JP2005288803A - 樹脂製金型又はスタンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】 高光線透過率を有し、さらに高い離型性又は撥水性を発現し、積層膜の剥離などの不具合がない金型又はスタンパを提供する。
【解決手段】 不活性ガス雰囲気中又は減圧下に脂環構造含有重合体樹脂からなる金型又はスタンパ基材を加熱し、フッ素ガスを含有する雰囲気中に該金型又はスタンパ基材を放置することによって金型又はスタンパ基材表面にフッ素ガスを接触させ、次いで不活性ガス雰囲気中又は減圧下に該金型又はスタンパ基材を再加熱して、脂環構造含有重合体樹脂からなる金型又はスタンパ表層部に該金型又はスタンパ内層部よりもフッ素原子含有量が多い脂環構造含有重合体樹脂の相がある金型又はスタンパを得る。
【選択図】 図2。

Description

本発明は、樹脂製の金型又はスタンパに関する。さらに詳しくは、本発明は、表面部にフッ素原子を多く含む、離型性に優れ、微細な凹凸形状を精密に転写することができる樹脂製の金型又はスタンパに関する。
光ディスクなどの情報記録媒体は、スタンパを設置した金型内に、溶融したポリカーボネート、アクリル樹脂などの透明樹脂材料を射出成形して媒体基板を得、この媒体基板に流動性、転写性に優れる紫外線硬化性樹脂を積層し、そして該紫外線硬化性樹脂を硬化させる時に記録用案内溝(プリグルーブ)の溝間(トラックピッチ)をスタンパで転写して製造されている。紫外線硬化性樹脂を硬化させるとき、従来、透明な基板側から紫外線を照射していた。
情報記録媒体の密度を高めるためには、トラックピッチを小さくする必要がある。トラックピッチを小さくするためには、樹脂の硬化に用いる紫外線の波長も短くする必要がある。しかし、基板側から短波長の紫外線を照射した場合、ポリカーボネートやアクリル樹脂からなる基板を透過する間に光量が足りなくなるため、硬化性樹脂を十分に硬化させて、精密な転写を短時間で行うことが困難になってきた。
そこで、透明なスタンパを使用し、紫外線をスタンパ側から照射し、紫外線硬化性樹脂を硬化させる方法が採用されている。スタンパ側から紫外線を照射すると、スタンパと紫外線硬化性樹脂の界面から硬化が始まるので、トラックピッチの形状が十分に固化され、転写性に優れている。
透明スタンパには、ガラスや石英が使用されていたが割れるなどの取扱上の不便があるため、最近では、透明樹脂製のスタンパの使用が増えてきた。
しかし、透明樹脂製のスタンパでは、硬化した紫外線硬化性樹脂がスタンパに微量残留し、表面が汚染され、スタンパの繰り返し使用回数が減り、コストアップの原因となっている。
透明樹脂製スタンパの離型性を向上させるために、スタンパ表面にフッ素樹脂膜を形成する方法が提案されている。しかし、微細かつ急峻なピッチ形状に追従したフッ素樹脂膜を形成することは難しく、製膜コストが高くなる。また、フッ素樹脂膜を形成することによって光線透過率が低下するので紫外線硬化性樹脂の硬化時間が長くなる。また繰り返し使用回数が増えるとフッ素樹脂膜が剥がれ、ディスク側に付着するなどの不具合が生じている。
特許文献1〜3には、金型又はスタンパ表面にフッ素プラズマを照射して親水化表面処理する方法を開示している。この方法によって、離型性が改善されると述べている。また、特許文献4には、型基材上に炭素層を蒸着させ、その炭素層の表面にフッ素ガスを接触させ、C−F結合を有する化合物を形成する方法が開示されている。しかし、これら特許文献1〜4で提案している金型又はスタンパはニッケルなどの金属製の金型又はスタンパであるため、スタンパ側からの紫外線照射に適用できるものではなかった。
特開平2−15170号公報 特開2001−232643号公報 特開2003−203396号公報 特開平7−186157号公報
本発明者は、樹脂製の金型又はスタンパの、光線透過率を低下させずに、離型性を向上させるために、樹脂製の金型又はスタンパの表面処理方法について検討した。その結果、本発明者は、樹脂製の金型又はスタンパ表層部に該金型又はスタンパ内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相を設けることによって、フッ素樹脂の積層に伴う密着性不良、透明性低下などを起こさずに、高光線透過率で、優れた離型性を発現することを見出した。またこの金型又はスタンパは、フッ素ガスを含有する雰囲気中に金型又はスタンパ基材表面を接触させることによって、容易に得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明の金型又はスタンパは、金型又はスタンパ表層部に該金型又はスタンパ内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相があることを特徴とする。特に樹脂が脂環構造含有重合体樹脂であることを特徴とする。
