JPH11198179A - ガス加圧射出成形方法 - Google Patents
ガス加圧射出成形方法Info
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- JPH11198179A JPH11198179A JP10006929A JP692998A JPH11198179A JP H11198179 A JPH11198179 A JP H11198179A JP 10006929 A JP10006929 A JP 10006929A JP 692998 A JP692998 A JP 692998A JP H11198179 A JPH11198179 A JP H11198179A
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- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/1703—Introducing an auxiliary fluid into the mould
- B29C45/174—Applying a pressurised fluid to the outer surface of the injected material inside the mould cavity, e.g. for preventing shrinkage marks
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
よるヒケ防止を簡便な方法で完全なものとする。 【解決手段】 流動距離の長い成形品の射出成形におい
て、射出成型用金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出
し、加圧ガスを樹脂ゲート付近からガス圧入領域におけ
る成形品裏面とこれに対応するキャビティ面との間に加
圧ガスを圧入して、ガス圧入領域に対応する成形品表面
をこれに対応するキャビティ面に押圧して成形し、外観
良好な電気冷蔵庫用扉の外装パネルを得る。
Description
るもので、さらに詳しくは、キャビティ内に射出した樹
脂とキャビティ面との間への加圧ガスの圧入を伴うガス
加圧射出成形方法に関する。
匠面)側に突出した厚肉部を有する成形品を成形する場
合、冷却に伴う樹脂の収縮によって、この裏面側の厚肉
部に対応する成形品の表面(意匠面)側にひけと呼ばれ
る窪みを生じることが広く知られている。
は、射出圧力を高めると共に射出時間を延長し、溶融樹
脂の供給圧を加えながらキャビティ内の樹脂をある程度
冷却する方法(樹脂加圧法)が知られている。しかしな
がら、上記樹脂加圧法によるひけ防止は、特開昭50−
75247号公報に示されるように、成形品の肉厚等に
よって成形条件が異なるので、成形作業が煩雑になると
共に、高い樹脂圧を加えなければ十分なひけ防止を図れ
ないので、パーティング面にバリを発生させる原因とな
り、このバリ除去の作業負担が増大する問題がある。ま
た、過度の樹脂圧を加えると、成形品にソリが発生する
といった寸法精度上の問題もでてくる。さらに、樹脂加
圧法では、ゲート付近の厚肉部には圧力伝達が容易であ
るが、ゲート部から離れた厚肉部には十分に圧力がかか
らず、厚肉部の位置によっては完全にひけを解消するこ
とができないといったことが起こる。
報では、キャビティ内に溶融樹脂を射出した後、成形品
の片面側を弁体で突き上げて、成形品の片面側と、この
片面側を成形するコアとの間に空所を形成し、この空所
に加圧ガスを圧入して、成形品の他面をこれに対応する
キャビティ面に圧接させるガス加圧射出成形方法を提案
している。
における樹脂圧を加えない代わりに加圧ガスの圧入を行
い、加圧ガスの圧入によってひけの発生防止を図ってい
るものである。しかしながら、このガス加圧射出成形方
法では、圧入した加圧ガスが金型のパーティング面から
漏れて、十分な押圧ができなくなりやすく、ひけ防止も
不十分な成形品しか得ることができなかった。
ビティの容積より少ない容積の溶融樹脂、具体的にはキ
ャビティの容積の90〜95容積%の溶融樹脂を射出し
た後、キャビティ内に残された空所に加圧ガスを圧入す
るガス加圧射出成形方法が記載されている。このガス加
圧射出成形方法は、キャビティに対して少ない量の溶融
樹脂を射出するもので、圧入した加圧ガスがパーティン
グ面から逃げやすく、ひけ防止効果に劣るものであっ
た。更に充填樹脂量がキャビティ容積に比べて少ないた
め、成形品裏面側には大きなヒケが発生し、外観上劣っ
た成形品しか得られなかった。
加圧射出成形方法において、加圧ガスの圧力効率を高め
るために、金型のパーティング面からのガスの漏洩を防
止する密封構造の金型とすると共に、例えば三角形等の
先細り形状をした堰をキャビティ内に設けた金型を用い
る方法が開示されている。しかしながら、この方法では
密封構造の金型とするために装置的負担が大きく、さら
には射出時にキャビティ内の空気が樹脂とキャビティ面
との間に閉じ込められてしまうという問題も生じてい
る。
型のパーティング面等にシール材を施した密封構造の金
型を用い、金型容積に比して特定量(キャビティ容量
と、キャビティに充填された溶融樹脂が室温まで冷却さ
れて収縮した樹脂が示す容積との差の30〜90%に相
当する量)の過剰の樹脂を充填した後、溶融樹脂塊と金
型との間に加圧ガスを注入し、該溶融樹脂塊を金型キャ
ビティ内面に押圧して成形する方法が開示されている。
出しピン回りまでガスシールできる密封室を設ける必要
があり、装置的負担が大きいといった問題や、金型内の
空気やガスを金型キャビティ内から密封室等に追いやる
ために比較的多量の過剰樹脂を充填したり、高圧で樹脂
を充填する必要があるという問題があった。即ち、これ
らの従来の方法では光沢面を有する意匠面のヒケを完全
に防止することは困難であり、十分に満足できる外観が
Aクラスの成形品を得ることができなかった。
機器の筐体や部品、さらには自動車部品等の大型の成形
品の需要が高まると共に、製品のコストダウンのための
成形品の薄肉化の要望も高まっている。薄肉で大型の成
形品の場合、強度維持のために、一般にリブやボスと称
する補強部を裏面に設けるのが普通である。リブやボス
は、肉厚であるほど補強効果が高く、樹脂を金型内に容
