JP2009203339A - スタンパー形成用組成物、スタンパーおよび光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、本発明の目的は、スタンパーを剥離する際に中間層や基板層の付着が抑制できるとともに、記録ピットおよび/またはグルーブを高い精度で形成できるスタンパー形成用組成物を提供することにある。
すなわち、本発明に係るスタンパー形成用組成物は、下記式(I)で表される化合物から導かれる単位を有する環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対して、下記式(II)で表されるシロキサン化合物(B)を0.01〜10重量部含有することを特徴とする。
また、本発明に係るスタンパーは、上記スタンパー形成用組成物を成形して得られることを特徴とする。
<スタンパー形成用組成物>
本発明のスタンパー形成用組成物は、環状オレフィン系重合体(A)およびシロキサン化合物(B)を含有する。
本発明に用いられる環状オレフィン系重合体(A)は、下記式(I)で表される化合物
(本明細書において環状オレフィン化合物(I)ともいう。)から導かれる単位を有する。この環状オレフィン系重合体(A)は、環状オレフィン化合物(I)を重合して得られる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
上記極性基は、下記式(III)で表される極性基であることが好ましい。
式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、nは0〜5の整数を示す。
上記式(III)において、Rは好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは1または2
の炭化水素基である。ここで、炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。また、nは通常0〜5であり、nの値が小さい極性基を有する環状オレフィン化合物(I)ほど、ガ
ラス転移温度が高い重合体が得られるため好ましく、nが0である環状オレフィン(−COOR)は合成も容易であるため特に好ましい。
アルキル基であり、R2が上記式(III)で表される極性基であり、R3およびR4が水素原子である化合物がより好ましい。
環状オレフィン化合物(I)としては、具体的には、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。なお、これらの化合物に限定されるものではない。
〜R4が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、1価の炭化水素基である化合物が
挙げられる。
環状オレフィン化合物(II)としては、具体的には、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
(1)環状オレフィン化合物の開環重合体
(2)環状オレフィン化合物と共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体
(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体
(5)環状オレフィン化合物と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
(6)環状オレフィン化合物と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体との付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体
(7)環状オレフィン化合物とアクリレートとの交互共重合体
が挙げられる。これらの中でも、(3)開環(共)重合体の水素添加(共)重合体が特に好ましく用いられる。以下に上記重合体の製造方法について詳述する。
開環重合体(1)および開環共重合体(2)は、メタセシス触媒の存在下で、環状オレフィン化合物(環状オレフィン化合物(I)または環状オレフィン化合物(I)および(II))を開環重合させるか、または環状オレフィン化合物と共重合性単量体とを開環共重合させて得られる。
上記共重合性単量体としては、シクロオレフィンが挙げられ、炭素数が好ましくは4〜20、より好ましくは5〜12のシクロオレフィンが望ましい。より具体的には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。これらのシクロオレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
開環(共)重合反応において用いられるメタセシス触媒は、公知のものを用いることができ、好ましくは、下記の化合物(a)と化合物(b)との組合せからなる触媒である。(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(b)デミングの周期律表IA族元素(例えば、Li、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)およびIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物であって、上記元素と炭素との結合、または上記元素と水素との結合を少なくとも1つ有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
上記化合物(a)の具体例としては、WCl6、MoCl6、ReOCl3など、特開平
1−132626号公報の第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
