JP3259476B2 - シクロオレフィン系開環重合体水素添加物の製造方法 - Google Patents

シクロオレフィン系開環重合体水素添加物の製造方法

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JP3259476B2
JP3259476B2 JP26961993A JP26961993A JP3259476B2 JP 3259476 B2 JP3259476 B2 JP 3259476B2 JP 26961993 A JP26961993 A JP 26961993A JP 26961993 A JP26961993 A JP 26961993A JP 3259476 B2 JP3259476 B2 JP 3259476B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシクロオレフィン系開環
重合体水素添加物の製造方法に関し、さらに詳しくは反
応性の高いハロゲン化水素の発生しにくいシクロオレフ
ィン系開環重合体水素添加物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラシクロドデセン、そのアルキル置
換体、エステル型置換体などに代表されるシクロオレフ
ィン系単量体の開環重合体水素添加物は、透明性、耐熱
性、低吸湿性等に優れており、光学材料等様々な分野に
使用されている。
【0003】シクロオレフィン系開環重合体水素添加物
は、一般に、遷移金属ハロゲン化物と有機金属化合物か
ら成るメタセシス重合触媒を用いてシクロオレフィン系
単量体を開環重合し、重合体溶液から触媒を除去した
後、重合体を水素添加触媒の存在下に水素と接触させて
製造される。
【0004】メタセシス重合触媒の除去方法としては、
メタセシス触媒の不活性化剤を含む溶液で重合反応溶液
を洗浄し分離する方法や、固形の触媒残渣とした後で濾
過または遠心分離等により除去する方法がある。しか
し、これらの方法において、触媒残渣を完全に除去する
ことは難しく、触媒残渣が水素添加工程に混入すること
が、しばしば発生する。このような場合、水素添加工程
において、触媒残渣が加水分解してハロゲン化水素が発
生し、反応容器を腐食することがあった。
【0005】また、重合触媒そのもの、または重合触媒
残渣を除去することなく、重合反応溶液を直接水素添加
工程に供給する方法が提案されている(特開平2−28
6712号公報)。この方法は、製造工程が簡略化され
るため、生産効率に優れるという利点があるが、重合触
媒や重合触媒残渣を含んでいるため、ハロゲン化水素の
発生が多く、腐食が著しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、重合触
媒に遷移金属ハロゲン化合物を用いても、ハロゲン化水
素が発生しないシクロオレフィン系単量体の開環重合体
の水素添加方法の開発をめざして鋭意努力の結果、水素
添加反応時に酸捕捉化合物を存在させることにより、ハ
ロゲン化水素の発生を抑制できることを見い出し、本発
明を完成させるに到った。
【0007】
【課題を解決する手段】かくして、本発明によれば、遷
移金属ハロゲン化物と有機金属化合物から成るメタセシ
ス重合触媒を用いてシクロオレフィン系単量体を開環重
合して得られた重合体溶液を水素添加触媒の存在下に水
素と接触させるシクロオレフィン系開環重合体水素添加
物の製造方法において、水素添加触媒と共に酸捕捉化合
物を存在させることを特徴とするシクロオレフィン系開
環重合体水素添加物の製造方法が提供される。
【0008】(シクロオレフィン系単量体)本発明で用
いるシクロオレフィン系単量体の具体例として、例え
ば、ノルボルネン、そのアルキル、アルキリデン、芳香
族置換誘導体およびこれら置換または非置換のノルボル
ネン系単量体のハロゲン、エステル基、アルコキシ基、
シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基等の極性基置
換体、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノ
ルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5
−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボ
ルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メト
キシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−
ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−
2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、
