JP2003103085A - ミシンフレーム成形用樹脂組成物 - Google Patents
ミシンフレーム成形用樹脂組成物Info
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Abstract
や広い温度範囲での寸法精度という点で劣っており、ミ
シンフレームを合成樹脂単体で形成することは困難であ
った。その材料選びもリサイクル性に対する考慮がなさ
れていなかった。 【解決手段】非晶性の熱可塑性樹脂であるアクリロニト
リルブタジエンスチレン共重合体を主成分とし、得られ
るミシンフレーム成形用樹脂組成物の100重量部に対
して、微粒子状の無機添加剤である粒径数10ミクロン
のタルクを略5から略20重量部含むミシンフレーム成
形用樹脂組成物とする
Description
と寸法安定性に優れるミシンフレームを成形可能なミシ
ンフレーム成形用樹脂組成物に関する。
アルミニウム合金製ダイキャストで形成され、外観上の
美観を整えるために合成樹脂製のカバーと組み合わせて
用いられていた。
いという点を改善するために、ミシンフレーム自体を安
価な材料である合成樹脂により形成することが検討され
ている。この形成方法としては、生産性が高く、用いる
樹脂の種類に特段の制限を持たない射出成型法が好適に
用いられている。得られるミシンフレームには、その内
部にミシン機構を位置精度良く保持する必要があること
から、外観上の美観に加えて、所定の剛性と寸法精度を
有していることが求められる。これを実現する合成樹脂
としては、熱可塑性樹脂も熱硬化性樹脂も用いることが
できるが、この樹脂の種類の違いにより、成型品の射出
成型時の形成条件や必要な工程に違いがある。そのた
め、ミシンフレームを合成樹脂で形成する場合には、製
造工程上でも材料的にも高価な熱硬化性樹脂に比べて、
低コストの熱可塑性樹脂を用いることが有用である。
脂は合金製ダイキャストに比べて、剛性や広い温度範囲
での寸法精度という点で劣っており、ミシンフレームを
合成樹脂単体で形成することは困難であった。さらに、
資源の有効利用の観点からリサイクル性が高いことが重
要であるが、ややもすると従来は機械的特性に重きを置
いた材料選びが行われてきた。
になされたものであり、リサイクル性が高く、ミシンフ
レームとして機械的に必要な剛性と寸法安定性(低い熱
膨張係数)とを備え、安価にミシンフレームを形成でき
るミシンフレーム成形用樹脂組成物を提供することを目
的とする。
に、請求項1記載のミシンフレーム成形用樹脂組成物
は、樹脂組成物と無機添加剤とを含むミシンフレーム成
形用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は非晶性の熱
可塑性樹脂を主成分とし、前記無機添加剤は微粒子状の
タルクまたはガラスビーズの少なくとも一方からなるも
のである。
脂があるが、本発明のミシンフレーム成形用樹脂組成物
は非晶性の熱可塑性樹脂を主成分としている。結晶性の
熱可塑性樹脂は、特にミシンフレーム用の場合、材料的
に高価であるとともにその成型品は経時的な寸法変化を
生じてしまうのに対し、本発明のミシンフレーム成形用
樹脂組成物に用いる非晶性の熱可塑性樹脂は、材料的に
安価でありその成型品はその寸法安定性が高いので、低
いコストや高い寸法安定性を要求される成型品の主要原
料として好適である。さらに、熱可塑性樹脂は、成型品
化されていても熱を加えることにより溶融軟化するもの
で、基本的に高いリサイクル性を有している。
組成物は、例えば、この組成物を100重量部とした場
合に、粒子状無機添加剤を略5から略20重量部含むよ
うにすれば、このミシンフレーム成形用樹脂組成物から
得られるミシンフレームは、ミシンフレームとして必要
な剛性を備えるとともに寸法安定性に関与する熱膨張係
数をさらに低くできる。
ーム成形用樹脂組成物100重量部に対して略20重量
部を越えて含有すると、剛性は向上するのでミシンフレ
ームに組み付けられるミシン機構を安定して保持できる
効果は上がるが、材料としてもろさが目立つようにな
り、ミシンの構造材としての使用に向かなくなる場合が
ある。一方、5重量部以下ではミシンフレームとして必
要な剛性や熱膨張係数を満足できなくなる。
を含む機械的特性の改善のための無機添加剤としては、
本発明のような粒子状の添加剤とは異なり、短繊維やウ
ィスカーといった形状を有する繊維状の添加剤がある。
この種の添加剤を使用して成型品を形成した後に樹脂組
成物の再利用を考えた場合、繊維状添加剤は再生時にお
