JP2915957B2 - 発泡性重合体組成物 - Google Patents

発泡性重合体組成物

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JP2915957B2 JP8015790A JP8015790A JP2915957B2 JP 2915957 B2 JP2915957 B2 JP 2915957B2 JP 8015790 A JP8015790 A JP 8015790A JP 8015790 A JP8015790 A JP 8015790A JP 2915957 B2 JP2915957 B2 JP 2915957B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は発泡性重合体組成物および発泡体に関し、さ
らに詳細には、均質な独立気泡を有する発泡体を形成し
うる発泡性重合体組成物および発泡体に関する。
発明の技術的背景 発泡体の素材としては、ポリスチレンやポリエチレン
等がある。また、発泡方法としては、通常、機械的な撹
拌により起泡させる方法、反応生成ガスを利用する方
法、発泡剤を使用する方法、可溶性物質を除去する方
法、及びスプレーによる発泡方法があり、特に、反応生
成ガスを利用する方法、発泡剤を使用する方法が頻用さ
れている。
ところで、このような従来のポリスチレンやポリエチ
レン等を素材とした発泡体では、用途上、耐熱性、耐薬
品性が充分でない場合がある。
発明の目的 本発明の目的は、このような従来技術に鑑み、耐熱性
および耐薬品性を備え、しかも均一な独立気泡を有する
発泡体を与えうるような発泡性重合体生成物を提供する
ことにある。
発明の概要 本発明に係る発泡性重合体組成物は、 [A]下記式[I]または下記式[II]で表される環状
オレフィンとエチレンとを共重合してなる共重合体 [B]分解型半報剤および [C]多価カルボン酸またはその誘導体からなることを
特徴としている。
また本発明に係る発泡体は、上記のような発泡性重合
体組成物を該組成物の体積の1.2〜50倍に発泡成形して
なることを特徴としている。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る発泡性重合体組成物について各成
分を具体的に説明する。
[重合体[A]] 本発明に係る発泡性重合体組成物は、 下記式[I]または下記式[II]で表される環状オレ
フィンとエチレンとを共重合してなる共重合体である。
ただし、上記式[II]において、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、 R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしく
は基を表す。
さらに、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環
の基を形成していてもよく、かつ該単環または多環の基
が二重結合を有していてもよい。
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。
また、重合体[A]としては、たとえば式[I]また
は式[II]で表される環状オレフィンを単独あるいは共
存下に下記式で示すように開環重合させることにより得
られる開環重合体あるいは開環共重合体であってもよ
い。さらに、本発明においては、重合体[A]として、
上記のような開環重合体あるいは開環共重合体中に存在
する二重結合の少なくとも一部を水素化することによっ
て得られる水添物をも使用することができる。
上記式[I]または上記式[II]で表わされる環状オ
レフィンは、シクロペンタジエン類と対応するオレフィ
ン類、あるいは環状オレフィン類とをディールス・アル
ダー反応により縮合させることにより容易に製造するこ
とができる。
式[I]で表される多環式環状オレフィンとして具体
的には、上記の化合物、あるいは1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンの他に2
−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−プロピル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−3−エ
チル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、2−クロロ−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ブ
ロム−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−
ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2−n−ブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレンなどのオクタヒドロナフタレン類などを例示
することができる。
本発明で用いられる上記式[I]で示される環状オレ
フィンとしては、具体的には、 ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導体、 テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセン誘
導体、 ヘキサシクロ[6,6,1,33.6,110.13,02.7,09.14]−4
−ヘプタデンセン誘導体、 オクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体、 ペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−ヘキ
サデセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−イコセン誘導体、 ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−デセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]−3−ウンデセン誘導体、 ペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、 ペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−ペン
タデセン誘導体、 ペンタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,1
12.15]−4−エイコセン誘導体、 および ノナシクロ[9,10,1,1,4.7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体が挙
げられる。
以下にこのような化合物の具体的な例を示す。
などのようなビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン誘導
体; などのテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]−3−ドデセ
ン誘導体; などのヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14
−4−ヘプタデセン誘導体; などのオクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,
03.8,012.17]−5−ドコセン誘導体; などのペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]−4−
ヘキサデセン誘導体; などのヘプタシクロ−5−イコセン誘導体あるいはヘプ
タシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体; などのトリシクロ[4,3,0,32.5]−3−デセン誘導体; などのトリシクロ[4,4,0,12.5]−3−ウンデセン誘導
体; などのペンタシクロ[6,5,1,113.6,02.7,09.13]−4−
ペンタデセン誘導体; などのジエン化合物; などのペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]−3−
ペンタデセン誘導体; などのヘプタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,
112.15]−4−エイコセン誘導体; などのノナシクロ[9,10,1,14.7,03.8,02.10,012.21,1
13.20,014.19,115.18]−5−ペンタコセン誘導体を挙
げることができる。
また本発明で用いられる上記式[II]で示される環状
オレフィンとしては、具体的には、下記のような化合物
が挙げられる。
を挙げることができる。
本発明における発泡性重合体組成物に使用される重合
体[A]をより具体的に説明すると、この重合体[A]
は、前記式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンとエチレンとの付加重合により得られる共重合体であ
る。
環状オレフィンとエチレンとの付加重合により得られる
共重合体(環状オレフィン付加重合体と称することもあ
る。) 環状オレフィン付加重合体において、エチレン成分/
環状オレフィン成分(モル比)は通常10/90〜90/10であ
り、好ましくは50/50〜75/25である。エチレン系共重合
体の製造は、エチレンと環状オレフィンとを炭化水素媒
体中、炭化水素可溶性バナジウム化合物およびハロゲン
含有有機アルミニウム化合物とから形成される触媒の存
在下で重合させて行なう。このような重合方法は既に公
知であり、特開昭60−168708号公報などに提案されてい
る。
また、環状オレフィン付加重合体において、上記の式
[I]または式[II]で表される環状オレフィン化合物
と共重合して脂環構造を有する共重合体を構成する単量
体は、オレフィンであり、本発明においては、オレフィ
ンとしては、通常はエチレンが用いられる。ただし、本
発明で用いられる脂環構造を有する共重合体において
は、オレフィンとしてエチレンの他に、本発明の組成物
の特性を損なわない範囲内で他のオレフィン化合物を共
重合させることもできる。
本発明において、エチレンおよび上記の式[I]また
は式[II]で表わされる環状オレフィン化合物と共重合
させることができる他のオレフィン化合物の例として
は、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
クタデセンおよび1−エイコセンなどの炭素原子数が3
〜20のα−オレフィン; シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロ
ヘキセン、シクロオクテンおよび3a,5,6,7a−テトラヒ
ドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフ
ィン; 1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエ
ン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノル
ボルネンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンなどの非
共役ジエン類; ノルボルネン−2、5−メチルノルボルネン−2、5
−エチルノルボルネン−2、5−イソプロピルノルボル
ネン−2、5−n−ブチルノルボルネン−2、5−i−
ブチルノルボルネン−2、5,6−ジメチルノルボルネン
−2、5−クロロノルボルネン−2、2−フルオロノル
ボルネン−2および5,6−ジクロロノルボルネン−2な
