JPH11333876A - 樹脂成形品の成形法 - Google Patents

樹脂成形品の成形法

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JPH11333876A
JPH11333876A JP14544598A JP14544598A JPH11333876A JP H11333876 A JPH11333876 A JP H11333876A JP 14544598 A JP14544598 A JP 14544598A JP 14544598 A JP14544598 A JP 14544598A JP H11333876 A JPH11333876 A JP H11333876A
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JP
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gas
resin
mold
molten resin
injection
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JP14544598A
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English (en)
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Makoto Matsushima
誠 松島
Yasumasa Shibata
康雅 柴田
Yoshiaki Saito
義昭 齋藤
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
    • B29C45/1711Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles and removing excess material from the mould cavity by the introduced fluid, e.g. to an overflow cavity

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融樹脂を金型キャビティに射出した後、圧縮
する射出圧縮成形法において、溶融樹脂にガスを注入す
る際に、成形品の所望箇所に所望の中空部を均一に形成
し、成形品の強度、剛性が高く、外観にもすぐれた特に
薄肉成形品を成形する。 【解決手段】成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填
し、該溶融樹脂中の所望箇所にガスを注入して中空部を
形成するに際し、金型キャビティ容積よりも小さい容量
の溶融樹脂を射出し、可動金型の前進を前進させて溶融
樹脂を圧縮して充満させ、ガスの注入により溶融樹脂の
一部を金型キャビティ外のスピルオーバーキャビティに
追い出すことにより、中空部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス注入成形法に
関し、詳しくは、射出圧縮成形法により、溶融樹脂中に
ガスを注入し、樹脂成形品の所望部に中空部を形成する
ことにより、強度、剛性、金型転写性、外観にすぐれた
樹脂成形品を得る成形法に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、熱可塑性樹脂、繊維強化熱可塑
性樹脂などは自動車、家電、OA機器、家具、建築、住
宅設備、土木分野における樹脂成形品として広く利用さ
れている。これらの樹脂成形品は、生産性などの点から
主として射出成形により成形されている。これら成形品
の特徴は他の材質に比較して軽量であることであるが、
産業界からは、省資源、樹脂の有効活用の観点から更な
る軽量化が求められている。この樹脂成形品の軽量化
は、単位重量当たりの強度、剛性が高く、資源の有効活
用の観点から望ましい使用形態である。また、一方で
は、成形品においてヒケの発生防止、金型転写性の向上
など、外観不良の解消が求められている。
【0003】射出成形、射出圧縮成形において、樹脂成
形品を軽量化するための方法としては、成形品の肉厚を
薄くする方法、発泡剤含有溶融樹脂を用いて樹脂を発泡
