JP2001239542A - 成形方法、およびそれから得られた成形品 - Google Patents

成形方法、およびそれから得られた成形品

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JP2001239542A
JP2001239542A JP2000057021A JP2000057021A JP2001239542A JP 2001239542 A JP2001239542 A JP 2001239542A JP 2000057021 A JP2000057021 A JP 2000057021A JP 2000057021 A JP2000057021 A JP 2000057021A JP 2001239542 A JP2001239542 A JP 2001239542A
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resin
molded product
molded article
resin molded
mold
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JP2000057021A
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English (en)
Inventor
Toshimasa Hotaka
寿昌 帆高
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品全体にわたって均一な流体の進入がな
されると共に、高い進入量(すなわち気体の場合には中
空率)の達成可能な樹脂の成形方法、およびかかる成形
品を提供することにある。 【解決手段】 (1)金型のキャビティ側表面に樹脂成
形品1を、および金型のコア側表面に樹脂成形品2を設
置する工程(第1工程)、(2)樹脂成形品1と樹脂成
形品2の間の実質的に樹脂成形品1の表面および樹脂成
形品2の表面から構成される空間を形成する工程(第2
工程)、(3)かかる第2工程で形成された空間内に熱
可塑性樹脂(樹脂3)を300mm/sec以上の射出
速度で充填する工程(第3工程)、および(4)かかる
第3工程の充填開始後いずれかの時点で気体および/ま
たは液体からなる流体をかかる樹脂3中に注入する工程
(第4工程)からなる成形方法およびかかる成形方法か
ら得られた成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるガスアシ
スト成形など、成形品中に気体等の流体を注入すること
により成形品中に中空部を形成したり、他の流体を注入
するなどの成形方法に関する。詳しくはガスアシスト成
形などにおいて、金型のキャビティ、およびコアの両面
に樹脂成形品をインサートした状態で、かつ特定の速度
以上で樹脂の充填を行うことにより、成形品の長さ方向
における流体の進入量の差異を低減し(すなわち肉厚の
差異を低減し)、かつ高い流体進入量(気体の場合であ
れば中空率)を達成することが可能な成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、製品の軽量化などの高付加価値化
を図るため、ガスアシスト成形により成形品に中空部を
形成する方法が広く知られている。かかる中空部の形成
は理想的には成形品の全体にわたり均一なことが望まれ
る。すなわちゲート部から流動末端まで、成形品の実肉
厚の変化の少ないことが望まれる。一方でより高い軽量
化などを達成するために中空率をより高くすることも望
まれている。
【0003】しかしながら現実には、ゲート部は気体の
進入量が多く、流動末端にいくに従い、進入量が減少
し、すなわち肉厚が流動末端では厚く、ゲート部では薄
くなることが避けられないのが現状である。一方中空率
を高めるためには気体を流入する圧力や量を増加させる
こととなるが、かかる方法では気体が成形品を突き破
る、いわゆる孔開きが生じかかる点に関しても十分では
ない。
【0004】かかる点に関しては、一方では樹脂や樹脂
組成物の内容を見直す手法も提案されているが、汎用性
が高い方法とはいえないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、成形
品全体にわたって均一な流体の進入がなされると共に、
高い進入量(すなわち気体の場合には中空率)の達成可
能な樹脂の成形方法、およびかかる成形品を提供するこ
とにある。本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討
を重ねた結果、ガスアシスト成形において金型キャビテ
ィおよび金型コアの両表面側に予め樹脂成形品をインサ
ートすると共に、その間に樹脂を特定の射出速度以上の
高速で充填し、気体を注入すると、均一な気体の進入が
成されると共に、高い気体圧力に対しても安定した気体
の進入がなされることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)金型の
キャビティ側表面に樹脂成形品1を、および金型のコア
側表面に樹脂成形品2を設置する工程(第1工程)、
(2)樹脂成形品1と樹脂成形品2の間の実質的に樹脂
成形品1の表面および樹脂成形品2の表面から構成され
る空間を形成する工程(第2工程)、(3)かかる第2
工程で形成された空間内に熱可塑性樹脂(樹脂3)を3
00mm/sec以上の射出速度で充填する工程(第3
工程)、および(4)かかる第3工程の充填開始後樹脂
成形品を金型キャビティから取出すまでのいずれかの時
点で気体および/または液体からなる流体をかかる樹脂
3中に注入する工程(第4工程)からなる成形方法およ
びその製品に関するものである。
【0007】本発明は、いわゆるガスアシスト成形など
の樹脂中に気体および/または液体などの流体を注入す
る成形方法を基本とするものである本発明ではあらかじ
め前工程で作成された樹脂成形品について、樹脂成形品
1を金型キャビティ側表面に、樹脂成形品2を金型コア
側表面に装着することを第1工程とする。尚、本発明に
おける金型キャビティ側表面とは、固定側金型における
金型キャビティ表面をさし、金型コア側表面とは可動側
金型における金型キャビティ表面をさす。また金型キャ
ビティとは金型において成形品本体(ランナー、スプル
ーを除く)を得るため樹脂を充填する部分をさす。
【0008】ここで樹脂成形品1および樹脂成形品2は
それぞれ各種の成形方法により得られた樹脂成形品を使
用することができる。例えば成形方法としては、射出成
形、押出成形、回転成形、圧縮成形、インフレーション
成形、連続キャスト成形、セルキャスト成形など任意の
成形法が挙げられ、その後2次成形法として真空成形、
熱成形なども挙げられる。
【0009】またかかる成形品形状としては目的に応じ
て任意の形状が取り得るが、本発明で好ましいのはかか
る平均厚みが200μm以上のものである。かかる厚み
以上であると充填された樹脂3に対して断熱効果を発揮
すると共に、固体化した樹脂成形品1および樹脂成形品
2の層が気体などの流体の圧力に対抗し、かかる圧力の
幅に対する自由度が広がるためである。より好ましくは
平均厚みが300μm以上であり、また上限としては2
000μm以下が好ましく、より好ましくは1000μ
m以下である。ここで平均厚みとは、かかる空間の体積
をその表面積で除することにより得られるものである。
【0010】更に本発明においてより好ましい成形品形
状としては肉厚のほぼ均一なシートなどの板状成形品、
およびかかるシートを2次加工して得られた成形品を挙
げることができる。
【0011】またかかる樹脂成形品1および樹脂成形品
2の金型内への設置方法としては、かかる樹脂成形品に
静電気を付与して金型のキャビティ表面またはコア表面
に装着する方法、樹脂成形品を金型内に設けられた吸引
溝から真空ポンプ等により吸引することにより金型のキ
ャビティ表面またはコア表面に装着する方法、樹脂成形
品のゲート部やタブ部などに予め穴あけ加工を施してお
き、金型キャビティ表面やコア表面に設けたピンなどを
用いて装着する方法、樹脂成形品のタブ部などに鉄片等
を貼り付けるとともに、金型キャビティ表面やコア表面
に予め磁石を埋め込んで装着する方法等、その他従来公
知の方法を利用することができる。
【0012】樹脂成形品1または樹脂成形品2を形成す
る樹脂としては、各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が
使用可能である。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレンコポ
リマー、ポリスチレン樹脂、ジエン系ゴムにシアン化ビ
ニル化合物および芳香族ビニル化合物をグラフトした熱
可塑性グラフト重合体(いわゆるABS樹脂)、エチレ
ン−プロピレンコポリマーにシアン化ビニル化合物およ
び芳香族ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト
重合体(いわゆるAES樹脂)、アクリル弾性体にシア
ン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物をグラフト
した熱可塑性グラフト重合体(いわゆるASA樹脂)、
シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物との共重合
体(いわゆるAS樹脂)、ポリメチルメタクリレート等
のアクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド
樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、全芳香族ポリエステル
樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリア
リーレンスルフィド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、
ポリイソブチレン、スチレン系、オレフィン系、ウレタ
ン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の各種熱可塑性
エラストマー類、ポリイソブチレン、環状ポリオレフィ
ン樹脂、またはこれらポリマーの共重合体、混合物、変
性物等があげられる。また各種の充填材や添加剤を含ん
だものも使用可能である。
【0013】また熱硬化性樹脂としては、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ノゾルシノール樹脂、
ビニル・フェノリック樹脂、ニトリル・フェノリック樹
脂、エポキシ・フェノリック樹脂、ナイロン・エポキシ
樹脂、ニトリル・エポキシ樹脂、エポキシ樹脂、変性ア
クリル樹脂、シアノアクリレート樹脂、各種ポリウレタ
ン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂、アク