易に充填できるようにする流動支援効果も得られる。
と、リブやボスに対応する成形品の表面がひけ、外観上
の問題が発生しやすい。すなわち、近年需要が高まって
いる薄肉で大型の成形品は、必要な強度維持のため厚肉
のリブやボスを備えたものとなるが、このような厚肉の
リブやボスを設けた場合のひけ防止技術がいずれも不十
分で、特に意匠面が光沢面である成形品においては、満
足できる成形品が得にくいのが現状である。
金属性の板を加工したものが用いられていたが、軽量
化、コストダウンやデザインの自由度等の点から樹脂製
の製品が望まれてきた。しかしながら、薄肉の樹脂製成
形品を作製しようとすると強度、流動性の面で成形品裏
面側に厚肉部の付与が望まれるが、外観上の問題から従
来の技術では困難であった。
品裏面側にウレタン発泡剤等を注入する必要があるため
耐薬品性(ストレスクラック特性)に優れた成形品が好
ましい。一般に成形品を薄肉化した場合には成形品内部
には残留歪みが残り、耐薬品性、特にストレスクラック
特性に劣るといったことや反った成形品が得られるとい
った問題が残り、低圧成形による成形品作製が望まれて
いた。
形と呼ばれている溶融樹脂内部に加圧ガスを導入し、ガ
ス保圧する方法が偏肉成形品の作成として考えられる
が、この方法では、成形品表面に光沢ムラと呼ばれる外
観不良が発生し、特に意匠面が光沢面の場合に該不良現
象が顕著に現れ外観上の問題となっていた。
従来の問題点に鑑みてなされたもので、ガス加圧射出成
形方法により、外観良好な光沢面を有する薄肉で大型の
成形品、特に箱型の電気冷蔵庫用扉の外装パネル製作を
完全なものとすることを目的とする。
を有し、樹脂流動距離Lと成形品薄肉部の肉厚Tとの比
(L/T)が40以上の成形品のガス加圧射出成形方法
であって、樹脂ゲートから溶融樹脂を射出充填し、次い
で、樹脂ゲート部付近に設けたガス注入口より加圧ガス
をガス圧入領域における成形品裏面とこれに対応するキ
ャビティ面との間に圧入することによってガス圧入領域
に対応する成形品表面をこれに対応するキャビティ面に
押圧して成形する事を特徴とするガス加圧射出成形方
法、 2. 成形品が樹脂製電気冷蔵庫用扉の外装パネルであ
る事を特徴とする1記載のガス加圧射出成形方法、であ
る。
の肉厚Tとの比(L/T)が40以上の薄肉で大型の成
形品のガス加圧射出成形方法である。該成形品の非意匠
面である裏面側に樹脂流動支援用の厚肉部を設け、樹脂
ゲートがら該厚肉部を利用して溶融樹脂を射出充填し、
次いで、ガス圧入領域における成形品裏面とこれに対応
するキャビティ面との間に、樹脂ゲート部付近に設けた
ガス注入口より加圧ガスを圧入することによって、充填
された樹脂の下流側に加圧ガスを侵入させ、次いで該加
圧ガスをガス圧入領域全体に侵入させることによって、
ガス圧入領域に対応する成形品表面をこれに対応するキ
ャビティ面に押圧して成形するガス加圧射出成形方法で
あって、このガス加圧射出成形方法により外観が極めて
優れた偏肉成形品を作製する事を可能としたものであ
る。
じやすい、非意匠面である裏面側に樹脂流動支援用の厚
肉部を有する成形品である。この厚肉部とは、例えばリ
ブやボスのように局部的に突出した厚肉部分や側壁根元
部分の厚肉部分の他、肉厚が一定部分広い範囲で変化し
た厚肉領域も含む。ここでの流動支援用の厚肉部とは、
溶融樹脂を金型内に充填する樹脂ゲート部付近から樹脂
の流動方向に連続的に成形品薄肉部上に設けられた厚肉
部である。その形状には特に規定はないが、一般に断面
形状が半円形、台形、四角形等のものが用いられる。こ
こでの樹脂ゲート部付近とは、樹脂ゲートからの距離が
樹脂流動距離の1/3以下、好ましくは1/10以下、
もっとも好ましくは0(すなわち樹脂ゲートから連続的
に厚肉部が流動方向に設置されたもの)である。
0.6倍以上、好ましくは1倍以上、更に好ましくは2
倍以上のものが望ましい。また該流動支援用の厚肉部
は、成形品剛性等の強度を向上させるための補強用リブ
としての機能を兼用させても良い。本発明では、樹脂の
流動が困難な成形品、即ち流動距離が長く、薄肉成形品
ほど、言い換えるならば、(L/T)が大きな成形品、
具体的には(L/T)が40以上1000以下の成形品
について本発明の効果が得られる。ここでの樹脂流動距
離Lは、樹脂ゲート部から樹脂が最終的に到達する流動
末端部までの距離であり、ゲートが複数有る場合、個々
のゲートから個々の流動末端部までの距離の最大値を示
す。また成形品薄肉部とは、該厚肉部が連結する基盤部
であり、該薄肉部の肉厚Tは、成形品基盤部の厚みの最
小値を示す。一般に電気冷蔵庫用扉の外装パネルの場
合、Tは、1.0〜3.5mm程度である。特にTが2
mm以下、Lが300mm以上、即ち(L/T)が15
0以上の成形品においては、樹脂充填が困難である。こ
のため樹脂ゲートから流動方向に対して流動支援のため
の厚肉リブを設けることが望まれており、本発明によっ
て達成される。本発明において樹脂流動支援用の厚肉部
は、肉厚ほど流動支援効果が得られるが、一方肉厚にな
るほど該厚肉リブに対する意匠面側にヒケを生じ易くな
る。本発明では該厚肉リブのヒケを押さえることができ
るため、一般の射出成形では困難とされる厚肉のリブを
付与できる。具体的には、薄肉部の厚みTに対して1倍
から3倍程度までの厚みのリブを樹脂ゲート部付近(或
いは樹脂ゲート部に連なるように)から樹脂の流動方向
に有するように設計できる。また本発明による成形品の
ように外観特性が極めて重要な場合、樹脂ゲートは、ウ
エルドラインができにくい様に一点ゲートであることが
望ましい。
樹脂ゲートとは異なる樹脂ゲート付近、即ち樹脂ゲート
により近い位置に設ける事が望ましい。具体的には、少
なくとも1個のガス注入口と樹脂ゲートとの距離が、樹
脂ゲートから流動末端部までの距離の1/2以下、好ま
しくは1/3以下、更に好ましくは1/5以下である事
が望ましい。
口を樹脂ゲート付近に、例えば流動距離が300mmの
時に樹脂ゲートから50mmの位置に設けた時にヒケの
少ない外観良好な成形品が得られる原因は、以下のよう
に推測される。一般に樹脂ゲートに近い位置は、流動末
端部よりも樹脂圧が高く、(L/T)が大きいほど樹脂
ゲート部と流動末端部との圧力差は大きくなる。樹脂充
填後に、樹脂ゲートから遠くに位置するガス注入口から
