JP2003147134A - 半導電水密組成物 - Google Patents

半導電水密組成物

Info

Publication number
JP2003147134A
JP2003147134A JP2001338520A JP2001338520A JP2003147134A JP 2003147134 A JP2003147134 A JP 2003147134A JP 2001338520 A JP2001338520 A JP 2001338520A JP 2001338520 A JP2001338520 A JP 2001338520A JP 2003147134 A JP2003147134 A JP 2003147134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
semiconductive
watertight
layer
watertight composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001338520A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Tomomitsu Senso
智充 千艘
Tsutomu Tashiro
田代  勉
Tomohiko Ikeda
友彦 池田
Tatsuya Ogawa
達也 小川
Kunio Hanabusa
久仁夫 英
Hirokazu Kiyomi
広和 清見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2001338520A priority Critical patent/JP2003147134A/ja
Priority to CNB021074224A priority patent/CN1232578C/zh
Publication of JP2003147134A publication Critical patent/JP2003147134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/14Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】撚り合わせ導体に対して、押出被覆法などによ
り導体素線間に水密性組成物を充填でき、この充填と同
時に半導電層あるいは内部半導電層を形成できるような
半導電水密組成物を得ることにある。また、この半導電
水密組成物が導体素線間に充填され、かつ導体上に被覆
された絶縁電線を得ることにある。 【解決手段】撚り合わせ導体1の上に半導電水密組成物
を押出被覆し、導体1素線間の空隙に充填して水密層2
を形成すると同時に導体1外周面にも被覆し半導電層2
を形成する。半導電水密組成物に、EVAまたはEEA
を含むベースポリマー100重量部と、接着性ポリマー
10〜30重量部と、カーボンブラックとしてのアセチ
レンブラックまたはファーネスブラック40〜80重量
部もしくはカーボンブラックとしてのケッチェンブラッ
ク5〜50重量部を必須成分として含む樹脂組成物を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導電性と水密
性を有する半導電水密組成物およびこれを用いた絶縁電
線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、導体素線間の空隙に水密性組
成物を充填して、導体素線間に水が侵入し、水が導体内
を移動することを防止するようにした水密絶縁電線が知
られている。また、ある種の絶縁電線においては、導体
と絶縁体との間に半導電性組成物からなる半導電層を設
け、電界傾度を緩和するようにしたものがある。
【0003】上記水密絶縁電線において、水密性組成物
を導体素線間に充填するには、素線の撚り合わせの際に
水密性組成物からなるテープ、紐を同時に撚り合わせる
ことで行われており、作業が面倒である欠点がある。こ
のため、撚り合わせ後の導体に対してその素線間に水密
性組成物を押出被覆法などにより充填できれば、作業性
が大きく改善されることになる。
【0004】また、導体に対して押出被覆法などにより
水密性組成物を充填できれば、この水密性組成物に半導
電性を付与してやれば、同時に半導電層あるいは内部半
導電層も形成できることになり、絶縁電線製造の作業性
はさらに改善されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、撚り合わせ後の導体に対して、押出被覆法な
どにより導体素線間に水密性組成物を充填でき、この充
填と同時に半導電層あるいは内部半導電層を形成できる
ような半導電水密組成物を得ることにある。また、この