iHなど、特開平1−132626号公報の第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
開環(共)重合反応において、溶媒は、後述する分子量調節剤溶液を構成する溶媒や、環状オレフィンおよび/またはメタセシス触媒の溶媒として使用される。このような溶媒としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
(分子量調節剤)
得られる開環(共)重合体の分子量は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によって調節することも可能であるが、分子量調節剤を共存させることによっても調節できる。
上記開環共重合体は、環状オレフィン化合物と共重合性単量体とを開環共重合させて得ることができるが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下で環状オレフィン化合物を開環共重合させてもよい。
上記開環(共)重合体は、そのままでも用いることができるが、さらにこれに水素添加して得られる水素添加(共)重合体(3)は、耐衝撃性に優れた樹脂として有用である。
上記水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられる触媒を使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒
が挙げられる。
水素添加(共)重合体(3)の水素添加率は、1H−NMRにより500MHzの条件
で測定した値が、通常50%以上、好ましく70%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れ、長期にわたって安定した特性を有する導光体などの成形体を得ることができる。
(4)水素添加(共)重合体
水素添加(共)重合体(4)は、上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加することにより得られる。
、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土などのルイス酸、ブレンステッド酸が挙げ
られる。
(5)飽和共重合体
飽和共重合体(5)は、付加重合触媒の存在下で、環状オレフィン化合物(I)を含む環状オレフィン化合物に不飽和二重結合含有化合物を付加重合させることにより得られる。付加重合法は従来公知の方法を適用できる。
不飽和二重結合含有化合物としては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン系化合物を挙げることができ、これらのうち、炭素数が好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜8のオレフィン系化合物が望ましい。
付加重合触媒としては、公知のものを用いることができ、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と、助触媒として有機アルミニウム化合物との組合せが挙げられる。
また、飽和共重合体(5)の分子量の調節は、通常、水素を用いて行うことができる。
付加型(共)重合体(6)は、上記環状オレフィン化合物に、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体を付加重合させることにより得られる。
上記ビニル系環状炭化水素系単量体としては、たとえば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体;4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタン等のビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体;4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体;スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体;d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体;4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体;4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタン等のビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。これらの単量体のうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記シクロペンタジエン系単量体としては、たとえば、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらの単量体のうち、シクロペンタジエンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記付加型(共)重合体(6)の水素添加(共)重合体は、上記付加型(共)重合体(6)を、上記(3)と同様の方法により水素添加することにより得ることができる。
交互共重合体(7)は、ルイス酸等の存在下で環状オレフィン化合物とアクリレートとをラジカル重合させることにより得られる。
上記アクリレートとしては、たとえば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート;ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート;イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
