JPH0819219B2 - 新規な開環重合体の水素添加物 - Google Patents
新規な開環重合体の水素添加物Info
- Publication number
- JPH0819219B2 JPH0819219B2 JP29099186A JP29099186A JPH0819219B2 JP H0819219 B2 JPH0819219 B2 JP H0819219B2 JP 29099186 A JP29099186 A JP 29099186A JP 29099186 A JP29099186 A JP 29099186A JP H0819219 B2 JPH0819219 B2 JP H0819219B2
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- JP
- Japan
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- ring
- aluminum
- resistance
- opening polymer
- polymerization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、耐熱性に優れており、かつ透明性、耐薬品
性、耐溶剤性、誘電特性および剛性などの機械的性質等
の諸特性のバランスがとれた新規な開環重合体の水素添
加物に関し、更に詳しくは、ペンタシクロペンタデセン
をモノマーとする開環重合体の水素添加物に関する。
性、耐溶剤性、誘電特性および剛性などの機械的性質等
の諸特性のバランスがとれた新規な開環重合体の水素添
加物に関し、更に詳しくは、ペンタシクロペンタデセン
をモノマーとする開環重合体の水素添加物に関する。
従来の技術 耐熱性および透明性に優れた合成樹脂として、ポリカ
ーボネートやポリエチレンテレフタレートが知られてい
る。ポリカーボネートは、耐光性大、透明度良好、耐衝
撃性がことにすぐれており、耐水性や耐酸性も良いが強
アルカリに侵され易く、耐薬品性に劣る。また、ポリエ
チレンテレフタレートは、機械的性質にも優れている
が、強酸や強アルカリに対し抵抗性が小さく、加水分解
され易い欠点を有する。これらの他に、例えば、ポリメ
タクリル酸メチルは、光の透過率の点ではガラスより優
れているが、傷がつき易く、耐熱性も低く、しかも酢酸
エチル、アセトン、1,2−ジクロルエタン、トルエン、
酢酸、ぎ酸などに溶け、エーテル中で膨潤する欠点を有
する。ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフ
ィンは、機械的性質に優れ、強酸、強アルカリにも強
く、通常の溶剤に不溶であるが、耐熱性や透明性に劣
る。
ーボネートやポリエチレンテレフタレートが知られてい
る。ポリカーボネートは、耐光性大、透明度良好、耐衝
撃性がことにすぐれており、耐水性や耐酸性も良いが強
アルカリに侵され易く、耐薬品性に劣る。また、ポリエ
チレンテレフタレートは、機械的性質にも優れている
が、強酸や強アルカリに対し抵抗性が小さく、加水分解
され易い欠点を有する。これらの他に、例えば、ポリメ
タクリル酸メチルは、光の透過率の点ではガラスより優
れているが、傷がつき易く、耐熱性も低く、しかも酢酸
エチル、アセトン、1,2−ジクロルエタン、トルエン、
酢酸、ぎ酸などに溶け、エーテル中で膨潤する欠点を有
する。ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフ
ィンは、機械的性質に優れ、強酸、強アルカリにも強
く、通常の溶剤に不溶であるが、耐熱性や透明性に劣
る。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、前記欠点のない合成樹脂を開発すべく
鋭意研究した結果、特定の構造を有する多環式モノマ
ー、すなわちペンタシクロペンタデセンを開環重合して
得られる開環重合体の水素添加物が熱的性質に優れ、か
つ透明性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性および剛性な
どの機械的性質等のバランスがとれた重合体であって、
各種成形品として有用であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
鋭意研究した結果、特定の構造を有する多環式モノマ
ー、すなわちペンタシクロペンタデセンを開環重合して
得られる開環重合体の水素添加物が熱的性質に優れ、か
つ透明性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性および剛性な
どの機械的性質等のバランスがとれた重合体であって、
各種成形品として有用であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