させる方法、ガスを注入して中空部を形成する方法など
が知られている。しかしながら、成形品の肉厚を薄くす
る方法では、強度が十分でなく、強度を確保するために
は、立ち上がり部の基部、リブなどの厚肉部が設けられ
ている。この厚肉部において、成形品にヒケが発生し、
また、外周立ち上がり部を有する成形品では、全体に歪
みによる内側反り変形が発生しやすいという問題点を有
している。また、肉厚が薄い成形品の場合には成形品の
種類によっては、溶融樹脂の流動長さが長くなり、末端
まで溶融樹脂の充填が困難であることから、圧力不足に
よる金型転写性が低下し、また、樹脂の配向による歪み
の残留が問題となっている。
【0004】一方、発泡剤含有樹脂を用いて通常の射出
成形、すなわち、金型キャビティの容積よりも少ない容
量の樹脂を射出して発泡させる方法では、成形品の末端
まで均一に成形できなかったり、成形品表面に発泡剤に
よるシルバーが生じるなど外観にすぐれた成形品が得ら
れ難いという問題がある。これを解決する方法として、
射出時の発泡を抑制するカウンタープレッシャー法も提
案されているが、経済性に問題があるとともに、薄肉末
端部の成形が困難である問題は解決されていない。
【0005】また、溶融樹脂中にガスを注入して中空部
を形成する成形方法にあっては、前記の全体的に薄肉な
平面を有する成形品、特に、外周部に立ち上がり部を有
する箱状成形品の立ち上がり部の基部やリブなどの厚肉
部にガスを注入する場合には、薄肉部のために、キャビ
ティ全体への樹脂の充填が困難であるとともに、厚肉部
への高圧ガスの注入によりガスが樹脂成形品の壁を破っ
てしまうなどの問題がある。金型キャビティ内の溶融樹
脂へのガス注入成形方法としては、一般的には、金型キ
ャビティ容積よりも少ない容量の溶融樹脂を射出し、あ
るいは射出しながらガスを注入する方法が採用されてい
る。しかし、この成形方法では、溶融樹脂を成形品の末
端まで均一に行き渡らせることが困難な場合がある。
【0006】これらの問題に関し、ガス注入成形方法に
おいて、溶融樹脂を金型キャビティの末端まで十分行き
渡らせ、その後にガスを注入する成形方法が種々提案さ
れている。まず、(1)金型本体のキャビティ内に溶融
樹脂を射出する射出工程、溶融樹脂に中空部を形成する
ように気体を注入する注入工程と、前記金型本体を予
め、又は前記射出工程か前記注入工程において微小量離
間し、該金型本体を型締めすることにより溶融樹脂及び
気体を圧縮する圧縮工程を有する中空製品の製造方法が
提案されている(特開平4−353408号公報参
照)。この方法は、金型の圧縮により気体の圧力が15
0kg/cm2 程度でもキャビティ内に射出された溶融
樹脂がキャビティ内周面のすみずみまで行き渡る効果は
期待できるものである。
【0007】(2)金型の型締め直前から溶融プラスチ
ックの射出を開始し、射出圧と金型の型締め圧によって
キャビティ内に溶融プラスチックを充填し、この際、金
型の型締め後厚肉部内部にガスを注入して中空部を形成
する成形体の成形方法が提案されている(特開平4−3
7516号公報参照)。この成形方法は、金型による圧
縮によってガスの注入前に溶融樹脂が金型キャビティ全
体に均一に充填される効果は期待できる。
【0008】(3)射出成形金型のキャビティ内に溶融
樹脂を充填した後、該キャビティ内にガスを注入して、
キャビティ内の充填樹脂の所望の領域に空部を形成する
ガス注入成形方法において、樹脂が漏れない程度に若干
金型を開いた状態でキャビティ内に樹脂を充填し、その
後に金型を完全に閉じてから該キャビティ内にガス注入
を行うガス注入成形方法が提案されている(特開平4−
284213号公報参照)。この成形方法は、前記した
ように、金型内への樹脂充填を、通常成形の場合よりも
若干少なめにしておき、ガス注入を行う場合において、
金型内で樹脂がキャビティ壁面に密着していない場合
に、注入されたガスが樹脂表面を突き破ることは解消さ
れるものと考えられる。
【0009】すなわち、これらの改良成形方法は、いず
れも、金型キャビティ内の溶融樹脂にガスを注入する場
合において、ガス注入時のキャビティ内の溶融樹脂が、
金型キャビティの金型表面に完全に接触する、すなわ
ち、成形品が薄い場合を含めてキャビティの末端まで溶
融樹脂を完全に充填するようにするために、金型加圧手