リル樹脂、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネ
ート)樹脂などの代表的な熱硬化性樹脂を挙げることが
でき、これらを基本とした各種のモノマーの共重合体、
混合物、変性物などの熱硬化性樹脂を使用することも可
能である。また各種の充填材や添加剤を含んだものも使
用可能である。
【0014】更にかかる樹脂成形品には予めハードコー
トや印刷などの処理を行ったものを利用することができ
る。
【0015】本発明において樹脂シート上にハードコー
ト膜として架橋皮膜を形成する化合物には公知のハード
コート剤を使用することができる。ハードコート剤とし
ては表面硬度の高い樹脂、例えばアクリル系、メラミン
系、ウレタン系、エポキシ系、これらの他、シリコーン
系ハードコート剤としてオルガノシロキサン樹脂中のシ
ロキサン結合によってガラスと同等のハードコート性を
持たすことができるもの等公知のものが使用できる。
【0016】また、硬化方法も紫外線硬化、熱硬化、電
子線硬化、赤外線照射、熱風乾燥等公知の方法をそれぞ
れ単独で使用してもよいし併用することもできる。かか
る場合に、特に上記で示した局所的に樹脂シートの延伸
倍率が高くなる場合には、ハードコート剤を完全に硬化
させない程度に硬化させた後、付形をせずに、または付
形をして成形を行い多層構造成形品とした後、ハードコ
ート剤を完全に硬化させるとの方法もとることができ
る。またハードコート剤自体を一部架橋構造を有するゲ
ル状またはゾル状として塗付し、その後付形をせずに、
または付形をして成形を行い多層構造成形品とした後、
ハードコート剤を完全に硬化させるとの方法もとること
ができる。
【0017】また樹脂材料がポリカーボネート、耐熱ア
クリル系樹脂の場合は、ハードコート剤と該樹脂の間に
双方に付着性良好なプライマー層を設けることが特に好
ましく、特に限定されるものではないが例えば、紫外線
吸収剤を含むアクリル系樹脂等を使用することができ
る。
【0018】ハードコート膜形成性原料の塗布方法とし
ては、バーコート法、スプレーコート法、ロールコート
法等公知の方法が使用できる。このようにして得られた
積層用シートの厚みは成形品にした時の外観、耐衝撃
性、耐擦傷性や耐候性等の性能により決定される。また
その厚みは1〜50μmが好ましく、更に3〜30μm
である。ハードコート膜の厚みが1μmより薄いと充分
な耐擦傷性が得られなくなり、また50μmより厚いと
塗膜の可とう性が低下し折り曲げ等によりクラックが発
生する。塗布に際し、ハードコート膜形成性原料に希釈
剤として有機溶剤を添加することもできる。使用できる
有機溶剤としては、酢酸ブチル、酢酸エチル、トルエ
ン、イソプロパノール等が挙げられる。その使用量は、
プライマー層について固形分濃度が1〜50重量%の範
囲となることが好ましく、またハードコート膜形成原料
においては固形分濃度が1〜70重量%、より好ましく
は3〜30重量%であることが好ましい。ハードコート
膜形成性原料には必要に応じてレベリング剤、帯電防止
剤、離型剤、艶消し剤、無機フィラー等添加することが
できる。
【0019】本発明において樹脂シート上の一部に印刷
により文字や模様を形成して使用することも可能であ
る。
【0020】印刷方法としては、グラビヤ印刷、平板印
刷、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、パット印
刷、スクリーン印刷などの従来公知の印刷方法を製品形
状や印刷用途に応じて使用することができる。
【0021】印刷で使用する印刷インキの構成として
は、主成分として樹脂系と油系などを使用することが可
能であり、樹脂系としては、ロジン、ギルソナイト、セ
ラック、コパールなどの天然樹脂やフェノール系および
その誘導体、アミノ系樹脂、ブチル化尿素、メラミン樹
脂、ポリエステル系アルキッド樹脂、スチレン樹脂、ア
クリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリカーボネート樹脂、飽和ポリエステル樹
脂、非晶性ポリアリレート樹脂、非晶性ポリオレフィン
樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合物、ブチラール樹脂、メチルセルロー
ス樹脂、エチルセルロース樹脂、ウレタン樹脂などの合
成樹脂が使用することができる。特に界面側に印刷をす
る場合には、耐熱性の高いインキ成分が必要であり、か
かる場合の樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、非晶
性ポリアリレート樹脂などが好ましく挙げられる。また
印刷インキに顔料や染料などにより所望の色に調整する
ことができる。
【0022】一方、その他の表面処理としては、フッ素
系や撥水・撥油性コートや、光触媒等による親水性コー
トをすることも可能である。
【0023】本発明では上記第1工程の後、樹脂成形品
1と樹脂成形品2の間の実質的に樹脂成形品1の表面お
よび樹脂成形品2の表面から構成される空間を形成する
工程を第2工程として行う。かかる工程は第1工程によ
り樹脂成形品1および樹脂成形品2をそれぞれ金型内に
設置した後、金型を閉じ、それにより上記第2工程の実
質的に閉じた空間が形成される。
【0024】本発明では更にかかる第2工程の後、第2
工程で形成された空間内に熱可塑性樹脂(樹脂3)を3
00mm/sec以上の射出速度で充填する工程を第3
工程として行う。より好ましくは350mm/sec以
上の射出速度である。かかる高速の充填を行うことによ
り、金型内の樹脂3はゲート部から流動末端部までほぼ
同等の温度となる他、樹脂成形品1および樹脂成形品2
の断熱効果によりより均一な温度分布および以後の熱履
歴を有することが可能となる。これにより流動末端に至
るにしたがって樹脂温度が低下し、固化層の形成割合が
高くなることによる流体の侵入程度のバラツキが抑制さ
れ、均一な肉厚の成形品を結果として得ることが可能と
なる。特にかかる効果は樹脂3の層の厚みが薄い場合に
より顕著であり、樹脂3の層の平均厚みが5mm以下と
なるものが本発明では好ましい態様として挙げられ、よ
り好ましくは4.5mm以下、特に好ましくは4mm以
下であり、下限は1mm程度を目安とする。
【0025】本発明の第3工程においては、300mm
/sec以上の射出速度を有することを条件とし、好ま
しくは350mm/sec以上、特に好ましくは400
mm/sec以上である。速度の上限としては800m
m/sec程度を目安とする。300〜800mm/s
ecの範囲では、本発明の目的を達成すると共に、高速
化により成形品に発生するヤケも少ない良好な成形品を
得ることが可能となる。尚ここでいう射出速度とは、金
型キャビティ内への充填開始から終了までの平均速度を
いい、必ずしも一定速度である必要はなく、多段階の射
出速度による成形も可能である。
【0026】300mm/sec以上の射出速度を達成
するためには、アキュームレーターの容量を増大した
り、モーターの馬力を増大したりするなどの方法により
射出馬力を増加させることが基本となるが、極めて高速
度および短時間におけるスクリュー速度および位置の制
御や応答を達成するため射出シリンダの構造や油圧制御
システム、モーター制御システム等を適正化することも
必要となる。かかる方式としては現在公知の各種方法を
取ることができる。
【0027】また動力源としては油圧ポンプによる方式
であっても電動モーター(リニア型モーターを含む)に
よる方式であってもよいが、大型の成形品に対しては油
圧ポンプによる方式がより好ましい。更に射出装置は、
一般的な可塑化スクリュの前進によるインライン方式、
可塑化スクリュと充填用のプランジャーが別となったい
わゆるプリプラ方式のいずれも使用可能である。
【0028】一方、金型の面においても、金型内のガス
抜きが円滑に進むよう十分なガス抜きの溝を形成したも
のや、また多孔質の焼結金属や、ベント孔を通して真空
ポンプ等による減圧を行うものが好ましく使用できる。
【0029】尚、樹脂3としては上記の樹脂成形品1ま
たは樹脂成形品2に使用され得る熱可塑性樹脂およびそ
れらの組成物と同様のものが使用できる。
【0030】本発明では更に上記第3工程の充填開始後
樹脂成形品を金型キャビティから取り出すまでのいずれ
かの時点で気体および/または液体からなる流体をかか
る樹脂3中に注入する工程を第4工程として行う。これ
により樹脂の内部に、通常使用される窒素等の気体であ
れば中空部が形成された成形品が、また他の流体であれ
ばかかる流体により内部が処理されたまたはかかる流体
で満たされた成形品が得られ、目的とする成形体を得る
ことが可能となる。本発明においては特に窒素などの気
体を使用したいわゆるガスアシスト成形の場合が好まし
い。
【0031】ここで充填開始後樹脂成形品を金型キャビ
ティから取出すまでのいずれかの時点とは、(1)樹脂
充填開始後流体の注入を開始し樹脂の充填と並行して行
う方法、(2)樹脂の充填終了後遅延時間を取ることな
く、または一定の遅延時間を取った後流体の注入を開始
する方法のいずれもが可能であり、またかかる流体の注
入は金型キャビティから樹脂成形品を取出すまでの間で
あることを意味する。かかる中でも上記(2)の方法が
流体の樹脂中への侵入が安定するため好ましく、特に特
定の遅延時間を取ることが好ましい。かかる場合には流
動に伴う樹脂中の歪みがある程度緩和され、より流体の
侵入が安定するためである。またかかる遅延時間は目的
とする流体の侵入量により適宜設定されるものである
が、通常は0.1秒以上程度を目安とする。
【0032】本発明中の流体を注入する方法としては、
従来の各種方法を使用することができる。具体的には樹
脂3を射出開始後、射出注入口或いは他の吹き込み口か
ら流体を圧入する方法が一般的に使用される。圧入する
流体としては特に不活性ガスが好ましく使用され、その
種類は、成形時および成形品使用時に樹脂と反応性を有
しないガスであれば特に制限されるものではなく、例え
ば窒素、空気などの反応性の低いガス、ヘリウム、アル
ゴン、ネオン、クリプトンなどの希ガス、或いはこれら
の混合ガスが好ましい。圧入する流体の注入圧力につい
ては、常圧以上であれば特に制限されるものではない
が、低すぎると保圧効果が少なく、高すぎるとガスが成
形品を突き破ってしまう、或いはガスボンベ以外に特別
な耐圧装置が必要になるといった問題が生じる為、通常
5〜30MPaが好ましい。圧入ガスの温度について
も、通常常温で用いられることが多いが、溶融樹脂と同
温、或いはそれ以上に加熱されているものでもよく、一
方、常温以下に冷却されているものであっても差し支え
ない。
【0033】また本発明で使用する金型キャビティは、
より高い中空率を達成するため適宜捨てキャビ部を有す
るものであってもよく、高い中空率を達成するためには
捨てキャビ部を設けることが好ましい。本発明において