半導電水密組成物が導体素線間に充填され、かつ導体上
に被覆された絶縁電線を得ることにある。
【0006】かかる課題を解決するため、請求項1にか
かる発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチ
レン−エチルアクリレート共重合体を含むベースポリマ
ー100重量部と、接着性ポリマー10〜30重量部
と、アセチレンブラックまたはファーネスブラック40
〜80重量部を含む半導電水密組成物である。請求項2
にかかる発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体または
エチレン−エチルアクリレート共重合体を含むベースポ
リマー100重量部と、接着性ポリマー10〜30重量
部と、ケッチェンブラック5〜50重量部を含む半導電
水密組成物である。
【0007】請求項3にかかる発明は、請求項1または
2に記載の半導電水密組成物が導体素線間に充填され、
かつ導体上に被覆されてなる絶縁電線である。請求項4
にかかる発明は、請求項1または2に記載の半導電水密
組成物を導体上に押出被覆して導体素線間に充填し、か
つ導体上に被覆する絶縁電線の製法である。請求項5に
かかる発明は、ポリエチレン絶縁電線である請求項3記
載の絶縁電線である。請求項6にかかる発明は、架橋ポ
リエチレン絶縁電線である請求項3記載の絶縁電線であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づいて、本
発明を詳しく説明する。図1は、本発明の絶縁電線の一
例を示すもので、図中符号1は、導体を示す。この導体
1は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金な
どからなる素線を複数本撚り合わせたものである。な
お、図面では、理解のために導体1の素線間の空隙を実
際のものに比べて拡大して描いてある。この導体1の各
素線間の空隙には、本発明の半導電水密組成物が充填さ
れて水密層2が形成され、かつ導体1の表面にも同じ半
導電水密組成物が被覆されて厚さ0.01〜2mm程度
の半導電層3が形成されている。
【0009】水密層2および半導電層3をなす半導電水
密組成物は、ベースポリマー100重量部と、接着性ポ
リマー10〜30重量部と、カーボンブラックとしての
アセチレンブラックまたはファーネスブラック40〜8
0重量部もしくはカーボンブラックとしてのケッチェン
ブラック5〜50重量部を必須成分として含む樹脂組成
物である。
【0010】ここでのベースポリマーには、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアク
リレート共重合体(EEA),エチレン−メチルアクリ
レート共重合体(EMA),エチレン−メチルメタクリ
レート共重合体(EMMA)などの極性基を有するエチ
レン系共重合体が1種または2種以上が用いられ、EV
AまたはEEAを必須成分として含むものが用いられ
る。
【0011】EVAとしては、酢酸ビニル含有量が47
wt%以下、好ましくは10〜33wt%、さらに好ま
しくは19〜33wt%のもので、かつそのメルトフロ
ーレイト(MFR、JIS K6760で測定)が1〜
300、好ましくは1〜150、さらに好ましくは3〜
100のものが用いられる。
【0012】酢酸ビニル含有量が47wt%を超えるE
VAは、ペレット形状の製造が困難で市販されておら
ず、MFRが1未満では導体1の素線間の空隙にこの組
成物を充填することができず、300を超えると機械的
強度が低く、絶縁電線の延線時の外力で水密層2、半導
電層3が破壊する恐れがある。これらの酢酸ビニル含有
量とMFRとを得るためには、2種以上のEVAをブレ
ンドしてもよい。
【0013】また、EEAとしては、エチルアクリレー
ト含有量が35wt%以下、好ましくは13〜35wt
%のもので、かつそのメルトフローレイト(MFR、J
ISK6760で測定)が1〜300、好ましくは1〜
150、さらに好ましくは3〜100のものが用いられ
る。
【0014】エチルアクリレート含有量が35wt%を
超えるEEAは、安全性の面から製造が困難で市販され
ておらず、MFRが1未満では導体1の素線間の空隙に
この組成物を充填することができず、300を超えると
機械的強度が低く、絶縁電線の延線時の外力で水密層
2、半導電層3が破壊する恐れがある。
【0015】これらのエチルアクリレート含有量とMF
Rとを得るためには、2種以上のEEAをブレンドして
もよい。このようなベースポリマーは、したがって溶融
粘度が非常に低く、溶融時の流れがよく、押出被覆の際
の10〜30MPaの圧力で、半導電水密組成物が素線
間の空隙に充填されることになる。
【0016】また、接着性ポリマーとしては、無水マレ
