JP3420397B2 - 直流ケーブル - Google Patents
直流ケーブルInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流ケーブルに関
する。 【0002】 【従来の技術】従来より、高圧交流送電用電力ケーブル
をはじめ各種交流ケーブルとして、チーグラー・ナッタ
触媒により合成したポリエチレンを通常ジクミルパーオ
キサイドにより架橋した架橋ポリエチレンを絶縁体とし
たケーブルが、高くかつ安定した絶縁耐力を有し、か
つ、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性などにも優れることか
ら、広く用いられている。 【0003】そして、近年、このように優れた特長を有
する架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを、直流ケーブルと
して使用することが検討されている。 【0004】しかしながら、この場合、解決すべき直流
絶縁特有の問題があり、未だ、実用化するまでには至っ
ていないのが実状である。 【0005】すなわち、従来の架橋ポリエチレン絶縁ケ
ーブルでは、直流電圧の印加により、絶縁体内に空間電
荷が形成蓄積されやすく、直流破壊特性などが低くなる
という問題があった。 【0006】そこで、ベースのポリエチレンを変性させ
たり、カーボンブラックや酸化マグネシウムなどの充填
剤を添加するなど、空間電荷の形成蓄積を抑制する対策
が種々提案されているが、このような変性や充填剤の添
加は、必然的に不純物レベルを高めることになり、架橋
ポリエチレン本来の優れた絶縁特性の低下を招くおそれ
がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】このように、交流ケー
ブルとして汎用されている架橋ポリエチレン絶縁ケーブ
ルを直流ケーブルにも適用すべく研究開発が進められて
いるが、従来のチーグラー・ナッタ触媒により合成した
ポリエチレンを用いたものでは、空間電荷蓄積特性に問
題があり、また、これを改善するため、変性や充填剤の
添加を行ったものでは、架橋ポリエチレン本来の優れた
絶縁特性が低下するという問題があった。本発明はこの
ような従来の事情に対処してなされたもので、従来の架
橋ポリオレフィン絶縁ケーブル本来の優れた特性を損な
うことなく、空間電荷の蓄積特性を改善し、直流破壊特
性などを向上させることのできる直流ケーブルを提供す
ることを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の直流ケーブル
は、脂肪族系架橋剤により架橋してなる、エチレンとオ
クテンとをメタロセン触媒を用いて重合させた重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが3.0以下の
ポリエチレンを主体とする絶縁体層を具備してなること
を特徴とする。 【0009】本発明において使用されるポリエチレン
は、具体的には、たとえばダウ・ケミカル社製のエンゲ
ージCL8001、CL8002などが使用される。 【0010】なお、重量平均分子量Mwと数平均分子量
Mnとの比Mw/Mnは2.0前後であるとより好ましい。 【0011】また、本発明において使用される脂肪族系
架橋剤としては、1,1-ビス(t-ブチル・パーオキシ)-
3,3,5- トリメチル・シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブ
チル・パーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチ
ル・パーオキシ)オクタン、n-ブチル-4,4- ビス(t-ブ
チル・パーオキシ)バレレート、2,2-ビス(t-ブチル・
パーオキシ)ブタン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5- ジヒ
ドロパーオキシド、ジ-t- ブチル・パーオキシド、2,5-
ジメチル-2,5- ジ(t- ブチル・パーオキシ)ヘキサン、
2,5-ジメチル-2,5- ジ(t- ブチル・パーオキシ)ヘキシ
ン-3、アセチル・パーオキシド、イソブチリル・パーオ
キシド、オクタノイル・パーオキシド、デカノイル・パ
ーオキシド、ラウロイル・パーオキシド、3,5,5-トリメ
チル・ヘキサノイル・パーオキシド、ジイソプロピル・
パーオキシ・ジカルボネート、ジ-2- エチルヘキシル・
パーオキシ・ジカルボネート、ジ-n- プロピル・パーオ
キシ・ジカルボネート、ジ- ミリスチル・パーオキシ・
ジカルボネート、ジ-2- エトキシエチル・パーオキシ・
ジカルボネート、ジ- メトキシイソプロピル・パーオキ
シ・ジカルボネート、ジ(3- メチル-3- メトキシブチ
ル)パーオキシ・ジカルボネート、t-ブチル・パーオキ
シ・アセテート、t-ブチル・パーキシ。イソブチレー
ト、t-ブチル・パーオキシ-2- エチル・ヘキサノエー
ト、t-ブチル・パーオキシ-3,5,5- トリメチル・ヘキサ
ノエート、t-ブチル・パーオキシ・ラウレート、t-ブチ
ル・パーオキシ・イソプロピル・カルボネートなどが例