どのノルボルネン類などを挙げることができる。これら
の中では、炭素原子数3〜15、特に3〜10のα−オレフ
ィンが好ましい。
これらの他のオレフィンは、単独で、あるいは組合わ
せて使用することができる。
式[I]または式[II]で表される環状オレフィン以
外の環状オレフィンとして二重結合を分子内に二個以上
有するものを用いた場合、耐候性を向上させる目的で水
素添加してもよい。
このような環状オレフィンランダム共重合体におい
て、例えば環状オレフィン[I]から誘導される繰り返
し単位の内、少なくとも一部は、通常は、例えば次式
[V]で表される構造を有しているものと考えられる。
なお、上記式[V]において、R1〜R18は、式[I]
におけるこれらと同じ意味である。
環状オレフィンが、例えば上記[III]〜[V]のよ
うな構造をとることは、得られた重合体を、13C−NMRに
よって分析することによって裏付けされる。このような
環状オレフィン付加重合体は、化学的に安定な構造であ
り、耐熱老化性に優れた重合体となる。
以上述べた環状オレフィン付加重合体は、135℃、デ
カリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜20dl/gであ
り、特に0.05〜10dl/g、さらには0.08〜8dl/gが好まし
い。
そして、これらの環状オレフィン系重合体は、一般に
非晶性または低結晶性であり、好ましくは非晶性であ
る。したがって透明性が良好である。一般にはX線によ
る結晶化度が5%以下、その多くは0%、示差走査型熱
量計(DSC)で融点が観察されないものが多い。
このような環状オレフィン系重合体の別の性質として
ガラス転移温度Tgおよび軟化温度(TMA)が高いことが
挙げられる。ガラス転移温度Tgが通常50〜230℃、多く
が100〜200℃の範囲内に測定される。したがって、直接
成形材料に使用する場合は、軟化温度が通常70〜180
℃、多くが90〜180℃の範囲内に測定されるものであ
る。
機械的性質として、この樹脂自体の曲げ弾性率は、通
常1×104〜5×104kg/cm2の範囲内にあり、曲げ強度も
通常300〜1500kg/cm2の範囲内にある。
さらに、本発明に係る発泡性重合体組成物は、前述し
た重合体[A]に種々の重合体をブレンドした所謂ポリ
マーアロイをベースポリマーとすることができる。これ
らの重合体としては以下の1〜17のものを例示すること
ができる。
1. 1個または2個の不飽和結合を有する炭化水素から
誘導される重合体 具体的にはポリオレフィン、たとえば架橋構造を有し
てもよいポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルブ
テン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−
1、ポリスチレン、 2. ハロゲン含有ビニル重合体 具体的にはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リフッ化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴムなど、 3. α,β−不飽和酸とその誘導体から誘導される重合
体、具体的にはポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、また
は前記の重合体を構成するモノマーとの共重合体たとえ
ば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合
体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニ
トリル・スチレン・アクリル酸エステル共重合体など、 4. 不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル誘
導体またはアセタールから誘導された重合体 具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、
ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマ
レイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフ
タレート、ポリアリルメラミン、または前記重合体を構
成するモノマーとの共重合体たとえばエチレン、酢酸ビ
ニルとの共重合体など、 5. エポキシドから誘導された重合体 具体的にはポリエチレオキシドまたはビスグリシジル
エーテルから誘導された重合体など、 6. ポリアセタール 具体的にはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレ
ン、コモノマーとしてエチレンオキシドを含むようなポ
リオキシメチレンなど、 7. ポリフェニレンオキシド、 8. ポリカーボネート、 9. ポリスルフォン、 10. ポリウレタンおよび尿素樹脂、 11. ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミ
ノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されたポ
リアミドおよびコポリアミド 具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナ
イロン12など、 12. ジカルボン酸およびジアルコールおよび/または
オキシカルボン酸または相応するラクトンから誘導され
たポリエステル 具体的にはポリエステルテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリ1,4−ジメチロール・シクロヘ
キサンテレフタレートなど、 13. アルデヒドとフェノール、尿素またはメラミンか
