JP2000094469A - 繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法および成形品 - Google Patents

繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法および成形品

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JP2000094469A
JP2000094469A JP26632998A JP26632998A JP2000094469A JP 2000094469 A JP2000094469 A JP 2000094469A JP 26632998 A JP26632998 A JP 26632998A JP 26632998 A JP26632998 A JP 26632998A JP 2000094469 A JP2000094469 A JP 2000094469A
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fiber
resin
molding
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gas
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Hiroshi Aida
宏史 合田
Toru Shima
徹 嶋
Manabu Nomura
学 野村
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • B29C2045/1723Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles using fibre reinforcements

Abstract

(57)【要約】 【課題】強度、剛性にすぐれた軽量樹脂成形品におい
て、成形品の外観にすぐれ成形品の形状に関わらず、特
に箱状の成形品などを効率よく成形する。 【解決手段】溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂
を成形品金型キャビティ容積の40〜100%となるよ
うに射出し、樹脂の射出開始後、溶融樹脂にガスを注入
して中空部を形成した後、ガスを減圧(脱圧)して繊維
含有溶融樹脂を膨張させる繊維含有軽量樹脂成形品の成
形方法である。また、平均繊維長が1〜20mm、繊維
含有率が10〜70重量%である繊維含有熱可塑性樹脂
からなり、表面部が均質な実質的無空隙層、内部が空隙
含有部分からなる繊維含有軽量樹脂成形品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維含有軽量樹脂
成形品の成形方法および成形品に関し、詳しくは外観、
強度、剛性にすぐれた表面部が緻密で内部に空隙を有す
る繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法および成形品に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂は自動車部品、
家庭電化製品、OA分野、容器、家具、建築、住宅設
備、土木用部材、雑貨等の樹脂成形品として広く利用さ
れている。これらの樹脂成形品は、生産性などの点から
主として射出成形により成形されている。中でも、ガラ
ス繊維等の繊維を含有させることで強化された繊維強化
樹脂成形品が知られている。
【0003】この繊維強化樹脂成形品は、引張強度、曲
げ強度などの機械的特性や耐熱性にすぐれているので、
インパネコア、バンパービーム、ドアステップ、ルーフ
・ラック、リア・クォターパネル、エアクリーナ・ケー
ス等の自動車部品、ラジオ、テレビ、ビデオなどの電気
製品の外箱、コンピューター、プリンター、複写機など
のハウジングや部品、外壁用パネル、間仕切壁用パネ
ル、棚板、ケーブル・トラフなどの家具・建築・土木用
部材、容器、コンテナ等として広く利用されている。こ
のような繊維強化樹脂成形品を製造するにあたり、成形
品金型キャビテイ内に繊維を含んだ溶融樹脂を射出、射
出圧縮する成形方法が採用されている。この射出成形方
法によれば、複雑な形状のものでも成形できるうえ、所
定の成形サイクルを連続して繰り返すことが可能なた
め、同一形状のものを大量生産することができるという
メリットがある。
【0004】射出成形で成形された繊維強化樹脂成形品
は、強度や剛性を向上させるために、繊維量を増やす
と、成形品の重量が増大するとともに、反り変形が大き
くなる傾向にあるので、重量軽減のために、原材料に発
泡剤を混入させ、成形品となる樹脂を発泡させながら成
形を行う発泡射出成形方法が提案されている(特開平7
−247679号公報等)。この発泡射出成形方法で
は、軽量化を達成するために、かなりの量の発泡剤を用
いても、充分な発泡倍率を得ることは容易でない。しか
も、十分な発泡倍率が得られたとしても、金型転写性は
甘く、成形品の外観が損なわれるばかりか、強度、剛性
などを十分確保できない場合がある。
【0005】これらの問題点を解消するものとして、強
度、剛性、耐衝撃性等の機械的特性や外観品質を維持し
つつ、軽量化を図るために、(1)比較的長い繊維を含
有した繊維強化樹脂ペレットを用い、繊維によるスプリ
ングバック現象を発生させて成形中の樹脂を膨張させ、
軽量成形品を得る膨張成形方法。(2)前記(1)にお
ける繊維強化ペレットに発泡剤を混入させ、この発泡剤
により樹脂の膨張を促進させ、さらに成形品の軽量化を
図る膨張成形方法が提案されている(国際公開97/2
9896号公報)。これらの方法によれば、機械的特性
を損なわずに、成形品の軽量化を充分達成できるので、
繊維強化樹脂成形品の軽量化を図るのに有効であるとい
える。