加圧ガスを金型キャビティと樹脂との間に注入すると加
圧ガスはガス圧入領域内に広がるが、流動末端部付近は
樹脂圧が低いため加圧ガスがガス圧入領域に充分に広が
る前に金型パーティングラインからガスが漏洩する。一
度加圧ガスの漏洩路が形成されるとガス圧入領域内の加
圧ガスによる圧力は上がりにくい。これに対して樹脂圧
の高い樹脂ゲート付近から注入された加圧ガスは、樹脂
圧の低い流動末端部の下流に容易に広がるため、ガス圧
入領域内に均一に加圧ガスが圧入され、かつ流動末端部
には未固化の樹脂を押しやって、加圧ガスの漏洩路を塞
いでしまい加圧ガスの漏洩を防ぎ、結果として樹脂を金
型意匠面側に有効に押圧できる。
肉部と隣接又は該厚肉部を内包する成形品裏面側の凹所
を以下、ガス圧入領域という。このガス圧入領域となる
凹所は、例えば補強用リブや流動支援用の厚肉部、成形
品の側壁部、ガス圧入領域となる凹所を形成するために
補助的に設けられる補助リブ等で囲まれた領域である。
記ガス圧入領域以外の領域の意匠面側となるキャビティ
の一部に大気開放経路が開口しているものである。大気
開放経路は、キャビティを大気に連通させるもので、キ
ャビティ内に溶融樹脂が充填される際に、キャビティ内
の空気等(空気及び/又は溶融樹脂から発生するガス
等)を金型外へ放出する役割をなすものである。
残される隙間をそのまま用いたものであってもよいが、
上記キャビティ内のガスの放出を円滑に行うことができ
るよう、金型のパーティング面に形成した溝として設け
ておくことが好ましく、特に溶融樹脂の流動末端付近に
開口させることでより高い効果が得られる。また、大気
開放経路は、溶融樹脂が金型キャビティ内に充填された
時に、その開口側とは反対側がガス圧入領域となる位
置、具体的には成形品の意匠面側のキャビティ面に開口
させることが望ましい。
金型を用いて、キャビティの容積に比して好ましくは充
分な量の溶融樹脂を射出充填することによって、わざわ
ざパーティング面等をシールするような構造をとらなく
ても十分なヒケ防止効果が得られる加圧ガスのガスシー
ル性を得ているものである。更に金型温度T1を通常の
射出成形で用いられる温度よりも高温の金型キャビティ
に溶融樹脂を充填することによって成形品表面のヒケ及
び光沢ムラによる外観不良を改善し、Aクラスの外観を
有する成形品作製が可能となる。金型温度の調整は通常
の冷却水やオイルを媒体として用いられている一般に金
型温調機と呼ばれているものをそのまま用いて良い。ま
た高周波誘導加熱等を用いて金型キャビティ面を急加熱
し、溶融樹脂充填時のみ金型キャビティを高温に保って
も良い。
(℃)とは、成形材料のビカット軟化点V(℃)に対し
て下記(1)式を満たす温度のことである。 V−35 < T1 < V−10 ・・・・(1) 本発明によれば、溶融樹脂の射出充填時に、キャビティ
内の空気等をスムーズに金型外に排出しながら溶融樹脂
をキャビティ内に充填できるので、樹脂とキャビティ面
間に空気等を閉じ込めてしまうことを防止することがで
きる。また、キャビティ内の空気等をスムーズに排出で
きることや、金型温度を高温に保った状態で溶融樹脂を
充填することにより、キャビティの隅々まで溶融樹脂を
充填できると共にキャビティ内の樹脂とキャビティ面と
の密着性が向上する。従って、ガス圧入領域を、当該領
域の樹脂とキャビティ面間に圧入した加圧ガスの漏れが
生じにくい閉鎖領域とすることができ、後述するガス圧
入領域への加圧ガス圧入時のガス漏れを防止することが
できるものである。つまり、本発明によると、密閉され
ていない金型を用い、しかも好ましくは高温に保たれた
金型キャビティ面に溶融樹脂を射出充填することで、ひ
け防止に必要なガス漏れを防止することができ、外観が
極めて優れた光沢意匠面を有する成形品、特に電気冷蔵
庫扉用の外装パネルを得ることができる。
充填する溶融樹脂量には特に制限はないが、加圧ガスの
金型外への漏洩防止効果を上げるためにキャビティ容積
に比して充分な量又は過量の溶融樹脂を金型キャビティ
内に充填することが望ましい。ここでの過量とは溶融樹
脂の容積がキャビティ容積に比して大きくなる溶融樹脂
量のことをいい、キャビティ容積分の溶融樹脂の重量を
100重量%とした時に100%を越える量のことで、
好ましくは100.1〜110重量%になる量、さらに
好ましくは100.1〜105重量%になる量のことで
ある。射出充填する溶融樹脂量が少な過ぎると、ガス圧
入領域を閉鎖領域としにくくなり、逆に射出充填する溶
融樹脂量が多過ぎると、パーティング面でのバリの発生
やソリによる寸法精度の低下を生じやすくなる。
り込まないが加圧ガスが通ることのできる程度のスリッ
ト状に開口する隙間を形成するピンや、焼結体、ポペッ
ト機構を有する弁体等が利用できる。本発明による方法
では、溶融樹脂の射出によって金型キャビティ内に溶融
樹脂を充填した後に、パーティング面にバリを発生させ
ない範囲で樹脂保圧を引き続き行っても良い。
に注入するガスアシストインジェクションでは、加圧ガ
スをスムーズに注入するために、樹脂保圧を併用するこ
とは殆ど行われていない。また、溶融樹脂とキャビティ
の間に加圧ガスを圧入する従来のガス加圧射出成形方法
においても、加圧ガスを金型内にスムーズに充填するた
めに樹脂保圧は併用されておらず、また困難であると考
えられていた。
の金型を用いても、ホットランナーの金型を用いても効
果がある。ホットランナーの場合、一般にバルブゲート
と呼ばれる、ホットランナーゲート部に開閉機能を有す
る弁体を有するものを用いると、ガスのホットランナー
部への侵入を防止できると同時に、樹脂の逆流も防止で
き、効果的である。
に熱可塑性樹脂と称されるものであれば特に制限はな
い。例えば、汎用ポリスチレンや、ゴム補強スチレン系
樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN樹
脂)、アクリロニトリル−ブチルアクリレートラバー−
スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−
エチレンプロピルラバー−スチレン共重合体(AE
S)、アクリロニトリル−塩化ポリエチレン−スチレン