ら誘導された架橋構造を有した重合体 具体的には、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿
素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒ
ド樹脂など、 14. アルキッド樹脂 具体的にはグリセリン・フタル酸樹脂など、 15. 飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコール
とのコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル
化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂並び
にハロゲン含有改質樹脂、 16. 天然重合体、 具体的にはセルロース、ゴム、蛋白質、あるいはそれ
らの誘導体たとえば酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、セルロースエーテルなど、 17. 軟質重合体、 以下に述べる(i)〜(v)で示されるゴム状成分な
お、環状オレフィン系重合体とこれらゴム状成分とは、
所謂「ポリマーアロイ」を形成しており、このポリマー
アロイは、そのまま使用することもできるが、さらに、
このポリマーアロイに有機過酸化物の存在化に架橋反応
を行って架橋構造を形成してもよく、このような架橋性
ポリマーアロイを用いることにより、耐衝撃性が向上す
る。
(環状オレフィン構造を有する軟質重合体(i)) 環状オレフィン構造を有する軟質重合体は、エチレン
成分と前記環状オレフィン系重合体の調整の際に使用し
た同種の環状オレフィン(式[I]で表される化合物)
とα−オレフィンとを共重合させることにより調製され
る三元もしくはこれ以上の共重合体である。α−オレフ
ィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、
1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘ
キサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンな
どが挙げられる。これらの中では、炭素原子数3〜20の
オレフィンが好ましい。また、ノルボルネン、エチリデ
ンノルボルネンおよびジシクロペンタジエン等の環状オ
レフィンならびに環状ジエンも有効に使用することがで
きる。
環状オレフィン構造を有する軟質重合体(i)におい
て、エチレン成分から誘導される繰り返し単位は、通常
は30〜98モル%、好ましくは40〜90モル%含有されてい
る。α−オレフィン成分から誘導される繰り返し単位
は、通常は2〜50モル%含有されており、さらに、環状
オレフィン成分から誘導される繰り返し単位は、2〜20
モル%、好ましくは2〜15モル%含有されている。
軟質重合体(i)は、前記環状オレフィン系重合体と
異なり、ガラス転移温度(Tg)が通常は0℃以下、好ま
しくは−10℃以下で、かつ135℃のデカリン中で測定し
た極限粘度[η]が通常は0.01〜10dl/g、好ましくは0.
8〜7dl/gの範囲内にある共重合体である。また、この軟
質重合体(i)はX線回折法により測定した結晶化度が
通常は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは
0〜5%の範囲内にある共重合体である。
軟質重合体(i)は、例えば特開昭60−168708号公
報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公
報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公
報、特開昭61−272216号公報および特開昭62−252406号
公報などに本出願人が提案した方法に基づいて、適宜条
件を選択して製造することができる。
(α−オレフィン系共重合体(ii)) 本発明で軟質重合体として使用されるα−オレフィン
系共重合体(ii)は、少なくとも2種のα−オレフィン
から形成される、非晶性ないし低結晶性の共重合体であ
る。具体的な例としては、エチレン・α−オレフィン共
重合体およびプロピレン・α−オレフィン共重合体を挙
げることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オ
レフィンとしては、通常は、炭素数3〜20のα−オレフ
ィンが用いられ、このようなα−オレフィンの具体的な
例としては、プロピレン、1−ブテン、、4−メチル−
1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン
等およびこれらの混合物が挙げられる。この内、特に炭
素数3〜10のα−オレフィンが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体のモル比(エチレ
ン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種類によっ
ても異なるが、一般に40/60〜95/5であることが好まし
い。また、上記モル比はα−オレフィンがプロピレンで
ある場合には40/60〜90/10であることが好ましく、α−
オレフィンが炭素数4以上である場合には50/50〜95/5
であることが好ましい。
プロピレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−
オレフィンとしては、通常炭素数4〜20のものが用いら
れる。具体的な例としては、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ンおよびこれらの混合物が挙げられる。この内、特に炭
素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。
上記のようなプロピレン・α−オレフィン共重合体に
