JPH09183832A - 成形材料 - Google Patents

成形材料

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JPH09183832A
JPH09183832A JP35276295A JP35276295A JPH09183832A JP H09183832 A JPH09183832 A JP H09183832A JP 35276295 A JP35276295 A JP 35276295A JP 35276295 A JP35276295 A JP 35276295A JP H09183832 A JPH09183832 A JP H09183832A
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hydrogenation
ring
less
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JP35276295A
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English (en)
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Jiyunji Odemura
順司 小出村
Takahiro Yamashiro
孝広 山城
Teiji Obara
禎二 小原
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性ノルボルネン系樹脂の様々な優れた
特性を有し、かつ耐応力クラック性と耐衝撃性に優れた
成形材料を得る。 【解決手段】 テトラシクロドデセン系単量体(例え
ば、テトラシクロドデセン)とジシクロペンタジエン系
単量体(例えば、ジシクロペンタジエン)の共重合体水
素添加物を特定の方法で得る(例えば、リビング開環メ
タセシス触媒を用いて共重合し、水素添加する)ことに
より、テトラシクロドデセン系単量体35〜75重量%
とジシクロペンタジエン系単量体65〜25重量%の開
環共重合体の水素添加率99%以上の水素添加物であっ
て、数平均分子量(Mn)が25,000〜100,0
00、重量平均分子量(Mw)が40,000〜30
0,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.
5であり、分子量10,000以下の成分が0〜5%で
ある成形材料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐応力クラック性
と耐衝撃性に優れた成形材料に関し、さらに詳しくは、
低分子成分の少ないジシクロペンタジエン系単量体とテ
トラシクロドデセン系単量体の共重合体水素添加物に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、その透
明性、低複屈折性などの光学特性、耐湿性、耐熱性など
の耐候特性、低誘電率、低誘電正接などの電気特性など
を活かし、様々な分野で使用されている。しかし、熱可
塑性ノルボルネン系樹脂は、用途によっては耐応力クラ
ック性が不十分であり、使用において問題となる場合が
あった。
【0003】例えば、熱可塑性ノルボルネン系樹脂製の
眼鏡レンズは、樹脂の比重が小さいことにより軽量であ
り、また、樹脂の光学特性を活かした優れたレンズとな
る。しかし、実際に使用する場合は、眼鏡フレームにレ
ンズを取り付けているが、眼鏡フレームを介してレンズ
が応力を受けやすく、レンズのフレームへの固定位置近
傍でクラックがはいりやすいという問題があった。ま
た、レンズに手先の脂肪分などのように油性の物質が付
着すると、特にクラックを生じやすかった。
【0004】耐応力クラック性を高めるための方法とし
ては、繊維状充填剤による強化、ポリマー架橋による強
化などが知られているが、いずれの方法においても、光
学特性、電気特性などの樹脂の特性を損なうため、限ら
れた用途にしか使用できなかった。
【0005】一方、ジシクロペンタジエン系単量体とテ
トラシクロドデセン系単量体の開環共重合体水素添加物
が耐熱性、光学特性、成形性、非吸湿性などに優れてい
ることが知られている(特開平1−24826号公報、
特開平1−138257号公報、特開平1−16872
5号公報、特開平2−102221号公報など)。しか
し、単に開環重合し、水素添加しただけでは、単量体の
構成比率によっては、樹脂が反応混液から析出しやす
く、分子量が小さすぎたり、十分に水素添加できずに主
鎖に不飽和結合が残存するために劣化しやすいなどの問
題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性ノルボルネン系樹脂の様々な優れた特性を有し、か
つ耐応力クラック性、耐衝撃性に優れた成形材料を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意努力
の結果、特定のジシクロペンタジエン系単量体とテトラ
シクロドデセン系単量体の開環共重合体水素添加物が耐
応力クラック性や耐油性劣化性に優れていることを見い
出し、本発明を完成するにいたった。かくして本発明に
よれば、テトラシクロドデセン系単量体が開環重合した
繰り返し単位35〜75重量%およびジシクロペンタジ
エン系単量体が開環重合した繰り返し単位65〜25重
量%から成る重合体の主鎖の不飽和結合の99%以上が
飽和結合に変わるように水素添加した樹脂であり、デカ
ヒドロナフタレンを溶媒としてゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィ法で測定したポリスチレン換算の数
平均分子量(Mn)が25,000〜100,000、
重量平均分子量(Mw)が40,000〜300,00
0、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5であ
り、分子量10,000以下の成分が0〜5%である成
形材料が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
(テトラシクロドデセン系単量体)テトラシクロドデセ
ン系単量体は、テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7, 1 0]−3−ドデセン、またはその構造中の水素の一部
が置換基に置換された四環体の化合物である。具体的に
は、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8
−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−
エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9
−メチルテトラシクロ[4.4.0.12 ,5.17,10
−3−ドデセンなどが例示される。得られる樹脂の吸湿
性が低い点から、極性を有する置換基、すなわち炭素と
水素以外の元素を含有している置換基を有さない単量体
(炭素と水素のみからなる単量体)が好ましい。また、
強度の点から、最も好ましいのは、置換基を有さないも
の、すなわち、テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン(以下、化合物名としては、単に
テトラシクロドデセンという)である。
【0009】(ジシクロペンタジエン系単量体)ジシク
ロペンタジエン系単量体は、ジシクロペンタジエン、ま
たはその構造中の水素の一部が置換基に置換された三環
体の化合物である。具体的には、ジシクロペンタジエ
ン、2−メチルジシクロペンタジエン、2,3−ジメチ
ルジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペ
ンタジエンなどが例示される。得られる樹脂の吸湿性が
低い点から、極性を有する置換基、すなわち、炭素と水
素以外の元素を含有している置換基を有さない単量体
(炭素と水素のみからなる単量体)が好ましい。また、
強度の点から、最も好ましいのは、置換基を有さないも
の、すなわち、ジシクロペンタジエンである。
【0010】(単量体混合物)本発明においては、テト
ラシクロドデセン系単量体とジシクロペンタジエン系単
量体の混合物を開環重合する。単量体混合物の混合割合
は、テトラシクロドデセン系単量体が35重量%以上、
好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%
以上、かつ75重量%以下、好ましくは65重量%以
下、より好ましくは55重量%以下、ジシクロペンタジ
エン系単量体が65重量%以下、好ましくは60重量%
以下、より好ましくは55重量%以下、かつ、25重量
%以上、好ましくは35重量%以上、より好ましくは4
5重量%以上である。
【0011】ジシクロペンタジエン系単量体が少なす
ぎ、テトラシクロドデセン系単量体が多すぎると開環共
重合体水素添加物が十分に水素添加される前に水素添加
反応液から析出しやすく、主鎖に不飽和結合が残りやす
い。また、ジシクロペンタジエン系単量体が多すぎ、テ
トラシクロドデセン系単量体が少なすぎると強度が不十
分となり、クラックが入りやすくなり、またガラス転移
温度が低くなるため、耐熱性に劣り、熱変形しやすくな
る。
【0012】なお、極性基を有する単量体を使用する場
合には、全単量体中の30重量%以下、好ましくは10
重量%以下、特に好ましくは1重量%以下の割合にす
る。極性基を有する単量体が多くなると、吸湿しやすく
なり、変形などの原因になるほか、変形による応力によ
ってクラックが生じやすくなる。
【0013】また、後述の一般のメタセシス触媒を用い
る場合は、分子量調整剤として、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα
−オレフィン類を単量体混合物に加えてもよい。分子量
調整剤の添加量は、全単量体の通常0.01モル%以
上、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.
