JP3672315B2 - 開環重合体水素添加物 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、開環重合体水素添加物に関し、さらに詳しくは低複屈折性と耐油脂劣化性に優れた開環重合体水素添加物に関する。
背景技術
従来、光学用高分子材料として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)が知られている。しかし、PMMAは透明性に優れているが、耐熱性、耐湿性などの点で問題があり、また、PCは耐熱性、耐湿性はPMMAよりも優れているが、ベンゼン環を持つ基本構造とともに、溶融粘度が高いことに起因して高複屈折性となりやすいという問題があった。
近時、これらの欠点を改良した高分子材料として、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物が用いられるようになった。この樹脂は耐熱性、耐湿性などに優れた上に、低複屈折性を有している。しかし、ますます高度化する技術要求によって、より低複屈折性の樹脂が求められるようになってきた。
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFという)はノルボルネン系単量体の例として記載された単量体である(例えば、特開平3−273043号公報など)。しかし、これを開環重合し、水素添加した例は、従来技術の中に全く記載されていない。そのため、MTFの開環重合体水素添加物の特性などについても知られていない。また、MTFと類似構造の1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロ−9H−フルオレン(MTFの芳香族環構造がシクロヘキセン環構造になっている点でMTFと異なる)と5,8−メタノ−3a,4a,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデンとのモル比で4:6〜6:4の開環共重合体の水素添加物は知られている(特開平3−220230号公報)。この樹脂は、複屈折が小さく、かつ強度と耐熱性を有している。しかし、新たに求められるようになったレベルの低複屈折性は有していない。
さらに、ノルボルネン系開環重合体水素添加物は、油脂が付着した場合に、機械的強度の低下が起こることがあり、破損しやすくなるという問題があった。
発明の開示
本発明者らは、より低複屈折性のノルボルネン系開環重合体水素添加物について鋭意研究の結果、特定の単量体の開環重合体水素添加物が低複屈折性を有し、さらには、一定以上の分子量を有していると耐油脂劣化性にすぐれていることを見い出し、本発明を完成させるに到った。
発明を実施するための最良の形態
かくして、本発明によれば、一般式I
Figure 0003672315
(式中、下方に位置する六員環構造は二重結合を有していてもよい)で表されるノルボルネン系単量体70〜100重量%と同単量体と共重合可能な他のノルボルネン系単量体0〜30重量%、好ましくは前者が90〜100重量%、後者が0〜10重量%よりなる開環重合体水素添加物であって、主鎖の二重結合の水素添加が98%以上、六員環構造の水素添加率が90%以上であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定した数平均分子量(Mn)がポリイソプレン換算値で12,000以上である開環重合体水素添加物が提供される。
本発明に用いる単量体の具体例としては、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロ−9H−フルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,6,7,8,8a,9a−デカヒドロ−9H−フルオレン、MTFが例示され、製造や精製が容易なMTFが好ましい。例えば、MTFはインデンとシクロペンタジエンとをディールズ・アルダー反応することにより得られる。
本発明において、一般式Iで表される単量体と開環共重合可能な単量体を併用してもよい。そのような単量体としては、特開昭51−80400号公報、特開昭60−26024号公報、特開平1−168725号公報、特開平1−190726号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報、特開平4−63807号公報、特開平2−227424号公報、特開平2−276842号公報などで公知のノルボルネン系モノマー、例えば、ノルボルネン、そのアルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基などの極性基置換体、具体的には、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボエルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−オクタデシル−2−ノルボルネンなど;ノルボルネンに一つ以上のシクロペンタジエンが付加したモノマー、その前記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノナフタレン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−トリメタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペンタジエノアントラセンなど;シクロペンタジエンが多量化した多環構造のモノマー、その前記と同様の誘導体や置換体、例えば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエンなど;などや、シクロブテン、1−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロブテン、3,4−ジイソプロペニルシクロブテン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、シクロオクテン、1−メチルシクロオクテン、5−メチルシクロオクテン、シクロオクタテトラエン、1,5−シクロオクタジン、シクロドデセンなどの単環シクロオレフィン;アセチレンや、プロピン、1−ブテンなどの置換アセチレンであるアセチレン類;1,6−ヘプタジエンなどの両端部分に二重結合を持つジエン類;などが挙げられる。一般式Iで表される単量体以外の単量体の使用量は、これらの単量体の反応性などによって異なるが、得られる開環重合体中、一般式Iで表される単量体に由来する繰り返し構造単位が70重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上になるようにする。重合体中に一般式Iで表される単量体に由来する繰り返し構造単位が少なすぎると、重合体水素添加物が低複屈折性を有さず、また、油脂が付着すると機械的強度が低下する場合がある。
