JP5381827B2 - 硬化性組成物用複合樹脂型 - Google Patents
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Description
前記樹脂型(A)と前記樹脂型(B)と嵌め合わせることにより形成されるキャビティ内に、硬化性組成物を充填した後、
キャビティ内に充填された硬化性組成物を硬化して硬化性樹脂成形体を形成して、樹脂型(A)と硬化樹脂成形体と樹脂型(B)とが一体となった複合体を形成し、次いで
前記複合体より前記樹脂型(A)を剥離した後に、前記樹脂型(B)から前記硬化樹脂成形体を離型して、硬化樹脂成形体を取得することを特徴とする硬化樹脂成形体の製造方法が提供される。
本発明で使用される脂環構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する、樹脂であり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、又はそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
本発明でいうガラス転移温度とは、JIS K 7121に基づいて測定されたものである。
本発明で用いる芳香族ビニル−共役ジエン共重合体は、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体を、乳化重合又は溶液重合などの公知の方法で共重合させたものであり、勿論、市販品を用いることもできる。
本発明の硬化性組成物用複合樹脂型は、樹脂型(A)および樹脂型(B)からなる。
二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常は溶融状態で棒状に押出し、ストランドカッターで適当な長さに切り、ペレット化して用いられる。
本発明に用いる硬化性組成物としては、格別な限定はなく樹脂工業界で一般に使用されるものを用いることができ、通常、重合性モノマーと重合開始剤を含むものが用いられる。
ラジカル重合性のモノマーとしては、ビニル基、(メタ)アリル基、アクリル基またはメタクリル基を分子内に一個以上含む化合物などが挙げられ、これらの中でも、メタクリル基を分子内に1個以上含む化合物が、耐熱性、透明性、即硬化性等の特性に優れるので光学部品用途の場合に好適である。
これらの重合性モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)などが挙げられる。
これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性組成物用複合樹脂型を用いて硬化性樹脂成形体を製造する方法としては、前記樹脂型(A)と前記樹脂型(B)と嵌め合わせることにより形成されるキャビティ内に、硬化性組成物を充填した後、キャビティ内に充填された硬化性組成物を硬化して硬化性樹脂成形体を形成して、樹脂型(A)と硬化樹脂成形体と樹脂型(B)とが一体となった複合体を形成し、次いで、前記複合体より前記樹脂型(A)を剥離した後に、前記樹脂型(B)から前記硬化樹脂成形体を離型して、硬化樹脂成形体を取得することを特徴とする硬化樹脂成形体の製造方法が挙げられる。
(1)水素添加率
水素添加率は、1H−NMRにより測定した。
(2)ガラス転移温度
ガラス転移温度は、JIS K 7121に基づき、示差走査熱量分析計(DSC6220S11、ナノテクロノジー社製)を用い、ガラス転移温度より30℃以上に加熱した後、冷却速度−10℃/分で室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/分で昇温する過程で測定した。
(3)曲げ弾性率
曲げ弾性率は、JIS K 7171に基づき、ISO 3167に規定された多目的試験片を射出成形で作製し、23℃、試験速度2mm/min、支点間距離64mmの条件で測定した。
(4)脂環構造含有重合体の分子量
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(MWD)はシクロヘキサンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、標準ポリイソプレン換算値として測定した。標準ポリイソプレンとしては、東ソー社製標準ポリイソプレン、Mw=602、1,390、3,920、8,050、13,800、22,700、58,800、71,300、109,000、280,000の計10点を用いた。
測定には、東ソー社製HLC8120GPCを用い、カラムとして東ソー社製TSKgel G5000HXL、TSKgel G4000HXLおよびTSKgel G2000HXLを3本直列に繋いで用い、流速1.0ml/分、サンプル注入量100μml、カラム温度40℃の条件で行った。
(5)芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の分子量
テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8020GPCを用いた。
標準ポリスチレンとしては、東ソー社製標準ポリスチレン分子量130〜100000の14点を用いた。 測定は、サンプル濃度1mg/mlになるように調製し、カラムとして東ソー社製TSKgel G−4000HXL、G−3000HXL、G−2000HXLを3本直列に繋いで用い、流速1.0ml/分、サンプル注入量100μlの条件で行った。
(6)離型性評価
・硬化性樹脂成形体の成形操作
図1に模式した凸面形状を有する樹脂型(A)と図2に模式した凹面形状を有する樹脂型(B)とを嵌め合わせてなる6つのキャビティを有する複合樹脂型を用いて効果樹脂成形体の成形を行った。樹脂型(B)の凹面を上向きにし、該凹面に紫外線硬化性組成物[(3−メタクリロキシプロピル)トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン50重量部、N−ビニルピロリドン50重量部、エチレングリコールジメタクリレート0.5重量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.5重量部)]を注入した後、樹脂型(A)を樹脂型(B)に嵌め合わせ、複合樹脂型の6つのキャビティ内に硬化性組成物を充填した。次に樹脂型(A)及び樹脂型(B)の短辺側をクリップで挟み複合樹脂型を固定した後に、紫外線照射装置(ウシオ電機社製、型名「UVH−0251C」)を用いて、紫外線を20分間照射し硬化させ、樹脂型(A)と硬化樹脂成形体と樹脂型(B)の複合体を得た。
ついで第1の離型を行った。まず樹脂型(A)と硬化樹脂成形体と樹脂型(B)の複合体を、樹脂型(A)が上側になるように台に置いた後、樹脂型(A)の短辺側を持ち上に引き上げ剥離させた。この時に、図4に模式したように硬化樹脂成形体が樹脂型(B)に付着した状態になることが好ましい。
