JP2012201779A - 樹脂組成物及び送電ケーブル用被覆材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非晶性脂環構造含有重合体、及び、エチレンと炭素原子数が6以上のα−オレフィンとの共重合体である熱可塑性エラストマーを含有する樹脂組成物であり、前記非晶性脂環構造含有重合体と可塑性エラストマーの重量比が60/40〜90/10である樹脂組成物。α−オレフィンは、1−オクテンが特に好ましい。
【選択図】なし
Description
特許文献1では、その誘電特性や耐水トリー性を活かし、電線被覆材料に環状オレフィン系樹脂を用いることが提案されている。ここでは、ポリオレフィンなどのその他の熱可塑性樹脂を併用することで押出成形時の溶融粘度特性が向上すること、ポリオレフィンゴムなどの軟質重合体を併用することで、機械強度、柔軟性及び耐屈曲性が向上することが記載されている。
また、エチレンとオクテンとの共重合体は、他のゴムと併用し、低温での耐衝撃性や強度特性を向上させることができる(特許文献4)。ここでも、ゴム成分とエチレンとオクテンとの共重合体とを含む樹脂組成物は、架橋により成形される。
ワイヤ・ケーブル被覆材として、非晶性の樹脂であるポリフェニレンエーテルに、引っ張り破断伸びを高める目的でエチレンとオクテンとの共重合体を配合することが、特許文献5にて提案されている。しかしながら、ポリフェニレンエーテルを用いた被覆材は、水蒸気バリア性と屈曲性が必ずしも十分ではない。
ところが、ノルボルネン系重合体水素化物などの非晶性脂環構造含有重合体に、エチレンとオクテンなどの炭素数が6以上のα−オレフィンとの共重合体を所定量配合すると、架橋されなくとも、伸びや折り曲げによる破損を低減し、高温での水蒸気バリア性を有した被覆材を与えうる、成形性に優れた樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
また、本発明によれば前記樹脂組成物からなる被覆材を有する送電ケーブルが提供される。
本発明で使用される非晶性脂環構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する、非晶性樹脂(融点を有しない樹脂)であり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、又はそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
本発明でいうガラス転移温度とは、JIS K 7121に基づいて測定されたものである。
本発明に用いられるエチレンと炭素原子数が6以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン系共重合体(以下、単に「エチレン系共重合体」ということがある)は、密度が通常0.860〜0.950g/cm3であり、好ましくは0.862〜0.920g/cm3であり、さらに好ましくは0.865〜0.910g/cm3である。該密度が0.860g/cm3より小さい場合には、成形体の水蒸気バリア性が劣る傾向があり、密度が0.950g/cm3より大きい場合には、成形体の屈曲時の割れが発生しやすくなる傾向がある。ここで密度は、ASTM D 792に基づき測定される値である。
さらに、エチレン系共重合体を構成するモノマーとして、エチレン及び炭素原子数が6以上のα−オレフィン以外に、10モル%以下であればプロピレンを含むことができる。
なお、エチレンと共重合するα−オレフィンの種類と含有量は、熱分解GC−MSにより測定することができる。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、その他のポリマー、樹脂工業において通常用いられる各種配合剤などを単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常は溶融状態で棒状に押出し、ストランドカッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられることが多い。
本発明の樹脂組成物の用途としては、配管、チューブ、パッケージフィルム、樹脂成形加工用の樹脂型や離型フィルム、電線・ケーブルの被覆材、太陽電池用バックシート、絶縁フィルム、コンデンサーフィルムなどが挙げられ、特に電線・ケーブルの被覆材に好適である。
ペレットの形態で提供された場合は、押出成形法によって成形機内で一度溶融させてから導体とともに共押出して導体に被覆することができる。また、樹脂組成物が有機溶媒に溶解させてワニスとして提供された場合は、直接導体にコーティングして被覆することもできる。
いずれの方法においても、被覆材の厚さ、その他の要求特性によって適宜選択することができる。
ワニスとして使用する場合に、用いる溶媒は、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、n−ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、クロロベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。溶媒は、環状重合体、及び必要に応じて配合する各成分を均一に溶解ないしは分散するに足りる量比で用いられ、通常固形分濃度が1〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%になるように調整される。
以下の実施例及び比較例において、部又は%は、特に断りがない限り、重量基準である。
(1)水素添加率は、1H−NMRにより測定した。
(2)ガラス転移温度は、JIS K 7121に基づき、示差走査熱量分析計(製品名「DSC6220S11」、ナノテクロノジー社製)を用い、ガラス転移温度より30℃以上に加熱した後、冷却速度−10℃/分で室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/分で昇温する過程で測定した。
(3)MFRは、ASTM D 1238に基づき、メルトインデクサ(製品名「F−F01」、東洋精機製作所社製)を用い、190℃、2.16kgfで測定した。
(4)密度は、ASTM D 792に基づき測定した。
(5)水蒸気透過度は、水蒸気透過テスター(製品名「L80−5000型」、LYSSY社製)を用いて、JIS K 7129(A法)に基づいて温度:70℃、湿度:90%RHの条件下で測定した。