はかかる捨てキャビ部においても樹脂成形品が設置され
ていることがより安定した中空状態を達成できる点で好
ましい。また樹脂成形品が設置されない場合であって
も、樹脂成形品と同程度の熱伝導率を有する材料でかか
るキャビティ部分が構成されていることが好ましく、か
かる材料としては具体的には熱伝導率が0.05〜1W
/m・Kの樹脂、ガラス、セラミック、金属類を挙げる
ことができ、より好ましくは、0.1〜0.8W/m・
K、更に好ましくは0.1〜0.7W/m・Kのもので
ある。
【0034】上記の第1工程〜第4工程を経て得られた
成形品は、例えば中空成形品の場合であれば、成形品全
体にわたって肉厚の変化が少ない利点がある。かかる点
は成形品が大型となったり、または成形品の肉厚が薄く
なった場合に特に効果的である。かかる点により本発明
で得られた成形品は軽量化においても強度の不均一さが
少なく、また中空部に各種の化合物を充填することで異
なる意匠や光学的機能を付与する場合にあっても外観
上、性能上の均一性を保持することが可能となり有用で
ある。例えば、中空部にフォトクロミック性を有する化
合物を充填し、光反応性を有する製品を作成することな
どが挙げられる。
【0035】本発明においては特に樹脂成形品1、樹脂
成形品2、および樹脂3のいずれもが透明性を有する場
合が好ましい態様としてあげられ、かかる態様には上記
のフォトクロミック材料を含有するなど特定条件下での
み透明性を有するものも含まれる。また樹脂成形品が電
界応答性液晶や、フォトクロミック化合物の混合等によ
る層を有するものであってもよい。更に成形品全体の平
均厚みとしては10mm以下のものがより好ましく、本
発明の効果を発揮しやすい。
【0036】また樹脂成形品1、樹脂成形品2はその樹
脂3と接する面において立体的パターンを有するものも
使用可能である。ここで立体的パターンとは、表面から
光学的な変化や不均一性を視認できる立体状の凹凸をい
い、かかる形状としては、文字、図形、記号やそれらの
結合のいずれであってもよい。更にかかる形状は意匠性
のみならず、レンチキュラーレンズや拡散起点となり得
るドットの集合などの光学的に利用可能な規則的な図形
も含まれる。またかかる立体状の凹凸は、必ずしもかか
る凹凸自体を肉眼で認め得るものである必要はなく、か
かる凹凸によるプリズム効果などにより、通常の平面で
は得られない光学的な効果(虹色光を呈するなど)を有
するものであればよい。
【0037】本発明の成形方法においては、より好まし
い樹脂として透明性に優れるポリメチルメタクリレート
などのポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレ
ート樹脂などを挙げることができる。
【0038】本発明におけるポリカーボネート樹脂と
は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面
重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたも
のの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換
法により重合させたもの、または環状カーボネート化合
物の開環重合法により重合させて得られるものである。
【0039】ここで使用される二価フェノールの代表的
な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノール
A)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビ
ス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェ
ニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベン
ゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチ
ルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルエステルなどがあげられ、これらは
単独または2種以上を混合して使用できる。
【0040】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選
ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単
独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノ
ールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
とビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ
−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベ
ンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
【0041】特に第1層および第2層の樹脂としては、
機械的強度、耐熱性に優れるビスフェノールAの単独重
合体が好ましく、第2層の樹脂としては耐熱性等に加え
て低吸水性であり、制振性に優れる1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンとα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体を挙げるこ
とができる。
【0042】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートな
どが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボ
ネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが
挙げられる。
【0043】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応
させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必
要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防
止剤などを使用してもよい。またポリカーボネート樹脂
は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐
ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族
の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボ
ネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボ
ネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよ
い。
【0044】三官能以上の多官能性芳香族化合物として
は、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−
ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニ
ル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,
6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,
3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4
−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノー
ルなどのトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリ
フェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸および
これらの酸クロライドなどが挙げられ、中でも1,1,
1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,
1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0045】界面重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機
溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられ
る。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベ
ンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。また、
反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n
−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチル
ホスホニウムブロマイドなどの第三級アミン、第四級ア
ンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物などの触
媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜
40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpH
は9以上に保つのが好ましい。
【0046】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用
され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単
官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているの
で、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。か
かる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール
または低級アルキル置換フェノールであって、下記一般
式(1)で表される単官能フェノール類を示すことがで
きる。
【0047】
【化1】
【0048】(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9
の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換
アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整