段である、射出圧縮成形を採用するものである。これに
よって、成形品の形状によっては、ガス漏れを含めて外
観にすぐれた成形品の成形が可能になるものと考えられ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)特開平4−353408号公報記載の成形方法で
は、ガスの注入が開始された後に、金型による圧縮を行
うものであり、成形品の所望の位置のみに、選択的にガ
ス注入による中空部を形成することができない。また、
(2)特開平4−37516号公報、(3)特開平4−
284213号公報に記載の成形方法では、射出圧縮成
形により溶融樹脂が金型キャビティ全体に充填された後
に、ガスを注入するものである。これらのガス注入成形
方法では、ガスの注入、中空部の形成に限界があるとと
もに、厚肉部にガス注入による中空部を形成する場合、
厚肉部の長さ、溶融樹脂の粘度によっては、注入ガスの
圧力を高くしないと、ガスが注入できないという問題点
がある。また、ガスの圧力が高くなるとガスが、成形品
の外壁を破って破裂し易く実質的に成形ができなかった
り、注入ガスが薄肉部へ流入する場合があるという問題
がある。
【0011】したがって、これらの改良成形方法では、
薄肉の一般部と製品外周部立ち上がり部基部、リブなど
の厚肉部を有する成形品にあっては、薄肉部の厚み、面
積にもよるが必ずしも本質的な解決にはなっていない。
しかも、ガス注入成形方法にあっては、従来のブロー成
形方法で成形されるような、大中空部を有する成形品か
ら、成形品の軽量化と強度・剛性の両立のために、薄肉
の一般平面部と立ち上がり部の基部、補強用のリブなど
の厚肉部を有する成形品への適用が主流になってきてい
る。これらの樹脂成形品にあっては、ガス注入により、
ガスが成形品の壁面樹脂を破って外部に漏れず、しか
も、所望の厚肉部に中空部が末端まで均一に形成される
ことが、樹脂成形品の強度、剛性、外観、変形、寸法制
度の点から求められている。本発明は、樹脂成形品の所
望箇所のみに、選択的にガス注入による中空部分を厚肉
部全長にわたって確実に、安定して形成することができ
る樹脂成形品の成形法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき、特に、薄肉一般部と厚肉部からなる樹脂成形品
における、ガス注入成形について鋭意検討した。その結
果、まず射出圧縮成形により溶融樹脂を金型キャビティ
に射出、充填、充満することで、金型転写が確実に行わ
れること。ついで、ガスを注入する際、ガスの注入によ
り溶融樹脂の一部を金型キャビティ外のスピルオーバー
キャビティに追い出すことにより、所望箇所に目的の中
空部が形成されることを見出した。特に、中空部を形成
させたい外周立ち上がり部の基部やリブの基部などの厚
肉部のうちの主要部に、選択的に均一な中空部を全長に
わたって容易に形成でき、厚肉部のヒケの発生、歪みに
よる変形、光沢ムラがないなど外観不良が発生しないこ
とを見出し、本発明を完成したものである。
【0013】すなわち、本発明は、 (1)成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填し、該
溶融樹脂中の所望箇所にガスを注入して中空部を形成す
るに際し、金型キャビティ容積よりも小さい容量の溶融
樹脂を射出し、可動金型を前進させて溶融樹脂を圧縮し
て金型キャビティに充満させ、ガスの注入により溶融樹
脂の一部を金型キャビティ外のスピルオーバーキャビテ
ィに追い出すことからなる樹脂成形品の成形法。 (2)スピルオーバーキャビティへの追い出しを追い出
し樹脂流路の弁を開放することにより行う上記(1)記
載の樹脂成形品の成形法。 (3)樹脂成形品が薄肉一般部と厚肉部からなり、厚肉
部にガス注入による中空部が形成されている上記(1)
または(2)記載の樹脂成形品の成形法、および (4)樹脂成形品が薄肉一般部と外周立ち上がり部から
なり、立ち上がり部の基部の主要部の厚肉部にガス注入
による中空部が形成されている上記(1)〜(3)のい
ずれかに記載の樹脂成形品の成形法を提供するものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明の樹脂成形品の成形法としては、ガス注入設
備を有する射出圧縮成形装置を用いて成形することがで
