JPH08300392A - 発泡性プラスチック組成物の射出成形方法 - Google Patents

発泡性プラスチック組成物の射出成形方法

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JPH08300392A
JPH08300392A JP7111691A JP11169195A JPH08300392A JP H08300392 A JPH08300392 A JP H08300392A JP 7111691 A JP7111691 A JP 7111691A JP 11169195 A JP11169195 A JP 11169195A JP H08300392 A JPH08300392 A JP H08300392A
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JP
Japan
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cavity
volume
mold
injection
molded product
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JP7111691A
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Michio Yoshizaki
倫生 吉崎
Koichi Honda
孝一 本田
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面が無発泡又は低発泡で緻密な構造を有す
る層でなり内部が高発泡層でなる、軽量で外観および剛
性に優れた発泡プラスチック成形品を製造すること。 【構成】 射出中又は直後にキャビティーの容積を縮小
させて溶融した発泡性プラスチック組成物を完全に充填
し、射出充填完了後に金型面に接触する固化層と内部の
溶融層が混在する状態まで冷却した後、キャビティーの
容積を目的とする成形品の容積まで拡大し更に冷却して
から発泡プラスチック成形品を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡性プラスチック組成
物の射出成形方法に関する。さらに詳しくは、成形品の
表面が無発泡又は低発泡で緻密な気泡構造であり及び内
部が微細で均一な高発泡構造でなる軽量で、優れた断熱
性、剛性を有する発泡プラスチック成形品を製造する射
出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡プラスチックの射出成形方法とし
て、特開昭62−246710号公報には射出成形機の
射出口に結合される成形型を固定型とその固定型に対し
て進退する可動型とで構成し、それらの間に成形される
キャビティを可動型の進退によって拡大縮小可能とな
し、射出成形機から成形型内へ発泡材が射出される以前
に可動型を後退させてキャビティを所定の大きさまで拡
大する発泡樹脂の射出成形方法が開示されている。ま
た、特開平4−214311号公報には、互いにはまり
あってキャビテイ容積を拡大又は縮小する方向に相対移
動可能な金型を、所定のキャビテイ容積縮小位置に位置
させ、キャビテイ内に発泡性溶融樹脂を発泡しない樹脂
圧力に維持した状態で注入しながら金型をキャビテイ容
積拡大方向に移動させ、次に金型をキャビテイ容積縮小
方向に移動させることにより樹脂を圧縮し、これの表面
を冷却して固化させ、次に金型を再びキャビテイ容積拡
大方向に移動させることにより発泡を開始する樹脂圧力
まで低下させて内部の樹脂を発泡させ、冷却した後成形
品を取出す射出圧縮成形法が開示されている。
【0003】しかしながら、上記のような従来の方法に
は、外観が優れた成形品が得られないという問題が残
る。前者の方法では、その原因として射出と同時にキャ
ビティーの容積を拡大するため、成形品の表面部分で気
泡の破裂が起こり、無発泡又は低発泡で緻密な気泡構造
を持つ表面が得られないこと、やゲートより離れた位置
に薄肉部があるキャビティーの構造を持つ金型を用いた
場合、完全な充填が困難であることが考えられる。さら
に、後者の方法では、ゲートより離れた位置に薄肉部が
あるキャビティーの構造を持つ金型(例えば平面部が大
