JP3432110B2 - 繊維強化樹脂のガス注入成形方法および成形品 - Google Patents

繊維強化樹脂のガス注入成形方法および成形品

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JP3432110B2
JP3432110B2 JP11692097A JP11692097A JP3432110B2 JP 3432110 B2 JP3432110 B2 JP 3432110B2 JP 11692097 A JP11692097 A JP 11692097A JP 11692097 A JP11692097 A JP 11692097A JP 3432110 B2 JP3432110 B2 JP 3432110B2
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resin
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薫 和田
佐藤  淳
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂のガ
ス注入成形方法および成形品に関し、詳しくは、剛性お
よび強度に優れたガラス繊維等の繊維強化樹脂成形品の
軽量化および表面状態の向上を図った繊維強化樹脂のガ
ス注入成形方法、および、このガス注入成形方法で得ら
れる成形品に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、ガラス繊維等の繊維を含有させ
ることで強化された繊維強化樹脂成形品が知られてい
る。この繊維強化樹脂成形品は、引っ張り強度、剛性お
よび耐熱性等の機械的特性に優れているので、インパネ
コア、バンパービーム、ドアステップ、ルーフ・ラッ
ク、リア・クォターパネルおよびエアクーナ・ケース等
の自動車部品、ならびに、外壁用パネル、間仕切壁用パ
ネルおよびケーブル・トラフ等の建築・土木用部材等と
して広く利用されている。このような繊維強化樹脂成形
品を製造するにあたり、金型の内部に繊維を含んだ溶融
樹脂を射出する射出成形方法を利用することができる。
この射出成形方法によれば、複雑な形状のものでも成形
できるうえ、所定の成形サイクルを連続して繰り返すこ
とが可能なため、同一形状のものを大量生産することが
できるというメリットが得られる。
【0003】射出成形で成形された繊維強化樹脂成形品
は、強度や剛性を向上させるために、繊維量を増やす
と、成形品の重量が増大する傾向にあるので、重量軽減
のために、原材料に発泡剤を混入させ、成形品となる樹
脂を発泡させながら成形を行う発泡射出成形方法が提案
されている(特開平7−247679号公報等)。この
発泡射出成形方法では、軽量化を達成するために、かな
りの量の発泡剤を用いても、発泡倍率を充分得ることは
容易でない。しかも、発泡倍率が充分得られたとして
も、成形品の外観が発泡により損なわれるうえ、補強用
繊維を含有しているにもかかわらず、内部に大きな中空
部が形成されるため、強度、剛性および耐衝撃性等の機
械的特性が充分確保できない場合がある。このため、強
度、剛性および耐衝撃性等の機械的特性や外観品質を維
持しつつ、軽量化を図るために、次の, に示される
方法が既に提案されている。 比較的長さの長い長繊維を含有した繊維強化樹脂ペ
レットを用い、含有された繊維によりスプリングバック
現象を発生させ、このスプリングバック現象で成形中の
樹脂を膨張させ、軽量成形品を得る膨張成形方法。 前記における繊維強化ペレットに発泡剤を混入さ
せ、この発泡剤により樹脂の膨張を促進させ、さらに成
形品の軽量化を図る膨張成形方法。 これらの方法によれば、機械的特性を損なわずに、成形
品の軽量化を充分達成できるので、繊維強化樹脂成形品
の軽量化を図るのに有効であるといえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上に
示した,の成形方法には、それぞれ次のa), b)のよ
うな問題がある。 a) 成形に用いられる射出成形機および金型としては、
補強用繊維の破断を極力防止するために、ノズル、スプ
ル、ランナおよびゲート等の溶融樹脂の流路の内径が通
常よりも拡大された特殊なものが必要となるうえ、成形
品の形状も補強用繊維が破断されない形状に限定され、
金型を設計する上で大きな制約があるという問題があ
る。また、軽量化のために、膨張倍率を大きくすると、
膨張後、溶融樹脂の内部に含まれる空隙が増大し、熱伝
導率が小さくなる。このため、成形された溶融樹脂を冷
却するにあたり、溶融樹脂の内部冷却が表面よりもかな
り遅れるので、溶融樹脂全体を冷却するのに時間がかか
り、スプリングバック現象により膨張させても、樹脂の
表面の温度が低くなって、全体が熱収縮してしまい、成
形品の表面にヒケが発生しやすいという問題もある。 b) 成形時に発泡剤により発生したガスが、溶融樹脂の
表面と金型の成形面との間に入り込み、シルバーマーク
を発生させることがあるうえ、前述のガスが金型の外部
へ排出されると、臭気を発生させるという問題がある。