また、本発明の金型又はスタンパの製法は、樹脂製の金型又はスタンパ基材を、フッ素ガスを含有する雰囲気に接触させることを含む。
また、別の本発明の金型又はスタンパの製法は、(1)不活性ガス雰囲気中又は減圧下に樹脂製の金型又はスタンパ基材を放置し、(2)フッ素ガスを含有する雰囲気に該金型又はスタンパ基材表面を接触させ、(3)次いで不活性ガス雰囲気中又は減圧下に該金型又はスタンパ基材を再放置することを含む。
好ましい態様の金型又はスタンパの製法は、樹脂が脂環構造含有重合体である。
フッ素ガスを含有する雰囲気に接触させる直前の金型又はスタンパ基材中の酸素及び水分量が共に1重量%以下である。
フッ素ガスを含有する雰囲気中の酸素及び水分濃度が共に100重量ppm以下である。
フッ素ガスを含有する雰囲気が、不活性ガスで希釈されたフッ素ガス濃度0.1〜50重量%のフッ素ガスである。
金型又はスタンパ基材表面にフッ素ガスを含有する雰囲気に接触させるときの温度が−50〜150℃である。
不活性ガス雰囲気中又は減圧下に金型又はスタンパ基材を放置又は再放置する際に、金型又はスタンパ基材を加熱する。
不活性ガス雰囲気中に放置又は再放置する際の加熱温度が60〜180℃である。
減圧下に放置又は再放置する際の圧力が1〜500mmHgである。
本発明の金型又はスタンパは、表層部にフッ素原子含有量の多い樹脂の相がある。フッ素原子含有量の多い樹脂の相とフッ素原子含有量がゼロ又は少ない樹脂の相とは同種の樹脂で形成され、積層界面が存在しないので、機械的強度にも優れ、膜の剥離などによる不具合がない。
また、フッ素原子含有量の多い樹脂の相がある表層部はフッ素原子が有する表面エネルギーを低下させる特性により、高い離型性と撥水性を示す。
このような効果を奏する本発明の金型又はスタンパを、紫外線硬化性樹脂などの成形に用いることによって、微細な凹凸パターンを精密に転写することができ、また硬化性樹脂が金型又はスタンパに付着しにくいので繰り返して使用できる回数が多く、成形コストを低くすることができる。
本発明の金型又はスタンパは、樹脂製の金型又はスタンパ表層部に該金型又はスタンパ内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相があるものである。
図2は本発明の金型又はスタンパの一例の断面概念図である。表層部11はフッ素原子含有量が多い樹脂の相であり、内層部12はフッ素原子含有量がゼロ又は少ない樹脂の相である。表層部を構成する樹脂と内層部を構成する樹脂はともに同種の樹脂であり、各層間には界面がない。
本発明の金型又はスタンパを構成する樹脂は、所望の波長に対して透明な樹脂である。透明樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられるが、本発明においては、脂環構造含有重合体樹脂が好ましい。本発明に用いる脂環構造含有重合体樹脂は、主鎖及び/または側鎖に脂環構造を有する重合体である。機械的強度や耐熱性などの観点から、主鎖に脂環構造を含有する樹脂が好適である。脂環構造としては、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造が好ましい。また、脂環構造としては、単環、多環(縮合多環、橋架け環などを含む)が挙げられる。脂環構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の諸特性が高度にバランスされ好適である。また、本発明で使用される脂環構造含有重合体樹脂は、通常、熱可塑性のものである。
脂環構造含有重合体樹脂は、通常、脂環構造を有するオレフィン(以下、脂環式オレフィンということがある。)由来の繰り返し単位を含有する。脂環構造含有重合体樹脂中における脂環式オレフィン由来の繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%である。脂環式オレフィン由来の繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性に劣り好ましくない。脂環式オレフィン由来の繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
