JP2001232658A - 多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品 - Google Patents

多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品

Info

Publication number
JP2001232658A
JP2001232658A JP2000047495A JP2000047495A JP2001232658A JP 2001232658 A JP2001232658 A JP 2001232658A JP 2000047495 A JP2000047495 A JP 2000047495A JP 2000047495 A JP2000047495 A JP 2000047495A JP 2001232658 A JP2001232658 A JP 2001232658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
molded article
bis
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000047495A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimasa Hotaka
寿昌 帆高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP2000047495A priority Critical patent/JP2001232658A/ja
Publication of JP2001232658A publication Critical patent/JP2001232658A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉な層を有する場合であっても良好な成形
品が得られると共に、十分な界面の密着性が得られ、特
に層の界面に立体的パターンが施された場合であっても
良好な成形品が得られ、またその他透明である場合には
その光学的歪にも優れる多層構造成形品が得られる製造
方法、およびかかる成形品を提供する。 【解決手段】 (1)第1の金型キャビティ内に熱可塑
性樹脂を充填し第1層を形成する第1の樹脂成形品を製
造する工程(第1工程)、(2)第2の金型キャビティ
内に第1の樹脂成形品と樹脂シート(第3層)を対向し
て設置し、かかる第1層と第3層との間に実質的に第1
層の表面および第3層の表面で構成される空間を形成す
る工程(第2工程)、(3)かかる空間内に第2層を形
成する熱可塑性樹脂を300mm/sec以上の射出速
度で充填する工程(第3工程)、および(4)充填後冷
却された樹脂成形品を第2の金型キャビティ内から取り
出す工程(第4工程)からなる第1層、第2層、および
第3層が積層されてなる多層構造を有する成形品の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多層構造を有する成
形品を得るための熱可塑性樹脂の成形法、およびかかる
多層構造成形品に関する。詳しくは多色成形またはイン
サート成形による多層構造体において、かかる層の厚み
が薄く、流動長が長い場合であって、特に層の界面に立
体的パターンが施された場合であっても良好な成形品が
得られると共に、十分な界面の密着性が得られ、その他
透明な場合には光学的歪にも優れる多層構造成形品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製品の高付加価値化を図るため、
製品の各層ごとに異なる機能を付与する製品設計が要望
されている。かかる方法の1つとして2色成形に代表さ
れる多色成形法やインサート成形法が従来から知られて
いるが、かかる成形法は薄肉の層を有する場合その成形
が困難となることが多かった。
【0003】問題点としては、流動が困難となるため成
形品自体が十分な充填ができないか、また無理な成形の
ために外観上または機械的特性の点で期待する効果が得
られないことが挙げられる。特に前工程の成形品の表面
に立体的パターンなどの凹凸部があると、樹脂はより流
れやすい方に回り込むなど流動が極めて複雑となり、よ
り未充填部や大きな歪みが残留するとなどの問題があっ
た。かかる場合透明な成形品であると、大きな光学的歪
が残っているためそのまま使用することは困難となる場
合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、薄肉
な層を有する場合であっても良好な成形品が得られると
共に、十分な界面の密着性が得られ、特に層の界面に立
体的パターンが施された場合であっても良好な成形品が
得られ、またその他透明である場合にはその光学的歪に
も優れる多層構造成形品が得られる製造方法、およびか
かる成形品を提供することにある。
【0005】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検
討を重ねた結果、多色成形やインサート成形の前工程で
得られた成形品と対向する金型キャビティ表面に樹脂シ
ートを設置し、かかる前工程の成形品と樹脂シートの間
の、それぞれの表面で主として形成される空間に次の層
を形成する熱可塑性樹脂を特定射出速度以上で充填する
と、かかる次の層が薄肉の場合であっても、また立体的
パターンが施されたものであっても極めて良好な多層構
造成形品が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)第1の
金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填し第1層を形成
する第1の樹脂成形品を製造する工程(第1工程)、
(2)第2の金型キャビティ内に第1の樹脂成形品と樹
脂シート(第3層)を対向して設置し、かかる第1層と
第3層との間に実質的に第1層の表面および第3層の表
面で構成される空間を形成する工程(第2工程)、
(3)かかる空間内に第2層を形成する熱可塑性樹脂を
300mm/sec以上の射出速度で充填する工程(第
3工程)、および(4)充填後冷却された樹脂成形品を
第2の金型キャビティ内から取り出す工程(第4工程)
からなる第1層、第2層、および第3層が積層されてな
る多層構造を有する成形品の製造方法、およびその製品
に関するものである。
【0007】本発明は、多色成形またはインサート成形
することにより、多層構造を有する製品を得ることを基
本とするものである。
【0008】かかる多色成形機における射出装置の配置
方式としては、例えば2つ以上の射出装置を水平に並列
に配置する方法や、一方の射出装置を垂直に立てて、他
方を水平に配置する方法、2つ以上の射出装置を水平で
かつ直交に配置する方法などが挙げられるが、いずれの
方法も本発明において使用することができる。またいず
れも各々の射出装置において独立した成形条件の設定に
より成形をすることが可能である。
【0009】多色成形における金型機構として通常使わ
れる方法としては、コアバック方式、コア回転方式、お
よびコア移動方式などが挙げられるが、いずれの方法も
本発明において使用することができる。
【0010】コアバック方式の場合は、第1層を形成す
る熱可塑性樹脂を射出成形後、型締状態にてコアの一部
を後退させ、コアが後退することにより形成された空間
(すなわち通常第1層の表面と金型コア表面により主と
して構成される空間)に第2層を形成する熱可塑性樹脂
を射出する方法である。本発明においてはかかる方法に
対しても第1の樹脂成形品が第2の金型キャビティ内に
設置されたものとして取り扱う。尚、金型を閉じた状態
であっても、例えば大きく後退されたコアの前に金型側
面等から樹脂シートを入れる機構とするなどにより本発
明を実施することが可能である。
【0011】コア回転方式、およびコア移動方式の場合
は、第1の金型キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填し、
第1層を形成する第1の樹脂成形品を製造した後、通常
は型開きし、第2の金型キャビティ内にかかる第1の樹
脂成形品を、金型のコア部分を回転または移動させるこ
とにより設置し、次いで再度型締めし、かかる第2の金
型キャビティ内に熱可塑性樹脂を充填することにより、
第2層を形成する。尚、金型の構造や成形品形状によっ
ては型開きが不要の場合もある。
【0012】かかるコア回転方式、およびコア移動方式
は、第1層と第2層との間でキャビティ形状を自由に変
えることができ、さらに第1層と第2層とでは異なる金
型キャビティを使用するため、複合同時動作のできる成
形装置では各々キャビティに同時に射出することも可能
であることから成形サイクルを短縮することができると
いう長所を持ち、本発明においては好ましい方法として
あげることができる。
【0013】金型内の樹脂流路の構成としては、複数の
射出装置から樹脂を射出し、独立したホットランナーマ
ニホールドを通じてキャビティに充填する方法の他、コ
ールドランナーを通じてキャビティに充填する方法も使
用することができる。
【0014】ここでホットランナーによるゲートシステ
ムとしては、内部加熱方式、外部加熱方式などのいずれ
を使用してもよく、更に外部加熱方式の場合、オープン
ゲート方式、ホットエッジゲート方式、バルブゲート方
式などのいずれを使用してもよい。
【0015】本発明を多色成形法を利用して行う場合に
は、2本以上の射出装置を独立に有するとともに、2組
以上のホットランナーによるゲートシステムを独立に有
するものが好ましく使用される。これは射出装置および
ホットランナーによるゲートシステムをそれぞれ独立と
し、それぞれにおいて射出装置のシリンダー温度や射出
速度、マニホールド温度やホットノズル温度などの条件
の選択が可能となることで、可塑化温度が大きく異なる
樹脂の層構造や複雑な成形品形状の場合にも幅広い条件
により対応が可能となるからである。すなわちそれぞれ
の装置について目的とする成形品に最適の樹脂温度(シ
リンダー温度、マニホールド温度、ホットノズル温度な
ど)、射出速度およびそのパターン、射出開始のタイミ
ング、射出容量などを決定することができる。
【0016】一方、インサート成形は、上記の多色成形
において、第1の樹脂成形品を一旦金型キャビティから
取り出し、再度別の第2の金型キャビティ内に設置して
充填する方法であるといえる。かかる場合には、通常の
射出装置が1つである射出成形機を用いてそれぞれを独
立の工程として行うことの他、上記の多色成形と同様の
1つの成形機を使用し、金型コアを動作する代わりに第
1の樹脂成形品を第1の金型キャビティ内から取り出
し、第2の金型キャビティ内に設置して行うこともでき
る。かかる場合には取り出しロボット等による、より効
率的な取り出しおよび設置を行うことが好ましい。
【0017】本発明は上記の多色成形またはインサート
成形を基本とし、第1工程として、第1の金型キャビテ
ィ内に熱可塑性樹脂を充填し第1層を形成する第1の樹
脂成形品を製造し、次に第2工程として、第2の金型キ
ャビティ内に第1の樹脂成形品と樹脂シート(第3層)
を対向して設置し、かかる第1の樹脂成形品表面と樹脂
シート表面から実質的に構成される空間を形成する。
【0018】本発明における第3層を形成する樹脂シー
トとは、各種の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂からな
る樹脂のシートをいい、一般的な溶融押出法、インフレ
ーション法、連続キャスト法、セルキャスト法の他、溶
液キャスト法、粉末成形法などの方法により製造するこ
とができる。またこれらの製造方法においては、原料樹
脂の製造工程において溶融エステル交換反応等の溶融さ
れた状態から直接溶融押出する方法や、または重合後の
溶液状態から直接上記溶液キャストを行うことにより、
熱履歴が少ないシートを得ることも可能である。
【0019】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレンコポリ
マー、ポリスチレン樹脂、ジエン系ゴムにシアン化ビニ
ル化合物および芳香族ビニル化合物をグラフトした熱可
塑性グラフト重合体(いわゆるABS樹脂)、エチレン
−プロピレンコポリマーにシアン化ビニル化合物および
芳香族ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト重
合体(いわゆるAES樹脂)、アクリル弾性体にシアン
化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物をグラフトし
た熱可塑性グラフト重合体(いわゆるASA樹脂)、シ
アン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体
(いわゆるAS樹脂)、ポリメチルメタクリレート等の
アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹
脂、芳香族ポリエステル樹脂、全芳香族ポリエステル樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリ
ーレンスルフィド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポ
リイソブチレン、スチレン系、オレフィン系、ウレタン
系、ポリエステル系、ポリアミド系等の各種熱可塑性エ
ラストマー類、ポリイソブチレン、環状ポリオレフィン
樹脂、またはこれらポリマーの共重合体、混合物、変性
物等があげられる。
【0020】また熱硬化性樹脂としては、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、レゾルシノール樹脂、
ビニル・フェノリック樹脂、ニトリル・フェノリック樹
脂、エポキシ・フェノリック樹脂、ナイロン・エポキシ
樹脂、ニトリル・エポキシ樹脂、エポキシ樹脂、変性ア
クリル樹脂、シアノアクリレート樹脂、各種ポリウレタ
ン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、アク
リル樹脂、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネ
ート)樹脂などの代表的な熱硬化性樹脂を挙げることが