5,6−ジエトキシカルボニル−2−ノルボルネン、
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−
9H−フルオレン等; ノルボルネンに一つ以上のシク
ロペンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の誘
導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、6,6−ジメチル−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、6−メチル−6−メトキシカルボニル
−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、4,9:5,
8−ジメタノ−2,3,3a,4,4a,5,8,8
a,9,9a−デカヒドロ−1H−ベンゾインデン等;
シクロペンタジエンの多量体である多環構造の単量
体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシク
ロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエ
ン、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,
8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾイン
デン等; シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン
等との付加物、その上記と同様の誘導体や置換体、例え
ば、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8
a,9a−オクタヒドロ−9H−フルオレン、5,8−
メタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オ
クタヒドロ−1H−ベンゾインデン、1,4:5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,4b,7,8,8
a,9a−デカタヒドロ−9H−フルオレン、1,4−
メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン
等; その他のシクロオレフィン、その上記と同様の誘
導体や置換体、例えば、シクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、シクロオクテン、5,6−ジヒド
ロシクロペンタジエン、3a,4,7,7a−テトラヒ
ドロインデン、4−エチルシクロヘキセン等; 等が挙
げられる。これらの単量体は、単独で用いても二種以上
を組み合わせて使用してもよい。
【0009】また、分子量調節などを目的として、非環
式オレフィン、好ましくはα−オレフィン、例えば、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、スチレ
ン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン等をコモノマー
として、通常、10モル%までの範囲で用いてもよい。
【0010】(メタセシス重合触媒)本発明に用いられ
るメタセシス重合触媒は、本質的に遷移金属ハロゲン化
物と有機金属化合物とから成る。
【0011】メタセシス重合触媒に用いられる遷移金属
ハロゲン化物としては、バナジウム、タングステン、モ
リブデン、チタン等の遷移金属ハロゲン化物が好まし
く、具体的には、TiCl4、TiBr4、VOCl3
VOBr3、WBr2、WBr4、WCl2、WCl4、W
Cl5、WCl6、WF4、WI2、WI4、WOBr4、W
OCl4、WOF4、MoBr2、MoBr3、MoB
4、MoCl4、MoCl5、MoF4、MoOCl4
MoOF4、WCl4(OC64Cl22等が挙げられ
る。
【0012】また、メタセシス重合触媒に用いられるI
〜IV族金属の有機金属化合物としては、例えば、有機
アルミニウム化合物、有機スズ化合物あるいはリチウ
ム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、カドミウム、ホ
ウ素等の有機金属化合物が挙げられる。具体的には、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウ
ム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルアルミニウム
モノクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジエチルアル
ミニウムモノイオジド、ジエチルアルミニウムモノヒド
リド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアル
ミニウムジクロリド等のごとき有機アルミニウム化合
物; テトラメチル錫、ジエチルジメチル錫、テトラエ
チル錫、ジブチルジエチル錫、テトラブチル錫、テトラ
オクチル錫、トリオクチル錫フルオリド、トリオクチル
錫クロリド、トリオクチル錫ブロミド、トリオクチル錫
イオジド、ジブチル錫ジフルオリド、ジブチル錫ジクロ
リド、ジブチル錫ジブロミド、ジブチル錫ジイオジド、
ブチル錫トリフルオリド、ブチル錫トリクロリド、ブチ
ル錫トリブロミド、ブチル錫トリイオジド等のごとき有
機錫化合物; その他、n−ブチルリチウム、n−ペン
チルナトリウム、メチルマグネシウムイオジド、エチル
マグネシウムブロミド、メチルマグネシウムブロミド、
n−プロビルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネ
シウムクロリド、アリルマグネシウムクロリド、ジエチ
ル亜鉛、ジエチルカドミウム、トリメチルホウ素、トリ
エチルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素等; が挙げら
れる。
【0013】さらに、特定の第三成分を加えることによ
り、重合活性を調整し、開環重合の選択性を向上させた
メタセシス重合触媒として用いることができる。そのよ
うな第三成分としては、例えば、分子状酸素、アルコー
ル、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸ク
ロリド、エステル、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハ
ロゲン化合物、その他のルイス酸等が挙げられる。これ
らの中でも、エーテル、エステル、第3級アミン等、具
体的には、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、パラアルデヒド、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、ピリジン等が好ましい。
【0014】メタセシス重合触媒として、シクロオレフ
ィン系単量体100モルに対して、遷移金属ハロゲン化
物は0.001〜5モル、好ましくは0.01〜2.5
モル、有機金属化合物は0.005〜10モル、好まし
くは0.02〜5モル、必要に応じて第三成分は0.0
01〜10モル、好ましくは0.01〜5モルを用い
る。
【0015】(重合方法)本発明におけるシクロオレフ
ィン系単量体の開環重合は、通常のメタセシス重合反応
条件で行われ、不活性ガスや溶媒を用いなくても可能で
あるが、通常、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気
中、不活性溶媒中で実施する。
【0016】不活性溶媒としては、炭化水素系溶媒が好
ましく、その中でも生成するシクロオレフィン系開環重
合体の溶解性に優れた環状炭化水素系溶媒が特に好まし
い。不活性溶媒の具体例として、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;
n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素; シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキ
サン、デカリン、エチルシクロヘキサン等の環状炭化水
素系溶媒; メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジ
クロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらの2種以上を
混合して使用することもできる。
【0017】溶媒を使用する場合、シクロオレフィン系
単量体1重量部に対する溶媒の使用量は、1〜20重量
部、好ましくは2〜10重量部である。
【0018】開環重合時の温度条件については、特に制
限はなく、−20℃〜150℃、通常、0〜120℃、
好ましくは10〜90℃の任意の温度を選択できる。
【0019】重合時の圧力条件は、0.1〜50kg/
cm2、通常は0.5〜10kg/cm2、好ましくは1
〜5kg/cm2の範囲から選択する。
【0020】(酸捕捉化合物)本発明においては、重合
反応溶液中に水素添加触媒と共に酸捕捉化合物を存在さ
せ、重合反応溶液と水素を接触させて、重合体の水素添
加させる。
【0021】本発明で用いる酸捕捉化合物は、重合触媒
の加水分解などで発生するハロゲン化水素と反応するも
のであり、具体例として、エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセン
オキサイド、スチレンオキサイド、メチルグリシジルエ
ーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、エポキシ樹脂等のエポキ