【0006】一方、樹脂成形品の軽量化成形方法とし
て、(3)金型キャビティ内の溶融樹脂中へ加圧流体
(ガス)を注入し、移動金型を金型開放方向へ移動し
て、金型キャビティ容積を拡大して中空部を成形する方
法がよく知られている。しかし、この方法では、移動金
型の後退時に、対応する金型面の溶融樹脂同志が引っ張
られて引き延ばされ、更には、注入するガスの影響で両
面から多数の不規則な突起状物が形成される。この突起
状物は、形状、位置、サイズを制御することができず、
リブとしての製品設計に生かすことができないばかり
か、成形品表面のヒケや光沢ムラなど外観上からも問題
となっている。
【0007】この突起状物の形成を防止するために、
(4)溶融樹脂として、低発泡性熱可塑性樹脂を金型キ
ャビティに射出したあと、第一次のキャビティ容積の拡
大をしたあと、不活性加圧流体を圧入しながら金型キャ
ビティ容積の第二次拡大を行い中空部を形成する製造方
法が提案されている(特開平8−11151号公報)。
また、他の成形方法として、(5)金型キャビティ内に
溶融樹脂を注入した後、この溶融樹脂内に高圧ガスを注
入し、その後高圧ガスを外部に放出して樹脂内に中空部
を形成するガス射出成形法において、上記溶融樹脂に発
泡剤を混入する射出成形法が提案されている(特開平1
0−15983号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)〜(4)に示した成形方法は、溶融樹脂を膨張さ
せるために、成形品金型キャビティ容積を拡大する必要
がある。したがって、これらの成形方法では、成形品金
型キャビティは少なくとも成形品外周部は、その形状の
如何を問わず、固定金型と可動(移動)金型が摺動する
ことにより金型開閉方向に拡大して成形品金型キャビテ
ィを拡張することになる。したがって、これらの成形方
法で得られる成形品としては、実質的に板状成形品の成
形に制限され、立ち上がり壁を有する箱状の成形品にあ
っては、底面の軽量化のみで、立ち上がり壁部分の軽量
化は実質不可能である。また、この板状成形品の両平面
は、キャビティ拡張前に、ある程度冷却されて、緻密な
成形表面が得られるが、成形品の端面部は、拡張によっ
て必ずしも溶融樹脂が十分追従せず、平面部と比較して
緻密性が低下し、表面外観も十分なものではない。
【0009】さらに、キャビティからの溶融樹脂の漏洩
を防止するためには、前記したように移動金型(中子)
が固定金型に進退できる構造、すなわち、成形品の外周
は移動金型の進退方向に垂直である必要があり、成形品
の形状は大きく制限されるものである。また、成形品金
型キャビティは、移動金型の拡張方向への膨張は容易で
あるが、外周方向への膨張は実質的に生じることがな
く、成形品の形状、すなわち、前記箱状成形品などでは
均一性を満足することができない場合がある。
【0010】次に、(5)の射出成形方法では、発泡剤
を用いるものであり、これ自体での膨張倍率は自ずと制
限があり、軽量化に限界がある。また、必要な発泡倍率
を得ようとすると樹脂の射出時に発泡剤がガス化して成
形品表面にシルバーストリークが発生し、外観が悪化す
るという問題点がある。これを防止するためには、射出
時の発泡を抑制するために、発泡剤含有溶融樹脂の射出
時に加圧する、カウンタープレッシャー法の採用が必要
があり、設備、工程などの点で問題となる。さらに、軽
量化の程度が高くなると気泡によって溶融樹脂層が断熱
性となり、成形品の冷却が遅れ、成形サイクルが長くな
り、生産性が低下し、結果としてコストアップ要因とな
る。これらの理由で、その使用分野は大きく制限される
ものと考えられる。
【0011】本発明の目的は、成形品の形状に制限がな
く、設計が自由であり、剛性、強度の低下がなく、外観
良好で均一性にすぐれた軽量化の制御範囲が広く、幅広
い分野の成形品への適用ができるとともに、生産性の高
い繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法および成形品を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況下において、ガス注入射出成形方法における原料
樹脂と成形品、成形品の軽量化と成形品の内部構造につ
いて鋭意研究を重ねた。その結果、溶融膨張性を有する
繊維含有熱可塑性樹脂を成形品金型キャビティに射出
し、ガスを注入して中空部を形成することにより、繊維
含有溶融樹脂をキャビティ金型面に押圧し、次いでガス
を減圧して、繊維含有溶融樹脂を中空部へ膨張させるこ
とにより、成形品の形状を問わず、剛性、強度、外観に
すぐれた軽量樹脂成形品が効率よく製造できることを見
出し、本発明を完成したものである。
【0013】すなわち、本発明は、 (1)溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂を成形
品金型キャビティ容積の40〜100%となるように射
出し、樹脂の射出開始後、溶融樹脂にガスを注入して中
空部を形成した後、ガスを減圧して繊維含有溶融樹脂を
膨張させることを特徴とする繊維含有軽量樹脂成形品の
成形方法。 (2)成形品金型キャビティ容積が樹脂の射出、膨張工
程において一定である上記(1)記載の繊維含有軽量樹
脂成形品の成形方法。 (3)ガスの注入に伴い、成形品金型キャビティ中の溶
融樹脂の一部を成形品金型キャビティ外に追い出す上記
(1)または(2)記載の繊維含有軽量樹脂成形品の成
形方法。 (4)溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂が発泡
剤を含有するものである上記(1)〜(3)のいずれか
に記載の繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法。 (5)繊維含有溶融樹脂を膨張後、ガスを成形品内に流
通させて冷却する上記(1)〜(4)のいずれかに記載
の繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法。 (6)溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂が、全
長が2〜50mmであり、この全長と等しい長さを有
し、互いに平行に配列された状態にある繊維を20〜8
0重量%含有する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットまたは
前記ペレットと他のペレットとの混合物で前記繊維が全
体の10〜70重量%とされたものを可塑化、溶融した
ものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維
含有軽量樹脂成形品の成形方法。 (7)平均繊維長が1〜20mm、繊維含有率が10〜
70重量%である繊維含有熱可塑性樹脂からなり、表面
部が均質な実質的無空隙層、内部が空隙含有部分からな
る繊維含有軽量樹脂成形品。 (8)空隙含有部分が、繊維含有樹脂部分と中空部分か
らなる上記(7)記載の繊維含有軽量樹脂成形品。 (9)繊維がガラス繊維である上記(7)または(8)
記載の繊維含有軽量樹脂成形品を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本願発明の繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法お
よび成形品について、成形方法を基に説明する。本発明
の繊維含有軽量樹脂成形品の製造方法は、特定の成形樹
脂原料、すなわち溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性
樹脂を成形品金型キャビティに射出し、溶融樹脂にガス
を注入して中空部を形成した後、ガスを減圧(脱圧を含
む)して繊維含有溶融樹脂を膨張させるものである。従
来技術の前者が、成形品金型キャビティに繊維含有溶融
樹脂を射出充填し、次いで金型キャビティ容積を拡大す
ることによって、繊維含有または発泡剤含有樹脂を膨張
させるのに対して、本発明の成形方法は、成形品金型キ
ャビティは、樹脂の射出、膨張工程において一定に固定
してある。つまり、成形品金型キャビティの溶融樹脂に
ガスを注入することにより、中空部を形成し、ついで、
この中空部を従来技術での膨張代に相当させようとする
ことに特徴がある。したがって、繊維含有溶融樹脂は、
注入されたガスを減圧あるいは脱圧することにより、中
空部分へと膨張することにより、緻密な表面部分と内部
の空隙含有部分によって、外観にすぐれた、成形品形状
に制限されることなく繊維含有軽量樹脂成形品が得られ
るものである。
【0015】また、従来技術の後者では、発泡剤の添加
により、膨張性を付与しているのに対して、本願発明が
含有繊維の膨張性を用いる点で大きく異なるものであ
る。膨張性として発泡剤を用いた場合は、前記したよう
に、膨張倍率に限界があり、外観不良が発生しやすい、
独立気泡となり冷却が困難で成形サイクルが長くなるな
どの問題がある。これに対して本発明の成形方法では、
本質的に含有繊維の絡み合いによるスプリングバック現
象を利用するものであり、これらの問題点がない。しか
も、膨張がある程度に達すると溶融樹脂に生じる空隙が
連続となり、この空隙を活用してガスを流通させて成形
品を冷却できる効果など、発泡剤では期待できない効果
が得られる。さらに、含有繊維による補強効果があるこ
とは勿論である。
【0016】本願発明の繊維含有軽量樹脂成形品の成形
方法は、成形品金型キャビティ内の溶融樹脂内にガスを
注入して、溶融樹脂を金型成形面に押圧転写するととも
に、中空部を形成し、その後に押圧された溶融樹脂を中
空部へ膨張させることで軽量化するものである。成形品
全体としての重量は、成形品金型キャビティ内の溶融樹
脂にガスを注入して、中空部を形成したときに、残存す
る繊維含有樹脂の重量である。したがって、成形品の見
かけ上の密度、すなわち、軽量化の程度は、溶融樹脂の
重量、溶融樹脂の密度と中空部の容積により、決まるも
のであり、溶融樹脂の重量を制御することにより決定で
きる。しかも、表面部に均一に形成された緻密部と内部
に形成された空隙含有の低密度部分との複合化により、
重量当たりの強度、剛性が高くなり、たとえば、自動車
の軽量化、省資源化さらには、断熱性、吸音性などの物
性を発現することができるものである。
【0017】なお、射出成形において、成形品金型キャ
ビティに射出する膨張性を有する繊維含有樹脂をキャビ
ティ容積にフル充填しないで成形することも当然考ええ
られる。しかしながら、この場合、膨張倍率が、たとえ
ば、1.2以下程度ではある程度の成形品を得ることが
できるが、成形品金型面全体に樹脂が十分充填できず、
特に、面積の広い成形品、リブやボス、微細な凹凸模様
などを有する成形品にあっては、繊維含有樹脂が比較的
溶融流動性が低いこととあいまって、商品価値ある成形
品は得られない。膨張倍率が大きい場合は単純形状の成
形であっても表面状態が均一で良外観の成形品は得られ
ない。
【0018】本願発明の成形方法は、成形品金型キャビ
ティに溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂を成形
品金型キャビティ容積の20〜100%、好ましくは、
30〜100%となるように射出するものである。つい
で、この溶融樹脂に、溶融樹脂の射出開始後にガスを注
入して、溶融樹脂中に中空部を形成するものである。ガ
スの注入位置、注入箇所、注入タイミングなどは、特
に、限定はなく、注入位置としては、射出成形機の射出
ノズル、金型のスプルー、ランナー、ゲート、成形品金
型面などがある。また、ガスの注入タイミングとして
は、溶融樹脂の射出後であれば、特に制限はなく、特に
成形品金型キャビティに100%射出充填しない場合
