JP2007206363A - 精密光学レンズ - Google Patents

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Akito Nakai
章人 中井
Kazuhiro Takahashi
和弘 高橋
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

【課題】
厚みが小さくても、成形性と機械的強度とに優れたフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、Fθレンズ、プリズムシート、レンズアレイなどの表面に微細な凹凸を有する光学レンズや薄肉レンズなどの精密光学レンズを提供する。
【解決手段】
1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンを用いて得られる開環重合体に代表される、芳香環が1モル当量/200g以上であり、重量平均分子量が25000〜45000であるノルボルネン系樹脂を、射出成形して精密光学レンズを製造する。
【選択図】なし。

Description

本発明は、表面に微細な凹凸を有する光学レンズや厚みの極めて小さい光学レンズなどの精密光学レンズに関する。
半導体用露光装置、内視鏡、記録再生装置、表示素子などには、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムシート、レンズアレイなどの表面に微細な凹凸を有する光学レンズや厚みの極めて小さい薄肉レンズなど、精密加工を要する精密光学レンズが搭載されている。精密加工の容易さから、精密光学レンズには樹脂が多く採用されている。
これらのレンズには、耐衝撃性などの強度に優れることが求められている。強度を高める一つの手法としては、樹脂の分子量を大きくすることが知られている。例えば、国際公開WO98/55886号公報には、芳香環の水素化率が97%以上で、重量平均分子量が100000〜300000、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が2.0以下である、芳香族ビニル重合体の水素化物が低複屈折性と機械的強度に優れ、プラスチックレンズ用に好適な材料であるとして記載されている。
しかしながら、微細な凹凸の形成や超薄肉化などが求められる精密光学レンズでは、成形性を高めるため、より高い流動性が必要となる。例えば、ノルボルネン系単量体を用いた開環重合体であって、メルトフローレートが50〜300g/10分のものが、フレネルレンズなどの加工に好適であることは知られている(特開2000−219725号公報)。この公報によると、流動性に優れた樹脂として、重量平均分子量が20000〜40000のものが推奨されている。この樹脂を用いれば、強度に優れたフレネルレンズの得られると記載されている。
国際公開WO98/55886号公報 特開2000−219725号公報
しかしながら、本発明者らが前記特許文献2記載の樹脂を用いたところ、厚みが小さいレンズや、より微細に加工されたレンズでは、割れや破損などが生じやすくなり、強度の低下が生じることがわかった。
かかる従来技術のもと、発明者らは、流動性に優れた樹脂であって、高い強度の成形体を与えることのできる樹脂を得るべく鋭意検討した結果、重量平均分子量が比較的低いものであっても、芳香環を有する繰り返し構造単位の割合の多い樹脂が、この要求を満たすことを見いだし、本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、芳香環が1モル当量/200g以上であり、重量平均分子量が25000〜45000であるノルボルネン系樹脂からなる精密光学レンズが提供される。
また、前記精密光学レンズを構成するノルボルネン系樹脂が、280℃、荷重2.16Kgfにおけるメルトフローレートが80g/10分以上であり、曲げ強度が60MPa以上であるのが好ましい。
本発明に用いるノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン骨格を有するモノマーを用いて得られるものである。また、当該芳香環が1モル当量/200g以上、好ましくは1.05〜1.3モル当量/200g有する。本発明において、芳香環のモル数は、樹脂の10重量%溶液について、波長254nmの吸光量を測定し、ベンゼンの波長254nmの吸光量を測定して得られた検量線を用いて、算出される値である。
本発明に用いるノルボルネン系樹脂は、更に、当該樹脂の重量平均分子量は、25000〜45000であり、好ましくは25000〜35000である。
このようなノルボルネン系樹脂としては、芳香環を含有するノルボルネン系単量体(以下、単量体(A)ということがある)を用いた開環重合体及びその水素化物が挙げられ、レンズとしての光学特性の観点から、開環重合体の水素化物が好ましい。
この開環重合体は、芳香環を含有する単量体(A)の他に、これと共重合可能な、芳香環を含有しない単量体(以下、単量体(B)ということがある)を用いて得ることができる。
単量体(A)は、脂環に縮合した芳香環を有するものと、脂環に置換基として結合した芳香環を有するものとがある。
