JP2574140C - - Google Patents

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JP2574140C
JP2574140C JP2574140C JP 2574140 C JP2574140 C JP 2574140C JP 2574140 C JP2574140 C JP 2574140C
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olefin
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術分野】 本発明は医薬品容器に関し、さらに詳細には、環状オレフィン系重合体からブ
ロー成形され、耐薬品性、および耐衝撃性に優れた医薬品容器に関する。 【0002】 【発明の技術的背景】 合成樹脂のブロー成形方法としては、エクストルージョンブロー、インジェク
ションブローおよび2段ブロー等が知られており、これ等のブロー成形品の素材
としては、従来、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が知られている。
特に、インジェクションブローに基づいて、ポリエステル樹脂等からなるパリソ
ン(プリフォーム)を軸方向に延伸し、かつ金型内で流体により周方向に膨脹さ
せることにより得られた医薬品容器では、その容器胴部が二軸方向に分子配向さ
れており、透明性、ガスバリアー性、耐熱性等が優れた容器として広く使用され
ている。 【0003】 このような従来のポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂等を素材としてブ
ロー形成された医薬品容器の中には、その用途によって、耐酸性、耐アルカリ性
、耐沸水性等の耐薬品性が問題となる場合がある。 【0004】 【発明の目的】 本発明の目的は、このような従来のブロー形成された医薬品容器の問題に鑑み
、耐薬品性を備えた医薬品容器を提供することにある。さらに、本発明の他の目
的は、耐薬品性に優れるだけでなく機械的強度にも優れた医薬品容器を提供する
ことにある。 【0005】 【発明の概要】 本発明に係る医薬品容器は、 下記式[I]または下記式[II]で表される環状オレフィン成分を開環重合し
てなる重合体、共重合体およびその水素添加物よりなる群から選ばれる環状オレ
フィン系樹脂からブロー成形されていることを特徴としている。 【0006】 【化3】 【0007】 [上記式[I]において、nは、0もしくは正の整数であり、R1〜R12はそ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれ
る原子もしくは基を表し、 R9〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形成していてもよく、か
つ該単環または多環の基が二重結合を有していてもよく、 また、R9とR10とで、またはR11とR12とでアルキリデン基を形成していて
もよい。] 【0008】 【化4】 【0009】 [上記式[II]において、pは0または1以上の整数であり、mおよびnは、0
、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂
肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R5(またはR6
)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していて
もよく、また何の基も介さずに直接結合していてもよい。] 本発明は、環状オレフィン系重合体をブロー成形して得られた医薬品容器は、
耐薬品性が極めて改善されるという知見に基づくものである。 【0010】 環状オレフィン系重合体は、耐薬品性に優れており、これを素材としてブロー
成形して得られた医薬品容器は耐酸性、耐アルカリ性、耐沸水性等の耐薬品性に
優れている。さらに、環状オレフィン系重合体からなる医薬品容器は、用いる環
状オレフィン系重合体を選択することによって機械的強度がさらに充足され、用
途上、特に衝撃強度に優れたものを提供することができる。 【0011】 また、ブロー成形された医薬品容器に透明性等が要求されない場合は、本発明
の目的を損なわない範囲でエラストマー等の他の樹脂をブレンドして、さらに衝
撃強度を高めることができる。 【0012】 【発明の具体的説明】 以下、本発明に係るブロー成形された医薬品容器について具体的に説明する。 [環状オレフィン成分の種類] 本発明に係る医薬品容器は、下記式[I]または下記式[II]で表される環状
オレフィンを開環重合してなる重合体もしくは共重合体またはその水素添加物か
らブロー成形されている。 【0013】 【化5】 【0014】 ただし、上記式[I]において、nは0もしくは正の整数であり、R1〜R12
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基よりなる群から
選ばれる基もしくは原子を表す。さらに、R9〜R12は、互いに結合して単環ま
たは多環の基を形成していてもよく、この環が架橋構造を有していてもよい。さ
らにこの単環または多環の基が二重結合を有していてもよい。また、これらの環
が組み合わされた基であってもよい。 【0015】 すなわち、上記R9〜R12が共同して、例えば以下に記載するような多環ある
いは単環の基を形成していてもよい。 【0016】 【化6】 【0017】 なお、上記式において、1および2を賦した炭素原子は、式[I]において、
9〜R12で表される基が結合している脂環構造の炭素原子を表す。さらに、こ
れらの基はメチル基等の置換基を有していてもよい。 【0018】 さらに、R9とR11とで、あるいはR10とR12とで、アルキリデン基を形成し
ていてもよい。さらに、R9〜R12にエステル基などが入ってもかまわない。 【0019】 【化7】【0020】 上記式[II]において、pは0または1以上の整数であり、mおよびnは、0
、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂
肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R5(またはR6