問題点を解決するための手段 本発明の要旨は、主要な繰返し単位が下記一般式
(I)で表わされ、かつ、25℃、トルエン中で測定した
極限粘度[η]が0.01〜20dl/gであるペンタシクロペン
タデセン開環重合体の水素添加物にある。
(I)で表わされ、かつ、25℃、トルエン中で測定した
極限粘度[η]が0.01〜20dl/gであるペンタシクロペン
タデセン開環重合体の水素添加物にある。
本発明に使用する開環重合体は、単量体としてペンタ
シクロペンタデセンを用い、ジシクロペンタジエンなど
環状オレフィンの公知の開環重合法により製造すること
ができる。また、この開環重合体の水素添加物について
も、通常の水素添加反応方法を利用して行なわれる。
シクロペンタデセンを用い、ジシクロペンタジエンなど
環状オレフィンの公知の開環重合法により製造すること
ができる。また、この開環重合体の水素添加物について
も、通常の水素添加反応方法を利用して行なわれる。
以下、本発明の各構成要素について詳述する。
(単量体) 本発明に使用する単量体は、下記一般式(II)で表わ
される多環式モノマーのペンタシクロペンタデセン(1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,4b,5,8,8a,9a−デカヒド
ロ−9H−フルオレン)である(以下、この単量体を「PC
PE」と略称する。) このPCPEは、シクロペンタジエンとジヒドロジシクロ
ペンタジエンとを次式(III)に示すように反応させ、
反応混合物から蒸留などの手法によって分離することに
より得ることができる。
される多環式モノマーのペンタシクロペンタデセン(1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,4b,5,8,8a,9a−デカヒド
ロ−9H−フルオレン)である(以下、この単量体を「PC
PE」と略称する。) このPCPEは、シクロペンタジエンとジヒドロジシクロ
ペンタジエンとを次式(III)に示すように反応させ、
反応混合物から蒸留などの手法によって分離することに
より得ることができる。
(重合触媒) PCPEの開環重合体は、通常のノルボルネン類の重合法
により製造されるが、重合触媒としては、例えば、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウ
ム白金などのごとき白金属化合物(例えば、特公昭46−
14910号)または、チタン、バナジウム、モリブデン、
タングステンなどの遷移金属化合物と周期律表第I−IV
族の有機金属化合物の系などが挙げられ、この触媒系に
第三成分を組み合わせてもよい(例えば、特公昭41−20
111号、特公昭57−17883号、特公昭57−61044号、特開
昭54−86600号、特開昭58−127728号など)。
により製造されるが、重合触媒としては、例えば、ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウ
ム白金などのごとき白金属化合物(例えば、特公昭46−
14910号)または、チタン、バナジウム、モリブデン、
タングステンなどの遷移金属化合物と周期律表第I−IV
族の有機金属化合物の系などが挙げられ、この触媒系に
第三成分を組み合わせてもよい(例えば、特公昭41−20
111号、特公昭57−17883号、特公昭57−61044号、特開
昭54−86600号、特開昭58−127728号など)。
重合触媒は、PCPEの開環重合が可能な金属化合物であ
れば特に制限されないが、好ましくは、遷移金属化合物
と有機金属を含む触媒系あるいは、これに第三成分を組
み合わせた触媒系である。
れば特に制限されないが、好ましくは、遷移金属化合物
と有機金属を含む触媒系あるいは、これに第三成分を組
み合わせた触媒系である。
以下に、重合触媒の具体例を挙げる。
遷移金属化合物 金属化合物としては、チタン、バナジウム、タングス
テン、モリブデン等の遷移金属化合物が好ましく、具体
的には、これら遷移金属のハロゲン化物、オキシハライ
ド、酸化物、カルボニル化合物、有機アンモニウム塩等
がある。
テン、モリブデン等の遷移金属化合物が好ましく、具体
的には、これら遷移金属のハロゲン化物、オキシハライ
ド、酸化物、カルボニル化合物、有機アンモニウム塩等
がある。
具体例として、 TiCl4、TiBr4、VOCl3、VOBr3、WBr2、WBr4、WBr6、WC
l2、WCl4、WCl5、WCl6、WF4、WI2、WI4、WOBr4、WOC
l4、WOF4、MoBr2、MoBr3、MoBr4、MoCl4、MoCl5、Mo
F4、MoOCl4、MoOF4、WO2、H2WO4、NaWO4、K2WO4、(N
H4)2WO4、CaWO4、CuWO4、MgWO4、(CO)5WC(OCH3)
(CH3)、(CO)5WC(OC2H5)(CH3)、(CO)5WC(OC2