シ化合物; 水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の塩基性化合物;
マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄等の粉末状、
粒状、リボン状の金属等; 等が挙げられる。これらの
酸捕捉化合物の中でも、水素添加反応器の気相と接触す
る部分の腐食を防止する効果が高く、水素添加触媒の活
性低下を起こさないエポキシ化合物が特に好ましい。
【0022】本発明で用いる酸捕捉化合物の量は、用い
たメタセシス重合触媒の加水分解により発生し得るハロ
ゲン化水素の最大量、すなわち化学量論量に対し0.5
当量以上、好ましくは1〜100当量、さらに好ましく
は2〜10当量である。例えば、六塩化タングステンと
トリエチルアルミニウムから成るメタセシス重合触媒を
用いた場合、トリエチルアルミニウムからはハロゲン化
水素は発生しないが、六塩化タングステン1モルに対
し、塩化水素が最大6モル発生し得る。酸捕捉化合物と
して3価の金属イオンとなるアルミニウムの粉末を用い
る場合、酸捕捉化合物の使用量は、六塩化タングステン
1モルに対して1モル(6モル÷3×0.5)以上を用
いる。なお、水素添加触媒がハロゲン化物を含有してい
る場合は、水素添加触媒から発生し得るハロゲン化水素
の最大量に対し0.5当量以上、好ましくは1〜100
当量、さらに好ましくは2〜10当量をさらに添加す
る。
【0023】酸捕捉化合物の添加時期は、重合反応終了
後水素添加反応開始前であれば、水素添加触媒を添加す
る前あるいは後のいずれであってもよいが、反応器の腐
食をできる限り抑制し、水素添加触媒の活性を高く維持
するためには、水素添加触媒を添加する前が好ましい。
【0024】(重合触媒不活性化剤)特に水素添加触媒
が不均一系触媒である場合、重合反応終了後、水素添加
触媒を添加する前に、重合体溶液に重合触媒不活性化剤
を添加し、重合触媒の分解により発生するハロゲン化水
素を酸捕捉化合物と反応させておくと、ハロゲン化水素
により水素添加触媒の活性低下を抑制しやすい。そのた
め、重合反応液に酸捕捉化合物、重合触媒不活性化剤を
添加して、十分に反応させた後に水素添加触媒を添加す
ることが好ましい。
【0025】重合触媒不活性化剤としては、水酸基を有
する化合物が好ましく、例えば、水、アルコール、カル
ボン酸、フェノール類等が挙げられる。具体的には、メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレング
リコール、1、4−ブタンジオール等のアルコール類;
酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、クエン酸、フタル
酸等; フェノール類としては、フェノール、クレゾー
ル、キシレノール等のカルボン酸類; 等が挙げられ
る。これらの触媒不活性化剤は単独で、または2種以上
を同時に使用することができる。
【0026】重合触媒不活性化剤により重合触媒を分解
するには、通常、0〜150℃、好ましくは10〜10
0℃で、重合触媒不活性化剤を、重合触媒の分解に必要
な化学量論量に対し、好ましくは1〜20当量、より好
ましくは2〜10当量添加して、好ましくは0.1〜1
0時間、より好ましくは0.5〜5時間攪拌する。温度
が低すぎると十分な反応がおこらず、温度が高すぎると
反応が激しすぎたり、エネルギー効率が悪くなる。重合
触媒不活性化剤の量が少なすぎると添加する効果が小さ
く、多すぎると無駄になる。なお、不活性化剤を除去し
ないままの重合反応液を水素添加工程に供する場合、均
一系の水素添加触媒を用いると過剰の重合触媒不活性化
剤の存在が活性低下の原因となることがあるので、均一
系の水素添加触媒を用いる場合は、過剰の不活性化剤を
存在させないようにすることが好ましい。反応時間が短
すぎると反応が十分に完了せず、長すぎると生産効率に
劣る。
【0027】例えば、六塩化タングステン1モルとトリ
エチルアルミニウム1.5モルからなるメタセシス重合
触媒をメタノール用いて分解した場合、化学量論上は、
メタノールは、WCl61モルに対して6モル、トリエ
チルアルミニウムに対して3モルが必要となるので、重
合触媒の分解に必要なメタノールの化学量論量は10.
5モルとなる。
【0028】(水素添加反応)本発明においては、水素
添加触媒と共に酸捕捉化合物の存在下に、重合反応液を
水素と接触させて重合体を水素添加する。重合触媒ある
いは不活性化剤によって重合触媒が分解されて生じた重
合触媒残渣の存在下にそのまま水素添加工程に供するこ
とができ、その場合、除去工程が省かれるため、生産効
率に優れる。
【0029】水素添加は、水素添加触媒を添加して、水
素の存在下に行う。水素添加触媒としては、オレフィン
化合物の水素化に際して一般に用られているものであれ
ば使用可能である。例えば、ニッケル−珪藻土、ニッケ
ル−アルミナ、ニッケル−アルミナ−マグネシア、ニッ