示される。これらは 1種を単独で使用してもよく、ある
いは 2種以上を混合して用いるようにしてもよい。 【0012】本発明の絶縁体層は、上記各成分と、本発
明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて配合される酸
化防止剤、紫外線吸収剤その他の添加剤を、通常の混練
手段、たとえば加圧ニーダなどにより均一に添加混合し
て絶縁性組成物を得、これを導体外周に押出被覆し、加
熱架橋させることにより形成される。 【0013】このように形成された絶縁体層は、空間電
荷の蓄積特性が大幅に改善されており、直流ケーブルに
要求される直流破壊特性などに優れている。また、他の
絶縁特性や機械的特性にも優れている。 【0014】本発明においては、絶縁体層を構成するポ
リマー成分として、分子量分布の狭い特定のポリエチレ
ンを用いるとともに、これを脂肪族系架橋剤により架橋
させるようにしたので、変性や充填剤添加によることな
く、空間電荷の蓄積特性を大幅に改善し、直流ケーブル
に要求される直流破壊特性などの特性を向上させること
ができる。なお、これは、次のような理由によると考え
られる。 【0015】従来のチーグラー・ナッタ触媒により合成
したポリエチレンは、分子量分布が広く、コモノマーの
含有率が分子毎に異なり、特に分子鎖の短いものにコモ
ノマーが入りやすい、すなわち、低密度で分子量の小さ
い成分を含むため、これが空間電荷キャリアのトラップ
センターになりやすい。また、従来のジクミルパーオキ
サイドなどの芳香族系架橋剤は、架橋反応にともなう分
解生成物が絶縁体中に多く残存しやすく、これがイオン
性空間電荷を形成し、さらに、芳香環が空間電荷をトラ
ップする。これに対し、分子量分布の狭い本発明のポリ
エチレンでは、分子中のコモノマーの含有率がほぼ均一
であるため、空間電荷キャリアのトラップが少なく、ま
た、脂肪族系架橋剤は、架橋残渣をほとんど発生しない
ため、架橋残渣によるイオン性空間電荷の形成がなく、
芳香環による空間電荷のトラップも生じない。そして、
本発明においては、これらの効果が相加相乗されて、空
間電荷の蓄積が大幅に低減されるものと考えられる。 【0016】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。 【0017】図1は本発明の直流ケーブルの実施の形態
の一例を示す断面図である。 【0018】図1に示すように、この直流ケーブルは、
断面積 60 mm2 の銅撚線よりなる導体1と、この導体1
上に、例えばエチレン・酢酸ビニルコポリマーのような
乾質ポリオレフィンに 38 重量%の導電性カーボンを配
合した半導電性ポリエチレン組成物を押出被覆して形成
された 1mm厚の内部半導電層2と、この内部半導電層2
上に、メタロセン触媒により合成されたポリエチレンの
エンゲージ CL8001 に2重量%の脂肪族系架橋剤パーヘ
キシン 25B(日本油脂社製 商品名)、および0.2重量
%の老化防止剤を配合した絶縁性組成物を押出被覆し、
加熱架橋させて形成された 3mm厚の絶縁体層3と、この
絶縁体層3上に、内部半導電層1で用いたものと同じ半
導電性ポリエチレン組成物を押出被覆して形成された
0.5mm厚の外部半導電層4と、さらに、その上に、軟質
塩化ビニル樹脂を押出被覆して形成された 2.5mm厚のシ
ース5とから構成されている。 【0019】上記構成の直流ケーブルの絶縁体層の空間
電荷蓄積特性を評価するため、上記絶縁体層の形成に用
いた絶縁性組成物をシート状に押出し、加熱架橋して 1
mm厚、密度 0.875g/cm3 の試料シートAを作成した。ま
た、比較のために、高圧法低密度ポリエチレン NUC 902
5 (日本ユニカー社製 商品名)に 2重量%のジクミル
パーオキサイド(DCP)、および 0.2重量%の老化防
止剤を配合した絶縁性組成物をシート状に押出し、加熱
架橋して 1mm厚、密度0.9161g/cm3 の試料シートBを作
成した。 【0020】次いで、これらの各試料シートに室温で 4
0kV の直流電圧を課電し、パルス静電応力法(PEA
法)により空間電荷蓄積特性を測定した。なお、パルス
の最大出力電圧は 4kV、その幅は30nsである。また、空
間電荷分布の測定はすべて短絡状態で実施した。図2
(a)および(b)は、それぞれこのようにして測定し
た各シートの空間電荷分布特性を、縦軸を空間電荷密度
(C/m3 )、横軸をシートの厚さ(mm)、また、深さ軸
を電圧課電時間(min)として示したものである。なお、
図中の符号+および−は、印加電圧の極性を示す。 【0021】図2からも明らかなように、本発明に係る
試料シートAは、従来組成の架橋ポリエチレンシートで
ある試料シートBに比べ、空間電荷の蓄積が少なくなっ
ている。 【0022】また、上記直流ケーブルについて常温で直
流破壊試験および直流極性反転破壊試験を行った。結果
は表1に示した通りで、直流破壊電圧および直流極性反
転破壊電圧ともに良好な結果が得られた。なお、表1に
は、試料シートBの作成に用いた絶縁性組成物で絶縁体
層を構成するようにした以外は、上記直流ケーブルと同