H5)(C4H5)、(CO)5MoC(OC2H5)(CH3)、(CO)5M
o=C(OC2H5) (N(C2H5)2)、トリデシルアンモニウムモリブデ
ン酸塩、トリデシルアンモニウムタングステン酸塩等が
ある。
l2、WCl4、WCl5、WCl6、WF4、WI2、WI4、WOBr4、WOC
l4、WOF4、MoBr2、MoBr3、MoBr4、MoCl4、MoCl5、Mo
F4、MoOCl4、MoOF4、WO2、H2WO4、NaWO4、K2WO4、(N
H4)2WO4、CaWO4、CuWO4、MgWO4、(CO)5WC(OCH3)
(CH3)、(CO)5WC(OC2H5)(CH3)、(CO)5WC(OC2
H5)(C4H5)、(CO)5MoC(OC2H5)(CH3)、(CO)5M
o=C(OC2H5) (N(C2H5)2)、トリデシルアンモニウムモリブデ
ン酸塩、トリデシルアンモニウムタングステン酸塩等が
ある。
有機金属化合物 有機金属化合物としては、周期律表の第I族から第IV
族までの有機金属化合物、例えば有機アルミニウム化合
物、有機スズ化合物あるいはリチユウム、ナトリウム、
マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホウ素等の化合物が
ある。
族までの有機金属化合物、例えば有機アルミニウム化合
物、有機スズ化合物あるいはリチユウム、ナトリウム、
マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホウ素等の化合物が
ある。
有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、
トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノ
クロリド、ジ−n−ピロピルアルミニウムモノクロリ
ド、ジ−イソブチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n
−ブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニ
ウムモノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジ
ド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、ジ−n−プロ
ピルアルミニウムモノヒドリド、ジイソブチルアルミニ
ウムモノヒドリド、メチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミド、イソブチルア
ルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロ
リド、エチルアルミニウムジブロミド、プロピルアルミ
ニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウ
ムジイオジド等がある。
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、
トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノ
クロリド、ジ−n−ピロピルアルミニウムモノクロリ
ド、ジ−イソブチルアルミニウムモノクロリド、ジ−n
−ブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニ
ウムモノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジ
ド、ジエチルアルミニウムモノヒドリド、ジ−n−プロ
ピルアルミニウムモノヒドリド、ジイソブチルアルミニ
ウムモノヒドリド、メチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミド、イソブチルア
ルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロ
リド、エチルアルミニウムジブロミド、プロピルアルミ
ニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウ
ムジイオジド等がある。
有機スズ化合物としては、テトラメチルスズ、ジエチ
ルジメチルスズ、テトラエチルスズ、ジブチルジエチル
スズ、テトラブチルスズ、テトライソクミルスズ、テト
ラフェニルスズ、トリエチルスズフルオリド、トリエチ
ルスズクロリド、トリエチルスズブロミド、トリエチル
スズイオジド、ジエチルスズジフルオリド、ジエチルス
ズジクロリド、ジエチルスズブロミド、ジエチルスズジ
イオジド、エチルスズトリフルオリド、エチルスズトリ
クロリド、エチルスズトリブロミド、エチルスズトリイ
オジドなどがあげられる。その他n−ブチルリチウム、
n−ペンチルナトリウム、メチルマグネシウムイオジ