また、フリーラジカルを発生する公知の有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることもできる。
5dl/gが好ましく、0.3〜3dl/gがさらに好ましく、0.4〜1.5dl/gが特に好ましい。また、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本を直列に接続した。)で測定されるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が好ましくは8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が好ましくは20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000である。
にある環状オレフィン系重合体(A)は、成形加工性に優れ、この樹脂によれば、耐熱性、耐水性、耐薬品性および機械的特性に優れたスタンパーが得られる。
の使用や、コーティングおよび印刷などの加熱を伴う二次加工においても変形しにくく、また、成形加工性に優れ、成形加工時の熱による劣化も起こりにくい。
本発明に用いられるシロキサン化合物(B)は、下記式(II)で表される。
また、特定有機基としては、アミノ基、グリシジル基等のエポキシ構造含有基、カルボキシル基、カルビノール基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、ヒドロキシフェニル基、アルコキシル基、ポリエーテル構造含有基、高級脂肪酸エステル基、グリセリン基が挙げられる。この中で、環状オレフィン系重合体(A)との混和性が高いため、下記式(IV−1)〜(IV−3)で表される基(エポキシ構造含有基(IV−1)、ポリエーテル構造含有基(IV−2)、アミノ基(IV−3))が好ましい。また、スタンパーと中間層との剥離性がさらに向上できるため、下記式(IV−1)および(IV−2)で表される基がより好ましい。
の基)を示し、R10、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基(1価の基)を示し、aは0〜2の整数を示し、bは0または1の整数を示し、cは0〜10の整数を示す。
また、シロキサン化合物(B)において、上記式(II)中の下記構造単位(II−1)および(II−2)の並びは任意である。いいかえると、シロキサン化合物(B)は、構造単位(II−1)がr個つながったブロックと構造単位(II−2)がs個つながったブロックとからなる化合物に限られない。
(1)R5、R8が特定有機基であり、R6が特定有機基ではない有機基であり、rが3
0〜60の整数であり、sが0である化合物。この場合は、環状オレフィン系重合体(A)との混和性が向上できる。
上記特定有機基の結合量は、環状オレフィン系重合体との相溶性と剥離性の観点から、通常300〜4000g/molであり、好ましくは500〜3000g/molであることが望ましい。また、粘度は、環状オレフィン系重合体との相溶性と剥離性の観点から、通常20〜4000mm2/s、好ましくは30〜3000mm2/sであることが望ましい。
本発明のスタンパー形成用組成物は、環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対して、シロキサン化合物(B)を0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜1重量部、より好ましくは0.04〜0.5重量部含有する。シロキサン化合物(B)の量が0.01重量部未満であると、スタンパーと中間層との剥離性が低下する場合があり、10重量部を超えると、得られたスタンパーの光線透過率が低下する、スタンパーの表面にシロキサン化合物が滲み出してスタンパーに曇りを生ずる、スタンパーの表面剥離を生じたりするなどの不具合が見られる場合がある。
[a]環状オレフィン系重合体(A)の製造工程中でシロキサン化合物(B)を添加する方法、
[b]環状オレフィン系重合体(A)の製造後にシロキサン化合物(B)を添加し、混合する方法
などが挙げられる。
合後にシロキサン化合物(B)を添加した後に水素添加してもよく、水素添加重合体製造後にシロキサン化合物(B)を添加し、次いで触媒を分離してもよく、また、触媒分離後にシロキサン化合物(B)を添加し、次いで濃縮してもよい。また、[b]の方法においては、重合体溶液にシロキサン化合物(B)を添加してもよく、重合体の溶融状態でシロキサン化合物(B)を添加し、次いでペレット化してもよく、また、ペレットにシロキサン化合物(B)を添加し、次いで成形してもよい。
本発明に係るスタンパーは、本発明のスタンパー形成用組成物を公知の方法により射出成形して得られる。
のスクリュー形状は適宜選択でき、スクリュー表面には、クロム系、チタン系、窒化物系、炭素系など、公知のコーティングを施してもよい。また、計量や射出動作の安定性を向上するためにスクリューの回転や圧力を制御する機構などを設けてもよい。また、シリンダー内や樹脂組成物を貯蔵するホッパー内を減圧にしたり、シリンダーおよびホッパーを窒素などの不活性ガスでシールしたりすることは、成形体が安定に得られるという観点から好ましい。
ィー内を減圧する方法または射出圧縮方法が好適に用いられる。
金型装置のキャビティー内を減圧して射出成形する場合、減圧度は、ゲージ圧で、好ましくは−0.08MPa以下、さらに好ましくは−0.09MPa以下、特に好ましくは−0.1MPa以下である。上記範囲を超えると、減圧度が不足し、光透過性および光拡散性に優れた成形体を得られないことがある。
ティーの間隔を狭くすればよい。