ついで第2の離型を行った。前記第1の離型を行った後の硬化樹脂成形体が付着した樹脂型(B)を、硬化樹脂成形体が下側になり、かつ樹脂型(B)の短辺側が受台と接触するように受台に載せた、次いで樹脂型(B)の中央を押子で押し当て、樹脂型(B)の長辺長さの1/5分に下側に押子を突き出す様に押圧し、樹脂型(B)を外力で変形させることにより硬化樹脂成形体を剥離した。図5はこの時の模式図である。
・第1の離型性の評価
前記硬化性樹脂成形体の成形操作を50回実施し、第1の離型の後に樹脂型(A)に付着した硬化樹脂成形体の数の累計が、0〜2個の場合◎、3〜5個の場合〇、6個以上の場合×とした。
・第2の離型性の評価
前記硬化性樹脂成形体の成形操作を50回実施し、第2の離型の後に樹脂型(B)に付着した硬化樹脂成形体の数の累計が、0〜2個の場合◎、3〜5個の場合〇、6個以上の場合×とした。尚、硬化樹脂成形体が付着した樹脂型(B)を、受台に載せる操作の際に樹脂型(B)から離型した硬化樹脂成形体の累計が3個以上ある場合は△とした。
(7)硬化樹脂成形体のPV値評価
前記離型性評価で得られた硬化樹脂成形体から任意で10個選び、三鷹光器社製のNH-3SP(非接触式3次元形状測定機)を用いて硬化樹脂成形体の形状を測定した。
設計上の複合樹脂型のキャビティ形状との差分を求め、最大値と最小値の差もPV値(μm)とした。PV値が小さいほど硬化樹脂成形体の形状が良好である。
硬化樹脂成形体10個のPV値の平均が100μm以上のものを×、51〜99μmのものを〇、50μm以下のものを◎とし、PV値評価とした。
脂環構造含有重合体Aの製造
シクロヘキサン258リットルを装入した反応容器に、常温、窒素気流下でビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下、「NB」という)(120kg)を加え、5分間撹拌を行った。さらにトリイソブチルアルミニウムを系内の濃度が1.0ml/リットルとなるように添加した。続いて、撹拌しながら常圧でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンにて内圧がゲージ圧で6kg/cm2となるように加圧した。10分間撹拌した後、予め用意したイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド及びメチルアルモキサンを含むトルエン溶液0.4リットルを系内に添加することによって、エチレン、NBの共重合反応を開始させた。このときの触媒濃度は、全系に対してイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.018mmol/リットルであり、メチルアルモキサンが8.0mmol/リットルである。
脂環構造含有重合体Bの製造
<開環重合>
窒素で置換した反応器に、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、「MTF」という)とトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下、「DCP」という)とテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、「TCD」という)(重量比5/90/5)の混合物7部(重合に使用するモノマー全量に対して1%)とシクロヘキサン1600部を加え、トリ−i−ブチルアルミニウム0.57部とイソブチルアルコール0.21部、反応調整剤としてジイソプロピルエーテル0.85部、及び分子量調節剤として1−ヘキセン4.86部を添加した。ここに、シクロヘキサンに溶解させた0.65%の六塩化タングステン溶液24.3部を添加して、55℃で10分間攪拌した。次いで、反応系を55℃に保持しながら、MTFとDCPとTCD(重量比5/90/5)の混合物を693部とシクロヘキサンに溶解させた0.65%の六塩化タングステン溶液48.9部とをそれぞれ系内に150分かけて連続的に滴下した。その後、30分間反応を継続し重合を終了した。
重合終了後、ガスクロマトグラフィーにより測定したモノマーの重合転化率は重合終了時で100%であった。
<水素添加>
得られた開環重合反応液を耐圧性の水素化反応器に移送し、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日揮化学社製、製品名「T8400RL」、ニッケル担持率57%)1.4部及びシクロヘキサン167部を加え、180℃、水素圧4.6MPaで6時間反応させた。この反応溶液を、ラジオライト#500を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(石川島播磨重工社製、製品名「フンダフィルター」)して水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。次いで、ゼータープラスフィルター30H(キュノーフィルター社製、孔径0.5〜1μm)にて順次濾過しさらに別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した。開環重合体水素添加物の水素転化率は99.9%であった。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、開環重合体水素添加物(脂環構造含有重合体B)を得た。Tgは106℃、重量平均分子量は31300、曲げ弾性率は2100MPaであった。
尚、開環重合体合成時の重合転化率が100%であり、水素転化率も99.9%と高水準であることから、開環重合体水素添加物中の、MTF由来の構造単位(MTF単位)、DCP由来の構造単位(DCP単位)、及びTCD由来の構造単位(TCD単位)は、開環重合体の製造に用いたモノマーの使用量に等しいと推定される。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Cの製造
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.20部を加えた。次に、スチレン5.0部を30分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.5%であった。次にイソプレン89.0部を90分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.0%であった。次に、スチレン6.0部を30分掛けて加えそのまま60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)は195,400、ヨウ素価は335g/100gであった。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの製造