数である。) 上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミル
フェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられ
る。
【0049】また、他の単官能フェノール類としては、
長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換
基として有するフェノール類または安息香酸クロライド
類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も
示すことができる。これらのなかでは、下記一般式
(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換
基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0050】
【化2】
【0051】
【化3】
【0052】(式中、Xは−R−O−、−R−CO−O
−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合ま
たは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族
炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。)
【0053】かかる一般式(2)の置換フェノール類と
してはnが10〜30、特に10〜26のものが好まし
く、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデ
シルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシ
ルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフ
ェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフ
ェノールなどを挙げることができる。
【0054】また、一般式(3)の置換フェノール類と
してはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である
化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26
のものが好適であって、その具体例としては例えばヒド
ロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、
ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸
ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロ
キシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリア
コンチルが挙げられる。
【0055】末端停止剤は、得られたポリカーボネート
樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少
くとも10モル%末端に導入されることが望ましい。よ
り好ましくは全末端に対して末端停止剤が80モル%以
上導入されること、すなわち二価フェノールに由来する
末端の水酸基(OH基)が20モル%以下であることが
より好ましく、特に好ましくは全末端に対して末端停止
剤が90モル%以上導入されること、すなわちOH基が
10モル%以下の場合である。また、末端停止剤は単独
でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0056】溶融エステル交換法による反応は、通常二
価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換
反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカ
ーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成す
るアルコールまたはフェノールを留出させる方法により
行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノ
ールの沸点などにより異なるが、通常120〜350℃
の範囲である。反応後期には系を1.33×103〜1
3.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフ
ェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4
時間程度である。
【0057】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネ
ート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネー
トなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが
好ましい。
【0058】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属化合物、水
酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム
などのアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの含窒
素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のア
ルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機
酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム
化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機
スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アン
チモン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジ
ルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステ
ル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触
媒は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて
使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の
二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10 -8
1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10
-4当量の範囲で選ばれる。
【0059】更に溶融エステル交換法においては、失活
剤を用いて重合後残存する触媒の活性を中和しておくこ
とが望ましい。かかる失活剤としては、ベンゼンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メ
チル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸
ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホ
ン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−ト
ルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチ
ル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンス
ルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、
トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル−スル
ホン化スチレン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸
−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスル
ホン酸−2−フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テト
ラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブ
チルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テト
ラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼン
スルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアン
モニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシ
ルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェ
ート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデ
シルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシル
ジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テト
ラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テ
トラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシル
トリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テ
トラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェー
ト、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフ
ェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサ
ルフェートなどの化合物を挙げることができるが、これ
らに限定されず、またこれらの化合物は2種以上併用す
ることもできる。
【0060】中でもホスホニウム塩もしくはアンモニウ