)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していて
もよく、また何の基も介さずに直接結合していてもよい。 【0021】 このような式[I]および式[II]で表される環状オレフィンの内、好ましい
例としては、たとえば次式[III]で表すこともできる。 【0022】 【化8】【0023】 ただし、上記式[III]において、nは0または1であり、mは0または正の
整数であり、 R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よ
りなる群から選ばれる原子もしくは基を表す。 【0024】 さらに、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形成していても
よく、かつ該単環または多環の基が二重結合を有していてもよい。 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していて
もよい。 【0025】 また、脂環構造を有するオレフィン重合体は、たとえば式[I]または式[II
]、あるいは好ましくは式[III]を単独あるいは共存下に下記式で示すように
開環重合させることにより得られる開環重合体あるいは開環共重合体であっても
よい。さらに、本発明においては、上記のような開環重合体あるいは開環共重合
体中に存在する二重結合の少なくとも一部を水素化することによって得られる水
添物をも使用することができる。 【0026】 上記式[I]または式[II]、あるいは好ましくは式[III]で表わされる環
状オレフィンは、シクロペンタジエン類と対応するオレフィン類、あるいは環状 オレフィン類とをディールス・アルダー反応により縮合させることにより容易に
製造することができる。 【0027】 本発明で用いられる上記式[I]で示される環状オレフィンとしては、具体的
には、 ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン誘導体、 テトラシクロ[4,4,0,12.517.10]-3-ドデセン誘導体、 ヘキサシクロ[6,6,1,13.6110.13,02.7,09.14]-4-ヘプタデンセン誘導体、 オクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,03.8,012.17]-5-ドコセン誘導
体、 ペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]-4-ヘキサデセン誘導体、 ヘプタシクロ-5-イコセン誘導体、 ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]-3-デセン誘導体、 トリシクロ[4,3,0,12.5]-3-ウンデセン誘導体、 ペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.709.14]-4-ペンタデセン誘導体、 ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、 ペンタシクロ[4,7,0,12.5,08.13,19.12]-3-ペンタデセン誘導体、 ペンタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.16,112.15]-4-エイコセン誘導体
、 ノナシクロ[9,10,1,1,4.7,03.8,02.10,012.21,113.20,014.19,115.18]-5-ペン
タコセン誘導体が挙げられる。 【0028】 以下にこのような化合物の具体的な例を示す。 【0029】 【化9】【0030】 【化10】などのようなビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン誘導体; 【0031】 【化11】【0032】 【化12】 【0033】 【化13】【0034】 【化14】【0035】 【化15】【0036】 【化16】【0037】 【化17】などのテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン誘導体; 【0038】 【化18】などのヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]-4-ヘプタデセン
誘導体; 【0039】 【化19】などのオクタシクロ[8,8,0,12.9,14.7,111.18,113.16,03.8,012.17]-
5-ドコセン誘導体; 【0040】 【化20】 などのペンタシクロ[6,6.1,13.6,02.7,09.14]-4-ヘキサデセン誘導体; などのヘプタシクロ-5-イコセン誘導体あるいはヘプタシクロ-5-ヘンエイコセ
ン誘導体; 【0041】 【化21】などのトリシクロ[4.3,0,12.5]-3-デセン誘導体; などのトリシクロ[4,4.0,12.5]-3-ウンデセン誘導体; 【0042】 【化22】などのペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]-4-ペンタデセン誘導体; 【0043】 【化23】などのジエン化合物; などのペンタシクロ[4,7.0.12.5,08.13,19.12]-3-ペンタデセン誘導体
【0044】 【化24】などのヘプタシクロ[7,8,0,13.6,02.7,110.17,011.18,112.15]-4-エ
イコセン誘導体; などのノナシクロ[9,10,1,14.7,03.8,02.10,012.21,113.20,014.19,1
15.18]-5-ペンタコセン誘導体を挙げることができる。 【0045】 また本発明で用いられる上記式[II]で示される環状オレフィンとしては、具
体的には、下記のような化合物が挙げられる。 【0046】 【化25】 【0047】 【化26】【0048】 式[I]で表される多環式環状オレフィンとして具体的には、上記の化合物、 あるいは1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンの他に2
-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-エ