共重合体(ACS)、ABS樹脂(例えば、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン−アルファメチルスチレン
共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン−
マレイミド共重合体、アクリロニトリル−メチルメタク
リレート−ブタジエン−スチレン共重合体)、変性ポリ
フェニレンエーテル(m−PPE)等のスチレン系樹
脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリ
ル系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポ
リエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等の
オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン等の塩化ビニル系樹脂、エチレン塩化ビニル酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体等の塩化ビニ
ル系共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET
P、PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT
P、PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネー
ト(PC)、変性ポリカーボネート等のポリカーボネー
ト系樹脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド
46等のポリアミド系樹脂。ポリオキシメチレンコポリ
マー、ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタ
ール(POM)樹脂、その他のエンジニアリング樹脂、
スーパーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリエーテル
スルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、
熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン
(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリフェニレンサルファイド(PSU)等の他、
セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテート
ブチレート(CAB)、エチルセルロース(EC)等の
セルロース誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマチックポ
リエステル等の液晶系ポリマーが挙げられる。また、熱
可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性
スチレンブタジエンエラストマー(TSBC)、熱可塑
性ポリオレフィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポ
リエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性塩化ビ
ニルエラストマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミドエ
ラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマーを用
いることもできる。本発明においては、上述のような熱
可塑性樹脂の一種もしくはそれ以上のブレンド体を用い
たり、充填材及び/又は添加材等を含有させて用いても
よい。特に上記の中でも電気冷蔵庫用扉の外装パネルと
しては、ABS樹脂やゴム補強スチレン系樹脂が適す
る。
説明する。図1は、本発明に用いる金型1の一例を示す
断面図である。図示されるように、金型1は、固定側金
型2と移動側金型3とで構成され、両者間に、成形時に
溶融樹脂が充填されるキャビティ4が形成されている。
すもので、(a)は斜視図、(b)は平面図である。成
形品15は、周囲に側壁部14a〜14dを有し、底面
の基盤部16を横切って、流動支援用の厚肉部13が設
けられた箱形のもので、内側が裏面(非意匠面)、外側
が表面(意匠面)である。また、側壁部14a〜14d
囲まれた凹所(成形品15の内側全体)がガス圧入領域
17となっており、厚肉部13はガス圧入領域17に内
包されたものとなっている。なお、18で示した位置
は、後述するガス注入ピン8によって形成されたガス注
入口18を示すものである。また11は、樹脂ゲートで
樹脂の充填口である。樹脂ゲートは、一般にこの様な箱
形形状でウエルドラインの発生を防止したい場合は、一
箇所設ける(一点ゲート)。該一点ゲートは、箱形の外
面が意匠面の場合、図2の(b)に示すように側壁部1
4bの中央部に設けたり、側壁部14aの中央部(特に
図示せず)に設ける事が外観と流動性の面から望まし
い。また流動支援を目的とした厚肉リブ13は、図2に
示されるような樹脂ゲート付近又は図9に示される様に
厚肉部13−2を付与し、樹脂ゲートから連なる様に設
けても良い。更に該厚肉部は、充填される樹脂の流動方
向に延びるように設置した方が好ましい。また流動支援
のための厚肉部は、図示されているような断面形状が四
角型のものに限るのではなく、断面形状が半円形のもの
でも良い。更に加圧ガスの注入口18を樹脂ゲート付近
に設ける。
形成されており、大気開放経路5を構成している。大気
開放経路5は、キャビティ4内で形成される成形品15
の表面に対応するキャビティ面4aに開口しており、こ
のキャビティ面4a側を大気に開放しているものであ
る。この大気開放経路5は、少なくともキャビティ4へ
の開口部若しくはその付近が、溶融樹脂がキャビティ4
内に射出充填される際に、樹脂を侵入させることなく、
キャビティ4内の空気等を金型1外に排出できる厚みを
有しているものである。この厚みは、樹脂の種類や成形
条件にもよるが、一般的には0.005mm以上0.1
mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.0
