JP2001206971A - 発泡性重合体粒子、発泡体およびその製造方法 - Google Patents

発泡性重合体粒子、発泡体およびその製造方法

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JP2001206971A
JP2001206971A JP2000113235A JP2000113235A JP2001206971A JP 2001206971 A JP2001206971 A JP 2001206971A JP 2000113235 A JP2000113235 A JP 2000113235A JP 2000113235 A JP2000113235 A JP 2000113235A JP 2001206971 A JP2001206971 A JP 2001206971A
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compound
monocyclic
copolymer
vinyl
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Shigetoshi Nishijima
島 茂 俊 西
Toshiyuki Hirose
瀬 敏 行 広
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の発泡性重合体粒子は、特定の環
状炭化水素系重合体に、発泡剤を含ませてなることを特
徴としている。また、本発明の発泡性重合体粒子は、特
定の環状炭化水素系重合体に、沸点もしくは昇華点が−
200℃以上の気体を標準状態換算量で20容量%以上
の量で含有させてなることを特徴としている。また、本
発明の発泡体は、上記本発明の発泡性重合体粒子を、該
粒子体積の1.05〜50倍に発泡させてなることを特
徴としている。 【効果】 本発明に係る発泡性重合体組成物およびその
発泡体は、その主な樹脂成分が特定の環状炭化水素系重
合体であるため、その発泡体は、優れた耐熱性、耐薬品
性、電気特性を有している。また本発明に係る発泡体
は、従来の発泡体に比べて広範囲な用途に使用すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡性重合体粒子、発
泡体およびその製造方法に関し、さらに詳しくは環状炭
化水素系重合体を主な樹脂成分とする、耐熱性および耐
薬品性に優れた発泡体を形成しうる発泡性重合体粒子お
よびこの発泡性重合体粒子から得られる発泡体に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】発泡性重合体としては、従来か
ら、ポリスチレンやポリエチレンなどが使用されてお
り、これらの重合体を用いることにより、一般には優れ
た剛性を有する発泡体を得ることができる。また、発泡
方法としては、通常、機械的な撹拌により起泡させる方
法、反応生成ガスを利用する方法、発泡剤を使用する方
法、可溶性物質を除去する方法、およびスプレーによる
発泡方法があり、特に反応生成ガスを利用する方法、発
泡剤を使用する方法が頻用されている。
【0003】しかしながら、このような従来のポリスチ
レンやポリエチレン等を素材とした発泡体では、用途
上、耐熱性、耐薬品性が充分でない場合がある。したが
って耐熱性および耐薬品性にも優れたポリオレフィン系
発泡体の出現が望まれていた。
【0004】ところで、上記のような汎用されているオ
レフィンの(共)重合体とは異なり、シクロドデセンの
ような環状構造を有するオレフィンを共重合させた環状
オレフィン系樹脂が知られている。この環状オレフィン
系樹脂は、従来のポリオレフィンと比較すると機械的特
性、耐薬品性等の諸特性に優れている。しかしながら、
実際にはこのような環状オレフィン系樹脂を用いた発泡
体は工業的規模では製造されていない。
【0005】上記のような環状オレフィン系樹脂から樹
脂発泡体を製造使用とする場合、例えばフレオンのよう
な低沸点溶媒をこの環状オレフィン系樹脂からなるペレ
ットに配合してこの低沸点溶媒が加熱して気化する際の
体積膨張を利用することにより発泡体の製造が可能であ
る。
【0006】しかしながら、フレオンのようなフッ素原
子を含有する低沸点溶媒は、地球のオゾン層を破壊する
することから、こうしたフレオンのような溶媒を用いる
ことなく樹脂発泡体を製造する方法の開発が望まれてい
た。
【0007】本発明者は、このような状況に鑑みて鋭意
研究したところ、特定の環状炭化水素系重合体を主な樹
脂成分とする発泡性重合体粒子から得られる発泡体が、
機械的特性および耐薬品性に優れており、しかも、フッ
素原子を含有する溶媒を用いることなく樹脂発泡体を製
造することができることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、耐熱性および耐薬品性に優
れ、絶縁性に優れた発泡体を提供することを目的として
いる。また本発明は、そのような発泡体を提供しうる発
泡性重合体粒子を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明の発泡性重合体粒子は、下記
(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)よりなる
群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合体
に、発泡剤を含ませてなることを特徴としている。 (I)ビニル系単環脂環族炭化水素化合物の(共)重合
体、または、ビニル系単環脂環族炭化水素化合物と、こ
れと共重合可能な単量体との共重合体、あるいはこれら
の水素添加物; (II)ビニル系芳香族炭化水素化合物の(共)重合体の
水素添加物、または、ビニル系芳香族炭化水素化合物
と、これと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加
物であって、芳香族炭化水素環の少なくとも30%が水
素添加されてなる重合体; (III)単環環状モノオレフィン系化合物の(共)重合
体、または、単環環状モノオレフィン系化合物と、これ
と共重合可能な単量体との共重合体; (IV)単環環状共役ジエン系化合物の(共)重合体の水
素添加物、または、単環環状共役ジエン系化合物と、こ
れと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加物; (V)上記(I)、(II)、(III)および(IV)よりな
る群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合
体を、α,β−不飽和カルボン酸、その無水物またはそ
の誘導体でグラフト変性して得られる変性物。
【0010】また、本発明の発泡性重合体粒子は、上記
(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)よりなる
群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合体
に、沸点もしくは昇華点が−200℃以上の気体を標準
状態換算量で20容量%以上の量で含有させてなること
を特徴としている。
【0011】さらに、本発明の発泡体は、上記本発明の
発泡性重合体粒子を、該粒子体積の1.05〜50倍に
発泡させてなることを特徴としている。さらにまた、本
発明の発泡性重合体粒子の製造方法は、上記(I)、(I
I)、(III)、(IV)および(V)よりなる群から選ば
れる少なくとも1種の環状炭化水素系重合体を、沸点も
しくは昇華点が−200℃以上の気体中で0.1時間以
上保持して、環状炭化水素系重合体に標準状態換算容量
で20容量%以上の量の沸点もしくは昇華点が−200
℃以上の気体を含有させることを特徴としている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に係る発泡性重合体粒子は、下記
(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)よりなる
群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合体
に、発泡剤を含ませてなるか、または、下記(I)、(I
I)、(III)、(IV)および(V)よりなる群から選ば
れる少なくとも1種の環状炭化水素系重合体に、沸点も
しくは昇華点が−200℃以上の気体を標準状態換算量
で20容量%以上の量で含有させてなる。 (I)ビニル系単環脂環族炭化水素化合物の(共)重合
体、または、ビニル系単環脂環族炭化水素化合物と、こ
れと共重合可能な単量体との共重合体、あるいはこれら
の水素添加物; (II)ビニル系芳香族炭化水素化合物の(共)重合体の
水素添加物、または、ビニル系芳香族炭化水素化合物