ける成型品の破砕工程で繊維が分断されてしまうので、
再利用前の成型品の機械的性能を再現することができな
い。一方、ミシンフレーム成形用樹脂組成物に粒子状の
無機添加物であるタルクやガラスビーズを含んでなる本
発明のミシンフレーム成形用樹脂組成物は、無機添加物
の形状が粒子状であることより、繊維状添加物で起こり
がちな破砕工程時の添加物の形状変化が生じにくく、再
利用時にも再利用前に有していた機械的性能からの変化
が少なくリサイクル性に優れる。
はこの塗装を剥がしてリサイクルする必要があるが、例
えば、無機添加剤をタルクまたはガラスビーズの少なく
とも一方を用いて、その粒径を略100ミクロンを越え
ない微粒子にし、このミシンフレーム成形用樹脂組成物
の100重量部に対して5から10重量部含まれるよう
にすれば、それを用いた成型品は、塗装を加えて美観を
整える必要のない外観を呈するものであり、そのままリ
サイクル工程に回せる点でもリサイクル性に優れる。
組成物でミシンフレームを形成した場合、ミシンフレー
ムとして必要な剛性を備えるとともに寸法安定性に関与
する熱膨張係数を低くできる。本発明においては、微粒
子の粒径が略100ミクロンを越えないようにしておけ
ば、これが成型品の表面に露出したとしても光の乱反射
効果により光沢を損なうことはなく、添加量もミシンフ
レーム成形用樹脂組成物100重量部に対して5から1
0重量部であれば、成型品の外観をなめらかな光沢のあ
るものにできる。そのため、成型品の表面に塗装を加え
ることにより美観を整える必要のないミシンフレームが
できる。
0重量部を越えた場合、射出成型時の金型温度により成
型品の外観に違いが生じる。金型温度を例えば100℃
以下の比較的低温で成形すると、得られるミシンフレー
ムの外観から光沢が失われることがある。これに対し
て、より高温の金型温度、例えば約120℃で成形する
と外観の光沢性が改善され、無機添加剤の含有量を10
重量部以上にすることができる。しかし、この場合は、
金型温度を約120℃で成形すると共に約60℃にまで
急冷するといった特殊な成型方法を取ることが必要で、
ミシンフレームの外観に光沢を与えることはできるが、
製造工程におけるこのような特殊性に加えて金型も特殊
なものを必要とするので、製造コストが高く付いてしま
う。これに対して、本発明のミシンフレーム成形用樹脂
組成物であれば、特殊な工程と金型を必要とせず、製造
コストを低く押さえることができ、ミシンフレームとし
て必要な機械的物性(剛性や熱膨張係数)も備えるの
で、コストパフォーマンスが高くなる。
用樹脂組成物は、前記請求項1に記載のミシンフレーム
成形用樹脂組成物に加え、前記熱可塑性樹脂がスチレン
系樹脂である。
成型品の材料として用いられるスチレン系樹脂、アクリ
ル樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネ
ート等や、高精度な成形が要求される射出成形品用の材
料として用いられるポリアリレート、ポリエーテルイミ
ド等を挙げることができる。いずれも、単独あるいは互
いに混合した混合物としても用いることもできる。この
中でもスチレン系樹脂は材料的に安価でありその成型品
はその寸法安定性が高く、入手しやすさでは一番であ
る。なお、非晶性の熱可塑性樹脂として用いることがで
きるスチレン系樹脂としては、アクリロニトリルブタジ
エンスチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン、
アクリロニトリルスチレン、アクリロニトリルアクリレ
ートスチレン、アクリロニトリルエチレンスチレン、塩
素化アクリロニトリルポリエチレンスチレン等が例示で
きる。
用樹脂組成物は、前記請求項1あるいは2に記載のミシ
ンフレーム成形用樹脂組成物に加えて、前記ミシンフレ
ーム成形用樹脂組成物は、ABS樹脂を主成分とし、微
粒子状のタルクを含んでいる。
可塑性樹脂がアクリロニトリルブタジエンスチレン共重
合体を主成分とするので、これから得られる成型品も安
価でありながら良好な寸法安定性を有する。これより、
特に安価で、しかもミシンフレームとして要求される剛
性や熱膨張係数を含む機械的特性を満たしたミシンフレ
ームを容易に形成できる。もちろん、この組成物のリサ
イクル性の高さは言うまでもない。
形用樹脂組成物の実施の形態について順に説明する。
たミシンフレーム成形用樹脂組成物について説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
物性の指標とその評価は次の通りである。