3モル%以上、通常2モル%以下、好ましくは1モル%
以下、より好ましくは0.8モル%以下である。分子量
調整剤は量が少なすぎると、分子量を調整する機能を発
揮せず、多すぎると分子量が大きな樹脂が得られない。
リビング開環メタセシス触媒を用いる場合は、分子量調
整剤は通常使用しない。なお、重合体混合物中の各単量
体の量比は、ほぼそのまま、重合体中の各単量体に由来
する開環重合繰り返し構造単位の量比となる。
【0014】(重合触媒)単量体混合物は触媒を用いて
開環重合される。開環重合触媒は、例えば、特公昭41
−20111号公報、特開昭46−14910号公報、
特公昭57−17883号公報、特公昭57−6104
4号公報、特開昭54−86600号公報、特開昭58
−127728号公報、特開平1−240517号公報
などで公知の本質的に(a)遷移金属化合物触媒成分と
(b)金属化合物助触媒成分から成る一般のメタセシス
重合触媒のほかに、公知のシュロック型(特開平7−1
79575号など)やグラブス型(Gilliom
L. R. and Grubbs R. H.、
J. Am. Chem. Soc.、1986、73
3など)のリビング開環メタセシス触媒などが使用する
こともできる。
【0015】一般のメタセシス重合触媒に用いる(a)
遷移金属化合物触媒成分は、デミングの周期律表IV
B、VB、VIB、VIIB、またはVIII族の遷移
金属の化合物であり、これらの遷移金属のハロゲン化
物、オキシハロゲン化物、アルコキシハロゲン化物、ア
ルコキシド、カルボン酸塩、(オキシ)アセチルアセト
ネート、カルボニル錯体、アセトニトリル錯体、ヒドリ
ド錯体、これらの誘導体、これらまたはこれらの誘導体
のP(C565などの錯化剤による錯化物が挙げられ
る。具体的には、TiCl4、TiBr4、VOBr3
WBr6、WCl2、WCl4、WCl6、WI2、MoB
2、MoBr3、WO2、H2WO4、NaWO4、CuW
4、MgWO4、トリデシルアンモニウムモリブデン酸
塩、トリデシルアンモニウムタングステン酸塩などが例
示される。実用上、重合活性などの点から、W、Mo、
Ti、またはVの化合物が好ましく、特にこれらのハロ
ゲン化物、オキシハロゲン化物、またはアルコキシハロ
ゲン化物が好ましい。
【0016】一般のメタセシス重合触媒に用いる(b)
金属化合物助触媒成分は、デミングの周期律表第IA、
IIA、IIB、IIIA、またはIVA族金属の化合
物で少なくとも一つの金属元素−炭素結合、または金属
元素−水素結合を有するものであり、例えば、Al、S
n、Li、Na、Mg、Zn、Cd、Bなどの有機化合
物などが挙げられる。具体的には、トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルア
ルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウム
モノブロミド、ジエチルアルミニウムモノイオジド、ジ
エチルアルミニウムモノヒドリドなどの有機アルミニウ
ム化合物; テトラメチルスズ、ジエチルジメチルス
ズ、テトラエチルスズ、ジブチルジエチルスズ、テトラ
ブチルスズなどの有機スズ化合物; n−ブチルリチウ
ムなどの有機リチウム化合物; n−ペンチルナトリウ
ムなどの有機ナトリウム化合物; メチルマグネシウム
イオジド、エチルマグネシウムブロミド、t−ブチルマ
グネシウムクロリド、アリルマグネシウムクロリドなど
の有機マグネシウム化合物; ジエチル亜鉛などの有機
亜鉛化合物; ジエチルカドミウムなどの有機カドミウ
ム化合物; トリメチルホウ素などの有機ホウ素化合
物; などが挙げられる。
【0017】(a)成分、(b)成分のほかに第三成分
を加えて、メタセシス重合活性を高めることができる。
そのような第三成分としては、脂肪族第三級アミン、芳
香族第三級アミン、分子状酸素、アルコール、エーテ
ル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、エ
ステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハロ
ゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などが挙
げられる。その中でも、脂肪族または芳香族第三級アミ
ンが好ましく、その具体例としては、トリエチルアミ
ン、ジメチルアニリン、トリ−n−ブチルアミン、ピリ
ジン、α−ピコリンなど挙げられる。また、アルコール
など、OH基を含有する化合物は、化学量論量を超えて
加えると、メタセシス重合活性を阻害する不活性化剤と
して機能するので、化学量論量以下加えるようにする必
要がある。なお、ここでいう化学量論量とは、(a)成
分のモル数と(a)成分に含有されている遷移金属の酸
化数の積をOH基を含有する化学物の一分子当りのOH
基の数で除した数値で表されるモル数をいう。
【0018】これらの成分の量的関係は(a)成分の金
属元素1モルに対して(b)成分の金属元素1モル以
上、好ましくは2モル以上、100モル以下、好ましく
は50モル以下、また通常(a)成分1モルに対して第
三成分が0.005モル以上、好ましくは0.05モル
以上、10モル以下、好ましくは3モル以下の範囲で用
いられる。(a)成分に対して(b)成分が少なすぎる
と(a)成分の量に対して十分な活性が得られず、多す
ぎると過剰な(b)成分の除去が困難になったり、コス
トが高くなる。(a)成分に対して第三成分が少なすぎ
ると第三成分添加の効果が小さく、多すぎると過剰な第
三成分の除去が困難になったり、コストが高くなる。
【0019】通常のメタセシス重合触媒は(a)成分を
単量体100モルに対し、0.001モル以上、好まし
くは0.005モル以上、より好ましくは0.01モル
以上、10モル以下、好ましくは5モル以下、より好ま
しくは2モル以下の範囲で添加する。
【0020】シュロック型リビング開環メタセシス触媒
としては、W(N−2,6−C63 Pri 2)(CHBu
t)(OBut)、W(N−2,6−C63Pri 2)(C
HBut)(OCMe2CF32、W(N−2,6−C6
3Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut2、W(N
−2,6−C63Pri 2)(CHCMe2Ph)(OC
Me2CF32などのタングステン系アルキリデン触
媒; Mo(N−2,6−C63Pri 2)(CHB
t)(OBut)、Mo(N−2,6−C63Pri 2
(CHBut)(OCMe2CF32、Mo(N−2,6
−C63Pri 2)(CHCMe2Ph)(OBut2
Mo(N−2,6−C63Pri 2)(CHCMe2
h)(OCMe2CF32などのモリブデン系アルキリ
デン触媒; Re(CBut)(CHBut)(2,6−
ジイソプロピルフェノキシド)、Re(CBut)(C
HBut)(オルト−t−ブチルフェノキシド)、Re
(CBut)(CHBut)(トリフルオロ−t−ブトキ
シド)、Re(CBut)(CHBut)(ヘキサフルオ
ロ−t−ブトキシド)、Re(CBut)(CHBut
(2,6−ジメチルメノキシド)などのレニウム系アル
キリデン触媒; Ta[C(Me)C(Me)CHCM
3](2,6−ジイソプロピルフェノキシド)3(ピリ
ジン)、Ta[C(Ph)C(Ph)CHCMe3
(2,6−ジイソプロピルフェノキシド)3(ピリジ
ン)、Ta[C(Me)C(Me)CHCMe3
(2,6−ジイソプロピルフェノキシド)などのタンタ