これらの単量体を開環重合する方法は特に限定されず、メタセシス重合触媒を用いて開環重合すればよい。メタセシス重合触媒は、例えば、特公昭41−20111号公報、特開昭46−14910号公報、特公昭57−17883号公報、特公昭57−61044号公報、特開昭54−86600号公報、特開昭58−127728号公報、特開平1−24017号公報などで公知のものであり、本質的に(a)遷移金属化合物触媒成分と(b)金属化合物助触媒成分から成る。
メタセシス重合触媒に用いる(a)遷移金属化合物触媒成分は、デミングの周期律表IVB、VB、VIB、VIIB、またはVIII族の遷移金属の化合物であり、これらの遷移金属のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、アルコキシド、カルボン酸塩、(オキシ)アセチルアセトネート、カルボニル錯体、アセトニトリル錯体、ヒドリド錯体、これらの誘導体、これらまたはこれらの誘導体のP(C553などの錯化剤による錯化物が挙げられる。具体的には、TiCl4、TiBr4、VOBr3、WBr4、WBr6、WCl2、WCl4、WCl5、WCl6、WF4、WI2、WOCl4、MoBr2、MoBr3、MoBr4、MoCl4、MoCl4、MoF4、MoOCl4、WO2、H2WO4、NaWO4、K2WO4、(H4N)2WO4、CaWO4、CuWO4、MgWO4などが例示される。
メタセシス重合触媒に用いる(b)金属化合物助触媒成分は、デミングの周期律表第IA、IIA、IIB、IIIA、またはIVA族金属の化合物で少なくとも一つの金属元素−炭素結合、または金属元素−水素結合を有するものであり、例えば、Al、Sn、Li、Na、Mg、Zn、Cd、Bなどの有機化合物などが挙げられる。具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジ−n−プロピルアルミニウムモノクロリドなどの有機アルミニウム化合物;テトラメチルスズ、ジエチルジメチルスズ、テトラエチルスズ、ジブチルジエチルスズ、テトラブチルスズなどの有機スズ化合物;n−ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物;n−ペンチルナトリウムなどの有機ナトリウム化合物;メチルマグネシウムイオジド、エチルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリドなどの有機マグネシウム化合物;ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物;ジエチルカドミウムなどの有機カドミウム化合物;トリメチルホウ素などの有機ホウ素化合物;などが挙げられる。
(a)成分、(b)成分のほかに第三成分を加えて、メタセシス重合活性を高めることができる。そのような第三成分としては、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、分子状酸素、アルコール、エーテル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などが挙げられる。その中でも、脂肪族、芳香族第三級アミン、またはエーテルが好ましく、その具体例としては、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、ジエチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルなどが挙げられる。また、アルコールなど、OH基を含有する化合物は、化学量論量を超えて加えると、メタセシス重合活性を阻害する不活性化剤として機能するので、化学量論量以下加えるようにする必要がある。なお、ここでいう化学量論量とは、(a)成分のモル数と(a)成分に含有されている遷移金属の酸化数の積をOH基を含有する化学物の一分子当りのOH基の数で除した数値で表されるモル数をいう。
これらの成分の量的関係は(a)成分の金属元素1モルに対して(b)成分の金属元素1モル以上、好ましくは2モル以上、100モル以下、好ましくは50モル以下、また通常(a)成分1モルに対して第三成分が0.005モル以上、好ましくは0.05モル以上、10モル以下、好ましくは3モル以下の範囲で用いられる。(a)成分に対して(b)成分が少なすぎると(a)成分の量に対して十分な活性が得られず、多すぎると過剰な(b)成分の除去が困難になったり、コストが高くなる。(a)成分に対して第三成分が少なすぎると第三成分添加の効果が小さく、多すぎると過剰な第三成分の除去が困難になったり、コストが高くなる。
メタセシス重合は、通常、不活性有機溶媒中で行う。不活性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、デカリンなどの脂環族炭化水素;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;などが例示される。単量体1重量部に対して0.8重量部以上、好ましくは1重量部以上、20重量部以下、好ましくは10重量部の不活性有機溶媒を用いて開環重合する。