でき、これらを基本とした各種のモノマーの共重合体、
混合物、変性物などの熱硬化性樹脂を使用することも可
能である。
【0021】更に本発明で使用する熱可塑性樹脂シート
としては、予めハードコートや印刷などの処理を行った
ものを利用することができる。
【0022】本発明において樹脂シート上にハードコー
ト膜として架橋皮膜を形成する化合物には公知のハード
コート剤を使用することができる。ハードコート剤とし
ては表面硬度の高い樹脂、例えばアクリル系、メラミン
系、ウレタン系、エポキシ系、これらの他、シリコーン
系ハードコート剤としてオルガノシロキサン樹脂中のシ
ロキサン結合によってガラスと同等のハードコート性を
持たすことができるもの等公知のものが使用できる。
【0023】また、硬化方法も紫外線硬化、熱硬化、電
子線硬化、赤外線照射、熱風乾燥等公知の方法をそれぞ
れ単独で使用してもよいし併用することもできる。かか
る場合に、特に上記で示した局所的に樹脂シートの延伸
倍率が高くなる場合には、ハードコート剤を完全に硬化
させない程度に硬化させた後、付形をせずに、または付
形をして成形を行い多層構造成形品とした後、ハードコ
ート剤を完全に硬化させるとの方法もとることができ
る。またハードコート剤自体を一部架橋構造を有するゲ
ル状またはゾル状として塗付し、その後付形をせずに、
または付形をして成形を行い多層構造成形品とした後、
ハードコート剤を完全に硬化させるとの方法もとること
ができる。
【0024】また樹脂材料がポリカーボネート、耐熱ア
クリル系樹脂の場合は、ハードコート剤と該樹脂の間に
双方に付着性良好なプライマー層を設けることが特に好
ましく、特に限定されるものではないが例えば、紫外線
吸収剤を含むアクリル系樹脂等を使用することができ
る。
【0025】ハードコート膜形成性原料の塗布方法とし
ては、バーコート法、スプレーコート法、ロールコート
法等公知の方法が使用できる。このようにして得られた
積層用シートの厚みは成形品にした時の外観、耐衝撃
性、耐擦傷性や耐候性等の性能により決定される。また
その厚みは1〜50μmが好ましく、更に3〜30μm
である。ハードコート膜の厚みが1μmより薄いと充分
な耐擦傷性が得られなくなり、また50μmより厚いと
塗膜の可とう性が低下し折り曲げ等によりクラックが発
生する。塗布に際し、ハードコート膜形成性原料に希釈
剤として有機溶剤を添加することもできる。使用できる
有機溶剤としては、酢酸ブチル、酢酸エチル、トルエ
ン、イソプロパノール等が挙げられる。その使用量は、
プライマー層について固形分濃度が1〜50重量%の範
囲となることが好ましく、またハードコート膜形成原料
においては固形分濃度が1〜70重量%、より好ましく
は3〜30重量%であることが好ましい。ハードコート
膜形成性原料には必要に応じてレベリング剤、帯電防止
剤、離型剤、艶消し剤、無機フィラー等添加することが
できる。
【0026】本発明において樹脂シート上の一部に印刷
により文字や模様を形成して使用することも可能であ
る。
【0027】印刷方法としては、グラビヤ印刷、平板印
刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、パット印
刷、スクリーン印刷などの従来公知の印刷方法を製品形
状や印刷用途に応じて使用することができる。
【0028】印刷で使用する印刷インキの構成として
は、主成分として樹脂系と油系などを使用することが可
能であり、樹脂系としては、ロジン、ギルソナイト、セ
ラック、コパールなどの天然樹脂やフェノール系および
その誘導体、アミノ系樹脂、ブチル化尿素、メラミン樹
脂、ポリエステル系アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ア
クリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリカーボネート樹脂、飽和ポリエステル樹
脂、非晶性ポリアリレート樹脂、非晶性ポリオレフィン
樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合物、ブチラール樹脂、メチルセルロー
ス樹脂、エチルセルロース樹脂、ウレタン樹脂などの合
成樹脂が使用することができる。特に第1層または第2
層における、第3層との界面側表面に印刷をする場合に
は、耐熱性の高いインキ成分が必要であり、かかる場合
の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリア
リレート樹脂などが好ましく挙げられる。また印刷イン
キに顔料や染料などにより所望の色に調整することがで
きる。
【0029】一方、その他の表面処理としては、フッ素
系や撥水・撥油性コートや、光触媒等による親水性コー
トをすることも可能である。
【0030】かかる樹脂シートを金型キャビティ内に設
置する方法としては、樹脂シートに静電気を付与して金
型のキャビティ表面またはコア表面に装着する方法、樹
脂シートを金型内に設けられた吸引溝から真空ポンプ等
により吸引することにより金型のキャビティ表面または
コア表面に装着する方法、樹脂シートのゲート部やタブ
部などに予め穴あけ加工を施しておき、金型キャビティ
表面やコア表面に設けたピンなどを用いて装着する方
法、樹脂シートのタブ部などに鉄片等を貼り付けるとと
もに、金型キャビティ表面やコア表面に予め磁石を埋め
込んで装着する方法等、その他従来公知の方法を利用す
ることができる。
【0031】かかる樹脂シートの厚みとしては、通常5
0〜2000μm、好ましくは100〜1000μm、
より好ましくは200〜700μmである。50〜20
00μmの範囲であると、シートの断熱効果、強度、2
次加工性および取り扱い性等の点でバランスが優れる。
【0032】第2の金型キャビティ内に、第1層を形成
する第1の樹脂成形品と第3層を形成する樹脂シートを
装着することにより、かかる第1層と第3層の間に実質
的に第1層表面および第3層表面で構成される面が形成
され、かかる空間内に第2層を形成する樹脂を充填する
ことにより、多層構造が形成される。
【0033】第2層の厚みにおいて本発明で好ましい態
様としては、より厚みの薄い場合が挙げられ、より具体
的には実質的な厚みとして3mm以下の範囲が好まし
く、下限としては0.1mm以上が好ましい。より好ま
しくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下であ
る。本発明はかかる薄肉の場合であっても良好な成形体
を得ることが可能となる。ここで実質的な厚みとは、か
かる厚み部分の面積が第2層の全体の面積に対して70
%以上となる場合をさす。すなわち3mm以下の厚み部
分が全体の70%以上である場合が好ましい態様として
挙げられる。
【0034】更に本発明は第3の工程として、かかる第
2工程で形成された空間内に第2層を形成する樹脂を3
00mm/sec以上の射出速度で充填する工程を含む
ものである。かかる高速の充填を行うことにより、第2
層の厚みが薄く、流動長が長い場合であっても良好な密
着性か得られるとともに、透明な場合であっても光学的
歪の少ない成形品が得られる。
【0035】本発明の第3工程においては、300mm
/sec以上の射出速度を有することを条件とし、好ま
しくは350mm/sec以上、特に好ましくは400
mm/sec以上である。速度の上限としては800m
m/sec程度を目安とする。300〜800mm/s
ecの範囲では、本発明の目的を達成すると共に、高速
化により成形品に発生するヤケも少ない良好な成形品を
得ることが可能となる。尚ここでいう射出速度とは、金
型キャビティ内への充填開始から終了までの平均速度を
いい、必ずしも一定速度である必要はなく、多段階の射
出速度による成形も可能である。
【0036】300mm/sec以上の射出速度を達成
するためには、アキュームレーターの容量を増大した
り、モーターの馬力を増大したりするなどの方法により
射出馬力を増加させることが基本となるが、極めて高速
度および短時間におけるスクリュー速度および位置の制
御や応答を達成するため射出シリンダの構造や油圧制御
システム、モーター制御システム等を適正化することも
必要となる。かかる方式としては現在公知の各種方法を
取ることができる。
【0037】また動力源としては油圧ポンプによる方式
であっても電動モーター(リニア型モーターを含む)に
よる方式であってもよいが、大型の成形品に対しては油
圧ポンプによる方式がより好ましい。更に射出装置は、
一般的な可塑化スクリュの前進によるインライン方式で
あっても、可塑化スクリュと充填用のプランジャーが別
となったいわゆるプリプラ方式のいずれも使用可能であ
る。
【0038】一方、金型の面においても、金型内のガス
抜きが円滑に進むよう十分なガス抜きの溝を形成したも
のや、また多孔質の焼結金属や、ベント孔を通して真空
ポンプ等による減圧を行うものが好ましく使用できる。
【0039】本発明は、上記の第1工程、第2工程、お
よび第3工程を経た後、充填された樹脂成形品を取り出
す第4工程を経て、第1の金型キャビティで成形された
第1層、樹脂シートによる第3層、およびその間の第2
層からなる多層構造成形品が得られる。かかる成形品は
それ自体で十分な層間の密着性、および歪の少ない成形
品であるが、更にアニール処理などを施してもかまわな
い。
【0040】本発明の多層構造成形品は特にその第2層
を薄くし、多層構造成形品全体の強度等を低下させるこ
となく多層構造成形品を得ることをその主目的とするも
のであり、かかる第2層の厚みとしては前記したが、流
動長との関係でいえば、第2層における成形品のゲート
部から流動末端部までの距離をL、第2層の平均厚みを
Dとしたとき、そのL/Dが100以上、より好ましく
は150以上、特に好ましくは200以上の場合に本発
明の効果がより顕著となる。かかるL/Dの上限として
は500とすることが好ましく、更に好ましくは450
である。ここで第2層の平均厚みは対象部分におけるL
方向に切った断面の面積をLで除することにより求める
ことができる。
【0041】尚、第1の樹脂成形品は任意の形状をとる
ことが可能であるが、第2層と接する表面に立体的パタ
ーンを施すと共に、第2層および第3層を共に光透過性
を有する材料とすることで、高度な意匠性を有する多層
構造成形品を得ることが可能となる。特に第3層の樹脂
シート部には、電界応答性液晶や、フォトクロミック化
合物の混合等による層を設けることにより、光学的に光
透過性を制御する層を設けたものが高い意匠性や光学的
機能を付与することも可能である。
【0042】上記の立体的パターンを施すなどの自由度
が高い点が、サンドイッチ成形等の同時に層構造を形成
する成形法に対する大きな利点といえる。一方、インサ
ート成形、多色成形では、一方が固化した樹脂層に対し
て積層されるためその密着性や歪みが問題となりやすい
が、本発明ではかかる点が解決され、上記利点を有効に
生かすことができる。
【0043】ここで、立体的パターンとは、表面から光
学的な変化や不均一性を視認できる立体状の凹凸をい
い、かかる形状としては、文字、図形、記号やそれらの
結合のいずれであってもよい。更にかかる形状は意匠性
のみならず、レンチキュラーレンズや拡散起点となり得
るドットの集合などの光学的に利用可能な規則的な図形
も含まれる。またかかる立体状の凹凸は、必ずしもかか
る凹凸自体を肉眼で認め得るものである必要はなく、か
かる凹凸によるプリズム効果などにより、通常の平面で
は得られない光学的な効果(虹色光を呈するなど)を有
するものであればよい。
【0044】本発明の成形方法において第1層および第
2層を形成する樹脂として使用可能な熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、A
BS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA
樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表され
る汎用プラスチックス、ポリフェニルエーテル樹脂、ポ
リアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアルキ
レンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオ
レフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレ
ート、液晶性ポリアリレート)などに代表されるエンジ
ニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどに代表
される各種熱可塑性ポリイミド、ポリサルフォン、ポリ
エーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイドなど
のいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと
呼ばれるものも用いることができる。更にスチレン系熱
可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル
系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラ
ストマーなどの熱可塑性エラストマーも用いることがで
きる。
【0045】尚、上記の熱可塑性樹脂を混合して用いる
ことは、組成物の使用目的に応じて適宜選択することが
できる。
【0046】より好ましくは、非晶性の熱可塑性樹脂と
しては、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹
脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、
SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリフ
ェニルエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポ
リアルキレンテレフタレート樹脂、非晶性ポリアミド樹
脂、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹
脂、ポリエーテルサルフォン、更にスチレン系熱可塑性
エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポ
リアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可
塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマ
ーなどの熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
【0047】これらの中でも透明性に優れるポリメチル
メタクリレートなどのポリアルキルメタクリレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、
非晶性ポリアリレート樹脂などを好ましく挙げることが
できる。
【0048】特に少なくとも1層がポリカーボネート樹
脂であることが、成形品の機械的強度、耐熱性などの点
から好ましく挙げられる。
【0049】本発明におけるポリカーボネート樹脂と
は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面
重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたも
のの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換
法により重合させたもの、または環状カーボネート化合
物の開環重合法により重合させて得られるものである。
【0050】ここで使用される二価フェノールの代表的
な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェ
ニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベン
ゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチ
ルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルエステルなどがあげられ、これらは
単独または2種以上を混合して使用できる。
【0051】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0052】特に第1層および第2層の樹脂としては、
機械的強度、耐熱性に優れるビスフェノールAの単独重
合体が好ましく、第2層の樹脂としては耐熱性等に加え
て低吸水性であり、制振性に優れる1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンとα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体を挙げるこ
とができる。
【0053】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートな
どが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボ
ネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが
挙げられる。
【0054】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応
させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必
要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防
止剤などを使用してもよい。またポリカーボネート樹脂
は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐
ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族
の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボ
ネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボ
ネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよ
い。
【0055】三官能以上の多官能性芳香族化合物として
は、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−
ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニ
ル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,
6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,
3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4
−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノー
ルなどのトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリ
フェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸および
これらの酸クロライドなどが挙げられ、中でも1,1,
1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0056】界面重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機
溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられ
る。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベ
ンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。また、
反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n
−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチル
ホスホニウムブロマイドなどの第三級アミン、第四級ア
ンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物などの触
媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜
40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpH
は9以上に保つのが好ましい。
【0057】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
または低級アルキル置換フェノールであって、下記一般
式(1)で表される単官能フェノール類を示すことがで
きる。
【0058】
【化1】
【0059】(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9
の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換
アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整
数である。) 上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミル
フェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられ
る。
【0060】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も
示すことができる。これらのなかでは、下記一般式
(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換
基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0061】
【化2】
【0062】
【化3】
【0063】(式中、Xは−R−O−、−R−CO−O
−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合ま
たは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。) かかる一般式(2)の置換フェノール類としてはnが1
0〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体
例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノー
ル、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノー
ル、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、
ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノールな
どを挙げることができる。
【0064】また、一般式(3)の置換フェノール類と
してはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である
化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26
のものが好適であって、その具体例としては例えばヒド
ロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、
ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸
ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロ
キシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリア
コンチルが挙げられる。
【0065】末端停止剤は、得られたポリカーボネート
樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少
くとも10モル%末端に導入されることが望ましい。よ
り好ましくは全末端に対して末端停止剤が80モル%以
上導入されること、すなわち二価フェノールに由来する
末端の水酸基(OH基)が20モル%以下であることが
より好ましく、特に好ましくは全末端に対して末端停止
剤が90モル%以上導入されること、すなわちOH基が
10モル%以下の場合である。また、末端停止剤は単独
でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0066】溶融エステル交換法による反応は、通常二
価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換
反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカ
ーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成す
るアルコールまたはフェノールを留出させる方法により
行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノ
ールの沸点などにより異なるが、通常120〜350℃
の範囲である。反応後期には系を1.33×103〜1
3.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフ
ェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4
時間程度である。
【0067】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネ
ート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネー
トなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが
好ましい。
【0068】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属化合物、水
酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム
などのアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの含窒
素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のア
ルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機
酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム
化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機
スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アン
チモン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジ
ルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステ
ル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触
媒は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて
使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の
二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10 -8
1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10
-4当量の範囲で選ばれる。
【0069】また、かかる重合反応において、フェノー