チル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-プロピ
ル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-ヘキシル
-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2,3-ジメチル
-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-メチル-3-
エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-クロ
ロ-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-ブロモ-1
,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-フルオロ-1,4
,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2,3-ジクロロ-1,4
,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-シクロヘキシル
-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-n-ブチル-1
,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、2-イソブチル-1
,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどのオクタヒド
ロナフタレン類などを例示することができる。 【0049】 [環状オレフィン系重合体] 本発明における医薬品容器に使用される環状オレフィン系重合体としては、 (1)前記式[I]または式[II]で表される環状オレフィンの開環重合体もし
くは開環共重合体またはその水素添加物を挙げることができる。 【0050】 (1)環状オレフィン開環重合体およびその水素添加物 環状オレフィン開環重合体は、前記式[I]または式[II]、好ましくは[II
I]で表される環状オレフィンをそれ自体公知の方法で開環重合させたものであ
り、単独重合または共重合させたものである。たとえば、1,4,5,8-ジメタノ-1,2
,3,4,4a,5,8,8a- オクタヒドロナフタレン類同士を共重合させたもの、または前
記のノルボルネン(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン)とを共重合させたもので
もよい。 【0051】 上記のような環状オレフィンの開環重合体あるいは開環共重合体において、例
えば式[III]で表される環状オレフィンの少なくとも一部は、次式[IV]で表
される構造を有しているものと考えられる。 【0052】 【化27】 【0053】 また、上記開環重合体はそれ自体公知の方法で容易に残留している二重結合を
水素添加することができ、水素添加物はより熱安定性、耐候性に優れた射出成形
用素材である。 【0054】 このような水添物において、例えば式[III]で表される環状オレフィンの少
なくとも一部は、例えば次式[V]で表される構造を有しているものと考えられ
る。 【0055】 【化28】【0056】 上記式[IV]及び[V]において、R1〜R18は、式[III]における意味と同
じ意味である。 なお、環状オレフィンを開環重合させる場合、上記式[I]または式[II]、
あるいは好ましくは式[III]で表される環状オレフィンから形成される開環(
共)重合体の物性を損なわない範囲でこれ以外の環状オレフィンを開環共重合さ
せることができる。そのような環状オレフィンの例としては、シクロブテン、シ
クロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロ
ヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセン、2,3,3a,7a-テトラヒドロ-
4,7-メタノ-1H-インデンおよび3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデ
ンなどを挙げることができる。 【0057】 以上述べた(1)環状オレフィン開環重合体およびそれの水素添加物は、13
5℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜20dl/gであり、特
に0.05〜10dl/g、さらには0.08〜8dl/gが好ましい。 【0058】 そして、これらの環状オレフィン系重合体は、一般に非晶性または低結晶性で
あり、好ましくは非晶性である。したがって透明性が良好である。一般にはX線 による結晶化度が5%以下、その多くは0%、示差走査型熱量計(DSC)で融
点が観察されないものが多い。 【0059】 このような環状オレフィン系重合体の別の性質としてガラス転移温度Tgおよ
び軟化温度(TMA)が高いことが挙げられる。ガラス転移温度Tgが通常50
〜230℃、多くが100〜200℃の範囲内に測定される。したがって、直接
成形材料に使用する場合は、軟化温度が通常70〜180℃、多くが90〜18
0℃の範囲内に測定されるものである。 【0060】 また熱分解温度は、通常は350〜420℃、多くが370〜400℃の範囲
内にある。 機械的性質として、この樹脂自体の曲げ弾性率は、通常1×104〜5×104
Kg/cm2の範囲内にあり、曲げ強度も通常300〜1500Kg/cm2の範囲内にあ
る。 【0061】 また、この樹脂自体の密度は、通常0.86〜1.10g/cm3、その多くが
0.88〜1.08g/cm3の範囲にある。また屈折率(ASTM D542)
は通常1.47〜1.58、多くが1.48〜1.56の範囲内であり、実質的
に非結晶性であるので、霞度(ヘイズ:ASTM D1003)は、通常20%
以下、多くが10%以下である。 【0062】 電気的性質として、この樹脂自体のASTM D150によって測定した誘電
率(1KHz)は通常1.5〜3.0、多くは1.9〜2.6、誘電正接は通常9
×10-4〜8×10-5、多くは3×10-4〜9×10-5の範囲内にある。 【0063】 このような環状オレフィン系重合体をブロー成形して得られる本発明に係る医