得られる開環重合体は、トルエン溶媒によるゲルパーミエーション・クロマトグラフィ法で測定した数平均分子量がポリスチレン換算値で12,000以上、好ましくは14,000以上、より好ましくは15,000以上、50,000以下、好ましくは40,000以下、より好ましくは30,000以下のもので、同じく重量平均分子量(Mw)が、20,000以上、好ましくは250,000以上、より好ましくは30,000以上、80,000以下、好ましくは70,000以下、より好ましくは60,000以下のものである。
(水素添加物)
本発明においては開環重合体を水素添加する。水素添加は水素添加触媒の存在下に樹脂を水素と接触させて行う。通常、溶媒中で水素添加するが、用いる溶媒は重合に用いたものでよい。重合反応液の溶媒をそのまま水素添加反応の触媒として用いる場合は、必ずしも樹脂を析出、凝固させた後に水素添加反応液を調製する必要はなく、重合反応後の重合反応液に水素添加触媒を添加して水素添加反応液とすることができる。その場合、水素添加触媒の添加前に重合触媒の不活性化剤、例えば、メタノール、ブタノール、イソプロパノールなどアルコール類や水などのOH基を有する化合物を重合反応液に添加して反応を停止してもよい。ただし、不活性化剤の添加は水素添加活性低下の原因となり、水素添加率を高くできなくなるので、不活性化剤を添加せずに水素添加するほうが好ましい。均一系触媒を用いる場合は、不活性化剤は水素添加触媒を大きく阻害するので、不活性剤を添加せずに水素添加するほうが特に好ましい。
水素添加触媒は、(c)遷移金属化合物と(d)還元性金属化合物から成る均一系触媒でも、触媒金属を担体に担持させた不均一触媒であってもよい。均一系触媒は、水素添加反応液中で分散しやすいので添加量が少なくてよく、また高温高圧にしなくても活性を有するので重合体の分解やゲル化が起こらず、低コスト性や品質安定性等に優れる。不均一触媒は高温高圧にすることで高活性となり、短時間で水素添加でき、さらに除去が容易である等の生産効率に優れる。
均一系触媒は、特開昭58−43412号公報、特開昭60−26024号公報、特開昭64−24826号公報、特開平1−138257号公報等で公知のものである。(c)遷移金属化合物としては、デミングの周期律表の第I族、または第IV族から第VIII族のいずれかに属する遷移金属の化合物、例えば、Cr、Mo、Fe、Mn、Co、Ni、Pd、Ru等の遷移金属のハロゲン化物、アルコキシド、アセチルアセトネート、スルファネート、カルボキシレート、ナフテネート、トリフルオロアセテート、ステアレート等が挙げられ、具体的な化合物としては、マンガン(III)アセチルアセトネート、コバルト(III)アセチルアセトネート、ビス−(トリフェニルホスフィン)−コバルトジクロリド、ニッケル(II)アセチルアセトネート、ビス−(トリブチルホスフィン)−パラジウム等が挙げられる。また、(d)還元性金属化合物としては、デミングの周期律表第IA、IIA、IIB、IIIA、またはIVA族金属の化合物であって、少なくとも一つの金属元素−炭素結合、または金属元素−水素結合を有するものであり、例えば、Al化合物、Li化合物、Zn化合物、Mg化合物等が挙げられ、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムヒドリド、n−プロピルリチウム、sec−ブチルリチウム、p−トリルリチウムなどが挙げられる。(c)成分と(d)成分の組み合わせとして具体的には、(c)成分としてMn、Fe、Co、またはNiの有機金属化合物、ハロゲン化物、アルコキシド、アセチルアセトネート、スルフォネート、またはナフテネート、(d)成分としてAl、Li、Zn、Mg等の有機化合物、または水素化物を組み合わせた触媒が高活性であり、また不純物による反応阻害・活性低下の影響が小さいので好ましく、(c)成分としてTi、Fe、Co、またはNiの有機金属化合物、ハロゲン化物、アルコキシド、またはアセチルアセトネート、(d)成分として、アルキルアルミニウム、またはアルキルリチウムを組み合わせた触媒が特に高活性であり、また不純物による反応阻害・活性低下の影響が特に小さいので、より好ましい。これらの成分の量的関係は、各成分の種類にもよるが、一般に(c)成分の金属元素1モルに対し(d)成分の金属元素が0.5モル以上、好ましくは1モル以上、50モル以下、好ましくは8モル以下である。多すぎても少なすぎても水素添加反応の活性は不十分である。特に多すぎる場合は、ゲル化や副反応が起こることもある。
また、不均一触媒も公知のものであり、例えば、Ni、Pd等の水素添加触媒金属を担体に担持させたものが挙げられる。特に、不純物等の混入が少ないほど好ましい場合は、担体として、アルミナやケイソウ土等の吸着剤を用いることが好ましく、また、細孔容積0.5cm3/g以上、好ましくは0.7cm3/g以上、より好ましくは250cm2/g以上のアルミナ類を用いるのが好ましい。このような担体を用いると重合に用いた触媒に由来する等の遷移金属原子等を吸着させることができ、不純物の少ない水素添加物を得ることができる。
水素添加反応に用いる水素添加触媒の量は、均一系触媒の場合、各成分の種類、組み合わせによって異なるが、通常、開環重合体100gに対して、(c)成分の遷移金属化合物が0.001ミリモル以上、好ましくは0.1ミリモル以上、1000ミリモル以下、好ましくは100ミリモル以下である。また、不均一系触媒の場合も、水素添加反応に用いる水素添加触媒の量は、触媒金属の種類や担体への担持の状態等によって異なるが、通常、開環重合体100gに対して、触媒金属量が0.1g以上、好ましくは1.0g以上、20g以下、好ましくは15g以下である。水素添加触媒を水素添加反応液に過剰に添加するとコストがかかる上、水素添加触媒の除去等の後処理が困難であり、少なすぎると反応効率が悪くなる。
水素添加反応は、水素を水素添加反応液中に導入することによって行われ、例えば、撹拌下にて導入された水素を十分に樹脂と接触させる方法が好ましい。水素圧力は、通常、0.1kgf/cm2以上、好ましくは2kgf/cm2以上、100kgf/cm2以下、好ましくは50kgf/cm2以下の範囲で反応させる。水素圧力が低すぎると水素添加反応が進行せず、高すぎると反応のコントロールが難しく、また副反応やゲル化を引き起こすこともある。
