下記の条
件で射出成形し物性を評価した。結果を表1および2に
示す。
成形条件 射出成形機 東芝機械(株)製IS−50EP シリンダ温度 250℃ 金型温度 60℃ 射出圧力 一次/二次=1000/800Kg/cm2 射出速度 中速 実施例4 実施例3において、(i)の成分として用いたエチレ
ン・DMONランダム共重合体に代え、エチレン含量71モル
%極限粘度[η]0.6dl/g、Tg98℃、TMA115℃、MFR260
゜C℃20g/分のエチレン・DMONランダム共重合体のペレ
ット4Kgを用い(ii)の成分の量を1Kgに代える以外は実
施例3と同様に行ない、下記の条件で成形した。得られ
た成形品の曲げ弾性率、曲げ強度、アイゾット衝撃強
度、HDT、MFR260はそれぞれ17300Kg cm 2、640Kg/c
m2、60Kg・cm/cm、90℃、7g/10分であった。
成形条件 射出成形機 東芝機械製IS−50EP シリンダ温度 250℃ 金型温度 70℃ 射出圧力 一次/二次=1000/800Kg/cm2 射出速度 中速 実施例5〜9 実施例3において、ii)の成分の種類を代える以外は
同様の操作を行なった。結果を表3に示す。
比較例4 実施例3で用いたi)の成分のペレットを1.6Kg、(i
i)の成分として(株)東レ製6ナイロンCM1017のペレ
ットを2.0Kg、および(iii)下記の方法で調製した無水
マレイン酸変性樹脂のペレット0.4Kgを充分混合した
後、二軸押出機にてシリンダ温度250℃で溶融ブレンド
しペレタイザーにてペレット化した。
得られたペレットを用いて下記の条件で容易に射出成
形品を製造することができた。射出成形品の物性を表4
に示す。
成形条件 シリンダ温度 250℃ 金型温度 80℃ 射出圧力 一次/二次=1000/800Kg/cm2 射出速度 中速 (iii)成分の調製法 (i)成分と同等の物性を有するエチレン・DMONラン
ダム共重合体のペレット5Kgに無水マレイン酸50g(アセ
トン25gに溶解)、パーヘキシン25B3gを加え充分混合し
た後、二軸押出機によりシリンダ温度250℃で溶融下反
応を行なった。反応生成物はペレタイザーにてペレット
化した。得られた樹脂の無水マレイン酸含量は0.8重量
%であった。
比較例5、6 比較例4において用いた(i)、(ii)および(ii
i)の成分の割合を変える以外は実施例10と同様の操作
を行なった。結果を表4に示す。
比較例7〜9 比較例4において、(ii)の成分として用いたCM1017
に代え、他の樹脂[6,6ナイロン((株)東レ製3001−
N)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(三井ペット
(株)製JI25)、ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学
(株)製ユーピロンS−2000)]を用い押出機および射
出成形機のシリンダ温度を変える以外は同様な操作を行
なった。結果を表5に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−145324(JP,A) 特開 昭52−115898(JP,A) 特開 昭63−314220(JP,A) 特開 昭61−120816(JP,A) 特開 平1−172422(JP,A) 特開 平1−185307(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス転移温度が50℃以上であって、 下記式[I]で表される環状オレフィンを開環重合して
    なる重合体もしくは共重合体またはその水素添加物、 および/または 下記式[I]で表される環状オレフィンとエチレンを付
    加重合してなる共重合体100重量部に、 下記(i)〜(v)からなる群から選ばれ、ガラス転移
    温度(Tg)が0℃以下、極限粘度[η]=0.01〜10dl/
    g、X線回折法によって測定された結晶化度が0〜10%
    である軟質重合体が5〜100重量部の量で配合されてい
    る樹脂組成物からなることを特徴とする射出成形品; (i)環状オレフィン成分を含む軟質重合体 (ii)α−オレフィン系共重合体 (iii)α−オレフィン−・ジエン系共重合体 (iv)芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重
    合体 (v)イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンか
    らなる軟質重合体 [上記式[I]において、nは、0もしくは正の整数で
    あり、R1〜R12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
    原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もし
    くは基を表し、 R9〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形成
    していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結合
    を有していてもよく、 また、R9とR10とで、またはR11とR12とでアルキリデン
    基を形成していてもよい]。
  2. 【請求項2】前記射出成形品が医療分野における射出成
    形品であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形
    品。
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