おいては、プロピレンとα−オレフィンとのモル比(プ
ロピレン/α−オレフィ)は、α−オレフィンの種類に
よっても異なるが、一般に50/50〜95/5であることが好
ましい。
(α−オレフィン・ジエン系共重合体(iii)) 本発明において軟質重合体として用いられるα−オレ
フィン・ジエン系共重合体(iii)としては、エチレン
・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴムおよびプロピレ
ン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴムを挙げること
ができる。
これ等の共重合体ゴムを構成するα−オレフィンは、
通常、炭素数3〜20(プロピレン・α−オレフィンの場
合は4〜20)のα−オレフィン、たとえばプロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンおよびこ
れらの混合物などが挙げられる。これらの中では、炭素
原子数3〜10のα−オレフィンが好ましい。
また、これらの共重合体ゴムを構成するジエン成分
は、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチ
ル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエ
ンおよび7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状
非共役ジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボ
ルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチ
レン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−
ノルボルネンおよび6−クロロメチル−5−イソプロペ
ニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン、2,
3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチ
リデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネンおよ
び2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等が挙げら
れる。
上記エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム
では、エチレンとα−オレフィンとのモル比(エチレン
/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種類によって
も相違するが、一般に40/60〜90/10である。
また、これら共重合体ゴムにおけるジエン成分から誘
導される繰り返し単位の含有量は、通常は1〜20モル
%、好ましくは2〜15モル%の範囲内にある。
(芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体
(iv)) 本発明において軟質重合体として使用される芳香族ビ
ニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体は、芳香族
ビニル系炭化水素、共役ジエン系のランダム共重合体、
ブロック共重合体またはこれらの水素化物である。具体
的にはスチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴム、ス
チレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、
スチレン・イソブレンブロック共重合体ゴム、スチレン
・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、水素添
加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体
は、水素添加スチレン・イソプレン・スチレンブロック
共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンランダム共重合体
ゴム等が用いられる。
これらの共重合体ゴムにおいて、芳香族ビニル炭化水
素と共役ジエンとのモル比(芳香族ビニル炭化水素/共
役ジエン)は10/90〜70/30であることが好ましい。ま
た、水素添加した共重合体ゴムとは、上記の共重合体ゴ
ム中に残存する二重結合の一部または全部を水素化した
共重合体ゴムである。
(イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンからな
る軟質重合体または共重合体(v)) 本発明において軟質重合体として使用されるイソブチ
レン系軟質重合体または共重合体(V)としては、具体
的に、ポリイソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポ
リブタジエンゴムあるいはイソブチレン・イソプレン共
重合体ゴム等が用いられる。
なお、軟質重合体である(ii)〜(V)の共重合体の
特性は、環状オレフィン系軟質重合体(i)の特性と同
様であり、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が通常は0.01〜10dl/g、好ましくは0.08〜7dl/g
の範囲内にあり、ガラス転移温度(Tg)が通常は0℃以
下、好ましくは−10℃以下、特に好ましくは−20℃以下
である。また、X線回折法により測定した結晶化度は通
常は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0
〜5%の範囲内にある。
このようなゴム状成分を含むポリマーアロイおよび有