また、脂環構造含有重合体樹脂は、極性基を有するものであってもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物残基、アミド基、イミド基などが挙げられ、特に、エステル基、カルボキシル基又はカルボン酸無水物残基が好適である。
脂環構造含有重合体樹脂は、通常、脂環式オレフィンを付加重合又は開環重合し、そして必要に応じて不飽和結合部分を水素化することによって、或いは芳香族オレフィンを付加重合し、そして該重合体の芳香環部分を水素化することによって得られる。また、極性基を有する脂環構造含有重合体樹脂は、例えば、前記脂環構造含有重合体樹脂に極性基を有する化合物を変性反応により導入することによって、あるいは極性基を含有する単量体を共重合成分として共重合することによって得られる。
脂環構造含有重合体樹脂を得るために使用される脂環式オレフィンとしては、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロ〔7.4.0.110、13.02、7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエン、1,4メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンのごときノルボルネン系単量体などの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。これら環状オレフィンには置換基として極性基を有していてもよい。
芳香族オレフィンとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
脂環式オレフィン及び/又は芳香族オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂環式オレフィン又は芳香族オレフィンと共重合可能な単量体を必要に応じて付加共重合させることができる。その具体例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;1,3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂環式オレフィン又は/及び芳香族オレフィンの重合は公知の方法に従って行うことができる。
重合温度、圧力等は特に限定されないが、通常−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kgf/cmの重合圧力で重合させる。水素化反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う。
脂環構造含有重合体樹脂の具体例としては、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物(エチレンや、α−オレフィンなど)との付加重合体、単環シクロアルケンの重合体、脂環式共役ジエン系単量体の重合体及びその水素化物、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素化物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素化物が好ましく、特にノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化物が好ましい。
前記の脂環構造含有重合体樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いる樹脂は、その分子量によって特に制限されない。樹脂の分子量は、シクロヘキサン(シクロヘキサンに溶解しないときはトルエン)を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜250,000の範囲である。樹脂の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときには、耐熱性、表面平滑性などがバランスされ好適である。樹脂の分子量分布は、シクロヘキサン(シクロヘキサンに溶解しないときはトルエン)を溶媒とするGPCで測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、通常5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、最も好ましくは120℃以上である。
本発明に用いる樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤、可塑剤、離型剤などを適宜配合したものであってもよい。
これらの添加剤の中でも、酸化防止剤及び/又は光安定剤が特に好ましい。