射出成形のその他の条件は、特に限定されるものではないが、通常、シリンダー温度が260〜350℃、金型装置温度は、環状オレフィン系重合体(A)のガラス転移温度Tgに基づいて、通常Tg−1〜Tg−40℃、好ましくはTg−5〜Tg−25℃の範囲である。また、射出速度は、本発明の成形体の大きさや成形機のシリンダーサイズにより異なるが、たとえば、シリンダー径が28mmの場合、通常80mm/sec以上、好ましくは90〜250mm/secである。保圧では、成形体の形状が保持できる程度の最小圧・時間に適宜調整することが好ましい。
透明樹脂基材上に放射線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を設け、該樹脂層に上記スタンパーの凹凸面を接触させ、該スタンパーを押圧し、次いで、放射線を照射し、該樹脂層を硬化させて硬化層を形成した後に該スタンパーを剥離する工程[1]を含む。
いて、本発明に係るスタンパーを用いる場合について説明する。
まず、透明樹脂基材2上に放射線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層4を設ける(図1)。上記透明樹脂基材2の材料としては、ポリカーボネート樹脂が好適に用いられ、該基板2上には記録ピットおよび/またはグルーブ上に一層目の記録層6が形成されている。
次に、放射線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層4に、本発明に係るスタンパー8の凹凸面を接触させ、該スタンパーを押圧する(図2)。スタンパー8の凹凸面は、記録ピットおよび/またはグルーブに対応しているため、樹脂層4上に記録ピットおよび/またはグルーブが転写され形成される。
さらに、本発明に係るスタンパーは、DVDの基板層を形成する場合にも好適に用いられる。
[実施例]
<環状オレフィン系重合体の物性の測定方法>
(固有粘度:ηinh)
クロロホルムを溶媒として、重合体濃度0.5g/dlの試料を調製し、30℃の条件下でウベローデ粘度計にて測定した。
(分子量)
東ソー株式会社製HLC−8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本を直列に接続した。)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で測定し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、Mnはポリスチレン換算の数平均
分子量を表す。
(ガラス転移温度:Tg)
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を用いて、昇温速度20℃/分、窒素気流下で測定した。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン88重量部、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン11重量部、分子量調節剤として1−へキセン14重量部、およびトルエン150重量部を窒素置換した反応容器に仕込み、80℃に加熱した。これにトリエチルアルミウム0.030重量部、メタノール変性WCl6(無水メタノール:PhPOCl2:WCl6=1
03:630:427(重量比))0.0510重量部を加え反応を開始した。80℃で1時間反応させることにより開環重合体を得た。次いで、得られた開環重合体を含む溶液をトルエン110重量部で希釈し、水素添加反応触媒であるRuHCl(CO)[P(C6H5)3]3を0.0521g添加し、90℃に昇温した後、水素ガス圧を9〜10MPaとし、更に160〜165℃まで昇温して3時間反応させた。反応終了後、得られた生成物を多量のメタノール中で沈殿させることにより水素添加物を得た。1H-NMR測定により求め
たこの水素添加物の水素添加率は99.0%以上であった。
加熱した。その後メタノール132重量部を加え60℃、30分加熱した。25℃まで冷却
すると2層に分離した。再度、上澄み液333重量部を除去し、トルエン202重量部、水3重量部を加え60℃、30分加熱した。その後メタノール132重量部を加え60℃、30分
加熱した。25℃まで冷却すると2層に分離した。次いで、上澄み液333重量部を除去後
、下層部のポリマー溶液を固形分濃度20%に希釈した。得られた水素添加物において、ガラス転移温度(Tg)=130℃、重量平均分子量(Mw)=5.3×104、分子量
分布(Mw/Mn)=3.5、固有粘度0.46dL/gであり、収量は13kg(収率93%)であった。
ポリカーボネート樹脂(帝人株式会社、AD5503、Tg=144℃)を原料として、射出成形機により、280℃の温度にて1mm厚、縦80mm、横60mmの基板を作製した。
製造例1で合成した水素添加物100重量部(固形分として)に対して、信越シリコーン
社製変性シリコン(X-22-4741、側鎖型エポキシ・ポリエーテルシリコン、R5=R6=R8=メチル基、R7=エポキシ構造含有基および/またはポリエーテル構造含有基、官能基
当量2500g/mol、粘度(25℃)350mm2/s)0.05重量部、テトラキス[
メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン0.3重量部、理研ビタミン製ケマールVT(グリセリン-ステアリン酸のフルエス
テル化合物)0.2重量部を加え均一に溶解した。その後、2.0μm、1.0μm、0.2μmの3段の濾過を行い、次いで、260℃、1.0torの条件で脱容器にて溶融溶媒除去
を行い、5μmフィルターを通過させて本発明のスタンパー形成用組成物からなる樹脂ペ
レットを得た。
製造例2で作製したポリカーボネート樹脂基板上に、