ル性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるい
は終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニト
ロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)
カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、
ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニル
フェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネー
ト、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート
およびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネー
トなどの化合物を加えることが好ましい。なかでも2−
クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカ
ルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エト
キシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好まし
く、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカー
ボネートが好ましく使用される。
【0070】更に溶融エステル交換法においては、失活
剤を用いて重合後残存する触媒の活性を中和しておくこ
とが望ましい。かかる失活剤としては、ベンゼンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メ
チル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸
ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホ
ン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−ト
ルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチ
ル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンス
ルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、
トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル−スル
ホン化スチレン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸
−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスル
ホン酸−2−フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テト
ラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テト
ラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼン
スルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアン
モニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシ
ルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェ
ート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデ
シルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシル
ジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テト
ラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テ
トラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシル
トリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テ
トラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェー
ト、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフ
ェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサ
ルフェートなどの化合物を挙げることができるが、これ
らに限定されず、またこれらの化合物は2種以上併用す
ることもできる。
【0071】中でもホスホニウム塩もしくはアンモニウ
ム塩型のものが好ましい。かかる触媒の量としては、残
存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用
いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネート樹脂
に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましく
は0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜
100ppmの割合で使用する。
【0072】ポリカーボネート樹脂の分子量は特定され
ないが、分子量が10,000未満であると高温特性な
どが低下し、40,000を超えると成形加工性が低下
するようになるので、粘度平均分子量で表して10,0
00〜40,000のものが好ましく、13,000〜
30,000のものが特に好ましい。また、ポリカーボ
ネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。本発
明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポ
リカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液か
ら求めた比粘度(ηSP)を次式に挿入して求める。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0073】本発明の第1層、第2層および第3層を形
成する樹脂等には離型剤を配合することができ、こうす
ることは離型時の歪みを抑制できる点で好ましい結果を
与える。特に熱可塑性樹脂に配合することが好ましい。
離型剤としては飽和脂肪酸エステルが一般的であり、例
えばステアリン酸モノグリセライドなどのモノグリセラ
イド類、デカグリセリンデカステアレートおよびデカグ
リセリンテトラステアレート等のポリグリセリン脂肪酸
エステル類、ステアリン酸ステアレートなどの低級脂肪
酸エステル類、セバシン酸ベヘネートなどの高級脂肪酸
エステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレート
などのエリスリトールエステル類が使用される。離型剤
は樹脂100重量部当り0.01〜1重量部用いられ
る。
【0074】また、本発明の樹脂には必要に応じてリン
系熱安定剤を加えることができる。特に熱負荷の高い熱
可塑性樹脂、特に重縮合により生成する樹脂には好まし
く配合される。リン系熱安定剤としては、ホスファイト
化合物およびホスフェート化合物が好ましく使用され
る。ホスファイト化合物としては、例えばトリフェニル
ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ト
リス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスフ
ァイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノ
フェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスフ
ァイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モ
ノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニ
ルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,
2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイトなどのホスファイト化合物が挙げられ
る。これらのうち、トリスノニルフェニルホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好まし
く、特にトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ホスファイトが好ましい。
【0075】一方、熱安定剤として使用されるホスフェ
ート化合物としては、例えばトリブチルホスフェート、
トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジル
ホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェ
ート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホス
フェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホ
スフェートなどが挙げられ、なかでもトリフェニルホス
フェート、トリメチルホスフェートが好ましい。
【0076】更にその他のリン系熱安定剤としては、テ
トラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’
−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニ
レンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−4−ビフェニレンホスホナイトなどの
ホスホナイト化合物も好ましく使用することができる。
【0077】前記リン系熱安定剤は、単独で使用しても
よく、また2種以上を組合せて使用してもよい。リン系
熱安定剤は、本発明の樹脂100重量部に対し、0.0
001〜1重量部、好ましくは0.001〜0.5重量
部、特に好ましくは0.005〜0.2重量部の範囲で
使用するのが適当である。
【0078】本発明の樹脂には、酸化防止の目的で通常
知られた酸化防止剤を添加することができる。特に付加
重合により生成する樹脂には好ましく配合される。その
例としてはフェノール系酸化防止剤を示すことができ、
具体的には例えばトリエチレングリコール−ビス(3−
(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリス
リトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル
ホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシ
アヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−
[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカ
ンなどが挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい添加
量の範囲は、樹脂100重量部に対し、0.0001〜
1重量部、好ましくは0.001〜0.5重量部であ
る。
【0079】耐候性の向上および有害な紫外線をカット
する目的で、本発明の第1層〜第3層のいずれかの樹脂
に更に紫外線吸収剤や光安定剤を配合することができ
る。特に第1層の樹脂シート部、および第2層の樹脂に
多量に配合すると共に、第3層にも少量の配合をする処
方が好ましい。かかる処方をすることにより車両用グレ
ージング材料、ヘッドランプやウインカー材料など屋外
で使用されかつ透明性が重要とされる用途においても、
第1層の表側として使用し良好な耐候性を達成すること
が可能となる。
【0080】紫外線吸収剤としては、例えば2,2’−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代表され
るベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および例えば2−
(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシ
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メ
チレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フ
ェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベン
ゾトリアゾールおよび2−(3,5−ジ−tert−ア
ミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールに
代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が例示さ
れる。更にビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒン
ダードアミン系の光安定剤も使用することが可能であ
る。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよ
く、紫外線吸収剤と光安定剤の併用は特に好ましい態様
として挙げられる。これら紫外線吸収剤、光安定剤の好
ましい添加量の範囲は、樹脂100重量部に対し、0.
