JP4106833B2 - 光学用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部品に好適な樹脂組成物に関し、更に詳しくは、透明性、長期耐熱着色性に優れ、光路長の長い大型導光板等に最適な樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた光学部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
脂環構造含有重合体は、耐熱性、透明性に優れるため、光学部品用の材料として好適であり、特に光学レンズ、プリズム、液晶ディスプレイ(LCD)バックライト用導光板などに使用されている。
近年、これらの光学部品の中でも、LCDの大型化に伴い、特に導光板の光路は長くなり、導光板の僅かな着色が、LCDの輝度を低下させ、色度斑等を増大させるといった問題が生じている。また、このような問題は、導光板が長期に高温にさらされた場合の微かな黄変によっても生じる。
【0003】
(1)導光板成形用の樹脂材料の着色低減、(2)導光板成形時の黄変防止、を目的として、導光板成形用の樹脂材料に酸化防止剤を配合することが検討されている。一般に、酸化防止剤の配合量を多くすれば、成形時の黄変や、長期高温使用時の黄変防止はできるものの、初期の光透過性が低下する。逆に、配合量を少なくすれば成形時の酸化劣化による着色が起きる。黄変防止と、初期の光透過性との相反する関係を両立させ、最適化を行ってきたが、満足できる特性を得るに至っていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明性、長期耐熱着色性に優れた樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いた光学部品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、可視光領域の長波長側と短波長側との光線透過率比が小さい特定の酸化防止剤と、脂環構造含有重合体とを含有する樹脂組成物が、酸化防止剤自体の光吸収が少なく、成形材料として溶融成形する際にも黄変を起こしにくいため、透明性と長期耐熱着色性に優れ、光路長が長い導光板などの光学部品として高い性能が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
かくして本発明によれば、脂環構造含有重合体と酸化防止剤とを含有する樹脂組成物であって、(1)該酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)から選ばれ、(2)該酸化防止剤が精製されており、かつ(3)該酸化防止剤が、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、メチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶媒に25重量%濃度で溶解させた溶液において、100mm光路セルで測定した400nmの光線透過率が、700nmの光線透過率の20%以上のものである樹脂組成物が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は脂環構造含有重合体、及び酸化防止剤を必須成分とし、所望によりその他の配合剤を含有するものである。
【0008】
脂環式構造含有重合体
本発明で使用される脂環構造含有重合体は、主鎖及び/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
【0009】
脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造が好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、機械強度、耐熱性、成形加工性の観点から、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。
脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあることが透明性および耐熱性の観点から好ましい。
【0010】
こうした脂環構造含有重合体の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。
これらの中でも、ノルボルネン系重合体、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体が耐熱性、機械強度の点からより好ましい。
【0011】
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体は、例えば、特開平3−14882号公報や、特開平3−122137号公報などに開示されている公知の重合体であり、具体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物の付加共重合体などが挙げられる。
【0012】
重合に用いるノルボルネン系モノマーの具体例としては、ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、
【0013】
5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2,2,1]−ヘプト−2−エン、
【0014】
トリシクロ[4,3,12,5,01,6]−デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4,3,12,5,01,6]−デカ−3−エン、トリシクロ[4,4,12,5,01,6]−ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4,4,12,5,01,6]−ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4,4,12,5,01,6]−ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[7,4,110,13,01,9,02,7]−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8,4,111,14,01,10,03,8]−テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)などのノルボルナン環を有しないノルボルネン系モノマー;