強さは、ISO規格の第179番に従って評価した。剛
性の指標となる曲げ弾性率は、ISO規格の第178番
に従って評価した。寸法安定性に指標となる線膨張率
は、ISO規格の第11392番に従って評価した。ま
た、成型品の外観の指標として、光沢度をASTM規格
の第D523番に従って評価した。この他にも、ISO
規格の第75番に従って、耐熱性の指標である熱変形温
度を評価した。密度はISO規格第1183番、寸法安
定性の指標でもある成形収縮率はISO規格の第294
−4番にそれぞれ従って評価した。樹脂の流動性に関係
するメルトボリュームレートは、ISO規格の第113
3番に従って評価した。
トリルブタジエンスチレン共重合体を用いた場合につい
て説明する。
り、組成物1を調製した。なお、この組成物の物性は、
上述の各評価指標に対応するISO規格に定める形状、
条件、手順等に従って試料(成型品)を作成して評価を
行っている。この点は、以下に説明する実施例と比較例
とで同様である。
ブタジエンスチレン共重合体(商品名;サイコラックU
T30B、ウベサイコン製)95重量部 なお、熱可塑性樹脂としてのサイコラックUT30Bに
は、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(A
BS樹脂)が95重量部以上含まれている。
5重量部 (実施例2)次の成分を混合することにより、組成物2
を製造した。
ブタジエンスチレン共重合体(商品名;サイコラックU
T30B、ウベサイコン製)90重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)10重量部 (実施例3)次の成分を混合することにより、組成物3
を製造した。
ブタジエンスチレン共重合体(商品名;サイコラックU
T30B、ウベサイコン製)80重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)20重量部 (比較例1)次の成分を混合することにより、組成物1
1を製造した。
ブタジエンスチレン共重合体(商品名;サイコラックU
T30B、ウベサイコン製)100重量部 このミシンフレーム成形用樹脂組成物は、無機添加物と
してのタルクを含まない。
り、組成物12を製造した。
ブタジエンスチレン共重合体(商品名;サイコラックU
T30B、ウベサイコン製)70重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)30重量部 (比較例3)次の成分を混合することにより、組成物1
3を製造した。
ブタジエンスチレン共重合体(商品名;サイコラックU
T30B、ウベサイコン製)60重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)40重量部 ここで、実施例1から3、及び比較例1から3の各ミシ
ンフレーム成形用樹脂組成物に関する物性を表す指標の
評価結果を表1に示す。
に関する代表的な評価指標をグラフ化したものを図1
(a)に示す。ここに取り上げた指標は、脆さの指標と
なるシャルピー衝撃強さ、剛性の指標となる曲げ弾性
率、寸法安定性の指標となる線膨張係数及び外観の指標
としての光沢度であり、それぞれのタルク含有率に対す
る変化を示している。ミシンフレーム成形用樹脂組成物
中へのタルク含有率が増加すると、シャルピー衝撃強
さ、線膨張係数及び光沢度は低下し、曲げ弾性率は増加
する。全体としては、タルク含有率が20重量%を越す
ようになると、各指標の変化率が鈍くなり、タルク添加
量の増加の割には各指標値の変化が少なくなる傾向があ
る。特に、脆さの指標であるシャルピー衝撃強さは、ち
ょうどタルク含有率20重量%を越すようになると、成
型品をミシンフレームとして使用するのが困難なほどに
指標値が低くなっている。また、光沢も失われてくる。
なお、タルク含有率の増加に対して、線膨張係数は低下
しているので、成型品の寸法安定性は増し、曲げ弾性率
は増加しているので、剛性は高くなることを示してい
る。
されたミシンフレーム成形用樹脂組成物の奏する効果に
ついて説明する。
ミシンフレーム成形用樹脂組成物100重量部に対して
5重量部により、このミシンフレーム成形用樹脂組成物
でミシンフレームを形成した場合、ミシンフレームとし
て必要な剛性を備えるとともに寸法安定性に関与する熱
膨張係数を低くできる。無機添加物の粒子径が5ミクロ
ンと微粒子であるので、これが成型品の表面に露出した
としても光の乱反射効果により光沢を損なうことはな