は、溶融樹脂の射出流動が止まらないようにすることが
好ましい場合がある。すなわち、溶融樹脂の射出完了後
にガスを注入すると、成形品表面に溶融流動が一時的に
停止した跡が発生する場合があるからである。
【0019】なお、本願発明において、ガス注入による
中空部の形成は、単に溶融樹脂の膨張代を確保するのみ
でなく、溶融樹脂を成形品金型面に押圧して、溶融樹脂
を成形品金型キャビティ金型面全体に行き渡らせ、金型
転写性を完全にする点も重要である。したがって、成形
品の形状、目的によっては、溶融樹脂を成形品金型キャ
ビティに100%射出充填し、成形金型キャビティ金型
面に射出圧力により完全に押圧、転写することもでき
る。この場合は、溶融樹脂の膨張代を確保するには、ガ
スの注入によって成形品金型キャビティ内の溶融樹脂
を、たとえば成形品金型キャビティ外に設けられたスピ
ルオーバーキャビティに中空部を形成するに必要な樹脂
量を追い出して、中空部を形成することができる。この
場合、ガス注入開始までの時間を制御することにより、
成形品表面の冷却状況により、表面部分の緻密な実質的
無空隙層の厚みや注入ガスによる追い出しで残る樹脂量
を調整することができる。
【0020】本願発明の成形方法にあっては、ガスの注
入箇所を複数とする、あるいは成形品金型キャビティに
形状や隔壁状の中子を突出可能に設けるなどの手段を採
用することにより、ガス注入時に形成する中空部を複数
とすることもできる。これらの手段を採用すれば、軽量
成形品の内部の低密度の空隙含有樹脂部に密度の高い、
リブ相当部を形成することができ、強度、剛性にすぐれ
た成形品とすることができる。
【0021】つぎに、中空部内のガスの減圧(脱圧を含
む)をする。一般的には、ガスを大気に放出することで
行うが、ガスの放出をある点で止めて、中空部の容積が
初期の容積よりも減少した任意の位置で止めて、冷却す
ることで、内部が空隙を有する樹脂部分と中空部が共存
する成形品とすることもできる。また、ガスの減圧のタ
イミングを制御することにより、成形品表面部の冷却の
程度を異ならせ、表面層の厚みを制御することができ
る。また、中空部へ膨張することにより形成された空隙
部は、繊維含有量などにもより異なるが、ある膨張倍率
以上になると空隙が連続する構造をとる。この空隙が連
続すると、この空隙を活用して、ガスを流通させること
で成形品を内部から冷却をすることができる特徴があ
る。
【0022】本願発明の好適な成形方法としては、成形
原料樹脂として、平均繊維長が2〜50mm、繊維含有
率が10〜70重量%である繊維含有熱可塑性樹脂を用
いる。特に、繊維含有熱可塑性樹脂が全長が2〜50mm
であり、この全長と等しい長さを有し、互いに平行に配
列された状態にある繊維を20〜80重量%含有する繊
維含有熱可塑性樹脂ペレット単独、またはこのペレット
と他のペレットとの混合物で前記繊維が全体の10〜7
0重量%とされたものである成形原料を用いることが好
ましい。ここで、他のペレットとしては、通常は熱可塑
性樹脂、またはこれに各種添加剤を含むものであるが、
たとえばガラス繊維などを溶融混練して得られるペレッ
トであってもよい。この成形原料の選択によって、スプ
リングバック現象がより良く発現する。
【0023】本願発明の繊維含有軽量樹脂成形品は、平
均繊維長が1〜20mm、好ましくは2〜15mm、繊
維含有率が10〜70重量%、好ましくは15〜60重
量%である。繊維含有率が10重量%未満では、膨張
性、強度、剛性、耐熱性が十分でなく、70重量%越え
ると溶融時の流動性が低下し、外観不良の発生、膨張
性、成形性が低下する場合がある。また、この繊維含有
軽量樹脂成形品は、表面部分が実質的無空隙層、内部が
空隙含有部分からなり、実質的無空隙層が均質である成
形品である。また、本発明の繊維含有軽量樹脂成形品
は、特に、金型開閉方向の金型スライド面を有さない射
出成形品である。この成形品は、上記本願発明の繊維含
有軽量樹脂成形品の成形方法などにより得ることができ
る。また、その軽量化は、成形品金型キャビティへの中
空部形成時点での、溶融樹脂の容積比率、含有する繊維
の種類や含有量、目的とする製品の要求特性によっても
異なるが、中空部を含めた空隙率が、20〜90%の範
囲のものである。また、内部空隙含有部分としては、繊
維含有樹脂部分と中空部分からなるものであってもよ
い。
【0024】繊維としては、ガラス繊維が好ましく、成
形品中の平均繊維長は1〜20mm、特に、2〜15m
mである。ここで1mm未満では、繊維の絡み合いが不
十分となり、膨張性が不足するとともに、強度、剛性、
耐衝撃性の点でも好ましくない。また、20mmを越え
ると分散性が十分でないとともに、溶融時の流動性が不
十分となり、成形品の薄肉部や末端部に樹脂が流れにく
くなり、成形不良が発生する場合がある。
【0025】本願発明に用いられる熱可塑性樹脂として
は、特に、制限はないが、例えば、ポリプロピレン、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体、ポリエチレン等のポリオレフ
ィン系樹脂、GPポリスチレン、ゴム変性ポリスチレ
ン、シンジオタクチック構造を有するポリスチレンなど
のポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリア
セタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ芳香族
エーテルまたはチオエーテル系樹脂、ポリ芳香族エステ
ル系樹脂、ポリスルホン系樹脂およびアクリレート系樹
脂等が採用できる。ここで、上記熱可塑性樹脂は、単独
で用いることがもできるが、二種類以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0026】このような熱可塑性樹脂のうち、ポリプロ
ピレン、プロピレンと他のオレフィンとのブロック共重