ム塩型のものが好ましい。かかる触媒の量としては、残
存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用
いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネート樹脂
に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましく
は0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜
100ppmの割合で使用する。
【0061】また、かかる重合反応において、フェノー
ル性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるい
は終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニト
ロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)
カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、
ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニル
フェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネー
ト、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート
およびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネー
トなどの化合物を加えることができる。なかでも2−ク
ロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカル
ボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキ
シカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好まし
く、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカー
ボネートが好ましく使用される。
【0062】ポリカーボネート樹脂の分子量は特定され
ないが、分子量が10,000未満であると高温特性な
どが低下し、40,000を超えると成形加工性が低下
するようになるので、粘度平均分子量で表して10,0
00〜40,000のものが好ましく、13,000〜
30,000のものが特に好ましい。また、ポリカーボ
ネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。本発
明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポ
リカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液か
ら求めた比粘度(ηSP)を次式に挿入して求める。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0063】本発明の第1層、第2層および第3層を形
成する樹脂等には離型剤を配合することができ、こうす
ることは離型時の歪みを抑制できる点で好ましい結果を
与える。特に熱可塑性樹脂に配合することが好ましい。
離型剤としては飽和脂肪酸エステルが一般的であり、例
えばステアリン酸モノグリセライドなどのモノグリセラ
イド類、デカグリセリンデカステアレートおよびデカグ
リセリンテトラステアレート等のポリグリセリン脂肪酸
エステル類、ステアリン酸ステアレートなどの低級脂肪
酸エステル類、セバシン酸ベヘネートなどの高級脂肪酸
エステル類、ペンタエリスリトールテトラステアレート
などのエリスリトールエステル類が使用される。離型剤
は樹脂100重量部当り0.01〜1重量部用いられ
る。
【0064】また、本発明の樹脂には必要に応じてリン
系熱安定剤を加えることができる。特に熱負荷の高い熱
可塑性樹脂、特に重縮合により生成する樹脂には好まし
く配合される。リン系熱安定剤としては、ホスファイト
化合物およびホスフェート化合物が好ましく使用され
る。ホスファイト化合物としては、例えばトリフェニル
ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ト
リス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスフ
ァイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノ
フェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスフ
ァイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モ
ノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニ
ルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,
2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール
ジホスファイトなどのホスファイト化合物が挙げられ
る。これらのうち、トリスノニルフェニルホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好まし
く、特にトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ホスファイトが好ましい。
【0065】一方、熱安定剤として使用されるホスフェ
ート化合物としては、例えばトリブチルホスフェート、
トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジル
ホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェ
ート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホス
フェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホ
スフェートなどが挙げられ、なかでもトリフェニルホス
フェート、トリメチルホスフェートが好ましい。
【0066】更にその他のリン系熱安定剤としては、テ
トラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−
4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’
−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニ
レンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−4−ビフェニレンホスホナイトなどの
ホスホナイト化合物も好ましく使用することができる。
【0067】前記リン系熱安定剤は、単独で使用しても
よく、また2種以上を組合せて使用してもよい。リン系
熱安定剤は、本発明の樹脂100重量部に対し、0.0
001〜1重量部、好ましくは0.001〜0.5重量
部、特に好ましくは0.005〜0.2重量部の範囲で
使用するのが適当である。
【0068】本発明の樹脂には、酸化防止の目的で通常
知られた酸化防止剤を添加することができる。特に付加
重合により生成する樹脂には好ましく配合される。その
例としてはフェノール系酸化防止剤を示すことができ、
具体的には例えばトリエチレングリコール−ビス(3−
(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート)、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ペンタエリス
リトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル
ホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシ
アヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−
[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカ
ンなどが挙げられる。これら酸化防止剤の好ましい添加
量の範囲は、樹脂100重量部に対し、0.0001〜
1重量部、好ましくは0.001〜0.5重量部であ
る。
【0069】耐候性の向上および有害な紫外線をカット
する目的で、本発明の第1層〜第3層のいずれかの樹脂
に更に紫外線吸収剤や光安定剤を配合することができ
る。特に第1層の樹脂シート部、および第2層の樹脂に
多量に配合すると共に、第3層にも少量の配合をする処
方が好ましい。かかる処方をすることにより車両用グレ
ージング材料、ヘッドランプやウインカー材料など屋外
で使用されかつ透明性が重要とされる用途においても、
第1層または第2層を表側として使用し良好な耐候性を
達成することが可能となる。
【0070】紫外線吸収剤としては、例えば2,2’−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代表され
るベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および例えば2−
(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシ
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メ
チレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フ
ェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベン
ゾトリアゾールおよび2−(3,5−ジ−tert−ア
ミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールに
代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が例示さ
れる。更にビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒン
ダードアミン系の光安定剤も使用することが可能であ
る。これらは単独で用いても、二種以上併用してもよ
く、紫外線吸収剤と光安定剤の併用は特に好ましい態様
として挙げられる。これら紫外線吸収剤、光安定剤の好
ましい添加量の範囲は、樹脂100重量部に対し、0.