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.20部を加えた。次に、スチレン8.0部を30分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.5%であった。次にイソプレン85.0部を90分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.0%であった。次に、スチレン7.0部を30分掛けて加えそのまま60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(D)の重量平均分子量(Mw)は193,400であった。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Eの製造
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.20部を加えた。次に、スチレン10.0部を30分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.3%であった。次にイソプレン80.0部を90分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.0%であった。次に、スチレン10.0部を30分掛けて加えそのまま60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(E)の重量平均分子量(Mw)は203,400であった。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Fの製造
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.10部を加えた。次に、スチレンとブタジエンの混合モノマー(混合比76:24)100.0部を120分掛けて加え、そのまま60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(F)の重量平均分子量(Mw)は398,700であった。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Gの製造
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.20部を加えた。次に、スチレン17.0部を30分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.1%であった。次にブタジエン66.0部を90分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.0%であった。次に、スチレン17.0部を30分掛けて加えそのまま60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(G)の重量平均分子量(Mw)は193,400であった。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Hの製造
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.20部を加えた。次に、スチレン19.0部を30分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.1%であった。次にブタジエン62.0部を90分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.0%であった。次に、スチレン19.0部を30分掛けて加えそのまま60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(H)の重量平均分子量(Mw)は213,100であった。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Iの製造
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.20部を加えた。次に、スチレン4.0部を30分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.6%であった。次にブタジエン92.0部を90分掛けて加えそのまま30分攪拌した。この時点で重合転化率は99.2%であった。次に、スチレン4.0部を30分掛けて加えそのまま60分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は191,800であった。
参考例1で得られた脂環構造含有重合体A100重量部に対して、酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]( チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、製品名「イルガノックス1010」)0.5重量部を2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを、図1で示した樹脂型(A)形状のキャビティを有する金型を用いて、樹脂温度280℃、型温度120℃で射出成形し樹脂型(A)を得た。
さらに、脂環構造含有重合体A100重量部に対して、酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]( チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、製品名「イルガノックス1010」)0.5重量部、及び参考例3で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体C15重量部を2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットの曲げ弾性率を測定した。次にこのペレットを、図2で示した樹脂型(B)形状のキャビティを有する金型を用いて、樹脂温度280℃、型温度120℃で射出成形し樹脂型(B)を得た。
以上の操作で得られた樹脂型(A)及び樹脂型(B)を用いて、硬化性樹脂成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
参考例2で得られた脂環構造含有重合体B100重量部に対して、酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]( チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、製品名「イルガノックス1010」)0.5重量部を2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットを、図1で示した樹脂型(A)形状のキャビティを有する金型を用いて、樹脂温度260℃、型温度85℃で射出成形し樹脂型(A)を得た。