と、これと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加
物であって、芳香族炭化水素環の少なくとも30%が水
素添加されてなる重合体; (III)単環環状モノオレフィン系化合物の(共)重合
体、または、単環環状モノオレフィン系化合物と、これ
と共重合可能な単量体との共重合体; (IV)単環環状共役ジエン系化合物の(共)重合体の水
素添加物、または、単環環状共役ジエン系化合物と、こ
れと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加物; (V)上記(I)、(II)、(III)および(IV)よりな
る群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合
体を、α,β−不飽和カルボン酸、その無水物またはそ
の誘導体でグラフト変性して得られる変性物。
【0013】ここで、本発明で用いることのできる、上
記(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の環状
炭化水素系重合体重合体について説明する。(I)の重
合体は、(I)ビニル系単環脂環族炭化水素化合物の
(共)重合体、または、ビニル系単環脂環族炭化水素化
合物と、これと共重合可能な単量体との共重合体、ある
いはこれらの水素添加物である。
【0014】ビニル系単環脂環族炭化水素化合物とは、
ビニル基または、α−アルキル置換ビニル基に、単環の
シクロアルキル基または単環のシクロアルケニル基が結
合した構造を有する化合物である。ここで該単環のシク
ロアルキル基およびシクロアルケニル基は、アルキル基
などの置換基を有していてもよい。
【0015】このような化合物としては、ビニルシクロ
ブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサ
ン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタンおよ
びこれら化合物のビニル基のα位がメチル、エチル、プ
ロピルなどのアルキル基で置換された化合物が例示でき
る。また、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペ
ニルヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘキセ
ン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、
2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−
4−イソプロペニルヘキセンなどのビニルシクロヘキセ
ン誘導体を例示できる。
【0016】上記(I)の重合体が、ビニル系単環脂環
族炭化水素化合物の(共)重合体である場合には、これ
らのビニル系単環脂環族炭化水素化合物が単独で重合し
た重合体であっても、2種以上組み合わせて共重合した
共重合体であってもよい。
【0017】また、上記(I)の重合体が、ビニル系単
環脂環族炭化水素化合物と、これと共重合可能な単量体
との共重合体である場合には、これらのビニル系単環脂
環族炭化水素化合物と、その化合物と共重合可能な他の
化合物とが、本発明の趣旨を損なわない範囲で組み合わ
せて共重合された共重合体である。
【0018】ビニル系単環脂環族炭化水素化合物と共重
合する単量体としては、共重合可能な単量体をいずれも
用いることができ、プロピレン、ブテン、アクリロニト
リル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイミ
ド、酢酸ビニル、塩化ビニルなどを例示することができ
る。このような単量体の中でも、α−オレフィンを用い
るのが好ましく、特に、プロピレン、ブテンのような単
量体を用いると、柔軟性や耐衝撃性を付与できるので好
ましい。このような、ビニル系単環脂環族炭化水素化合
物と共重合可能な単量体は、単量体総量に対して0〜9
5モル%、より好ましくは0〜90モル%となる割合で
用いられるのが望ましい。
【0019】これらの重合体あるいは共重合体を得るた
めの重合方法に特に制限はなく、公知のラジカル重合、
配位アニオン重合(チーグラー重合)、カチオン重合、
アニオン重合などの重合方法が適用できる。
【0020】また、上記(I)の重合体は、これらの重
合体あるいは共重合体の水素添加物であってもよい。特
に、これらの重合体あるいは共重合体を形成する単量体
として用いられるビニル系単環脂環族炭化水素化合物
が、ビニル基またはα−アルキル置換ビニル基に、単環
の(アルキル置換)シクロアルケニル基が結合した構造
を有する化合物である場合には、上述の重合体あるいは
共重合体は水素添加物であるのが好ましい。このような
水素添加物としては、重合体あるいは共重合体中の置換
基を有していてもよいシクロアルケニル基の30%以
上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは90%以
上が水素添加されてなる重合体が望ましい。
【0021】(II)の重合体は、ビニル系芳香族炭化水
素化合物の(共)重合体の水素添加物、または、ビニル
系芳香族炭化水素化合物と、これと共重合可能な単量体
との共重合体の水素添加物であって、芳香族炭化水素環
の少なくとも30%が水素添加されてなる重合体であ
る。
【0022】(II)の重合体を形成する単量体として用
いられる、ビニル系芳香族炭化水素化合物は、ビニル基
またはα−アルキル置換ビニル基に、芳香族系置換基が
結合した化合物である。このような化合物としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α
−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−
t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチル
スチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピ
ルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチ
ルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モ
ノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフロオロス
チレン、4−フェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビ
ニルアントラセン等を例示することができる。
【0023】上記(II)の重合体が、ビニル系芳香族炭
化水素化合物の(共)重合体の水素添加物である場合に
は、このようなビニル系芳香族炭化水素化合物が単独で
重合した重合体の水素添加物であっても、2種以上組み
合わせて共重合した共重合体の水素添加物であってもよ
い。
【0024】また、上記(II)の重合体が、ビニル系芳
香族炭化水素化合物と、これと共重合可能な単量体との
共重合体の水素添加物である場合には、このようなビニ
ル系芳香族炭化水素化合物と、その化合物と共重合可能
な単量体とが、本発明の趣旨を損なわない範囲で組み合
わせて共重合された共重合体の水素添加物である。この
ようなビニル系芳香族炭化水素化合物と共重合する単量
体としては、共重合可能な単量体をいずれも用いること
ができ、プロピレン、ブテン、アクリロニトリル、アク
リル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、マレイミド、酢酸ビニ
ル、塩化ビニルなどを例示することができる。このよう
な単量体の中でも、α−オレフィンを用いるのが好まし
く、特に、プロピレン、ブテンのような単量体を用いる
と、柔軟性や耐衝撃性を付与できるので好ましい。この
ような、ビニル系芳香族炭化水素化合物と共重合可能な
単量体は、単量体総量に対して0〜95モル%、より好
ましくは0〜90モル%となる割合で用いられるのが望
ましい。
【0025】このような、上記(II)の重合体あるいは
共重合体は、上記(I)の重合体と同様の方法で重合
し、公知の方法で水素添加することによって得ることが
できる。
【0026】水素添加の方法としては、たとえば、特開
平7−247321、米国特許5,612,422等の
方法などを例示できる。上記(II)の重合体中に含まれ
る芳香族炭化水素環の水素添加率は、30%以上、好ま
しくは60%以上、より好ましくは90%以上である。
【0027】(III)の重合体は、単環環状モノオレフ
ィン系化合物の(共)重合体、または、単環環状モノオ
レフィン系化合物と、これと共重合可能な単量体との共
重合体である。
【0028】(III)の重合体を形成する単量体として