脂環に縮合した芳香環を有するものとしては、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−クロロ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−8−ブロモ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロジベンゾフラン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロジベンゾチアジン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、1,4−メタノ−9−フェニル−1,4,4a,9a−テトラヒドロカルバゾール、7,10−メタノ−6b,7,10,10a−テトラヒドロフルオランセン、7,10−メタノ−6b,7,10,10a−テトラヒドロフルオランセンにシクロペンタジエンを付加した化合物、アセアントリレンにシクロペンタジエンを付加した化合物、アセフェナントリレンにシクロペンタジエンを付加した化合物、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコサン、5,6−ベンゾ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどが挙げられる。
脂環に置換基として結合した芳香環を有するものとしては、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−o−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−m−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−o−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−m−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−エチルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−p−イソプロピルフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−(ナフタレン−1−イル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどが挙げられる。これらのうち脂環に縮合した芳香環を有するノルボルネン系単量体が好ましく、特に1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンが好ましい。
これらの単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
前記単量体(A)と共重合可能な、芳香環を含有しない単量体(B)としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体などのノルボルネン系単量体;シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン;などを挙げることができる。
上述した単量体は、いずれも、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などの置換基を有していても良い。
単量体(A)及び必要に応じて用いる単量体(B)を、開環重合触媒存在下で縮合反応させることにより開環重合体を得ることができる。
開環重合触媒としては、ルテニウム及びオスミウムなどの金属のハロゲン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物、並びに還元剤からなる触媒;チタン、ジルコニウム、タングステン及びモリブデンなどの金属の、ハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物、並びに有機アルミニウム化合物などの助触媒からなる触媒;などを挙げることができる。
本発明に用いるノルボルネン系樹脂は、芳香環が1モル当量/200g以上のものであるから、例えば芳香環を含有する単量体(A)のみを用いた開環重合体を水素化する場合には、芳香環の割合を維持するために、脂肪族性のC=Cのみを水素化し、芳香環の水素化を抑制する条件を採用する。芳香環の水素化を抑制するためには、水素圧を上げすぎないこと及び温度条件を低めに設定することが重要であり、具体的には、水素圧を通常1〜5MPa、好ましくは2〜4MPaとし、温度を150〜200℃、好ましくは160〜190℃の条件とする。また、反応時間は、反応容器の形状や量などにより適宜選択することができるが、通常は、水素の消費量から判断することができる。上記好ましい水素圧及び温度条件であれば、反応時間は通常2〜6時間程度である。
開環重合体の水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
また、本発明に用いるノルボルネン系樹脂の重量平均分子量を上述した範囲に制御するためには、連鎖移動剤として、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセンなどのα−オレフィンを、単量体(A)に対して0.5〜10モル%程度を配合する方法が挙げられる。