イン酸、マレイン酸、アクリル酸などの不飽和カルボン
酸で変性あるいはグラフト重合された低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、EV
A、EEAや水添脂環属石油樹脂などが1種または2種
以上用いられる。これら接着性ポリマーにおける不飽和
カルボン酸の結合量は、0.5〜5wt%程度とされ
る。
【0017】この接着性ポリマーの配合量は、ベースポ
リマー100重量部に対して10〜30重量部とされ、
10重量部未満では接着性の向上が不十分であり、30
重量部を超えてももはやその効果の増大が認められなく
なる。接着性ポリマーは、金属に対する接着性が高く、
導体1の素線に良く密着し、水密性を向上させる。
【0018】また、本発明の半導電水密組成物では、上
記以外のポリマーを配合することができる。このポリマ
ーとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレンなどのポリオレフィン系ポリマーが挙げられ、こ
れにより半導電水密組成物のMFR、機械的特性、熱変
形温度等の熱特性等を調整することができる。また、吸
水性ポリマー粉末をベースポリマー100重量部に対し
て5〜20重量部程度配合してもよく、これを配合する
ことで浸水した際に、この水を吸収して半導電水密組成
物の体積が数倍に膨張して、水のさらなる侵入を確実に
防止することができる。
【0019】半導電性を与えるカーボンブラックには、
第1の群としてアセチレンブラック、ファーネスブラッ
クが挙げられる。アセチレンブラックとしては、粒径3
5μm、表面積(BET)68m2/g、DBP吸油量
175ml/100gのものが用いられる。ファーネス
ブラックとしては、粒径25〜55μm、表面積(BE
T)33〜225m2/g、DBP吸油量135〜17
0ml/100gのものが用いられる。
【0020】アセチレンブラックの具体的なものとして
は、例えば「デンカブラック」(商品名、電気化学工業
(株)製)などがある。ファーネスブラックの具体的な
ものとしては、「BP3500」(商品名、キャボット
・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などがある。
【0021】カーボンブラックの第2の群として、ケッ
チェンブラックが挙げられる。このファーネスブラック
が挙げられる。このケッチェンブラックとしては、粒径
1〜50μm、表面積(BET)700〜1300m2
/g、DBP吸油量350〜500ml/100gのも
のが用いられる。ケッチェンブラックの具体的なものと
しては、「ケッチェンEC」、「ケッチェンEC−60
0JD」(商品名 ケッチェンブラック・インターナシ
ョナル社製)などがある。
【0022】カーボンブラックの配合量は、アセチレン
ブラックおよびファーネスブラックでは、ベースポリマ
ー100重量部に対して40〜80重量部、好ましくは
50〜70重量部とされ、40重量未満では必要な導電
性が得られず、80重量部を超えると組成物の溶融粘度
が高くなり、充填が困難になる。
【0023】ケッチェンブラックでは、少量の添加で高
い導電性が得られるので、ベースポリマー100重量部
に対して5〜50重量部、好ましくは10〜40重量
部、さらに好ましくは15〜35重量部とされ、5重量
未満では必要な導電性が得られず、50重量部を超える
と組成物の溶融粘度が高くなり、充填が困難になる。
【0024】この半導電水密組成物では、そのほかテト
ラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの酸
化防止剤、ベンゾトリアゾール、3−(N−サリチロイ
ル)アミノ−1,2,4−トリアゾールなどの銅害防止
剤、ジクミルパーオキサイド、ビニルトリメトキシシラ
ンなどの架橋剤などの添加剤を適宜添加することができ
る。
【0025】このような配合組成の半導電水密組成物で
は、組成物としてのMFRが1以上、好ましくは10以
上であることが好ましく、MFRをこの範囲とすること
で、押出被覆により導体1の素線の空隙にこれを押し込
み、充填することができるようになる。また、この半導
電水密組成物の導電性は、体積抵抗率で、101〜106
Ω・cmとされる。この範囲の導電性は、カーボンブラ
ックの配合量の調整により簡単に得ることができる。
【0026】上記半導電層3の上には、絶縁体4が被覆
されて、この例の絶縁電線となっている。この絶縁体4
は、ポリエチレンまたは架橋ポリエチレンからなるもの
で、その厚さは1〜30mm程度となっている。
【0027】絶縁体4が架橋ポリエチレンからなるもの
では、化学架橋、シラン架橋、電子線架橋のいずれかで
架橋されたポリエチレンが用いられる。化学架橋では、
ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物を添加した
低密度ポリエチレンが用いられる。シラン架橋では、低
密度ポリエチレンにビニルシラン、有機過酸化物、有機
スズ化合物などの縮合触媒を添加した組成物やシラング
ラフトマーに縮合触媒を添加した組成物が用いられる。
【0028】絶縁体4をなす架橋ポリエチレンの架橋度
は、ゲル分率で40〜90%とされ、40%未満では耐
熱性が不十分であり、90%を超えると長時間の押出作
業が困難になる。また、絶縁体4をなすポリエチレン、
架橋ポリエチレンのいずれにおいても、「バルカン9A
−32」(商品名、キャボット・スペシャルティ・ケミ
カルズインク製)などのカーボンブラックを0.5〜1
wt%添加することで、絶縁体4の耐候性が向上して好
ましい。
【0029】このような絶縁電線の製造は、以下のよう
にして行われる。まず、上記配合組成の半導電水密組成
物を二軸押出機、ニーダ、バンバリーミキサなどにより
溶融混練りし、さらにこれを造粒機によりペレットとす
る。ついで、このペレットを押出機により導体1上に押
出被覆する。この押出被覆は、通常のクロスヘッドダイ
を装着した押出機で行われる。
【0030】この時、半導電水密組成物は、溶融状態で
かつ10〜30MPaの高圧で導体1上に押し出され、
しかも組成物の溶融粘度が上述のように低いので、導体
1の素線間のわずかな空隙に侵入し、これを埋めて水密
層2となる。これと同時に、導体1の外表面にも半導電
水密組成物が被覆され、半導電層3が形成される。
【0031】ついで、この半導電層3の上に絶縁体4と
なるポリエチレン組成物を押出被覆する。この半導電水
密組成物とポリエチレン組成物との押出被覆は、二層同
時押出により、一挙に行うことができる。絶縁体4が架
橋ポリエチレンからなるものでは、ついで架橋を行う。
【0032】化学架橋によるものでは、過熱水蒸気、加
熱ガスなどを用いた加熱により行われる。シラン架橋に
よるものでは、大気中の水分、蒸気、温水などの水分と
の接触により行われる。さらに、電子線架橋によるもの
では、電子線を5〜30Mrad程度照射することによ
り行われる。また、絶縁電線のシュリンクバック特性を
良好とするため、押出被覆後に空気中または温水中で徐
冷してもよい。
【0033】このような絶縁電線においては、上述の半
導電水密組成物の溶融粘度が低いので導体1素線間に完
全に侵入してその空隙を完璧に埋め、良好な水密層2が
形成される。また、半導電水密組成物は、金属に対する
接着性が良好であるので、水密層2は素線に対して良く
密着する。このため、この絶縁電線は高い水密性を発揮
する。また、水密層2と半導電層3との形成が同時に1
度の押出被覆作業で行われるので、作業性が高いものと
なる。
【0034】図2は、この発明の絶縁電線の他の例を示
すもので、この例のものはいわゆるCVケーブルの例で
ある。図2において、図1に示したものと同一構成部分
には同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】この例のケーブルは、導体1の素線間の空
隙に上述の半導電水密組成物が充填されて水密層2が形
成され、この導体1上に半導電水密組成物が被覆されて
内部半導電層3が設けられている。この内部半導電層3
は、先の例の半導電層3と同一のものである。
【0036】この内部半導電層3の上には、架橋ポリエ
チレンからなる絶縁体4が設けられ、この絶縁体4の上
には半導電性樹脂組成物からなる外部半導電層5が設け
られている。さらに、この外部半導電層5の上には銅テ
ープなどからなる遮蔽層6が設けられ、この遮蔽層6の
上にはポリ塩化ビニル、ポリエチレンなどからなるシー
ス7が設けられて、この例のCVケーブルとなってい
る。
【0037】絶縁体4をなす架橋ポリエチレンは、化学
架橋、シラン架橋によって架橋された低密度ポリエチレ
ンが用いられ、具体的な架橋方法は先の例で説明した通
りである。また、外部半導電層5をなす半導電性樹脂組
成物は、ポリエチレン、EVA、EEAなどのポリマー
にカーボンブラックを適量添加したものが用いられ、内
部半導電層3をなす半導電水密組成物を用いてもよい。
【0038】この例のケーブルの製造は、導体1に水密
層2および内部半導電層3となる半導電水密組成物を先
の例と同様に押出被覆し、ついで絶縁体4となる未架橋
のポリエチレン組成物を押出被覆し、さらにこの上に外
部半導電層5となる半導電性樹脂組成物を押出被覆し
て、ケーブルコアとする。この3回の押出被覆作業を、
3層同時押出法で1回の押出作業で行うこともできる。
【0039】ついで、このケーブルコアを加熱あるいは
水分と接触させて、絶縁体4等を架橋したのち、この上
に銅テープ等を巻回して遮蔽層6を形成し、さらにシー
ス7となるポリ塩化ビニル組成物、ポリエチレン組成物