用いられる、単環環状モノオレフィン系化合物は、置換
基を有していてもよい単環の環状モノオレフィンであっ
て、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、
シクロオクテンなどを挙げることができる。
【0029】上記(III)の重合体が、単環環状モノオ
レフィン系化合物の(共)重合体である場合には、この
ような単環環状モノオレフィン系化合物が単独で重合し
た重合体であっても、2種以上組み合わせて共重合した
重合体であってもよい。
【0030】また、上記(III)の重合体が、単環環状
モノオレフィン系化合物と、これと共重合可能な単量体
との共重合体である場合には、上記した単環環状モノオ
レフィン系化合物と、その化合物と共重合可能なほかの
化合物とが、本発明の趣旨を損なわない範囲で組み合わ
せて共重合された共重合体である。
【0031】単環環状モノオレフィン系化合物と共重合
する単量体としては、共重合可能な単量体をいずれも用
いることができるが、エチレン、プロピレン、ブテン、
アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、無水
マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニル等が例示でき
る。このような、単環環状モノオレフィン系化合物と共
重合可能な単量体は、単量体総量に対して0〜95モル
%、より好ましくは0〜90モル%となる割合で用いら
れるのが望ましい。
【0032】これらの重合体あるいは共重合体を得るた
めの重合方法に特に制限はなく、環状モノオレフィン系
化合物を含む単量体を付加重合する、公知の方法によっ
て得ることができる。
【0033】(IV)の重合体は、単環環状共役ジエン系
化合物の(共)重合体の水素添加物、または、単環環状
共役ジエン系化合物と、これと共重合可能な単量体との
共重合体の水素添加物である。
【0034】(IV)の重合体を形成する単量体として用
いられる、単環環状共役ジエン系化合物は、置換基を有
していてもよい単環環状共役ジエンであって、シクロペ
ンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエ
ン、シクロオクタジエンなどを挙げることができる。
【0035】上記(IV)の重合体が、単環環状共役ジエ
ン系化合物の(共)重合体の水素添加物である場合に
は、このような単環環状共役ジエン系化合物を単独で重
合した重合体の水素添加物であっても、2種以上組み合
わせて共重合した共重合体の水素添加物であってもよ
い。
【0036】また、上記(IV)の重合体が、単環環状共
役ジエン系化合物と、これと共重合可能な単量体との共
重合体の水素添加物である場合には、このような単環環
状共役ジエン系化合物と、その化合物と共重合可能な単
量体とが、本発明の趣旨を損なわない範囲で組み合わせ
て共重合された共重合体の水素添加物である。
【0037】このような単環環状共役ジエン系化合物と
共重合する単量体としては、共重合可能な単量体をいず
れも用いることができるが、エチレン、プロピレン、ブ
テン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル
酸、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、マレイミド、酢酸ビニル、塩化ビニル等が
例示できる。このような単環環状共役ジエン系化合物と
共重合可能な単量体は、単量体総量に対して0〜95モ
ル%、より好ましくは0〜90モル%となる割合で用い
られるのが望ましい。
【0038】このような、上記(IV)の重合体あるいは
共重合体は、上述した単環環状共役ジエン系化合物を含
む単量体を公知の方法で付加重合し、公知の方法で水素
添加することによって得ることができる。
【0039】具体的には、たとえば、ポリシクロヘキサ
ジエンとそれからなる水素添加物は特開平11-106571で
開示されている方法を用いて入手することができる。こ
のような、上記(IV)の重合体あるいは共重合体中に含
まれる、炭化水素環中の二重結合の水素添加率は、30
%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは90%
以上であるのが望ましい。
【0040】このような、(I)、(II)、(III)およ
び(IV)の環状炭化水素系重合体は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子
量(Mw)が、ポリスチレン換算で通常5,000〜
1,000,000、好ましくは10,000〜50
0,000、より好ましくは50,000〜300,0
00であるのが望ましい。また、分子量分布Mw/Mn
は、10以下、好ましくは5.0以下、より好ましくは
3.0以下であるのが望ましく、また、ガラス転移温度
は、50〜300℃、好ましくは60〜280℃、より
好ましくは70〜250℃の範囲にあり、結晶化度は、
20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5
%以下であるのが望ましい。また、密度は、1.5g/
cm3以下、好ましくは1.0g/cm3以下、より好ま
しくは0.95g/cm3以下であるのが望ましい。
【0041】(V)の重合体は、上記(I)、(II)、
(III)および(IV)よりなる群から選ばれる少なくと
も1種の環状炭化水素系重合体を、α,β−不飽和カル
ボン酸、その無水物またはその誘導体でグラフト変性し
て得られる変性物である。
【0042】(V)の重合体は、このような変性前の環
状炭化水素系重合体を、グラフトモノマーを用いてグラ
フト変成したものである。グラフトモノマーとしては、
たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、クロトン酸、ナジック酸などのα,β−不飽和カ
ルボン酸、またはこれらの酸無水物あるいはこれらの誘
導体を用いることができ、誘導体としては、たとえば、
酸ハライド、アミド、イミド、エステルなどが挙げられ
る。このような無水物あるいは誘導体としては、具体的
には、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン
酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸ジメチルなどが挙げられる。これらの中では、不飽
和ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、特にマ
レイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が好適で
ある。
【0043】(V)の重合体を調製する場合におけるグ
ラフトモノマーのグラフト割合は、(I)〜(IV)から
選ばれる環状炭化水素系重合体1gに対して、0.00
1〜0.04mg当量、好ましくは0.005〜0.03
mg当量の範囲であるのが望ましい。
【0044】また、グラフトモノマーとして、上記のよ
うなα,β−不飽和カルボン酸などの代わりに、エポキ
シ変性で用いられる変性剤、たとえばグリシジルメタク
リレート(GMA)、アリルグリシジルエーテル、ビニル
グリシジルエーテル、グリシジルイタコネートなどのグ
リシジル化合物を用いることもできる。
【0045】このようなグラフトモノマーを用いて、
(V)の重合体を製造するには、従来公知の種々の方法
を用いることができる。このような方法としては、たと
えば、上述した(I)〜(IV)から選ばれる環状炭化水
素系重合体を加熱溶融させ、グラフトモノマーを添加し
てグラフト共重合する方法、あるいは、上述した(I)
〜(IV)から選ばれる環状炭化水素系重合体を溶媒に溶
解させ、グラフトモノマーを添加してグラフト共重合す
る方法が挙げられる。
【0046】グラフト共重合反応は、ラジカル開始剤の
存在下で行うと、反応効率がよく好ましい。グラフト共
重合反応に用いるラジカル開始剤としては、有機ペルオ
キシド、有機ペルエステル、その他アゾ化合物が挙げら
れる。これらラジカル開始剤の中でもジクミルペルオキ
シド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘ
キサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロ
ピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好まし
い。このようなラジカル開始剤は、上述した(I)〜(I
V)から選ばれる環状炭化水素系重合体100重量部に
対して、0.001〜1重量部の割合で用いるのが望ま
しい。
【0047】このようなグラフト共重合反応は、通常6
0〜380℃の温度範囲で行われる。このような(V)