酸化防止剤としては、フェノ−ル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノ−ル系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノ−ル系酸化防止剤が好ましい。
フェノ−ル系酸化防止剤としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキスメチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネ−ト)メタン[すなわち、ペンタエリスリチル−テトラキス3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネ−ト)]などのアルキル置換フェノ−ル系化合物;2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレ−ト、2,4−ジ−t−アミル−6−{1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル}フェニルアクリレ−トなどのアクリレ−ト系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノ−ル系化合物などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネ−ト、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオネ−トなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、酸化防止剤の量は、樹脂100重量部に対し、通常0.01〜2重量部、好ましくは0.02〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部の範囲である。
光安定剤としては、ヒンダ−ドアミン系光安定剤(HALS)、ベンゾエ−ト系光安定剤などが挙げられ、これらの中でもヒンダ−ドアミン系光安定剤が好ましい。
HALSの具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、1−〔2−{3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−{3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9,−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、
テトラキス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ−ト、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジノ−ルとトリデシルアルコ−ルとの縮合物、
N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ポリ〔(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノ−ルとの重合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノ−ルと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物などが挙げられる。
これらの中でも、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノ−ルとの重合物などの数平均分子量が2,000〜5,000のものが好ましい。
これらの光安定剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、光安定剤の量は、樹脂100重量部に対し、通常0.0001〜5重量部、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部の範囲である。
本発明の金型又はスタンパは、所望の形体に成形するための型面(転写面)13を有しているものであれば、特に形状に制限はない。
本発明の金型又はスタンパは、その表層部に該金型又はスタンパ内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相がある。図2では金型又はスタンパの表層部全てがフッ素原子含有量が多い樹脂の相を有しているが、離型性が最も要求される転写面13の表層部にだけフッ素原子含有量が多い樹脂の相があるものであってもよい。