等を押出被覆する方法で行われる。
【0040】この例のCVケーブルでは、水密層2をな
す半導電性樹脂組成物と、内部半導電層3をなす半導電
水密組成物とを、必ずしも同一とする必要はなく、この
ばあいには、異なる半導電水密組成物を用いた2度の押
出被覆を行うことになる。勿論これを多層同時押出被覆
で行うことができる。
【0041】このようなCVケーブルにおいては、上述
の半導電水密組成物の溶融粘度が低いので導体1素線間
に完全に侵入してその空隙を完璧に埋め、良好な水密層
2が形成される。また、半導電水密組成物は、金属に対
する接着性が良好であるので、水密層2は素線に対して
良く密着する。このため、このCVケーブルは高い水密
性を発揮する。また、水密層2と半導電層3との形成が
同時に1度の押出被覆作業で行われるので、作業性が高
いものとなる。
【0042】以下、具体例を示す。表1ないし3に示し
た試験番号1〜22の配合組成の半導電水密組成物を用
意した。銅素線19本を撚り合わせた外径14.5m
m、断面積120mm2の円形の導体上に、この半導電
水密組成物を温度190〜210℃、圧力10〜15M
Paで押出被覆して、水密層と厚さ0.1mmの半導電
層を形成した。この上に、シラン架橋による架橋ポリエ
チレンからなる厚さ3.7mmの絶縁体を設けて絶縁電
線を作製した。
【0043】これらの絶縁電線について、体積抵抗率、
水密特性A、水密特性B、密着度、口出し性を評価し
た。体積抵抗率は、日本ゴム協会標準規格(SRIS2
301 導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗率試験
方法)に準じて、ホイートストンブリッジ法によって実
施した。
【0044】水密特性Aは、長さ2mの絶縁電線の一端
の切断開口部に、0.01MPaの水圧を24時間加
え、電線の他端から水が漏れないものを合格とし、漏れ
たものを不合格とした。水密特性Bは、水圧を0.05
MPaとした以外は、水密特性Aと同様にして実施、評
価した。
【0045】密着性は、専用試験治具(カムラー)を使
用して、700kg×10分間保持して、絶縁体が破壊
しなければ合格とし、破壊すれば不合格とした。口出し
性は、専用試験治具で導体と絶縁体との間の半導電層が
剥ぎ取れれば良とし、剥ぎ取れなければ不良とした。こ
れらの結果を表1ないし3に示す。なお、体積抵抗率の
値において、例えば「3E+4」は3×104を表す。
【0046】また、同様の半導電水密組成物を用い、外
径20mm、断面積400mm2、撚線数61本の円形
の導体上に押出被覆し、水密層と厚さ0.1mmの内部
半導電層を形成した。このものにシラン架橋による架橋
ポリエチレンからなる厚さ3mmの絶縁体を設け、この
上に厚さ0.7mmの外部半導電層、銅テープの巻回に
よる遮蔽層および厚さ2mmの塩化ビニル樹脂からなる
シースを順次設けてCVケーブルを作製した。
【0047】このCVケーブルについて、水密特性C、
水密特性Dを測定、評価した。水密特性Cは、IEC2
54/97に準じ、長さ3mのケーブルの中央部に長さ
50mmの導体露出部を形成し、この導体露出部を取り
囲む密閉容器を設け、この密閉容器内に0.01MPa
の水圧を印加して、室温で16時間、90℃で8時間の
ヒートサイクルを10日間与え、ケーブルの端末部分か
ら水が漏れないものを合格とし、漏れたものを不合格と
した。水密特性Dは、水密特性Aにおける水圧を1MP
aとした以外は同様にして実施し、評価した。この結果
も表1ないし3に併せて示した。
【0048】表1ないし3において、「EVA1」は、
酢酸ビニル含有量28wt%、MFR15のエチレン−
酢酸ビニル共重合体を、「EVA2」は、酢酸ビニル含
有量28wt%、MFR400のエチレン−酢酸ビニル
共重合体を、「EVA3」は、酢酸ビニル含有量28w
t%、MFR0.1のエチレン−酢酸ビニル共重合体を
示す。
【0049】「EEA1」は、エチルアクリレート含有
量25wt%、MFR25のエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体を、「EEA2」は、エチルアクリレート
含有量25wt%、MFR275のエチレン−エチルア
クリレート共重合体を、 「EEA3」は、エチルアク
リレート含有量25wt%、MFR800のエチレン−
エチルアクリレート共重合体を示す。
【0050】「接着性ポリマー」は、密度0.92g/
cm3、MFR300、マレイン酸変性量1wt%の低
密度ポリエチレンを示す。「アセチレンカーボン」は、
電気化学(株)製「デンカブラック」(商品名)を示
す。「ファーネスカーボン」は、キャボット・スペシャ
リティ・ケミカルズ社製「BP3500」(商品名)を
示す。「ケッチェンカーボン」は、ケッチェンブラック
