JP2007230161A - 射出成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
薄膜状の成形体を、バリの発生を起こさずに安定的に生産する方法を提供する。
【解決手段】
Tg100℃の、ジシクロペンタジエン85重量部とテトラシクロドデセン15重量部との開環重合体水素化物のペレット30重量部と、Tg137℃の、ジシクロペンタジエン38重量部と、テトラシクロドデセン35重量部と、メタノテトラヒドロフルオレン27重量部との開環重合体水素化物のペレットとを混合した後、金型を用いて、縦500mm、横400mm、厚さ0.4mmの成形体を、射出成形により製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂環構造含有重合体の射出成形体の製造方法に関する。さらに詳しくは、薄膜の成形体を形成するのに好適な脂環構造含有重合体の射出成形体の製造方法に関する。
電圧をかけると分子の並び方が変化するという液晶の性質を利用した液晶表示装置は、携帯情報端末、車載用パネル、パソコン、テレビなどに広く用いられている。液晶表示装置には、光拡散板や導光板などの透明性に優れた薄膜が複数配置されている。透明性に優れた薄膜を与える樹脂として、ノルボルネン系単量体を重合して得られる脂環構造含有重合体が知られている。
これらの薄膜は、樹脂を、押出成形法、キャスト法、射出成形法などにより成形して得られる。
例えば、小型で薄型の導光板は、通常、生産性の観点から射出成形法により製造される。
携帯情報端末や車載用パネルなどの小型製品に用いられる液晶表示装置は、特に、軽量化と共に高耐熱性が求められている。このため、液晶表示装置に用いられる光拡散板や導光板も、薄型で高耐熱性のものが望まれる。
小型で薄型の導光板を、射出成形法によって効率よく生産するためには、流動性に優れた樹脂を用いる必要がある。一方、耐熱性を確保するためには、ガラス転移温度の高い樹脂を用いるのが好ましいが、ガラス転移温度が高い樹脂は、一般に流動性に欠ける。
ところで、脂環構造含有重合体の複屈折をより低下させるために、ガラス転移温度の異なる2種類のノルボルネン系開環重合樹脂を用いることが提案されている(特開平5−279544号公報)。ここでは、2種類の樹脂を、二軸押し出し機を用いて溶融混練して、混合樹脂をペレット化したものや、2種類の樹脂を、良溶媒に溶解し、ついで貧溶媒を添加して樹脂を析出させ、乾燥して混合樹脂粉末化し、必要に応じてこれをペレット化したものを用いている。ここでは、複数の樹脂を用いて成形体を得る場合、樹脂同士を均一に混合してから、ペレット化する成形体の均質さを得ている。
特開平5−279544号公報
かかる従来技術のもと、本発明者らは、ガラス転移温度(以下、Tgということがある)が80〜115℃の脂環構造含有重合体Aと、Tgが125〜160℃の脂環構造含有重合体Bとを用いて、前記特許文献1に記載されたように、混合樹脂ペレット化して射出成形したところ、キャビティから樹脂がはみ出たことに起因するバリが発生し良好な形状の成形体が得られないことのあることが判った。
ところが、本発明者らが更に検討した結果、Tgが80〜115℃の脂環構造含有重合体Aと、Tgが125〜160℃の脂環構造含有重合体Bとを用いる場合には、それぞれの重合体をペレット状態で混合した混合ペレットを射出成形に用いることで、流動性が向上し、バリの発生がない良好な形状の成形体が、安定して得られることを見いだし、本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、
(1)ガラス転移温度が80〜115℃の脂環構造含有重合体Aのペレットと、ガラス転移温度が125〜160℃の脂環構造含有重合体Bのペレットとを含有する混合ペレットを用いることを特徴とする射出成形体の製造方法、
(2)脂環構造含有重合体A及び脂環構造含有重合体Bが、いずれも、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物である前記(1)記載の射出成形体の製造方法、
(3)脂環構造含有重合体A及び脂環構造含有重合体Bが、いずれも、ノルボルネン系単量体として、ジシクロペンタジエン単量体とテトラシクロドデセン単量体とを用いて得られるものである前記(2)記載の射出成形体の製造方法、
(4)脂環構造含有重合体Bが、更に芳香族含有ノルボルネン系単量体をも用いて得られるものである前記(3)記載の射出成形体の製造方法、
(5)脂環構造含有重合体Aと脂環構造含有重合体Bとの割合が、20〜40:50〜60(重量部)である前記(1)記載の射出成形体の製造方法、
(6)脂環構造重合体Aのペレットと脂環構造含有重合体Bのペレットとが、共に少なくとも一辺が0.3mm以上5.0mm以下であり、短辺、長辺及び高さの合計が0.5mm以上10.0以下である形状の脂環式構造含有重合体からなるペレットである前記(1)記載の射出成形体の製造方法。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載された方法により得られた射出成形体。
(8)厚みが0.1〜1mmである前記(7)記載の射出成形体、
が提供される。
本発明に用いる脂環構造含有重合体は、脂環式構造を含有してなる繰り返し単位を有する重合体である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造は主鎖にあっても良いし、側鎖にあっても良いが、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及びフィルムの成形性の特性が高度にバランスされる。
本発明に使用される脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合がこの範囲にあるとフィルムの透明性及び耐熱性の観点から好ましい。
この脂環式構造含有重合体の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及び(1)〜(4)の水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物が好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
開環重合によって得られるものとして、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体、ならびにこれらの水素化物などが挙げられる。付加重合によって得られるものとしてノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物が、耐熱性、機械的強度等の観点から好ましい。