ル系アルキリデン触媒; Ru(CHCHCPh2
(PPh3)Cl2などのルテニウム系アルキリデン触
媒; などが例示される(式中のPriはi−プロピル
基、Butはt−ブチル基、Meはメチル基、Phはフ
ェニル基を表す)。
【0021】グラブス型リビング開環メタセシス触媒と
しては、テッベ試薬または3,3−ジメチルシクロプロ
ペンから誘導されるチタナシクロブタンとノルボルネン
環構造を有する化合物との付加体が例示される。具体的
構造としては、構造式1
【化1】 、構造式2
【化2】 などで表されるものが例示される。
【0022】リビング開環メタセシス触媒を用いた開環
重合においては、単量体と触媒のモル比を制御すること
により得られる重合体の分子量を調整できる。例えば、
単量体aモルに対して、触媒bモルを用いると、単量体
の分子量のa/b倍程度の重合体が得られる。また、単
量体と触媒の組み合わせによって異なるが、通常、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である
分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜1.8程度の範
囲に制御される。触媒の使用量は、単量体100モルに
対して、通常1モル以上、好ましくは1.5モル以上、
通常10モル以下、好ましくは7モル以下である。一般
の(a)成分と(b)成分からなるメタセシス触媒で重
合した樹脂を水素添加した成形材料よりもリビング開環
メタセシス触媒で重合した樹脂を水素添加した成形材料
の方が、耐応力クラック性が高く、好ましい。
【0023】メタセシス重合は、通常、不活性有機溶媒
中で行う。用いる溶媒は特に限定されず、用いる単量
体、触媒に応じて決めればよい。例えば、テトラヒドロ
フラン、ジブチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類; ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼンなどの芳香族炭化水素; ペンタン、ヘキサン、
ヘプタンなどの脂肪族炭化水素; シクロペンタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロ
ヘキサン、デカヒドロナフタレンなどの脂環式炭化水
素; メチレンジクロリド、ジクロロエタン、ジクロロ
エチレン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン、トリ
クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;などが挙げ
られる。これらの混合溶媒を用いることもできる。な
お、デカヒドロナフタレンのように、単量体、重合体、
およびその水素添加物を十分に溶解できる溶媒を用いれ
ば、重合後の重合反応液に水素添加触媒を添加すること
により連続的に製造できて好ましい。
【0024】用いる単量体と溶媒の量比も特に限定され
ず、用いる単量体、触媒に応じて決めればよい。一般に
は、溶媒100重量部に対し、単量体混合物を好ましく
は5重量部以上、より好ましくは10重量部以上、特に
好ましくは20重量部以上、好ましくは35重量部以
下、より好ましくは30重量部以下、特に好ましくは2
5重量部以下である。単量体混合物量が少なすぎると反
応が進行しにくく、多すぎると反応の制御が困難な場合
や、粘度が高くなり攪拌が困難になるという問題があ
る。
【0025】重合時の温度も特に限定されず、通常0℃
以上、好ましくは10℃以上、通常150℃以下、好ま
しくは100℃以下である。
【0026】(a)遷移金属化合物触媒成分と(b)金
属化合物助触媒成分から成る一般のメタセシス重合触媒
を用いて重合し、分子量分布(Mw/Mn)が小さく、
分子量10,000以下の成分が少ない樹脂を得るに
は、重合に供する単量体混合物の0.1重量%以上、好
ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、
かつ30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より
好ましくは15重量%以下を初期仕込量とし、残りは反
応の進行に合わせて反応液に加えていく。また、(a)
成分も、反応に供する全量の10重量%以上、好ましく
は20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、か
つ70重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好
ましくは50重量%以下を初期チャージ量とし、残りは
反応の進行に合わせて反応液に加えていく。単量体混合
物の初期仕込量が少なすぎても多すぎても、また、
(a)成分の初期チャージ量が少なすぎても多すぎて
も、分子量や分子量分布が大きくなることがある。反応
の進行に合わせて反応液に加える方法は特に限定されな
いが、反応温度が制御しやすく、また、分子量、分子量
分布が制御しやすいことから、一定速度で加えることが
好ましい。ここでいう一定速度は、必ずしも連続的に反
応液に加えることではなく、一定時間毎に一定量を加え
ていくものでもよい。例えば、一定速度で滴下すればよ
い。なお、リビング開環メタセシス触媒を用いる場合
は、重合開始時に全ての触媒が添加されている方が好ま
しく、単量体混合物も最初から全量仕込んでいても特に
影響がなく、作業量が減る点からは、最初から全量仕込
み、全量チャージの方が好ましい。
【0027】(水素添加触媒)水素添加は水素添加触媒
の存在下に樹脂を水素と接触させて行う。通常、溶媒中
で水素添加する。重合反応液の溶媒をそのまま水素添加
反応の溶媒として用いる場合は、必ずしも重合体を析
出、凝固させた後に水素添加反応液を調製する必要はな
く、重合反応後の重合反応液に水素添加触媒を添加して
水素添加反応液とすることができる。その場合、水素添
加触媒の添加前に重合触媒の不活性化剤、例えば、メタ
ノール、ブタノール、イソプロパノールなどアルコール
類や水などのOH基を有する化合物を重合反応液に添加
して反応を停止してもよい。不活性化剤としてアルコー
ル類を用いる場合は、アルキルリチウム1モルに対し、
通常1モル以上3モルを添加する。少なすぎると重合反
応が停止できず、多すぎると効率が悪い。ただし、水素
添加触媒として後述の均一系触媒を用いる場合は水素添
加活性低下の原因となることがあり、不活性化剤を添加
せずに水素添加触媒を添加するほうが工程として効率の
よい場合もあり、不活性化剤の使用は工程の効率によっ
て決める。また、溶媒と重合体の種類によっては、重合
体を溶解するが、水素添加物は析出する場合がある。そ
のような場合は十分に水素添加できない。重合体と水素
添加物の両方を溶解できる溶媒を選択する必要がある。
例えば、一般的な単量体、重合体、水素添加物を十分に
溶解する好ましい溶媒としては、デカヒドロナフタレ
ン、オクタヒドロインデン、テトラヒドロジシクロペン
タジエンなどがある。
【0028】水素添加触媒は、ウィルキンソン錯体、す
なわち、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジ
ウム(I)や(c)遷移金属化合物と(d)還元性金属
化合物から成る触媒などの均一系触媒でも、不均一触媒
であってもよい。均一系触媒は、水素添加反応液中で分
散しやすいので添加量が少なくてよく、また高温高圧に