きく、リブやボス等を有する形状をもつ成形品用の金型
等)及び通常の成形機を用いた場合、発泡性プラスチッ
クが発泡しない圧力に維持することが困難であることが
考えられる。勿論、大型の成形機を用い高速高圧で射出
を行うか、又はカウンタープレッシャー法を併用すれ
ば、発泡性プラスチックが発泡しない圧力に維持するこ
とができるが、経済性に問題が残る。
【0004】さらに、従来の方法では、平面部が大きく
末端部分に薄肉のリブや壁面又はボス等を有する形状の
成形品では、成形品末端まで充分に樹脂を充填すること
ができず(いわゆるショートショット)不良品の発生、
及び表面が緻密で外観が優れた成形品が得られないとい
う問題が残る。
【0005】その原因として上記何れの方法も射出と同
時又は射出途中でキャビティー拡大を行う、つまり樹脂
を供給している最中に充填すべきキャビティーの容積が
増大していることが考えられる。特に平面部が大きなキ
ャビティーで該操作を行った場合、樹脂の供給速度がキ
ャビティーの容積拡大速度に追従できない事態が充分に
起こりうる。このような状況においては供給される樹脂
のキャビティー内での圧力を一定に維持することは非常
に困難であり、樹脂の発泡開始を阻止することはできな
い。更に末端までの充填に一定以上の樹脂供給圧力を必
要とする該形状を持つキャビティーでは、必然的にショ
ートショットとならざるを得ない。また、キャビティー
拡大後に再度キャビティー圧縮を行っても同時点では既
に樹脂の発泡の大半が完了しているために、キャビティ
ー圧縮工程は発泡によって生成された気泡部分を圧縮す
るのみで末端部分への流動充填効果は期待できない。
【0006】また前記と同じ理由により、キャビティー
内での樹脂圧力の低下は樹脂供給途中での発泡を促進さ
せることになり、この発泡によって生成された気泡が供
給中の樹脂先端部分で次々に破壊されるため成形品表面
にその痕跡を残すことになり、良好な外観を持つ成形品
が得られない。更に前記圧力低下を防止するために予め
金型内に圧縮ガスを封入しておき流動樹脂の先端部分圧
力を一定に保持するいわゆるカウンタープレッシャー法
を併用した場合に於いても、樹脂供給速度とキャビティ
ー容積拡大速度の関連に於いてキャビティー平面部分で
は見掛け上樹脂の流動が停止するか若しくは後退する現
象が発生し、その痕跡がいわゆるためらいマークとして
成形品表面上に現れて著しく外観を損なうことになる。
【0007】このような従来方法の欠点を除去するに
は、成形品の形状を棒状若しくは柱状または平面部投影
面積に対して厚み方向に充分に厚い形状に限定せざるを
得なくなる。すなわちこれら射出と同時又は射出途中に
キャビティーを拡大する工程を含む方法によって良好な
成形品を得ようとするときには成形品の形状が狭い範囲
に限定されてしまうという制約を逃れることは出来な
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的
は、ゲートより離れた位置に薄肉部があるキャビティー
の構造を持つ金型を用いて通常の射出成形機で成形品の
表面が無発泡又は低発泡で緻密な気泡構造であり、かつ
内部に高発泡層を有し、軽量で、優れた外観、剛性を有
する発泡プラスチック成形品を得る射出成形方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、 a) 溶融した発泡性プラスチック組成物を射出途中又は
射出直後にキャビティーの容積を縮小させてキャビティ
ー内に完全充填する工程、 b) 金型面に接触する固化層と内部の溶融層が混在する
状態まで冷却する工程 c) 目的とする成形品の容積までキャビティーの容積を
拡大する工程、および d) 更に冷却を行った後に成形品を取り出す工程を含む
発泡性プラスチック組成物の射出成形方法。
【0010】本発明に用いる発泡性プラスチック組成物
は熱可塑性プラスチックと発泡剤を含有する。熱可塑性
プラスチックとしては、ポリスチレン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ABS樹脂、メタクリル樹脂及びポリビニルアルコ
ール等を例示できる。ポリプロピレンには、プロピレン
単独重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体及び