0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量
部である。
【0081】また、本発明の透明性を有する熱可塑性樹
脂には紫外線吸収剤などに基づく黄色味を打ち消すため
にブルーイング剤を配合することができる。特にポリカ
ーボネート樹脂に対して有用である。具体的なブルーイ
ング剤としては、例えば一般名Solvent Vio
let13[CA.No(カラーインデックスNo)6
0725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイ
オレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジンブルー
G」、住友化学工業(株)製「スミプラストバイオレッ
トB」]、一般名Solvent Violet31
[CA.No68210;商標名 三菱化学(株)製
「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solve
nt Violet33[CA.No60725;商標
名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一
般名Solvent Blue94[CA.No615
00;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルー
N」]、一般名Solvent Violet36[C
A.No68210;商標名バイエル社製「マクロレッ
クスバイオレット3R」]、一般名SolventBl
ue97[商標名 バイエル社製「マクロレックスブル
ーRR」]および一般名Solvent Blue45
[CA.No61110;商標名 サンド社製「テトラ
ゾールブルーRLS」]、チバ・スペシャリティ・ケミ
カルズ社のマクロレックスバイオレットやトリアゾール
ブルーRLS等があげられる。
【0082】本発明の樹脂には、更に慣用の他の添加
剤、例えば補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラスト
ナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、
ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、
炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミ
ルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コート
ガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフ
レーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、ア
ラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラ
ファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカーな
ど)、難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩
系、赤リン、シリコン系、フッ素系、金属水和物系な
ど)、耐熱剤、着色剤(カーボンブラック、酸化チタン
などの顔料、染料)、光拡散剤(アクリル架橋粒子、シ
リコン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カルシウム
粒子など)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防
止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌
剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜
鉛など)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外
線吸収剤、フォトクロミック剤を配合することができ
る。
【0083】更に本発明の熱可塑性樹脂は、製品または
部品として形成済みの樹脂、いわゆるリサイクル材を使
用することも可能である。リサイクル材は第1層または
第2層で使用することが好ましい。かかるリサイクル材
には着色のための塗装、耐摩耗性、帯電防止性、熱線吸
収などの各種機能性コーティング、蒸着、スパッタリン
グ、メッキなどによる金属膜などの積層膜が形成されて
いる場合も多いが、これらは積層膜をつけたままでの使
用も、積層膜を除去しての使用もいずれも可能である。
第1層または第2層でリサイクル材を使用すると、かか
る材料に付着した塗装や金属膜などにより、種々の色味
や金属調の光沢が得られることもあり、必ずしも除去さ
れることが好ましいとはいえない。
【0084】例えばポリカーボネート樹脂を基板とする
光情報記録媒体をリサイクル材として使用する場合、こ
れらは粉砕処理などをしてそのまま使用すること、およ
びかかる粉砕処理したものと、他の熱可塑性樹脂材料お
よび/または他の熱可塑性樹脂材料のリサイクル材と混
合することにより使用することができる。
【0085】一方該光情報記録媒体から情報記録層、反
射層や保護コート層を樹脂基板から選択的に除去し、樹
脂自体を回収して使用することも可能であり、かかる除
去方法として以下に示すいくつかの提案された方法を使
用することができる。
【0086】(i)特開平4−305414号公報(欧
州特許第476,475号、米国特許第5,151,4
52号)、特開平5−200379号公報(欧州特許第
537,567号、米国特許第5,214,072号)
および特開平6−223416号公報(欧州特許第60
1,719号、米国特許第5,306,349号):こ
れらの方法は被覆された樹脂板を、例えば酸またはアル
カリの水溶液で化学的に処理する方法である。
【0087】(ii)特開平5−345321号公報:
この方法は、被覆された樹脂板を長時間熱水中に浸漬す
る方法である。
【0088】(iii)特開平5−210873号公報
および米国特許第5,203,067号:これらの方法
は、被覆された樹脂板の被覆層表面を機械的に刃物や研
磨材を用いて切削、研磨して除去する方法である。
【0089】(iv)特開平10−52823号公報お
よび特開平10−58450号公報:かかる方法は圧延
した記録媒体を加熱水と接触させることにより塗膜を剥
離、除去することにより、基板樹脂を回収する方法であ
る。かかる方法は特に低コストであり、品質、回収率に
おいても良好な方法である。
【0090】その他、光情報記録媒体の表面をブラスト
処理する方法、光情報記録媒体に超音波を照射させる方
法(特開平11−34057号)などを挙げることがで
きる。
【0091】本発明では、前記の特定の成形方法を使用
することにより、多層構造製品を射出成形により効率的
に製造することが可能となるが、大型の多層構造成形品
に好適なものである。
【0092】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に説明する。評価は下記の方法によった。 (1)外観 得られた多層構造成形品について、目視にて外観上の確
認をした。特に立体的パターンの施された部分の周囲に
未充填部分がないかを確認した。 ○ : 外観良好 × : 立体的パターン回りなどに未充填部分あり
【0093】(2)光学的歪み ポリカーボネート樹脂のシートを使用した多層構造成形
品に関し、2枚の直交する偏光板に挟み込みその歪みを
目視観察した。評価は縞模様の色変化や疎密の不均一さ
などにより判断した(但し以下に示すPET−Sを使用
したものに対しては評価しなかった)。 ○ : 大きな光学的歪は認められない × : 大きな光学的歪が認められる
【0094】(3)密着性評価 図1に示す個所から、界面密着性評価用のサンプル(長
さ13cm、幅1cm)を切り出した後、アルミ箔部分
(長さ5cm)からシート層の一部を剥離し、かかるシ
ート層部を上部ジグに、サンプル本体を下部ジグに固定
し、上部を引き上げる際の荷重(N)を測定することに
より層の密着性について評価した(オリエンテック
(株)製、テンシロンUCT−1T使用、引き上げ速度
20mm/分)。測定値は3個所から取り出した合計n
=9の平均値として算出した。尚、剥離によらずサンプ
ルの破断が生じたものは記録しなかった(表1中“○”
で表記)。
【0095】表1記載の各成分を示す記号は下記の通り
である。 (熱可塑性樹脂) (i)PC−1:ビスフェノールAとホスゲンから常法
によって作られた粘度平均分子量18,500のポリカ
ーボネート樹脂99.37重量部に、Sandstab
P−EPQ(サンドズ(Sandoz)社製)0.0
3重量部、およびペンタエリスリトールテトラステアレ
ート0.6重量部を配合した樹脂組成物。
【0096】(ii)PC−2:全芳香族ヒドロキシ成
分のうち、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン[ビスフェノー
ルTMC]が45モル%、4,4’−(m−フェニレン
ジイソプロピリデン)ジフェノール[ビスフェノール
M]が55モル%であり、p−tert−ブチルフェノ
ールを末端停止剤として使用し、ホスゲン法により得ら
れた粘度平均分子量15,000の芳香族ポリカーボネ
ート共重合体98.7697重量部に、マクロレックス
バイオレットB(バイエル社製)0.0003重量
部、ケミソーブ79(ケミプロ化成(株)製)1重量
部、Sandstab P−EPQ(サンドズ(San
doz)社製)0.03重量部、およびペンタエリスリ
トールテトラステアレート0.2重量部を配合した樹脂
組成物。
【0097】(iii)PC−3:ポリカプロラクトン
(ダイセル化学(株)製プラクセルH1P)8重量部お
よびポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライ
トL−1225)92重量部、およびIrgafos1
68(日本チバガイギー(株)製)0.2重量部を配合
し、ベント付30φ単軸押出機(フリージアマクロス
(株)製VSK−30)を使用し、1330Paの減圧
下、260℃のシリンダ温度で溶融押出して得られた熱
可塑性樹脂組成物。
【0098】(iv)PC−4:粘度平均分子量15,
100、吸水率0.20重量%で二価フェノール成分が
ビスフェノールAのポリカーボネート樹脂基板(1.2
mm)/アルミ蒸着層(0.1μm)/UVコート層
(5〜10μm)/レーベル印刷層(20μm)の構成
からなる樹脂基板(直径12cm)を粉砕することによ
り得られた粉砕品50重量部とポリメチルメタクリレー
ト樹脂(旭化成工業(株)製 デルペット80N)50
重量部を270℃で溶融混合(径30mmφのベント式
二軸押出機;(株)日本製鋼所TEX30XSSTを使
用)して得られた樹脂組成物。
【0099】(v)PMMA:ポリメチルメタクリレー
ト樹脂(旭化成工業(株)製デルペット80N)100
重量部に、サノールLS770(三共(株)製)1重量
部および、ケミソーブ79(ケミプロ化成(株)製)2
重量部を配合し、ベント付30φ単軸押出機(フリージ
アマクロス(株)製VSK−30)を使用し、1330
Paの減圧下、260℃のシリンダ温度で溶融押出して
得られた熱可塑性樹脂組成物。
【0100】(樹脂シート) (i)PC−S:以下の製造法により得られたポリカー
ボネート樹脂シート。すなわち、ビスフェノールAとホ
スゲンから常法によって作られた粘度平均分子量25,
000のポリカーボネート樹脂100重量部に、Irg
afos168(日本チバガイギー(株)製)0.02
重量部、およびペンタエリスリトールテトラステアレー
ト0.2重量部、および、UV吸収剤としてケミソーブ
79(ケミプロ化成(株)製)1重量部、マクロレック
スバイオレットB(バイエル社製)0.0003重量部
を配合し、1330Paの減圧下、280℃でギアポン
プを有するTダイ押出成形機により溶融押出して厚み
0.5mmのポリカーボネート樹脂シートを得た。その
後一方の表面にシリコンハードコート処理を施した。
尚、かかるシートには図1に示す位置で、上記ハードコ
ート処理面とは反対側の面に文具用両面テープを用いて
家庭用アルミ箔を貼り付けた(3箇所、かかるアルミ箔
面を第2層側とする)。
【0101】(ハードコート処理方法)還流冷却器及び
撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にメチルメタ
クリレート(以下MMAと略称する)70部、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート(以下HEMAと略称す
る)39部、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIB
Nと略称する)0.18部及び1,2−ジメトキシエタ
ン200部を添加混合し、溶解させた。次いで、窒素気
流中70℃で6時間攪拌下に反応させた。得られた反応
液をn−ヘキサンに添加して再沈精製し、MMA/HE
MAの組成比70/30(モル比)のコポリマー(アク
リル樹脂(I))90部を得た。該コポリマーの重量平
均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GP
CA−804、溶離液;THF)からポリスチレン換算
で80,000であった。
【0102】また、メチルトリメトキシシラン142
部、蒸留水72部、酢酸20部を氷水で冷却下混合し、
この混合液を25℃で1時間攪拌し、イソプロパノール
116部で希釈してメチルトリメトキシシラン加水分解
縮合物溶液(X)350部を得た。一方、テトラエトキ
シシラン208部、0.01N塩酸81部を氷水で冷却
下混合し、この混合液を25℃で3時間攪拌し、イソプ
ロパノール11部で希釈してテトラエトキシシラン加水
分解縮合物溶液(Y)300部を得た。
【0103】次にハードコート第1層用組成物として、
前記アクリル樹脂(I)8部をメチルエチルケトン40
部、メチルイソブチルケトン20部、エタノール5.2
部、イソプロパノール14部および2−エトキシエタノ
ール10部からなる混合溶媒に溶解し、次いでこの溶液
にメチルトリメトキシシラン加水分解縮合物溶液(X)
10部を添加して25℃で5分間攪拌し、さらにかかる
溶液にメラミン樹脂(三井サイテック(株)製サイメル3
03)1部を添加して25℃で5分間攪拌し、コーティ
ング用組成物(i)を調製した。
【0104】更にハードコート第2層用組成物として、
水分散型コロイダルシリカ分散液(日産化学工業(株)
製 スノーテックス30 固形分濃度30重量%)10
0部に蒸留水12部、酢酸20部を加えて攪拌し、この
分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン13
4部を加えた。この混合液を25℃で1時間攪拌して得
られた反応液に、テトラエトキシシラン加水分解縮合物
溶液(Y)20部および硬化触媒として酢酸ナトリウム
1部を加えイソプロパノール200部で希釈してコーテ
ィング用組成物(ii)を調製した。
【0105】0.5mm厚のPC樹脂製シート上片面
に、コーティング用組成物(i)をワイヤバーで塗布
し、25℃で20分間静置後、120℃で30分間熱硬
化させた。第1層の膜厚は2.5μmだった。次いで、
該シートの被膜表面上にコーティング用組成物(ii)
を更にワイヤバーで塗布し、25℃で20分間静置後、
120℃で2時間熱硬化させた。第2層の膜厚は5.0
μmだった。 (ii)PET−S:[η]=0.80のポリエチレン
テレフタレートを使用し、縦方向に疎3.6倍、ついで
横方向に105℃で3.7倍の延伸を行い、235℃で
熱固定して得られた厚み100μmのポリエチレンテレ
フタレートシート。尚、かかるシートには図1に示す位
置に、文具用両面テープを用いて家庭用アルミ箔を貼り
付けた(3箇所、かかるアルミ箔面を第2層側とす
る)。
【0106】[実施例1]前述の第1層の樹脂としてP
C−1、および第2層の樹脂としてPMMAを使用し、
前者を120℃で5時間、後者を90℃で5時間熱風乾
燥機を用いて乾燥した後、600mm/secの射出速
度を達成可能なシリンダ内径50mmφの射出装置を2
基備えた超高速射出成形機(日精樹脂工業(株)製FN
−8000−36ATN)を使用し図1に示す第1層を
形成する成形品の成形を行い、その後シートおよびかか
る第1層の成形品をインサートして特定以上の高速で成
形を行い多層構造を有する成形品を得た。
【0107】まず、第1層を形成するPC−1を、射出
装置1を使用しシリンダ温度280℃、金型温度90
℃、および射出速度80mm/secで成形した。尚、
第1層を形成する金型のみ帝人製機(株)製TSR−7
53を光造形樹脂として使用した光造形法により作成さ
れた金型を使用した(その他は鋼材の金型を使用)。
【0108】かかる成形品を冷却後取り出した後、ラン
ナー部分を切り離し金型装着ジグと共に、図2に示す要
領で隣り合う第2の金型キャビティ内の金型固定側に装
着した。一方、PC−Sはその表面を帯電させることに
より金型コア側に装着した。
【0109】その後金型を閉じ、真空ポンプ(日本真空
技術(株)製ULVAC PMB006CMメカニカル
ブースターおよびEC803ロータリーポンプを組合わ
せたもの)を使用し、10秒間排気を行った後第2層の
成形をした。尚、排気は金型キャビティ周囲に設けられ
たガス抜き用のクリアランスを通して行った。
【0110】第2層は射出装置2を使用し、シリンダ温
度300℃、金型温度90℃、および射出速度350m
m/sec(一速)でPMMAを充填し、冷却後成形品
を取り出した。23℃、相対湿度50%の環境下12時
間放置した後、各種評価を行った。評価結果を表1に示
す。
【0111】[実施例2]第2層の樹脂をPC−2と
し、その射出速度を400mm/secとした以外は実
施例1とほぼ同様に成形を行い、その後実施例1と同様
に各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0112】[実施例3]第2層の樹脂をPC−3と
し、樹脂シートをPET−Sとした以外は実施例1とほ
ぼ同様に成形を行い、その後23℃、相対湿度50%の
環境下12時間放置した後、各種評価を行った。評価結
果を表1に示す。尚、PC−3の乾燥は100℃で6時
間行った(以下の場合も同じ)。
【0113】[実施例4]樹脂シートをPET−Sと
し、第2層の樹脂をPC−3とし、更にその射出速度を
400mm/secとした以外は実施例1とほぼ同様に
成形を行い、その後23℃、相対湿度50%の環境下1
2時間放置した後、各種評価を行った。評価結果を表1
に示す。
【0114】[実施例5]第1層を形成する樹脂をPC
−4とし、第2層の樹脂をPC−3とし、樹脂シートを
PET−Sとした以外は実施例1とほぼ同様に成形を行
い、その後23℃、相対湿度50%の環境下12時間放
置した後、各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
PC−4の乾燥は100℃で6時間行った。尚、かかる
多層構造成形品は銀色調を有する意匠性の高いものであ
った。
【0115】[比較例1]第2層の射出速度を80mm
/secとする以外は、実施例1とほぼ同様に成形を行
った。その後23℃、相対湿度50%の環境下12時間
放置した後、各種評価を行った。評価結果を表1に示
す。
【0116】[比較例2]第2層の射出速度を80mm
/secとする以外は、実施例3とほぼ同様に成形を行
った。その後23℃、相対湿度50%の環境下12時間
放置した後、各種評価を行った。評価結果を表1に示
す。
【0117】
【表1】
【0118】表1から明らかなように本発明の工程を経
て得られた多層構造を有する成形品は立体的パターンの
周囲の複雑な部分であっても良好な充填がなされ、また
層間の密着性が良好となり、成形品歪みの減少効果が認
められるものである。
【0119】
【発明の効果】本発明を用いると、層間の厚みが薄く、
流動長が長い場合であっても良好な成形品が得られる。
特に層間の界面に特定の立体的パターンを施した光学
的、意匠的に優れる多層構造成形品が高い自由度で得ら
れるものとなる。かかる製造方法により得られた製品
は、自動車グレージング製品、光学レンズ、光学フィル
ターのような光学的分野のような表面に機能性が要求さ
れ、かつ全体として透明性が要求される分野、自動車の
外板、内装部材、各種電気・電子・OA機器等の外装材
等のように意匠性と強度、難燃性等の両立が求められる
分野、樹脂のリサイクル材の分野等に極めて適したもの
であり、その奏する工業的効果は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の樹脂成形品の概要を模式的に表す正面図
である(その他の部分の位置関係についても表してあ
る)。
【図2】第1層を形成する板状成形体の特にゲート部分
の概要を模式的に表す側面図である。
【図3】金型構造を側面から見た概要図である。
【符号の説明】
1 板状成形品本体 2 板状成形品ゲート部分(幅:180mm) 3 板状成形品ランナー部分(幅:195mm) 4 板状成形品の幅(180mm) 5 板状成形品の長さ(210mm) 6 スプルー部 7 捨てキャビ部の長さ(25mm) 8 捨てキャビ部の厚みが薄い(2mm)部分の長さ
(5mm) 9 表面凸部(直径5mmφ、高さ0.5mmであり、
成形品幅方向には中心間距離約7mmの等間隔に25点
配列している。これがほぼ図1に示す5個所に存在して
いる。成形品長さ方向では成形品幅方向の左右5点目の
凸部の長さ方向中心に沿って、成形品幅方向の配列のゲ
ート側1番目と2番目の間では約7mmの等間隔に10
点、2番目と3番目の間では約7mmの等間隔に5点、
3番目と4番目の間では1点存在している。) 10 密着性試験用サンプル切り出し部相当位置−1
(板状成形品を正面からみて右端部および上部をそれぞ
れ端面とする点線で囲まれた部分:長さ130mm、幅
10mm) 11 密着性試験用サンプル切り出し部相当位置−1の
アルミ箔の張られた部分(長さ5cm) 12 密着性試験用サンプル切り出し部相当位置−2
(板状成形品を正面からみて中心部に相当し、上部を端
面とする点線で囲まれた部分:長さ130mm、幅10
mm) 13 密着性試験用サンプル切り出し部相当位置−2の
アルミ箔の張られた部分(長さ5cm) 14 密着性試験用サンプル切り出し部相当位置−3
(板状成形品を正面からみて左端部および上部をそれぞ
れ端面とする点線で囲まれた部分:長さ130mm、幅
10mm) 15 密着性試験用サンプル切り出し部相当位置−3の
アルミ箔の張られた部分(長さ5cm) 16 板状成形品ランナー部分厚み(5mm) 17 板状成形品ランナー部分高さ(14mm) 18 板状成形品スプルーのランナー部での直径(8m
m) 19 スプルーの長さ(100mm) 20 板状成形品ゲート長さ(7mm) 21 板状成形品ゲート厚み(1.5mm) 22 板状成形品ゲート厚み(1.5mm) 23 成形品本体厚み(3.5mm) 24 成形品捨てキャビ部長さ−1(厚みの薄い側:1
0mm) 25 成形品捨てキャビ部長さ−2(厚みの厚い側:2
0mm) 26 成形品捨てキャビ部厚み−1(厚みの薄い側:2
mm) 27 成形品捨てキャビ部厚み−2(厚みの厚い側:5
mm) 28 板状成形品用固定側金型 29 板状成形品用可動側金型の上側ブロック 30 板状成形品用可動側金型の下側ブロック 31 金型コアブロック 32 樹脂シート(厚み約0.5mm) 33 第1の樹脂成形品取り付け用ジグ 34 第1層(厚み約3.5mm) 35 第2層(厚み約1mm)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)第1の金型キャビティ内に熱可塑
    性樹脂を充填し第1層を形成する第1の樹脂成形品を製
    造する工程(第1工程)、(2)第2の金型キャビティ
    内に第1の樹脂成形品と樹脂シート(第3層)を対向し
    て設置し、かかる第1層と第3層との間に実質的に第1
    層の表面および第3層の表面で構成される空間を形成す
    る工程(第2工程)、(3)かかる空間内に第2層を形
    成する熱可塑性樹脂を300mm/sec以上の射出速
    度で充填する工程(第3工程)、および(4)充填後冷
    却された樹脂成形品を第2の金型キャビティ内から取り
    出す工程(第4工程)からなる第1層、第2層、および
    第3層が積層されてなる多層構造を有する成形品の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 第2層の厚みが実質的に3mm以下であ
    る請求項1に記載の多層構造を有する成形品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 第2層における成形品のゲート部から流
    動末端部までの距離をL、第2層の平均厚みをDとした
    とき、第2層がL/D≧100である部分を有する請求
    項1または2のいずれか1項に記載の多層構造を有する
    成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 成形品が第1層において、第2層と接す
    る側の表面に立体的パターンを有するものである請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の多層構造を有する成形品
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも1層がポリカーボネート樹脂
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層構造を
    有する成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製
    造方法から得られた成形品。
JP2000047495A 2000-02-24 2000-02-24 多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品 Pending JP2001232658A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000047495A JP2001232658A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000047495A JP2001232658A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001232658A true JP2001232658A (ja) 2001-08-28

Family

ID=18569739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000047495A Pending JP2001232658A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001232658A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103085A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Brother Ind Ltd ミシンフレーム成形用樹脂組成物
WO2003078130A1 (fr) * 2002-03-18 2003-09-25 Asahi Kasei Chemicals Corporation Pieces moulees a base de compositions ignifuges de resine de polycarbonate aromatique
JP2005103907A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Idemitsu Kosan Co Ltd 二色成形品、およびその製造方法
JP2007030522A (ja) * 2002-04-23 2007-02-08 Matsushita Electric Works Ltd メッキ用成形品の製造方法及びメッキ成形品の製造方法

Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04205827A (ja) * 1990-11-30 1992-07-28 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 光ディスク
JPH04331112A (ja) * 1991-01-18 1992-11-19 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物の成形方法
JPH05318518A (ja) * 1992-05-21 1993-12-03 Canon Inc プラスチック成形方法及びその装置
JPH06198667A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Asahi Chem Ind Co Ltd 合成樹脂の射出成形法
JPH0661527U (ja) * 1993-02-08 1994-08-30 日本板硝子株式会社 車両用樹脂窓
JPH06270188A (ja) * 1993-03-18 1994-09-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 模様封入成形品の製造方法
JPH0852754A (ja) * 1994-08-12 1996-02-27 Nippon Petrochem Co Ltd サーモトロピック液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法