しなくても活性を有するので重合体の分解やゲル化が起
こらず、低コスト性や品質安定性等に優れる。不均一触
媒は高温高圧にすることで高活性となり、短時間で水素
添加でき、さらに除去が容易である等の生産効率に優れ
る。
【0029】均一系触媒は、特開昭58−43412号
公報、特開昭60−26024号公報、特開昭64−2
4826号公報、特開平1−138257号公報等で公
知のものである。(c)遷移金属化合物としては、デミ
ングの周期律表の第I族、または第IV族から第VII
I族のいずれかに属する遷移金属の化合物、例えば、C
r、Mo、Fe、Mn、Co、Ni、Pd、Ru等の遷
移金属のハロゲン化物、アルコキシド、アセチルアセト
ネート、スルファネート、カルボキシレート、ナフテネ
ート、トリフルオロアセテート、ステアレート等が挙げ
られ、具体的な化合物としては、クロム(III)アセ
チルアセトネート、マンガン(III)アセチルアセト
ネート、鉄(III)アセチルアセトネート、コバルト
(III)アセチルアセトネート、ビス−(トリフェニ
ルホスフィン)−コバルトジクロリド、ニッケル(I
I)アセチルアセトネート、ビス−(トリブチルホスフ
ィン)−パラジウム等が挙げられる。また、(d)還元
性金属化合物としては、デミングの周期律表第IA、I
IA、IIB、IIIA、またはIVA族金属の化合物
であって、少なくとも一つの金属元素−炭素結合、また
は金属元素−水素結合を有するものであり、例えば、A
l化合物、Li化合物、Zn化合物、Mg化合物等が挙
げられ、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリフ
ェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、
エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニ
ウムヒドリド、メチルリチウム、n−プロピルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、p−トリルリチウム、キ
シリルリチウム、ジフェニル亜鉛、ビス(シクロペンタ
ジエニル)亜鉛、ジメチルマグネシウム、メチルマグネ
シウムブロリド、リチウムアルミニウムヒドリド等が挙
げられる。(c)成分と(d)成分の組み合わせとして
具体的には、(c)成分としてMn、Fe、Co、また
はNiの有機金属化合物、ハロゲン化物、アルコキシ
ド、アセチルアセトネート、スルフォネート、またはナ
フテネート、(d)成分としてAl、Li、Zn、Mg
等の有機化合物、または水素化物を組み合わせた触媒が
高活性であり、また不純物による反応阻害・活性低下の
影響が小さいので好ましく、(c)成分としてTi、F
e、Co、またはNiの有機金属化合物、ハロゲン化
物、アルコキシド、またはアセチルアセトネート、
(d)成分として、アルキルアルミニウム、またはアル
キルリチウムを組み合わせた触媒が特に高活性であり、
また不純物による反応阻害・活性低下の影響が特に小さ
いので、より好ましい。これらの成分の量的関係は、各
成分の種類にもよるが、一般に(c)成分の金属元素1
モルに対し(d)成分の金属元素が0.5モル以上、好
ましくは1モル以上、50モル以下、好ましくは8モル
以下である。多すぎても少なすぎても水素添加反応の活
性は不十分である。特に多すぎる場合は、ゲル化や副反
応が起こることもある。
【0030】また、不均一触媒も公知のものであり、例
えば、Ni、Pd等の水素添加触媒金属を担体に担持さ
せたものが挙げられる。特に、不純物等の混入が少ない
ほど好ましい場合は、担体として、アルミナやケイソウ
土等の吸着剤を用いることが好ましく、また、細孔容積
0.5cm3/g以上、好ましくは0.7cm3/g以
上、好ましくは250cm2/g以上のアルミナ類を用
いるのが好ましい。このような担体を用いると重合に用
いた触媒に由来する等の遷移金属原子等を吸着させるこ
とができ、不純物の少ない樹脂を得ることができる。
【0031】水素添加反応に用いる水素添加触媒の量
は、(c)成分と(d)成分から成る均一系触媒の場
合、各成分の種類、組み合わせによって異なるが、通
常、樹脂100gに対して、(c)成分の遷移金属化合
物が0.001ミリモル以上、好ましくは0.1ミリモ
ル以上、1000ミリモル以下、好ましくは100ミリ
モル以下である。また、不均一系触媒の場合も、水素添
加反応に用いる水素添加触媒の量は、触媒金属の種類や
担体への担持の状態等によって異なるが、通常、樹脂1
00gに対して、触媒金属量が0.1g以上、好ましく
は1.0g以上、20g以下、好ましくは15g以下で
ある。水素添加触媒を水素添加反応液に過剰に添加する
とコストがかかる上、水素添加触媒の除去等の後処理が
困難であり、少なすぎると反応効率が悪くなる。
【0032】水素添加反応は、水素を水素添加反応液中
に導入することによって行われ、例えば、攪拌下にて導
入された水素を十分に樹脂と接触させる方法が好まし
い。水素圧力は、通常、0.1kg/cm2以上、好ま
しくは2kg/cm2以上、100kg/cm2以下、好
ましくは40kg/cm2以下の範囲で反応させる。水
素圧力が低すぎると水素添加反応が進行せず、高すぎる
と反応のコントロールが難しく、また副反応やゲル化を
引き起こすこともある。
【0033】水素添加反応は、通常、0℃以上、300
℃以下、均一系触媒を用いる場合は、好ましくは20℃
以上、より好ましくは25℃以上、好ましくは100℃
以下、不均一系触媒を用いる場合は、好ましくは120
℃以上、より好ましくは150℃以上、250℃以下、
より好ましくは230℃以下で実施される。温度が低す
ぎると反応速度が遅く、高すぎると樹脂や水素添加され
た樹脂の分解やゲル化が起こり易く、エネルギーコスト
も高くなる。
【0034】本発明の水素添加された樹脂は、主鎖の不
飽和結合の99%以上が水素添加反応により飽和したも
のである。
【0035】水素添加反応液から水素添加された樹脂を
回収する方法は特に限定されない。前述の樹脂の回収の
ように、水素添加反応液を多量の貧溶媒、メタノール、
イソプロパノール、アセトンなどに加えて水素添加され
た樹脂を析出、凝固させ、溶媒を濾過して除去すればよ
い。
【0036】(成形材料)本発明の成形材料は、テトラ
シクロドデセン系単量体が開環重合した繰り返し単位3
5〜75重量%およびジシクロペンタジエン系単量体が
開環重合した繰り返し単位65〜25重量%から成る重
合体の主鎖の不飽和結合の99%以上が飽和結合に変わ
るように水素添加した樹脂であり、デカヒドロナフタレ
ンを溶媒としてゲル・パーミエーション・クロマトグラ
フィ法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(M
n)が25,000以上、好ましくは30,000以
上、かつ、100,000以下、好ましくは80,00
0以下、より好ましくは60,000以下であり、重量
平均分子量(Mw)が40,000以上、好ましくは5
0,000以上、300,000以下、好ましくは20
0,000以下、より好ましくは150,000以下、
分子量分布(Mw/Mn)が1.0以上、3.5以下、
好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下であ
り、分子量10,000以下の成分が0%以上、5.0
%以下、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.
0%以下である。数平均分子量、重量平均分子量は小さ
すぎると十分な強度が得られず、大きすぎると製造が困
難になったり、成形が困難になったりする。分子量分布
や分子量10,000以下の成分の割合が大きすぎると
十分な強度が得られない。また、耐熱性と溶融成形の関
係から、ガラス転移温度は好ましくは100℃以上、よ
り好ましくは110℃以上、特に好ましくは115℃以
上、かつ好ましくは200℃以下、より好ましくは18
0℃以下である。
【0037】低分子量成分の少ない成形材料を得るに
は、重合段階で低分子量の生成を抑制するか、または生
成した低分子量を後処理段階で除去すればよい。前者の
方法としては、(a)成分と(b)成分からなる重合触
媒を用い、(a)成分と単量体を反応に合わせて追加し
て重合する前述の方法や、リビング開環メタセシス触媒
を用いて重合する方法がある。後者の方法としては、水
素添加物のデカヒドロナフタレンなどの良溶媒溶液、例
えば、水素添加反応液にアルコール類などの貧溶媒を徐
々に加えていくと、高分子量のものから析出するので、
これによって、低分子量成分のみを除く方法がある。
【0038】(任意成分)さらに、用途に応じて本発明
の成形材料には、本発明の効果を失わない範囲で、、各
種添加剤などを添加してもよい。例えば、フェノール系
やリン系などの老化防止剤; フェノール系などの熱劣
化防止剤; ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系
などの紫外線安定剤; アミン系などの帯電防止剤;
脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エ
ステルあるいは部分エーテルなどの滑剤; ヒンダード
アミン系などの耐候安定剤; などの各種添加剤を配合
してもよい。
【0039】(用途)本発明の成形材料の用途として
は、例えば、光ディスク、光学レンズ、プリズム、光拡
散板、光カード、光ファイバー、光学ミラー、液晶表示
素子基板、導光板、偏光フィルム、位相差フィルム等の
光学材料; 液体、粉体、または固体薬品の容器(注射
用の液体薬品容器、アンプル、バイアル、プレフィルド
シリンジ、輸液用バッグ、密封薬袋、プレス・スルー・
パッケージ、固体薬品容器、点眼薬容器等)、サンプリ
ング容器(血液検査用サンプリング試験管、薬品容器用
キャップ、採血管、検体容器等)、医療器具(注射器
等)、医療器具等の滅菌容器(メス用、鉗子用、ガーゼ
用、コンタクトレンズ用等)、実験・分析器具(ビーカ
ー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管等)、医療用
光学部品(医療検査用プラスチックレンズ等)、配管材
料(医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バルブ等)、
人工臓器やその部品義(歯床、人工心臓、人造歯根等)
等の医療用器材; 処理用または移送用容器(タンク、
トレイ、キャリア、ケース等)、保護材(キャリアテー
プ、セパレーション・フィルム等)、配管類(パイプ、
チューブ、バルブ、流量計、フィルター、ポンプ等)、
液体用容器類(サンプリング容器、ボトル、アンプルバ
ッグ等)の電子部品処理用器材; 被覆材(電線用、ケ
ーブル用等)、民生用・産業用電子機器匡体(複写機、
コンピューター、プリンター、テレビ、ビデオデッキ、
ビデオカメラ等)、構造部材(パラボラアンテナ構造部
材、フラットアンテナ構造部材、レーダードーム構造部
材等)等の電気絶縁材料; 一般回路基板(硬質プリン
ト基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配線
板等)、高周波回路基板(衛星通信機器用回路基板等)
等の回路基板; 透明導電性フィルム(液晶基板、光メ
モリー、面発熱体等)の基材; 半導体封止材(トラン
ジスタ封止材、IC封止材、LSI封止材、LED封止
材等)、電気・電子部品の封止材(モーター封止材、コ
ンデンサー封止材、スイッチ封止材、センサー封止材
等)の封止材; ルームミラーやメーター類のカバーな
ど自動車用内装材料; ドアミラー、フェンダーミラ
ー、ビーム用レンズ、ライト・カバーなど自動車用外装
材料; 等が挙げられる。
【0040】(態様)本発明の態様としては、(1)
テトラシクロドデセン系単量体が開環重合した繰り返し
単位35〜75重量%およびジシクロペンタジエン系単
量体が開環重合した繰り返し単位65〜25重量%から
成る重合体の主鎖の不飽和結合の99%以上が飽和結合
に変わるように水素添加した樹脂であり、デカヒドロナ
フタレンを溶媒としてゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィ法で測定したポリスチレン換算の数平均分子
量(Mn)が25,000〜100,000、重量平均
分子量(Mw)が40,000〜300,000、分子
量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5であり、分子量
10,000以下の成分が0〜3%である成形材料、
(2) ジシクロペンタジエン系単量体が炭素と水素の
みからなるものである(1)記載の成形材料、(3)
ジシクロペンタジエン系単量体がジシクロペンタジエン
である(1)〜(2)のいずれかに記載の成形材料、
(4) テトラシクロドデセン系単量体が炭素と水素の
みからなるものである(1)〜(3)のいずれかに記載
の成形材料、(5) テトラシクロドデセン系単量体が
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセンである(4)記載の成形材料、(6) テトラシ
クロドデセン系単量体が開環重合した繰り返し構造単位
40〜65重量%とジシクロペンタジエン系単量体が開
環重合した繰り返し構造単位60〜35重量%からなる
ものである(1)〜(5)のいずれかに記載の成形材
料、(7) テトラシクロドデセン系単量体が開環重合
した繰り返し構造単位45〜55重量%とジシクロペン
タジエン系単量体55〜45重量%が開環重合した繰り
返し構造単位(6)記載の成形材料、(8) 炭素と水
素以外の元素を含有する置換基を有する単量体が開環重
合した繰り返し構造単位が0〜30重量%以下である成
形材料、(9) 重合体が(a)遷移金属化合物触媒成
分と(b)金属化合物助触媒成分から成る開環重合触媒
を用いて単量体を重合したものである(1)〜(8)の
いずれかに記載の成形材料、(10) 重合体が開環重
合時に分子量調整剤としてα−オレフィンを配合して開
環重合したものである(9)記載の成形材料、(11)
分子量調整剤が重合に供する全単量体中0.01〜2
モル%である(9)記載の成形材料、(12) 重合体
が重合に供する単量体混合物の0.1〜30重量%を初
期仕込量とし、残りは一定速度で反応液に加えて重合し
たものである(9)〜(11)のいずれかに記載の成形
材料、(13) 重合体が重合に供するメタセシス重合
触媒の(a)成分の10〜70重量%を初期チャージ量
とし、残りは一定速度で反応液に加えて重合したもので
ある(9)〜(12)のいずれかに記載の成形材料、
(14) 重合体がリビング開環メタセシス触媒を用い
て単量体を重合したものである(1)〜(8)のいずれ
かに記載の成形材料、(15) リビング開環メタセシ
ス触媒がシュロック型のものである(14)記載の成形
材料、(16) リビング開環メタセシス触媒がグラブ
ス型のものである(14)記載の成形材料、(17)
デカヒドロナフタレンを溶媒としてゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフィ法で測定したポリスチレン換算
の数平均分子量が25,000〜80,000である
(1)〜(16)のいずれかに記載の成形材料、(1
8) デカヒドロナフタレンを溶媒としてゲル・パーミ
エーション・クロマトグラフィ法で測定したポリスチレ
ン換算の数平均分子量が30,000〜60,000で
ある(17)記載の成形材料、(19) デカヒドロナ
フタレンを溶媒としてゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィ法で測定したポリスチレン換算の重量平均分
子量が40,000〜200,000である(1)〜
(18)のいずれかに記載の成形材料、(20) デカ
ヒドロナフタレンを溶媒としてゲル・パーミエーション
・クロマトグラフィ法で測定したポリスチレン換算の重
量平均分子量が50,000〜150,000である
(19)記載の成形材料、(21) 分子量分布が1.