【0015】
テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4,4,12, ,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4,4,12,5,17,10,0]−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6,5,11,8,13,6,02,7,09,13]−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7,4,13,6,110,13,01,9,02,7]−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノルボルナン環を有するノルボルネン系モノマーが、それぞれ挙げられる。
【0016】
上記のノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】
本発明においては、上記ノルボルネン系モノマー以外に、共重合可能なモノマーとして、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20個を有するα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などを用いることができる。これらの共重合可能なモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
上記モノマーの開環重合体は、開環重合触媒として、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm の重合圧力で開環重合させることにより得ることができる。
水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水素により水素化する方法により得ることができる。
【0019】
ノルボルネン系モノマーと上記共重合可能なモノマーとの付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中または無溶媒で、チタン、ジルコニウム、又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜50kg/cm の重合圧力で共重合させる方法により得ることができる。
【0020】
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
【0021】
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを用いることができる。
【0022】
(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体
ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開昭51−59989号公報に開示されているビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、特開昭63−43910号公報、特開昭64−1706号公報などに開示されているスチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素添加物などを用いることができる。また、これらビニル脂環式炭化水素系重合体の立体配置については、アタクティック、アイソタクティック、シンジオタクティックの何れでもよく、例えば、ダイアッド表示によるシンジオタクティシティーで、0〜100%の何れのものも用いることができる。
【0023】
本発明で使用される脂環式構造含有重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレン換算の重量平均分子量で、5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、機械強度と成形加工性とが高度にバランスし、好適である。
本発明で使用される脂環式構造含有重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50〜300℃、好ましくは60〜200℃、より好ましくは70〜180℃である。
【0024】
酸化防止剤
本発明に用いられる酸化防止剤は、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、メチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶媒に25重量%濃度で溶解させた溶液において、400nm光線透過率が、700nm光線透過率の20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上のものである。また、該酸化防止剤は、上記溶液の700nmの光線透過率が、通常70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上のものである。
酸化防止剤の光線透過率を、上記の条件を満たすものとすることにより、樹脂組成物を用いて成形した成形体の初期の光透過性、長期耐熱着色性が高度にバランスされる。
なお、上記溶液の光線透過率は、2光路の可視光分光光度計を用いて、該溶液の有機溶媒をリファレンスとして100mm光路セルで測定されるものである。
【0025】
工業的に使用されている通常の酸化防止剤は、不純物を含んでおり、400nmの光線透過率が700nmの光線透過率の10%程度しかない。
前記の如く光線透過率の高い酸化防止剤は、例えば工業的に使用されている酸化防止剤を精製することによって得られる。
酸化防止剤の精製方法としては、有機化合物を単離精製して高純度にする方法であればいずれの方法も使用することができ、例えば、再結晶法、吸着法、蒸留法、液液洗浄法、固液洗浄法、膜分離などの方法を用いることができ、簡便性、処理時間、収率、精製純度、工業的汎用性等の観点から、再結晶法、吸着法が好ましく、再結晶法が最も好ましい。以下に再結晶法、吸着法の詳細な説明を記載する。
【0026】
(再結晶法)