きる。本発明の成形法で用いる成形用金型は、可動金型
を金型キャビティの容積を金型開閉方向に前進させて金
型キャビティ中に射出された溶融樹脂を圧縮して金型キ
ャビティに充満させることができるものである。なお、
金型キャビティは、各種成形品に要求される機能や用途
より、複雑な金型構造を有するものも多く、この場合に
は、前進する可動金型は、必ずしも溶融樹脂の射出、充
填時の金型キャビティ投影面の形状と同一形状である必
要はなく、溶融樹脂を圧縮し、溶融樹脂を金型キャビテ
ィ全体に充満できるものであればよく、可動金型部分が
複数ある場合、部分圧縮する構造であってもよい。した
がって、溶融樹脂の圧縮のための金型としては、可動金
型のみで行う場合、可動金型の内部を摺動する摺動金型
で行う場合がある。
【0015】また、金型キャビティ内の溶融樹脂中への
ガスの注入方法は特に制限はなく、通常、射出ノズル、
ランナー、ゲート、ゲート近傍の金型壁に設けられたガ
ス注入ピンを用いて行われる。このガス注入ピンの位置
や数は、樹脂成形品における中空部の形成箇所に対応し
て適宜決定される。さらに、中空部を形成するガス流路
(ガスチャンネル)の末端部には溶融樹脂の排出路を介
して、スピルオーバーキャビティが設けられている。ス
ピルオーバーキャビティの数は、成形品の形状、中空部
の形成箇所、ガス注入位置、ガス注入箇所などにより適
宜設けられる。なお、樹脂排出路には、必要により開閉
弁が設置される。
【0016】次に、図面により、本発明の樹脂成形品の
成形法の一実施態様について説明する。図1は本発明の
樹脂成形品の成形法に用いられる成形金型の概念を示す
金型開閉方向断面図である。具体的には、圧縮代Dを確
保して型締めされた金型キャビティへの溶融樹脂の射出
時の状態を示す。該成形金型は、図示しない、射出成形
機の固定ダイプレートと可動ダイプレートの間に取り付
けられるものである。図2は、図1の状態から、型締め
を完結して溶融樹脂を圧縮して溶融樹脂を金型キャビテ
ィ全体に充満し、ついで、ガスが注入された状態を示す
概念図である。図3は、図2のX−X断面図である。
【0017】図において、1は固定金型、2は可動金
型、3は初期の金型キャビティ、33は樹脂成形品相当
のキャビティ部、4はスピルオーバーキャビティ、5は
スプルー、6は溶融樹脂、7はガス注入路、8はガス注
入ピン、9は溶融樹脂排出路、10は開閉弁、11は開
閉弁作動部、12は薄肉一般面、13は外周立ち上がり
部、14は厚肉部、15は中空部(ガスチャンネル)を
それぞれ示す。図において、固定金型1は、図示しない
固定ダイプレートに、可動金型2は図示しない可動ダイ
プレートに直接、または可動金型、摺動金型を前進後退
する図示しない金型移動装置を介して取り付けられてい
る。なお、可動金型の金型キャビティ内への前進は、前
記の金型移動装置、直圧式の型締め機構などにより行わ
れる。
【0018】次に、図面に基づいて、薄肉一般部である
底部面と外周立ち上がり部からなる箱型成形品であっ
て、外周立ち上がり部の基部の主要部である、三辺のコ
の字状の連続した厚肉部に中空部(ガスチャンネル)を
有する樹脂成形品を成形しようとする場合について説明
する。まず、図示しない直圧式型締め装置を作動させ
て、固定金型1に対して、可動金型2を型締めし、つい
で、圧縮代を確保するために可動型2をDの距離後退さ
せる。これにより、溶融樹脂射出前の金型キャビティ3
が決まる。
【0019】ついで、図示しない射出ユニットで溶融混
練された溶融樹脂を、金型キャビティ3の容積よりも少
ない容量で計量し射出する。溶融樹脂の射出の開始後か
ら終了時点の任意時から、可動金型2を前進させて溶融
樹脂の圧縮を行い、溶融樹脂を金型キャビティ全体に充
填、充満させる。これにより、薄肉部分や末端部、細い
リブやボス、シボなどの金型表面の微細凹凸など金型面
が確実に転写される。なお、可動金型2の前進開始は、
溶融樹脂の射出が開始され、射出継続中に行うことが好
ましい。これは、射出完了後であると、次の圧縮による
流動の間に、溶融樹脂の流動が一次的に止まり、成形品
表面に流れの跡が外観不良として生じる場合があるから
である。
【0020】次に、図示の位置に設けられたガス注入ピ
ン8へガス注入路7からガスを注入し、成形品外周立ち
上がり部13の基部である厚肉部14に相当する所望の