(6)引張り伸びは、オートグラフ(製品名「AG−IS 20kN」、島津製作所社製)を用いて、JIS K 7127に基づいて測定した。引張速度10mm/分の条件で、破断するまで引張り、破断時の伸びを引張り伸びとして測定した。
(7)屈曲試験は、厚み0.2mm、長さ50mm、幅10mmの試験片を繰り返し折り曲げ、試験片の割れの発生を評価した。100回折り曲げても割れないものを「◎」、50回折り曲げても割れないものを「○」、10回以内に割れたものを「×」とした。
シクロヘキサン258リットルを装入した反応容器に、常温、窒素気流下でビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下、「NB」という)(120kg)を加え、5分間撹拌を行った。さらにトリイソブチルアルミニウムを系内の濃度が1.0ml/リットルとなるように添加した。続いて、撹拌しながら常圧でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンにて内圧がゲージ圧で6kg/cm2となるように加圧した。10分間撹拌した後、予め用意したイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド及びメチルアルモキサンを含むトルエン溶液0.4リットルを系内に添加することによって、エチレン、NBの共重合反応を開始させた。このときの触媒濃度は、全系に対してイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.018mmol/リットルであり、メチルアルモキサンが8.0mmol/リットルである。
シクロヘキサン250部を、室温、窒素雰囲気の反応器に入れ、更に1−ヘキセン0.90部、ジブチルエーテル0.07部及びトリイソブチルアルミニウム0.10部を入れて混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下「DCP」と略すことがある)90部、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下「ETD」と略すことがある)10部、及び六塩化タングステンの0.6%トルエン溶液17部を2時間かけて連続的に添加して重合した。重合終了後、ガスクロマトグラフィーにより測定したモノマーの重合転化率は重合終了時で100%であった。
得られた重合反応液を耐圧性の水素化反応機に移送し、ケイソウ土担持ニッケル触媒(製品名「G−96D」、日産ガードラー社製、ニッケル担持率58%)6部及びシクロヘキサン100部を加え、150℃、水素圧4.3MPaで8時間反応させた。この反応溶液を、ラヂオライト(登録商標)#500(昭和化学工業社製)を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(製品名「フンダフィルタ」、IHI社製)して水素添加触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。次いで前記水素添加物100部あたり0.5部の酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカル社製、製品名「イルガノックス(登録商標) 1010」)を、得られた溶液に添加して溶解させた。次いで、ゼータープラスフィルタ30H(孔径0.5〜1μm、キュノーフィルタ社製)にて順次濾過しさらに別の金属ファイバー製フィルタ(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、開環重合体水素添加物(非晶性脂環構造含有重合体B)を得た。Tgは104℃であった。
尚、開環重合体合成時の重合転化率が100%であり、水素転化率も99.9%と高水準であることから、開環重合体水素添加物中の、DCP由来の構造単位(DCP単位)、及びETD由来の構造単位(ETD単位)は、開環重合体の製造に用いたモノマーの使用量に等しいと推定される。
窒素雰囲気下、シクロヘキサン500部に、1−ヘキセン0.85部、ジブチルエーテル0.20部、トリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、DCP 80部、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(以下、「MTF」という。)60部、及びテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、「TCD」という)60部からなるノルボルネン系モノマー混合物と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)40部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。重合終了後、ガスクロマトグラフィーにより測定したモノマーの重合転化率は重合終了時で100%であった。
得られた重合反応液を耐圧性の水素化反応機に移送し、シクロヘキサン200部を加え、さらに水素添加触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加え、水素により5MPaに加圧して撹拌しながら温度200℃まで加温して4時間反応させ、DCP/MTF/TCD開環重合体水素添加物を含有する反応溶液を得た。得られた反応溶液から濾過により水素添加触媒を除去した。
次いで前記水素添加物100部あたり0.5部の酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカル社製、製品名「イルガノックス(登録商標) 1010」)を、得られた溶液に添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、開環重合体水素添加物(非晶性脂環構造含有重合体C)を得た。Tgは138℃であった。
尚、開環重合体合成時の重合転化率が100%であり、水素転化率も99.9%と高水準であることから、開環重合体水素添加物中の、DCP由来の構造単位(DCP単位)、MTF由来の構造単位(MTF単位)、及びTCD由来の構造単位(TCD単位)は、開環重合体の製造に用いたモノマーの使用量に等しいと推定される。