JPH08141725A (ja) * 1994-11-18 1996-06-04 Ube Ind Ltd 成形装置の射出成形方法
JPH08169032A (ja) * 1994-12-20 1996-07-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 基板成形用金型、基板の成形方法および基板
JPH08276462A (ja) * 1995-08-25 1996-10-22 Hashimoto Forming Ind Co Ltd 装飾成形品の製造方法
JPH10329165A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Mitsubishi Eng Plast Kk 熱可塑性樹脂製グレージング材およびその製造方法
JPH11138599A (ja) * 1997-09-08 1999-05-25 Niigata Eng Co Ltd 電動射出成形機における樹脂の射出方法及びその射出装置
JPH11198179A (ja) * 1998-01-16 1999-07-27 Asahi Chem Ind Co Ltd ガス加圧射出成形方法
JPH11198174A (ja) * 1998-01-16 1999-07-27 Ube Ind Ltd 樹脂の多層成形方法および多層成形装置
JPH11207776A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Ube Ind Ltd 樹脂の多層成形方法および多層成形装置
JPH11207777A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Ube Ind Ltd 樹脂の多層成形の成形条件設定方法および装置
JPH11297725A (ja) * 1998-04-07 1999-10-29 Navitas Co Ltd Icタグの製造方法

Patent Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04205827A (ja) * 1990-11-30 1992-07-28 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 光ディスク
JPH04331112A (ja) * 1991-01-18 1992-11-19 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物の成形方法
JPH05318518A (ja) * 1992-05-21 1993-12-03 Canon Inc プラスチック成形方法及びその装置
JPH06198667A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Asahi Chem Ind Co Ltd 合成樹脂の射出成形法
JPH0661527U (ja) * 1993-02-08 1994-08-30 日本板硝子株式会社 車両用樹脂窓
JPH06270188A (ja) * 1993-03-18 1994-09-27 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 模様封入成形品の製造方法
JPH0852754A (ja) * 1994-08-12 1996-02-27 Nippon Petrochem Co Ltd サーモトロピック液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法
JPH08141725A (ja) * 1994-11-18 1996-06-04 Ube Ind Ltd 成形装置の射出成形方法
JPH08169032A (ja) * 1994-12-20 1996-07-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 基板成形用金型、基板の成形方法および基板
JPH08276462A (ja) * 1995-08-25 1996-10-22 Hashimoto Forming Ind Co Ltd 装飾成形品の製造方法
JPH10329165A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Mitsubishi Eng Plast Kk 熱可塑性樹脂製グレージング材およびその製造方法
JPH11138599A (ja) * 1997-09-08 1999-05-25 Niigata Eng Co Ltd 電動射出成形機における樹脂の射出方法及びその射出装置
JPH11198179A (ja) * 1998-01-16 1999-07-27 Asahi Chem Ind Co Ltd ガス加圧射出成形方法
JPH11198174A (ja) * 1998-01-16 1999-07-27 Ube Ind Ltd 樹脂の多層成形方法および多層成形装置
JPH11207776A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Ube Ind Ltd 樹脂の多層成形方法および多層成形装置
JPH11207777A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Ube Ind Ltd 樹脂の多層成形の成形条件設定方法および装置
JPH11297725A (ja) * 1998-04-07 1999-10-29 Navitas Co Ltd Icタグの製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103085A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Brother Ind Ltd ミシンフレーム成形用樹脂組成物
WO2003078130A1 (fr) * 2002-03-18 2003-09-25 Asahi Kasei Chemicals Corporation Pieces moulees a base de compositions ignifuges de resine de polycarbonate aromatique
US7060780B2 (en) 2002-03-18 2006-06-13 Asahi Kasei Chemicals Corporation Moldings of flame-retardant aromatic polycarbonate resin compositions
JP2007030522A (ja) * 2002-04-23 2007-02-08 Matsushita Electric Works Ltd メッキ用成形品の製造方法及びメッキ成形品の製造方法
JP4497151B2 (ja) * 2002-04-23 2010-07-07 パナソニック電工株式会社 メッキ用成形品の製造方法及びメッキ成形品の製造方法
JP2005103907A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Idemitsu Kosan Co Ltd 二色成形品、およびその製造方法
JP4495938B2 (ja) * 2003-09-30 2010-07-07 出光興産株式会社 二色成形品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1312472B1 (en) Sheet-form layered structure with attractive appearance and utilization thereof
JP4542727B2 (ja) 高意匠性シート状積層構造体およびその利用
TWI526470B (zh) Used for injection molding of decorative panels
JP5413167B2 (ja) パネルの成形方法
JP5482498B2 (ja) パネルの成形方法
CN105765002B (zh) 可成形硬涂层涂覆的pc/pmma共挤出膜
CN101085562A (zh) 层叠树脂板
JP4907755B2 (ja) ポリカーボネート樹脂積層体
JP2001225349A (ja) グラデーション色彩を有する成形品の製造方法
JP5734535B2 (ja) 多色成形品及びその成形方法
JP2001225348A (ja) 成形方法およびその成形品
JP2001232658A (ja) 多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品
JP5939825B2 (ja) 珪素の酸化物膜を形成した樹脂物品及びその製造方法
JP2016052760A (ja) 多色成形品及びその成形方法
JP2001088165A (ja) 薄く、厚みの制御された層構造を有する成形品を得る成形方法、およびその成形品
JP3842531B2 (ja) 高意匠性シート状積層構造体およびその利用
JP2001232663A (ja) 多層構造成形品の製造方法、およびその成形品
JP3828496B2 (ja) 高意匠性シート状積層構造体およびその利用
JP2001239542A (ja) 成形方法、およびそれから得られた成形品
JP4435369B2 (ja) ポリカーボネート樹脂積層体
JP4401547B2 (ja) ポリカーボネート樹脂積層体
JP2003253111A (ja) 樹脂組成物、積層成形品、およびリサイクル方法
JP2015096328A (ja) 多色成形品の成形方法及び多色成形品
JP6357935B2 (ja) 多色成形品及びその成形方法
JP2001232661A (ja) 光学的歪みの少ない成形品を得る成形方法、およびその成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091027