JPH08185712A - 電線・ケーブル - Google Patents

電線・ケーブル

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JPH08185712A
JPH08185712A JP32893894A JP32893894A JPH08185712A JP H08185712 A JPH08185712 A JP H08185712A JP 32893894 A JP32893894 A JP 32893894A JP 32893894 A JP32893894 A JP 32893894A JP H08185712 A JPH08185712 A JP H08185712A
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JP
Japan
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cable
polyethylene
voltage
insulator layer
insulating
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Withdrawn
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JP32893894A
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English (en)
Inventor
Fumio Aida
二三夫 会田
Tadayoshi Uchiyama
忠良 内山
Hajime Tanimoto
元 谷本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気特性が良好で、かつ、柔軟性、耐水トリ
ー性に優れ、さらに、機械的特性も良好な高性能、高信
頼性の電線・ケーブルを提供する。 【構成】 密度が0.86〜0.91g/cm3 で、かつ、tan δが
0.001 以下、あるいは分子量分布の狭いポリエチレンを
ベースポリマーとする絶縁材料からなる絶縁体層を具備
して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電線・ケーブルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、電線・ケーブルの絶縁材料と
して、エチレンプロピレンゴム(EP)、エチレンプロ
ピレンジエンゴム(EPDM)、低密度ポリエチレン
(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)などのポリ
オレフィンが、誘電率が低く良好な電気特性が得られる
ことから多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
電力需要の増大や用途の多様化などにともない、電線・
ケーブルの高性能化、高信頼化が要求されてきており、
上記したような従来の絶縁材料では、これらの要求に十
分に応えることができなくなっているのが実状である。
【0004】すなわち、LDPEは、誘電率やtan δが
極めて小さく、また、電気抵抗が大きいなど、他のもの
に比べて優れた電気特性が得られることから、各種電力
ケーブルの絶縁材料として広く用いられているが、密度
が0.91〜0.93g/cm3 とやや高いために、柔軟性や耐水ト
リー性が不十分であった。一方、VLDPEやLLDP
E、EP、EPDMは、密度が小さいために、柔軟性、
耐水トリー性に優れるが、重合触媒や加工性、機械的特
性などを改善するために添加する添加剤などが原因で、
電気特性はLDPEに比べて低かった。
【0005】本発明はこのような従来の事情に対処して
なされたもので、電気特性が良好で、かつ、柔軟性、耐
水トリー性に優れ、さらに、機械的特性も良好な高性
能、高信頼性の電線・ケーブルを提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本願の第1の
発明は、密度が0.86〜0.91g/cm3 で、かつ、tan δが0.
001 以下のポリエチレンをベースポリマとする絶縁材料
からなる絶縁体層を具備してなることを特徴とする電線
・ケーブルである。
【0007】また、本願の第2の発明は、分子量分布の
狭いポリエチレンをベースポリマとする絶縁材料からな
る絶縁体層を具備してなることを特徴とする。
【0008】本発明において使用される密度が0.86〜0.
91g/cm3 で、かつ、tan δが0.001以下のポリエチレ
ン、あるいは分子量分布の狭いポリエチレンは、たとえ
ばメタロセン系触媒によりエチレンにコポリマーとして
プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンな
どを共重合させることにより得られ、なかでもエチレン
−オクテンコポリマーの使用が望ましい。具体的には、
たとえばダウ・ケミカル社製のエンゲージ CL8001 、 C
L8002 などが使用される。
【0009】なお、ここで、分子量分布が狭いとは、分
子量分布の目安とされる、重量平均分子量Mw と数平均
分子量Mn との比Mw/Mn で示すと、少なくともその比
が3.0程度以下のものであり、より好ましくは 2.0前後
のものである。
【0010】本発明において、ポリエチレンの密度、ta
n δあるいは分子量分布を上記のように限定したのは、