の重合体は、重量平均分子量が、10,000〜50
0,000であり、好ましくは20,000〜300,
000、より好ましくは50,000〜300,000
程度であるのが望ましい。
【0048】本発明では、このような環状炭化水素系重
合体を用いることによって、軽量で、耐熱性、耐薬品性
および絶縁性に優れた発泡体と、それを提供しうる発泡
性重合体粒子を製造することができる。
【0049】本発明に係る発泡性重合体粒子は、樹脂成
分として、前述した(I)、(II)、(III)、(IV)お
よび(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環
状炭化水素系重合体に、種々の重合体をブレンドした所
謂ポリマーアロイを素材としてもよい。これらのブレン
ド可能な重合体としては、たとえば以下の(A)〜
(Q)のものを例示することができる。
【0050】(A)1個または2個の不飽和結合を有す
る炭化水素から誘導される重合体。具体的には、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリメチルブテン-1、ポリ4-
メチルペンテン-1、ポリブテン-1およびポリスチレンの
ようなポリオレフィンが挙げられる。なお、これらのポ
リオレフィンは架橋構造を有してもよい。
【0051】(B)ハロゲン含有ビニル重合体。具体的
には、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ
化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴムなどが挙げら
れる。
【0052】(C)α,β-不飽和酸とその誘導体から誘
導される重合体。具体的には、ポリアクリレート、ポリ
メタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニ
トリル、または前記の重合体を構成するモノマーとの共
重合体、たとえばアクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、
アクリロニトリル・スチレン・アクリル酸エステル共重
合体などが挙げられる。
【0053】(D)不飽和アルコールおよびアミンまた
はそのアシル誘導体またはアセタールから誘導された重
合体。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、
ポリマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリア
リルフタレート、ポリアリルメラミン、または前記重合
体を構成するモノマーとの共重合体たとえばエチレン、
酢酸ビニルとの共重合体などが挙げられる。
【0054】(E)エポキシドから誘導された重合体。
具体的には、ポリエチレンオキシドまたはビスグリシジ
ルエーテルから誘導された重合体などが挙げられる。 (F)ポリアセタール。具体的には、ポリオキシメチレ
ン、ポリオキシエチレン、コモノマーとしてエチレンオ
キシドを含むようなポリオキシメチレンなどが挙げられ
る。
【0055】(G)ポリフェニレンオキシド。 (H)ポリカーボネート。 (I)ポリスルフォン。
【0056】(J)ポリウレタンおよび尿素樹脂。 (K)ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミ
ノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されたポ
リアミドおよびコポリアミド。具体的には、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12などが
挙げられる。
【0057】(L)ジカルボン酸およびジアルコールお
よび/またはオキシカルボン酸または相応するラクトン
から誘導されたポリエステル。具体的には、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
-1,4-ジメチロール・シクロヘキサンテレフタレートな
どが挙げられる。
【0058】(M)アルデヒドとフェノール、尿素また
はメラミンから誘導された架橋構造を有した重合体。具
体的には、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・
ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹
脂などが挙げられる。
【0059】(N)アルキド樹脂。具体的には、グリセ
リン・フタル酸樹脂などが挙げられる。 (O)飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコール
とのコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル
化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂なら
びにハロゲン含有改質樹脂。
【0060】(P)天然重合体。具体的には、セルロー
ス、ゴム、蛋白質、あるいはそれらの誘導体、たとえば
酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロース
エーテルなどが挙げられる。
【0061】(Q)軟質重合体。特に、以下に述べる
(i)〜(iv)の群から選ばれるゴム状成分を挙げるこ
とができる。なお、本発明で用いる環状炭化水素系重合
体と、これらのゴム状成分とのポリマーアロイにおいて
は、有機過酸化物の存在下に架橋反応を行ってもよい。
本発明において、架橋性ポリマーアロイを用いた場合に
は、より剛性および耐衝撃性に優れた発泡性重合体粒子
および発泡体を提供することができる。
【0062】α-オレフィン系共重合体(i) 軟質重合体として使用されるα-オレフィン系共重合体
(i)は、少なくとも2種のα-オレフィンからなる非晶
性ないし低結晶性の共重合体である。低結晶性の共重合
体の例としては、エチレン・α-オレフィン共重合体お
よびプロピレン・α-オレフィン共重合体を挙げること
ができる。
【0063】エチレン・α-オレフィン共重合体を構成
するα-オレフィンとしては、通常は、炭素原子数が3
〜20のα-オレフィンが用いられ、具体的には、例え
ばプロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ブテン、1-ヘキ
セン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの混合物が使
用される。このうち、特に炭素原子数3〜10のα-オ
レフィンが好ましい。
【0064】エチレン・α-オレフィン共重合体におけ
るエチレンから誘導される繰り返し単位とα-オレフィ
ンから誘導される繰り返し単位とのモル比(エチレン/
α-オレフィン)は、α-オレフィンの種類によっても異
なるが、40/60〜95/5の範囲内であることが好
ましい。さらに、上記モル比は、用いられるα-オレフ
ィンがプロピレンである場合には、40/60〜90/
10であることが好ましく、α-オレフィンが炭素原子
数4以上のα-オレフィンである場合には、50/50
〜95/5であることが好ましい。
【0065】プロピレン・α-オレフィン共重合体を構
成するα-オレフィンとしては、炭素原子数4〜20の
α-オレフィンを用いるのが一般的であり、具体的に
は、例えば、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキ
セン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの混合物が使
用される。このうち、特に炭素数4〜10のα-オレフ
ィンが好ましい。
【0066】上記のようなプロピレン・α-オレフィン
共重合体においては、プロピレンから誘導される繰り返
し単位とα-オレフィンから誘導される繰り返し単位と
のモル比(プロピレン/α-オレフィン)は、α-オレフ
ィンの種類によっても異なるが、50/50〜95/5
の範囲内にあることが好ましい。
【0067】α-オレフィン・ジエン系共重合体(ii) 軟質重合体として使用されるα-オレフィン・ジエン系
共重合体(ii)としては、エチレン・α-オレフィン・
ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α-オレフィン・ジ
エン共重合体ゴムが用いられる。
【0068】このような共重合体ゴムを構成するα-オ
レフィンとしては、通常、炭素原子数3〜20(プロピ
レン・α-オレフィンの場合は4〜20)のα-オレフィ
ンが使用される。たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセンおよびこれらの混合物などである。このう
ち、特に炭素原子数3〜10のα-オレフィンが好まし