薬品容器は耐薬品性に優れ、ブロー成形品を硫酸、アンモニア水、アセトン、酢
酸エチルに24時間浸漬した場合でも、変色、透明性の低下、クラック、変形、
溶解等がみられなかった。 【0064】 さらに、本発明に係る医薬品容器は、前述した環状オレフィン系重合体に種々
の重合体をブレンドした所謂ポリマーアロイを素材とすることができる。これら
の重合体としては以下の1〜17のものを例示することができる。 【0065】 1.1個または2個の不飽和結合を有する炭化水素から誘導される重合体 具体的にはポリオレフィン、たとえば架橋構造を有してもよいポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリメチルブテン-1、ポリ4-メチルペンテン-1、ポリブテン-1
、ポリスチレン、 2.ハロゲン含有ビニル重合体 具体的にはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリク
ロロプレン、塩素化ゴムなど、 3.α,β-不飽和酸とその誘導体から誘導される重合体、具体的にはポリアク
リレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、
または前記の重合体を構成するモノマーとの共重合体たとえば、アクリロニトリ
ル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ア
クリロニトリル・スチレン・アクリル酸エステル共重合体など、 4.不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル誘導体またはアセタール
から誘導された重合体 具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル
、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリア
リルフタレート、ポリアリルメラミン、または前記重合体を構成するモノマーと
の共重合体たとえばエチレン、酢酸ビニルとの共重合体など、 5.エポキシドから誘導された重合体、 具体的にはポリエチレンオキシドまたはビスグリシジルエーテルから誘導され
た重合体など、 6.ポリアセタール、 具体的にはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、コモノマーとしてエチ
レンオキシドを含むようなポリオキシメチレンなど、 7.ポリフェニレンオキシド、 8.ポリカーボネート、 9.ポリスルフォン、 10.ポリウレタンおよび尿素樹脂、 11.ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミノカルボン酸または相応
するラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド 具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12など、 12.ジカルボン酸およびジアルコールおよび/またはオキシカルボン酸または
相応するラクトンから誘導されたポリエステル 具体的にはポリエステルテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
1,4-ジメチロール・シクロヘキサンテレフタレートなど、 13.アルデヒドとフェノール、尿素またはメラミンから誘導された架橋構造を
有した重合体 具体的には、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂など、 14.アルキッド樹脂 具体的にはグリセリン・フタル酸樹脂など、 15.飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステルから
誘導され、架橋剤としてビニル化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹
脂並びにハロゲン含有改質樹脂、 16.天然重合体、 具体的にはセルロース、ゴム、蛋白質、あるいはそれらの誘導体たとえば酢酸
セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテルなど、 17.軟質重合体、 以下に述べる(i)〜(v)で示されるゴム状成分 なお、環状オレフィン系重合体とこれらゴム状成分とは、所謂「ポリマーアロ
イ」を形成しており、このポリマーアロイは、そのまま使用することもできるが
、さらに、このポリマーアロイに有機過酸化物の存在化に架橋反応を行って架橋
構造を形成してもよく、このような架橋性ポリマーアロイを用いることにより、 医薬品容器の剛性および耐衝撃性が向上する。 【0066】 (環状オレフィン構造を有する軟質重合体(i)) 環状オレフィン構造を有する軟質重合体は、エチレン成分と前記環状オレフィ
ン系重合体の調整の際に使用した同種の環状オレフィン(式[I]で表される化
合物)とα-オレフィンとを共重合させることにより調製される三元もしくはこ
れ以上の共重合体である。α-オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1-
ブテン、4-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン
、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどが
挙げられる。これらの中では、炭素原子数3〜20のオレフィンが好ましい。ま
た、ノルボルネン、エチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエン等の環
状オレフィンならびに環状ジエンも有効に使用することができる。 【0067】 環状オレフィン構造を有する軟質重合体(i)において、エチレン成分から誘導
される繰り返し単位は、通常は40〜98モル%、好ましくは50〜90モル%
含有されている。α-オレフィン成分から誘導される繰り返し単位は、通常は2
〜50モル%含有されており、さらに、環状オレフィン成分から誘導される繰り
返し単位は、2〜20モル%、好ましくは2〜15モル%含有されている。 【0068】 軟質重合体(i)は、前記環状オレフィン系重合体と異なり、ガラス転移温度(T