水素添加反応は、通常、0℃以上、250℃以下、均一系触媒を用いる場合は、好ましくは20℃以上、200℃以下、不均一系触媒を用いる場合は、好ましくは200℃以上、より好ましくは210℃以上、240℃以下、より好ましくは230℃以下で実施される。温度が低すぎると反応速度が遅く、高すぎると開環重合体や水素添加物の分解やゲル化が起こり易く、エネルギーコストも高くなる。
本発明においては、主鎖の二重結合の水素添加率が98%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは99.5%以上、六員環構造の水素添加率が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上になるようにする。主鎖の水素添加率が低すぎると、高温環境下などにおいて、酸化などにより水素添加物が劣化しやすく、六員環構造の水素添加率が低すぎると低複屈折性が得られない。なお、六員環構造が芳香環構造である場合、水素添加触媒の種類、水素添加反応条件などにより芳香環構造の水素添加率が主鎖の二重結合の水素添加率に比べて低くなることがあるが、それ以外の六員環構造である場合、通常、六員環構造の水素添加率は主鎖の二重結合の水素添加率と等しい。
水素添加反応液から開環重合体水素添加物を回収する方法は特に限定されない。前述の開環重合体の回収のように、水素添加反応液を多重の貧溶媒、メタノール、イソプロパノール、アセトンなどに加えて、開環重合体水素添加物を析出、凝固させ、溶媒を濾過して除去すればよい。
水素添加反応液から水素添加された樹脂を回収する方法は特に限定されない。前述の樹脂の回収のように、水素添加反応液を多量の貧溶媒、メタノール、イソプロパノール、アセトンなどに加えて水素添加された樹脂を析出、凝固させ、溶媒を濾過して除去すればよい。
本発明の開環重合体は、シクロヘキサン溶媒によるゲルパーミエーション・クロマトグラフィ法で測定した数平均分子量がポリイソプレン換算値で12,000以上、好ましくは14,000以上、より好ましくは15,000以上、50,000以下、好ましくは40,000以下、より好ましくは30,000以下のもので、同じく重量平均分子量(Mw)が、20,000以上、好ましくは25,00以上、より好ましくは30,000以上、80,000以下、好ましくは70,000以下、より好ましくは60,000以下のものである。また、分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、特に好ましくは2.5以下のものである。分子量が小さすぎると油脂が付着した場合に機械的強度が大きく低下し限界応力が小さくなり、大きすぎると成形性が悪くなる。また、分子量分布が大きすぎても成形性が悪くなる。
水素添加率のガラス転移温度は、コモノマーの割合や、分子量、水素添加率などによって異なるが、通常、100〜200℃である。耐熱性の点から、ガラス転移温度は100℃以上、特に120℃以上が好ましく、成形性、加工性の点から、200℃以下、特に180℃以下が好ましい。
本発明の水素添加物を用いて作製した厚さ1.2mm、直径12.5cmのコンパクトディスク規格の円板の半径25〜60mmの範囲の複屈折値は15nm以下、好ましくは10nm以下である。
また、本発明の水素添加物は、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、酢酸エチルやアセトンに室温で20時間浸漬しても外観の変化は認められず、また、97.6%硫酸や28%アンモニア水中に室温で20時間浸漬しても、外観の変化は認められない。
さらに本発明の水素添加物は、耐油脂劣化性に優れ、油脂がついた状態でも、機械的強度の低下が少なく、破損が起こりにくい。例えば、25℃のラード中に1時間浸漬しても、クラックを生じ難く、限界応力が400kgf/cm2以上、好ましくは600kgf/cm2以上、より好ましくは750kgf/cm2以上に維持される。
(添加剤など)
目的に応じて本発明の水素添加物には、各種添加剤を添加してもよい。例えば、ヒンダードフェノール系やホスファイト系等の酸化防止剤;フェノール系等の熱劣化防止剤;ベンゾフェノン系等の紫外線安定剤;アミン系等の帯電防止剤;脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル及び部分エーテル等の滑剤;等の各種添加剤を添加してもよい。また、用途に応じて本発明の水素添加物の特性を失わない範囲で、エチレン系重合体などの樹脂やゴム質重合体を添加してもよい。
酸化防止剤としては、成形時に発泡したり、高温での成形品表面からの揮散などを防止するため、20℃における蒸気圧が10-6Pa以下のものが望ましい。
そのような酸化防止剤としては、特開平3−223328号公報に開示されているようなもの、具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−α−メトキシ−p−ジメチル−フェノール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、ヒンダードビスフェノール、4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;n−ブチル−p−アミノフェノール、n−ブチロイル−p−アミノフェノール、n−ペラゴノイル−p−アミノフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチル、アミノ−p−クレゾールなどのアミノフェノール系酸化防止剤;ハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、ハイドロキノンモノベンジルエーテルなどのハイドロキノン系酸化防止剤;トリホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンフォスファナイトなどのホスファイト系酸化防止剤などが例示される。