ド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウム
ブロミド、n−プロピルマグネシウムクロリド、t−ブ
チルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリ
ド、ジエチル亜鉛、ジエチルカドミウム、トリメチルホ
ウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチル−ホウ素な
どがあげられる。
ルジメチルスズ、テトラエチルスズ、ジブチルジエチル
スズ、テトラブチルスズ、テトライソクミルスズ、テト
ラフェニルスズ、トリエチルスズフルオリド、トリエチ
ルスズクロリド、トリエチルスズブロミド、トリエチル
スズイオジド、ジエチルスズジフルオリド、ジエチルス
ズジクロリド、ジエチルスズブロミド、ジエチルスズジ
イオジド、エチルスズトリフルオリド、エチルスズトリ
クロリド、エチルスズトリブロミド、エチルスズトリイ
オジドなどがあげられる。その他n−ブチルリチウム、
n−ペンチルナトリウム、メチルマグネシウムイオジ
ド、エチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウム
ブロミド、n−プロピルマグネシウムクロリド、t−ブ
チルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリ
ド、ジエチル亜鉛、ジエチルカドミウム、トリメチルホ
ウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチル−ホウ素な
どがあげられる。
第三成分 上記触媒系に第三成分を加えて、重合活性を高め、開
環重合の選択性を向上させることができる。具体例とし
ては、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、
カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケト
ン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、
分子状ヨウ素、その他のルイス酸等が挙げられる。
環重合の選択性を向上させることができる。具体例とし
ては、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、
カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケト
ン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、
分子状ヨウ素、その他のルイス酸等が挙げられる。
(溶媒) 本発明に使用する開環重合は、溶媒を用いなくても可
能であるが、不活性有機溶媒中でも実施することができ
る。
能であるが、不活性有機溶媒中でも実施することができ
る。
具体例として、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素、n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンな
どの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化
水素、メチレンジクロリド、ジクロルエタン、ジクロル
エチレン、テトラクロルエタン、クロルベンゼン、ジク
ロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素等が挙げられ、これらの二種以上を混合して使用
してもよい。
芳香族炭化水素、n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンな
どの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環族炭化
水素、メチレンジクロリド、ジクロルエタン、ジクロル
エチレン、テトラクロルエタン、クロルベンゼン、ジク
ロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭
化水素等が挙げられ、これらの二種以上を混合して使用
してもよい。
(重合温度) 開環重合の温度条件については、特に制限はないが、
−20℃〜100℃の任意の温度を選択するのが通常であ
る。
−20℃〜100℃の任意の温度を選択するのが通常であ
る。
(重合圧力) 重合圧力の条件は、通常0〜50Kg/cm2の範囲から選択
することが好ましい。
することが好ましい。
(開環重合体) 本発明で使用する新規開環重合体およびその水素添加
物は、25℃、トルエン中で測定した極限粘度[η]が0.
01〜20dl/gである。[η]が上記範囲にあることによっ
て、耐熱性、加工性および機械的特性が良好である。
物は、25℃、トルエン中で測定した極限粘度[η]が0.