1mm以上0.1mm以下、さらに好ましくは0.03
mm以上0.07mm以下である。
ティ面4b側は、大気につながるエジェクタピン6回り
がOリング7aでシールされており、しかも大気開放経
路5の開口もなく、大気との連通が遮断されている。ま
た、このキャビティ面4b側には、ガス注入ピン8が設
けられている。このガス注入ピン8は、先端をキャビテ
ィ面4bからキャビティ4内に臨ませて、移動側金型3
に埋め込まれているもので、バルブ9を介して加圧ガス
源(図示されていない)に接続されたガス導入路10か
ら送られて来る加圧ガスを、移動側金型3との間に残さ
れた隙間を介してキャビティ4へと供給するものであ
る。尚、図中7bは、金型構成部材の合わせ目からの加
圧ガスの逃げを防ぐためのOリングである。
箱形の成形品15の基盤部16外面に沿って位置してお
り、上記大気開放経路5は、成形品15の表面に対応す
るキャビティ面4aであって、成形品15の基盤部16
に対応する位置に開口している。大気開放経路5の開口
位置は、このような位置のみではなく、パーティング面
の位置に合わせて、図3や図4に示される位置とするこ
ともできる。
a〜14dの先端にパーティング面が位置しており、大
気開放経路5は、成形品15の表面に対応するキャビテ
ィ面4aであって、成形品15の側壁部14a〜14d
の先端部に対応する位置に開口している。また、加圧ガ
スを圧入するためのガス注入ピン8は、成形品15の裏
面に対応するキャビティ面4b側に設けられている。
a〜14dの中間部にパーティング面が位置しており、
大気開放経路5は、成形品15の表面に対応するキャビ
ティ面4aであって、成形品15の側壁部14a〜14
dの中間部に対応する位置に開口している。また、加圧
ガスを圧入するためのガス注入ピン8は、成形品15の
裏面に対応するキャビティ面4b側に設けられている。
成形方法を説明する。先ず、金型1を閉鎖した状態で、
キャビティ4内に、好ましくはキャビティ4の容積に比
して充分な溶融樹脂を射出する、この時、キャビティ4
内の空気等は、溶融樹脂の充填と共に大気開放経路5か
ら放出されるので、樹脂とキャビティ面4a,4bとの
間(特に樹脂とキャビティ面4aとの間)に気泡が残留
することが防止される。また、この放出を確実にするた
めに、ゲート11から離れた位置である流動末端部付近
に大気開放経路5を開口させておくことが好ましい。
9を開いて加圧ガスを加圧ガス源(図示されていない)
から金型1に設けたガス導入路10へと供給する。加圧
ガスとしては、例えば空気、二酸化炭素、窒素等が用い
られる。使用ガスの種類に関しては、加圧ガスの圧力、
成形材料、成形条件等によって選択することが好まし
い。加圧ガスの圧力は、使用樹脂の種類、成形品の形
状、成形品の大きさ等によっても相違するが、通常3〜
250kgf/cm2 、好ましくは8〜100kgf/
cm2 、更に好ましくは10〜50kgf/cm2 であ
る。
は、ガス注入ピン8と移動側金型3間の隙間を通って、
キャビティ面4b側からキャビティ4内に圧入される。
この加圧ガスは、ガス圧入領域17における成形品15
の裏面と、これに対応するキャビティ面4bとの間に圧
入され、これによって、成形品15の表面をそれに対応
するキャビティ面4aへと押し付ける。そして、この加
圧ガスによる押し付けによって、キャビティ面4a側の
成形品15の表面におけるひけの発生が抑制されると共
に、キャビティ面4a側の転写性が向上し、ヒケ、艶む
ら等による外観不良の問題も低減する。さらには成形品
15を金型1より取り出すときの離型性も向上する。
は、図5に示されるように、移動側金型3に設ける孔1
2を円形とすると共に、ガス注入ピン8の断面を円形で
はなく、円形の一部を削り取った形状とすることで形成
すると、容易に所望の幅sで形成できるので好ましい。
特にこのガス注入ピン8先端部回りの隙間の幅sは、加
圧ガスがスムーズに通過でき、射出充填時に溶融樹脂が
侵入しない大きさとしておくことが好ましい。この隙間
の幅sは、キャビティ4の形状、これを設ける位置、使
用材料、成形条件等にもよるが、好ましくは0.005
mm以上0.2mm以下、より好ましくは0.01mm
以上0.1mm以下、さらに好ましくは0.05mm程
度である。またガス注入ピン8の先端部より根元寄りの
領域は、加圧ガスが滑らかに通過できるように、隙間を
形成するための切削量を大きくし、場合によっては溝状
に切削しておくことが好ましい。
る圧力が有効に成形品15の表面をキャビティ面4aへ
と押し付けるように作用させるためには、キャビティ4
内に圧入した加圧ガスの金型1外への漏洩を防止するこ
とが必要である。図6は、図1の金型1に溶融樹脂を過
量に充填した後にキャビティ4内に加圧ガスを圧入した
時の厚肉部13と側壁部14a、14d間付近の状態の
概略図である。
加圧ガスは、成形品15をキャビティ面4aに押し付け
ながらリブ13の根元に達する。この時、通常の成形で
ヒケが発生しやすいリブ13の位置に対応する表面側
は、圧入された加圧ガスによる押し付けによりヒケが防
止される。一方、加圧ガスは、側壁部14a、14d側
にも進行し、側壁部14a,14dを矢印で示す方向に
押し付け、結果として成形品15の側壁部14a、14
dはキャビティ面4aに押し付けられる。一般に、加圧
ガスの圧力が高いほど漏洩を生じやすいが、図6に示さ
れるように、加圧ガスの圧力が高いほど側壁部14a、
14dはキャビティ面4aに強く押し付けられ、ガス圧
入領域17を閉鎖領域として、大気開放経路5(図1参
照)が開口しているキャビティ面4a側への加圧ガスの
回り込みが阻止されることになる。また加圧ガスは、同
時に流動末端部方向である側壁14c(図6には図示せ
ず)側にも容易に進行し、ガス圧入領域17全体に広が
り、ガス圧入領域全体の樹脂をキャビティ面4aに強く
押し付ける。
ましくは過量の溶融樹脂をキャビティ4の隅々まで十分
に充填したほうがよい。つまり、加圧ガスがキャビティ
面4a側に回り込もうとした時に樹脂が十分にキャビテ
ィ4内に充填されていないと、加圧ガスが樹脂を押し除
けてキャビティ面4a側に回り込んでガス道を付けてし
まい、このような側壁部14a、14dによるガスシー
ルは困難になる(側壁部14b,14cにおいても同様