機過酸化物で処理した架橋性ポリマーアロイでは、各種
(i)〜(V)の軟質共重合体は、合計量で、環状オレ
フィン付加重合体100重量部に対して、5〜150重量部、
好ましくは5〜100重量部、特に好ましくは10〜80重量
部で存在するものである。このような配合比を満たすこ
とにより、衝撃強度、剛性、熱変形温度および硬度にバ
ランスの取れたポリマーアロイが得られる。
そして、またこれらポリマーアロイの溶融流れ指数
(MFR;ASTM D1238条件)は0.1〜100であることが好まし
い。
なお、ポリマーアロイを有機過酸化物で架橋重合する
場合に使用される有機過酸化物としては、 メチルエチルケトンパーオキシドおよびシクロヘキサ
ノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
2,2−ビス(t−ブチルパーオーオキシ)オクタン等の
パーオキシケタール類、 t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパ
ーオキシドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロ
パーオキシド等のヒドロパーオキシド類、 ジ−t−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3
等のジアルキルパーオキシド、 ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等
のジアシルパーオキシド類、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ならびに、 2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサン等のパーオキシエステル類等を挙げることができ
る。
上記有機過酸化物成分は、環状オレフィン付加重合体
と軟質重合体成分との合計量100重量部に対して、通常
は0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部の量で
使用される。
そして、さらに架橋効率を高める目的で有機過酸化物
で処理する際に、この反応系に、ラジカル重合性の官能
基を分子内に2個以上有する化合物をさらに含有させる
と、耐衝撃性に優れたポリマーアロイが得られるので好
ましい。
ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する化
合物としては、ジビニルベンゼン、アクリル酸ビニルお
よびメタアクリル酸ビニル等を挙げることができる。こ
れらの化合物は、環状オレフィン付加重合体と軟質重合
体との合計量100重量部に対して、通常は1重量部以
下、好ましくは0.1〜0.5重量部の量で使用される。
発泡剤 本発明に使用される分解型発泡剤には無機系発泡剤と
有機系発泡剤とがあり、本発明においては両方の発泡剤
が適宜に使用される。
無機系発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アン
モニウム、重炭酸アンモニウ、亜硝酸アンモニウム、ア
ジド化合物、ほう水素化ナトリウムおよび軽金属等が挙
げられる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾ
ジカルボン酸バリウム、N,N′−ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニ
ルヒドラジン)、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホ
ニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジ
ド、トリヒドラジノトリアジンおよびビウレア等が挙げ
られ、この中で挙げられた高温用発泡剤も適宜に使用さ
れる。
また、発泡剤を適宜に選択するには、発泡剤の分解温
度、発生ガスおよび分解速度が重要な要素となってい
る。
分解型発泡剤の発泡方法とては、素材樹脂の融点以
上、発泡剤の分解温度以下での溶融混練して得られたも
のを、発泡剤の分解温度以上に加熱し、常圧で発泡させ
る常圧発泡法、発泡剤を含む素材樹脂を溶融状態でダイ
から押出すことにより、高圧状態から常圧へ変化させて
発泡させる押出発泡法、発泡剤を含む素材樹脂を密閉金
型中に充填し、加圧下で加熱して発泡剤を分解し、放圧
による圧力変化により急激に膨張させる加圧発泡法およ
び均一に発泡したコア層と、発泡しないスキン層が形成
される射出発泡法が挙げられる。また、加圧発泡法にお
いては、適宜に橋かけ剤或いはラジカル発生剤等を使用
してもよい。
多価カルボン酸またはその誘導体 本発明に係る発泡性重合体組成物は、上記のような
[A]重合体、[B]分解型発泡剤に加えて、[C]多
価カルボン酸またはその誘導体を含んでいる。
このような多価カルボン酸またはその誘導体として
は、具体的には、クエン酸、コハク酸あるいはこれら酸
の塩、エステル、アミドなどが用いられる。
このような[C]多価カルボン酸またはその誘導体
を、発泡性組成物中に含ませることによって、均質な独
立気泡を有する発泡体を得ることができる。
各成分の配合比 本発明に係る発泡性重合体組成物において、重合体
[A]/発泡剤(重量比)は発泡剤の種類によって相違
するが、通常100/0.1〜100/5の範囲が好ましい。
また[C]多価カルボン酸またはその誘導体は、
[C]多価カルボン酸/[B]分解型発泡剤(重量比)
が0.1〜10好ましくは0.5〜5であるような量で用いられ
ることが望ましい。
このような組成物における発泡剤は前記発泡法によっ
て適宜に混合、分散され、発泡倍率は、二次成形品の目
的によっても相違するが、1.2〜50倍の範囲が好まし
い。
このようにして得られた発泡体は耐熱性、耐薬品性、
電気特性が優れた軽量な発泡体となる。
その他の添加物 本発明に係る発泡性重合体組成物には、本発明の目的
