JPH0820682A - 電気絶縁性組成物 - Google Patents

電気絶縁性組成物

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JPH0820682A
JPH0820682A JP17602994A JP17602994A JPH0820682A JP H0820682 A JPH0820682 A JP H0820682A JP 17602994 A JP17602994 A JP 17602994A JP 17602994 A JP17602994 A JP 17602994A JP H0820682 A JPH0820682 A JP H0820682A
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JP
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ethylene
weight
density
melt index
density polyethylene
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JP17602994A
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Inventor
Masaki Kawahigashi
正記 川東
Hitoshi Shimoura
斉 下浦
Hiroshi Kato
寛 加藤
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気絶縁用、特に高圧ケーブル、及びこれら
の接続部、端末部等の機器用高圧電気絶縁性用部材とし
て好適な電気絶縁性組成物を提供する。 【構成】 低密度ポリエチレン45〜97重量%、エチ
レン−α−オレフィン及び/またはエチレン−プロピレ
ン−ジエン重合体3〜65重量%からなる樹脂成分10
0重量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
0.05〜0.5重量部、及び高級脂肪酸アミド0.0
1〜1.0重量部配合してなる電気絶縁性組成物とする
ことで、高度な電気特性を有し、特にインパルス破壊特
性、及び高温下におけるインパルス破壊特性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気絶縁用、特に高圧
ケーブル、及びこれらの接続部、端末部等の高圧電気絶
縁部材として好適な電気絶縁性組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】最近、
電力ケーブルに要求される電圧階級は年々大きく上昇
し、より高度な信頼性が求められている。かかる電力ケ
ーブルの電気絶縁性組成物として、従来まで低密度ポリ
エチレン、または架橋ポリエチレンが汎用されていた。
ところで、当該電力ケーブルには落雷等の事故により、
瞬間的ではあるが、大きな電圧が負荷されることがあ
る。このため、電力ケーブルに用いられる電気絶縁材料
にはこのような事故に対応する強い抵抗力を有すること
が重要となり、衝撃破壊電圧特性(インパルス破壊特
性)が重要な特性となる。
【0003】また、大容量の電力ケーブルの運転時にお
ける、導体の発熱により90℃程度の高温となり、これ
ら大容量電力ケーブルの絶縁層は、かかる高温度におい
てもインパルス破壊特性が良好なことが要求される。す
なわち、該電力ケーブルの事故時においては、絶縁層が
90℃付近の高温の状態においても前記したインパルス
破壊特性に優れることが必要となる。
【0004】しかしながら、従来までの低密度ポリエチ
レン、または架橋ポリエチレンの絶縁層とする電力ケー
ブルはインパルス破壊特性、特に90℃のおけるインパ
ルス破壊特性が必ずしも十分とは言えなかった。
【0005】本発明者らは、インパルス破壊特性が良好
な電気絶縁用、特に高圧ケーブル、及びこれらの接続
部、端末部等の高圧電気絶縁部材として好適な電気絶縁
性組成物について鋭意研究を重ねた結果、低密度ポリエ
チレンに対して、エチレン−α−オレフィン及び/また
はエチレン−プロピレン−ジエン重合体を配合した組成
物は、高度な電気特性を有し、特にインパルス破壊特
性、及び高温下におけるインパルス破壊特性が極めて良
好であることを見出し、本発明するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、低密度ポリ
エチレン45〜97重量%、エチレン−α−オレフィン
及び/またはエチレン−プロピレン−ジエン重合体3〜
65重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤0.05〜0.5重量
部、及び高級脂肪酸アミド0.01〜1.0配合してな
ることを特徴とする電気絶縁性組成物によって解決され
る。好ましくはJIS K6760によって測定された
メルトインデックス及び密度がそれぞれ0.2〜3.0
g/10min、0.915〜0.925g/cm3
ある低密度ポリエチレン45〜97重量%、エチレン−
α−オレフィン及び/またはエチレン−プロピレン−ジ
エン重合体3〜65重量%からなる樹脂成分100重量
部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.0
5〜0.5重量部、及び高級脂肪酸アミド0.01〜
1.0重量部配合してなることを特徴とする電気絶縁性
組成物によって解決される。
【0007】
【作用】低密度ポリエチレン45〜97重量%、エチレ
ン−α−オレフィン及び/またはエチレン−プロピレン
−ジエン重合体3〜65重量%からなる樹脂成分100
重量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
0.05〜0.5重量部、及び高級脂肪酸アミド0.0
1〜1.0重量部配合した組成物とすることで、高度な
電気特性を有し、特にインパルス破壊特性、及び高温下
におけるインパルス破壊特性が極めて良好となる。
【0008】次に本発明で用いる材料について詳細に説
明する。本発明に用いる低密度ポリエチレンとしては、
いわゆる高圧法による低密度ポリエチレンであって、例
えばエチレンを酸素、ペルオキシド、アゾ化合物等の開
始剤により1000〜2000気圧程度、150〜25
0℃程度の条件下にて重合されたものである。
【0009】本発明に用いる低密度ポリエチレンは、い
わゆる高圧法による低密度ポリエチレンであれば、公知
の低密度ポリエチレンを用いることができるが、JIS
K6760によって測定されたメルトインデックス
(以下、単にメルトインデックスという)が0.1〜
4.0、好ましくは0.2〜3.0、就中0.8〜1.