い。
【0069】また、これらの共重合体ゴムを構成するジ
エン成分としては、例えば、1,4-ヘキサジエン、1,6-オ
クタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,
5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンなどの鎖
状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタ
ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボ
ルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-
ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6
-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンなど
の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノル
ボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボ
ルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどが挙
げられる。
【0070】上記エチレン・α-オレフィン・ジエン共
重合体ゴムでは、エチレンから誘導される繰り返し単位
とα-オレフィンから誘導される繰り返し単位とのモル
比(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの種
類によっても相違するが、一般に40/60〜90/1
0の範囲内にあることが好ましい。
【0071】また、これら共重合体ゴム中におけるジエ
ンから誘導される繰り返し単位の含有量は、通常は1〜
20モル%、好ましくは2〜15モル%の範囲内にあ
る。芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合
体(iii)軟質重合体として使用される芳香族ビニル系
炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体(iii)として
は、芳香族ビニル系炭化水素、共役ジエン系のランダム
共重合体、ブロック共重合体またはこれらの水素化物が
用いられる。
【0072】具体的な例としては、スチレン・ブタジエ
ンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・スチ
レンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレンブロ
ック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブ
ロック共重合体ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・
スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプ
レン・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタ
ジエンランダム共重合体ゴムなどが挙げられる。
【0073】これらの共重合体ゴムにおける芳香族ビニ
ル炭化水素から誘導される繰り返し単位と共役ジエンか
ら誘導される繰り返し単位とのモル比(芳香族ビニル炭
化水素/共役ジエン)は、通常は、10/90〜70/
30の範囲内にある。また、水素添加した共重合体ゴム
とは、上記の共重合体ゴム中に残存する二重結合の一部
または全部を水素化した共重合体ゴムである。
【0074】その他の軟質重合体または共重合体(iv) その他の軟質重合体の軟質重合体または共重合体(iv)
としては、具体的には、ポリイソブチレンゴム、ポリイ
ソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、イソブチレン・イ
ソプレン共重合体ゴムなどが用いられる。
【0075】なお、軟質重合体である(i)〜(iv)の
共重合体の特性としては、135℃のデカリン中で測定
した極限粘度[η]が、通常は0.01〜10dl/g、好
ましくは0.08〜7dl/gの範囲であり、ガラス転移
温度(Tg)が通常は0℃以下、好ましくは−10℃以
下、特に好ましくは−20℃以下であるのが望ましい。
また、X線回折法により測定した結晶化度は通常0〜1
0%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の
範囲内にあるのが望ましい。このような軟質重合体は、
そのまま使用することもできるし、架橋構造を形成させ
た後、環状炭化水素系樹脂に配合することもできる。ま
た、前述の環状炭化水素系樹脂に配合した後、架橋構造
を形成させることもできる。
【0076】このようなゴム状成分を含むポリマーアロ
イおよび有機過酸化物で処理した架橋性ポリマーアロイ
では、環状炭化水素系重合体100重量部に対して、各
種(i)〜(iv)の軟質重合体の合計量が5〜150重
量部、好ましくは5〜100重量部、特に好ましくは1
0〜80重量部で存在するものである。このような配合
比を満たすことにより、衝撃強度、剛性、熱変形温度お
よび硬度にバランスの取れたポリマーアロイが得られ
る。そして、またこれらポリマーアロイの溶融流れ指数
(MFR;ASTM D1238 条件)は0.1〜100g/10分
であることが好ましい。
【0077】本発明において、架橋構造を形成するに際
しては、通常は有機過酸化物を使用する。ここで架橋重
合する場合の有機過酸化物としては、メチルエチルケト
ンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケ
トンパーオキシド類; 1,1-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)
オクタン等のパーオキシケタール類;t-ブチルヒドロパ
ーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、2,5-ジメチル
ヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキシド、1,1,3,3-テ
トラメチルブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオ
キシド類; ジ-t-ブチルパーオキシド、2,5-ジメチル-
2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル
-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3等のジアル
キルパーオキシド;ラウロイルパーオキシド、ベンゾイ
ルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類;t-ブチル
パーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエー
ト、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサン等のパーオキシエステル類等を挙げることができ
る。
【0078】上記有機過酸化物成分の配合量は、環状炭
化水素系重合体と軟質重合体との合計量100重量部に
対して、通常は0.01〜1重量部、好ましくは0.0
5〜0.5重量部である。
【0079】そして、有機過酸化物で処理する際に、ラ
ジカル重合性の官能基を分子内に2個以上有する化合物
をさらに含有させることにより、耐衝撃性に優れたポリ
マーアロイが得られる。すなわち、ラジカル重合性の官
能基を分子内に2個以上有する化合物を使用しながら架
橋反応を行うことにより架橋効率が向上する。
【0080】ここで使用される、ラジカル重合性の官能
基を分子内に2個以上有する化合物の例としては、ジビ
ニルベンゼン、アクリル酸ビニルおよびメタアクリル酸
ビニル等を挙げることができる。これらの化合物は、環
状炭化水素系重合体と軟質重合体との合計量100重量
部に対して、通常は1重量部以下、好ましくは0.1〜
0.5重量部の量で使用される。
【0081】本発明に係る第1の発泡性重合体粒子は、
上述した(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素
系重合体に、発泡剤を含有させてなる。
【0082】本発明の発泡性重合体粒子の調製に使用で
きる発泡剤には、大別して(1)分解型発泡剤と(2)
蒸発型発泡剤とがある。分解型発泡剤とは、化学的に分
解することにより発生するガスを利用する発泡剤であ