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体が包含さ
れる。
【0011】本発明に用いる発泡剤としては、炭酸アン
モニウム及び重炭酸ソーダ等の無機化合物、並びにアゾ
化合物、スルホヒドラジド化合物、ニトロソ化合物及び
アジド化合物等の有機化合物を例示できる。上記アゾ化
合物としてはアゾジカルボンアミド(ADCA)、2,2
−アゾイチブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニ
トリル、及びジアゾアミノベンゼン等が例示でき、上記
スルホヒドラジド化合物としてはベンゼンスルホヒドラ
ジド、ベンゼン−1,3−ジスルホヒドラジド、ジフェ
ニルスルホン−3,3−ジスルホヒドラジド及びジフェ
ニルオキシド−4,4−ジスルホヒドラジド−等が例示
でき、上記ニトロソ化合物としてはN,N−ジニトロソ
ペンタメチレンテトラミン(DNPT)及びN,N−ジ
メチルテレフタレート等が例示でき、上記アジド化合物
としてはテレフタルアジド及びP−第三ブチルベンズア
ジド等が例示できる。
【0012】本発明に用いる発泡性プラスチック組成物
は、例えば、熱可塑性プラスチックに対して発泡剤を
0.5〜5重量%配合してタンブラー等を用いドライブ
レンドすることによつて調製できる。
【0013】次に本発明で行うキャビテイーの容積の縮
小について、射出開始時点のキャビティーの容積を
〔A〕、射出途中又は射出直後にキャビティーの容積を
縮小させた(縮小が完了した)時点のキャビティーの容
積を〔B〕、目的とする成形品の容積(寸法)までキャ
ビティーの容積を拡大させた(拡大が完了した)時点の
キャビティーの容積を〔C〕と表示して説明する。実際
的には、容積Bは容積Cを平均発泡倍率で除した値に相
当する。容積Aは容積Bの1.1〜5倍好ましくは1.5
〜3倍の容積に相当する。容積Bの1.1倍を大きく下
回る容積を用いる成形方法では、充填時に発泡性プラス
チック組成物に掛かる圧力の勾配が大きくなり、従って
均一な充填ができず外観の優れる発泡プラスチック成形
品が得られず好ましくない。更に、容積Bの5倍を大き
く超える容積を用いる成形方法では、射出した時に、一
時的に発泡性プラスチック組成物に掛かる圧力が低下
し、充填が完了する前に発泡が始まる。従って外観の優
れた発泡プラスチック成形品が得られず、好ましくな
い。
【0014】本発明によるキャビティー容積の拡大は、
例えば、射出成形機の型締め機構による金型の移動また
は金型に設けられたスライドコアの移動によって行うこ
とができる。このようなキャビティー容積の変化は手動
操作によっても行うことができるが、成形機または金型
の機構自体で制御できることが望ましい。すなわち、射
出成形機の型締め機構による金型の移動でキャビティー
容積の拡大を行う場合は、成形動作中に金型を任意に移
動及び停止できるような制御機能を持つことが望まし
く、スライドコアの移動によってキャビティー容積の拡
大を行う場合はスライドコアの移動を任意に制御できる
機能を持つことが望ましい。
【0015】キャビティー内に組成物を完全に充填する
方法の例としては、容積Bに対し50〜100容量%、
好ましくは80〜100容量%、更に好ましくは90〜
100容量%の量をキャビティー内に射出し、次いでキ
ャビティーの容積の縮小を行う方法がある。
【0016】本発明による金型面に接触する固化層と内
部の溶融層が混在する状態までの冷却は、例えば、射出
成形用金型の冷却機構を用い、キャビティーの容積の縮
小及び組成物の充填が完了した後、容積Bの状態を1〜
15秒間保持することによつて行うことができる。
【0017】本発明で用いる発泡性プラスチック組成物
には必要に応じて酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、着色剤、オレフィン系エラストマー及びタ
ルク等の無機フィラーを本発明の目的を損なわない範囲
で配合することができる。
【0018】(作用効果)本発明の方法は、溶融した発
泡性プラスチック組成物をキャビティーへ射出中のキャ
ビティーの状態が縮小中であり、縮小位置にあるキャビ
ティーに充填が完了後に冷却−キャビティーの拡大−再
冷却の操作を行うことが特徴である。したがって、この