ポリエチレンの密度およびtan δのいずれか一方が上記
範囲を外れても、電気特性が良好で、かつ柔軟性、耐水
トリー性に優れたものが得られなくなり、また、分子量
分布が広いと、低分子量成分により機械的特性が低下す
るようになるからである。
【0011】本発明の絶縁体層は、このようなポリマー
に、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて配合
される酸化防止剤、紫外線吸収剤その他の添加剤を、通
常の混練手段、たとえば加圧ニーダなどにより均一に添
加混合して絶縁性組成物を得、これを導体外周に押出被
覆することにより形成される。このように形成された絶
縁体層は、電気特性が良好で、かつ、柔軟性、耐水トリ
ー性にも優れている。また、分子量分布が狭いので、引
張強度などの機械的特性に優れている。
【0012】本発明においては、導体外周に絶縁性組成
物を被覆した後、ポリオレフィン成分を架橋させるよう
にしてもよい。架橋方法としては、電子線照射による架
橋、有機過酸化物による架橋、有機シラン化合物をグラ
フトし、水および触媒の存在下で架橋させる方法(シラ
ン架橋法)など、公知の方法を用いることができる。本
発明で使用するポリエチレンは、密度が低いため、電子
線の透過率が良く、したがって、厚肉であっても電子線
照射により良好に架橋することができる。また、分子量
分布が狭いため、少ない架橋剤で高い架橋度を得ること
ができ、架橋剤の残渣による電気特性の低下を防止する
ことができる。これはポリマー分子中に架橋点が均一に
存在するからと考えられる。なお、必要ならば、一般に
用いられている架橋助剤を配合するようにしてもよい。
このような架橋を施すことによって、耐熱性を向上させ
ることができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を記載する。
【0014】実施例1 断面積 250mm2 の銅撚線導体上に、汎用ポリエチレンに
37重量%の導電性カーボンを配合した半導電性ポリエチ
レン組成物を押出被覆して、 1mm厚の内部半導電層を設
け、その上に、表1に示すような物性を有するエンゲー
ジ CL8001 に1.8重量%の架橋剤ジクミルパーオキサイ
ド(DCP)、および0.15重量%の老化防止剤を配合し
た絶縁性組成物を押出被覆し、加熱架橋させて、 6mm厚
の絶縁体層を設けた。次いで、この絶縁体層上に、内部
半導電層で用いたものと同じ半導電性ポリエチレン組成
物を押出被覆して、 0.5mm厚の外部半導電層を形成し、
さらに、その上に、軟質塩化ビニル樹脂を押出被覆して
3mm厚のシースを形成した。
【0015】得られた電力ケーブルの絶縁体特性および
耐水トリー性を評価した。なお、耐水トリー性は、シー
スを除去して水槽中に浸漬し、3.8kV 、1kHzの条件で 5
00時間浸水課電して生じた水トリーの発生数および最大
長より評価した。結果を表1に併せ示す。
【0016】実施例2 エンゲージ CL8001 に代えてエンゲージ CL800を用いる
ようにした以外は、上記実施例1と同様にしてケーブル
を製造し、得られたケーブルの絶縁体特性および耐水ト
リー性を、実施例1と同様にして評価した。結果を表1
に示す。
【0017】比較例1〜3 絶縁体ベースポリマーとして、EP(三井石油化学社製
商品名 三井エラストマー k7705)、VLDPE(住
友化学工業社製 商品名エクセレンVL-100)、およびL
DPE(日本ユニカー社製 商品名 NUC-9025 )をそれ
ぞれ用いた以外は、上記実施例と同様にしてケーブルを
製造し、それぞれ比較例1、比較例2、および,比較例
3として、上記実施例と同様の特性評価を行った。結果
を表1に併せ示す。
【0018】
【表1】 実施例3 エンゲージ CL8002 (MI 1.0、密度 0.87 )に 1.4重量
%のDCPおよび0.04重量%の老化防止剤(チバガイギ
ー社製 商品名イルガノックス1010)を配合して絶縁性
組成物とし、これを 1mm厚さのシート状に押し出した
後、170 ℃の温度で20分間加熱して架橋させた。
【0019】得られたシートの架橋度を、キシレン抽出
(110 ℃×24hr)によるゲル分率で評価した。また、平
板電極を用いてtan δを測定した。結果を表2に示す。
【0020】実施例4 エンゲージ CL8002 に0.02重量%の老化防止剤のみを配
合して絶縁性組成物とし、これを 1mm厚さのシート状に
押し出した後、20Mrad[0.5MeV]の電子線を照射して架橋
させた。
【0021】得られたシートの架橋度およびtan δを実
施例4と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0022】実施例5 エンゲージ CL8002 に0.04重量%の老化防止剤イルガノ
ックス1010を配合し、さらに 2.3重量%のビニルトリメ
トキシシランを配合して絶縁性組成物とし、これを 1mm
厚さのシート状に押し出した後、10日間室内に放置して
架橋させた。
【0023】得られたシートの架橋度およびtan δを実
施例4と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0024】比較例4〜6 エンゲージ CL8002 に代えて、VLDPE(ユニオンカ
ーバイト社製 商品名DFDA-1210 )用いた以外は、それ
ぞれ上記実施例3〜5と同様にしてシートを作成し架橋
させた。得られたシートについて、上記実施例3〜5と
同様の特性評価を行った。結果を表2に併せ示す。