合体、ランダム共重合体、あるいは、これらの混合物な
どのポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリアミド系樹脂が好ましく、特に、不飽和カルボン
酸、または、その誘導体で変性された酸変性ポリオレフ
ィン系樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂が好適であ
る。また、これら熱可塑性樹脂には、各種エラストマー
などの耐衝撃性改良剤、安定剤、帯電防止剤、耐候剤、
着色剤、短繊維、タルク等の充填剤を必要に応じて加え
ることもできる。
【0027】なお、本願発明では、溶融樹脂の膨張性
は、含有するガラス繊維などの繊維の持つ絡み合いによ
るスプリングバック現象による復元力によるものであ
る。しかし、膨張性の補完のために、少量、たとえば
0.01〜3重量%の発泡剤を含有させることができ
る。ここで、発泡剤としては特に制限はなく、熱により
ガスを発生するものであればよく、化学発泡剤、物理発
泡剤がある。たとえば、アゾジカルボンアミド(ADC
A)、ベンゼンスルホヒドラジド、N,N−ジニトロペ
ンタメチレンテトラミン、テレフタルアジドなどを例示
できる。
【0028】また、繊維としては、セラミック繊維:ボ
ロン繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チッ化ケイ
素繊維、ジルコニア繊維、無機繊維:ガラス繊維、炭素
繊維、金属繊維:銅繊維、黄銅繊維、鋼繊維、ステンレ
ス繊維、アルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維、有
機繊維:ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアリ
レート繊維などを例示できる。
【0029】さらに、本願発明の成形方法に用いられる
繊維含有成形樹脂原料としては、前記したように全長が
2〜50mmであり、この全長と等しい長さを有し、互い
に平行に配列された状態にある繊維を20〜80重量%
含有する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットまたは前記ペレ
ットと他のペレットとの混合物で前記繊維が全体の10
〜70重量%とされた原材料であることが好ましい。繊
維が互いに平行に配列された状態となって全体の20〜
80重量%含有されたペレットを用いれば、射出装置の
スクリューで可塑化、溶融、混練を行っても、繊維の破
断が起こりにくく、また分散性も良好となる。これによ
り、キャビティ中の繊維含有溶融樹脂のスプリングバッ
ク現象が良好になるとともに、最終成形品中に残存する
繊維長が長くなり、物性の向上、表面外観が向上する。
なお、射出成形機の可塑化スクリューとしては、圧縮比
の比較的低いタイプの使用が、繊維の破断を抑制する点
で好ましい。
【0030】ここで、ガラス繊維としては、E−ガラ
ス、S−ガラスなどのガラス繊維であって、その平均繊
維径が25μm以下のもの、好ましくは3〜20μmの
範囲のものが好ましく採用できる。ガラス繊維の径が3
μm未満であると、ペレット製造時にガラス繊維が樹脂
になじまず、樹脂に含浸するのが困難となる一方、20
μmを超えると、外観が低下するとともに、リブなどの
細部に繊維が流れ難くなるとともに、溶融混練時に切
断、欠損が起こりやすくなる。これらの熱可塑性樹脂お
よびガラス繊維を用い、引き抜き成形法等でペレットを
製造するにあたり、ガラス繊維は、カップリング剤で表
面処理した後、収束剤により、100〜10000本、
好ましくは、150〜5000本の範囲で束ねておくこ
とが望ましい。
【0031】カップリング剤としては、いわゆるシラン
系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従来
からあるものの中から適宜選択することができる。例え
ば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが採用
できる。特に、前記アミノ系シラン化合物を採用するの
が好ましい。
【0032】収束剤としては、例えば、ウレタン系、オ
レフィン系、アクリル系、ブタジエン系およびエポキシ
系等が採用でき、これらのうち、ウレタン系およびオレ
フィ系が好ましく採用できる。これらのうち、ウレタン
系収束剤は、通常、ジイソシアネート化合物と多価アル
コールとの重付加反応により得られるポリイソシアネー
トを50重量%以上の割合で含有するものであれば、油
変性型、湿気硬化型およびブロック型等の一液タイプ、
および、触媒硬化型およびポリオール硬化型等の二液タ
イプのいずれもが採用できる。一方、オレフィン系収束
剤としては、不飽和カルボン酸、または、その誘導体で
変性された変性ポリオレフィン系樹脂が採用できる。
【0033】上述のような収束剤で収束したガラス繊維
に熱可塑性樹脂を付着・含浸させることにより、ガラス
繊維を含有する樹脂ペレットが製造される。ガラス繊維
に熱可塑性樹脂を付着・含浸させる方法としては、例え
ば、溶融樹脂の中に繊維束を通し、繊維に樹脂を含浸さ
せる方法、コーティング用ダイに繊維束を通して含浸さ
せる方法、あるいは、ダイで繊維の周りに付着した溶融
樹脂を押し広げて繊維束に含浸させる方法等が採用でき
る。ここで、繊維束と樹脂とをよくなじませる、すなわ
ち濡れ性を向上するために、内周に凹凸部が設けられた
ダイの内部に、張力が加えられた繊維束を通して引き抜
くことで、溶融樹脂を繊維束に含浸させた後、さらに、
この繊維束を加圧ローラでプレスする工程が組み込まれ
た引抜成形法も採用できる。なお、ガラス繊維と溶融樹
脂とが互いによくなじむ、濡れ性のよいものであれば、
溶融樹脂がガラス繊維に容易に含浸され、ペレットの製
造が容易となるので、前述の収束剤で繊維を収束する工
程は、省略できる場合がある。ここで、互いによくなじ