箇所にガスを注入する。ガスの注入開始後に溶融樹脂排
出路9の開閉弁10を作動部11により開放する。これ
により注入されたガス圧により、立ち上がり部の基部の
厚肉部分14は、金型により冷却された部分を残し、中
央部の未冷却部分である流動性を有する樹脂はスピルオ
ーバーキャビティに追い出される。これによって、断面
がほぼ均一な連続した中空部(ガスチャンネル)15が
形成される。目標とする溶融樹脂の排出が完了後に排出
路の開閉弁9を閉鎖する。中空部(ガスチャンネル)1
5内のガス圧により厚肉部の樹脂層は金型表面に押圧さ
れた状態で冷却され、樹脂の収縮によるヒケは発生しな
い。その後、中空部のガスを脱圧して大気圧状態とし、
冷却終了後に金型開閉機構により金型を開放し、成形品
を取り出す。このサイクルを繰り返すことにより品質の
安定した樹脂成形品が連続的に生産性よく成形できる。
【0021】本発明の樹脂成形品の成形法において、ガ
スを注入する位置は特に制限はなく、成形品の形状、厚
肉部、中空部の形成位置、長さなどにより適宜、射出ノ
ズル、ランナー、ゲート、ゲート近傍のキャビティ壁で
ある。ガス注入ピンより、窒素などのガスをキャビティ
中の溶融樹脂に注入する。ガスの注入は一般的には、成
形品の形状、成形温度、金型温度などの成形条件にもよ
るが、溶融樹脂の射出圧縮により溶融樹脂が金型キャビ
ティ全体に充満した後、数秒後に行われる。これは、ガ
スチャンネルの形成が、チャンネル部分の樹脂の外殻の
形成が容易となるためである。したがって、ガスチャン
ネルがガスチャンネルの全域に渡って均一とし、特に、
断面の肉厚が均一化するような条件を適宜設定すること
が望ましい。ガスの注入圧力は、通常、5〜30MPa
の範囲である。
【0022】射出圧縮成形方法では、一般の射出成形の
ように、ガス注入分に見合った樹脂量を射出しないで、
ガス注入量を十分確保することができない。したがっ
て、厚肉部に対しては、ガスの注入量は、限界があり、
ガスチャンネルを形成したい厚肉部の末端まで中空部を
形成することが非常に困難である。これを可能にするた
めには、ガスの注入圧力を高くしたり、溶融樹脂がある
程度冷却が進んだ状態でのガス注入が必要となり、ガス
による成形品の樹脂外壁の破裂、不均一な中空部による
部分的なヒケの発生など、ガス注入の効果を生かすこと
が困難である。
【0023】これに対して、本発明の樹脂成形品の成形
法では、注入ガスの圧力により、ガスチャンネルが形成
される厚肉部の溶融樹脂の一部を金型キャビティ外に排
出することにある。これにより、ガス注入開始時期、ガ
ス圧力、樹脂排出路のサイズ、さらには樹脂排出路の弁
の開閉などの制御で、厚肉部の所望箇所に所望の外殻の
中空部を確実に形成することが可能となる。なお、樹脂
排出路の開閉弁は樹脂の種類によっては必ずしも必要と
せず、金型キャビティからの排出路への出口のサイズを
適宜選定するだけでよい場合もある。
【0024】なお、スピルオーバーキャビティの容積と
しては、特に制限はなく、追い出された溶融樹脂に流入
してきたガスがブローアウトしない範囲で中空部を形成
する容積であればよい。しかし、樹脂成形品の金型設計
において、中空部の容積が特定されるならば、追い出さ
れる溶融樹脂に相当する容積と一致させることができ
る。これにより、溶融樹脂排出路の開閉弁の操作、その
他の成形条件が多少かわっても、均一な中空部、均一な
重量の樹脂成形品を安定して容易に成形することができ
る。
【0025】本発明の樹脂成形品の成形法で成形できる
成形品としては、何ら限定されるものではないが、前記
したように、薄肉一般部と厚肉部を有する成形品の成形
に特に有効である。中でも、成形品の外周部に立ち上が
り部を有し、その基部の少なくとも主要部に厚肉部を有
し、この厚肉部に中空部(ガスチャンネル)が形成され
る成形品に好ましく適用できる。ここで、薄肉一般部と
しては、成形品全体のサイズなどにより、その厚みが決
定され、通常、0.2〜5mmの範囲である。なお、こ
の薄肉一般部としては、箱状成形品の低部のみでなく、
たとえば、洗面化粧台のような、薄肉一般部で、基板部
と凸状の棚板部を形成したような成形品であってもよ
い。
【0026】また、外周部の主要部とは、成形品の変
形、すなわち、外周立ち上がり部の内側へのソリ変形が