また、滑材としては、特開昭63−273666号公報で公知のグリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどの多価アルコールの部分エステル;や、特開平3−39403号公報で公知の3−(4−ノニルフェニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3−(ベヘニルオキシ)−1,2−プロパンジオール、2,2−ビス〔4−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)フェニル〕プロパンなどの多価アルコールの部分エーテル;などが例示される。
ゴム質重合体などを添加した場合、一般に、本発明の水素添加物の透明性は低下するが、これらの量や混練方法などによっては、水素添加物マトリックス中にゴム質重合体がミクロドメンを形成して分散し、0.3μm以下、特に0.2μm以下のミクロドメインを形成していれば、可視光の波長よりもゴム質重合体の直径が小さく、光が散乱しにくいため、透明性に優れて好ましい。
その場合、配合するゴム質重合体と本発明の水素添加物の屈折率の差は小さいほど、透明性に優れ、配合量が5重量%〜0.5重量%では、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、特に好ましくは0.05以下に、特により好ましくは0.02以下、配合量が0.5重量%未満では、0.3以下、より好ましくは0.2以下、特に好ましくは0.1以下、特により好ましくは0.05以下にする。
水素添加物の種類が異なれば屈折率も異なるが、例えば、ゴム質重合体はモノマーの比率を変化させたり、主鎖の不飽和結合の数を水素添加などにより変化させることにより、連続的に屈折率を変えることが可能である。用いる水素添加物の屈折率に応じて、適当な屈折率を有するゴム質重合体を選択することが好ましい。
ゴム質重合体としては、特開平5−247324号公報などで公知のガラス転移温度が40℃以下のゴム質重合体が好ましい。なお、ブロック共重合したゴム質重合体などでガラス転移温度が2点以上ある場合があるが、その場合は、最も低いガラス転移温度が40℃以下であればよい。好ましい具体例としては、乳化重合または溶液重合したスチレン・ブタジエン−ゴム、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン−ブロック共重合体ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン−ブロック共重合体ゴムなどが例示される。
水素添加物とゴム質重合体を配合する場合は、水素添加物90〜99.99重量%、好ましくは95〜99.98重量%、より好ましくは99〜99.95重量%、特に好ましくは99.5〜99.9重量%に配合剤10〜0.01重量%、好ましくは5〜0.02重量%、より好ましくは1〜0.05重量%、特に好ましくは0.5〜0.1重量%添加して、水素添加物中で分散させる。添加量が多すぎれば、樹脂の透明性、ガラス転移温度、耐熱性が低下する。添加量が少なすぎれば、ゴム質重合体を配合する効果が得られない。。
添加する方法はゴム質重合体が水素添加物中で十分に分散する方法であれば、特に限定されない。例えば、ゴム質重合体を添加する場合には、ミキサー、二軸混練機などで溶融状態の水素添加物に添加して混練する方法、適当な溶剤にゴム質重合体と水素添加物を溶解し撹拌し分散した状態で両者にとっての貧溶媒中に注ぎ凝固される方法、同様の状態で溶剤を乾燥させる方法などがある。
混練する場合には、水素添加物温度がTg+50℃〜Tg+150℃の温度で、十分にせん断力をかける。水素添加物温度が低すぎると粘度が高くなり混練が困難であり、高すぎるとゴム質重合体が劣化し、粘度や融点の差により両者がうまく混練できない。また、その場合は、長時間高温で混練するので、酸化防止剤を添加することが好ましく、また、混練を容易にするために滑剤を添加することが好ましい。酸化防止剤、滑剤の添加量はその種類にもよるが、一般に水素添加物量に対して酸化防止剤0.05〜5重量部、滑剤0.05〜0.5重量部程度である。
特にゴム質重合体は、水素添加物中に十分に分散するとミクロドメインを形成する。ミクロドメインは、ほぼ球形で、粒子間での粒径のばらつきは小さい。通常、直径0.3μm以下、好ましくは0.2μm以下である。この粒径であれば、可視光線の波長より小さいため、添加による水素添加物の透明性の低下は小さく、実際上問題とならない。
(成形方法)
本発明の水素添加物を成形する方法は、特に限定されず、一般の熱可塑性樹脂を成形する方法、すなわち、射出成形、押し出し成形、圧空成形、真空成形、熱プレス成形などを用いることができる。
(用途)
本発明の水素添加物は、その特性に応じて、光学材料をはじめとして各種成形品として広範な分野において有用である。例えば、光ディスク(光磁気ディスク、相変化型光ディスク、コンパクトディスク、レーザーディスク等)、光学レンズ(レーザービームプリンター用Fθレンズ、カメラレンズ、ビデオカメラレンズ、ファインダーレンズ、ピックアップレンズ、コリメートレンズ、プロジェクションテレビ用投影レンズ、OHP用投影レンズ等)、プリズム、光拡散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差フィルム等の光学材料;液体、粉体、または固体薬品の容器(注射用の液体薬品容器、アンプル、バイアル、プレフィルドシリンジ、輸液用バッグ、密封薬袋、プレス・スルー・パッケージ、固体薬品容器、点眼薬容器等)、サンプリング容器(血液検査用サンプリング試験管、薬品容器用キャップ、採血管、検体容器等)、医療器具(注射器等)、医薬器具等の滅菌容器(メス用、鉗子用、ガーゼ用、コンタクトレンズ用等)、実験・分析器具(ビーカー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管等)、医療用光学部品(医療検査用プラスチックレンズ等)、配管材料(医薬用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブ等)、人工臓器やその部品(義歯床、人工心臓、人造歯根等)等の医療用器材;処理用または移送用容器(タンク、トレイ、キャリア、ケース等)、保護材(キャリアテープ、セパレーション・フィルム等)、配管類(パイプ、チューブ、バルブ、流量計、フィルター、ポンプ等)、液体用容器類(サンプリング容器、ボトル、アンプルバッグ等)の電子部品処理用器材;被覆材(電線用、ケーブル用等)、民生用・産業用電子機器匡体(複写機、コンピューター、プリンター、テレビ、ビデオデッキ、ビデオカメラ等)、構造部材(パラボラアンテナ構造部材、フラットアンテナ構造部材、レーダードーム構造部材等)等の電気絶縁材料;一般回路基板(硬質プリント基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線板等)、高周波回路基板(衛星通信機器用回路基板等)等の回路基板;透明導電性フィルム(液晶基板、光メモリー、面発熱体等)の基材;半導体封止材(トランジスタ封止材、IC封止材、LSI封止材、LED封止材等)、電気・電子部品の封止材(モーター封止材、コンデンサー封止材、スイッチ封止材、センサー封止材等)の封止材;ルームミラーやメーター類のカバーなど自動車用内装材料;ドアミラー、フェンダーミラー、ビーム用レンズ、ライト・カバーなど自動車用外装材料;等が挙げられる。
実施例
以下に、実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
実施例1
(開環重合体の製造)
窒素雰囲気下、脱水したトルエン690重量部に、MTF300重量部、1−ヘキセン1.1重量部、塩化タングステンの0.3重量%トルエン溶液11重量部、テトラブチルスズ0.6重量部を加え、60℃、常圧にて1時間重合させた。トルエンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(ポリスチレン換算)より、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は17,700、重量平均分子量(Mw)は35,400、分子量分布(Mw/Mn)は2.00であった。
(水素添加物の製造)
この重合反応溶液240重量部にアルミナ担持ニッケル触媒(触媒1重量部中、ニッケル0.70重量部、酸化ニッケル0.2重量部、細孔容積0.8cm3/g、比表面積300cm2/cm)6重量部とイソプロピルアルコール5重量部を加え、オートクレーブ中で230℃、45kgf/cm2で5時間反応させた。
水素添加触媒を濾過して除去した水素添加反応溶液をアセトン250重量部とイソプロパノール250重量部の混合溶液に、攪拌しながら注いで、樹脂を沈澱させ、濾別して回収した。さらにアセトン200重量部で洗浄した後、1mmHg以下に減圧した真空乾燥器中、100℃で24時間乾燥させた。収率は99%であった。1H−NMRによるポリマー主鎖の二重結合の水素添加率は99.9%以上、芳香環構造の水素添加率は99.8%であった。シクロヘキサンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプレン換算)より、得られた水素添加物の数平均分子量(Mn)は22,600、重量平均分子量(Mw)は42,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.88で、ガラス転移温度(Tg)は136℃であった。また、厚さ1mmのプレス成形シートを用いて測定した応力−光学係数CR、CGはそれぞれ1370×10-12Pa-1、−5.0×10-12Pa-1であった。
この水素添加物を350℃で射出成形し、厚さ1.2mm、直径12.5cmのコンパクトディスクの規格にあったドーナッツ状の円板を作製し、光透過率(波長830nm)、複屈折値(ダブルパス、波長633nm)および吸水率を測定した。その結果、光透過率91%、複屈折値(円板の半径25〜60nmの範囲)10nm以下、吸水率0.1%以下であった。これにより、本発明の水素添加物が比較例の樹脂に比較して、複屈折に優れていることが示された。
この円板をオートクレーブ中で121℃、30分のスチーム処理を行ったところ、白濁した。
同様に、厚さ1mm、90mm×10mmの平板を作製し、断面が長径200mm、単径80mmの楕円形をした高さ10mmの楕円柱を同形に4等分した治具の曲面にこの平板を固定して、25℃のラードに1時間浸漬したが、クラックは認められなかった。また、限界応力は750kgf/cm2以上であった。これにより、本発明の水素添加物が比較例の樹脂に比較して、耐油脂劣化性に優れていることが示された。
耐溶剤性は、上記円板を酢酸エチルおよびアセトンに室温で20時間浸漬し、外観の変化を観察した。耐薬品性は、97.6%硫酸および28%アンモニア水中に室温で20時間浸漬し、外観の変化を観察した。その結果、いずれも外観の変化は見られず、本発明の水素添加物が耐溶剤性、耐薬品性に優れていることがわかった。
実施例2
1−ヘキセン量を0.9重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、開環重合体を得た。トルエンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(ポリスチレン換算)より、得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は24,700、重量平均分子量(Mw)は47,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.94であった。
続いて、反応温度を210℃とした以外は、実施例1と同様にして、水素添加反応をおこなった。1H−NMRによるポリマー主鎖の二重結合の水素添加率は99.9%以上、芳香環構造の水素添加率は99.6%であった。シクロヘキサンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプレン換算)より、得られた水素添加物の数平均分子量(Mn)は34,300、重量平均分子量(Mw)は63,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.86で、ガラス転移温度(Tg)は156℃であった。CR、CGはそれぞれ1170×10-12、Pa-1、−7.8×10-12Pa-1であった。