0〜3.0である(1)〜(20)のいずれかに記載の
成形材料、(22) 分子量分布が1.0〜2.5であ
る(21)記載の成形材料、(23) 分子量10,0
00以下の成分が0〜2.5%である(1)〜(22)
のいずれかに記載の成形材料、(24) 分子量10,
000以下の成分が0〜2.0%である(23)記載の
成形材料、およびこれらの製造方法などが例示される。
【0041】
【発明の効果】本発明の成形材料は、透明性、低複屈折
性などの光学特性、耐湿性、耐熱性などの耐候特性、低
誘電率、低誘電正接などの電気特性などに優れ、また、
機械的強度、耐応力クラック性に優れ、クラックが入り
にくい上に、さらに耐衝撃性にも優れている。例えば、
下記実施例に記した方法で測定した限界応力が150k
g/cm2以上、好ましくは180kg/cm2以上、よ
り好ましくは200kg/cm2以上の機械的強度、同
じく衝撃強度が2.5J以上、好ましくは4.0J以
上、より好ましくは測定限界である4.9J以上の耐衝
撃性、同じくネジ止めクラック発生日数が20日以上、
好ましくは30日以上の耐応力クラック性を示す。
【0042】
【実施例】以下に、実施例、比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。なお、ガラス転移温度はDSC法に
より、分子量は特に記載しない限りデカヒドロナフタレ
ンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラ
フィによるポリスチレン換算値として、主鎖の水素添加
率は水素添加前後の1H−NMRの吸収スペクトルの比
較により、限界応力はベルゲンの1/4楕円法(プラス
チックの機械的特性、第60〜62頁、成澤郁夫著、シ
グマ出版刊、1994年4月15日発行)に準じて、リ
ノール酸50重量%、オレイン酸25重量%、パルミチ
ン酸10重量%、リノレン酸重量10%、およびステア
リン酸重量5%からなる脂肪酸トリグリセリド物に浸漬
した厚さ1mm、1cm×10cmの試験片を試験用治
具に取り付け、1時間後にクラックが発生している位置
に基づいて測定した。衝撃強度はデュポン衝撃試験機
(重錘先端は1/2inch)、厚さ3mm、5cm四
方の板を用いて、JIS K 7211に従って、50
%破壊エネルギーとして数値を示した。また、ネジ止め
クラック発生日数は、厚さ3mm、5cm四方の板の中
心に、電気ドリルで直径3mmの穴を開け、これに直径
5mm、首下1cmの丸木ネジをねじ込んだ後、観察
し、ネジ周辺にクラックが発生した日数を測定した。3
0日目にネジ周辺にクラック発生が認められない場合
は、ネジ止めクラック発生日数は30日以上とした。な
お、限界応力測定、衝撃強度測定、ネジ止めクラック発
生日数測定に用いた試験片、板は樹脂温度250℃で熱
プレス成形したものである。
【0043】実施例1重合 テトラシクロドデセン25gとジシクロペンタジエン2
5gからなる単量体混合物50g、デカヒドロナフタレ
ン100g、構造式1
【化3】 に示すリビング開環メタセシス触媒3.30mmolを
添加し、90℃に10時間保持し、反応させた。この重
合反応液からサンプル1ミリリットルを回収した。
【0044】水素添加 残りの重合反応液のを1リットルのオートクレーブに移
し、デカヒドロナフタレン250g、ニッケルアセチル
アセトナート0.5g、イソブチルアルミニウム30重
量%デカヒドロナフタレン溶液5.15gを加え、オー
トクレーブ内を水素置換した後、攪拌しながら120℃
に昇温して水素添加反応を開始すると同時に水素圧力を
30kg/cm2に昇圧し、反応に伴って水素が消費さ
れるに従って、水素を補充し、水素圧力を30kg/c
2、温度120℃に維持して、5時間反応させた。
4.2gの水を加えて攪拌しながら、80℃で維持し、
水を加えて1時間後に、析出した水素添加触媒を濾別し
て除去した。濾過した水素添加反応液を、2リットルの
イソプロピルアルコール中に注いで、水素添加樹脂を析
出させ、濾別して回収し、100℃、1torr以下で
48時間乾燥させた。
【0045】物性 重合反応液のサンプルを1H−NMRと13C−NMRを
用いて分析した結果、テトラシクロドデセン由来開環繰
り返し構造単位50重量%、ジシクロペンタジエン由来
開環繰り返し構造単位50重量%から成る開環重合体を
含有していた。
【0046】得られた水素添加開環重合体は水素添加率
が99%以上であり、数平均分子量(Mn)は45,7
00、重量平均分子量(Mw)は59,900、分子量
分布(Mw/Mn)が1.31、分子量10,000以
下の成分が0.1%、ガラス転移温度131℃、限界応
力は300kg/cm2、衝撃強度は測定限界である
4.9J以上、ネジ止めクラック発生日数は30日以上
であった。
【0047】実施例2重合 テトラシクロドデセン50重量%とジシクロペンタジエ
ン50重量%からなる単量体混合物5g、デカヒドロナ
フタレン200g、1−ヘキセン0.102mmol、
テトラブチルスズ0.115mmol、ジブチルエーテ
ル0.022mmol、および六塩化タングステン0.