さらに、脂環構造含有重合体B100重量部に対して、酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]( チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、製品名「イルガノックス1010」)0.5重量部、及び参考例4で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体D10重量部を2軸混練機で混練して、ペレット化した。このペレットの曲げ弾性率を測定した。次にこのペレットを、図2で示した樹脂型(B)形状のキャビティを有する金型を用いて、樹脂温度260℃、型温度85℃で射出成形し樹脂型(B)を得た。
以上の操作で得られた樹脂型(A)及び樹脂型(B)を用いて、硬化性樹脂成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、参考例5で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Eを6重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、参考例6で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Fを8重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、参考例5で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Eを18重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、参考例7で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Eを15重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Jとしてスチレンイソプレンブロックポリマー〔日本ゼオン社製;クインタック(登録商標)3421、芳香族ビニル単量体単位14重量%〕を15重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dを3重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、参考例3で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Cを25重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、参考例8で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Hを7重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、参考例9で得られた芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Iを10重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体Dの代わりに、ポリプロピレン〔プライムポリマー社製;プライムポリプロ(登録商標)E185G〕を10重量部用いた以外は実施例2と同様にして、硬化性樹脂型成形体の成形を行い、離型性評価及び成形した硬化樹脂成形体のPV値測定を行った。
曲げ弾性率、離型性、PV値測定の結果を表1に示した。
樹脂型(B)中の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の量が少ないと、第1の離型性に劣る(比較例1)。
樹脂型(B)中の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の量が多いと、第2の離型性とPV値評価に劣る(比較例2)。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体中の、芳香族ビニル化合物由来の構造単位が多いと、第1の離型性とPV値評価に劣る(比較例3)。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体中の、芳香族ビニル化合物由来の構造単位が少ないと、第2の離型性に劣る(比較例4)。
樹脂型(B)中の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の代わりに、ポリプロピレンを用いると、第1の離型性とPV値評価に劣る(比較例5)。
本発明の硬化性組成物用複合樹脂型は、第1の離型性、第2の離型性及びPV値評価に優れる(実施例1〜6)。
4・・・樹脂型(B)の凹面、5・・・樹脂型(B)の短辺、6・・・樹脂型(B)の長辺
7・・・凸面形状を有する樹脂型(A)、8・・・凹面形状を有する樹脂型(B)
9・・・硬化樹脂成形体、10・・・受台、11・・・押子
Claims (4)
- 樹脂型(A)と樹脂型(B)からなる硬化性組成物用複合樹脂型であって、樹脂型(A)が脂環構造含有重合体からなり、樹脂型(B)が脂環式構造含有重合体100重量部に、5〜20重量部の芳香族ビニル−共役ジエン共重合体を含有する樹脂組成物からなり、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体が、芳香族ビニル単量体単位10〜35重量%および共役ジエン単量体単位90〜65重量%からなるものである硬化性組成物用複合樹脂型。
- 樹脂組成物の曲げ弾性率が1000〜1900MPaであることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物用複合樹脂型。
- 請求項1又は2に記載の硬化性組成物用複合樹脂型を用いた硬化樹脂成形体を製造する方法であり、
前記樹脂型(A)と前記樹脂型(B)と嵌め合わせることにより形成されるキャビティ内に、硬化性組成物を充填した後、
キャビティ内に充填された硬化性組成物を硬化して硬化性樹脂成形体を形成して、樹脂型(A)と硬化樹脂成形体と樹脂型(B)とが一体となった複合体を形成し、次いで
前記複合体より前記樹脂型(A)を剥離した後に、前記樹脂型(B)から前記硬化樹脂成形体を離型して、硬化樹脂成形体を取得することを特徴とする硬化樹脂成形体の製造方法。 - 外力で樹脂型(B)を変形させることにより、樹脂型(B)から前記硬化樹脂成形体を離型する請求項3記載の硬化樹脂成形体の製造方法。
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