再結晶法は、酸化防止剤を適当な有機溶媒に溶解させて過飽和溶液を作り、過飽和溶液中で、酸化防止剤の結晶を析出、沈殿させる方法であり、主に、以下の4つの方法が挙げられる。
1.酸化防止剤の溶媒に対する溶解度の温度依存性を利用する方法
比較的酸化防止剤の溶けにくい溶媒に酸化防止剤を分散させ、加熱しながら溶解させて過飽和溶液をつくり、その後静置冷却することで結晶化させる。
2.溶媒を蒸発させる方法
酸化防止剤の溶解度の濃度依存性の高い溶媒を用いて過飽和溶液をつくり、溶媒を徐々に蒸発除去し、酸化防止剤を結晶化させる。
3.化学平衡または化学反応を利用する方法
化学平衡や反応によって化合物の濃度を溶解度より高くする方法で、例えば溶液のpHを変える等の方法で結晶化させる。
4.酸化防止剤の溶解度を小さくする方法
2種以上の溶媒の混合溶媒を作り、過飽和溶液にしたのち結晶化させる。
これらの中でも、純度の高い酸化防止剤を得ることができる方法として、1、2、4の方法を用いるのが好ましい。
【0027】
(吸着法)
酸化防止剤を、適当な有機溶媒に溶解させた溶液を、吸着剤と接触させて不純物を吸着分離する方法である。吸着剤としては、不純物を吸着でき、かつ接触処理後に上記溶液と分離が容易にできるものであれば特に制限されるものではない。不純物の吸着方法としては、化学吸着でも物理吸着、及びそれらを併用したもののいずれも使用することができるが、精製コスト、簡便性、収率、精製純度等の観点から、工業的に一般に使用されている物理吸着が好ましい。物理吸着に使用する吸着剤としては、微細な孔を多数有する無機化合物が好適に用いられる。
このような吸着剤の具体例としては、シリカ、アルミナ、シリカゲル、活性炭、活性白土、ケイソウ土、合成ゼオライトなどが挙げられる。吸着剤と上記酸化防止剤溶液とを接触させる方法としては、同一容器内で混合して攪拌する方法や、円筒形のカラムの中に吸着剤を充填し、そのカラムの中に溶液を通過させる方法などが挙げられる。
【0028】
上記方法により、精製できる酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤が、組成物を熱成形する際の熱履歴や、成形物の長期熱安定性などの観点より、最も好ましい。
【0029】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2−第3ブチル−6−(3−第3ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−第3アミル−6−(1−(3,5−ジ−第3アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系フェノール化合物;2,6−ジ−第3ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−第3ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−第3ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−第3ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−第3ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
【0030】
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレングリコールビス(3−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)、トコフェノールなどのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第3ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−第3ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−第3ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられ、これらの中でも、アクリレート系フェノール化合物やアルキル置換フェノール系化合物が好ましく、アルキル置換フェノール系化合物が特に好ましい。更にテトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタンは耐熱性、安定性に優れ、好ましい。
【0031】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−第3ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−第3ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−第3ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレンなどのモノホスファイト系化合物;
【0032】
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−第3ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−第3ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−第3ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−第3ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−第3ブチルフェニルホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられ、これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−第3ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
【0033】
イオウ系酸化防止剤は、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどを挙げることができる。
【0034】
