JP2007253379A - 板状成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 厚みが0.3〜1.5mmの、反りのない板状成形体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 ノルボルネン系重合体などの脂環構造含有重合体を用いて、射出成形して多層記録ディスク用樹脂スタンパを製造するに当たって、前記多層記録ディスク用樹脂スタンパの厚みTm(mm)が0.3〜1.5mmの範囲であり、射出成形時に用いる金型のキャビティの深さTc(mm)より前記成形体の厚みTmが小さく、その差Td(mm)が、0.008Tm<Td<(0.04Tm+0.02)であるように金型のキャビティを設計する。
【選択図】なし。

Description

本発明は、厚みが0.3〜1.5mmの板状成形体の製造方法に関する。
従来から、記録ディスク用樹脂部材や、多層記録ディスク用樹脂スタンパなどの、厚みの比較的小さい板状成形体の製造に際しては、溶融した樹脂を射出成形する方法が汎用されている。こうした用途に用いられる薄型の板状成形体の製造において、成形体が反りなどの変形を起こす問題がある。これを解決するため、例えば、特許文献1では、金型の型締め圧を制御することや、金型温度の設定に配慮することが記載されている。
樹脂としては、脂環構造含有重合体が、低吸水性、透明性、耐熱性、低複屈折性に優れるため、コンピューターなどの情報記録媒体として使用される(特許文献2)。
特開2002−113754号公報 特開2004−295977号公報
本発明者らが検討したところ、脂環構造含有重合体を用いて所定範囲の厚みの板状成形体を得る場合、金型温度の設定では反りの発生を、効果的に防止することができないことが判った。
この問題を解決するため、本発明者らは、成形体として、樹脂スタンパの製造に用いる金型の設計を見直したところ、樹脂スタンパの厚みよりもキャビティの深さが若干大きい金型を用いると、転写性を低下させることなく、反りの発生を高度に抑制することを見いだし、本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、金型を用いた射出成形による、脂環構造含有重合体からなる板状成形体の製造方法であって、前記成形体の厚みTm(mm)が0.3〜1.5mmの範囲であり、且つ前記成形体の厚みTmが、前記金型のキャビティの深さTc(mm)より小さく、その差Td(mm)が、
0.008Tm<Td<(0.04Tm+0.02)
である製造方法が提供される。
また、本発明によれば、この製造方法により得られる、多層記録ディスク用樹脂スタンパが提供される。
本発明においては、射出成形によって板状成形体を得る。板状成形体の厚みTm(mm)は0.3〜1.5mm、好ましくは0.5〜1.3mmの範囲である。板状成形体の主面の形状に格別な制限はなく、円形でも角形でもよい。主面は、平滑でも、所望の凹凸パターンが形成されていてもよい。板状成形体の主面の面積は特に制限されないが、好ましくは200〜3000mm、より好ましくは200〜2000mmの時に著効を示す。
本発明で採用される射出成形は、所定のキャビティの深さを有する金型を用いる限り、一般的な方法を採用することができる。例えば、固定金型と可動金型から成る一対の金型により構成されるキャビティ内に溶融した脂環構造含有重合体(溶融樹脂)を射出して充填し、加圧し、冷却することにより板状成形体を製造する。
本発明においては、当該板状成形体の設計された厚みTm(mm)が、金型のキャビティの深さTc(mm)より、若干小さい値(即ち、板状成形体の厚みより、金型のキャビティの深さが若干大きい値)となる点に特徴を有する。Tc−Tmで表される差Td(mm)は、0.008Tm<Td<(0.04Tm+0.02)の範囲、好ましくは0.02Tm<Td<(0.02Tm+0.02)の範囲である。Tdは、大きすぎると、板状成形体を金型から取り出す際に、成形体に割れや欠けなどを生じる傾向が高くなり、また、板状成形体として樹脂スタンパを製造する場合には転写性に劣る。逆にTdが小さすぎると反りが生じてしまう。
本発明においては、板状成形体を、脂環構造含有重合体を用いて製造する。
脂環構造含有重合体は、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位を有する重合体である。脂環構造含有重合体中の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造は主鎖にあっても良いし、側鎖にあっても良いが、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及びフィルムの成形性の特性が高度にバランスされる。
本発明に使用される脂環構造含有重合体中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環構造含有重合体中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合がこの範囲にあるとフィルムの透明性及び耐熱性の観点から好ましい。
この脂環構造含有重合体の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及び(1)〜(4)の水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物が好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
開環重合によって得られるものとして、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体、ならびにこれらの水素化物などが挙げられる。付加重合によって得られるものとしてノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物が、耐熱性、機械的強度等の観点から好ましい。