g)が通常は0℃以下、好ましくは−10℃以下で、かつ135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]が通常は0.01〜10dl/g、好ましくは0.8〜7dl
/gの範囲内にある共重合体である。また、この軟質重合体(i)はX線回折法によ
り測定した結晶化度が通常は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは
0〜5%の範囲内にある共重合体である。 【0069】 軟質重合体(i)は、例えば特開昭60−168708号公報、特開昭61−1
20816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−11591
6号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−272216号公報 および特開昭62−252406号公報などに、本出願人が提案した方法に基づ
いて、適宜条件を選択して製造することができる。 【0070】 (α-オレフィン系共重合体(ii)) 本発明で軟質重合体として使用されるα-オレフィン系共重合体(ii)は、少な
くとも2種のα-オレフィンから形成される、非晶性ないし低結晶性の共重合体
である。具体的な例としては、エチレン・α-オレフィン共重合体およびプロピ
レン・α-オレフィン共重合体を挙げることができる。 【0071】 エチレン・α-オレフィン共重合体を構成するα-オレフィンとしては、通常は
、炭素数3〜20のα-オレフィンが用いられ、このようなα-オレフィンの具体
的な例としては、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、1-
オクテン、1-デセン等およびこれらの混合物が挙げられる。この内、特に炭素数
3〜10のα-オレフィンが好ましい。 【0072】 エチレン・α-オレフィン共重合体のモル比(エチレン/α−オレフィン)は
、α-オレフィンの種類によっても異なるが、一般に40/60〜95/5であ
ることが好ましい。また、上記モル比はα-オレフィンがプロピレンである場合
には40/60〜90/10であることが好ましく、α-オレフィンが炭素数4
以上である場合には、50/50〜95/5であることが好ましい。 【0073】 プロピレン・α-オレフィン共重合体を構成するα-オレフィンとしては、通常
炭素数4〜20のものが用いられる。具体的な例としては、1-ブテン、4-メチル
-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの混合物が挙げ
られる。この内、特に炭素数4〜10のα-オレフィンが好ましい。 【0074】 上記のようなプロピレン・α-オレフィン共重合体においては、プロピレンと
α-オレフィンとのモル比(プロピレン/α−オレフィン)は、α-オレフィンの
種類によっても異なるが、一般に50/50〜95/5であることが好ましい。 【0075】 (α-オレフィン・ジエン系共重合体(iii)) 本発明において軟質重合体として用いられるα-オレフィン・ジエン系共重合
体(iii)としては、エチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体ゴムおよびプロピ
レン・α-オレフィン・ジエン共重合体ゴムを挙げることができる。 【0076】 これ等の共重合体ゴムを構成するα-オレフィンは、通常、炭素数3〜20(
プロピレン・α-オレフィンの場合は4〜20)のα-オレフィン、たとえばプロ
ピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセンおよびこれらの混合物などが挙げられる。これらの中では、炭素原
子数3〜10のα-オレフィンが好ましい。 【0077】 また、これらの共重合体ゴムを構成するジエン成分は、1,4-ヘキサジエン、1,
6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエンおよ
び7-メチル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共投ジエン、シクロヘキサジエン
、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン
、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリ
デン-2-ノルポルネンおよび6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン
のような環状非共役ジエン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチ
リデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネンおよび2-プロペニル-2,2-ノルボル
ナジエン等が挙げられる。 【0078】 上記エチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体ゴムでは、エチレンとα-オレ
フィンとのモル比(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種類によっ
ても相違するが、一般に40/60〜90/10である。 【0079】 また、これら共重合体ゴムにおけるジエン成分から誘導される繰り返し単位の
含有量は、通常は1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%の範囲内にある。 (芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体(iv)) 本発明において軟質重合体として使用される芳香族ビニル系炭化水素・共役ジ
エン系軟質共重合体は、芳香族ビニル系炭化水素、共役ジエン系のランダム共重
合体、ブロック共重合体またはこれらの水素化物である。具体的にはスチレン・
ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共
重合体ゴム、スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレ
ン・スチレンブロック共重合体ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレン
ブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体
ゴム、スチレン・ブタジエンランダム共重合体ゴム等が用いられる。 【0080】 これらの共重合体ゴムにおいて、芳香族ビニル炭化水素と共役ジエンとのモル
比(芳香族ビニル炭化水素/共役ジエン)は10/90〜70/30であること
が好ましい。また、水素添加した共重合体ゴムとは、上記の共重合体ゴム中に残
存する二重結合の一部または全部を水素化した共重合体ゴムである。 【0081】 (イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンからなる軟質重合体または共
重合体(v)) 本発明において軟質重合体として使用されるイソブチレン系軟質重合体または
共重合体(v)としては、具体的に、ポリイソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム
、ポリブタジエンゴムあるいはイソブチレン・イソプレン共重合体ゴム等が用い
られる。 【0082】 なお、軟質重合体である(ii)〜(v)の共重合体の特性は、環状オレフィン系軟
質重合体(i)の特性と同様であり、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[
η]が通常は0.01〜10dl/g、好ましくは0.08〜7dl/gの範囲内にあり
、ガラス転移温度(Tg)が通常は0℃以下、好ましくは−10℃以下、特に好
ましくは−20℃以下である。また、X線回折法により測定した結晶化度は通常
は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範囲内にある。 【0083】 このようなゴム状成分を含むポリマーアロイおよび有機過酸化物で処理した架 橋性ポリマーアロイでは、各種(i)〜(v)の軟質共重合体は、合計量で、環状オレ
フィン付加重合体100重量部に対して、5〜150重量部、好ましくは5〜1
00重量部、特に好ましくは10〜80重量部で存在するものである。このよう
な配合比を満たすことにより、衝撃強度、剛性、熱変形温度および硬度にバラン
スの取れたポリマーアロイが得られる。 【0084】 そして、またこれらポリマーアロイの溶融流れ指数(MFR;ASTM D1238 条件)
は0.1〜100であることが好ましい。 なお、ポリマーアロイを有機過酸化物で架橋重合する場合に使用される有機過
酸化物としては、 メチルエチルケトンパーオキシドおよびシクロヘキサノンパ
ーオキシド等のケトンパーオキシド類、 1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン2,2-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)オクタン等のパーオキシケタール類、 t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、2,5-ジメチルヘキ
サン-2,5-ジヒドロキシパーオキシドおよび1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロ
パーオキシド等のヒドロパーオキシド類、 ジ-t-ブチルパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキ
サンおよび2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等のジアル
キルパーオキシド、 ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド
類、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ならびに、 2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエス
テル類等を挙げることができる。 【0085】 上記有機過酸化物成分は、環状オレフィン付加重合体と軟質重合体成分との合
計量100重量部に対して、通常は0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜
0・5重量部の量で使用される。 【0086】 そして、さらに架橋効率を高める目的で有機過酸化物で処理する際に、この反 応系に、ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する化合物をさらに含有
させると、耐衝撃性に優れたポリマーアロイが得られるので好ましい。 【0087】 ラジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する化合物としては、ジビニル
ベンゼン、アクリル酸ビニルおよびメタアクリル酸ビニル等を挙げることができ
る。これらの化合物は、環状オレフィン付加重合体と軟質重合体との合計量10
0重量部に対して、通常は1重量部以下、好ましくは0.1〜0.5重量部の量
で使用される。 【0088】 (その他の添加物) 本発明に係る医薬品容器を製造する際に素材として用いられる環状オレフィン
開環重合体およびこれの水素添加物、環状オレフィン付加重合体およびこれらに
種々の重合体をブレンドしたポリマーアロイには、本発明の目的を損なわない範
囲で耐熱安定性、耐候安定性、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤
、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、有機あるいは無機の
充填剤などを配合することができる。 たとえば、任意成分として配合される安定剤としては、テトラキス[メチレン
-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-(3,
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステルおよび2,