金型又はスタンパの表層部とは、金型又はスタンパ最表面から数nm〜数μm程度の深さまでの、フッ素が多く含有する樹脂相がある部分である。内層部及び表層部はともに同種樹脂から構成されており、積層界面が無く、表層部は内層部よりもフッ素原子含有量が多くなっている。フッ素原子含有量はX線電子分光法(ESCA)などの分析装置によって、確認することができる。フッ素原子含有量は、表層部から内層部に向かって徐々に減少していくような分布をなしていてもよいし、表層部から内層部に向って階段的に減少する分布をなしていてもよい。
本発明の金型又はスタンパの製法は、フッ素ガスを含有する雰囲気に金型又はスタンパ基材表面を接触させることを含むものである。
本発明の製法を図面を参照しながら具体的に説明をする。
図1は本発明製法に使用する反応装置の一例を示すものである。この反応装置はチャンバー1と、チャンバーの温度を制御するための加熱装置5を備え、チャンバーには、フッ素ガス及び不活性ガスを導入するための、フッ素ガス供給ライン2と不活性ガス供給ライン3が繋がっている。そして、不要なガスを抜き出す排気ライン4がチャンバーの別の位置に繋がっている。チャンバーには前記の金型又はスタンパ基材を置くことができる空間があり、そこに種々形状の金型又はスタンパ基材を置くことができる。排気ライン4から抜き出されたガスは、そのままあるいは分離精製して、各ガス供給ラインに戻し、循環再利用することができる。
金型又はスタンパ基材は、所望の形状に、樹脂を成形することによって得られる。本発明の製法において、金型またはスタンパ基材にフッ素ガスを接触させ、フッ素原子を該基材に導入すると大きさがわずかに変化するので、その変化量を勘案して金型又はスタンパ基材を所望の金型又はスタンパが得られる大きさ形状に成形することが好ましい。成形方法としては、押出成形法、射出成形法、インフレーション成形法、キャスト成形法、ブロー成形法、真空成形法など公知の成形法を挙げることができる。成形して得られた金型又はスタンパ基材を下記の工程を経ることによって、本発明の金型又はスタンパを好適に製造することができる。
(1)不活性ガス雰囲気中又は減圧下に樹脂製の金型又はスタンパ基材を放置する工程。
この工程(1)は必ず行わなければならない工程ではないが、この工程を経ることによって、金型又はスタンパ表層部に、フッ素原子含有量が多い樹脂の相を面内分布なく存在させることができるようになるので、工程(1)を経ることが好ましい。
工程(1)では、まず、チャンバーに金型又はスタンパ基材を置き、チャンバーを閉じて、不活性ガス供給ライン3の弁を開いて不活性ガスをチャンバーに流入させる。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンなどが挙げられる。本発明においてはアルゴンが好適に用いられる。使用するチャンバーは、ステンレス製もしくはアルミニウム製のものが好ましい。
チャンバーを不活性ガス雰囲気にして、加熱装置によって、チャンバー内の金型又はスタンパ基材を加熱することが好ましい。この加熱によって金型又はスタンパ基材中に含まれていた水分、酸素、揮発成分などを効率的に除去することができる。加熱温度は金型又はスタンパ基材表面温度で、通常60〜180℃、好ましくは80〜130℃である。加熱時間は1〜360分、好ましくは2〜200分である。
不活性ガス雰囲気中に放置する代りに、減圧下に放置してもよい。減圧下に放置する場合は圧力を通常500mmHg以下、好ましくは100mmHg以下にする。圧力の下限は1mmHgである。極端に減圧すると排気系から油や水分等の汚染物が逆拡散するおそれがある。減圧下に放置した際にも加熱することが好ましい。加熱温度は通常15〜100℃である。また、減圧と同時に、高純度不活性ガスを注入することは、酸素及び水の量を効率的に除去することができるので好ましい。減圧時間は1〜360分、好ましくは1〜200分である。
次の工程(2)において金型またはスタンパ基材中に酸素や水分が存在すると、金型またはスタンパの表面が親水化されやすいので、工程(1)において酸素や水分の量を減らすことが好ましい。好ましい金型またはスタンパ基材中の酸素及び水の量は、共に、通常1重量%以下、好ましくは100重量ppm以下、より好ましくは10重量ppm以下である。
(2)フッ素ガスを含有する雰囲気に該金型又はスタンパ基材表面を接触させる工程。
工程(1)の後、不活性ガス供給ラインの弁を閉じ、必要に応じてチャンバーを冷却し、次いでフッ素ガス供給ライン2の弁と必要に応じて不活性ガス供給ライン3の弁を開き、フッ素ガスをチャンバーに流入させ、チャンバーをフッ素ガスを含有する雰囲気にする。