一構成としたケーブルの例を比較例として併せ示した。 【0023】 【表1】 【0024】 【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明によれば、絶縁体層を構成するポリマー成分とし
て、分子量分布の狭い特定のポリエチレンを用いるとと
もに、これを脂肪族系架橋剤により架橋させるようにし
たので、架橋ポリオレフィン絶縁ケーブル本来の優れた
特性を具備し、かつ、空間電荷の蓄積特性が向上し、直
流破壊特性に優れ、かつ、直流極性反転に強い直流ケー
ブルを得ることができる。
する。 【0002】 【従来の技術】従来より、高圧交流送電用電力ケーブル
をはじめ各種交流ケーブルとして、チーグラー・ナッタ
触媒により合成したポリエチレンを通常ジクミルパーオ
キサイドにより架橋した架橋ポリエチレンを絶縁体とし
たケーブルが、高くかつ安定した絶縁耐力を有し、か
つ、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性などにも優れることか
ら、広く用いられている。 【0003】そして、近年、このように優れた特長を有
する架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを、直流ケーブルと
して使用することが検討されている。 【0004】しかしながら、この場合、解決すべき直流
絶縁特有の問題があり、未だ、実用化するまでには至っ
ていないのが実状である。 【0005】すなわち、従来の架橋ポリエチレン絶縁ケ
ーブルでは、直流電圧の印加により、絶縁体内に空間電
荷が形成蓄積されやすく、直流破壊特性などが低くなる
という問題があった。 【0006】そこで、ベースのポリエチレンを変性させ
たり、カーボンブラックや酸化マグネシウムなどの充填
剤を添加するなど、空間電荷の形成蓄積を抑制する対策
が種々提案されているが、このような変性や充填剤の添
加は、必然的に不純物レベルを高めることになり、架橋
ポリエチレン本来の優れた絶縁特性の低下を招くおそれ
がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】このように、交流ケー
ブルとして汎用されている架橋ポリエチレン絶縁ケーブ
ルを直流ケーブルにも適用すべく研究開発が進められて
いるが、従来のチーグラー・ナッタ触媒により合成した
ポリエチレンを用いたものでは、空間電荷蓄積特性に問
題があり、また、これを改善するため、変性や充填剤の
添加を行ったものでは、架橋ポリエチレン本来の優れた
絶縁特性が低下するという問題があった。本発明はこの
ような従来の事情に対処してなされたもので、従来の架
橋ポリオレフィン絶縁ケーブル本来の優れた特性を損な
うことなく、空間電荷の蓄積特性を改善し、直流破壊特
性などを向上させることのできる直流ケーブルを提供す
ることを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の直流ケーブル
は、脂肪族系架橋剤により架橋してなる、エチレンとオ
クテンとをメタロセン触媒を用いて重合させた重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが3.0以下の
ポリエチレンを主体とする絶縁体層を具備してなること
を特徴とする。 【0009】本発明において使用されるポリエチレン
は、具体的には、たとえばダウ・ケミカル社製のエンゲ
ージCL8001、CL8002などが使用される。 【0010】なお、重量平均分子量Mwと数平均分子量
Mnとの比Mw/Mnは2.0前後であるとより好ましい。 【0011】また、本発明において使用される脂肪族系
架橋剤としては、1,1-ビス(t-ブチル・パーオキシ)-
3,3,5- トリメチル・シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブ
チル・パーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチ
ル・パーオキシ)オクタン、n-ブチル-4,4- ビス(t-ブ
チル・パーオキシ)バレレート、2,2-ビス(t-ブチル・
パーオキシ)ブタン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5- ジヒ
ドロパーオキシド、ジ-t- ブチル・パーオキシド、2,5-
ジメチル-2,5- ジ(t- ブチル・パーオキシ)ヘキサン、
2,5-ジメチル-2,5- ジ(t- ブチル・パーオキシ)ヘキシ
ン-3、アセチル・パーオキシド、イソブチリル・パーオ
キシド、オクタノイル・パーオキシド、デカノイル・パ
ーオキシド、ラウロイル・パーオキシド、3,5,5-トリメ
チル・ヘキサノイル・パーオキシド、ジイソプロピル・
パーオキシ・ジカルボネート、ジ-2- エチルヘキシル・
パーオキシ・ジカルボネート、ジ-n- プロピル・パーオ
キシ・ジカルボネート、ジ- ミリスチル・パーオキシ・
ジカルボネート、ジ-2- エトキシエチル・パーオキシ・
ジカルボネート、ジ- メトキシイソプロピル・パーオキ
シ・ジカルボネート、ジ(3- メチル-3- メトキシブチ
ル)パーオキシ・ジカルボネート、t-ブチル・パーオキ