インターナショナル社製「ケッチェンEC」(商品名)
を示す。
【0051】「老化防止剤」は、テトラキス[メチレン
−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタンである。「DCP」は、ジ
クミルパーオキサイドであり、「シラン化合物」は、ビ
ニルトリメトキシシランである。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導電水
密組成物にあっては、その溶融粘度が低いので導体上に
押出被覆した際に、素線間の空隙に完全に侵入してその
空隙を完璧に埋め、良好な水密性を有する水密層が形成
される。また、この半導電水密組成物は、金属に対する
接着性が良好であるので、水密層は導体の素線に対して
良く密着し、これによっても高い水密性を発揮する。ま
た、水密層と半導電層との形成が同時に1度の押出被覆
作業で行われるので、作業性が高いものとなる。
【0056】また、この発明の絶縁電線にあっては、し
たがって高度の水密特性を有するものとなり、その水密
層と半導電層との形成が1度に行え、製造作業性が高い
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁電線の一例を示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明の絶縁電線の他の例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・導体、2・・・水密層、3・・・半導電層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C08L 23/08 51:00) (72)発明者 田代 勉 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 池田 友彦 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 小川 達也 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 英 久仁夫 三重県鈴鹿市岸岡町1800番地 株式会社フ ジクラ鈴鹿事業所内 (72)発明者 清見 広和 三重県鈴鹿市岸岡町1800番地 株式会社フ ジクラ鈴鹿事業所内 Fターム(参考) 4J002 BB061 BB071 BB212 BN052 BN072 BN112 BN232 DA036 FD070 FD140 GQ01 GQ02 5G313 FA01 FB01 FB02 FB03 FC05 FD03 FD04 FD13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチ
    レン−エチルアクリレート共重合体を含むベースポリマ
    ー100重量部と、接着性ポリマー10〜30重量部
    と、アセチレンブラックまたはファーネスブラック40
    〜80重量部を含む半導電水密組成物。
  2. 【請求項2】エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチ
    レン−エチルアクリレート共重合体を含むベースポリマ
    ー100重量部と、接着性ポリマー10〜30重量部
    と、ケッチェンブラック5〜50重量部を含む半導電水
    密組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の半導電水密組成
    物が導体素線間に充填され、かつ導体上に被覆されてな
    る絶縁電線。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の半導電水密組
    成物を導体上に押出被覆して導体素線間に充填し、かつ
    導体上に被覆する絶縁電線の製法。
  5. 【請求項5】ポリエチレン絶縁電線である請求項3記載
    の絶縁電線。
  6. 【請求項6】架橋ポリエチレン絶縁電線である請求項3
    記載の絶縁電線。
JP2001338520A 2001-08-27 2001-11-02 半導電水密組成物 Pending JP2003147134A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001338520A JP2003147134A (ja) 2001-08-27 2001-11-02 半導電水密組成物
CNB021074224A CN1232578C (zh) 2001-11-02 2002-03-18 半导电水密组成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001255756 2001-08-27