トリメチロールプロパントリアクリレート13.7重量部
N−ビニル−2−ピロリドン7.8重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物4.9重量部
ポリオキシアルキレンビスフェノールA、トルエンジイソシアネート、2−ヒドロキシエチルアクリレートの反応物9.8重量部
ポリオキシアルキレンビスフェノールAジアクリレート32.3重量部
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸アクリル酸エステル29.4重量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.5重量部
チオジエチレンビス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト)0.3重量部
ジエチルアミン0.1重量部および
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル0.3重量部
からなる混合液をアプリケーターにより膜厚が200μmとなるように塗布した。その上に
成形品1を泡がかまないようにゆっくりと重ねた。
この成形品1の上からメタルハライドランプにて1mJ/cm2の露光を行い光硬化させた。
これにより上記混合液から作製した層を硬化層とした。その後、手動にて成形品1をはがし、成形品1からの光硬化樹脂の硬化層の剥離性を目視で評価した。評価基準は下記に示す。
○:水素添加物側に光硬化樹脂が一部残る
◎:水素添加物側に光硬化樹脂が残らない
評価は◎であり、成形品1側に光硬化樹脂の硬化層は残らず、良好な剥離性を示した。なお、この評価結果より、ポリカーボネート樹脂基板上に記録ピットおよび/またはグルーブを有する中間層(光硬化樹脂の硬化層)を形成するときも、スタンパー(水素添加物の成形品)に中間層は付着しないため、記録ピットおよび/またはグルーブを高い精度で形成できると考えられる。
実施例1において、信越シリコーン社製変性シリコン(X-22-4741、側鎖型エポキシ・
ポリエーテルシリコン)の変わりに信越シリコーン社製変性シリコン(X-22-163A、両末
端エポキシリコン、R5=R8=エポキシ構造含有基、R6=R7=メチル基、官能基当量1000g/mol、粘度(25℃)30mm2/s)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、スタンパー形成用組成物からなる樹脂ペレットを得、成形品2を作製した。実施例1において、成形品1の変わりに成形品2を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化層を製造し、剥離性を評価した。剥離性は◎であった。
実施例1において、信越シリコーン社製変性シリコン(X-22-4741、側鎖型エポキシ・
ポリエーテルシリコン)の変わりに信越シリコーン社製変性シリコン(X-22-3939A、側鎖型アミノ・ポリエーテルシリコン、R5=R6=R8=メチル基、R7=アミノ基含有有機基および/またはポリエーテル構造含有基、官能基当量1500g/mol、粘度(25℃)3300mm2/s)を用いた以外は実施例1と同様にして、スタンパー形成用組成物
からなる樹脂ペレットを得、成形品3を作製した。実施例1において、成形品1の変わりに成形品3を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化層を製造し、剥離性を評価した。剥離性は○であった。
実施例1において、信越シリコーン社製変性シリコン(X-22-4741、側鎖型エポキシ・
ポリエーテルシリコン)の変わりに信越シリコーン社製変性シリコン(X-22-164B、両末
端メタクリルシリコン、R5=R8=メタクリル構造含有基、R6=R7=メチル基、官能基当量1630g/mol、粘度(25℃)55mm2/s)を用いた以外は実施例1と同
様にして、スタンパー形成用組成物からなる樹脂ペレットを得、成形品4を作製した。実施例1において、成形品1の変わりに成形品4を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化層を製造し、剥離性を評価した。剥離性は○であった。
実施例1において、信越シリコーン社製変性シリコン(X-22-4741、片末端エポキシポ
リエーテルシリコン)を使用しない以外は実施例1と同様にして、成形品5を作製した。実施例1において、成形品1の変わりに成形品5を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化層を製造し、剥離性を評価した。剥離性は×であった。
4: 樹脂層
6: 一層目の記録層
8: スタンパー
10: 放射線
12: 中間層
Claims (3)
- 下記式(I)で表される化合物から導かれる単位を有する環状オレフィン系重合体(A)100重量部に対して、下記式(II)で表されるシロキサン化合物(B)を0.01〜10重量部含有することを特徴とするスタンパー形成用組成物。
- 請求項1記載のスタンパー形成用組成物を成形して得られることを特徴とするスタンパー。
- 透明樹脂基材上に放射線硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を設け、該樹脂層に請求項2記載のスタンパーの凹凸面を接触させ、該スタンパーを押圧し、次いで、放射線を照射し、該樹脂層を硬化させて硬化層を形成した後に該スタンパーを剥離する工程[1]を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
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