り、蒸発型発泡剤は、化学的な変化なしに揮発する液体
あるいは気体の物理的発泡剤である。
【0083】(1)分解型発泡剤 分解型発泡剤には、無機系発泡剤と有機系発泡剤とがあ
り、本発明においては両方の発泡剤が適宜に使用される
が、本発明で用いる環状炭化水素系重合体に容易に含ま
せるためには、該重合体と親和性のある化合物が好まし
い。
【0084】無機系発泡剤の例としては、重炭酸ナトリ
ウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸
アンモニウム、アジド化合物、ホウ水素化ナトリウムお
よび軽金属などが挙げられる。
【0085】有機系発泡剤の例としては、アゾジカルボ
ンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、N,N'-ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、4,4-オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジン)、ジフェニルスルホン-3,3-
ジスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカ
ルバジド、トリヒドラジノトリアジンおよびビウレアな
どが挙げられる。また、この中で挙げた高温用発泡剤も
適宜使用される。
【0086】発泡剤を選択するには、発泡剤の分解温
度、発生ガス量および分解速度が重要な要素となってい
る。そこで、発泡条件を調整するために、発泡助剤を添
加して発泡剤の分解温度、発生ガス、および分解速度の
調整を行ってもよい。発泡助剤としては、シュウ酸、コ
ハク酸、クエン酸、尿素、ホウ砂およびエタノールアミ
ンのように通常使用されている発泡助剤を使用すること
ができる。
【0087】分解型発泡剤の発泡方法としては、発泡剤
を含む環状炭化水素系重合体を、発泡剤の分解温度以上
の温度に加熱して常圧で発泡させる常圧発泡法、発泡剤
を含む環状炭化水素系重合体粒子を密閉金型中に充填
し、加圧下で加熱して発泡剤を分解させ、次いで放圧す
ることにより圧力を変化させて粒子を急激に膨張させる
加圧発泡法、発泡剤を含む環状炭化水素系重合体を溶融
状態でダイから押出すことにより、溶融物にかかる圧力
を高圧状態から常圧へ変化させて発泡させる押出発泡
法、および射出成形法を利用して均一に発泡したコア層
と発泡しないスキン層とを形成する射出発泡法が挙げら
れる。本発明においては、上記のような発泡方法のうち
いずれの方法も利用することができる。また、橋かけ剤
あるいはラジカル発生剤などを適宜使用することもでき
る。
【0088】(2)蒸発型発泡剤 蒸発型発泡剤としては、脂肪族炭化水素、塩素化脂肪族
炭化水素、ふっ素化脂肪族炭化水素および不活性ガスな
どが使用される。具体的な蒸発型発泡剤としては、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベ
ンゼン、トルエン、二塩化メチレン、トリクロロエチレ
ン、ジクロロエタン、ジクロロテトラフルオロエタンお
よびトリクロロフルオロエタンのような易揮発性有機液
体およびヘリウムなどが挙げられる。
【0089】蒸発型発泡剤を用いた発泡方法としては、
例えば、蒸発型発泡剤を含む微粒状ポリマーを所望の型
内に充填し、発泡剤の沸点以上の温度で、かつポリマー
が軟化する温度まで加温して、多孔質成形体を製造する
型内発泡法および前記の押出発泡法などを挙げることが
できる。
【0090】本発明においては、上記のような発泡方法
のうちいずれの方法も利用することができる。環状炭化
水素系重合体と発泡剤との配合比本発明に係る発泡性重
合体粒子において、環状炭化水素系樹脂粒子と発泡剤と
は、発泡剤の種類によって相違するが、重量比(環状炭
化水素系樹脂/発泡剤)で通常100/0.1〜100
/15の範囲内の量で配合される。
【0091】このような発泡剤は、例えば、水に懸濁さ
せた樹脂ビーズに加圧下発泡剤を含ませる方法等、公知
の方法を利用して環状炭化水素系樹脂中に分散される。
本発明に係る第2の発泡性重合体粒子は、上述した
(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)よりなる
群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合体
に、沸点もしくは昇華点が−200℃以上の気体を含有
させてなる。
【0092】このような発泡性重合体粒子を形成するた
めには、特に制限はないが、上述した環状炭化水素系重
合体からなる樹脂は、平均粒径が、通常0.1mm〜2cm
の粒子であるのが好ましい。このような平均粒径の粒子
を用いることにより、発泡剤である沸点もしくは昇華点
が−200℃以上の気体が粒子内に均一に侵入しやす
い。
【0093】本発明で使用される−200℃以上の沸点
もしくは昇華点を有する化合物としては、二酸化炭素
(CO2)、窒素、酸素、空気およびエチレン、プロピ
レンなどのオレフィンガスを挙げることができる。しか
しながら、環状炭化水素系樹脂に対する溶解性および取
り扱いの容易性を考慮すると、本発明では空気、窒素も
しくは二酸化炭素を使用することが好ましい。ここでN
2の沸点は−196℃、二酸化炭素の昇華点は、−7
8.5℃である。
【0094】このような化合物、特に二酸化炭素は、環
状炭化水素系樹脂に対して良好な溶解性を有しているた
め、上記のようにして製造した環状炭化水素系重合体粒
子を、例えば二酸化炭素雰囲気下に通常0.5時間〜1
0日間、好ましくは1時間〜5日間放置することによ
り、二酸化炭素が環状炭化水素系重合体粒子中に侵入し
て粒子中に溶存される。この場合、容器内に環状炭化水
素系樹脂粒子を充填した後、この容器内の空気を、例え
ば二酸化炭素で置換した後、さらに二酸化炭素を補充し
て容器内の気体をすべて二酸化炭素で置換する。この
際、二酸化炭素を常圧(1気圧)前後で導入することも
できるし、例えば1〜200気圧程度の加圧条件下に導
入することもできる。
【0095】このときの温度は、樹脂粒子がその形態を
維持できる温度であればよいが、通常は−50〜180
℃、好ましくは−30〜150℃である。本発明の第2
の発泡性重合体粒子は、上記のように沸点もしくは昇華
点が−200℃以上の気体、好適には、溶存二酸化炭素
を発泡剤とするものである。
【0096】このような本発明の第2の発泡性重合体粒
子から、発泡体を得る方法としては、発泡性重合体粒子
を加熱溶融して、所望の形状に発泡成形する方法が挙げ
られ、たとえば、発泡性重合体粒子を所望の型内に充填
し、発泡性重合体粒子を構成する樹脂の融点以上の温度
で加温して、多孔質成形体を製造する型内発泡法、ある
いは、発泡性重合体粒子を構成する樹脂の融点以上の温
度で加温して、溶融状態でダイから所望の型内に押出す
ことにより、溶融物にかかる圧力を高圧状態から常圧へ
変化させて発泡させる押出発泡法押出発泡法などを挙げ
ることができる。
【0097】これらの第1および第2の本発明に係る発
泡性重合体粒子には、さらに発泡助剤が配合されていて
もよい。発泡助剤としては、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン等の炭化水素、塩化メチル、フレオン等のハ
ロゲン化炭化水素があげられるが、本発明ではこうした
発泡助剤を使用しなくともよく、フレオン等のハロゲン
化炭化水素の使用は避ける方がよい。
【0098】また、本発明に係るこれらの発泡性重合体
粒子には、さらに滑剤が配合されていてもよい。滑剤と
しては、高級脂肪酸エステル、硬化動植物油等があげら
れる。
【0099】また、本発明に係るこれらの発泡性重合体
粒子には、さらに従来公知の耐熱安定性、耐候安定性、
有機または無機の充填剤、帯電防止剤、スリップ剤、ア
ンチブロッキング剤、防曇剤、染料、顔料、天然油、合
成油、ワックス等が配合されていてもよい。
【0100】安定剤は、ペレットを形成する前の樹脂に
配合して、ペレット中に含有させることもできるし、樹
脂をペレット状に賦形した後、ペレットに添加して混合
することもできる。
【0101】本発明において、たとえば、任意成分とし
て配合される安定剤としては、テトラキス[メチレン-3
-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2'-オキザ
ミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ
ェニル) プロピオネートなどのフェノール系酸化防止
剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-
ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属
塩、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステア
レート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペン
タエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトー
ルトリステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エステ
ルなどを挙げることができる。これらは単独で配合して
もよいが、組み合わせて配合してもよい。たとえばテト
ラキス[メチレン-3-(3.5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛と
グリセリンモノステアレートとの組み合わせなどを例示
できる。これらの安定剤は、1種または2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0102】また、有機または無機の充填剤としてはシ
リカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドワマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ペント
ナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデ
ンなどを挙げることができる。
【0103】本発明の発泡性重合体粒子を調製するにお
いて、上述した(I)、(II)、(III)、(IV)および
(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状炭
化水素系重合体と他の成分とは、公知の方法を利用して
混合することができる。例えば各成分を同時に混合する
ことができる。発泡性重合体粒子が、沸点もしくは昇華
点が−200℃以上の気体を標準状態換算量で20容量
%以上の量で含有させた、本発明の第2の発泡性重合体
粒子である場合には、上述した(I)、(II)、(II
I)、(IV)および(V)よりなる群から選ばれる少なく
とも1種の環状炭化水素系重合体と他の成分との混合
は、沸点もしくは昇華点が−200℃以上の気体を含有
させる前に行うのが好ましい。
【0104】このようにして製造された本発明に係る発
泡性重合体粒子を用いて発泡体を製造する場合の発泡倍
率は、得ようとする発泡成形体の使用目的等によって適
宜設定することができるが、通常は、発泡性重合体粒子
の体積の1.05〜50倍、好ましくは1.2〜50倍、
さらに好ましくは20〜40倍の範囲内に設定される。
【0105】このようにして得られる発泡体は、軽量で
あると共に、耐熱性、耐薬品性、電気特性等の諸特性に
優れている。このような本発明に係る発泡体は、たとえ
ば硫酸、アンモニア水、アセトン、酢酸エチル等に浸漬
した場合にも、変色、クラック、変形、溶解などが生じ
ない、良好な耐薬品性を示す。
【0106】本発明の発泡性重合体粒子から形成される
発泡体は、耐熱性、耐薬品性に優れた特徴を有するた
め、従来の発泡体に比べて広範囲な用途に使用すること
ができる。本発明に係る発泡体は、例えば、以下のよう
な用途に使用することができる。 (1)断熱性を利用した用途の例 建築物の屋根、天井、壁、床の断熱結露防止、断熱倉
庫、パイプ、タンクなどの保温、保冷、電気冷蔵庫、浴
槽、冷暖房機材、ショーケース、保温保冷容器、自動車
天井、ドア内張、食品容器(お茶、ラーメン、スープな
ど)。 (2)緩衝性を利用した用途の例 家電、精密機器、食品等の緩衝包装、食品容器(トレ
ー)、自動車のインストルメントパネル、アームレト、
サイドピラー、サンバイザー、安全帽、ヘッドギア、プ
ロテクター、柔道場畳などのスポーツ用品。 (3)圧縮特性を利用した用途の例 容器パッキン、シーリング材、バックアップ材。 (4)浮揚性、軽量性を利用した用途の例 船舶用救命器具、浮力構造体、浮子、各種水上遊戯具、
パラボラアンテナおよびフラットアンテナ基板。 (5)音響特性を利用した用途の例 機械室、音響室、放送室などの吸音材。
【0107】
【発明の効果】本発明に係る発泡性重合体組成物および
その発泡体は、その主な樹脂成分が特定の環状炭化水素
系重合体であるため、その発泡体は、優れた耐熱性、耐
薬品性、電気特性を有している。従ってこの発泡体は、
従来の発泡体に比べて広範囲な用途に使用することがで
きる。
【0108】また、特に本発明の発泡性重合体粒子が、
環状炭化水素系重合体からなる樹脂成分に、沸点もしく
は昇華点が−200℃以上の気体を標準状態換算量で2
0容量%以上の量で含有させてなる、本発明の第2の発
泡性重合体粒子である場合には、環状炭化水素系樹脂が
本質的に有している二酸化炭素のような特定の気体を溶
存するという特異的特性を利用して、クリーンでしかも
煩雑な操作もなく、良好な特性の発泡性重合体粒子およ
び発泡体を製造することができる。
【0109】さらに、本発明に係る発泡性重合体粒子お
よび発泡体は、オゾン層の破壊の原因となっているフレ
オンのようなフッ素含有有機化合物を使用しておらず、
さらに有機溶媒等も使用する積極的に使用する必要もな
いので、環境汚染の問題も生じない。
【0110】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0111】
【実施例1】MFRが3g/10分(温度:200℃、
荷重:5kg)であるポリスチレン(日本ポリスチ(株)
製、G590)100gを、5リットルのシクロヘキサンに
溶解し、さらに安定化ニッケル触媒N163A(日本化学工
業社製、40%ニッケル担持シリカ‐アルミナ担体)1
5gを添加して混合した。これを脱気処理した後、窒素
ガスで置換し、更に230℃、50kg/cm2の水素圧で1
0時間水素添加反応を行った。
【0112】反応終了後、触媒を濾過により除去し、イ
ソプロパノールで重合体を析出させた。このポリマーを
濾過により分離し、減圧乾燥によりポリスチレンの水素
添加物である環状炭化水素系重合体(A)を得た。
【0113】得られた環状炭化水素系重合体(A)の物
性は、Tgが143℃、密度が0.95g/cm3、水素添
加率は99%以上、ポリスチレン換算の重量平均分子量
(Mw)が170,000、数平均分子量(Mn)が8
7,000であった。またX線回折による結晶化度は0
%であった。
【0114】この樹脂(A)を粉砕して平均粒径1mm
の粉体とし、樹脂100重量部と水を100重量部とを
オートクレーブに入れ、加圧撹拌下にブタン10重量部
を添加し、90℃に昇温して8時間保持した。これを室
温まで冷却後、脱水乾燥を行い、発泡性重合体粒子を得
た。
【0115】次いで、得られた発泡性重合体粒子を用い
て、発泡機で発泡倍率30倍の発泡体を得た。この発泡
体から1辺30mmの立方体を切りだして試験片とし
た。得られた試験片について重量を測定した。結果を表
1に示す。
【0116】
【比較例1】実施例1において、環状炭化水素系重合体
(A)の代わりに、エチレンとテトラシクロドデセンと
のランダム共重合体を用いたことの他は、実施例1と同
様にして発泡性重合体粒子および発泡体を得た。ここで
用いたエチレンとテトラシクロドデセンとのランダム共
重合体物性は、テトラシクロドデセン含量が40モル
%、Tgが143℃、ポリスチレン換算の重量平均分子
量(Mw)が120,000、数平均分子量(Mn)が
54,300であった。
【0117】得られた発泡体から1辺30mmの立方体
を切りだして試験片とした。得られた試験片について、
重量を測定し。結果を表1に示す。 <圧縮変形比>実施例1および比較例1で得た各試験片
を積み重ねて、荷重により全体で10mm圧縮変形させ
たときの各試験片の変形量を測定し、全体の変形量(1
0mm)で除したものを圧縮変形比とし、各試験片の圧
縮変形を比較した。結果を表1に示す。
【0118】
【表1】
【0119】実施例および比較例より、テトラシクロド
デセンなどの環状オレフィン系樹脂からなる発泡体と比