3g/10min、JIS K6760によって測定し
た密度(以下、単に密度という)が0.905〜0.9
30、好ましくは0.915〜0.925g/cm3
中0.918〜0.922g/cm3 である。メルトイ
ンデックスが0.1g/10minよりも小さい、また
は4.0g/10minよりも大きいものは成型加工性
に劣る傾向にある。また、密度が0.905g/cm3
よりも小さいもの、0.930g/cm3 よりも大きい
ものはインパルス破壊強度に劣る傾向にある。
【0010】また、本発明に用いる低密度ポリエチレン
は、破断点伸びは450〜800%、就中550〜75
0%、熱分析(DSC)法による融点が100〜115
℃、好ましくは105〜110℃であるものを用いるこ
とが好ましい。破断点伸びは450よりも小さくても、
750%よりも大きくても機械的強度の点で問題が生じ
る傾向がある。熱分析(DSC)法による融点が100
℃未満のものでは、機械的強度の点で問題が生じる傾向
にあり、110℃よりも大きいものはインパルス破壊強
度に劣る傾向にある。なお、熱分析(DSC)法による
融点の測定方法は、具体的には昇温速度10℃/mi
n、窒素ガス雰囲気(100ml/min)条件下で行
なう。
【0011】上記の中でも、JIS K6760によっ
て測定されたメルトインデックス及び密度がそれぞれ
0.2〜3.0g/10min、0.915〜0.92
5g/cm3 であるものが好ましく、特にJIS K6
760によって測定されたメルトインデックス及び密度
がそれぞれ0.2〜3.0g/10min、0.915
〜0.925g/cm3 であって、かつ熱分析(DS
C)法による融点が105〜110℃であるものが好ま
しい。
【0012】上記低密度ポリエチレンに市販品として
は、三菱油化社製ZF−30R(メルトインデックス
1.1g/10min、密度0.920g/cm3 )、
三菱油化社製HE−30(メルトインデックス0.3g
/10min、密度0.920g/cm3 )、三菱油化
社製ZF−50(メルトインデックス0.7g/10m
in、密度0.924g/cm3 )、宇部興産社製UB
EC530(メルトインデックス1.1g/10mi
n、密度0.920g/cm3 )、住友化学社製スミカ
センC−215(メルトインデックス1.4g/10m
in、密度0.920g/cm3 )、日本石油社製W−
300(メルトインデックス2.0g/10min、密
度0.919g/cm3 )等が挙げられる。特に三菱油
化社製ZF−30R(メルトインデックス1.1g/1
0min、密度0.920g/cm3 )は好適に用いら
れる。
【0013】本発明で用いるエチレン−α−オレフィン
としては、炭素数3〜12のα−オレフィンとエチレン
との共重合体であって、密度は通常0.865〜0.9
40g/cm3 、好ましくは0.875〜0.930g
/cm3 程度のものである。また重量平均分子量は通常
5万〜30万程度であり、メルトインデックスは、0.
1〜1.3g/min、好ましくは0.3〜1.0g/
min程度である。また、破断点伸びは550〜950
%、好ましくは650〜900%程度である。これらの
中でも、特に炭素数が3、4、6のいずれかのα−オレ
フィンとエチレンとの共重合体が好ましい。より具体的
には、炭素数3または4のα−オレフィンとエチレンと
の共重合体であって、かつ密度、メルトインデックス、
破断点伸びがそれぞれ0.88〜0.89g/cm3
0.3〜0.5g/min、680〜720%のものが
好ましい。また、炭素数4または6のα−オレフィンと
エチレンとの共重合体であって、かつ密度、メルトイン
デックス、破断点伸びがそれぞれ0.883〜0.90
2g/cm3 、0.7〜0.9g/min、750〜9
00%のものが好ましい。上記エチレン−α−オレフィ
ンの1種または2種以上を用いることができる。
【0014】上記エチレン−α−オレフィンの市販品と
しては、例えば、住友化学社製スミカセン−L FA1
01−1(密度0.919g/cm3 ,メルトインデッ
クス0.8g/min)、三菱油化社ウルトゼックス2
020L、ユニオンカーバイド社製DFDA−754
0、三井石油化学社製タフマーP−0680(密度0.