方法によって得られた成形品は、その表面が無発泡また
は低発泡で緻密な構造を有する層でなり、内部が高発泡
層でなる、外観、断熱性等が優れたものである。
【0019】成形品の表面が無発泡又は低発泡で緻密な
構造を有する層が得られる原因として、上記b)の工程
までキャビティーの容積が縮小中及びその後縮小位置の
容積であるため、つまりキャビティーの容積の拡大を行
わないため、キャビティー内に射出充填した溶融状態の
発泡性プラスチックの末端まで射出圧力及び射出保圧が
伝わっているとともに、容積を縮小することにより型圧
力も伝わると考えられ、この状態の時の溶融した発泡性
プラスチックは無発泡又は低発泡状態であると考えられ
る。その状態で金型面に接する固化層と内部の溶融層が
混在する状態まで冷却する工程が存在するため、金型に
接している溶融した発泡性プラスチックは、無発泡又は
低発泡状態のまま冷却されるため、金型の表面を転写
し、その後キャビティー容積を拡大しても発泡すること
がないと考えられるため、表面が無発泡又は低発泡で緻
密な構造を有する層を持つ成形品が形成され、すなわち
外観が優れると考えられる。また、上記のようにキャビ
ティー内に射出充填した溶融状態の発泡性プラスチック
の末端まで射出圧力及び保圧が伝わっていると考えられ
るため、ゲートより離れた位置に薄肉部があるキャビテ
ィー構造を持つ金型を用いた場合でも、薄肉部にも溶融
状態の発泡性プラスチックが充填でき、完全な充填が容
易であると考えられる。勿論、上記冷却する工程は、金
型面に接する固化層と内部の溶融層が混在する状態まで
行われるため、その後の上記c)の工程により内部の溶
融層が発泡すると考えられ、上記d)の工程で内部まで
冷却固化させるため、内部が高発泡層でなる成形品が得
られる。
【0020】
【実施例】以下に実施例及び比較例によって本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り制約されるものではない。なお以下の実施例及び比較
例で用いた組成物、射出成形機及び金型を以下に示す。 〔組成物〕 JIS K7210の試験条件14(23
0℃;21.18N)に基ずくメルトフローレートが2.
5g/10分、結晶融点が165℃のプロピレン単独共
重合体を100重量部及びアゾヂカルボンアミド(AD
CA)を3重量部を配合してタンブラーミキサーにて混
合撹拌して得た組成物を用いた。 〔射出成形機〕 スクリュー径が90mmのシリンダー及
び型締め制御機構を有し、最大型締め力が650Tであ
る射出成形機を用いた。 〔金型〕 後述の図1及び図2に示す成形品が得られ
る、格子状リブと4辺にボスを有し縦410mm、横29
5mm、高さ50mmの箱形形状のキャビティーを有し、更
に金型のパーティング部分は嵌合形状であり、可動側の
金型位置でキャビティーの容積が変更可能な金型を用い
た。また、図1に示す1及び2の部位に接する金型面に
型内圧測定用圧力センサーを配しキャビティー内のプラ
スチック圧力を測定可能とした。
【0021】以下に実施例及び比較例で用いた特性の評
価は下記の方法で行った。 〔ゲート近辺部の最大圧力〕 実施例で用いる金型の、
図1に記載の2の部位に接する金型面に型内圧測定用圧
力センサーを配し成形時における最大圧力値(測定値)
を、ゲート近辺部の最大圧力とした(単位:MPa)。 〔末端部の最大圧力〕 実施例で用いる金型の、図1に
記載の2の部位に接する金型面に型内圧測定用圧力セン
サーを配し成形時における最大圧力値(測定値)を、末
端部の最大圧力とした(単位:MPa)。 〔充填状態〕 実施例及び比較例で得られた成形品と以
下に示す標準品とを比較評価を行い、形状が標準品と同
じ場合をG、異なる場合をNとした。 標準品:JIS K7210の試験条件14(230
℃;21.18N)に基ずくメルトフローレートが30
g/10分のポリプロピレン、実施例に用いる成形機及
び金型を用い、射出成形機のシリンダー設定温度を23
0℃、金型の冷却水温度を70℃に設定し、容積が86
9ccのキャビティー内に780gのポリプロピレンの射
出を行い、射出が完了後30秒間冷却した後、金型を開
き成形品をとりだした。この成形品を標準品とした。 〔外観〕 実施例及び比較例で得られた成形品と充填状
態の評価に用いた標準品とを比較評価をおこない、表面