く、添加量もミシンフレーム成形用樹脂組成物100重
量部に対して5重量部であるので、成型品の外観をなめ
らかな光沢のあるものにできる。そのため、さらに塗装
を加えることにより美観を整える必要のないミシンフレ
ームができる。このような外観は、金型温度を、一般的
な射出成型法の成形条件である例えば100℃よりも比
較的低温にして成形しても得ることができるので、製造
コストを低く押さえることができ、ミシンフレームとし
て必要な機械的物性(剛性や熱膨張係数)も備えるとと
もに、コストパフォーマンスが高いミシンフレームを作
ることができる。また、外観が改めてその美観を整える
必要のない光沢性の高いものであるので、そのままリサ
イクル工程に回せる点でもリサイクル性に優れる。
果を奏するが、無機添加物の添加量が実施例1の5重量
部に対して10重量部と多いので、実施例1のミシンフ
レーム成形用樹脂組成物に比べさらに高い剛性と寸法安
定性を示す。使用する無機添加物としてタルクを用いて
いるので、本組成物から得られる成型品のリサイクル性
の高さは維持されている。
2の10重量部に対して20重量部とさらに多いので、
成型品の外観から光沢が失われてくるが、実施例2のミ
シンフレーム成形用樹脂組成物に比べさらに高い剛性と
寸法安定性を示す。本組成物から得られる成型品のリサ
イクル性の高さは依然として高い。
ておらず、非晶性の熱可塑性樹脂のアクリロニトリルブ
タジエンスチレン共重合体100%で構成されているの
で、安価で光沢のあるものが得られるが、ミシンフレー
ム1として必要な剛性や熱膨張係数を満たさない。
3の20重量部に対して30重量部とさらに多いので、
成型品の外観に光沢がなくなるとともに、実施例2のミ
シンフレーム成形用樹脂組成物に比べさらに高い剛性と
寸法安定性を示すものの、脆さが目立つようになり、ミ
シンの構造体であるミシンフレームとしての使用に適さ
なくなる。
2の30重量部に対して40重量部とさらに多いので、
成型品の外観に光沢が全く失われ、脆さだけが目立つよ
うになり、ミシンの構造体としての使用は全く不可能で
ある。
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の形態で実施することができる。
性の熱可塑性樹脂としてアクリロニトリルブタジエンス
チレン共重合体を主成分とし、無機添加剤として粒径5
ミクロンのタルクを用いてミシンフレーム成形用樹脂組
成物を製造しているが、この組み合わせに限るものでは
ない。非晶性の熱可塑性樹脂は、スチレン系樹脂、アク
リル樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボ
ネート等を挙げることができる。いずれも、単独あるい
は互いに混合した混合物としても用いることができる。
このうち、非晶性の熱可塑性樹脂としてスチレン系樹脂
が好適に用いられる。具体的には、上記実施の形態で用
いたアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体の他
に、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、アクリ
ロニトリルアクリレートスチレン、アクリロニトリルエ
チレンスチレン、塩素化アクリロニトリルポリエチレン
スチレン等が例示でき、この中では、アクリロニトリル
アクリレートスチレンが、価格や入手の容易さの点で好
適に用いられる。
例では、粒径数ミクロンのタルクの微粒子を用いている
が、略球形をしたガラスビーズも好適に用いることがで
きる。いずれの場合も、粒径は略100ミクロンを越え
なければ、無機の添加剤が成型品の表面に露出したとし
ても光の乱反射効果により光沢を損ないにくく、添加量
もミシンフレーム成形用樹脂組成物100重量部に対し
て5から10重量部にしておけば、成型品の外観をなめ
らかで光沢あるものにできる。そのため、さらに塗装を
加えることにより美観を整える必要のないミシンフレー
ムを作ることができるミシンフレーム成形用樹脂組成物
となる。さらに、リサイクル工程における破砕工程時の
添加物の形状変化が生じにくく、再利用時にも再利用前
に有していた機械的性能からの変化が少ない。そのた
め、いずれもリサイクル性に優れる。
リロニトリルアクリレートスチレンと、無機の添加剤と
して粒径数ミクロンのタルクとを組み合わせた場合のミ
シンフレーム成形用樹脂組成物の物性の指標とその評価
結果を示す。
ロニトリルブタジエンスチレン共重合体を用いた場合と
同様に、各ミシンフレーム成形用樹脂組成物に関する代