88g/cm3 、メルトインデックス0.4g/mi
n、破断点伸び700%)、三井石油化学社製タフマー
A−4090(密度0.89g/cm3 、メルトインデ
ックス(190℃)3.6g/min、破断点伸び70
0%)、住友化学社製エクセレンVL−100(密度
0.90g/cm3 、メルトインデックス0.8g/m
in、破断点伸び900%)、住友化学社製エクセレン
EUL−130(密度0.885g/cm3 、メルトイ
ンデックス0.8g/min、破断点伸び770%)等
が挙げられる。
【0015】エチレン−プロピレン−ジエン重合体とし
ては、プロピレン含有量が15〜70モル%、好ましく
は20〜50モル%程度のものを挙げることができ、ジ
エン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロ
ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等を用いることが
でき、ヨウ素価は8〜40、好ましくは10〜30、さ
らに好ましくは15〜25である。本発明で用いるエチ
レン−プロピレン−ジエン重合体の密度は、通常0.8
0〜0.92、好ましくは0.82〜0.90、さらに
好ましくは0.84〜0.88g/cm3 であり、ムー
ニー粘度(100℃)は、32〜44、好ましくは34
〜42、さらに好ましくは36〜40である。また、破
断点伸びは、600〜800、好ましくは650〜75
0、さらに好ましくは680〜720%である。
【0016】エチレン−プロピレン−ジエン重合体の市
販品としては、日本合成ゴム社製EP21(密度0.9
20g/cm3 、メルトインデックス1.1g/10
分、破断点伸び370%、ムーニー粘度(100℃)3
8、ヨウ素価19)、日本合成ゴム社製EP51(密度
0.86g/cm3 、破断点伸び310%、ムーニー粘
度(100℃)38、ヨウ素価19)、三井石油化学社
製EPT4021(密度0.86g/cm3 、破断点伸
び470%、ムーニー粘度(100℃)23)等が例示
される。これらの中でも、特に日本合成ゴム社製EP2
1が好ましい。
【0017】上記低密度ポリエチレンとエチレン−α−
オレフィンとは、それぞれ45〜97重量%、45〜9
7重量%の混合比率で配合される。かかる混合比率の範
囲外であるとインパルス破壊特性が低下する傾向にあ
る。
【0018】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、公知ものが使用でき、例えば、テトラキス[メチレ
ン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェノール)プロピオネート](チバガイギー社製
イルガノックス1010)、2,2−チオ[ジエチル−
ビス−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェノール)プロピオネート](チバガイギー社
製イルガノックス1035)、4,4´−チオビス(3
−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(大内新
興社製ノクラック300)、4,4´−メチレン−ビス
(3,5−ジ−tert−ブチルフェノール)(英IC
I社製アイオノックス220)、2,2´−メチレンビ
ス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール(大
内新興社製ノクラックNS−5)、2,2´−メチレン
ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール
(大内新興社製ノクラックNS−6)、4,4´−ブチ
リデンビス(3−メチル−6−tertブチルフェノー
ル(大内新興社製ノクラックNS−30)等が挙げられ
る。上記の酸化防止剤の中でも特に4,4´−チオビス
(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)が好
ましい。
【0019】ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、低
密度ポリエチレン45〜97重量%、エチレン−α−オ
レフィン及び/またはエチレン−プロピレン−ジエン重
合体3〜65重量%からなる樹脂成分100重量部に対
して、0.05〜0.5重量部配合される。0.5重量
部よりも多い、または0.05重量部よりも少ないとイ
ンパルス破壊特性が低下する傾向にある。
【0020】高級脂肪酸アミドとしては、炭素数が10
〜20程度の脂肪酸を有するアミドであって、たとえば
ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、リノール酸
アミド、オキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド
等の1種または2種以上が用いられる。上記の中でも特
にステアリン酸アミドが好ましい。高級脂肪酸アミド
は、低密度ポリエチレン45〜97重量%、エチレン−
α−オレフィン及び/またはエチレン−プロピレン−ジ
エン重合体3〜65重量%からなる樹脂成分100重量
部に対して、0.01〜1.0重量部配合される。1.