フッ素ガスを含有する雰囲気は、フッ素ガスだけで構成される雰囲気でもよいが、反応を緩やかにするために、不活性ガスで希釈したフッ素ガスで構成することが好ましい。フッ素ガスを含有する雰囲気中には酸素及び水が無いほうが好ましい。具体的には酸素及び水の量が共に100重量ppm以下であることが好ましく、10重量ppm以下であることが更に好ましく、1重量ppm以下であることが特に好ましい。
金型又はスタンパ基材表面にフッ素ガスを接触させることによって、フッ素ガスが金型又はスタンパ基材の表面から表層部さらには内層部に向かって徐々に分子内でのフッ素原子の導入が起こり、金型又はスタンパ基材を構成する樹脂中のフッ素原子含有量が増加していく。金型又はスタンパ基材表面からのフッ素原子の浸透深さ、及びフッ素原子の含有量は、フッ素ガスの濃度、温度、時間などに依存して変化する。
不活性ガスで希釈したフッ素ガスの濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは0.1〜20重量%である。フッ素ガスを接触させるときの金型又はスタンパ基材表面温度は、特に制限されないが、通常−50〜150℃、好ましくは−20〜80℃、特に好ましくは0〜50℃である。接触させる時間は、通常0.1秒〜600分、好ましくは0.5秒〜300分、より好ましくは1秒〜60分である。フッ素ガス濃度が高い場合、温度が高い場合、若しくは時間が長い場合には、フッ素原子の浸透深さが深くなり、フッ素原子含有量も多くなる。フッ素原子含有量の増加に伴って、フッ素原子が導入された部分(表層部)の離型性又は撥水性が向上するので、フッ素ガス濃度、温度、時間を適宜選択することによって、所望の離型性又は撥水性に制御することができる。フッ素ガス濃度が極端に高い場合、若しくは極端に高温度長時間の場合は、金型又はスタンパ基材を構成する樹脂が劣化するので、上記に示した範囲でフッ素ガスを接触させることが好ましい。
(3)フッ素ガスを接触させた後、不活性ガス雰囲気中又は減圧下に工程(2)を経た金型又はスタンパ基材を再放置する工程。
フッ素ガスを接触させ、所定時間経過した後、不活性ガス供給ライン3を開き、フッ素ガス供給ライン2の弁を閉じて、チャンバーを不活性ガス雰囲気にする。不活性ガスは前記工程(1)で説明したものと同じものが挙げられる。そして、加熱装置によって金型又はスタンパ基材を加熱することが好ましい。この加熱によって金型又はスタンパ基材中に導入しきれなかったフッ素ガスを除去することができる。加熱温度は金型又はスタンパ基材表面温度で、通常60〜180℃、好ましくは80〜130℃である。加熱時間は1〜360分、好ましくは2〜200分である。
不活性ガス雰囲気中に放置する代りに、減圧下にフッ素ガス接触処理をした金型又はスタンパ基材を放置してもよい。減圧下に放置する場合は圧力を通常500mmHg以下、好ましくは100mmHg以下にする。圧力の下限は1mmHgである。極端に減圧すると排気系から油や水分等の汚染物が逆拡散するおそれがある。減圧下に放置した際にも加熱することが好ましい。加熱温度は通常15〜100℃である。また、減圧と同時に、高純度不活性ガスを注入することは、フッ素ガスを効率的に除去することができるので好ましい。減圧時間は1〜360分、好ましくは1〜200分である。
この工程(3)は必ず行わなければならない工程ではないが、この工程を経ることによって、金型又はスタンパ表層部に、フッ素原子含有量が多い樹脂の相を面内分布なく存在させることができるようになるので、工程(3)を経ることが好ましい。
工程(3)を終了後、金型又はスタンパをチャンバーから取り出し、それぞれの用途に応じて用いることができる。
次に、本発明を実施例及び比較例に基づいて更に具体的に説明するが、この実施例によって本発明を限定するものでない。
実施例1
環状オレフィン重合体樹脂(ゼオノア1600:日本ゼオン社製、アルキル置換フェノール系酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤を含有)を射出成形して、スタンパを得た。
このスタンパをSUS316L製チャンバーに入れ、酸素及び水分含有量1重量ppb以下の高純度アルゴン気流下、120℃で3時間加熱し酸素及び水を除去した。酸素及び水の量は10重量ppm未満であった。室温まで冷却し、外気からの酸素や水分の混入がないよう気をつけながらバルブを切り替えて、アルゴンガスで希釈された10重量%フッ素ガス(酸素及び水の含有量1重量ppm未満)を30℃で導入した。10分間経過後、バルブを切り替えて酸素及び水分含有量1重量ppb以下の高純度アルゴンを導入し、120℃で1時間加熱し余剰のフッ素ガスを除去した。