表的な評価指標をグラフ化したものを図1(b)に示
す。各指標のタルク含有率に対する変化の傾向は、非晶
性の熱可塑性樹脂としてアクリロニトリルブタジエンス
チレン共重合体を用いた場合と同様であり、ミシンフレ
ーム成形用樹脂組成物中へのタルク含有率が増加する
と、シャルピー衝撃強さ、線膨張係数及び光沢度は低下
し、曲げ弾性率は増加する。全体としては、タルク含有
率が20重量%を越すようになると、各指標の変化率が
鈍くなり、タルク添加量の増加の割には各指標値の変化
が少なくなる傾向を示す。
フレーム成形用樹脂組成物は次の通りである。
より、組成物21を製造した。なお、この組成物の物性
は、熱可塑性樹脂にアクリロニトリルブタジエンスチレ
ン共重合体を用いた場合と同様に、各評価指標に対応す
るISO規格に基づいて試料を作成し評価を行ってい
る。この点は、以下に説明する実施例と比較例とで同様
である。
アクリレートスチレン(商品名;ウエザフィルMAX4
0、ウベサイコン製)95重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)5重量部 (実施例22)次の成分を混合することにより、組成物
22を製造した。
アクリレートスチレン(商品名;ウエザフィルMAX4
0、ウベサイコン製)90重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)10重量部 (実施例23)次の成分を混合することにより、組成物
23を製造した。
アクリレートスチレン(商品名;ウエザフィルMAX4
0、ウベサイコン製)80重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)20重量部 (比較例31)次の成分を混合することにより、組成物
31を製造した。
アクリレートスチレン(商品名;ウエザフィルMAX4
0、ウベサイコン製)100重量部 このミシンフレーム成形用樹脂組成物は、無機添加剤と
してのタルクを全く含まない。
より、組成物32を製造した。
アクリレートスチレン(商品名;ウエザフィルMAX4
0、ウベサイコン製)70重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)30重量部 (比較例33)次の成分を混合することにより、組成物
33を製造した。
アクリレートスチレン(商品名;ウエザフィルMAX4
0、ウベサイコン製)60重量部 無機添加剤:タルク(粒径;5ミクロン)40重量部 本実施例21から23、及び比較例31から33で製造
されたミシンフレーム成形用樹脂組成物の奏する効果
は、非晶性の熱可塑性樹脂としてアクリロニトリルブタ
ジエンスチレン共重合体を用いた場合と同様である。し
かし、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体を
用いた場合の方が、同じ量のタルクを添加した場合、線
膨張係数が小さく曲げ弾性率が大きい。このことから、
アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体を用いた
場合の方が、ミシンフレームに用いた時に要求される機
械的特性である寸法安定性と剛性を満足するという点で
より優れると言える。
エンスチレン共重合体(ABS樹脂)を主成分とし、無
機の添加剤としてタルクを熱可塑性樹脂組成物全体の5
重量%含有した非晶性の熱可塑性樹脂組成物約230℃
で溶融混練しておき、約70Mpa(メガパスカル)の
射出圧力で約80℃に保った金型のキャビティ内に注入
することでミシンフレーム1を形成した。このように、
射出成型法で形成したミシンフレーム1を図2と図3に
示す。これにより得られたミシンフレーム1は、環境温
度に40℃の温度差が生じた場合や60℃で24時間保
存した場合でも、縫い針の位置の変化量はアルミニウム
のダイキャスト製フレームの場合と遜色のないもので、
高い寸法安定性を有していた。
ッド部8を固定して支柱部6を中心に回転する方向(図
2(a)の紙面に垂直な方向)に1kgの荷重をアーム
部7に印加した場合や、アーム部7の上下方向に1kg
の荷重を印加した場合の撓み量を見ても、変化量はアル
ミニウムのダイキャスト製フレームの場合と遜色がなか
った。また、フレーム内部にミシン機構を組み付けて、
布から縫い針を抜くときの布の持ち上がりを阻止する働
きをする布押さえ棒(不図示)を下げて、実効的にアー
ム部に1.6kgの荷重が掛かるようにした場合の縫い
針を保持する針棒の高さの変化量を見ても、アルミニウ