01〜20dl/gである。[η]が上記範囲にあることによっ
て、耐熱性、加工性および機械的特性が良好である。
また、本発明に使用する開環重合体は、重合するに際
し、鎖状のモノオレフィン、鎖状の非共役ジオレフィ
ン、シクロオレフィン等を添加して、分子量や物性を調
節することもできる。具体例として、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ブテン−2、
ペンテン−2、1,4−ヘキサジエン、シクロペンテン、
ノルボルネンなどが挙げられる。
し、鎖状のモノオレフィン、鎖状の非共役ジオレフィ
ン、シクロオレフィン等を添加して、分子量や物性を調
節することもできる。具体例として、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ブテン−2、
ペンテン−2、1,4−ヘキサジエン、シクロペンテン、
ノルボルネンなどが挙げられる。
(水素添加) 本発明に使用する開環重合体は、水素添加してその二
重結合を飽和させ、耐熱劣化性や耐光劣化性を改善する
ことができる。水素添加率は、開環重合体のすべての二
重結合が水素添加により飽和された場合を100%とする
と、理論的には0〜100%の範囲があり、実際にも、そ
の範囲で任意に選択できるが、耐熱性や耐光性を向上さ
せるためには、主鎖二重結合の50%以上が水素添加され
ることが好ましい。
重結合を飽和させ、耐熱劣化性や耐光劣化性を改善する
ことができる。水素添加率は、開環重合体のすべての二
重結合が水素添加により飽和された場合を100%とする
と、理論的には0〜100%の範囲があり、実際にも、そ
の範囲で任意に選択できるが、耐熱性や耐光性を向上さ
せるためには、主鎖二重結合の50%以上が水素添加され
ることが好ましい。
この開環重合体の水素添加反応は通常の方法により行
われる。水素化触媒としては、オレフィン化合物の水素
化に際して一般に使用されているものであれば使用可能
であり、特に制限されないが、たとえば次のようなもの
がある。不均一系触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金またはこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイ
ソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた固
体触媒、例えばニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ
土、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラ
ジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナなどが挙げ
られる。また、均一系触媒としては、周期律表第VIII族
の金属を基体とするもの、例えば、ナフテン酸ニッケル
/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブ
チルリチウム、ニッケルアセチルアセトネート/トリエ
チルアルミニウムなどのNi,Co化合物と周期律表第I〜I
II族金属の有機金属化合物からなるもの、あるいはRh化
合物などが挙げられる。
われる。水素化触媒としては、オレフィン化合物の水素
化に際して一般に使用されているものであれば使用可能
であり、特に制限されないが、たとえば次のようなもの
がある。不均一系触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金またはこれらの金属をカーボン、シリカ、ケイ
ソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた固
体触媒、例えばニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ
土、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラ
ジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナなどが挙げ
られる。また、均一系触媒としては、周期律表第VIII族
の金属を基体とするもの、例えば、ナフテン酸ニッケル
/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブ
チルリチウム、ニッケルアセチルアセトネート/トリエ
チルアルミニウムなどのNi,Co化合物と周期律表第I〜I
II族金属の有機金属化合物からなるもの、あるいはRh化
合物などが挙げられる。
水素添加反応は、触媒の種類により均一系または不均
一系で、1〜150気圧の水素圧下、0〜180℃、好ましく