ケル−シリカ、ニッケル−カーボン、パラジウム−珪藻
土、パラジウム−アルミナ、パラジウム−アルミナ−マ
グネシア、パラジウム−シリカ、パラジウム−カーボ
ン、ルテニウム/カーボン、白金−カーボン等の不均一
系担持型触媒、ウィルキンソン錯体、酢酸コバルト/ト
リエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート
/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド
/n−ブチルリチウム、チタニウムテトライソプロポキ
サイド/n−ブチルリチウム等の均一系触媒を挙げるこ
とができる。これらの水素添加触媒の中でも、不均一系
担持型触媒は、重合触媒不活性化剤を添加した場合にも
水素添加触媒活性の低下が少なく好ましい。なお、チタ
ノセンジクロリドのようにハロゲンを含む化合物を水素
添加触媒として使用する場合は、前述のように、使用量
に応じて酸捕捉化合物の量を増加させる。
【0030】水素化反応は、1〜200気圧の水素圧
下、0〜250℃で、用いる水素添加触媒に適した条件
下で行う。例えば、担持型のニッケル触媒を用いる場合
は、通常10〜200気圧、好ましくは20〜100気
圧の水素圧下、100〜250℃、好ましくは200〜
240℃で行い、均一系触媒であるニッケルアセチルア
セトナート/トリイソブチルアルミニウム触媒を用いる
場合は、通常1〜20気圧、好ましくは2〜10気圧の
水素圧下、20〜100℃、好ましくは30〜80℃の
条件で行う。
【0031】水素添加率は、耐熱劣化性、耐候性などの
観点から、95%以上、好ましくは99%以上、特に好
ましくは99.9%以上とする。水素添加率は、触媒
量、水素圧力、反応温度などにより制御することができ
る。
【0032】水素添加反応の反応液から、水素添加物を
回収する方法は特に限定されない。通常、濾過、遠心分
離等の方法により重合触媒残渣および水素添加触媒残渣
を除去した後、水素添加物の溶液から溶媒を直接乾燥に
より除去する方法、水素添加物の溶液を水素添加物の貧
溶媒中に注ぎ水素添加物を凝固させる方法等が適用でき
る。
【0033】水素添加触媒残渣および重合触媒残渣の除
去方法としては、例えば、水素添加触媒が不均一触媒で
ある場合、水素添加触媒を濾過などの方法で除去でき、
通常、重合触媒残渣も水素添加触媒と共に除去される。
具体例として、重合触媒にWCl6とBu4Snを使用し
て重合反応を行った後、酸捕捉化合物としてブチルグリ
シジルエーテルおよび水素添加触媒としてニッケル−ア
ルミナを添加して水素添加を行った場合、水素添加後に
濾過することにより重合触媒残渣および水素添加触媒残
渣はほぼ定量的に除去され、得られる重合体中の金属含
有量は1ppm以下となる。水素添加触媒が均一触媒な
どで、濾過などの触媒除去方法でも重合触媒あるいは水
素添加触媒の残渣が除去できない場合でも、周知の重合
触媒除去方法、すなわち、水溶液による洗浄、吸着剤な
どによる沈澱化等の方法で除去することが可能である。
【0034】本発明の方法で製造されるシクロオレフィ
ン系開環重合体水素添加物は、透明性、耐熱性、低不純
物性等に優れており、射出成形、押し出し成形、キャス
ト成形、インフレーション成形、ブロー成形、インジェ
クションブロー成形、プレス成形、回転成形、切削成
形、真空成形、圧延成形、カレンダー加工等の周知の成
形方法により成形加工することができる。
【0035】また、本発明の方法で製造されるシクロオ
レフィン系開環重合体水素添加物は、成形加工にあたっ
てはは、成形性、帯電性、溶融流動性、機械的強度、柔
軟性、耐衝撃性、コート剤の密着性、耐候性、遮光性、
難燃性、耐クリープ性、表面硬度、熱膨張性、弾性等の
物性を改良する目的でフェノール系、燐系等の酸化防止
剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、紫外線吸収剤、耐光安
定剤、色素、顔料、難燃剤、スリッピング剤等の添加
剤; シリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウ
ム、カーボン、無定形炭素、グラファイト、炭酸カルシ
ウム等の微粒子状充填剤; ガラスファイバー、カーボ
ン繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、気相成長法カーボ
ン繊維、アスベスト繊維、チタン酸カリウム結晶微細繊
維、石英繊維、金属繊維、カーボンフィブリル、ポリア
ミド繊維、ポリエステル繊維、フッ素樹脂繊維、綿繊
維、セルロース繊維、珪素繊維等の繊維状充填剤; 等
を配合することができる。
【0036】本発明の方法で製造されるシクロオレフィ
ン系開環重合体水素添加物あるいは上記した添加剤や充
填剤を配合したシクロオレフィン系開環重合体水素添加
物組成物は、光学材料をはじめとして各種成形品として
広範な分野において有用である。例えば、光ディスク、