JP2001-255756 2001-08-27
JP2001338520A JP2003147134A (ja) 2001-08-27 2001-11-02 半導電水密組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003147134A true JP2003147134A (ja) 2003-05-21

Family

ID=26621004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001338520A Pending JP2003147134A (ja) 2001-08-27 2001-11-02 半導電水密組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003147134A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005048080A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Fujikura Ltd 水密樹脂組成物および水密絶縁電線
KR100594585B1 (ko) 2004-07-13 2006-07-03 주식회사 일렉콤테프 반도전성 테이프
KR100656007B1 (ko) 2004-11-29 2006-12-08 현대자동차주식회사 커넥팅 로드 제조를 위한 주조용 합금 조성물과 이를이용한 커넥팅 로드의 제조방법
JP2006348240A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Fujikura Ltd シラン架橋水密材およびそれを用いたシラン架橋ポリエチレン絶縁電線
CN101104713B (zh) * 2006-07-12 2010-09-08 上海电缆研究所 抗水树的聚烯烃电绝缘组合物
CN102568701A (zh) * 2012-02-09 2012-07-11 艾庆南 硅烷可交联聚乙烯生产10-35kV电力电缆的生产工艺及设备
JP2013004232A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Viscas Corp 走水防止型海底電力ケーブル
JP2014156524A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Fujikura Ltd 導電性熱可塑性樹脂組成物、及び、ケーブル
JP2015015206A (ja) * 2013-07-08 2015-01-22 株式会社フジクラ 導電性熱可塑性樹脂組成物、及び、ケーブル
JP2021518457A (ja) * 2018-03-28 2021-08-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 非極性有機ポリマー、極性有機ポリマー、および超低湿潤性カーボンブラックの複合物
JP2021518450A (ja) * 2018-03-28 2021-08-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 極性有機コポリマーおよび超低湿潤性カーボンブラックの複合物
CN116543970A (zh) * 2023-07-05 2023-08-04 特变电工(德阳)电缆股份有限公司 一种紧凑型金属屏蔽结构中压电缆
CN116543968A (zh) * 2023-07-07 2023-08-04 特变电工(德阳)电缆股份有限公司 一种紧凑型中压电缆

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005048080A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Fujikura Ltd 水密樹脂組成物および水密絶縁電線
KR100594585B1 (ko) 2004-07-13 2006-07-03 주식회사 일렉콤테프 반도전성 테이프
KR100656007B1 (ko) 2004-11-29 2006-12-08 현대자동차주식회사 커넥팅 로드 제조를 위한 주조용 합금 조성물과 이를이용한 커넥팅 로드의 제조방법
JP2006348240A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Fujikura Ltd シラン架橋水密材およびそれを用いたシラン架橋ポリエチレン絶縁電線
CN101104713B (zh) * 2006-07-12 2010-09-08 上海电缆研究所 抗水树的聚烯烃电绝缘组合物