を損なわない範囲で耐熱安定性、耐候安定性、帯電防止
剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑
剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、有機或い
は無機の充填剤などを配合することができる。
たとえば、任意成分として配合される安定剤として
は、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、β−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミ
ドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸
化防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂
肪酸金属塩、グリセリンモノステアレート、グリセリン
ジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレー
ト、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリ
スリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸
エステル等を挙げることができる。これらは単独で配合
してもよいが、組合わせて配合してもよい。例えばテト
ラキス[メチレン−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン
酸亜鉛とグリセリンモノステアレートとの組合わせ等を
例示できる。また、有機または無機の充填剤としては、
シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネ
シウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマ
イト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、
グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等を挙
げることができる。
本発明に係る重合体[A]と他の成分との混合方法と
しては、それ自体公知の方法が適用でき、例えば各成分
を同時に混合することができる。
用途 本発明に係る発泡性重合体組成物から得られた発泡体
は、二次加工して使用してもよく、二次加工方法では、
真空成形、プレス成形、スリップ成形、圧空成形、印
刷、塗装、鍍金、植毛、エンボス加工、金属または他の
樹脂との積層等に利用できる。
また、最終的には、次に挙げる利用方法がある。
(1)断熱性の利用 建築物の屋根、天井、壁、床の断熱結露防止、断熱倉
庫、パイプ、タンク等の保温、保冷、電気冷蔵庫、浴
槽、冷暖房機材、ショーケース、保温保冷容器、自動車
天井、ドア内張、食品容器(お茶、ラーメン、スープ) (2)緩衝性の利用 家電、精密機器、食品等の緩衝包装、食品容器(トレ
ー)、自動車のインストルメントパネル、アームレト、
サイドピラー、サンバイザー、安全帽、ヘッドギア、プ
ロテクター柔道場畳等のスポーツ用品、 (3)圧縮特性の利用 容器パッキン、シーリング材、バックアップ材 (4)浮揚性、軽量性の利用 船舶用救命器具、浮力構造体、浮子、各種水上遊戯
具、パラボラアンテナおよびフラットアンテナ基板、 (5)音響特性の利用 機械室、音響室、放送室等の吸音材 このようにして得られら発泡性重合体組成物の発泡体
は、耐熱性、耐薬品性に優れた特徴を有し、従来の発泡
体に比べて広範囲な用途に適用し得る。
発明の効果 以上説明したように本発明に係る発泡性重合体組成物
およびその発泡体は、その組成物に重合体[A]を配合
成分とし、その発泡体は均質な独立気泡を有するため、
耐熱性、耐薬品性、電気特性、断熱性、機械強度が優れ
ており、広範囲な用途に適用できる。
実施例 以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、本発明に於ける各種物性の測定方法および評価方
法を次に示す。
(1)溶融流れ指数(MFTr) ASTM−D1238に準じて、所定の温度(T℃)、荷重2.1
6kgで測定した。
(2)軟化温度(TMA) デュポン社製Thermo Mechanical Analyzerを用いて厚
さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。シート上
に石英製針を乗せ、荷重49gをかけ、5℃/分の速度で
昇温し、針が0.635mm侵入した温度をTMAとした。
(3)ガラス転移温度(Tg) SEIKO電子工業(株)製 DSC−20を用いて昇温速度10
℃/分で測定した。
(4)発泡倍率 水中置換法により測定発泡前後の比重の比較により計
算した。
(5)耐薬品性 実施例で得られた発泡成形品を下記の所定の試験液に
浸漬し、23℃で7日間放置した後、溶解、割れ、色相等
の外観変化がない場合を合格とした。
試験液 耐酸性;20%硫酸水溶液 耐アルカリ性;20%水酸化ナトリウム水溶液 実施例1 環状オレフィン系共重合体として、エチレンと1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン(構造式; 以下DMONと略す)とのランダム共重合体(13C−NMRで測
定したエチレン含量71mol%で、MFR260・C20g/10分、13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]0.6dl/g、軟
化温度(TMA)115℃、Tg103℃)で1kgに、クエン酸と重
炭酸ナトリウムとの1/1(重量比)の混合物を10gの割合
で充分混合し発泡性重合体組成物を調製した。この組成
物を用いて下記の条件で、押出発泡成形した。得られた