2'-オキザミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート等のフェノール系酸化防止剤、 ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムおよび1,2-ヒドロキシステアリン
酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、 グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリト
ールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレートおよびペンタエリ
スリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステル等を挙げること
ができる。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせて配合してもよい。た
とえばテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステアレートとの組み 合わせ等を例示できる。 【0089】 また、有機または無機の充填剤としては、 シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石
バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム
、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カル
シウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、
ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファ
イト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエ
チレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維およびポリアミド繊維等を
挙げることができる。 【0090】 本発明に係る環状オレフィン系重合体と他の成分との混合方法としては、それ
自体公知の方法が適用でき、たとえば各成分を同時に混合することができる。 (ブロー成形方法) 本発明に係る医薬品容器は、エクストルー ジョンブロー、インジェクション
ブロー、および2段ブロー方法を利用して成形される。 【0091】 第1図に、本発明に係る医薬品容器の内、インジェクションブロー法に使用さ
れるプリフォームの断面図を示す。第1図に示すプリフォーム10はコア型とキャ
ビティ型で構成される型内部に溶融樹脂を射出することにより成形され、溶融樹
脂は環状オレフィン系重合体からなっている。プリフォーム10は有底12を有し、
プリフォームの壁肉厚A(例えば4.5mmt程度)は容易にコントロールが可能で
偏肉がない。また、容器口部14はシーリングやキャピングに要求される精度を充
分有している。 【0092】 射出等によってプリフォームを形成する場合の条件は、環状オレフィン系共重
合体のTMAあるいはMFRによって相違するが、一般に樹脂温度150〜30
0℃、金型温度50〜150℃、射出圧力;一次圧600〜1500kg/cm2、二 次圧400〜1200kg/cm2の範囲である。プリフォームの温度は、使用樹脂の
TMAの±50℃の範囲になるようにするのが好ましい。 【0093】 このようなプリフォーム10はブロー成形部へ移行した後、割型で挟んでエアを
吹き込みブロー成形を行う。また、プリフォーム10の延伸倍率は容積比で2〜2
0倍の範囲が好ましい。 【0094】 以上のような本発明に係る医薬品容器は、耐薬品性だけでなく、機械的強度が
優れたものとなる。 【0095】 【実施例】 以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。 【0096】 なお、本発明における各種物性値の測定方法および評価方法を次に示した。 (1) 溶融流れ指数(MFR) ASTM−D1238に準じて、所定の温度(T℃)、荷重2.16kgで測定
した。 (2) 軟化温度(TMA) デュポン社製Thermo Mechanical Analyzerを用いて厚さ1mmのシートの熱変形
挙動により測定した。シート上に石英製針を乗せ、荷重49gをかけ、5℃/分
の速度で昇温し、針が0.635mm侵入した温度をTMAとした。 (3) ガラス転移温度(Tg) SEIKO電子工業(株)製 DSC−20を用いて昇温速度10℃/分で測
定した。 (4) 引張り試験 実施例で得られたブロー成形品(医薬品容器)より、ASTM TYPEIV
ダンベルを打ち抜き、ASTM−D638の方法で測定した。 (5) アニール収縮率 実施例で得られたブロー成形品(医薬品容器)より、約3cm角の試験片を切り
出し、95℃で10分間アニールして、このアニーリングの前後における寸法変
化率から求めた。 (6) ヘイズ 実施例で得られたブロー成形品(医薬品容器)より、試験片を切り出し、AS
TM D1003に準じて測定した。 (7) グロス 実施例で得られたブロー成形品(医薬品容器)より、試験片を切り出し、この
試験片について、角度を60°に設定して、ASTM−D523に準じて測定し
た。 (8) 耐薬品性 実施例で得られたブロー成形品(医薬品容器)を下記の所定の試験液に浸漬し
、23℃で7日間放置した後、外観変化がなく、(4)に示した方法により測定し
た引張り破断強度が該試験前の値の90%以上を示した場合を合格とした。 【0097】 試験液 耐酸性;20%硫酸水溶液 耐アルカリ性;20%水酸化ナトリウム水溶液 (9) 耐沸氷性 ブロー成形品(医薬品容器)を沸騰水に24時間浸漬した後、耐薬品性試験と
同様に判定を行った。 【0098】 【実施例1】 エチレンと1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン(
構造式; 【0099】 【化30】 【0100】 以下DMONと略す)とのランダム共重合体(13C−NMRで測定したエチレン
含有71mol%、MFR260°C 20g/分、135℃のデカリン中で測定した極限
粘度[η]0.6dl/g、軟化温度(TMA)115℃)を用いてインジェクショ