である。)。
ズル部へ樹脂が逆流し、樹脂ゲート部付近に不必要な収
縮が生じて、キャビティ4の形状によっては高圧ガスが
漏洩する可能性もある。これを防止するためには、通常
の射出成形で用いられる程度の樹脂樹脂保圧を併用し、
成形品の収縮分の樹脂の一部を補っても良い。加圧ガス
の圧入は、必ずしも図1に示すような移動側金型3から
行わなければならないものではない。固定側金型2と移
動側金型3のどちら側からガスを導入するかは、一般に
金型1の形状に起因し、成形品15の表面が固定側金型
2側にある場合、加圧ガスは図1に示すように移動側金
型3側から導入するのが簡便であり、逆に表面が移動側
金型3側にある場合、加圧ガスは固定側金型2側から導
入する方が簡便である。
要に応じて加圧ガスを金型1外に排出した後、成形品1
5を金型1から取り出す。本発明は、図7に示されるよ
うに、厚肉部13の幅をw、厚肉部13の周辺における
厚みをtとした時に、w≧0.6tとなるような厚肉部
13を有する成形品15に対して有効である。すなわ
ち、このような厚肉部13を有する成形品15は、通常
の射出成形ではひけの防止が困難であるが、本発明によ
るとこれを確実に解消することができる。
く、樹脂ゲート付近のエジェクタピン6回りを利用して
キャビティ4へ加圧ガスを供給できるようにした金型1
の一例を示すものである。さらに説明すると、移動側金
型3の後方には、突出したエジェクタピン6の後部及び
突き出しプレート19を収容し、かつバルブ9を介して
加圧ガス源(図示されていない。)に接続された密封室
20が形成されている。この金型1では、キャビティ4
内への加圧ガスの圧入を、加圧ガス源から密封室20に
加圧ガスを供給し、移動側金型3とエジェクタピン6間
の隙間を介して行うものとなっている。このようなガス
注入方式を用いると、個々のエジェクタピン6回りをガ
スシールしたり、エジェクタボックス(密封室20)に
通じる入れ子等があってもその継ぎ目のガスシールの必
要がなくなる。尚、7aはガス注入を行いたくないエジ
ェクタピンのためのOリングで、7c〜7eは密封室2
0を形成するためのOリングである。
薄肉部厚み2.0mmの電気冷蔵庫用扉の外装パネルを
作成した。図9は、成形品を裏面側から見た時の斜視図
で、図10は、成形品を意匠面である表面側から見た場
合の斜視図である。また図11(A)は、成形品裏面側
の平面図である。また図11(B)は図中A−A´の断
面図も示す。成形品慨寸は、縦350mm、横630m
m、側壁の中央部の高さ50mmとした。成形品には、
図9に示す様に肉厚4mmの厚肉リブ13を有し、四方
の側壁部と底面の肉厚は2mmとした。また樹脂ゲート
から厚肉部13に至る経路には、溶融樹脂の流動支援の
ために、4×4mmの厚肉部13−2を設けた。樹脂ゲ
ート11は、側壁部中央に設け、加圧ガスの注入とその
ガスシールは、図1で説明したものと同様とし、ガス注
入位置は、図11(A)に示すG1,G2とした(図
9、図10では省略)。またパーティング面の位置は図
3に示される形態のものとした。図9にaで示されたリ
ブは、取っ手b側にガスが行かないように設置されたガ
ス加圧領域を形成するためのものである。すなわちこの
ガスシール用のリブと側壁とで囲まれた部分とでガス圧
入領域を形成する。
(温度調節機)を使用した。金型キャビティ面、金型コ
ア面の温度の実測値は下記に示す。成形材料は、ABS
樹脂(旭化成製スタイラックABS191)を用いて、
キャビティ容積に比して過量(100.5重量%)の成
形材料を樹脂充填用のゲート11から射出充填した後、
直ちに加圧ガスをガス圧入領域Rに圧入することで成形
品を成形した。加圧ガスの圧入時には樹脂保圧を併用
し、できた成形品は101重量%(キャビティ容積と同
一体積の樹脂重量に比しての値である。)であった。成
形条件の詳細を下記に示す。 ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力:100kg/cm2 (油圧のゲージ圧力) ・樹脂保圧:5kg/cm2 (油圧のゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:15kg/cm2 ・金型温度(キャビティ面/コア面):75℃/74℃ 成形品の厚肉部に対する意匠面側の表面凹凸を表面粗さ
計(ミツトヨ製SURFTEST500)にて測定した
結果のまとめを表1に示す。
用いて通常の射出成形を行った。それぞれの成形条件を
下記に示し、表面凹凸の測定結果のまとめを表1に示
す。 ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力:100kg/cm2 (油圧のゲージ圧
力) ・樹脂保圧:40kg/cm2 (油圧のゲージ圧力) ・金型温度(キャビティ面/コア面):75℃/74℃
圧射出成形を行った。但し、ガス注入口は、図11
(A)中のG3、G4における位置から加圧ガスを圧入
した。それぞれの成形条件を下記に示し、表面凹凸の測
定結果のまとめを表1に示す。 ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (油圧のゲージ圧力) ・樹脂保圧: 5kg/cm2 (油圧のゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:15kg/cm211 ・金型温度(キャビティ面/コア面): 75℃/74℃
大きなヒケが見られた。また、加圧ガスを樹脂ゲートか
ら離れた位置から圧入した比較例2ではヒケはかなり小
さくなったが、鏡面部である意匠面にはヒケが肉眼で認
められクラスAの外観を有する成形品を得ることはでき
なかった。一方、本発明による成形品は、外観が良好
で、ひけのない成形品であった。従来、ひけ等の外観上
の問題によって、厚肉のリブを設けることが出来なかっ
たが、本発明によってそれが可能となった。また加圧ガ
スを成形品内部に導入するガスアシスト成形品にみられ
るような、光沢ムラによる意匠性の低下も見られず、ク
ラスAの外観を有する極めて外観特性に優れた成形品を
作成することができた。
形品は、通常成形品に比べ良好な結果得られた。これ
は、通常成形品が大きな樹脂保圧による残留歪みが大き
かったのに対して、低圧成形による本発明品には残留歪