ラクトン系酸化防止剤は、ラクトン構造を含む化合物ものであれば特に限定はされないが、芳香族系のラクトン化合物が好ましい。この中でもベンゾフラノン骨格を有するものがより好ましく、さらにアリール基を置換基としてフラン環の側鎖に有する3−アリールベンゾフラン−2−オンがより好ましく、一例として5,7−ジ−第三ブチル−3−(3、4−ジ−メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンを挙げることができる。
【0035】
ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)としては、格別な制限はないが、通常、構造中に3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル基、ならびに、2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル基または1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基を有している化合物が用いられる。具体的には、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(例えば、サノールLS2626、三共社製))、
【0036】
4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[例えば、Tinuvin144(日本チバガイギー社製)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、N,N´,N'',N''´−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1、3、5−トリアジン・N,N´−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、アデカスタブLA−63P[旭電気化学社製]などが挙げられる。
【0037】
本発明においては、脂環構造含有重合体100重量部に対する上記酸化防止剤の配合量は、通常0.0001〜3重量部、好ましくは0.001〜2重量部、より好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。酸化防止剤はそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。脂環構造含有重合体中の酸化防止剤の配合量が過度に多いと着色することが有り、また逆に過度に少ないと、成形時の熱履歴で着色したり、成形物の長期熱安定性に劣る場合がある。
【0038】
配合剤
上記脂環式構造含有重合体には、上記の酸化防止剤以外に、所望により、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤、前述のHALS以外の耐光安定剤、帯電防止剤、脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステルおよび部分エーテル等の各種配合剤を配合してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂、ゴム質重合体等を混合して用いることもできる。
【0039】
酸化防止剤及び上記のその他の配合剤の配合方法は、脂環構造含有重合体中に十分均一に混合できる方法であれば特に制限はないが、通常、(1)押出機、ロールなどでの溶融混合による方法、(2)脂環構造含有重合体及び酸化防止剤等のそれぞれを溶液でブレンドし、溶媒を除去する方法、などを使用することができ、酸化防止剤等の配合剤や脂環構造含有重合体の熱による着色等を低減するためには、(2)の方法を使用するのがより好ましい。
【0040】
光学部品
本発明の樹脂組成物は、成形体として、透明性、長期耐熱着色性に優れるため、光学レンズ、プリズム、導光体などの光学部品用の成形材料として好適である。上記成形体は、該樹脂組成物を加熱溶融成形等することにより得ることができ、成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、プレス成形法、ブロー成形法、キャスト成形法などの、通常の成形方法を用いることができる。
【0041】
成形体は、球状、棒状、板状、ファイバー状、筒状などの各種の形状に成形して使用することができるが、中でも、棒状や板状で、導光体用として使用するのが最も好適である。導光体としては、上記の形状に限らず、その他複雑な形状を有するものまでいずれにも使用でき、その具体例としては、光ファイバー、車両灯具用導光体、各種計器用ライトガイド、導光板などが挙げられるが、これらの中でも導光板用としてより好適であり、特に光路長の長い液晶ディスプレイ(LCD)面状光源ユニット(バックライトユニット)用エッジライト方式導光板に好適である。具体的に、通常100mm以上、好ましくは130mm以上、より好ましくは150mm以上の光路長を有する導光体において本発明の効果が顕著に現れるので好適である。
なお、光路長とは、光源からの光を入射する導光体の一端面から、光を導光体へ入射してから直線的に最も遠く出射する一端面までの距離のことをいう。
【0042】
本発明の樹脂組成物は、上記の如く、光学部品として好適である他に、容器、食器、医療用器具、窓ガラス代替品などのその他の大型の成形体としても好適である。
【0043】
【実施例】
以下、本発明について、製造例、実施例、及び比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの例に限定されるものではない。
これらの例において、〔部〕は、特に断りのない限り、重量基準である。また、各種物性の測定法は、次の通りである。
【0044】
(1)Tgは、示差走査熱量計(DSC法)により測定した。
(2)分子量は、特に記載しない限り、シクロヘキサンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリイソプレン換算値として測定した。
(3)光線透過率は、酸化防止剤の25重量%トルエン溶液を、2光路型の可視光分光光度計を用いて100mm光路セルで測定した。リファレンスとしてはトルエンを用いた。
(4)光学部品(導光板)の光線透過率は、日本電色製、長光路色差計ASA−1にて測定した。