情報ディスク、磁気ディスク、ハードディスク、光カー
ド、光学レンズ、プリズム、光学ミラー、光ファイバ
ー、ビームスプリッター、液晶表示素子基板、導光板、
偏光フィルム、位相差フィルム、OHP用フィルム、光
拡散板、発光素子封入型光拡散板、液晶用バックライ
ト、蛍光灯用管材等の光学部品; 薬液容器、バイア
ル、アンプル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、
固体薬品容器、点眼薬容器、像映剤容器、プレススルー
パッケージ等の液体または固体の薬剤容器、血液検査用
サンプリング容器、検査用セル、採血管、検体容器等の
サンプル容器、注射器、医療器具の滅菌容器、ビーカ
ー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管、コンタクト
レンズケース、輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブな
どの医療用器具、義歯床、人工心臓、逆流防止弁、人造
歯根等の人工臓器やその部品などの医療用器材; ウェ
ハーキャリアー、タンク、ハードディスクキャリアー、
情報ディスク基板用キャリアー、液晶基板用キャリア
ー、磁気ディスクキャリアー、ICトレイ、ICキャリ
アテープ、セパレーションフィルム、シッパー、超純水
用配管、パイプ、チューブ、バルブ、流量計、フィルタ
ー、ポンプ、サンプリング容器、レジスト容器、レジス
ト容器用内袋等の電子部品処理用器材; 電線被覆材、
電子機器・複写機・コンピューター・プリンター等のO
A機器部品、計器類、レーダー、アンテナ、照明器具用
ランプシェード等用の一般絶縁体; プリント基板、フ
レキシブルプリント基板、多層プリント基板、高周波回
路基板等の電気部品; 透明導電性フィルム用基材;
トランジスタ・IC・LSI・LED・光拡散板やレン
ズを一体成形したLED等の封止材; モーター・コン
デンサー・スイッチ・センサー等の電気・電子部品用封
止材; テレビ、ビデオカメラ、カメラ等のハウジング
材; ルームミラー、ドアミラー、ヘッドランプカバ
ー、テールランプカバー、ヘッドアップディスプレイ用
光学部品、窓材、サンルーフ等の自動車・航空機・船舶
用部品; ショーウィンドー材、ショーウィンドーケー
ス、サンルーフ材、窓材、下水用配管、水道配管、パイ
プ、壁材、床材、天井材等の建築部材; などが挙げら
れる。
【0037】
【実施例】以下に、参考例、実施例、および比較例を挙
げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0038】参考例1 窒素置換下に6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン10重量部に、シクロヘキサン300重量部、
1−ヘキセン0.48重量部、テトラブチル錫0.30
重量部を加え、40℃に保ち、撹拌しながら、6−メチ
ル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン90重量部
および六塩化タングステン0.5重量%シクロヘキサン
溶液32.0重量部を60分に渡り、連続的に加えた。
その後、1時間反応させ、開環重合体溶液424重量部
得た。
【0039】ガスクロマトグラフィーによりこの開環重
合体溶液を分析したところ、残留する単量体は検出され
ず、ポリマーへの転化率はほぼ100%であった。
【0040】参考例2 窒素置換下にジシクロペンタジエン7.0重量部、6−
メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン3.0
重量部に、シクロヘキサン250重量部、1−ヘキセン
0.59重量部、テトラオクチル錫0.60重量部を加
え、40℃に保ち、撹拌しながら、ジシクロペンタジエ
ン63重量部と6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン27重量部の混合物、及び六塩化タングステ
ン0.5重量%シクロヘキサン溶液39.0重量部を6
0分に渡り、連続的に加えた。その後、1時間反応さ
せ、開環重合体溶液382重量部得た。
【0041】ガスクロマトグラフィーによりこ開環重合
体溶液を分析したところ、ジシクロペンタジエン、6−
メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンのいず
れの単量体も検出されず、ポリマーへの転化率はほぼ1
00%であった。
【0042】実施例1 参考例1で得た開環重合体溶液100重量部に、ブチル
グリシジルエーテル0.14重量部およびニッケル−ア
ルミナ触媒(日揮化学製、N163A)0.63重量部
を添加し、SUS−316製耐圧反応器に入れ、水素を
導入して、圧力45kg/cm2、温度210℃で6時
間水素添加反応を行った。反応終了後、シクロヘキサン
65重量部を加えて希釈し、濾過により触媒残渣を除去