状態が標準品と同等の場合をG、明らかに異なり、表面
に凸凹が見られる場合をNとした。 〔気泡状態〕 得られた成形品を図3に示すように切断
し、断面部の気泡状態を観察した。気泡の大きさが均一
である場合をG、気泡の大きさが不均一である場合をN
とした。 〔剛性〕 成形品から15mm×119mmの試験片を切り
出し、JIS K7203に準じて曲げ試験を行い、最
大曲げ荷重を剛性の指標とした(単位:N)。
【0022】実施例 1 上記の組成物、射出成形機及び金型を用い射出成形機の
シリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度を7
0℃に設定し、以下に示す手順で成形を行った。 図1に記載の7の部位に接する金型面(移動可能な
金型)と図2に記載の6の部位に接する金型面(固定さ
れている金型)の間隔が(以下天面部の厚みと略するこ
とがある)2.7mm及び容積が590ccのキャビティー
内に射出を行い、3秒間で420gの組成物の射出を完
了した。 射出を行っている間に、射出1.5秒後よりキャビ
ティーの容積の縮小を開始し2秒間で完了し、キャビテ
ィーの天面部の厚みを1.7mm及び容積を470ccとし
た。 キャビティーの容積の縮小が完了後10秒間冷却し
た後、容積の拡大を開始し、開始後1.5秒後に容積の
拡大を完了し、キャビティーの天面部の厚みが5.0mm
及び容積が869ccとした。 キャビティーの容積の拡大の完了後60秒間冷却し
た後、金型を開き成形品をとりだし、図1に示した、縦
410mm×横295mm×高さ52.8mm(容積869c
c)の成型品が得られた。得られた成形品の特性及び成
形時の最大圧力(測定値)を表1に示した。
【0023】実施例 2 容積が712cc及び天面部の厚みが3.7mmのキャ
ビティー内に射出を行なった。 以外は、実施例1と同様に成形を行った。縦410
mm×横295mm×高さ52.8mm(容積869cc)の成
型品が得られた。得られた成形品の特性及び成形時の最
大圧力(測定値)を表1に示した。
【0024】実施例 3 射出が完了後と同時にキャビティーの容積の縮小を
開始し、2秒間で完了し容積を470ccとした。 以外は、実施例1と同様に成形を行った。縦410
mm×横295mm×高さ52.8mm(容積869cc)の成
型品が得られた。得られた成形品の特性及び成形時の最
大圧力(測定値)を表1に示した。
【0025】比較例 1 上記の組成物、射出成形機及び金型を用い射出成形機の
シリンダー設定温度を220℃、金型の冷却水温度を7
0℃に設定し、以下に示す手順で成形を行った。 天面部の厚みが1.7mm及び容積が470ccのキャ
ビティー内に射出を行い、3秒間で420gの組成物の
射出を完了した。 射出が完了後10秒間冷却した後、容積の拡大を開
始し、開始後1.5秒後に容積の拡大を完了し、キャビ
ティーの天面部の厚みが5.0mm及び容積が869ccと
した。 キャビティーの容積の拡大の完了後60秒間冷却し
た後、金型を開き成形品をとりだし、図1に示した、縦
410mm×横295mm×高さ52.8mm(容積869c
c)の成型品が得られた。得られた成形品の特性及び成
形時の最大圧力(測定値)を表1に示した。
【0026】比較例 2 上記の組成物、射出成形機及び金型を用い射出成形機の
シリンダー設定温度を220℃、金型の冷却水温度を7
0℃に設定し、以下に示す手順で成形を行った。 容積が天面部の厚みが5.0mm及び869ccのキャ
ビティー内に射出を行い、3秒間で420gの組成物の
射出を完了した。 射出が完了後120秒間の後、金型を開き成形品を
とりだし、図1に示した、縦410mm×横295mm×高
さ30mm(容積715cc)の成型品が得られた。得られ
た成形品の特性及び成形時の最大圧力(測定値)を表1
に示した。
【0027】比較例 3 上記の組成物、射出成形機及び金型を用い射出成形機の
シリンダー設定温度を230℃、金型の冷却水温度を7
0℃に設定し、以下に示す手順で成形を行った。 天面部の厚みが1.7mm及び容積470ccのキャビ
ティー内に射出を行い、3秒間で420gの組成物の射
出を完了した。 射出を行っている間に、射出直後よりキャビティー
の容積の拡大を開始し3秒間で完了し、キャビティーの