027mmolを、窒素で置換した1リットルのフラス
コに入れ、70℃に保持し、5分間攪拌した。その後、
直ちに攪拌したままの前記フラスコ中に前記単量体混合
物45gと六塩化タングステン0.040mmolを等
速度で30分間連続的に加え、さらに滴下終了後30分
間攪拌した。この重合反応液からサンプル1ミリリット
ルを回収した。
【0048】水素添加 残りの重合反応液を1リットルのオートクレーブに移し
て、以後の操作は実施例1における水素添加と同様に水
素添加し、回収・乾燥した。
【0049】物性 重合反応液のサンプルを1H−NMRと13C−NMRを
用いて分析した結果、テトラシクロドデセン由来開環繰
り返し構造単位50重量%、ジシクロペンタジエン由来
開環繰り返し構造単位50重量%から成り、得られた水
素添加開環重合体は水素添加率が99%以上であり、数
平均分子量(Mn)は43,500、重量平均分子量
(Mw)は91,400、分子量分布(Mw/Mn)が
2.10、分子量10,000以下の成分が1.5%、
ガラス転移温度131℃、限界応力は275kg/cm
2、衝撃強度は測定限界である4.9J以上、ネジ止め
クラック発生日数は30日以上であった。
【0050】実施例3重合および水素添加 単量体混合物としてテトラシクロドデセン70重量%と
ジシクロペンタジエン30重量%からなる単量体混合物
を用いる以外は、実施例1と同様に、重合し、水素添加
し、回収・乾燥した。
【0051】物性 重合反応液のサンプルを1H−NMRと13C−NMRを
用いて分析した結果、テトラシクロドデセン由来開環繰
り返し構造単位70重量%、ジシクロペンタジエン由来
開環繰り返し構造単位30重量%から成り、得られた水
素添加開環重合体は水素添加率が99%以上であり、数
平均分子量(Mn)は42,200、重量平均分子量
(Mw)は57,400、分子量分布(Mw/Mn)が
1.36、分子量10,000以下の成分が0.1%、
ガラス転移温度144℃、限界応力は360kg/cm
2、衝撃強度は3.8J、ネジ止めクラック発生日数は
30日以上であった。
【0052】実施例4重合および水素添加 テトラシクロドデセン70重量%とジシクロペンタジエ
ン30重量%からなる単量体混合物を用い、1−ヘキセ
ンの量を0.098mmolにする以外は実施例2と同
様にして、重合し、水素添加し、回収・乾燥した。
【0053】物性 得られた重合体は、テトラシクロドデセン由来開環繰り
返し構造単位70重量%、ジシクロペンタジエン由来開
環繰り返し構造単位30重量%から成り、水素添加物は
水素添加率が99%以上であり、数平均分子量は33,
100、重量平均分子量は68,600、分子量分布
2.07、分子量10,000以下の成分が0.8%、
ガラス転移温度143℃、限界応力は356kg/cm
2、衝撃強度は3.2J、ネジ止めクラック発生日数は
30日以上であった。
【0054】実施例5重合および水素添加 テトラシクロドデセンの代わりに8−メチルテトラシク
ロ[4.4.0.12 , 5.17,10]−3−ドデセンを用
い、1−ヘキセンの量を0.126mmolにする以外
は実施例4と同様にして、重合し、水素添加し、回収・
乾燥した。
【0055】物性 得られた重合体は、8−メチルテトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン由来開環繰り返し
構造単位70重量%、ジシクロペンタジエン由来開環繰
り返し構造単位30重量%から成り、水素添加物は水素
添加率が99%以上であり、数平均分子量は36,60
0、重量平均分子量は76,100、分子量分布2.0
9、分子量10,000以下の成分が0.7%、ガラス
転移温度134℃、限界応力は190kg/cm2、衝
撃強度は3.2J、ネジ止めクラック発生日数は30日
以上であった。
【0056】実施例6重合および水素添加 テトラシクロドデセン60重量%とジシクロペンタジエ
ン40重量%からなる単量体混合物を用い、1−ヘキセ
ンの量を0.100mmolにする以外は実施例2と同
様にして、重合し、水素添加し、回収・乾燥した。
【0057】物性 得られた重合体は、テトラシクロドデセン由来開環繰り
返し構造単位60重量%、ジシクロペンタジエン由来開
環繰り返し構造単位40重量%から成り、水素添加物は
水素添加率が99%以上であり、数平均分子量は44,
500、重量平均分子量は87,200、分子量分布
1.96、分子量10,000以下の成分が0.9%、
ガラス転移温度138℃、限界応力は320kg/cm
2、衝撃強度は測定限界である4.9J以上、ネジ止め
クラック発生日数は30日以上であった。
【0058】実施例7重合および水素添加 テトラシクロドデセン40重量%とジシクロペンタジエ
ン60重量%からなる単量体混合物を用い、1−ヘキセ
ンの量を0.104mmolにする以外は実施例2と同
様にして、重合し、水素添加し、回収・乾燥した。
【0059】物性 得られた重合体は、テトラシクロドデセン由来開環繰り
返し構造単位40重量%、ジシクロペンタジエン由来開
環繰り返し構造単位60重量%から成り、水素添加物は
水素添加率が99%以上であり、数平均分子量は48,
800、重量平均分子量は112,700、分子量分布
2.31、分子量10,000以下の成分が1.1%、
ガラス転移温度124℃、限界応力は228kg/cm
2、衝撃強度は測定限界である4.9J以上、ネジ止め
クラック発生日数は30日以上であった。
【0060】比較例1重合および水素添加 テトラシクロドデセン30重量%とジシクロペンタジエ
ン70重量%からなる単量体混合物を用い、1−ヘキセ
ンの量を0.106mmolにする以外は実施例2と同
様にして、重合し、水素添加し、回収・乾燥した。
【0061】物性 得られた重合体は、テトラシクロドデセン由来開環繰り
返し構造単位30重量%、ジシクロペンタジエン由来開
環繰り返し構造単位70重量%から成り、水素添加物は
水素添加率が99%以上であり、数平均分子量は50,
200、重量平均分子量は106,400、分子量分布
2.12、分子量10,000以下の成分が2.1%、
ガラス転移温度117℃、限界応力は168kg/cm
2、衝撃強度は測定限界である4.9J以上、ネジ止め
クラック発生日数は14日であった。
【0062】比較例2重合 8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン28.3g、ジシクロペンタジ
エン21.5g、トルエン1600g、1−ヘキセン2
3.7mmol、ジエチルアルミニウムアイオダイド
1.28mmol、酢酸エチル19.9mmol、およ
び五塩化モリブデン0.33mmolを窒素で置換した
1リットルのフラスコに入れ、27〜29℃に保持して
10分間攪拌した。この重合反応液からサンプル1ミリ
リットルを回収した。
【0063】水素添加 残りの重合反応液を5リットルのオートクレーブに移し
て、トルエン1300g、クロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ロジウム(I)2.0gを加え、100
℃、水素圧力30kg/cm2で5時間反応させた。
【0064】物性 重合反応液のサンプルを1H−NMRと13C−NMRを
用いて分析した結果、8−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン由来開環繰り
返し構造単位50mol%(約56重量%)、ジシクロ
ペンタジエン由来開環繰り返し構造単位50mol%
(約44重量%)から成り、得られた水素添加開環重合
体は水素添加率が99%以上であり、数平均分子量は1
0,100、重量平均分子量は43,400、分子量分
布が4.28、分子量10,000以下の成分が21.