【0025】
【表2】 実施例6 直径 2mmの銅撚線導体上に、エンゲージ CL8002 (密度
0.87 g/mm3 、Mw/Mn 2.0 ) 100重量部に、DCP 2
重量部、老化防止剤イルガノックス10100.2重量部、お
よび焼成クレー 2重量部を配合した絶縁性組成物を押出
被覆し、加圧下(10atm )、180 ℃×15分間の条件で加
熱架橋させた。
【0026】得られた絶縁電線の可とう性および電気特
性を評価した。結果を表3に示す。 比較例7、8 Mw/Mn が4.2 のEPDM(ダウケミカル社製 商品名
ビスタロン707EP )、をベースポリマーとする汎用ゴ
ム組成物を直径 2mmの銅撚線導体上に被覆した(比較例
7)。
【0027】また、Mw/Mn が5.0 のVLDPE(住友
化学工業社製 商品名エクセレンVL-200) 100重量部
に、架橋剤パーヘキシン25B (日本油脂社製 商品名)
1重量部、老化防止剤イルガノックス1010を 0.2重量部
を配合した絶縁性組成物を直径2mmの銅撚線導体上に押
出被覆し、加熱架橋させた(比較例8)。
【0028】得られた絶縁電線の可とう性、引張強度お
よび電気特性を実施例6と同様にして評価した。結果を
表3に併せ示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明によれば、電気特性が良好で、かつ、柔軟性、耐水
トリー性に優れ、さらに、機械的特性も良好な高性能、
高信頼性の電線・ケーブルが得られる。したがって、高
圧電力ケーブルをはじめ、レントゲンケーブルなどの直
流高圧ケーブル、高圧モータなどの口出線などの各種電
線・ケーブルに広く用い、高い信頼性を得ることができ
る。
【0031】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.86〜0.91g/cm3 で、かつ、tan
    δが0.001 以下のポリエチレンをベースポリマーとする
    絶縁材料からなる絶縁体層を具備してなることを特徴と
    する電線・ケーブル。
  2. 【請求項2】 分子量分布の狭いポリエチレンをベース
    ポリマーとする絶縁材料からなる絶縁体層を具備してな
    ることを特徴とする電線・ケーブル。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンがエチレンとオクテンとを
    メタロセン触媒を用いて重合させたポリエチレンである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の電線・ケーブ
    ル。
  4. 【請求項4】 低圧絶縁線心の外周に、半導電層、高圧
    絶縁体層、遮蔽層およびシースを順に有する直流高圧ケ
    ーブルにおいて、前記高圧絶縁体層が、密度が0.86〜0.
    91g/cm3 で、かつ、tan δが0.001 以下のポリエチレン
    をベースポリマーとする絶縁材料からなることを特徴と
    する直流高圧ケーブル。
  5. 【請求項5】 低圧絶縁線心の外周に、半導電層、高圧
    絶縁体層、遮蔽層およびシースを順に有する直流高圧ケ
    ーブルにおいて、前記高圧絶縁体層が、分子量分布の狭
    いポリエチレンをベースポリマーとする絶縁材料からな
    ることを特徴とする直流高圧ケーブル。
JP32893894A 1994-12-28 1994-12-28 電線・ケーブル Withdrawn JPH08185712A (ja)

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JP32893894A JPH08185712A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 電線・ケーブル

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JP32893894A Withdrawn JPH08185712A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 電線・ケーブル

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007273277A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Furukawa Electric Co Ltd:The ケーブルおよびケーブルの劣化防止方法
JP2012201779A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Nippon Zeon Co Ltd 樹脂組成物及び送電ケーブル用被覆材
JP2013173818A (ja) * 2012-02-23 2013-09-05 Nippon Zeon Co Ltd 樹脂組成物及び送電ケーブル用被覆材

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JP2012201779A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Nippon Zeon Co Ltd 樹脂組成物及び送電ケーブル用被覆材
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Effective date: 20020305