は20〜100℃で行われる。水素添加率は、水素圧、反応
温度、反応時間、触媒濃度などを変えることによって任
意に調節することができるが、水添物が優れた耐熱劣化
性及び耐光劣化性を示すためには重合体中の主鎖二重結
合の50%以上が水素添加されることが好ましく、より好
ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の水添率
とされる。
一系で、1〜150気圧の水素圧下、0〜180℃、好ましく
は20〜100℃で行われる。水素添加率は、水素圧、反応
温度、反応時間、触媒濃度などを変えることによって任
意に調節することができるが、水添物が優れた耐熱劣化
性及び耐光劣化性を示すためには重合体中の主鎖二重結
合の50%以上が水素添加されることが好ましく、より好
ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の水添率
とされる。
(成形加工) 本発明の開環重合体の水素添加物は、周知の方法によ
って成形加工することができる。また、成形加工にあた
っては、各種添加剤、例えば、無機および有機の充填
剤、安定剤、帯電防止剤、滑剤などを添加してもよい。
って成形加工することができる。また、成形加工にあた
っては、各種添加剤、例えば、無機および有機の充填
剤、安定剤、帯電防止剤、滑剤などを添加してもよい。
(用途) 本発明の開環重合体の水素添加物は、ガラス転移温度
が高いことからも明らかなように耐熱性に優れており、
かつ透明性や耐薬品性、機械的特性などのバランスがと
れた重合体であるから、各種の成形品として広範な分野
において有用である。
が高いことからも明らかなように耐熱性に優れており、
かつ透明性や耐薬品性、機械的特性などのバランスがと
れた重合体であるから、各種の成形品として広範な分野
において有用である。
例えば、光学用レンズ、光ディスク、光ファイバー、
ガラス窓用途などの光学分野、電気アイロンの水タン
ク、電子レンジ用品、液晶表示用基板、プリント基板、
高周波用回路基板、透明導電性シートやフィルムなどの
電気分野、注射器、ピペット、アニマルゲージなどの医
療、化学分野、カメラボディ、各種計器類ハウジング、
フィルム、シート、ヘルメットなど種々の分野で利用で
きる。
ガラス窓用途などの光学分野、電気アイロンの水タン
ク、電子レンジ用品、液晶表示用基板、プリント基板、
高周波用回路基板、透明導電性シートやフィルムなどの
電気分野、注射器、ピペット、アニマルゲージなどの医
療、化学分野、カメラボディ、各種計器類ハウジング、
フィルム、シート、ヘルメットなど種々の分野で利用で
きる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
合成例1 充分乾燥し窒素置換した500mlセパラブルフラスコにP
CPEを15gとトルエン60mlを加えた。更に続けてトリエチ
ルアルミニウム1.5mmol、四塩化チタン0.30mmolを加え2
5℃で撹拌下4時間反応させた。その後、アセトン/イ
ソプロピルアルコール(1/1)で目的物を沈澱させ、ろ
過後、再びトリエンに溶解した。更にアセトン/イソプ
ロピルアルコール(1/1)溶剤で沈澱、ろ過し、乾燥す
ることによって、目的物を得た。収率は15%であった。
得られた重合物のプロトンNMRによる解析の結果、δ=
5.0〜5.4ppmにオレフィン二重結合プロトンに起因する
吸収が認められ、その吸収強度が全プロトン由来の吸収
強度に対する理論値(10.0%)とほぼ一致したことか
ら、上記ポリマーが開環重合していることが確認され
た。この開環重合体のガラス転移温度(DSCによる)は1
97℃であり、25℃トルエン中で測定した極限粘度は、0.
84dl/gであった。また、この重合体は、室温においてベ
ンゼン、トルエン、シクロヘキサン、四塩化炭素、二硫
化炭素に可溶であった。
CPEを15gとトルエン60mlを加えた。更に続けてトリエチ
ルアルミニウム1.5mmol、四塩化チタン0.30mmolを加え2
5℃で撹拌下4時間反応させた。その後、アセトン/イ
ソプロピルアルコール(1/1)で目的物を沈澱させ、ろ
過後、再びトリエンに溶解した。更にアセトン/イソプ
ロピルアルコール(1/1)溶剤で沈澱、ろ過し、乾燥す
ることによって、目的物を得た。収率は15%であった。
得られた重合物のプロトンNMRによる解析の結果、δ=
5.0〜5.4ppmにオレフィン二重結合プロトンに起因する
吸収が認められ、その吸収強度が全プロトン由来の吸収
強度に対する理論値(10.0%)とほぼ一致したことか
ら、上記ポリマーが開環重合していることが確認され
た。この開環重合体のガラス転移温度(DSCによる)は1
97℃であり、25℃トルエン中で測定した極限粘度は、0.