ませる方法としては、樹脂に極性を付与したり、ガラス
繊維の表面にカップリング剤と反応する官能基をグラフ
トしたりする方法が有効である。
【0034】以上のような方法で、樹脂が含浸された長
尺繊維束(ストランド等)を、繊維の長手方向に沿って
切断していけば、ペレットの全長と同じ長さの長繊維を
含んだ樹脂ペレットを得ることができる。この際、樹脂
ペレットとしては、繊維束がストランドにされ、その断
面形状が略円形となった樹脂含有長尺繊維束を切断した
ものに限らず、繊維を平たく配列することにより、シー
ト状、テープ状またはバンド状になった樹脂含有長尺繊
維束を所定の長さに切断したものでもよい。
【0035】次に、キャビティ内の繊維含有溶融樹脂に
注入する前記ガスとしては、特に制限はなく、通常は室
温の窒素、アルゴンなどの不活性ガスが用いられる。な
お、冷却を早め、成形サイクルを向上するためには、温
度が15℃以下、好ましくは、0℃以下の冷却用ガスを
採用することもできる。なおこの場合、ガス注入による
中空部を形成するためのガスとガスを減圧して、溶融樹
脂を膨張した後に冷却のために流通するガスの種類や温
度を変えることもできる。さらに、前記ガスは、前記溶
融樹脂を可塑化して射出する射出装置のノズルの内部に
設けられたガスノズル、または、前記金型の内部に設け
られたスプル、ランナおよびキャビティのいずれかに開
口されるガスピンから、繊維含有溶融樹脂の内部へ注入
することができる。
【0036】また、前記ガスの圧力としては、0.01
〜30MPaの範囲、特に、0.1〜20MPaの範囲
に設定されていることが好ましい。すなわち、注入する
ガスの圧力値は、成形品の大きさ、形状および膨張倍
率、ならびに、溶融樹脂の流動性、粘度および含有繊維
量、さらには、金型のゲート形状等に応じて設定するこ
とができる。
【0037】このガスの圧力も、溶融樹脂中に一時的に
中空部を形成する場合は比較的高く、また、溶融樹脂の
一部を成形品金型キャビティ外に追い出す場合などの条
件により、適宜選定する。また、成形品を冷却するため
には、比較的低圧のガスでの注入、流通が可能となる。
この理由は、繊維のスプリングバック現象を利用して、
樹脂が膨張したところに注入されるためである。いずれ
にしても、溶融樹脂の表面と金型成形面との間にガスが
漏れたり、シルバーマークストリーク等の外観上の不具
合が発生する可能性がほとんどない。
【0038】さらに、前記金型には、成形品の表面を被
覆一体化するための表皮材を、成形前に予め装着させる
ことができる。このように、予め成形前に表皮材が装着
された金型を用いれば、表面が表皮材で被覆された軽量
樹脂積層成形品が得られるようになる。ここで、表皮材
としては、織布や不織布等の布、熱可塑性樹脂シート、
フイルム、熱可塑性樹脂の発泡シート、および、模様等
が印刷されたフィルム等の単層材、ならびに、熱可塑性
エラストマーや塩化ビニル樹脂等の表皮材に、熱可塑性
樹脂や熱可塑性樹脂の発泡体シート等からまる裏地材を
裏打ちした多層材が採用できる。なお、表皮材は成形品
に全面被覆することもできるし、部分被覆することもで
きる。
【0039】本願発明の成形方法にあっては、金型キャ
ビティへの繊維含有溶融熱可塑性樹脂の射出は一般の射
出成形の方法が採用される。また、射出時のキャビティ
クリアランス、繊維含有量などによる溶融流動性、成形
品のサイズ(溶融樹脂の流動長さ)、樹脂配向の防止な
どの場合には、金型キャビティを満たすには不十分な樹
脂を射出し、次いで、可動金型などを前進して溶融樹脂
を圧縮し、完全充填する射出圧縮成形方法を採用するこ
ともできる。なお、表皮一体の成形方法にあっては射出
圧縮成形方法の採用が好ましい場合がある。
【0040】以下に本願発明の実施の態様を、従来例と
ともに図面に基づいて説明する。図1は、繊維含有軽量
樹脂成形品の成形方法の従来法を概念的に示す。図1に
おいて、1は固定金型、2は可動金型、3はスプルー、
4は金型キャビティ、5は射出溶融樹脂、6は膨張後の
成形品(軽量樹脂成形品)である。図1において、
(A)は、繊維含有溶融樹脂を射出し、金型キャビティ
の容積を拡大する前の状態を示し、(B)は金型キャビ
ティの容積を拡大した後の状態を示す。従来例の成形方
法では、図1(A)に示すように、溶融膨張性を有する
繊維含有熱可塑性樹脂を最終成形品の成形品金型キャビ
ティよりも容積の小さい金型キャビティ4に射出する。
これによって金型キャビティの金型面に溶融樹脂を転写
して、ある程度のスキン層を形成する。次いで、図1
(B)に示す、膨張後の成形品の容積となる金型キャビ
ティになるように、可動金型を後退させて、繊維含有溶
融樹脂を膨張(膨張代α)させて、軽量成形品を成形す
るものである。この場合、膨張倍率が比較的小さい場合
は特に問題は少ない。しかし、膨張倍率が大きくなる
と、成形品の両表面部は、良好な状態を維持できるが、
成形品の外周端面は、ある程度溶融樹脂の冷却が始まっ
た後に膨張することとなり、中央部とは異なった膨張状
態が生じるとともに、両表面部とはその表面状態が異な
り、均質性がなくなる。
【0041】また、成形品の形状も、溶融樹脂が金型キ
ャビティから漏洩することがないように、インロー構造
をとることが必要となり、その形状、特に成形品の金型
開閉方向の外周面は、筒状とならざるを得ず、成形品の
設計の自由度が低く、その応用分野が制限されることと
なる。さらに、箱状の成形品の場合は、側壁となる部分
を膨張させることは、実質的に困難であり、断熱性、強
度、歪みの発生などの均一性ある成形品が得られ難い。
【0042】図2〜5は、本願発明の繊維含有軽量樹脂
成形品の成形方法の、1実施態様の概念図を示す。各図
において、1は固定金型、2は可動金型、3はスプル
ー、4は成形品金型キャビティ、5Aは射出溶融樹脂、
6は膨張後の成形品、7はガス注入制御弁、8はガス注
入路、9はガス注入口、10はガス排出路、11はガス