し、開環重合体水素添加物溶液158重量部を得た。
【0043】この開環重合体水素添加物溶液50重量部
をイソプロピルアルコール150重量部中へ撹拌しなが
ら注ぎ、開環重合体水素添加物を凝固させた。凝固した
開環重合体水素添加物を濾過して回収し、イソブロピル
アルコール100重量部で洗浄した後、減圧乾燥器中で
1Torr以下、120℃で40時間乾燥し、6−メチ
ル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン開環重合体
水素添加物7.0重量部を得た。
【0044】この開環重合体水素添加物は、ゲル・パー
ミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン
換算値で数平均分子量29,000、重量平均分子量子
量65,000、1H−NMRスペクトルによる水素添
加率99.8%以上、指差走査熱量分析によるガラス転
移温度151℃であった。
【0045】この開環重合体水素添加物25gを灰化
し、硫酸に溶解してICP分析により分析した結果、開
環重合体水素添加物中のタングステン原子量は25pp
b(検出限界)以下、錫原子量は25ppb(検出限
界)以下、ニッケル原子量は25ppb(検出限界)以
下であった。
【0046】上記の水素添加反応を4回連続して実施し
た。4回の水素添加反応の終了後、耐圧反応器の内部を
検査したが、腐蝕等の異常は認められなかった。
【0047】実施例2 参考例1で得た開環重合体溶液100重量部にブチルグ
リシジルエーテル0.14重量部およびイソプロピルア
ルコール0.081重量部を添加し、50℃で4時間撹
拌して重合触媒を不活性化した。その後、ニッケル−ア
ルミナ(N163A)0.50重量部を添加し、実施例
1と同じ耐圧反応器に入れ、水素を導入して、圧力45
kg/cm2、温度210℃で6時間水素添加反応を行
った。反応終了後、シクロヘキサン65重量部を加えて
希釈し、濾過により触媒残渣を除去し、開環重合体水素
添加物溶液159重量部を得た。
【0048】この開環重合体水素添加物溶液50重量部
を実施例1と同様にして凝固、乾燥し、6−メチル−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン開環重合体水素
添加物7.1重量部を得た。
【0049】実施例1と同様の分析を行った結果、この
開環重合体水素添加物は、数平均分子量29,000、
重量平均分子量子量65,000、水素添加率99.8
%以上、ガラス転移温度151℃であった。また、この
開環重合体水素添加物中のタングステン原子量は25p
pb(検出限界)以下、錫原子量は25ppb(検出限
界)以下、ニッケル原子量は25ppb(検出限界)以
下であった。
【0050】上記の重合触媒の分解および水素添加反応
を4回連続して実施した。4回の水素添加反応の終了
後、耐圧反応器の内部を検査したが、腐蝕等の異常は認
められなかった。
【0051】実施例3 参考例2で得た開環重合体溶液100重量部にブチルグ
リシジルエーテル0.19重量部およびイソプロピルア
ルコール0.11重量部を添加し、実施例2と同様にし
て重合触媒を不活性化した。その後、水素転化触媒とし
てニッケル−アルミナ(N163A)0.57重量部を
添加し、実施例1と同じ耐圧反応器に入れ、水素を導入
して、圧力45kg/cm2、温度210℃で6時間水
素添加反応を行った。反応終了後、シクロヘキサン90
重量部を加えて希釈し、濾過により触媒残渣を除去し、
開環重合体水素添加物溶液180重量部を得た。
【0052】この開環重合体水素添加物溶液50重量部
を実施例1と同様にして凝固、乾燥し、6−メチル−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン開環重合体水素
添加物7.1重量部を得た。
【0053】実施例1と同様の分析を行った結果、この
開環重合体水素添加物は、数平均分子量27,000、
重量平均分子量子量57,000、水素添加率99.8
%以上、ガラス転移温度105℃であった。また、この
開環重合体水素添加物中のタングステン原子量は25p
pb(検出限界)以下、錫原子量は25ppb(検出限
界)以下、ニッケル原子量は25ppb(検出限界)以
下であった。
【0054】上記と同様の重合触媒の分解および水素添
加反応を4回連続して実施した。4回の水素添加反応の
終了後、耐圧反応器の内部を検査したが、腐蝕等の異常
は認められなかった。
【0055】実施例4 ブチルグリシジルエーテルに代えて、プロピレンオキサ
イド0.065重量部を用いる以外は実施例2と同様に
して、重合触媒不活性化および水素添加を行ない、開環
重合体水素添加物溶液155重量部を得た。
【0056】この開環重合体水素添加物溶液50重量部
を実施例1と同様にして凝固、乾燥し、6−メチル−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン開環重合体水素