JP2013004232A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Viscas Corp 走水防止型海底電力ケーブル
CN102568701A (zh) * 2012-02-09 2012-07-11 艾庆南 硅烷可交联聚乙烯生产10-35kV电力电缆的生产工艺及设备
CN102568701B (zh) * 2012-02-09 2013-05-01 艾庆南 硅烷可交联聚乙烯生产10-35kV电力电缆的生产工艺及设备
JP2014156524A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Fujikura Ltd 導電性熱可塑性樹脂組成物、及び、ケーブル
JP2015015206A (ja) * 2013-07-08 2015-01-22 株式会社フジクラ 導電性熱可塑性樹脂組成物、及び、ケーブル
JP2021518457A (ja) * 2018-03-28 2021-08-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 非極性有機ポリマー、極性有機ポリマー、および超低湿潤性カーボンブラックの複合物
JP2021518450A (ja) * 2018-03-28 2021-08-02 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 極性有機コポリマーおよび超低湿潤性カーボンブラックの複合物
JP7320521B2 (ja) 2018-03-28 2023-08-03 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 非極性有機ポリマー、極性有機ポリマー、および超低湿潤性カーボンブラックの複合物
JP7348910B2 (ja) 2018-03-28 2023-09-21 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 極性有機コポリマーおよび超低湿潤性カーボンブラックの複合物
CN116543970A (zh) * 2023-07-05 2023-08-04 特变电工(德阳)电缆股份有限公司 一种紧凑型金属屏蔽结构中压电缆
CN116543970B (zh) * 2023-07-05 2023-09-29 特变电工(德阳)电缆股份有限公司 一种紧凑型金属屏蔽结构中压电缆
CN116543968A (zh) * 2023-07-07 2023-08-04 特变电工(德阳)电缆股份有限公司 一种紧凑型中压电缆
CN116543968B (zh) * 2023-07-07 2023-09-29 特变电工(德阳)电缆股份有限公司 一种紧凑型中压电缆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003147134A (ja) 半導電水密組成物
JP5907015B2 (ja) 鉄道車両用電線および鉄道車両用ケーブル
JP2004018652A (ja) 半導電水密組成物
JP3296742B2 (ja) ケーブル
JP2016134381A (ja) 絶縁電線およびケーブル
JP3296750B2 (ja) ケーブル
JP5547300B2 (ja) 走水防止型水中用電力ケーブル
JP4708393B2 (ja) 半導電水密組成物
JP5356044B2 (ja) 水密材、水密型絶縁電線およびその製造方法、並びに電力ケーブル
US11205525B2 (en) Insulated wire
US10872712B2 (en) Insulated wire
JP2018078045A (ja) 絶縁電線
JP2017069130A (ja) 絶縁電線
JP4174165B2 (ja) 難燃性電線
JP2000164037A (ja) 絶縁体用樹脂組成物及び電力ケーブル
JP2016065208A (ja) 半導電性樹脂組成物およびこれを用いた電力ケーブル
JP3663275B2 (ja) ケーブル
WO2022030264A1 (ja) 絶縁電線
JPH02165516A (ja) 直流用高圧電線
JP2002313137A (ja) 電力ケーブル用半導電性樹脂組成物
JP2017228524A (ja) 絶縁電線
JP2011049116A (ja) 電線・ケーブル被覆用難燃性組成物および電線・ケーブル
JPH10294023A (ja) ケーブル
JPH1153946A (ja) ケーブル
JPH11219624A (ja) 絶縁電線及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040603

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061003