参考例3で得られた非晶性脂環構造含有重合体C(Tg=138℃)85部と、エチレン−オクテン共重合体(製品名「エンゲージ(登録商標) 8480」;オクテン含量9.5モル%、密度=0.903g/cm3、MFR(190℃、2.16kgf)=1g/10分、ダウ・ケミカル社製)15部とを2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを真空プレスで240℃、20MPaの条件で厚さ200μmのシートを作製した。作製したシートを用い、70℃での水蒸気透過度、引張り伸び、及び、屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
参考例1で得られた非晶性脂環構造含有重合体A(Tg=137℃)80部と、エチレン−オクテン共重合体(製品名「エンゲージ(登録商標) 8100」;オクテン含量7.3モル%、密度=0.870g/cm3、MFR(190℃、2.16kgf)=1.1g/10分、ダウ・ケミカル社製)20部とを2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを真空プレスで240℃、20MPaの条件で厚さ200μmのシートを作製した。試験は70℃水蒸気透過度、引張り伸び、屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
参考例2で得られた非晶性脂環構造含有重合体B(Tg=104℃)70部と、エチレン−オクテン共重合体(製品名「エンゲージ(登録商標) 8480」;オクテン含量9.5モル%、密度=0.903g/cm3、MFR(190℃、2.16kgf)=1g/10分、ダウ・ケミカル社製)30部とを2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを真空プレスで220℃、20MPaの条件で厚さ200μmのシートを作製した。試験は70℃水蒸気透過度と引張り伸び、及び、屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
参考例2で得られた非晶性脂環構造含有重合体B(Tg=104℃)60部と、エチレン−オクテン共重合体(製品名「エンゲージ(登録商標) 8200」;オクテン含量7.3モル%、密度=0.903g/cm3、MFR(190℃、2.16kgf)=5g/10分、ダウ・ケミカル社製)40部とを2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを真空プレスで220℃、20MPaの条件で厚さ200μmのシートを作製した。試験は70℃水蒸気透過度と引張り伸び、及び、屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
参考例2で得られた非晶性脂環構造含有重合体B(Tg=104℃)50部と、エチレン−オクテン共重合体(製品名「エンゲージ(登録商標) 8480」;オクテン含量9.5モル%、密度=0.903g/cm3、MFR(190℃、2.16kgf)=1g/10分、ダウ・ケミカル社製)50部とを2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを真空プレスで220℃、20MPaの条件で厚さ200μmのシートを作製した。試験は70℃水蒸気透過度と引張り伸び、及び、屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
参考例2で得られた非晶性脂環構造含有重合体B(Tg=104℃)95部と、エチレン−オクテン共重合体(製品名「エンゲージ(登録商標) 8480」;オクテン含量9.5モル%、密度=0.903g/cm3、MFR(190℃、2.16kgf)=1g/10分、ダウ・ケミカル社製)5部とを2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを真空プレスで220℃、20MPaの条件で厚さ200μmのシートを作製した。試験は70℃水蒸気透過度と引張り伸び、及び、屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
参考例2で得られた非晶性脂環構造含有重合体B(Tg=104℃)60部と、エチレン−ブテン共重合体(製品名「エンゲージ(登録商標) 7380」;密度=0.863g/cm3、MFR(190℃、2.16kgf)=0.3g/10分、ダウ・ケミカル社製)40部とを2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを真空プレスで220℃、20MPaの条件で厚さ200μmのシートを作製した。試験は70℃水蒸気透過度と引張り伸び、及び、屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
参考例2から得られた非晶性脂環構造含有重合体B(Tg=104℃)70部と水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)樹脂(製品名「タフテック(登録商標) H1051」、旭化成社製)30部とを2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを真空プレスで220℃、20MPaの条件で厚さ200μmのシートを作製した。試験は70℃水蒸気透過度と引張り伸び、及び、屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
熱可塑性エラストマーの配合比率が大きい場合には、高温での水蒸気透過度が劣り(比較例1)、小さい場合には引張り伸びが低く屈曲性に劣る(比較例2)。また、熱可塑性エラストマーがエチレンとブチレンとの共重合体の場合や、密度が低い場合、もしくは水添スチレン系エラストマーを用いた場合には、高温での水蒸気透過度に劣ることが分かった(比較例3、4)。一方で、非晶性脂環構造含有重合体と熱可塑性エラストマーの重量比が60/40〜90/10では、高温での水蒸気透過度は低く、引張り伸びと屈曲性が優れていることがわかる(実施例1〜4)。
Claims (4)
- 非晶性脂環構造含有重合体、及び、エチレンと炭素原子数が6以上のα−オレフィンとの共重合体である熱可塑性エラストマーからなる樹脂組成物であり、非晶性脂環構造含有重合体と熱可塑性エラストマーの重量比が60/40〜90/10である樹脂組成物。
- 熱可塑性エラストマーがエチレンと1−オクテンとの共重合体である請求項1記載の樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の樹脂組成物からなる成形体。
- 請求項1〜2のいずれかに記載の樹脂組成物からなる送電ケーブル用被覆材。
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