0重量部よりも多い、または0.01重量部よりも少な
いとインパルス破壊特性が低下する傾向にある。
【0021】本発明の絶縁性組成物は必要に応じて架橋
して用いてもよい。この場合、架橋剤として、ジアルキ
ルパーオキサイド、ジアルコキシパーオキサイド、ジア
シルパーオキサイド等の有機過酸化物が用いられる。例
えば、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチル
パーオキサイド等を適宜用いればよい。本発明の電気絶
縁性組成物を有機過酸化物によって架橋する場合には、
150〜290℃、好ましくは170〜250℃にて、
10〜120分間加熱処理すればよい。
【0022】また、架橋は、シラン架橋タイプであって
もよい。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシランのようなシラン化合物と、ジクミルオ
キサイド、ヒドロキシペプチルオキサイド等のラジカル
発生剤とにより低密度ポリエチレンにグラフトさせ、該
シラングラフト化された低密度ポリエチレンをジブチル
チンジウラレート、ジブチルチンジアセテート等のシラ
ノール縮合触媒を添加混合し、水分存在下で架橋すれば
よい。
【0023】また、本発明の組成物は電子線照射によっ
て架橋してもよい。電子線の照射量は通常2〜30Mr
ad程度である。
【0024】さらに本発明の組成物を架橋するときには
架橋助剤を配合してもよい。架橋助剤としては、ジビニ
ルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレ
ート、4,4´−イソプロピリデンジフェノールビス
(ジエチレングリコールメタクリレート)エーテル、ト
リアリルトリメリテート、2,2´−ビス(4−アクリ
ロキシジエトキシフェニル)プロパン等の芳香族多官能
性化合物、syn−1,2−ポリブタジエン、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、N,N´−メチレンビ
スアクリルアミド、エチレングリコールジメタアクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート、1,6−ヘキサジオー
ルメタクリレート、テトラヘキサンジオールジメタクリ
レート等の脂肪族多官能性化合物、トリアリルイソシア
ヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアクリロイル
ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、ジアクリルク
ロレンデート等の脂肪族多官能性環状化合物、アルムニ
ウムアクリレート、アルミニウムメタクリレート、亜鉛
アクリレート、亜鉛メタクリレート、マグネシウムアク
リレート、マグネシウムメタクリレート、カルシウムア
クリレート、カルシウムメタクリレート、ジルコンアク
リレート、ジルコンメタクリレート等の含金属多官能性
化合物等を例示され、これらの1種または2種以上を
0.1〜3.0重量部程度添加すれば良い。上記架橋助
剤中、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌ
レート、トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−
トリアジンが好ましい。
【0025】本発明の電気絶縁性組成物には、本発明の
目的を損なわない程度に安定剤、充填剤、着色剤等を配
合してもよい。
【0026】本発明の電気絶縁性組成物は、通常の混練
手段によって、例えばバンバリーミキサー、ヘンシュル
ミキサー、ニーダ、ロール、ブレンダなどによって混練
され、次いで押出し機、射出成型機などの成型機を用い
て特定の製品形状、例えば電線用電気絶縁層、高圧ケー
ブルの接続部、端末部等の機器用高圧電気絶縁性用部
材、テープ、シート、スペーサー、プラグ、ソケット、
パイプ、絶縁棒、各種電装成型品、回路部品、封止材料
等に加工される。
【0027】本発明の電気絶縁性組成物を電力ケーブル
の絶縁層として用いる場合には、公知の方法にて形成す
ればよい。例えば、加圧押出、チュービング法によって
導体上に連続形成される。また、66kv以上程度の電
力ケーブルでは、内部半導電層、外部半導電層を適宜設
ければよい。導体上にセパレーターテープを施すもの、
絶縁層上にさらにシース層を設ける態様であってよい。
【0028】本発明の絶縁性組成物を電力ケーブルの絶
縁体として用いる場合には、ケーブルの導体は、純銅、
軟銅、硬銅等の公知の導体を用いればよい。絶縁層の厚
さは、送電容量に応じて適宜設計すればよく、たとえば
1〜30mm程度である。
【0029】(実施例1〜20、比較例1〜6)表1に
示す各成分をロールミルを用いて120℃にて混練し、
圧縮成型器中で120℃で15分間溶融成型し、厚さ
0.3mmのシートを得た。なお、架橋の場合は、さら
に180℃で20分間加熱プレス成型を行った。該シー
トは室温または90℃にてインパルス破壊特性試験を行
った。
【0030】なお、実施例、比較例で用いた配合剤は、
以下の通りである。 1)低密度ポリエチレン(三菱油化社製、ZF−30