添加物6.9重量部を得た。
【0057】実施例1と同様の分析を行った結果、この
開環重合体水素添加物は、数平均分子量29,000、
重量平均分子量子量65,000、水素添加率99.8
%以上、ガラス転移温度151℃であった。また、この
開環重合体水素添加物中のタングステン原子量は25p
pb(検出限界)以下、錫原子量は25ppb(検出限
界)以下、ニッケル原子量は25ppb(検出限界)以
下であった。
【0058】上記と同様の重合触媒の分解および水素添
加反応を4回連続して実施した。4回の水素添加反応の
終了後、耐圧反応器の内部を検査したが、腐蝕等の異常
は認められなかった。
【0059】実施例5 ブチルグリシジルエーテルに代えて、粉末状亜鉛0.3
0重量部を用いる以外は実施例2と同様にして、重合触
媒不活性化および水素添加を行ない、開環重合体水素添
加物溶液158重量部を得た。
【0060】この開環重合体水素添加物溶液50重量部
を実施例1と同様にして凝固、乾燥し、6−メチル−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン開環重合体水素
添加物7.0重量部を得た。
【0061】実施例1と同様の分析を行った結果、この
開環重合体水素添加物は、数平均分子量29,000、
重量平均分子量子量65,000、水素添加率99.8
%以上、ガラス転移温度151℃であった。また、この
開環重合体水素添加物中のタングステン原子量は25p
pb(検出限界)以下、錫原子量は25ppb(検出限
界)以下、ニッケル原子量は25ppb(検出限界)以
下、亜鉛原子量は25ppb(検出限界)以下であっ
た。
【0062】上記と同様の重合触媒の分解および水素添
加反応を4回連続して実施した。4回の水素添加反応の
終了後、耐圧反応器の内部を検査したが、腐蝕等の異常
は認められなかった。
【0063】比較例1 ブチルグリシジルエーテルを使用しない以外は実施例1
と同様にして水素添加反応を行ない、開環重合体水素添
加物溶液154重量部を得た。
【0064】この開環重合体水素添加物溶液50重量部
を実施例1と同様にして凝固、乾燥し、6−メチル−
1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン開環重合体水素
添加物7.2重量部を得た。
【0065】実施例1と同様の分析を行った結果、この
開環重合体水素添加物は、数平均分子量29,000、
重量平均分子量子量65,000、ガラス転移温度15
1℃であったが、水素添加率は98.5%であった。ま
た、この開環重合体水素添加物中のタングステン原子量
は25ppb(検出限界)以下、錫原子量は25ppb
(検出限界)以下、ニッケル原子量は25ppb(検出
限界)以下であった。
【0066】上記と同様の水素添加反応を4回連続して
実施した。4回の水素添加反応の終了後、耐圧反応器の
内部を検査したところ、反応器上部および水素添加反応
液が接触した反応器下部と反応液が接触しない上部の境
界付近の壁面に微小な腐蝕が認められた。
【0067】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、水素添加反
応器内部がハロゲン化水素により腐食することを防止で
き、さらに、重合触媒や重合触媒残渣を除去する工程を
省くこともでき、そのため工業生産的にきわめて有利で
ある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−61500(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/06 - 61/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属ハロゲン化物と有機金属化合物
    から成るメタセシス重合触媒を用いてシクロオレフィン
    系単量体を開環重合して得られた重合体溶液を水素添加
    触媒の存在下に水素と接触させるシクロオレフィン系開
    環重合体水素添加物の製造方法において、水素添加触媒
    と共に酸捕捉化合物を存在させることを特徴とするシク
    ロオレフィン系開環重合体水素添加物の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合体溶液に水素添加触媒を加える前
    に、重合触媒不活性化剤と酸捕捉化合物を添加する請求
    項1記載のシクロオレフィン系開環重合体水素添加物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 酸捕捉化合物がエポキシ化合物である請
    求項1、または2記載のシクロオレフィン系開環重合体
    水素添加物の製造方法。
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