このようなノルボルネン系樹脂は、280℃、荷重2.16Kgfにおけるメルトフローレートが80g/10分以上、好ましくは80g/10分〜180g/10分、より好ましくは90g/10分〜140g/10分である。メルトフローレートは、JIS K 6719により測定する。
また、このようなノルボルネン系樹脂は、ASTM D 790により測定される曲げ強度が60MPa以上のものである。
ノルボルネン系樹脂は、そのガラス転移温度によって制限されないが、成形体の成形性を考慮すると、その下限は通常100℃、好ましくは110℃、より好ましくは120℃であり、上限は通常250℃、好ましくは200℃である。
本発明の精密光学レンズを得るにあたって、上述したノルボルネン系樹脂に対して、酸化防止剤、着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、滑剤、溶剤などの添加剤を適宜配合することができる。
本発明の精密光学レンズは、必要に応じて添加剤が配合されたノルボルネン系樹脂を用いて成形される。
成形方法としては、通常ノルボルネン系樹脂を溶融成形する方法が用いられ、その中でも熱プレス成形法や射出成形法が成形性、生産性の観点から好ましい。射出成形法は、通常、成形材料を射出成形器のホッパーに投入し、成形材料が均一に混合されるように回転数を設定したスクリューで、シリンダーに送られ、次いで、金型へと射出する方法である。シリンダーの温度は、通常150〜400℃、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃の範囲で適宜選択される。シリンダー温度が過度に低いと流動性が悪化し、成形体にヒケやひずみを生じ、シリンダー温度が過度に高いと樹脂の熱分解によるシルバーストリークが発生したり、成形体が黄変するなどの成形不良が発生するおそれがある。
シリンダーから金型への射出速度は、通常1〜1000cm/秒であるときに、外観形状に優れ、しかも大型の成形体の成形が可能となり好適である。
シリンダーから金型への射出圧は、通常500〜15000kgf/cmの範囲で行われる。このときの射出圧は、金型の設計や使用される成形材料の流動性等の条件を考慮して適宜選択し、設定すればよい。
保圧は、射出圧によって、金型が略充填された後、金型のゲート部分の溶融樹脂が完全に冷却固化するまでの一定時間かけられる圧力である。保圧の上限値としては一般に金型の締め圧の範囲内で設定されるが、通常2000kgf/cm以下、好ましくは1700kgf/cm以下、より好ましくは1500kgf/cm以下の範囲において設定される。保圧の上限値はこのような範囲とすることで、成形体に歪みなどの成形不良が発生するおそれがなくなる。保圧の下限値としては、少なくとも100kgf/cm以上、好ましくは120kgf/cm以上、より好ましくは150kgf/cm以上の範囲において設定される。保圧の下限値をこのような範囲とすることで、成形体のひけの発生が防止され、成形収縮率を小さくすることができ、寸法精度の優れたものを得ることができる。
このときの金型温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも、通常低い温度で設定され、好ましくは樹脂のTgよりも10〜100℃低い範囲であり、より好ましくはTgよりも20〜60℃低い範囲の温度において設定される。このような範囲において金型温度を設定することにより、成形体のひずみを低く抑制することができる。
また、成形体の色調低下や酸化物及びボイドの発生を極力低減させる目的で、成形用の樹脂を予め成形材料の予備乾燥を行ったり、射出成型機のホッパー部から窒素などを流し、空気との置換を行うことが好ましい。予備乾燥条件として通常、温度が100〜110℃、時間が4〜12時間の真空乾燥を行う。
本発明の精密光学レンズとしては、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズムシート、レンズアレイなどの表面に微細な凹凸を有する光学レンズや薄肉レンズなどが挙げられる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
各種物性の測定は、下記の方法に従って行った。
(1)重量平均分子量、数平均分子量、分子量分布
テトラヒドロフランを溶剤とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによりポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(MwD)を算出した。
(2)水素化率
H−NMRスペクトル(重クロロホルム中、30℃)によって算出した。スペクトルにおいて、7.4〜6.8ppmにベンゼン環に結合したプロトン、5.9〜4.4ppmに−HC=CH−基の不飽和炭素に結合したプロトン、4.0〜0.8ppmに飽和炭素に結合したプロトンに基づく吸収が観測され、これらの値の比よりベンゼン環、主鎖構造中の不飽和結合の水添率を算出する。
(3)芳香環のモル数
ベンゼンのジクロロメタン溶媒を調製し、光路長10mmの石英セルに入れて、紫外・可視光分光器を用い、波長254nmでの吸光量を測定し、検量線を得た。