R、密度0.920g/cm3 、メルトインデックス
1.1g/10分、破断点伸び740%、DSCによる
融点106℃) 2)エチレン−α−オレフィン(住友化学社製、スミカ
セン−L FA101−1,密度0.919g/c
3 、メルトインデックス0.8g/10分、破断点伸
び850%) 3)エチレン−α−オレフィン(住友化学社製、エクセ
レンVL−100,密度0.900g/cm3 、メルト
インデックス0.8g/10分、破断点伸び900%) 4)エチレン−α−オレフィン(住友化学社製、エクセ
レンEUL−130、密度0.855g/cm3 、メル
トインデックス0.8g/10分、破断点伸び770
%) 5)エチレン−α−オレフィン(三井石油化学社製、タ
フマーP−0680、密度0.88g/cm3 、メルト
インデックス0.4g/10分、破断点伸び700%) 6)エチレン−α−オレフィン(三井石油化学社製、タ
フマーA−4090、密度0.89g/cm3 、メルト
インデックス3.6g/10分(190℃)、破断点伸
び700%) 7)エチレン−プロピレン−ジエンゴム(日本合成ゴム
社製、EP−21、密度0.920g/cm3 、メルト
インデックス1.1g/10分、破断点伸び370%、
ムーニー粘度(100℃)38、ヨウ素価19) 8)ヒンダードフェノール系酸化防止剤(大内新興社
製、N−300、4,4´−チオビス(3−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)) 9)ステアリン酸アミド(日本化成社製) 10)オレイン酸アミド(日本化成社製) 11)ジクミルパーオキサイド(日本油脂製DCP)
【0031】(インパルス破壊特性試験)改良型McK
eown電極系にて1×40μsecの負極インパルス
標準波を予想破壊電圧の70%値を初期値として、室温
及び90℃にて、5kv/3回印加のステップアップ昇
圧方式で課電した。なお、インパルス耐圧値は1条件に
つき10試料のデータを採取し、ワイブル解析後、破壊
確率63.3%における破壊値をもって、その試料のイ
ンパルス耐圧値とし、結果を表1及び表2に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】本発明の絶縁性組成物は、非架橋の場合
で、低密度ポリエチレン単独よりもインパルス破壊電圧
が25〜190kv/mm大きく、また高温(90℃)
においてもインパルス破壊電圧が40〜160kv/m
m大きい。また、架橋の場合においても、低密度ポリエ
チレン単独よりもインパルス破壊電圧が45〜60kv
/mm大きく、また高温(90℃)においてもインパル
ス破壊電圧が65〜80kv/mm大きい。
【0035】
【効果】本発明における絶縁性組成物は、電気破壊強度
等の電気特性、特に高温における、電気破壊強度が良好
である。したがって、高圧の電気絶縁体として極めて有
望なものであり、大容量の電力ケーブルの絶縁体として
適用でき、かつその信頼性が高まる。また、電気破壊強
度等の電気特性が優れているが故に、従来までの絶縁層
を低減することができ、電力ケーブルの小型化が図れ
る。
【表1】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低密度ポリエチレン45〜97重量%、
    エチレン−α−オレフィン及び/またはエチレン−プロ
    ピレン−ジエン重合体3〜65重量%からなる樹脂成分
    100重量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防
    止剤0.05〜0.5重量部、及び高級脂肪酸アミド
    0.01〜1.0重量部配合してなることを特徴とする
    電気絶縁性組成物。
  2. 【請求項2】 上記低密度ポリエチレンが、JIS K
    6760によって測定されたメルトインデックス及び密
    度がそれぞれ0.2〜3.0g/10min、0.91
    5〜0.925g/cm3 である特許請求の範囲第1項
    記載の電気絶縁性組成物。
JP17602994A 1994-07-04 1994-07-04 電気絶縁性組成物 Pending JPH0820682A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000053815A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 電気絶縁樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケーブル
US8083123B2 (en) 2006-01-27 2011-12-27 Ibiden Co., Ltd. Method for manufacturing a printed wiring board
JP2022022531A (ja) * 2020-06-25 2022-02-07 デンカ株式会社 ブチルゴム系粘着剤組成物、粘着テープ、屋根用防水シート及び接合体

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