0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量
部である。
【0071】また、本発明の透明性を有する熱可塑性樹
脂には紫外線吸収剤などに基づく黄色味を打ち消すため
にブルーイング剤を配合することができる。特にポリカ
ーボネート樹脂に対して有用である。具体的なブルーイ
ング剤としては、例えば一般名Solvent Vio
let13[CA.No(カラーインデックスNo)6
0725;商標名 バイエル社製「マクロレックスバイ
オレットB」、三菱化学(株)製「ダイアレジンブルー
G」、住友化学工業(株)製「スミプラストバイオレッ
トB」]、一般名Solvent Violet31
[CA.No68210;商標名 三菱化学(株)製
「ダイアレジンバイオレットD」]、一般名Solve
nt Violet33[CA.No60725;商標
名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルーJ」]、一
般名Solvent Blue94[CA.No615
00;商標名 三菱化学(株)製「ダイアレジンブルー
N」]、一般名Solvent Violet36[C
A.No68210;商標名バイエル社製「マクロレッ
クスバイオレット3R」]、一般名SolventBl
ue97[商標名 バイエル社製「マクロレックスブル
ーRR」]および一般名Solvent Blue45
[CA.No61110;商標名 サンド社製「テトラ
ゾールブルーRLS」]、チバ・スペシャリティ・ケミ
カルズ社のマクロレックスバイオレットやトリアゾール
ブルーRLS等があげられる。
【0072】本発明の樹脂に配合可能な添加剤などとし
ては、例えば補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラス
トナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビー
ズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレー
ク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボ
ンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コ
ートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラ
スフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊
維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊
維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイ
スカーなど)、難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル
系、金属塩系、赤リン、シリコン系、フッ素系、金属水
和物系など)、耐熱剤、着色剤(カーボンブラック、酸
化チタンなどの顔料、染料)、光拡散剤(アクリル架橋
粒子、シリコン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カ
ルシウム粒子など)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染
料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有
機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒
子酸化亜鉛など)、グラフトゴムに代表される衝撃改質
剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤を配合すること
ができる。
【0073】更に本発明の熱可塑性樹脂は、製品または
部品として形成済みの樹脂、いわゆるリサイクル材を使
用することも可能である。かかるリサイクル材には着色
のための塗装、耐摩耗性、帯電防止性、熱線吸収などの
各種機能性コーティング、蒸着、スパッタリング、メッ
キなどによる金属膜などの積層膜が形成されている場合
も多いが、これらは積層膜をつけたままでの使用も、積
層膜を一部または全部除去しての使用もいずれも可能で
ある。
【0074】例えばポリカーボネート樹脂を基板とする
光情報記録媒体をリサイクル材として使用する場合、こ
れらは粉砕処理などをしてそのまま使用すること、およ
びかかる粉砕処理したものと、他の熱可塑性樹脂材料、
および/または他の熱可塑性樹脂材料のリサイクル材と
混合することにより使用することができる。
【0075】一方該光情報記録媒体から情報記録層、反
射層や保護コート層を樹脂基板から選択的に除去し、樹
脂自体を回収して使用することも可能であり、かかる除
去方法として以下に示すいくつかの提案された方法を使
用することができる。
【0076】(i)特開平4−305414号公報(欧
州特許第476,475号、米国特許第5,151,4
52号)、特開平5−200379号公報(欧州特許第
537,567号、米国特許第5,214,072号)
および特開平6−223416号公報(欧州特許第60
1,719号、米国特許第5,306,349号):こ
れらの方法は被覆された樹脂板を、例えば酸またはアル
カリの水溶液で化学的に処理する方法である。
【0077】(ii)特開平5−345321号公報:
この方法は、被覆された樹脂板を長時間熱水中に浸漬す
る方法である。
【0078】(iii)特開平5−210873号公報
および米国特許第5,203,067号:これらの方法
は、被覆された樹脂板の被覆層表面を機械的に刃物や研
磨材を用いて切削、研磨して除去する方法である。
【0079】(iv)特開平10−52823号公報お
よび特開平10−58450号公報:かかる方法は圧延
した記録媒体を加熱水と接触させることにより塗膜を剥
離、除去することにより、基板樹脂を回収する方法であ
る。かかる方法は特に低コストであり、品質、回収率に
おいても良好な方法である。
【0080】その他、光情報記録媒体の表面をブラスト
処理する方法、光情報記録媒体に超音波を照射させる方
法(特開平11−34057号)などを挙げることがで
きる。
【0081】本発明では、前記の特定の成形方法を使用
することにより、多層構造製品を射出成形により効率的
に製造することが可能となるが、大型の多層構造成形品
に好適なものである。
【0082】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に説明する。評価は下記の方法によった。 (1)樹脂層の肉厚評価 ゲート側、および流動末端側のそれぞれ3点の部分につ
き、かかる点を切断した断面から顕微鏡観察により樹脂
成形品1および樹脂成形品2の間に充填された樹脂3の
厚みを測定した。かかる厚みはキャビティ側およびコア
側の合計値であり、3点の平均値として算出した。尚、
測定サンプル数をn=10とした。 (2)ガスの突き抜け 10ショット中に成形品にガスの突き抜け、すなわち成
形品本体の孔開きまたは捨てキャビ部までのガス侵入が
認められたものは「×」、認められないものは「○」で
表記した。
【0083】また、実施例において用いた熱可塑性樹脂
組成物、および熱可塑性樹脂シートは以下のとおりであ
る(以下の説明ではかかる符号を使用する)。 (熱可塑性樹脂) PC−1:ビスフェノールAとホスゲンから常法によっ
て作られた粘度平均分子量21,000のポリカーボネ
ート樹脂98.7697重量部に、マクロレックス バ
イオレットB(バイエル社製)0.0003重量部、ケ
ミソーブ79(ケミプロ化成(株)製)1重量部、Sa
ndstab P−EPQ(サンドズ(Sandoz)
社製)0.03重量部、およびペンタエリスリトールテ
トラステアレート0.2重量部を配合した樹脂組成物。 PC−2:粘度平均分子量15,100、吸水率0.2
0重量%で二価フェノール成分がビスフェノールAのポ
リカーボネート樹脂基板(1.2mm)/アルミ蒸着層
(0.1μm)/UVコート層(5〜10μm)/レー
ベル印刷層(20μm)の構成からなる樹脂基板(直径
12cm)を粉砕することにより得られた粉砕品50重
量部とポリメチルメタクリレート樹脂(旭化成工業
(株)製 デルペット80N)50重量部を270℃で
溶融混合(径30mmφのベント式二軸押出機;(株)
日本製鋼所TEX30XSSTを使用)して得られた樹
脂組成物。
【0084】(樹脂シート) PC−S:以下の製造法により得られたポリカーボネー
ト樹脂シート。すなわち、ビスフェノールAとホスゲン
から常法によって作られた粘度平均分子量25,000
のポリカーボネート樹脂100重量部に、Irgafo
s168(日本チバガイギー(株)製)0.02重量
部、およびペンタエリスリトールテトラステアレート
0.2重量部、および、UV吸収剤としてケミソーブ7
9(ケミプロ化成(株)製)1重量部、マクロレックス
バイオレットB(バイエル社製)0.0003重量部を
配合し、1330Paの減圧下、280℃でギアポンプ
を有するTダイ押出成形機により溶融押出して厚み0.