較して、軽量で、かつ圧縮変形も少ないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/20 C08L 23/20 25/00 25/00 45/00 45/00 51/00 51/00 51/06 51/06 101/00 101/00 Fターム(参考) 4F074 AA26 AA32 AA54 AA58 AA63 AA65 AA70 AA71 AA77 AA87 BA03 BA04 BA05 BA06 BA08 BA13 BA15 BA16 BA19 BA20 BA32 BA33 BA34 BA35 BA37 BA38 BA39 BA40 BA43 CA34 4J002 AF002 BB002 BB171 BC031 BC041 BC081 BC111 BC131 BD002 BK001 BN031 BN131 BN141 BN201 CB002 CC122 CC162 CF002 CH022 CH072 CL002 CN032 DE016 DE206 DE216 DF036 DK006 EA016 EB066 EB086 EQ016 EQ026 EQ036 ES006 EU186 EV216 FD326 4J026 AA11 AA16 AA17 AA64 BA25 BA26 BA32 BA34 BA35 BA36 BA38 CA07 DB12 DB13 GA08 GA09 GA10 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA15P AA20P AB00P AB02P AB03P AB04P AB07P AB08P AC03Q AG04Q AJ02Q AK32Q AL02Q AM02Q AM43Q AR03P AR04P AR05P AR16P AR17P AR18P BA16H BC43P BC55H CA01 CA04 CA31 HA04 HA05 HA57 HC29 HC30 JA00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(I)、(II)、(III)、(IV)およ
    び(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状
    炭化水素系重合体に、発泡剤を含ませてなることを特徴
    とする発泡性重合体粒子; (I)ビニル系単環脂環族炭化水素化合物の(共)重合
    体、または、ビニル系単環脂環族炭化水素化合物と、こ
    れと共重合可能な単量体との共重合体、あるいはこれら
    の水素添加物; (II)ビニル系芳香族炭化水素化合物の(共)重合体の
    水素添加物、または、ビニル系芳香族炭化水素化合物
    と、これと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加
    物であって、芳香族炭化水素環の少なくとも30%が水
    素添加されてなる重合体; (III)単環環状モノオレフィン系化合物の(共)重合
    体、または、単環環状モノオレフィン系化合物と、これ
    と共重合可能な単量体との共重合体; (IV)単環環状共役ジエン系化合物の(共)重合体の水
    素添加物、または、単環環状共役ジエン系化合物と、こ
    れと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加物; (V)上記(I)、(II)、(III)および(IV)よりな
    る群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合
    体を、α,β−不飽和カルボン酸、その無水物またはそ
    の誘導体でグラフト変性して得られる変性物。
  2. 【請求項2】発泡性重合体粒子が、さらに、炭化水素か
    ら誘導される重合体、塩素含有重合体、不飽和酸から誘
    導される重合体、不飽和アルコールあるいはアミンから
    誘導される重合体、エポキシドから誘導される重合体、
    ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボ
    ネート、ポリスルフォン、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、
    ポリエステル樹脂、ホルムアミド系樹脂、および天然重
    合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂を
    含むことを特徴とする請求項第1項記載の発泡性重合体
    粒子。
  3. 【請求項3】下記(I)、(II)、(III)、(IV)およ
    び(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状
    炭化水素系重合体に、沸点もしくは昇華点が−200℃
    以上の気体を標準状態換算量で20容量%以上の量で含
    有させてなることを特徴とする発泡性重合体粒子; (I)ビニル系単環脂環族炭化水素化合物の(共)重合
    体、または、ビニル系単環脂環族炭化水素化合物と、こ
    れと共重合可能な単量体との共重合体、あるいはこれら
    の水素添加物; (II)ビニル系芳香族炭化水素化合物の(共)重合体の
    水素添加物、または、ビニル系芳香族炭化水素化合物
    と、これと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加
    物であって、芳香族炭化水素環の少なくとも30%が水
    素添加されてなる重合体; (III)単環環状モノオレフィン系化合物の(共)重合
    体、または、単環環状モノオレフィン系化合物と、これ
    と共重合可能な単量体との共重合体; (IV)単環環状共役ジエン系化合物の(共)重合体の水
    素添加物、または、単環環状共役ジエン系化合物と、こ
    れと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加物; (V)上記(I)、(II)、(III)および(IV)よりな
    る群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合
    体を、α,β−不飽和カルボン酸、その無水物またはそ
    の誘導体でグラフト変性して得られる変性物。
  4. 【請求項4】前記沸点もしくは昇華点が−200℃以上
    の気体が、N2、O2およびCO2よりなる群から選ばれ
    る気体である、請求項第3項に記載の発泡性重合体粒
    子。
  5. 【請求項5】請求項第1項ないし請求項第4項のいずれ
    かに記載の発泡性重合体粒子を、該粒子体積の1.05
    〜50倍に発泡させてなる発泡体。
  6. 【請求項6】請求項第3項または第4項に記載の発泡性
    重合体粒子を、加熱溶融して所望の形状に発泡成形する
    ことを特徴とする発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】下記(I)、(II)、(III)、(IV)およ
    び(V)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状
    炭化水素系重合体を、沸点もしくは昇華点が−200℃
    以上の気体中で0.1時間以上保持して、環状炭化水素
    系重合体に標準状態換算容量で20容量%以上の量の沸
    点もしくは昇華点が−200℃以上の気体を含有させる
    ことを特徴とする発泡性重合体粒子の製造方法; (I)ビニル系単環脂環族炭化水素化合物の(共)重合
    体、または、ビニル系単環脂環族炭化水素化合物と、こ
    れと共重合可能な単量体との共重合体、あるいはこれら
    の水素添加物; (II)ビニル系芳香族炭化水素化合物の(共)重合体の
    水素添加物、または、ビニル系芳香族炭化水素化合物
    と、これと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加
    物であって、芳香族炭化水素環の少なくとも30%が水
    素添加されてなる重合体; (III)単環環状モノオレフィン系化合物の(共)重合
    体、または、単環環状モノオレフィン系化合物と、これ
    と共重合可能な単量体との共重合体; (IV)単環環状共役ジエン系化合物の(共)重合体の水
    素添加物、または、単環環状共役ジエン系化合物と、こ
    れと共重合可能な単量体との共重合体の水素添加物; (V)上記(I)、(II)、(III)および(IV)よりな
    る群から選ばれる少なくとも1種の環状炭化水素系重合
    体を、α,β−不飽和カルボン酸、その無水物またはそ
    の誘導体でグラフト変性して得られる変性物。
  8. 【請求項8】前記沸点もしくは昇華点が−200℃以上
    の気体が、N2、O2およびCO2よりなる群から選ばれ
    る気体である、請求項第7項に記載の発泡性重合体粒子
    の製造方法。
  9. 【請求項9】環状炭化水素系重合体を加圧下に、沸点も
    しくは昇華点が−200℃以上の気体中に保持する、請
    求項第7項に記載の発泡性重合体粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010185057A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Polyplastics Co 環状オレフィン系樹脂発泡体の製造方法

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