天面部の厚みを3.5mm及び容積を690ccとした。 射出が完了後、キャビティーの容積の縮小を開始
し、2秒間で完了し、キャビティーの天面部の厚みを
2.5mm及び容積を570ccとした。 キャビティーの容積の縮小が完了後、キャビティー
の容積の拡大を開始し、1秒間で完了し、キャビティー
の天面部の厚みを5mm及び容積を869ccとした。 キャビティーの容積の拡大の完了後60秒間冷却し
た後、金型を開き成形品をとりだし、縦410mm×横2
95mm×高さ50mm(容積820cc)の成形品が得られ
た。得られた成形品の特性及び成形時の最大圧力(測定
値)を表1に示した。
【0028】表1に示すように、実施例1〜3の方法で
は、ゲート近辺部及び末端部の最大圧力が低く成形で
き、得られた成形品は、外観、充填状態、気泡状態のい
ずれにおいても優れていた。これに対し比較例1の方法
ではゲート近辺部及び末端部の最大圧力が高く、得られ
た成形品の気泡状態も不均一であり、本発明の成形方法
には適していない。また、比較例2の方法は得られる成
形品の充填状態、外観、発泡倍率が優れず、本発明の成
形方法には適していない。さらに、比較例3の方法は得
られる成形品の充填状態、外観が優れず、本発明の成形
方法には適していない。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、成形時に高い射出速度
と射出圧力を必要とせず、表面に無発泡又は低発泡層を
有し内部に高発泡層を有し、外観に優れた成形品を製造
できる成形方法が提供できる。このような方法で得られ
た成形品は軽量であり、断熱性の優れた用途に用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた成形品(表面)の図である。
【図2】実施例で得られた成形品(裏面)の図である。
【図3】実施例の気泡状態の評価で用いられた切断され
た成形品の図である。
【符号の説明】
1・・・型内圧測定用圧力センサーが接する部位 2・・・型内圧測定用圧力センサーが接する部位 3・・・ゲート位置 4・・・ボス 5・・・リブ 6・・・天面部の厚みを測定する部位 7・・・ 天面部の厚みを測定する部位

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 溶融した発泡性プラスチック組成物
    を射出途中又は射出直後にキャビティーの容積を縮小さ
    せてキャビティー内に完全充填する工程、 b) 金型面に接触する固化層と内部の溶融層が混在する
    状態まで冷却する工程、 c) 目的とする成形品の容積までキャビティーの容積を
    拡大する工程、および d) 更に冷却を行った後に成形品を取り出す工程を含む
    発泡性プラスチック組成物の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 発泡性プラスチツク組成物は熱可塑性プ
    ラスチツクと発泡剤を含有する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 発泡性プラスチツク組成物は酸化防止
    剤、耐候剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、オレ
    フイン系エラストマー、無機フイラー等をさらに含有す
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 発泡剤を熱可塑性プラスチツクに対して
    0.5〜5重量%配合する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の方法によつて製造された
    発泡プラスチツク成形品。
JP7111691A 1995-05-10 1995-05-10 発泡性プラスチック組成物の射出成形方法 Pending JPH08300392A (ja)

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JP7111691A JPH08300392A (ja) 1995-05-10 1995-05-10 発泡性プラスチック組成物の射出成形方法
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