5mmのポリカーボネート樹脂シートを得た。その後一
方の表面にシリコンハードコート処理を施した。
【0085】(ハードコート処理方法)還流冷却器及び
撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にメチルメタ
クリレート(以下MMAと略称する)70部、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート(以下HEMAと略称す
る)39部、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIB
Nと略称する)0.18部及び1,2−ジメトキシエタ
ン200部を添加混合し、溶解させた。次いで、窒素気
流中70℃で6時間攪拌下に反応させた。得られた反応
液をn−ヘキサンに添加して再沈精製し、MMA/HE
MAの組成比70/30(モル比)のコポリマー(アク
リル樹脂(I))90部を得た。該コポリマーの重量平
均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GP
CA−804、溶離液;THF)からポリスチレン換算
で80,000であった。
【0086】また、メチルトリメトキシシラン142
部、蒸留水72部、酢酸20部を氷水で冷却下混合し、
この混合液を25℃で1時間攪拌し、イソプロパノール
116部で希釈してメチルトリメトキシシラン加水分解
縮合物溶液(X)350部を得た。一方、テトラエトキ
シシラン208部、0.01N塩酸81部を氷水で冷却
下混合し、この混合液を25℃で3時間攪拌し、イソプ
ロパノール11部で希釈してテトラエトキシシラン加水
分解縮合物溶液(Y)300部を得た。
【0087】次にハードコート第1層用組成物として、
前記アクリル樹脂(I)8部をメチルエチルケトン40
部、メチルイソブチルケトン20部、エタノール5.2
部、イソプロパノール14部および2−エトキシエタノ
ール10部からなる混合溶媒に溶解し、次いでこの溶液
にメチルトリメトキシシラン加水分解縮合物溶液(X)
10部を添加して25℃で5分間攪拌し、さらにかかる
溶液にメラミン樹脂(三井サイテック(株)製サイメル3
03)1部を添加して25℃で5分間攪拌し、コーティ
ング用組成物(i)を調製した。
【0088】更にハードコート第2層用組成物として、
水分散型コロイダルシリカ分散液(日産化学工業(株)
製 スノーテックス30 固形分濃度30重量%)10
0部に蒸留水12部、酢酸20部を加えて攪拌し、この
分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン13
4部を加えた。この混合液を25℃で1時間攪拌して得
られた反応液に、テトラエトキシシラン加水分解縮合物
溶液(Y)20部および硬化触媒として酢酸ナトリウム
1部を加えイソプロパノール200部で希釈してコーテ
ィング用組成物(ii)を調製した。
【0089】0.5mm厚のポリカーボネート樹脂シー
ト片面に、コーティング用組成物(i)をワイヤバーで
塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で30分間
熱硬化させた。第1層の膜厚は2.5μmだった。次い
で、該シートの被膜表面上にコーティング用組成物(i
i)を更にワイヤバーで塗布し、25℃で20分間静置
後、120℃で2時間熱硬化させた。第2層の膜厚は
5.0μmだった。PMMA−S:ポリメチルメタクリ
レート樹脂(旭化成工業(株)製、デルペット80N
B)を1330Paの減圧下、270℃でギアポンプを
有するTダイ押出成形機により溶融押出して得られた厚
み0.4mmの樹脂シート。
【0090】[実施例1]前述のPC−1を120℃で
5時間熱風乾燥機を用いて乾燥した後、800mm/s
ecの射出速度を達成可能なシリンダ内径45mmφの
射出装置を備えた超高速射出成形機(住友重機械工業
(株)製SG260M−HP)を使用し、成形を行っ
た。
【0091】樹脂の充填前に金型キャビティ表面側およ
びコア表面側のそれぞれにかかる大きさに切り揃えたP
C−Sを帯電させることにより装着した。ここで金型コ
ア表面側は成形品本体の大きさとし、キャビティ表面側
のシートは捨てキャビ部までを含む大きさとした。一方
捨てキャビ部のキャビティ表面側の部分は断熱層とする
ためテイジンアモコエンジニアリングプラスチックス
(株)製、トーロン4203Lのポストキュア済みの成
形品をL字型の棒状に切削および鏡面研磨し、かかる一
方の面に厚さ100μmのニッケル薄膜を、シアノアク
リレート系接着剤を使用して金属層を形成し、均一な面
としたものである。
【0092】金型を閉じた状態で真空ポンプ(日本真空
技術(株)製ULVAC PMB006CMメカニカル
ブースターおよびEC803ロータリーポンプを組合わ
せたもの)を使用し、10秒間排気を行った後成形し
た。尚、排気は金型キャビティ周囲に設けられたガス抜
き用のクリアランスを通して行った。
【0093】成形条件は、シリンダー温度300℃と
し、背圧19.6MPaでガス注入前の状態で捨てキャ
ビ部の厚みが薄い部分の全体がほぼ充填される量の計量
を行い、射出速度一定の条件で射出速度350mm/s
ec(一速)とし図1に記載の成形品(捨てキャビ部を
含めて完全に充填した場合の形状)を成形した。かかる
成形品は本体の長さ210mm×幅180mm×厚み5
mmの板状成形品であり、フィルム状ゲート(ゲート部
の厚み1.5mm)を有するものである(図2参照)。
また金型温度は金型温調機を使用して70℃に保った。
射出開始からガス注入までの遅延時間を0.5秒とり、
ガス注入圧力6MPa、ガス注入時間20秒にてガスイ
ンジェクション中空射出成形を行い得られた成形品につ
いて上記に示した評価を行った。評価結果を表1に示
す。
【0094】[実施例2]ガス注入圧力を10MPaに
する以外は実施例1とほぼ同様の条件で成形を行い成形
品を得た。評価結果を表1に示す。
【0095】[実施例3]充填樹脂をPC−2とし、乾
燥温度を105℃とした以外は実施例1とほぼ同様の条
件で成形を行い、成形品を得た。評価結果を表1に示
す。
【0096】[実施例4]金型キャビティ表面側および
コア表面側に装着する樹脂シートをPMMA−Sとし、
計量を厚みに合わせて変更した以外は実施例1とほぼ同
様の条件で成形を行い、成形品を得た。評価結果を表1
に示す。
【0097】[実施例5]充填樹脂をPC−2、乾燥温
度を105℃、金型キャビティ表面側およびコア表面側
に装着する樹脂シートをPMMA−S、射出速度を40
0mm/sec、および計量を厚みに合わせて変更した