シ・アセテート、t-ブチル・パーキシ。イソブチレー
ト、t-ブチル・パーオキシ-2- エチル・ヘキサノエー
ト、t-ブチル・パーオキシ-3,5,5- トリメチル・ヘキサ
ノエート、t-ブチル・パーオキシ・ラウレート、t-ブチ
ル・パーオキシ・イソプロピル・カルボネートなどが例
示される。これらは 1種を単独で使用してもよく、ある
いは 2種以上を混合して用いるようにしてもよい。 【0012】本発明の絶縁体層は、上記各成分と、本発
明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて配合される酸
化防止剤、紫外線吸収剤その他の添加剤を、通常の混練
手段、たとえば加圧ニーダなどにより均一に添加混合し
て絶縁性組成物を得、これを導体外周に押出被覆し、加
熱架橋させることにより形成される。 【0013】このように形成された絶縁体層は、空間電
荷の蓄積特性が大幅に改善されており、直流ケーブルに
要求される直流破壊特性などに優れている。また、他の
絶縁特性や機械的特性にも優れている。 【0014】本発明においては、絶縁体層を構成するポ
リマー成分として、分子量分布の狭い特定のポリエチレ
ンを用いるとともに、これを脂肪族系架橋剤により架橋
させるようにしたので、変性や充填剤添加によることな
く、空間電荷の蓄積特性を大幅に改善し、直流ケーブル
に要求される直流破壊特性などの特性を向上させること
ができる。なお、これは、次のような理由によると考え
られる。 【0015】従来のチーグラー・ナッタ触媒により合成
したポリエチレンは、分子量分布が広く、コモノマーの
含有率が分子毎に異なり、特に分子鎖の短いものにコモ
ノマーが入りやすい、すなわち、低密度で分子量の小さ
い成分を含むため、これが空間電荷キャリアのトラップ
センターになりやすい。また、従来のジクミルパーオキ
サイドなどの芳香族系架橋剤は、架橋反応にともなう分
解生成物が絶縁体中に多く残存しやすく、これがイオン
性空間電荷を形成し、さらに、芳香環が空間電荷をトラ
ップする。これに対し、分子量分布の狭い本発明のポリ
エチレンでは、分子中のコモノマーの含有率がほぼ均一
であるため、空間電荷キャリアのトラップが少なく、ま
た、脂肪族系架橋剤は、架橋残渣をほとんど発生しない
ため、架橋残渣によるイオン性空間電荷の形成がなく、
芳香環による空間電荷のトラップも生じない。そして、
本発明においては、これらの効果が相加相乗されて、空
間電荷の蓄積が大幅に低減されるものと考えられる。 【0016】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。 【0017】図1は本発明の直流ケーブルの実施の形態
の一例を示す断面図である。 【0018】図1に示すように、この直流ケーブルは、
断面積 60 mm2 の銅撚線よりなる導体1と、この導体1
上に、例えばエチレン・酢酸ビニルコポリマーのような
乾質ポリオレフィンに 38 重量%の導電性カーボンを配
合した半導電性ポリエチレン組成物を押出被覆して形成
された 1mm厚の内部半導電層2と、この内部半導電層2
上に、メタロセン触媒により合成されたポリエチレンの
エンゲージ CL8001 に2重量%の脂肪族系架橋剤パーヘ
キシン 25B(日本油脂社製 商品名)、および0.2重量
%の老化防止剤を配合した絶縁性組成物を押出被覆し、
加熱架橋させて形成された 3mm厚の絶縁体層3と、この
絶縁体層3上に、内部半導電層1で用いたものと同じ半
導電性ポリエチレン組成物を押出被覆して形成された
0.5mm厚の外部半導電層4と、さらに、その上に、軟質
塩化ビニル樹脂を押出被覆して形成された 2.5mm厚のシ
ース5とから構成されている。 【0019】上記構成の直流ケーブルの絶縁体層の空間
電荷蓄積特性を評価するため、上記絶縁体層の形成に用
いた絶縁性組成物をシート状に押出し、加熱架橋して 1
mm厚、密度 0.875g/cm3 の試料シートAを作成した。ま
た、比較のために、高圧法低密度ポリエチレン NUC 902
5 (日本ユニカー社製 商品名)に 2重量%のジクミル
パーオキサイド(DCP)、および 0.2重量%の老化防
止剤を配合した絶縁性組成物をシート状に押出し、加熱
架橋して 1mm厚、密度0.9161g/cm3 の試料シートBを作
成した。 【0020】次いで、これらの各試料シートに室温で 4
0kV の直流電圧を課電し、パルス静電応力法(PEA
法)により空間電荷蓄積特性を測定した。なお、パルス
の最大出力電圧は 4kV、その幅は30nsである。また、空
間電荷分布の測定はすべて短絡状態で実施した。図2
(a)および(b)は、それぞれこのようにして測定し
た各シートの空間電荷分布特性を、縦軸を空間電荷密度
(C/m3 )、横軸をシートの厚さ(mm)、また、深さ軸
を電圧課電時間(min)として示したものである。なお、
図中の符号+および−は、印加電圧の極性を示す。 【0021】図2からも明らかなように、本発明に係る
試料シートAは、従来組成の架橋ポリエチレンシートで
ある試料シートBに比べ、空間電荷の蓄積が少なくなっ
ている。 【0022】また、上記直流ケーブルについて常温で直