ンブロー成形した。成形条件およびブロー成形医薬品容器の物性を表1に示した
。 【0101】 【実施例2】 エチレンとDMONとから形成されたランダム共重合体(13C−NMRで測定
したエチレン含量62mol%、MFR260°C 35g/分、135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]0.47dl/g、軟化温度(TMA)148℃)を用
いてインジェクションブロー成形した。成形条件およびブロー形成医薬品容器の
物性を表1に示した。 【0102】 【実施例3】 エチレンとDMONとから形成されたランダム共重合体(13C−NMRで測定
したエチレン含量67mol%でMFR260°C 17g/分、135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]0.6dl/g、軟化温度(TMA)135℃、ガラス転移
温度(Tg)123℃)のペレット3.4kgと、エチレン・プロピレンランダム
共重合体(エチレン含量80mol%で、135℃のデカリン中で測定した極限粘
度[η]2.2dl/g、ガラス転移温度(Tg)−50℃)のペレット0.6kgと
を二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM45)を用いてシリンダ温度220℃で
溶融ブレンドし、ペレタイザーにてペレット化した。得られたペレットを用いて
インジェクションブロー成形した。成形条件およびブロー成形品(医薬品容器)
の物性を表1に示した。 【0103】 【実施例4】 エチレンとDMONとから形成されたランダム共重合体(13C−NMRで測定
したエチレン含量62mol%でMFR260°C 35g/分、135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]0.47dl/g、軟化温度(TMA)148℃、ガラス
転移温度(Tg)137℃)のペレット3.4kgと、エチレン・プロピレンラン
ダム共重合体(エチレン含量80mol%で、MFR260°C 0.7g分、135℃
のデカリン中で測定した極限粘度[η]2.2dl/g、ガラス転移温度(Tg)−
54℃のペレット0.6kgとを二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM45)によ
りシリンダ温度220℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーにてペレット化した。 【0104】 得られたペレット1kgに対して日本油脂(株)製パーヘキシン25TMを1g、
ジビニルベンゼンを3gの割合で添加し、十分混合した。この混合物を二軸押出
機によりシリンダ温度230℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーにてペレット化
した。得られたペレットを用いてインジェクションブロー成形した。成形条件お
よびブロー成形医薬品容器の物性を表1に示した。 【0105】 【表1】【0106】 【発明の効果】 以上説明したように本発明に係る医薬品容器を、特定の環状オレフィン系共重
合体で構成したことにより、医薬品容器は耐酸性、耐アルカリ性および耐沸水性 等の耐薬品性が向上したものとなる。 【0107】 また、環状オレフィン系共重合体を一定の条件の下に選択的に素材として使用
しているので、機械的強度、特に、衝撃強度が改善される。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係る医薬品容器の成形に使用されるプリフォームの断面図
である。 【符号の説明】 10…プリフォーム、 12…有底部、 14…容器口部

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記式[I]または下記式[II]で表される環状オレフィン成
    分を開環重合してなる重合体、共重合体およびその水素添加物よりなる群から選
    ばれる環状オレフィン系樹脂からブロー成形されてなることを特徴とする医薬品
    容器; 【化1】 [上記式[I]において、nは、0もしくは正の整数であり、R1〜R12はそ
    れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれ
    る原子もしくは基を表し、 R9〜R12は、互いに結合して単環または多環の基を形成していてもよく、か
    つ該単環または多環の基が二重結合を有していてもよく、 また、R9とR10とで、またはR11とR12とでアルキリデン基を形成していて
    もよい]。 【化2】 [上記式[II]において、pは0または1以上の整数であり、mおよびnは、0
    、1または2であり、R1〜R15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂
    肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R5(またはR6
    )とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していて
    もよく、また何の基も介さずに直接結合していてもよい。] 【請求項2】 医薬品容器が、上記環状オレフィン系樹脂に、 炭化水素から誘導される重合体、塩素含有重合体、不飽和酸から誘導される重
    合体、不飽和アルコールあるいはアミンから誘導される重合体、エポキシドから
    誘導される重合体、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネー
    ト、ポリスルフォン、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ホルムア
    ミド系樹脂および天然重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の重合体
    をブレンドした樹脂組成物から形成されていることを特徴とする請求項第1項記
    載の医薬品容器。

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