排出制御弁、12はガス注入による中空部、13は成形
品内の中空部である。以下図面に基づいて、本願発明の
成形方法を説明する。図2は、一般の射出成形における
金型部分を示す。固定金型1に対して、可動金型2を前
進、型締めし、成形品に相当する成形品金型キャビティ
4が形成される。
【0043】この状態のキャビティ4に対して、繊維含
有溶融熱可塑性樹脂が図示しない可塑化装置のノズルか
らスプルー3を介して射出される。この場合繊維含有溶
融樹脂5Aは成形品金型キャビティ容積の20〜100
%射出される。図2は、約30%射出された状態を示
す。次いで、図3に示すように、樹脂の射出を継続しな
がら、ガス注入制御弁7を開き、ガス注入路8、ガス注
入口9より窒素ガスを注入する。射出樹脂は成形品金型
キャビティ容積の50%で停止する。これにより、溶融
樹脂は流れが中断することなく、成形品金型キャビティ
4内の成形品金型面全体に流動し、ガス注入による中空
部12を形成するとともに、注入ガス圧によって金型面
が確実に転写される。
【0044】射出された溶融樹脂は、金型との接触部分
から冷却が始まる。ついで、ガス注入制御弁7を閉じ、
ガス排出制御弁11を開き、ガス排出路10から減圧
(脱圧)する。その結果、図4に示すように、繊維含有
溶融樹脂は、そのスプリングバック現象により膨張し、
ガス注入で一時的に形成された中空部12を充満するこ
ととなり、内部に空隙部を有する軽量樹脂成形品6が形
成される。成形品の冷却を待って、型開きにより、可動
金型が後退して軽量樹脂成形品6が取り出される。
【0045】なお、図5に示すように、注入ガスの減圧
を、ある圧力に止めて成形品の冷却を行うことにより、
成形品6の内部空隙部分として、成形品内の中空部13
を形成させることもできる。以上説明したように、本願
発明の成形方法にあっては、成形品の形状に実質制限さ
れることなく、表面部が均質な緻密層からなり、内部が
空隙を含む軽量部分からなる成形品が成形できる。その
構造は、実質的にこれらを満足すればよく、成形品全体
としての見かけ密度、表面部の緻密層の厚さ、内部の空
隙含有部の密度分布などは任意とすることができる。す
なわち、繊維含有溶融樹脂の組成、樹脂温度、ガス注入
から減圧までの時間、金型温度、成形品の大きさなどに
より、目的の成形品の要求特性により、適宜設定するこ
とができる。
【0046】なお、図面においては、標準的な成形例に
ついて述べたが、これらに何ら制限されるものではな
い。例えば、前記したように、成形品として複雑な表面
形状、流動性の良くない形状などの場合、あるいは、表
面状態が、厳しい、転写性を要求される場合にあって
は、ガス注入による圧力のみでは、金型転写性が不十分
である場合がある。この場合には、成形品金型キャビテ
ィに対して、その容積の100%の溶融樹脂を射出し
て、高い樹脂の射出圧力により樹脂の射出、充填、転写
を行い、次いで、ガス注入により軽量化に相当する溶融
樹脂を、たとえば、成形品金型キャビティ外の、スピル
オーバーキャビティに追い出すことにより、中空部を形
成する方法を採用することができる。なお、この場合
に、射出圧力に加えて、金型による圧縮を加える手段を
併用することもできる。
【0047】また、ガスを減圧してガス注入による中空
部への繊維含有溶融樹脂の膨張を行うことが、本願発明
の軽量樹脂成形品の成形方法の特徴である。したがっ
て、溶融樹脂の膨張が可能な範囲で減圧にし、ある程度
のガス圧力を保持した状態を保ちながら、冷却すること
もできる。これによれば、冷却過程においても成形品の
金型への押圧ができ、より表面性にすぐれた成形品とな
る。なお、この場合に、ある程度のガス圧力を保持しな
がら、成形品内にガス、特に冷却ガスを流通させること
で、金型による冷却効率の低下(成形品の断熱性によ
る)を補い、成形サイクルの向上を図ることができる。
このことも、本発明の大きな特徴である。
【0048】本発明の繊維含有軽量樹脂成形品として
は、インパネコア、バンパービーム、ドアパネル、アシ
ストグリップ、アームレスト、ドアステップ、ルーフ・
ラック、リア・クォターパネル、エアクリーナ・ケー
ス、各種ピラー類、天井材、エンジンカバー等の自動車
部品、ラジオ、テレビ、ビデオなどの電気製品の外箱、
各種容器、断熱容器、箱、額縁、コンピューター、プリ
ンター、複写機などのハウジングや部品およびコンテ
ナ、外壁用パネル、間仕切壁用パネル、棚板、ケーブル
・トラフなどの家具・建築・土木用部材等として、成形
品形状を通常の射出成形と同じく自由な設計が可能であ
ることから、その巾広い応用展開が期待される。
【0049】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限
定されるものではない。ガラス繊維(13μm)が平行
に配列し、その含有量が40重量%、長さが12mmで
あるガラス繊維強化ポリプロピレンペレット(無水マレ
イン酸変性ポリプロピレンを3重量%含有)を成形樹脂
原料とした。射出成形機は、型締力:200t、ガラス
繊維の破断を少なくするために圧縮比:1.9のスクリ
ューを用いた。成形金型として、アシストグリップ(直
径:30mm、長さ:300mm)成形金型を用いた。
【0050】成形条件は、樹脂温度:250℃、金型温
度:60℃、射出時間:2秒、射出開始1秒後に10M
Paの窒素ガスを10秒間注入した。キャビティに対す
る射出樹脂容量は60%とした。ガス注入停止後、直ち
に窒素ガスを大気開放して脱圧した。成形サイクル:6
0秒で成形品を取り出した。得られたアシストグリップ
を切断したところ、中空部分はなく、しかも軽量化され
ていた。なお、成形品を灰化して、ガラス繊維長を測定
したところ、平均繊維長(重量平均)は、5.7mmで
あった。
【0051】なお、比較として、タルクを30重量%含
有するポリプロピレン樹脂を原料として、実施例で用い