流破壊試験および直流極性反転破壊試験を行った。結果
は表1に示した通りで、直流破壊電圧および直流極性反
転破壊電圧ともに良好な結果が得られた。なお、表1に
は、試料シートBの作成に用いた絶縁性組成物で絶縁体
層を構成するようにした以外は、上記直流ケーブルと同
一構成としたケーブルの例を比較例として併せ示した。 【0023】 【表1】 【0024】 【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明によれば、絶縁体層を構成するポリマー成分とし
て、分子量分布の狭い特定のポリエチレンを用いるとと
もに、これを脂肪族系架橋剤により架橋させるようにし
たので、架橋ポリオレフィン絶縁ケーブル本来の優れた
特性を具備し、かつ、空間電荷の蓄積特性が向上し、直
流破壊特性に優れ、かつ、直流極性反転に強い直流ケー
ブルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直流ケーブルの一例を示す横断面図。
【図2】(a)は本発明に係る試料シートの空間電荷分
布特性を示す図、(b)は従来組成の試料シートの空間
電荷分布特性を示す図。 【符号の説明】 1………導体 2………内部半導電層 3………絶縁体層 4………外部半導電層 5………シース
布特性を示す図、(b)は従来組成の試料シートの空間
電荷分布特性を示す図。 【符号の説明】 1………導体 2………内部半導電層 3………絶縁体層 4………外部半導電層 5………シース
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−266723(JP,A)
Polyfile(ポリファイル),
Vol.31 No.367(1994),p.
60〜63
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01B 3/44
H01B 9/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 脂肪族系架橋剤により架橋してなる、エ
チレンとオクテンとをメタロセン触媒を用いて重合させ
た重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn
が3.0以下のポリエチレンを主体とする絶縁体層を具備
してなることを特徴とする直流ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19684495A JP3420397B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | 直流ケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19684495A JP3420397B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | 直流ケーブル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0945146A JPH0945146A (ja) | 1997-02-14 |
| JP3420397B2 true JP3420397B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=16364608
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19684495A Expired - Fee Related JP3420397B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | 直流ケーブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3420397B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6207237B1 (en) * | 1998-09-30 | 2001-03-27 | Kimberly-Clark Corporation | Elastic nonwoven webs and films |
| WO2016002899A1 (ja) * | 2014-07-04 | 2016-01-07 | ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 | 多機能ベルト |
-
1995
- 1995-08-01 JP JP19684495A patent/JP3420397B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| Polyfile(ポリファイル),Vol.31 No.367(1994),p.60〜63 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0945146A (ja) | 1997-02-14 |
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