ムのダイキャスト製フレームの場合と遜色のない変位量
であり、高い剛性を示した。さらに、本発明の樹脂組成
物から得られたミシンフレームを資源として再利用した
場合でも、その初期の特性を再現することが容易にで
き、高いリサイクル性を備えるものでもあることは言う
までもない。
請求項1記載のミシンフレーム成形用樹脂組成物によれ
ば、非晶性の熱可塑性樹脂と粒子状の無機添加剤とから
なるミシンフレーム成形用樹脂組成物であって、前記ミ
シンフレーム成形用樹脂組成物は非晶性の熱可塑性樹脂
を主成分とするので、高価で経時的な寸法変化を生じる
結晶性の熱可塑性樹脂に比べ、安価で寸法安定性も有す
るという効果がある。また、本発明のミシンフレーム成
形用樹脂組成物は、この組成物を100重量部とした場
合に、粒子状無機添加剤を略5から略20重量部含ませ
れば、このミシンフレーム成形用樹脂組成物から得られ
るミシンフレームは、ミシンフレームとして必要な剛性
を備えるとともに寸法安定性に関与する熱膨張係数をさ
らに低くできるという効果もある。
スビーズの少なくとも一方からなり、これを添加したミ
シンフレーム成形用樹脂組成物でミシンフレームを形成
した場合、ミシンフレームとして必要な剛性を備えると
ともに寸法安定性に関与する熱膨張係数を低くできると
いう効果がある。さらに、前記ミシンフレーム成形用樹
脂組成物の100重量部に対して5から10重量部のタ
ルクまたはガラスビーズを含ませると、外観がなめらか
で光沢がある成型品が得られるので、成型品の表面に塗
装を加えることにより美観を整える必要のないミシンフ
レームが得られるという効果もある。さらに、ミシンフ
レーム成形用樹脂組成物には、粒子状の無機添加物であ
るタルクやガラスビーズであるので、再利用時に各成分
の性能変化が少なくリサイクル性に優れるという効果も
ある。
用樹脂組成物によれば、熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂
を主成分とするので、これから得られる成型品は安価で
ありながら良好な寸法安定性を有する。これより、安価
で、ミシンフレームとして要求される機械的特性を満た
したミシンフレームを容易に形成できるという効果があ
る。
用樹脂組成物によれば、熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂
を主成分とし無機添加剤が微粒子状のタルクであるの
で、これから得られる成型品はさらに安価でありながら
良好な寸法安定性を有する。これより、より安価で、し
かもミシンフレームとして要求される機械的特性を満た
したミシンフレームを容易に形成できるという効果とと
もにリサイクル性に優れるという相乗効果がある。
無機添加物含有量とシャルピー衝撃強さ、線膨張係数、
光沢度及び曲げ弾性率との関係を示す図面であり、
(a)はミシンフレーム成形用樹脂組成物の主成分にア
クリロニトリルブタジエンスチレン共重合体を用いた場
合の関係を示す図面であり、(b)はミシンフレーム成
形用樹脂組成物の主成分にアクリロニトリルアクリレー
トスチレンを用いた場合の関係を示す図面である。
し、(a)はリアフレームの正面図、(b)は正面図中
のA−A線断面図である。
示し、(a)はフロントフレームの正面図、(b)は正
面図中のA−A線断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 樹脂組成物と無機添加剤とを含むミシン
フレーム成形用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は
非晶性の熱可塑性樹脂を主成分とし、前記無機添加剤は
微粒子状のタルクまたはガラスビーズの少なくとも一方
からなることを特徴とするミシンフレーム成形用樹脂組
成物。 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂は、スチレン系樹脂で
あることを特徴とする請求項1に記載のミシンフレーム
成形用樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記ミシンフレーム成形用樹脂組成物
は、ABS樹脂を主成分とし、微粒子状のタルクを含む
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の
ミシンフレーム成形用樹脂組成物。
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