みが小さかったためと考えられる。即ち、これまでの成
形品に比べ底面部は薄肉化されたが部分的な厚肉リブを
設けることにより金型内での樹脂の流動性が増し、更に
高い樹脂保圧をかける必要がないために、総合的に従来
の厚肉成形品の成形よりも低圧成形が可能となった。
厚み2.0mmの電気冷蔵庫用扉の外装パネルを作成し
た。図12は、成形品を裏面側から見た時の斜視図で、
図13(A)は、成形品裏面側の平面図である。また図
13(B)は図中A−A´の断面図も示す。成形品慨寸
は、縦350mm、横630mm、側壁の中央部の高さ
50mmとした。成形品には、図12に示す様に厚肉部
13を有し、四方の側壁肉厚は2mmとした。厚肉部は
側壁下部を厚肉化したもので側壁と厚肉部との肉厚の和
は、5mmとした。即ち、側壁肉厚2mmに更に3mm
の厚肉部を付与した。また樹脂ゲートから厚肉部13に
至る経路には、溶融樹脂の流動支援のために、3×3m
mの厚肉部13−2を設けた。加圧ガスの注入とそのガ
スシールは、図1で説明したものと同様とし、ガス注入
位置は、図13(A)に示すGとした(図12では省
略)。図12にaで示されたリブは、取っ手b側にガス
が行かないように設置されたガス加圧領域を形成するた
めのものである。すなわちこのガスシール用のリブと側
壁とで囲まれた部分とでガス圧入領域を形成する。また
パーティング面の位置は図3に示される形態のものとし
た。金型は、冷媒に水を用いる通常の温調機(温度調節
機)を使用した。金型キャビティ面、金型コア面の温度
の実測値は下記に示す。
ラックABSA5761)を用いて、キャビティ容積に
比して過量(101重量%)の成形材料を樹脂ゲートc
より射出充填した後、直ちに加圧ガスをガス注入口Gよ
り、ガス圧入領域Rに圧入することで成形品を成形し
た。加圧ガスの圧入時には、樹脂保圧は併用しなかっ
た。 ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧:0kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:10kg/cm2 ・金型温度(キャビティ面/コア面): 75℃/74
℃ 成形品の厚肉部に対する意匠面側の表面凹凸の測定結果
を表2に示す。
常の射出成形を行った。成形条件を下記に示し、厚肉部
に対する意匠面側の表面凹凸の測定結果を表2に示す。 ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧:40kg/cm2 (ゲージ圧力) ・金型温度(キャビティ面/コア面): 75℃/74℃
外観が良好で、ひけのほとんどない成形品であった。従
来、ひけの問題によって、厚肉のリブを設けることが出
来なかったが、本発明によってそれが可能となった。ま
た加圧ガスを成形品内部に導入するガスアシスト成形品
にみられるような、光沢ムラによる意匠性の低下も見ら
れず、クラスAの外観を有する極めて外観特性の優れた
成形品を作成することができた。更に、耐薬品性に関し
ても本発明による成形品は、通常成形品に比べ良好な結
果得られた。
ポリスチレン(HIPS)の成形品を作製した。HIP
Sは、旭化成工業(株)製ポリスチレン(スタイロン4
08)を使用した。金型は、冷媒に水を用いる通常の温
調機(温度調節機)を使用した。金型キャビティ面、金
型コア面の温度の実測値は下記に示す。キャビティ容積
に比して過量(100.5重量%)のHIPSを射出充
填した後、直ちに加圧ガスを圧入することで成形品を成
形した。加圧ガスの圧入時に樹脂保圧を併用した。 ・シリンダー温度:200℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 5kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:20kg/cm2 ・金型温度(キャビティ面/コア面): 72℃/73℃ 得られた成形品は、ヒケ、光沢ムラ等のない外観良好な
成形品であった。
常の射出成形を行った。成形条件を下記に示す。 ・シリンダー温度:200℃ ・射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧: 40kg/cm2 (ゲージ圧力) ・金型温度(キャビティ面/コア面): 72℃/73℃ 得られた成形品は、意匠面側の光沢面にヒケが見られる
外観に劣ったものしか得られなかった。
厚み1.8mmの電気冷蔵庫用扉の外装パネルを作成し
た。図14は、成形品を裏面側から見た時の斜視図で、
図15(A)は、成形品裏面側の平面図である。また図
15(B)には図中A−A´の断面図も示す。成形品慨
寸は、縦350mm、横630mm、側壁の中央部の高
さ50mmとした。成形品には、図14に示す様に厚肉
部13を有し、四方の側壁肉厚は2mmとした。厚肉部
は側壁下部を厚肉化したもので側壁と厚肉部との肉厚の
和は、5mmとした。即ち、側壁肉厚2mmに更に3m
mの厚肉部を付与した。また樹脂ゲート部11から厚肉
部13に至る経路には、溶融樹脂の流動支援のために、
3×3mmの厚肉部13−2を設けた。加圧ガスの注入
とそのガスシールは、図1で説明したものと同様とし、
ガス注入位置は、図15(A)に示すGとした(図14
では省略)。またパーティング面の位置は図3に示され
る形態のものとした。また本発明品成形後に、発泡ウレ
タンを本発明品の電気冷蔵庫用の外装パネルと真空成形
にて作製したドアパッドとの間に発泡ウレタンを注入す
るが、その際の発泡ウレタンシール用のフランジFを本
実施例の成形品では一体成形する。金型は、冷媒に水を
用いる通常の温調機(温度調節機)を使用した。金型キ
ャビティ面、金型コア面の温度の実測値は下記に示す。
ラックABS191)を用いて、キャビティ容積に比し
て過量(101重量%)の成形材料を樹脂ゲートcより
射出充填した後、直ちに加圧ガスをガス圧入領域Rに圧
入することで成形品を成形した。加圧ガスの圧入時に
は、樹脂保圧は併用しなかった。 ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧:0kg/cm2 (ゲージ圧力) ・加圧ガスの圧力:15kg/cm2 ・金型温度(キャビティ面/コア面):77℃/77℃ 成形品の厚肉部に対する意匠面側の表面凹凸の測定結果