8%、ガラス転移温度122℃、限界応力は95kg/
cm2、衝撃強度は測定限界である4.9J以上、ネジ
止めクラック発生日数は0日であった(ネジを締めた直
後にクラックが発生した)。
【0065】比較例3重合 テトラシクロドデセン30g、ジシクロペンタジエン2
0g、デカヒドロナフタレン1600g、1−ヘキセン
17.65mmol、ジエチルアルミニウムアイオダイ
ド1.28mmol、酢酸エチル19.9mmol、お
よび五塩化モリブデン0.33mmolを窒素で置換し
た5リットルのフラスコに入れ、27〜29℃に保持し
て10分間攪拌した。この重合反応液からサンプル1ミ
リリットルを回収した。
【0066】水素添加 残りの重合反応液を5リットルのオートクレーブに移し
て、ニッケルアセチルアセトナート0.5gとイソブチ
ルアルミニウムの30重量%デカヒドロナフタレン溶液
5.15gを加え、120℃、水素圧力30kg/cm
2で5時間反応させた。
【0067】物性 重合反応液のサンプルを1H−NMRと13C−NMRを
用いて分析した結果、テトラシクロドデセン由来開環繰
り返し構造単位60重量%、ジシクロペンタジエン由来
開環繰り返し構造単位40重量%から成り、得られた水
素添加開環重合体は水素添加率が99%以上であり、数
平均分子量は8,800、重量平均分子量は56,70
0、分子量分布が6.44、分子量10,000以下の
成分が19.2%、ガラス転移温度125℃、限界応力
は105kg/cm2、衝撃強度は測定限界である4.
9J以上、ネジ止めクラック発生日数は2日であった。
【0068】比較例4重合および水素添加 リビング開環メタセシス触媒の量を0.5gにする以外
は実施例1と同様に重合し、水素添加し、回収・乾燥し
た。
【0069】物性 重合反応液のサンプルを1H−NMRと13C−NMRを
用いて分析した結果、テトラシクロドデセン由来開環繰
り返し構造単位50重量%、ジシクロペンタジエン由来
開環繰り返し構造単位50重量%から成り、得られた水
素添加開環重合体は水素添加率が99%以上であり、数
平均分子量は20,100、重量平均分子量は26,6
00、分子量分布が1.32、分子量10,000以下
の成分が0.3%、ガラス転移温度128℃、限界応力
は138kg/cm2、衝撃強度は測定限界である4.
9J以上、ネジ止めクラック発生日数は4日であった。
【0070】比較例5重合 テトラシクロドデセン60重量%とジシクロペンタジエ
ン40重量%からなる単量体混合物5g、デカヒドロナ
フタレン200g、1−ヘキセン0.100mmol、
テトラブチルスズ0.115mmol、ジブチルエーテ
ル0.022mmol、および六塩化タングステン0.
067mmolを、窒素で置換した1リットルのフラス
コに入れ、70℃に保持し、60分間攪拌した。この重
合反応液からサンプル1ミリリットルを回収した。
【0071】水素添加 残りの重合反応液を1リットルのオートクレーブに移し
て、以後の操作は実施例1における水素添加と同様に水
素添加し、回収・乾燥した。
【0072】物性 得られた重合体は、テトラシクロドデセン由来開環繰り
返し構造単位60重量%、ジシクロペンタジエン由来開
環繰り返し構造単位40重量%から成り、水素添加物は
水素添加率が約99%以上であり、数平均分子量は1
5,500、重量平均分子量は63,800、分子量分
布4.12、分子量10,000以下の成分が18.5
%、ガラス転移温度137℃、限界応力は160kg/
cm2、衝撃強度は測定限界である4.9J以上、ネジ
止めクラック発生日数は7日であった。
【0073】比較例6重合および水素添加 単量体混合物としてテトラシクロドデセン80重量%と
ジシクロペンタジエン20重量%からなるものを使用
し、1−ヘキセンの量を0.096mmolにする以外
は、実施例2と同様に重合し、水素添加し、回収・乾燥
した。
【0074】物性 得られた重合体は、テトラシクロドデセン由来開環繰り
返し構造単位80重量%、ジシクロペンタジエン由来開
環繰り返し構造単位20重量%から成り、水素添加物は
水素添加率が約99%以上であり、数平均分子量は3
0,800、重量平均分子量は66,300、分子量分
布2.15、分子量10,000以下の成分が0.8
%、ガラス転移温度117℃、限界応力は365kg/
cm2、衝撃強度は0.9J、ネジ止めクラック発生日
数は30日以上であった。
【0075】
【表1】
【0076】表1に実施例、比較例をまとめた。なお、
表中の重合法の欄の「リビング」は構造式1で表される
リビング開環メタセシス触媒を用いて重合したことを、
「W/Sn」は(a)成分である六塩化タングステンと
(b)成分であるテトラブチルスズを組み合わせたメタ
セシス触媒を用いて重合したことを、「Mo/Al」
は、(a)成分である五塩化モリブデンと(b)成分で
あるジエチルアルミニウムアイオダイドを組み合わせた
メタセシス触媒を用いて重合したことを、「プロップ」
は、単量体の10重量%、触媒(a)成分の40重量%
を初期仕込量、初期チャージ量とし、残りを反応の進行
に合わせて一定速度で反応液に加えたことを表す。水素
添加法の欄の「Ni系均一触媒」は(c)成分としてニ
ッケルアセチルアセトナートと(d)成分としてイソブ
チルアルミニウムを組み合わせた水素添加触媒を用いて
水素添加したことを、「Ni不均一触媒」はニッケル担
持二酸化ケイ素を水素添加触媒として用いて水素添加し
たことを、「ウィルキンソン触媒」はクロロトリス(ト
リフェニルホスフィン)ロジウム(I)を水素添加触媒
として用いて水素添加したことを表す。「TCD系単量
体」はテトラシクロドデセン系単量体を意味し、この欄
の「TCD」はテトラシクロドデセンを、「MTD」は
8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセンを表す。「DCP系単量体」は
ジシクロペンタジエン系単量体を意味し、この欄の「D
CP」はジシクロペンタジエンを表す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラシクロドデセン系単量体が開環重
    合した繰り返し単位35〜75重量%およびジシクロペ
    ンタジエン系単量体が開環重合した繰り返し単位65〜
    25重量%から成る重合体の主鎖の不飽和結合の99%
    以上が飽和結合に変わるように水素添加した樹脂であ
    り、デカヒドロナフタレンを溶媒としてゲル・パーミエ
    ーション・クロマトグラフィ法で測定したポリスチレン
    換算の数平均分子量(Mn)が25,000〜100,
    000、重量平均分子量(Mw)が40,000〜30
    0,000、分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.
    5であり、分子量10,000以下の成分が0〜5%で
    ある成形材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002516911A (ja) * 1997-10-30 2002-06-11 カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー ルテニウムメタセシス触媒の酸活性化および水中における活発なrompメタセシス重合

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002516911A (ja) * 1997-10-30 2002-06-11 カリフォルニア インスティチュート オブ テクノロジー ルテニウムメタセシス触媒の酸活性化および水中における活発なrompメタセシス重合
JP2010138413A (ja) * 1997-10-30 2010-06-24 California Inst Of Technology オレフィンメタセシス反応を行うための方法及び開環メタセシス重合反応を行うための方法

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