生じない範囲であり、たとえば、四角形の成形品におい
て、三辺に相当する、コの字状にガスチャンネルを形成
する場合を例示できる。この場合の厚肉部としては、薄
肉一般面の厚さの通常1.5〜5倍、好ましくは、2〜
4倍程度である。
【0027】本発明の樹脂成形品の成形法に用いられる
熱可塑性樹脂としては、特に、制限はないが、例えば、
ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合
体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリエチ
レン、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体変性ポリオ
レフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン
単独重合体、ゴム変性ポリスチレン、シンジオタクチッ
ク構造含有ポリスチレンなどのポリスチレン系樹脂、A
S樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ芳香族エーテルまた
はチオエーテル系樹脂、ポリ芳香族エステル系樹脂、ポ
リスルホン系樹脂およびアクリレート系樹脂等が採用で
きる。ここで、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いること
がもできるが、二種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。これらの熱可塑性樹脂には、必要により、エラスト
マーなどの衝撃強度改良剤、ガラス繊維、タルク、炭酸
カルシウムなどの強化剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、耐候剤、光安定剤、着色剤、結晶
化剤などの添加剤などを加えることもできる。
【0028】以上、詳細に述べたように、本発明の樹脂
成形品の成形法は、ガス注入射出成形において、溶融樹
脂の流動、充填が比較的困難な薄肉な主要部を有する成
形品、特に、成形品周辺部に立ち上がり部を有し、その
基部に厚肉部があったり、リブなどの補強部の基部など
の厚肉部を持つ成形品の厚肉部へガス注入を行う成形法
に好ましく適用できる。したがって、従来、成形が困難
であった、薄肉、軽量、大型の成形品において、中空部
(ガスチャンネル)を所望箇所に確実に形成することが
可能となる。これによって、成形品の変形を防ぎ、強
度、剛性が確保されるとともに、金型転写性にすぐれ、
厚肉部におけるヒケの発生が防止されるなど外観にすぐ
れた成形品の成形ができる。
【0029】また、中空部の形成における、中空部の外
殻部の厚みの調整などが、成形条件を制御することによ
って、成形品に要求される物性、外観を考慮して容易に
変更可能になるなど、成形品の設計の自由度が大幅に向
上する。したがって、外観や強度、剛性を重視する各種
成形品への適用が可能であり、その適用分野の拡大が期
待される。これらの特徴により、前記したところの、自
動車、家電機器、OA機器、家具、住宅設備、建築、土
木分野などにおける各種成形品として、その応用分野を
拡大するものである。特に、従来困難であった、軽量化
の程度の高い薄肉で、比較的大型で、外周立ち上がり部
を有する成形品への適用が期待される。
【0030】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定
されるものではない。 1.成形機:850tの圧縮機能付きの射出成形機。 2.使用樹脂:ポリプロピレン樹脂、IDEMITSU
PP J−750HP(MI=14g/10分:23
0℃、2.16Kg荷重)。 3.成形金型:小型の洗面化粧台(500×700×外
周の立ち上がり80mmである、薄肉部の肉厚:2.5
mm、厚肉部:8mm径)を成形するもの。概略図を図
4に示す。図において、(A)は正面図〔外周の立ち上
がり部の内、三辺にコの字の位置に厚肉部が形成されて
いる(金型図示省略:図1参照)、(B)図4(A)の
Y−Y切断図、(C)は図4(A)のZ−Z切断図であ
る。 4.成形条件:樹脂温度=220℃。