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体、又はノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環重合体は、単量体成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系単量体の付加重合体、又はノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加重合体は、これらの単量体を、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合させて得ることができる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、又はそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
脂環構造含有重合体のTgを制御するには、例えばノルボルネン系重合体であれば、Tgが100℃以下の単独重合体を与えることのできるノルボルネン系単量体と、Tgが130℃以上の単独重合体を与えることのできるノルボルネン系単量体とを、任意の割合で組み合わせることで、所望のTgの開環重合体を得ることができる。更に、重合体は水素化することで光学特性を向上させることができる。
単独重合体でのTgが100以下のノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)などのノルボルネン単量体やトリシクロ[4.3.01,6.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体などのジシクロペンタジエン単量体が挙げられる。
単独重合体でのTgが130℃以上のノルボルネン系単量体としては、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名メタノテトラヒドロフルオレン:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)及びその誘導体などのテトラヒドロフルオレン単量体やテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体(8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなど)などのテトラシクロドデセン単量体が挙げられる。
もちろん、これらの単量体以外の単量体を適宜組み合わせることもできる。
Tgが80〜115℃の脂環構造含有重合体Aの好ましい例としては、例えば、単量体として、ジシクロペンタジエン単量体と、テトラシクロドデセン単量体とを開環重合し、水素化したものが挙げられる。特にジシクロペンタジエン単量体70〜95重量部とテトラシクロドデセン単量体5〜30重量部とを用いたものが好ましい。
Tgが125〜160℃の脂環構造含有重合体Bの好ましい例としては、例えば、単量体として、ジシクロペンタジエン単量体と、テトラシクロドデセン単量体と、テトラヒドロフルオレン単量体を開環重合し、水素化したものが挙げられる。このとき、テトラヒドロフルオレン単量体由来の芳香環は水素化して炭素−炭素二重結合も水素化したものであるのが好ましい。特に、ジシクロペンタジエン単量体25〜45重量部と、テトラシクロドデセン単量体25〜45重量部と、テトラヒドロフルオレン単量体10〜50重量部とを用いたものが好ましい。
本発明においては、脂環構造含有重合体A及びBに、酸化防止剤、光安定剤、着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、滑剤、溶剤などの添加剤を適宜配合することができる。
中でも、光学特性を確保するためには、酸化防止剤や光安定剤を配合するのが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤などを挙げることができる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート及びテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどを挙げることができる。リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト及びジフェニルイソデシルホスファイトなどを挙げることができる。イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、フェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換酸化防止剤を好適に用いることができる。酸化防止剤の添加量は、色度の観点から、脂環構造含有重合体100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1.5重量部であることがより好ましく、0.05〜1重量部であることがさらに好ましい。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、ベンゾエート系光安定剤などを挙げることができる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートなどを挙げることができる。ベンゾエート系耐光安定剤としては、例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどを挙げることができる。これらの光安定剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、ヒンダードアミン系光安定剤を好適に用いることができ、中でも特に、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートを特に好適に用いることができる。光安定剤の添加量は、色度の観点から脂環構造含有重合体100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1重量部であることがより好ましく、0.05〜0.5重量部であることが特に好ましい。
脂環構造含有重合体Aと脂環構造含有重合体Bとは、それぞれ、必要に応じて配合される各種添加剤とともにペレット化される。
ペレットの製造方法に格別な制限はないが、脂環構造含有重合体と必要に応じて配合された添加剤とを二軸混練機などの混合機を用いて混合した後、ストランド状に押出、それをペレタイザーなどで細かく切断して形成される。