たと同じ、成形機、金型を用いて以下の成形を行い、軽
量なアシストグリップを成形した。 (1)ガス射出成形方法 樹脂温度:250℃、金型温度:60℃、射出時間:2
秒、射出開始1秒後に10MPaの窒素ガスを3秒間注
入、30秒間保持した。キャビティに対する射出樹脂容
量は60%とした。ガス保持後窒素ガスを大気開放して
脱圧した。成形サイクル:60秒で成形品を取り出し
た。得られ成形品は約40%の中空部を有していた。 (2)発泡成形方法 原料樹脂に発泡剤〔永和化成株式会社製:ポリスレンE
V−306G〕を5重量%添加し、樹脂温度:250
℃、金型温度:40℃、射出時間:3秒、射出樹脂量:
60%容量相当、成形サイクル:150秒の成形条件で
成形品を得た。
【0052】本願発明の成形方法で得られた、アシスト
グリップと比較して、(1)のガス射出成形方法で得ら
れた成形品は、中空部を有すること、ガラス繊維を含有
していない点で、強度、剛性、特に、強度の点で劣って
いた。また、(2)発泡成形方法で得られた成形品は、
表面にシルバーストリークが見られるとともに、成形サ
イクルが長く、強度も低いものであった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、成形品の見かけ密度が
低く、その軽量化の制御範囲が広く、成形品の全表面が
緻密で、外観にすぐれるとともに、含有繊維による強
度、剛性にすぐれた成形品を得ることができる。しか
も、成形品金型として、一般の射出成形金型が使用でき
ること、すなわち、成形品の形状に制限なく、たとえば
均一性にすぐれた箱型成形品など自由な製品設計ができ
る。また、軽量化率の高い成形品にあってもすぐれた強
度特性と表面性を維持できるとともに、短い冷却時間に
よる成形サイクルの短縮により生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の成形方法である概念図であり、(A)は
金型キャビティの容積を拡大する前の状態であり、
(B)は拡大後の状態である。
【図2】本願発明の1実施態様を示す成形方法の概念図
であり、樹脂射出時の状態を示す。
【図3】図2に、ガスを注入して、中空部を形成する状
態の概念図を示す。
【図4】図3から、ガスを減圧して、溶融樹脂が中空部
に膨張した場合の概念図を示す。
【図5】図4において、ガスの減圧を途中で止めて、成
形品の内部に中空部を残すように膨張した場合の概念図
を示す。
【符号の説明】
1:固定金型 2:可動金型 3:スプルー 4:(成形品)金型キャビティ 5:射出溶融樹脂 6:膨張後の成形品(軽量樹脂成形品) 7:ガス注入制御弁 8:ガス注入路 9:ガス注入口 10:ガス排出路 11:ガス排出制御弁 12:ガス注入による中空部 13:成形品内の中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F206 AA11 AA11E AA13 AB02 AB25 AC01 AG06 AG07 AG20 AH17 AH25 AH42 AH46 AH55 AH56 AM34 JA05 JA07 JL02 JM05 JN25 JN26 JN27 JQ03 JQ83

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂
    を成形品金型キャビティ容積の40〜100%となるよ
    うに射出し、樹脂の射出開始後、溶融樹脂にガスを注入
    して中空部を形成した後、ガスを減圧して繊維含有溶融
    樹脂を膨張させることを特徴とする繊維含有軽量樹脂成
    形品の成形方法。
  2. 【請求項2】成形品金型キャビティ容積が樹脂の射出、
    膨張工程において一定である請求項1記載の繊維含有軽
    量樹脂成形品の成形方法。
  3. 【請求項3】ガスの注入に伴い、成形品金型キャビティ
    中の溶融樹脂の一部を成形品金型キャビティ外に追い出
    す請求項1または2記載の繊維含有軽量樹脂成形品の成
    形方法。
  4. 【請求項4】溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂
    が発泡剤を含有するものである請求項1〜3のいずれか
    に記載の繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法。
  5. 【請求項5】繊維含有溶融樹脂を膨張後、ガスを成形品
    内に流通させて冷却する請求項1〜4のいずれかに記載
    の繊維含有軽量樹脂成形品の成形方法。
  6. 【請求項6】溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂
    が、全長が2〜50mmであり、この全長と等しい長さ
    を有し、互いに平行に配列された状態にある繊維を20
    〜80重量%含有する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットま
    たは前記ペレットと他のペレットとの混合物で前記繊維
    が全体の10〜70重量%とされたものを可塑化、溶融
    したものである請求項1〜5のいずれかに記載の繊維含
    有軽量樹脂成形品の成形方法。
  7. 【請求項7】平均繊維長が1〜20mm、繊維含有率が
    10〜70重量%である繊維含有熱可塑性樹脂からな
    り、表面部が均質な実質的無空隙層、内部が空隙含有部
    分からなる繊維含有軽量樹脂成形品。
  8. 【請求項8】空隙含有部分が、繊維含有樹脂部分と中空
    部分からなる請求項7記載の繊維含有軽量樹脂成形品。
  9. 【請求項9】繊維がガラス繊維である請求項7または8
    記載の繊維含有軽量樹脂成形品。
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