(5)光源ユニットの輝度及び色度の測定は、導光板を用いて面状光源ユニットを組み立てた後、発光エリアを9分割(縦横それぞれ3分割する。)し、該分割した部分のそれぞれの中心点から垂直方向上方60cmの位置で、色彩輝度計((株)トプコン製BM―7)を用いて測定し、その9点における測定値の平均を求めた。
【0045】
〔製造例1〕
(ノルボルネン系開環重合体水素添加物の合成)
窒素雰囲気下、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう。以下、MTFと略す)60部、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン(以下、TCDと略す)40部とをメタセシス開環重合触媒で重合し、該重合触媒を除去した後に水素添加しMTF/TCD(60/40)開環共重合体水素添加物を得た。水素添加反応終了後、反応溶液から水素添加触媒を除去し、開環重合体水素添加物溶液を得た。この開環共重合体水素添加物の水素添加率は99.9%以上、Mwは31,500、Tgは105℃であった。
【0046】
〔実施例1〕
(酸化防止剤の精製)
1000ccのセパラブルフラスコ中で、酸化防止剤ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(IRGANOX1010FP)100gをシクロヘキサン200ccに添加し、60℃にて攪拌しながら完全溶解させた後、24時間自然冷却した。析出(再結晶)した固体を、デカンテーションにて固液分離した後に風乾し、上記酸化防止剤の再結晶体を得た。再結晶体の赤外線吸収スペクトルを観察したところ、溶解前の酸化防止剤と同様のピークを表し、同一物質であることを確認した。
上記方法によって得られた酸化防止剤の、上記方法で測定した700nmの光線透過率に対する400nmの光線透過率の比率(T400nm/T700nm)は45%であった。
【0047】
製造例1で得られた水素添加物溶液に、上記の方法により得られた酸化防止剤の再結晶体を、水素添加重合体100部に対して、0.5部の配合量となるように添加し、完全溶解させた後、脱溶剤してペレット化した。
得られた樹脂ペレットを用い、型締め450tの射出成形機で、樹脂温270℃、金型温度80℃にて、長辺320mm、短辺180mm、長辺の一端側の厚みが2.5mm、他端の厚みが1mmの導光板(片表面に、導光板の上記肉厚側から肉薄側に向かって光反射機能を有する漸次密になるようなV溝が形成されたもの)を成形した。
【0048】
得られた導光板の光線透過率を上記方法により測定した。
また、該導光板の上記の肉厚の端面以外の側端部に反射テープを貼り、肉厚の端面に平行して管径2.4mmの冷陰極間を設置し、該冷陰極間の周囲の導光板端面に面しない部分をリフレクタで被った。さらに導光板の上記V溝形成面に光反射シートを、反対面に光拡散シートを、それぞれ配置してエッジライト方式面状光源ユニットを作成し、上記方法により輝度、及び色度を測定した。
【0049】
(耐熱試験)
上記の導光板のみを、60℃の条件で200時間放置したもの、並びに、上記のごとく導光板を組み込んだ光源ユニットを点灯した状態のままで、40℃の環境下に、300時間放置したものの、それぞれの光線透過率、輝度、及び色度を上記同様の方法により測定した。
以上の評価結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004106833
【0051】
〔実施例2〕
酸化防止剤を、精製されたペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(トミノックスTT:T400nm/T700nm=87%)に変えた以外は、実施例1と同様に導光板及び光源ユニットを作成して評価した。結果を表1に記載する。
【0052】
〔実施例3〕
(酸化防止剤の精製)
1000ccのセパラブルフラスコ中で、酸化防止剤1,1,3−トリス(2-メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(旭電化AO−30)100gをキシレン中に25重量%濃度に完全溶解させた後、当該溶液200ccを、吸着剤としてシリカゲル(富士シリシア製シリカゲルB)1000gを充填したカラムに連続3回通過させた。
得られた酸化防止剤のトルエン溶液の(T400nm/T700nm)は44%であった。
当該溶液を、製造例1で得られた水素添加物溶液に、酸化防止剤添加量が水素添加物100部に対して0.2部となるように添加して完全溶解させた。
以降、実施例1と同様にペレットを製造し、該ペレットを用いて導光板及び光源ユニットを作成して評価した。結果を表1に記載する。
【0053】
〔比較例1〕
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を精製(再結晶)しなかった(T400nm/T700nm=13%)以外は、実施例1と同様に導光板及び光源ユニットを作成して評価した。結果を表1に記載する。
【0054】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物を用いた場合、透明性、及び長期耐熱着色性に優れる成形体を得ることができる。該樹脂組成物は、大型の成形体を成形しても上記特性に優れるために、光学部品、特に長光路用の導光体用の成形材料として好適である。

Claims (2)

  1. 脂環構造含有重合体と酸化防止剤とを含有する樹脂組成物であって、(1)該酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)から選ばれ、(2)該酸化防止剤が精製されており、かつ(3)該酸化防止剤が、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトン、メチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶媒に25重量%濃度で溶解させた溶液において、100mm光路セルで測定した400nmの光線透過率が、700nmの光線透過率の20%以上のものである樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の樹脂組成物を成形してなる光学部品。
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