樹脂濃度10重量%のジクロロメタン溶媒を調製し、同様に吸光量を測定し、先に得られた検量線から、樹脂中の芳香環のモル当量/200gを算出した。
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K 6719に基づいて、280℃、荷重2.16kgfの荷重で測定し、このダイの穴径は2.095±0.03mm、ピストン移動距離は25.0±0.25mmで規定した。
(5)曲げ強度
ASTM D 790の法にて測定した。
(6)成形外観性
試験片を射出成形により100個作成し、成形物の充填不良の有無を観察し、以下の基準で評価した。尚、外観不良の生じたものについては、その数も表に合わせて記載した(表中の( )内の数字)。
◎:充填不良品が、100個中0個。
○:充填不良品が、100個中1〜4個。
△:充填不良品が、100個中5〜9個。
×:充填不良品が、100個中10個以上。
(7)機械的強度
「離型時の強度」は、試験片を射出成形により100個作成した際の離型時にフレネルレンズのパターンや本体の割れや亀裂の発生や破損の有無を観察し、以下の基準で評価した。
◎:割れ、亀裂の発生や破損があったものが、100個中0個。
○:割れ、亀裂の発生や破損があったものが、100個中1〜4個。
△:割れ、亀裂の発生や破損があったものが、100個中5〜9個。
×:割れ、亀裂の発生や破損があったものが、100個中10個以上。
「衝撃強度」は、フレネルレンズの溝の反対側面方向から3/4インチ半径のミサイル型の重り(重さ40g)を1m高さより自然落下させて、20個の試験片について、割れや亀裂が入るかどうか観察し以下の基準で評価した。
◎:割れや亀裂が入ったものが、20個中0個。
○:割れや亀裂が入ったものが、20個中1〜4個。
△:割れや亀裂が入ったものが、20個中5〜9個。
×:割れや亀裂が入ったものが、20個中10個以上。
(参考例1)
窒素置換した撹拌器付きオートクレーブに、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFということがある)33重量部、シクロヘキサン80重量部、1−ヘキセン0.15重量部を入れた。溶液を45℃に加温した後、さらに重合触媒としてトリイソブチルアルミニウムの15%トルエン溶液3.5重量部、イソブチルアルコール0.03重量部、ジイソプロピルエーテル0.04重量部、および塩化タングステンの20%シクロヘキサン溶液42重量部を添加して開環重合を開始した。溶液の温度を45℃に保ったまま1時間反応させた時点でイソプロピルアルコール0.1重量部添加して反応を停止し、MTF開環重合体を得た。MTF開環重合体の数平均分子量(Mn)は16,600、重量平均分子量(Mw)は28,200、分子量分布(MwD)は1.7であった。
(実施例1)
参考例1で得られたMTF開環重合体20重量部をトルエン80重量部に溶解した溶液、及びシリカに担持されたPd触媒0.1重量部を撹拌器付きオートクレーブに入れた。オートクレーブ中の気体部分を水素で置換した後、水素圧力3MPa、温度180℃で4時間水素化反応を行った。反応終了後、この溶液をポアサイズ2μmの濾紙で濾過して水素化触媒を除去した。濾液を強く撹拌したイソプロピルアルコール500重量部中に注いでMTF開環重合体の水素化物を沈澱、濾別してMTF開環重合体の水素化物を得た。得られたMTF開環重合体の水素化物を、1mmHg以下に減圧した真空乾燥機中、100℃で24時間乾燥させ、18重量部のMTF開環重合体の水素化物を得た。
この水素化物17重量部に0.008重量部の老化防止剤(チバガイギー社製;製品名「イルガノックス1010」)を添加し、2軸押出機(東芝機械社製;製品名「TEM−35B」、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度270℃、フィードレート10kg/時間)で押し出し、ペレットとした。
このペレットをフレネルレンズ金型の間に配し、シリンダー温度300℃、金型温度70℃,射出速度45cm/秒、射出圧1,000kg/cm、保圧800kgf/cm、背圧70kgf/cmの条件で射出成形し、厚みの異なる3種類のフレネルレンズを得た。得られたフレネルレンズは、大きさ250mm×250mmの正方形であり、厚さは1mm、0.5mm及び0.1mmである。また、レンズ部分は、最外周の直径が200mmで球状局面を250分割したレンズである。このフレネルレンズの成形外観性と機械的強度の機械的強度について評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1の水素圧力を4MPa、温度を180℃にして水素化反応を4時間行い、重合体を得た。これを実施例1と同様にして成形材料を得た。この成形材料を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(実施例3)
1−ヘキセンを0.10重量部とした以外は、参考例1と同様にしてMTF開環重合体を得た。このMTF開環重合体の数平均分子量(Mn)は15,300、重量平均分子量(Mw)は41,200、分子量分布(MwD)は2.7であった。このMTF開環重合体を、実施例1の水素圧力を4MPa、温度を180℃にして水素化反応を6時間行い、重合体を得た。これを実施例1と同様にして成形材料を得た。この成形材料を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1の水素圧力を5MPa、温度を200℃にして水素化反応を6時間行い、重合体を得た。これを実施例1と同様にして成形材料を得た。この成形材料を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例2)