成形品の発泡状態を顕微鏡で観察し、発泡倍率、耐薬品
性を調べた。
その結果を表1に示す。
成形条件; 押 出 機:東芝機械(株)製SE−40 スクリュー:緩圧縮フルライト 圧縮比3.3、L/D=22 ダ イ ス:丸ダイ、リップ開度2.5mm 設定温度 :シリンダー/ダイアダプター/ダイス= 230/190/160℃ 樹脂圧力 :160kg/cm2 押 出 量:96g/min. 実施例2 環状オレフィン系共重合体として、エチレンとDMONと
のランダム共重合体(13C−NMRで測定したエチレン含量
62mol%で、MFR260・C35g/10分、135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]0.47dl/g、軟化温度(TMA)148
℃)を実施例1の環状オレフィン系共重合体の代わりに
使用しシリンダー温度を250℃に変える以外は、実施例
1と同様な方法で成形品を得、その物性の測定を行っ
た。
結果を表1に示す。
成形条件; シリンダ温度250℃、 実施例3 環状オレフィン系共重合体として、エチレンとDMONと
のランダム共重合体(13C−NMRで測定したエチレン含量
67mol%で、MFR260・C17g/10分、135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]0.6dl/g、軟化温度(TMA)135
℃、ガラス転移温度Tg123)のペレット3.4kgと、ゴム状
成分としてのエチレン・プロピレンランダム共重合体
(エチレン含有80mol/%;ガラス転移温度Tg−54℃、極
限粘度[η]2.2dl/g)のペレット0.6kgとを混合した
後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM45)によりシリ
ンダ温度220℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーにてペ
レット化した。
得られたペレットを実施例1の環状オレフィン系共重
合体の代わりに使用し、シリンダー温度を240℃に変え
る以外は実施例1と同様な方法で成形品を得、その物性
の測定を行った。
結果を表1に示す。
実施例4 環状オレフィン系共重合体として、エチレンとDMONと
のランダム共重合体(13C−NMRで測定したエチレン含量
62mol%で、MFR260・C35g/10分、135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]0.47dl/g、軟化温度(TMA)148
℃、ガラス転移温度Tg137)のペレット4kgと、ゴム状成
分としてのエチレン・プロピレンランダム共重合体(エ
チレン含量80mol%;ガラス転移温度Tg−54℃、極限粘
度[η]2.2dl/g)のペレット1kgとを混合した後、二軸
押出機(池貝鉄工(株)製PCM45)によりシリンダ温度2
20℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーにてペレット化し
た。
得られたペレット1kgに対して日本油脂(株)製パー
ヘキシン25B を1g、ジビニルベンゼンを3gの割合で添
加し、十分混合した。この混合物を二軸押出機によりシ
リンダ温度230℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーにて
ペレット化した。
得られたペレット1kgに発泡剤10gを配合し、発泡性重
合体組成物を調整した。実施例1の環状オレフィン系共
重合体の代りにシリンダー温度を250℃に変える以外は
実施例1と同様な方法で、成形品を得、その物性の測定
を行った。
結果を表1に示す。
比較例 実施例1において発泡剤として用いたクエン酸と重炭
酸ナトリウムの混合物に代え、重炭酸ナトリウムのみを
用いる以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]下記式[I]または下記式[II]で
    表される環状オレフィンとエチレンとを共重合してなる
    共重合体、 [B]分解型発泡剤および [C]多価カルボン酸またはその誘導体 からなることを特徴とする発泡性重合体組成物。 〔式中、nは0または1であり、mは0または正の正数
    であり、 R2〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子
    または炭化水素基であり、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成して
    いてもよく、かつ該単環または多環を形成していてもよ
    く、かつ該単環または多環は二重結合を有していてもよ
    く、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン
    基を形成していてもよい。〕 〔式中、1は0または1以上の整数であり、mおよびn
    は、0、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ独立
    に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香
    族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R5(または
    R6)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン
    基を介して結合していてもよく、また何の基を介さずに
    直接結合していてもよい。〕
  2. 【請求項2】請求項第1項に記載の発泡性重合体組成物
    を、該組成物の体積の1.2〜50倍に発泡成形してなる発
    泡体。
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