84dl/gであった。また、この重合体は、室温においてベ
ンゼン、トルエン、シクロヘキサン、四塩化炭素、二硫
化炭素に可溶であった。
実施例1 合成例1で得られた重合体3gをシクロヘキサン30mlに
溶解したものをパラジウムカーボン0.3gと共に容量100c
cのステンレス製アンプル中に入れ、混合後、アンプル
中の空気を水素で置換して水素圧を50Kg/cm2Gとし10℃
で撹拌しつつ30分保持した。その後50℃に昇温して18時
間撹拌したところ沈澱物が得られた。この沈澱物をトル
エンに溶解させその溶液を1μのフィルターでろ過した
後、メタノール中で再沈させ乾燥、精製した。
溶解したものをパラジウムカーボン0.3gと共に容量100c
cのステンレス製アンプル中に入れ、混合後、アンプル
中の空気を水素で置換して水素圧を50Kg/cm2Gとし10℃
で撹拌しつつ30分保持した。その後50℃に昇温して18時
間撹拌したところ沈澱物が得られた。この沈澱物をトル
エンに溶解させその溶液を1μのフィルターでろ過した
後、メタノール中で再沈させ乾燥、精製した。
このもののガラス転移温度は202℃であった。NMRの解
析により、二重結合に起因するδ=5.0〜5.4ppmの吸収
が消えており、ほぼ完全に水添されていることが確認さ
れた。
析により、二重結合に起因するδ=5.0〜5.4ppmの吸収
が消えており、ほぼ完全に水添されていることが確認さ
れた。
発明の効果 本発明の新規な開環重合体の水素添加物は、耐熱性に
優れ、かつ透明性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性およ
び剛性などの機械的なバランスがとれた重合体であっ
て、光学分野をはじめ広範な分野で利用可能であるとい
う優れた効果を有するものである。
優れ、かつ透明性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性およ
び剛性などの機械的なバランスがとれた重合体であっ
て、光学分野をはじめ広範な分野で利用可能であるとい
う優れた効果を有するものである。
フロントページの続き (72)発明者 松井 利又 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社技術開発センター内 (56)参考文献 特開 昭63−264626(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】主要な繰返し単位が下記一般式で表わさ
れ、かつ、25℃、トルエン中で測定した極限粘度[η]
が0.01〜20dl/gであるペンタシクロペンタデセン(1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,4b,5,8,8a,9a−デカヒドロ
−9H−フルオレン)開環重合体の水素添加物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29099186A JPH0819219B2 (ja) | 1986-12-06 | 1986-12-06 | 新規な開環重合体の水素添加物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29099186A JPH0819219B2 (ja) | 1986-12-06 | 1986-12-06 | 新規な開環重合体の水素添加物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63145324A JPS63145324A (ja) | 1988-06-17 |
JPH0819219B2 true JPH0819219B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=17763044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29099186A Expired - Lifetime JPH0819219B2 (ja) | 1986-12-06 | 1986-12-06 | 新規な開環重合体の水素添加物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819219B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP0375780A4 (en) * | 1987-09-01 | 1990-10-10 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Ring-opening polymers and process for their production |
JP2653707B2 (ja) * | 1989-01-09 | 1997-09-17 | 三井石油化学工業株式会社 | 環状オレフィン系重合体からなる射出成形品 |
US5115041A (en) * | 1989-03-31 | 1992-05-19 | The B. F. Goodrich Company | Substrate for optical recording media and molding composition therefor |
WO1996010596A1 (fr) * | 1994-09-30 | 1996-04-11 | Nippon Zeon Co., Ltd. | Polymere a ouverture de cycle hydrogene |
US6625379B1 (en) * | 1999-10-14 | 2003-09-23 | Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha | Light-conducting plate and method of producing the same |
KR100917500B1 (ko) | 2005-04-18 | 2009-09-16 | 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 | 수지 조성물 및 광학 부품 |
DE112007002467B4 (de) | 2006-10-17 | 2021-09-23 | Mitsui Chemicals, Inc. | Harzzusammensetzung, dessen Verwendung, durch Formen der Harzzusammensetzung erhaltenes geformtes Produkt und dessen Verwendung |
CN113906097B (zh) | 2019-05-27 | 2023-07-18 | 三井化学株式会社 | 环状烯烃系树脂组合物、成型体及光学部件 |
CN117897446A (zh) | 2021-11-29 | 2024-04-16 | 三井化学株式会社 | 光学部件形成用树脂组合物、成型体和光学部件 |
-
1986
- 1986-12-06 JP JP29099186A patent/JPH0819219B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63145324A (ja) | 1988-06-17 |
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