実施例1と同様にして、円板を作成し、諸物性を測定した。その結果、光透過率90%、複屈折値(円板の半径25〜60nmの範囲)10nm以下、吸水率0.1%以下であった。また、実施例1と同様に、ラードに浸漬したところ、クラックが認められず、限界応力は750kgf/cm2以上であった。
さらに実施例1と同様にして、耐溶剤性、耐薬品性を調べたが、溶剤や薬品の影響を受けなかった。
実施例3
実施例1で得た開環重合体を用い、水素添加触媒をシリカ担持パラジウム触媒を用い、反応温度を170℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、水素添加反応を行った。1H−NMRによるポリマー主鎖の二重結合の水素添加率は99.9%以上、芳香環構造の水素添加率は99.7%であった。シクロヘキサンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプレン換算)より、得られた水素添加物の数平均分子量(Mn)は23,700、重量平均分子量(Mw)は45,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.92で、ガラス転移温度(Tg)は148℃であった。CR、CGはそれぞれ1200×10-12Pa-1、−7.0×10-12Pa-1であった。
実施例1と同様にして、円板を作成し、諸物性を測定した結果、光透過率91%、複屈折値(円板の半径25〜60nmの範囲)10nm以下、吸水率0.1%以下であった。また、実施例1と同様に、ラードに浸漬したところ、クラックが認められず、限界応力は750kgf/cm2以上であった。
さらに実施例1と同様にして、耐溶剤性、耐薬品性を調べたが、溶剤や薬品の影響を受けなかった。
実施例4
実施例1で得た水素添加物に多価アルコール部分エステル系滑剤(ユニスターH476D、日本油脂製)を0.1重量部、酸化防止剤(イルガノックス1010、チバガイギー社製、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン)0.4重量部、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体(タフテックH1051D、旭化成製)0.25重量部加え、2軸混練機(東芝機械製TEM−35B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度265℃、フィードレート10kg/時間)で混練した。
この組成物を実施例1で得た水素添加物の代わりに用いる以外は実施例1と同様に処理したところ、厚さ1.2mm、直径12.5cmの円板の光透過率(波長830nm)は90%、複屈折値(ダブルパス、波長633nm)は10nm以下、吸水率0.1%以下であった。また、厚さ1mm、90mm×10mmの平板での耐油脂劣化性を実施例1と同様に調べたが、クラックが認められず、ラード浸漬後の限界応力は750kgf/cm2以上であった。酢酸エチル、アセトン、97.6%硫酸、28%アンモニア水への浸漬においても外観の変化は認められなかった。なお、円板にオートクレーブ中で121℃、30分のスチーム処理を行っても、白濁は認められなかった。
比較例1
MTFの代わりにジシクロペンタジエンを用いた以外は、実施例1と同様にして、開環重合体水素添加物を得た。1H−NMRによる二重結合の水素添加率は99.9%以上であった。シクロヘキサンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプレン換算)より、得られた水素添加物の数平均分子量(Mn)は24,400、重量平均分子量(Mw)は55,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.25で、ガラス転移温度(Tg)は92℃であった。CR、CGはそれぞれ1950×10-12Pa-1、−9.9×10-12Pa-1であった。
実施例1と同様にして、円板を作成し、諸物性を測定した結果、光透過率91%、複屈折値(円板の半径25〜60nmの範囲)30nm以下、吸水率0.1%以下であり、また、実施例1と同様に、治具に固定しラードに浸漬したところ、割れてしまい、限界応力は73kgf/cm2であった。
比較例2
MTFの代わりに6−メチル−1,4:4,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンを用いた以外は、実施例1と同様にして、開環重合体水素添加物を得た。水素添加率は99.9%以上であった。シクロヘキサンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプレン換算)より、得られた水素添加物の数平均分子量(Mn)は27,800、重量平均分子量(Mw)は69,500、分子量分布(Mw/Mn)は2.50で、ガラス転移温度(Tg)は151℃であった。CR、CGはそれぞれ1720×10-12Pa-1、−13.0×10-12Pa-1であった。
実施例1と同様にして、円板を作成し、諸物性を測定した。その結果、光透過率91%、複屈折値(円板の半径25〜60nmの範囲)40nm以下、吸水率0.1%以下であった。また、実施例1と同様に、治具に固定してラードに浸漬したところ、割れてしまい、限界応力は114kgf/cm2であった。
さらに実施例1と同様にして、耐溶剤性、耐薬品性を調べたが、溶剤や薬品の影響を受けなかった。
比較例3
1−ヘキセンを1.8重量部加える以外は実施例1と同様にして、重合と水素添加を行った。主鎖の水素添加率は99.9%以上、芳香環構造の水素添加率は99.5%であった。シクロヘキサンを溶媒にした高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプレン換算)より、得られた水素添加物の数平均分子量(Mn)は8,500、重量平均分子量(Mw)は18,100、分子量分布(Mw/Mn)は2.10で、ガラス転移温度(Tg)は138℃であった。CR、CGはそれぞれ1200×10-12Pa-1、−5.5×10-12Pa-1であった。この水素添加物は、分子量が12,000未満である以外、構造は本発明の水素添加物と同じである。