以外は実施例1とほぼ同様の条件で成形を行い、成形品
を得た。評価結果を表1に示す。
【0098】[比較例1]PC−1の射出速度を80m
m/secとした以外は実施例1とほぼ同様の条件で成
形を行い成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0099】[比較例2]PC−1の射出速度を80m
m/secとした以外は実施例2とほぼ同様の条件で成
形を行い成形品を得た。評価結果を表1に示す。
【0100】[比較例3]PC−Sを金型キャビティ側
表面およびコア側表面のいずれにも装着せず、かかる分
の計量をガス注入前の状態で捨てキャビ部の厚みの薄い
部分の全体がほぼ充填される量とした以外は実施例1と
同様に成形を行い成形品を得た。評価結果を表1に示す
と共に、成形品外観は皺状の模様が発生しており外観が
特に劣るものであった。
【0101】[比較例4]PC−Sを金型キャビティ側
表面およびコア側表面のいずれにも装着せず、かかる分
の計量をガス注入前の状態で捨てキャビ部の厚みの薄い
部分の全体がほぼ充填される量とし、また射出速度を8
0mm/secとした以外は実施例2とほぼ同様に成形
を行い成形品を得た。評価結果を表1に示すと共に、成
形品外観は皺状の模様が発生しており外観が特に劣るも
のであった。
【0102】
【表1】
【0103】表1から明らかなように、例えば、実施例
1と比較例1との比較から、特定の高速で射出すること
により中空部分の肉厚が均一なガスアシスト成形が可能
となっていることがわかる。また実施例2と比較例2と
の比較から本発明の成形法はガス圧力が高くなってもガ
スの突き抜けが生じにくく安定したガスアシスト成形な
どが可能であることがわかる。また実施例1と比較例3
との比較からも本発明の成形法がより良好な中空成形品
などを得るのに適した成形法であることが分かる。また
その他の実施例からかかる成形法が種々の材料において
容易に応用可能であることも分かる。
【0104】
【発明の効果】本発明を用いると、均一な媒体の充填が
可能であり、気体の場合には中空部分のより均一な肉厚
を達成することができ、また媒体の圧力に対する自由度
も高く、媒体の充填量を更に高めることも可能となる。
また充填量を高めた場合の外観上の不良についても低減
した成形品が得られ、その奏する工業的効果は極めて大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において使用した成形品形状の概要を表
し、捨てキャビ部まで含め全てが充填された場合の正面
図である。
【図2】板状成形体の特にゲート部分の概要を模式的に
表す側面図である。
【図3】金型構造を側面から見た概要図である。
【符号の説明】
1 板状成形品本体 2 板状成形品ゲート部分(幅:180mm) 3 板状成形品ランナー部分(幅:195mm) 4 板状成形品の幅(180mm) 5 板状成形品の長さ(210mm) 6 スプルー部 7 捨てキャビ部の長さ(25mm) 8 捨てキャビ部の厚みが薄い(2.5mm)部分の長
さ(5mm) 9 ゲート側肉厚測定点(中央部の点は中心線上、左右
の点はそれぞれ中心線から60mmの距離にある) 10 流動末端側肉厚測定点(中央部の点は中心線上、
左右の点はそれぞれ中心線から60mmの距離にある) 11 ゲート側肉厚測定点のゲート部からの距離(30
mm) 12 流動末端側肉厚測定点の成形品本体末端部からの
距離(30mm) 13 中空部の概要(点線内側が中空部) 14 板状成形品ランナー部分厚み(5mm) 15 板状成形品ランナー部分高さ(14mm) 16 板状成形品スプルーのランナー部での直径(8m
m) 17 ランナーの長さ(100mm) 18 板状成形品ゲート長さ(7mm) 19 板状成形品ゲート厚み(1.5mm) 20 板状成形品ゲート厚み(1.5mm) 21 成形品本体厚み(5mm) 22 金型コア表面側樹脂シート成形品(成形品本体部
のみ) 23 金型キャビティ表面側樹脂シート成形品(捨てキ
ャビ部まで) 24 成形品捨てキャビ部長さ−1(厚みの薄い側:5
mm) 25 成形品捨てキャビ部長さ−2(厚みの厚い側:2
0mm) 26 成形品捨てキャビ部厚み−1(厚みの薄い側:
2.5mm) 27 成形品捨てキャビ部厚み−2(厚みの厚い側:5
mm) 28 板状成形品用固定側金型 29 板状成形品用可動側金型の上側ブロック 30 板状成形品用可動側金型の下側ブロック 31 真空ポンプによる排気・減圧用の孔 32 金型コアブロック 33 中空部 34 耐熱性樹脂で作成された金型部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)金型のキャビティ側表面に樹脂成
    形品1を、および金型のコア側表面に樹脂成形品2を設
    置する工程(第1工程)、(2)樹脂成形品1と樹脂成
    形品2の間の実質的に樹脂成形品1の表面および樹脂成
    形品2の表面から構成される空間を形成する工程(第2
    工程)、(3)かかる第2工程で形成された空間内に熱
    可塑性樹脂(樹脂3)を300mm/sec以上の射出
    速度で充填する工程(第3工程)、および(4)かかる
    第3工程の充填開始後樹脂成形品を金型キャビティから
    取出すまでのいずれかの時点で気体および/または液体
    からなる流体をかかる樹脂3中に注入する工程(第4工
    程)からなる成形方法。
  2. 【請求項2】 樹脂成形品1および樹脂成形品2の平均
    厚みがいずれも200μm以上である請求項1の成形方
    法。
  3. 【請求項3】 樹脂成形品1および樹脂成形品2がいず
    れもシート状または板状成形体である請求項2の成形方
    法。
  4. 【請求項4】 樹脂3から構成される層の平均厚みが5
    mm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の成
    形方法。
  5. 【請求項5】 樹脂成形品1、樹脂成形品2、および樹
    脂3のいずれもが透明性を有するものである請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の成
    形方法から得られた成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013028063A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Canon Inc 成形品の製造方法

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