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、又はノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体は、単量体成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系単量体の付加重合体、又はノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体は、これらの単量体を、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合させて得ることができる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、又はそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
本発明においては、脂環構造含有重合体に、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、軟質重合体、耐電防止剤、滑剤、溶剤などの添加剤を適宜配合することができる。中でも、光学特性を確保するためには、酸化防止剤や光安定剤を配合するのが好ましい。
脂環構造含有重合体に添加剤を配合する方法に格別な制限はなく、例えば、ロール、ニーダー、押出混練機、バンバリーミキサー、フィーダールーダー等の混練器で練りながら、脂環構造含有重合体と添加剤とを混合する方法;脂環構造含有重合体を適当な溶剤に溶解し、これに添加剤を配合して混合し、次いで溶媒を除去する方法;などが挙げられる。
必要に応じて添加剤が配合された脂環構造含有重合体は、通常、ペレット化された後、成形される。ペレットの製造方法に格別な制限はないが、脂環構造含有重合体と必要に応じて配合された添加剤とを二軸混練機などの混合機を用いて混合した後、ストランド状に押出、それをペレタイザーなどで細かく切断することでペレットを得ることができる。
このペレットを用いて射出成形し、板状成形体を得る方法に格別な制限はない。こうしたペレットをホッパーに入れ、ホッパーからシリンダへ移送され、ここで溶融される。通常、シリンダ内は、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気となっている。溶融樹脂は、シリンダからノズルを通して金型へ供給される。この金型は、上述したとおり2つの部材からなり、そのキャビティの深さは、得られる板状成形体の厚みより若干大きい値のものである。金型は常温で使用しても良いが、生産性向上などの目的で予熱して使用することもできる。
溶融樹脂が金型に充填されたら、溶融樹脂の温度が下がらないうちに、金型を嵌合させてプレス成形する。成形時、金型に加える圧力は、成形体の大きさや形状などにより任意に設定すればよいが、通常、キャビティ内圧で10〜120MPaである。また、保持時間に格別な制限はないが、生産性の観点から、通常1秒〜5分間である。
成形後、金型を冷却した後、金型を開いて板状成形体を取り出す。
ここで得られる板状成形体の厚みTmが、金型のキャビティの深さTcと、上述した式の範囲に入るように制御するためには、用いるペレットの量を調整する、最大射出速度を調整する、金型に加える圧力を調整する、などの方法が挙げられる。
こうして得られる板状成形体は、例えば、記録ディスク用樹脂部材や、多層記録ディスク用樹脂スタンパ(樹脂スタンパ)などに好適に用いられる。特に、樹脂スタンパの場合、正確な転写性が求められるため、例えば直径が120mmの円形板状成形体の場合、成形体主面の円周方向の反り(面ブレ)が±0.2deg以上では、実用上利用できない。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例、比較例における各物性の測定、評価は以下の方法で行った。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)
特に記載がない限りシクロヘキサンを溶剤とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリイソプレン換算値として測定した。
(2)水素添加率
主鎖水素添加率及び芳香環の水素添加率(核水素添加率)を、H−NMRにより測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量計を用いJIS−K7121に準じ測定した値である。
(4)メルトマスフローレイト(MFR)
JIS−K7210に基づいて、280℃、2.16kg荷重で測定した。
(5)樹脂スタンパの厚み及び溝深さ
射出成形により得られた樹脂スタンパの厚み及び溝深さは、ドクターシェンク社製光ディスク測定装置(MT−146)により、半径23mmから半径58mmの領域にて、0.5mm間隔の位置で41点について、樹脂スタンパ1周分測定した平均値より求めた。
(6)円周方向反り(面ブレ、Tangential Deviation)
前記(5)の測定と同時に、円周方向の反り(単位=deg)を測定した。この41点の値のうち、平均値(0.00)に対する最大値と最小値との差をそれぞれ求めた。表には、より差の大きい値の絶対値を記載した。樹脂スタンパに対しては、この値が2.0deg未満であることが求められる。
(7)転写率
走査型原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製、「NanoScopeIIIa」(商品名)にて測定したNiスタンパのランド部の高さ(Hs)と、樹脂スタンパの溝深さ(Hd)の値を次式にあてはめて算出した。
転写率(%)=(Hd−Hs)/Hs×100
ここで、樹脂スタンパとしての転写率は、−3.0%以上が求められる。
[製造例1]
<樹脂の製造方法>