【0031】金型温度=40℃。 ゲート=2点バルブゲート 射出時の型開き量(圧縮代=0.5mm)。 射出時間=3秒。 圧縮開始タイミング=射出後2.7秒。 圧縮力=250t、最終肉厚=2.5mm。 ガス注入圧力=13MPa。 ガス注入時間=5秒。 樹脂排出流路弁開放:ガス注入開始後=3秒。 樹脂排出流路弁閉鎖:ガス注入開始後=5秒。 ガス保持時間=15秒。 ガス放出時間=5秒。
【0032】5.成形結果:本成形条件により、コの字
状のガスチャンネルが、厚肉部の全域にわたって、約
2.5mm径の円形に近い断面で形成されていた。この
中空部の形成により、成形品の外周立ち上がり部は、内
側へのソリの発生は見られなかった。また、厚肉部にお
いても、溶融樹脂の収縮によるヒケの発生もなく、外観
にすぐれていた。さらに、成形品の末端まで、樹脂は完
全に充填されてをり、成形品の一部に形成したシボ面を
含め、金型転写性にまったく問題はなかった。なお、ガ
ス注入により溶融樹脂の追い出しを行わなかった場合
は、中空部(ガスチャンネル)が厚肉部の先端まで形成
されず、また、中空部の容積も小さく、先端部を中心に
ヒケの発生が見られた。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、溶融樹脂を射出充填し
て、金型面を確実に転写した後、溶融樹脂にガスを注入
して、金型キャビティの厚肉部の溶融樹脂の一部を金型
キャビティ外のスピルオーバーキャビティに追い出し、
所望の中空部を、所望のサイズで、全長に渡って均一に
形成することができる。これにより、薄肉成形品の厚肉
部に中空部(ガスチャンネル)を確実に、均一に形成す
ることができる。したがって、成形品の薄肉化による、
軽量化、厚肉部、リブなどの形成により、強度、剛性、
歪みによる変形が防止されるとともに、ヒケの発生がな
く、金型転写性にすぐれ、外観が良好となる。したがっ
て、特に軽量化効果の高い、薄肉成形品への適用が容易
となり、設計の自由度が広がり、その応用分野の大幅な
拡大が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂成形品の成形法に用いられる成形
金型の概念を示す、金型開閉方向の断面図であり、溶融
樹脂の射出時の状態を示す。
【図2】本発明の樹脂成形品の成形法に用いられる成形
金型の概念を示す、金型開閉方向の断面図であり、成形
完了時の状態を示す。
【図3】図1の、X−X断面図である。
【図4】実施例で成形された、洗面化粧台の概略図であ
る。(A)は正面図、(B)は(A)のY−Y切断図、
(C)はZ−Z切断図を示す。
【符号の説明】
1:固定金型 2:可動金型 3:初期の金型キャビティ 33:樹脂成形品相当のキャビティ部 4:スピルオーバーキャビティ 5:スプルー 6:溶融樹脂 7:ガス注入路 8:ガス注入ピン 9:溶融樹脂排出路 10:溶融樹脂排出路開閉弁 11:開閉弁作動部 12:薄肉一般面 13:外周立ち上がり部 14:厚肉部 15:中空部(ガスチャンネル)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を充
    填し、該溶融樹脂中の所望箇所にガスを注入して中空部
    を形成するに際し、金型キャビティ容積よりも小さい容
    量の溶融樹脂を射出し、可動金型を前進させて溶融樹脂
    を圧縮して金型キャビティに充満させ、ガスの注入によ
    り溶融樹脂の一部を金型キャビティ外のスピルオーバー
    キャビティに追い出すことからなる樹脂成形品の成形
    法。
  2. 【請求項2】 スピルオーバーキャビティへの追い出し
    を追い出し樹脂流路の弁を開放することにより行う請求
    項1記載の樹脂成形品の成形法。
  3. 【請求項3】 樹脂成形品が薄肉一般部と厚肉部からな
    り、厚肉部にガス注入による中空部が形成されている請
    求項1または2記載の樹脂成形品の成形法。
  4. 【請求項4】 樹脂成形品が薄肉一般部と外周立ち上が
    り部からなり、立ち上がり部の基部の主要部の厚肉部に
    ガス注入による中空部が形成されている請求項1〜3の
    いずれかに記載の樹脂成形品の成形法。
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Cited By (4)

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