1−ヘキセンを0.18重量部とした以外は、参考例1と同様にしてMTF開環重合体を得た。このMTF開環重合体の数平均分子量(Mn)は13,400、重量平均分子量(Mw)は21,500、分子量分布(MwD)は1.6であった。このMTF開環重合体を、実施例1の水素圧力を4MPa、温度を180℃にして水素化反応を4時間行い、重合体を得た。これを実施例1と同様にして成形材料を得た。この成形材料を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例3)
1−ヘキセンを0.07重量部とした以外は、参考例1と同様にしてMTF開環重合体を得た。このMTF開環重合体の数平均分子量(Mn)は18,200、重量平均分子量(Mw)は51,000、分子量分布(MwD)は2.8であった。このMTF開環重合体を、実施例1の水素圧力を4MPa、温度を180℃にして水素化反応を4時間行い、重合体を得た。これを実施例1と同様にして成形材料を得た。この成形材料を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例4)
参考例1のMTF33重量部の代わりに、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(以下、ETCDという)2.2重量部、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、DCPという)12.8重量部とし、1−ヘキセン0.16重量部とした以外は同様にしてMTF開環重合体を得た。このMTF開環重合体の数平均分子量(Mn)は12,000、重量平均分子量(Mw)は28,500、分子量分布(MwD)は2.4であった。このMTF開環重合体を、実施例1のシリカに担持されたPd触媒0.1重量部の代わりにケイソウ土担持ニッケル触媒20重量部、水素圧力を4MPa、温度を180℃にして水素添加反応を8時間行い、重合体を得た。これを実施例1と同様にして成形材料を得た。この成形材料を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
(比較例5)
参考例1のMTF33重量部の代わりに、ETCD2.2重量部、DCP12.8重量部とし、1−ヘキセン0.18重量部とした以外は同様にしてMTF開環重合体を得た。このMTF開環重合体の数平均分子量(Mn)は12,000、重量平均分子量(Mw)は27,100、分子量分布(MwD)は2.3であった。このMTF開環重合体を、実施例1のシリカに担持されたPd触媒0.1重量部の代わりにケイソウ土担持ニッケル触媒20重量部、水素圧力を4MPa、温度を180℃にして水素添加反応を8時間行い、重合体を得た。これを実施例1と同様にして成形材料を得た。この成形材料を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示した。
Figure 2007206363
この結果から、樹脂を構成する芳香環のモル数が1モル当量/200gにやや満たない比較例1は、同じ重量平均分子量で芳香環のモル数が1モル当量/200g以上である実施例1や2と比較して、成形外観性に劣ることがわかる。重量平均分子量の比較的高い実施例3は、成形外観性に劣る傾向があるものの、優れた強度を維持することができる。
また、実施例2と比較例2、及び実施例3と比較例3の組み合わせで、それぞれ比較してみると、芳香環のモル数が同じ程度であっても、重量平均分子量が25000〜45000の範囲からはずれると、成形外観性も機械的強度も劣ることがわかる。
更に、芳香環を実質的に有していない樹脂を用いた場合、重量平均分子量が25000〜45000の範囲にあっても、レンズの厚みが小さくなるに従って強度の低下が生じていることがわかる(比較例4及び5)。

Claims (2)

  1. 芳香環が1モル当量/200g以上であり、重量平均分子量が25000〜45000であるノルボルネン系樹脂からなる精密光学レンズ。
  2. ノルボルネン系樹脂が、280℃、荷重2.16Kgfにおけるメルトフローレートが80g/10分以上であり、曲げ強度が60MPa以上である請求項1記載の精密光学レンズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010110023A1 (ja) * 2009-03-27 2010-09-30 コニカミノルタオプト株式会社 光学素子及び光学素子の製造方法
KR20210095172A (ko) 2018-12-27 2021-07-30 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 광학 부재용 환상 올레핀 공중합체, 광학 부재용 환상 올레핀 공중합체 조성물, 및 성형체

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