室温、窒素雰囲気の反応器に、脱水したシクロヘキサン250部を入れ、更に1−ヘキセン0.84部、ジブチルエーテル0.06部及びトリイソブチルアルミニウム0.11部を入れて混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下DCP)85部、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、ETD)15部、及び六塩化タングステンの0.7%トルエン溶液15部を2時間かけて連続的に添加して重合した。重合転化率は100%であった。
得られた重合反応液を耐圧性の水素化反応器に移送し、ケイソウ土担持ニッケル触媒(日産ガードラー社製;製品名「G−96D」、ニッケル担持率58%)5部及びシクロヘキサン100部を加え、150℃、水素圧4.4MPaで8時間反応させた。この反応溶液を、ラジオライト#500を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(石川島播磨重工社製;製品名「フンダフィルター」)して水素化触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。次いで前記水素添加物100部あたり0.3部の酸化防止剤(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])を、得られた溶液に添加して溶解させた。次いで、ゼータープラスフィルター30H(孔径0.5〜1μm、キュノーフィルター社製)にて順次濾過しさらに別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後ペレット化してDCP−ETD開環共重合体の高水素化物のペレットを得た。
このペレット化されたの、重量平均分子量(Mw)は30,000、数平均分子量(Mn)は、10,000、水素添加率は99.5%、ガラス転移点は105℃、密度は1.01g/cm、MFRは、60.5g/10分であった。
[実施例1]
製造例1により得られたペレットを樹脂材料として、内径15mm、外径120mmの円板形状の樹脂スタンパを、以下の条件下で射出成形した。尚、ペレットは成形直前まで、乾燥機中で100℃、4時間加熱処理を行った。
射出成形に使用する可塑化装置は、幅0.16μm、配列ピッチ0.32μm、深さ180nmの同心円状凹凸パターンを有するDVD+R用のNiスタンパを取り付けた、キャビティ深さ0.580mmの金型を装着した射出成形機(住友重機械工業社製;製品名「SD40ER」)を用いた。
成形条件としては、樹脂温度(バレル設定最高温度)は360℃、金型温度は金型固定側90℃、金型可動側88℃とした。金型の最大圧縮力は35トンとし、金型開き量制御にて金型の初期開き幅(初期型開量)を0.4mmに設定し、射出開始から0.12秒経過後に最大圧縮力にて金型を閉じた。
充填樹脂量は6.4gとし、最大射出速度は180mm/sとした。
得られた樹脂スタンパについて、厚み、溝深さ、円周方向反り、及び転写率を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
充填樹脂量を6.0gとした以外は実施例1と同様に成形し、測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
充填樹脂量を6.5gとした以外は実施例1と同様に成形し、測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
充填樹脂量を5.9gとした以外は実施例1と同様に成形し、測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
幅0.16μm、配列ピッチ0.32μm、深さ160nmの同心円状凹凸パターンを有するDVD+R用のNiスタンパを取り付けた、キャビティ深さが1.200mmの金型を使用し、初期型開動作を行わず、樹脂の充填終了と同時に最大圧縮力にて圧縮し、樹脂の充填量を13.2gとした以外は実施例1と同様に成形し、測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
充填樹脂量を12.8gとした以外は実施例3と同様に成形し、測定した。結果を表1に示す。
[比較例3]
充填樹脂量を13.4gとした以外は実施例3と同様に成形し、測定した。結果を表1に示す。
[比較例4]
充填樹脂量を12.6gとした以外は実施例3と同様に成形し、測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007253379
表1が示すように、キャビティ深さTcと成形品厚みTmの差Tdが本発明の規定内にあると、十分な転写率を維持しながらも、円周方向の反りは±2.0deg未満となった(実施例1〜4)。
一方、キャビティ深さTcと成形品厚みTmの差Tdが小さく本発明の規定外であると、十分な転写率が得られていても、円周方向の反りが±2.0deg以上と大きくなり、実用性がない(比較例1、3)。また、キャビティ深さTcと成形品厚みTmの差Tdが大きく本発明の規定外であると、十分な転写率が得られず、さらに円周方向の反りも大きく、実用性の範囲にはなかった(比較例2、4)。

Claims (2)

  1. 金型を用いた射出成形による、脂環構造含有重合体からなる板状成形体の製造方法であって、前記成形体の厚みTm(mm)が0.3〜1.5mmの範囲であり、且つ前記成形体の厚みTmが、前記金型のキャビティの深さTc(mm)より小さく、その差Td(mm)が、
    0.008Tm<Td<(0.04Tm+0.02)
    である製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法により得られる、多層記録ディスク用樹脂スタンパ。
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