を表3に示す。
常の射出成形を行った。成形条件を下記に示し、意匠面
側の表面凹凸の測定結果を表3に示す。 ・シリンダー温度:230℃ ・射出圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力) ・樹脂保圧:40kg/cm2 (ゲージ圧力) ・金型温度(キャビティ面/コア面):77℃/77℃
外観が良好で、ひけのほとんどない成形品であった。従
来、ひけの問題によって、厚肉のリブを設けることが出
来なかったが、本発明によってそれが可能となった。ま
た加圧ガスを成形品内部に導入するガスアシスト成形品
にみられるような、光沢ムラによる意匠性の低下も見ら
れず、クラスAの外観を有する極めて外観特性の優れた
成形品を作成することができた。更に、耐薬品性に関し
ても本発明による成形品は、通常成形品に比べ良好な結
果得られた。
薬品性(ストレスクラック性)に優れ、ひけのないクラ
スAの外観を有する極めて外観特性の優れた射出成形品
を得ることができる。
る。
図であり、(b)平面図である。
略図である。
略図である。
の説明図である。
る。
較例4で成形した成形品の裏面側から見た斜視図であ
る。
比較例4で成形した成形品の表面側から見た斜視図であ
る。
施例3、比較例4で成形した成形品の裏側の平面図であ
る。(B)はAA’線における断面図である。
側から見た斜視図である。
品の裏側の平面図である。(B)はAA’線における断
面図である。
側から見た斜視図である。
品の裏側の平面図である。(B)はAA’線における断
面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 非意匠面である裏面側に樹脂流動支援用
の厚肉部を有し、樹脂流動距離Lと成形品薄肉部の肉厚
Tとの比(L/T)が40以上の成形品のガス加圧射出
成形方法であって、樹脂ゲートから溶融樹脂を射出充填
し、次いで、樹脂ゲート部付近に設けたガス注入口より
加圧ガスをガス圧入領域における成形品裏面とこれに対
応するキャビティ面との間に圧入することによってガス
圧入領域に対応する成形品表面をこれに対応するキャビ
ティ面に押圧して成形する事を特徴とするガス加圧射出
成形方法。 - 【請求項2】 成形品が樹脂製電気冷蔵庫用扉の外装パ
ネルである事を特徴とする請求項1に記載のガス加圧射
出成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00692998A JP3973282B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | ガス加圧射出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00692998A JP3973282B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | ガス加圧射出成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11198179A true JPH11198179A (ja) | 1999-07-27 |
JP3973282B2 JP3973282B2 (ja) | 2007-09-12 |
Family
ID=11651948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00692998A Expired - Lifetime JP3973282B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | ガス加圧射出成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3973282B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001232658A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-28 | Teijin Chem Ltd | 多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品 |
JP2014517784A (ja) * | 2011-05-20 | 2014-07-24 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 低一定圧力での射出成形のための装置及び方法 |
JP2019209650A (ja) * | 2018-06-07 | 2019-12-12 | クミ化成株式会社 | 射出成形用金型 |
CN113103515A (zh) * | 2021-03-15 | 2021-07-13 | 重庆赋天智能科技有限公司 | 一种平板电脑保护套外壳注塑成型精密模具 |
-
1998
- 1998-01-16 JP JP00692998A patent/JP3973282B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
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JP2014517784A (ja) * | 2011-05-20 | 2014-07-24 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 低一定圧力での射出成形のための装置及び方法 |
JP2019209650A (ja) * | 2018-06-07 | 2019-12-12 | クミ化成株式会社 | 射出成形用金型 |
CN113103515A (zh) * | 2021-03-15 | 2021-07-13 | 重庆赋天智能科技有限公司 | 一种平板电脑保护套外壳注塑成型精密模具 |
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---|---|
JP3973282B2 (ja) | 2007-09-12 |
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