得られるペレットの大きさに格別な制限はないが、薄型成形体の成形不良を抑制する観点から、好ましくは長辺0.5〜10.0mm、短辺0.3〜5.0mmであり、より好ましくは長辺5〜1mm、短辺3〜1mmである。
ここでペレットの大きさは、水平、平坦な試料台に載せて、その高さ、水平面における短辺及び長辺を測定した、ペレット10個の平均値である。
このようにして得られる脂環構造含有重合体Aのペレットと脂環構造含有重合体Bのペレットとを、射出成形器のホッパーに投入し、成形材料が均一に混合されるように回転数を設定したスクリューで、シリンダーに送られ、次いで、金型へと射出する方法である。スクリューの回転数は、通常10〜300rpmの範囲で適宜選択される。ペレットのホッパー滞留時間は、通常30秒〜2時間の範囲で適宜選択される。シリンダーの温度は、通常150〜400℃、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃の範囲で適宜選択される。シリンダー温度が過度に低いと流動性が悪化し、成形体にヒケやひずみを生じ、シリンダー温度が過度に高いと樹脂の熱分解によるシルバーストリークが発生したり、成形体が黄変するなどの成形不良が発生するおそれがある。ホッパー投入前に、タンブラーミキサーなどを用いて予備混合することもできる。
シリンダーから金型への射出速度は、通常1〜500cm/秒であるときに、外観形状に優れる。
シリンダーから金型への射出圧は、金型の設計やペレットを構成する脂環構造含有重合体の流動性等の条件を考慮して適宜選択し、設定すればよいが、通常500〜15000kgf/cmの範囲で行われる。
保圧は、射出圧によって、金型が略充填された後、金型のゲート部分の溶融樹脂が完全に冷却固化するまでの一定時間かけられる圧力である。保圧は一般に金型の締め圧の範囲内で設定されるが、通常50〜1000kgf/cm、好ましくは100〜500kgf/cmである。保圧がこの範囲であれば、成形体に歪みやひけの発生が防止される。
このときの金型温度は、用いる脂環構造含有重合体AとBのTgと配合割合を考慮して設定すれば良いが、通常70〜160℃、好ましくは80〜150℃である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
尚、成形品の外観は、目視により評価した。また耐熱性は115℃のオーブン内で24時間放置試験を行い、ゲート付近の熱変形を目視観察して、評価した。
[実施例1]
Tg100℃の、ジシクロペンタジエン85重量部とテトラシクロドデセン15重量部との開環重合体水素化物のペレット(高さ4mm、短辺長さ2mm、長辺長さ3mmの円柱)30重量部と、Tg137℃の、ジシクロペンタジエン38重量部と、テトラシクロドデセン35重量部と、メタノテトラヒドロフルオレン27重量部との開環重合体水素化物のペレット(高さ4mm、短辺長さ2mm、長辺長さ3mmの円柱)とを、タンブラーミキサー(回転数22rpm)にて10分間攪拌混合した後、ホッパーに投入し、ホッパーから射出成形機へ混合ペレットを移送(ホッパー滞留時間は1時間)して、短辺側(ここでは横400mm側)にファンゲートを有する金型を用いて、縦500mm、横400mm、厚さ0.4mmの成形体を、射出成形により製造した。射出成形の成形条件は、射出成形機(FANUC社製、製品名「S−2000i 100A」)を用い、スクリュー径32mm、スクリュー回転数150rpm、型締圧100トン、金型温度110℃、シリンダー温度320℃、成形温度320℃、射出圧2000kgf/cm、保圧200kgf/cm、射出速度100cm/秒とした。
この方法により成形体を30個製造し、得られた成形体を目視したところ、バリの発生したものは一つもなかった。また、耐熱性評価を行ったところ熱変形はなかった。
[比較例1]
実施例1で用いたTg100℃のペレット30重量部と、実施例1で用いたTg137℃のペレット70重量部とを、シリンダー温度210℃の二軸混練機(東芝機械社製、製品名「TEM35B」)で混練して、ストランドをストランドカッターで切断し、混合樹脂のペレットを得た。
このペレットを用いたこと以外は実施例1と同様にして、30個の成形体を得、成形体の外観と耐熱性を評価した。
その結果、バリの発生した成形体が16個であり、耐熱性評価で熱変形はなかった。
[比較例2]
ペレットとして、実施例1で用いた、Tg100℃のペレット100重量部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、30個の成形体を得、成形体の外観と耐熱性を評価した。
その結果、バリの発生した成形体は無かったが、耐熱性評価はゲート付近で熱変形や収縮が確認された。
[比較例3]
ペレットとして、Tg137℃のペレット100重量部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、30個の成形体を得、成形体の外観と耐熱性を評価した。
その結果、バリの発生した成形体は25個で、耐熱性評価で熱変形はなかった。

Claims (8)

  1. ガラス転移温度が80〜115℃の脂環構造含有重合体Aのペレットと、ガラス転移温度が125〜160℃の脂環構造含有重合体Bのペレットとを含有する混合ペレットを用いることを特徴とする射出成形体の製造方法。
  2. 脂環構造含有重合体A及び脂環構造含有重合体Bが、いずれも、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物である請求項1記載の射出成形体の製造方法。
  3. 脂環構造含有重合体A及び脂環構造含有重合体Bが、いずれも、ノルボルネン系単量体として、ジシクロペンタジエン単量体とテトラシクロドデセン単量体とを用いて得られるものである請求項2記載の射出成形体の製造方法。
  4. 脂環構造含有重合体Bが、更に芳香族含有ノルボルネン系単量体をも用いて得られるものである請求項3記載の射出成形体の製造方法。
  5. 脂環構造含有重合体Aと脂環構造含有重合体Bとの割合が、20〜40:50〜60(重量部)である請求項1記載の射出成形体の製造方法。
  6. 脂環構造重合体Aのペレットと脂環構造含有重合体Bのペレットとが、共に少なくとも一辺が0.3mm以上5.0mm以下であり、短辺、長辺及び高さの合計が0.5mm以上10.0以下である形状の脂環式構造含有重合体からなるペレットである請求項1記載の射出成形体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載された方法により得られた射出成形体。
  8. 厚みが0.1〜1mmである請求項7記載の射出成形体。
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