実施例1と同様にして、円板を作成し、諸物性を測定した結果、光透過率91%、複屈折値(円板の半径25〜60nmの範囲)10nm以下、吸水率0.1%以下であった。また、実施例1と同様に、治具に固定してラードに浸漬したところ、割れてしまい、限界応力は85kgf/cm2であった。
さらに実施例1と同様にして、耐溶剤性、耐薬品性を調べたが、溶剤や薬品の影響を受けなかった。
比較例4
純度99%以上の3a,4,7,7a−テトラヒドロインデンとシクロペンタジエンとの当モル混合物を230℃のオートクレーブ中でディールス・アルダー反応させ、反応混合物を回収して蒸留したところ、シクロペンタジエン三量体40%を含む1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロ−9H−フルオレンと5,8−メタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデンの混合物を得た。
混合物のガスクロマトグラフィによる分析の結果、1,4−メタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロ−9H−フルオレンと5,8−メタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデンの比率はほぼ等モルであり、シクロペンタジエン三量体中の15%は、1,4;5,8−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロ−9H−フルオレンであった。
混合物をさらに精留し、2mmHg、還流比1/20の条件下で101〜105℃の留分を得た。ガスクロマトグラフィによる分析の結果、この留分中のシクロペンタジエン三量体含有量は0.5%であった。
MTFの代わりにこの留分を用いる以外は実施例1と同様にして、開環重合体を得た。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は18,400、重量平均分子量(Mw)は42,100、分子量分布(Mw/Mn)は2.29であった。
続いて実施例1と同様にして水素添加物を得た。1H−NMRによるポリマー主鎖の二重結合の水素添加率は99.9%以上、芳香環構造の水素添加率は99.9%であった。シクロヘキサンを溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(ポリイソプレン換算)より、得られた水素添加物の数平均分子量(Mn)は28,400、重量平均分子量(Mw)は62,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.19で、ガラス転移温度(Tg)は128℃であった。また、厚さ1mmのプレス成形シートを用いて測定した応力−光学係数CR、CGはそれぞれ2100×10-12Pa-1、−8.0×10-12Pa-1であった。
実施例1と同様にして、円板を作成し、諸物性を測定した。その結果、光透過率90%、複屈折値(円板の半径25〜60nmの範囲)18nm以下、吸水率0.1%以下であった。また、実施例1と同様に、治具に固定してラードに浸漬したところ、割れてしまい、限界応力は120kgf/cm2であった。
本発明の開環重合体は、透明性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、耐薬品性に優れるほか、低複屈折性に優れ、さらに耐油脂劣化性に優れている。

Claims (9)

  1. 一般式I
    Figure 0003672315
    (式中、下方に位置する六員環構造は二重結合を有していてもよい)で表されるノルボルネン系単量体70〜100重量%と前記単量体と共重合可能な他のノルボルネン系単量体0〜30重量%の開環重合体水素添加物であって、主鎖の二重結合の水素添加率が98%以上、六員環構造の水素添加率が90%以上であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定した数平均分子量(Mn)がポリイソプレン換算値で12,000以上である開環重合体水素添加物。
  2. 一般式Iで表わされるノルボルネン系単量体が1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンである請求項1記載の開環重合体水素添加物。
  3. 1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン90〜100重量%と前記化合物と共重合可能な他のノルボルネン系単量体0〜10重量%の開環重合体添加物である請求項2記載の開環重合体水素添加物。
  4. Mw/Mnが3.0以下で請求項1〜3のいずれか1項に記載の開環重合体水素添加物。
  5. 25℃のラード中に1時間浸漬した後の限界応力が400kgf/cm2以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の開環重合体水素添加物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の開環重合体水素添加物90〜99.99重量%及びゴム質重合体10〜0.01重量%から成る樹脂組成物。
  7. ゴム質重合体がガラス転移温度が40℃以下のものである請求項6記載の樹脂組成物。
  8. ゴム質重合体がスチレン・ブタジエン−ゴム、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン−ブロック共重合体ゴム、又はスチレン・エチレン・プロピレン・スチレン−ブロック共重合体ゴムである請求項6記載の樹脂組成物。
  9. 開環重合体水素添加物マトリックス中にゴム質重合体が粒径0.3μm以下のミクロドメンを形成して分散している請求項6〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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