ESCAによる測定で転写面の表層部にフッ素原子が多く存在していることを確認した。さらに、このスタンパを、超純水中に24時間浸漬した後、ESCAで測定したところ、浸漬前と同様に、フッ素原子が表層部に多く存在していた。また、FTIR−ATR法で膜表面を測定したところ、1400〜1000cm−1にC−F伸縮振動に由来するブロードなピークが観測された。表面はフッ素ガスによる処理前に比べ水の接触角が大きくなり、撥水性が増加していた。またスタンパの光線透過率はフッ素ガスと接触させる処理によって高くなった。
ポリカーボネート製DVD基板上に紫外線硬化性樹脂を塗布し、上記のスタンパを押し付けるようにして密着させ、波長400nmの紫外線をスタンパ側から照射して硬化させた。そしてスタンパを剥離した。硬化させた樹脂とスタンパとの剥離は容易であった。スタンパ表面を観察したところ、汚染が全くなかった。
このスタンパを用いて、DVD基板上の紫外線硬化性樹脂へのパターン転写を繰り返し行った。
転写を10回繰り返した後、該スタンパ表面を観察したところ、肉眼で観察できる汚染は全くなかった。10回目までに作製されたDVD基板の転写部を観察したところ、転写不良はひとつもなかった。フッ素原子による表面張力向上で撥水性及び離型性が高くなったことに加え、光線透過率の向上で樹脂を硬化させるための紫外線等が硬化性樹脂に十分に到達し、硬化不十分などを原因とする樹脂付着などが起きなくなったからであると考えられる。
比較例1
環状オレフィン重合体樹脂(ゼオノア1600:日本ゼオン社製)を射出成形して、スタンパを得た。このスタンパをフッ素ガスと接触させる処理を行わずに、実施例1と同様に型の転写を行った。転写3回目の剥離時に、スタンパ表面に、硬化性樹脂が微量付着していた。硬化性樹脂が付着したままのスタンパで、4回目のディスクを作成したところ、転写不良が発生したので、スタンパの使用を中止した。
本発明の方法に用いる、反応装置の一例を示す図。 本発明の樹脂製スタンパの一実施態様の断面概略図。
符号の説明
1・・チャンバー
2・・フッ素ガス供給ライン
3・・不活性ガス供給ライン
4・・排気ライン
5・・加熱装置
6・・金型又はスタンパ基材
11・・フッ素原子含有量の多い樹脂の相(表層部)
12・・フッ素原子含有量がゼロ又は少ない樹脂の相(母材:内層部)
13・・成形型面(転写面)

Claims (12)

  1. 樹脂製の金型又はスタンパの表層部に該金型又はスタンパ内層部よりもフッ素原子含有量が多い樹脂の相がある金型又はスタンパ。
  2. 樹脂が脂環構造含有重合体樹脂である請求項1記載の金型又はスタンパ。
  3. 樹脂製の金型又はスタンパ基材を、フッ素ガスを含有する雰囲気に金型又はスタンパ基材表面を接触させることを含む金型又はスタンパの製法。
  4. (1)不活性ガス雰囲気中又は減圧下に樹脂製の金型又はスタンパ基材を放置し、(2)フッ素ガスを含有する雰囲気に該金型又はスタンパ基材表面を接触させ、(3)次いで不活性ガス雰囲気中又は減圧下に該金型又はスタンパ基材を再放置することを含む、金型又はスタンパの製法。
  5. 樹脂が脂環構造含有重合体樹脂である請求項3または4記載の金型又はスタンパの製法。
  6. フッ素ガスを含有する雰囲気に接触させる直前の金型又はスタンパ基材中の酸素及び水分量が共に1重量%以下である請求項3又は4記載の金型又はスタンパの製造方法。
  7. フッ素ガスを含有する雰囲気中の酸素及び水分濃度が共に100重量ppm以下である請求項3又は4記載の金型又はスタンパの製造方法。
  8. フッ素ガスを含有する雰囲気が、不活性ガスで希釈されたフッ素ガス濃度0.1〜50重量%のフッ素ガスである請求項3または4記載の金型又はスタンパの製法。
  9. 金型又はスタンパ基材表面をフッ素ガスをを含有する雰囲気に接触させるときの温度が−50〜150℃である請求項3または4記載の金型又はスタンパの製法。
  10. 不活性ガス雰囲気中又は減圧下に金型又はスタンパ基材を放置又は再放置する際に、金型又はスタンパ基材を加熱する請求項4記載の金型又はスタンパの製法。
  11. 不活性ガス雰囲気中に放置又は再放置する際の加熱温度が60〜180℃である請求項10記載の金型又はスタンパの製法。
  12. 減圧下に放置又は再放置する際の圧力が1〜500mmHgである請求項4記載の金型又はスタンパの製法。
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