また、発泡剤により発生したガスの残留圧力により、射
出装置のノズルを金型から離した際に、ノズルから溶融
樹脂が垂れ落ち、成形不良の原因となるコールドスラグ
を発生させるドルーリング現象が起きやすいという問題
がある。さらに、上記b)と同様に、溶融樹脂の内部に空
隙や気泡が生じているので、溶融樹脂全体を冷却するの
に時間がかかり、スプリングバック現象により膨張させ
ても、熱収縮により成形品の表面にヒケが発生しやすい
という問題がある。
【0005】本発明の目的は、成形品の形状によらず、
強度、剛性および耐熱性等の機械的特性に優れた成形品
の軽量化が達成されるうえ、ヒケ等の外観上の不具合が
なく、優れた外観品質が得られるようになる繊維強化樹
脂のガス注入成形方法および成形品を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、長
さが2〜100mmの範囲にされた補強用繊維を包含する
繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを少なくとも含み、前記
補強用繊維が当該原材料全体の5〜70重量%とされた
原材料を用い、内部のキャビティに対して進退可能とな
った移動型を備えた金型に、前記原材料を可塑化した溶
融樹脂を射出するとともに、前記溶融樹脂の内部にガス
を注入することにより、成形品の成形を行う繊維強化樹
脂のガス注入成形方法であって、前記金型のキャビティ
内への前記溶融樹脂の射出を開始した後に、前記キャビ
ティが成形品に応じた容積となる位置まで前記移動型を
後退させることにより、スプリングバック現象を促進
し、前記溶融樹脂を膨張させ、当該溶融樹脂の内部に無
数の空隙を発生させてから、前記溶融樹脂の内部にガス
を注入するとともに、注入したガスを、前記溶融樹脂の
内部に形成された無数の空隙の各々に分散して導入する
ことを特徴とする。
【0007】このような本発明では、溶融樹脂中に含ま
れる補強用繊維は、通常の金型や射出装置を用いても、
破断されにくい長さに設定され、かつ、スプリングバッ
ク現象を発生させるのに充分な長さと量となり、成形品
の軽量化を充分に図ることが可能となる。また、ガス注
入により、スプリングバック現象による溶融樹脂の膨張
が補完されるので、所定の寸法まで膨張するのには、含
まれる補強用繊維の量が若干少ない場合でも、金型内に
射出された溶融樹脂は、移動型の後退動作により、成形
品の容積にまで確実に膨張するようになる。しかも、移
動型を後退させて、スプリングバック現象を促進し、溶
融樹脂の内部に無数の空隙を発生させ、この後にガスを
溶融樹脂の内部に注入し、溶融樹脂の内部に注入された
ガスを、溶融樹脂の内部に発生した無数の空隙の各々に
分散して導入するようにしたので、溶融樹脂の内部に大
きな中空部が発生しなくなり、剛性や強度等の機械的特
性を向上できる。ここで、補強用繊維の長さが2mm未満
では、ガスを注入しても、溶融樹脂の膨張を補完できな
い場合がある一方、長さが100mmを超えると、射出成
形時にブリッジを起こしたり、可塑化不良の原因となっ
たりするため、成形が困難となる場合がある。そして、
補強用繊維の含有率が全体の5重量%に満たないと、ス
プリングバック現象による膨張が期待できないうえ、ガ
ス注入により大きな中空部が溶融樹脂内に発生するおそ
れがあり、成形品の軽量化および繊維による強化が図れ
なくなる場合がある。一方、補強用繊維の含有率が70
重量%を超えると、ガスを注入すべき溶融樹脂の量が少
なくなり過ぎ、溶融樹脂の内部にガスを注入することが
困難となり、溶融樹脂の表面と金型の成形面との間にガ
スが漏れ、シルバーマーク等の不具合が発生するおそれ
があり、外観品質が損なわれる場合がある。
【0008】さらに、遅くとも金型内の溶融樹脂が冷却
・硬化する前に、溶融樹脂の内部にガスを注入すれば、
溶融樹脂は、ガスの圧力により、内部から金型の成形面
に向かって押圧され、表面が金型の成形面に密着した状
態を維持したまま冷却・硬化する。このため、溶融樹脂
が熱収縮しても、溶融樹脂内部に発生した無数の空隙の
寸法が多少大きくなるだけで、表面にヒケ等の不具合が
生じることがない。また、注入したガスの圧力により、
金型の成形面への樹脂の押圧が持続されるので、冷却が
促進され、冷却時間が大幅に短縮される。そのうえ、溶
融樹脂の内部にガスを注入するにあたり、溶融樹脂内部
に注入されたガスの圧力を一定に保持するとともに、ガ
ス圧が高くなった場合に、一部を溶融樹脂の内部から外
部へ排出するようにすれば、排出されるガスにより、溶
融樹脂の内部が冷却され、溶融樹脂の冷却時間が短縮さ
れ、成形のサイクルタイムが短くなり、成形品の量産性
が向上する。
【0009】以上において、前記キャビティが成形品に
応じた容積となる位置まで前記移動型が後退した後に、
あるいは、前記移動型を後退させながら、前記キャビテ
ィに供給された前記溶融樹脂の内部に前記ガスを注入す
ることが好ましい。このように、移動型の後退動作が完
了した後にガスの注入を開始すれば、溶融樹脂全体にわ
たってガスが進行し、溶融樹脂の一部分にのみガスが溜
まることがなくなるうえ、比較的低圧のガスで、溶融樹
脂の膨張を補完することが可能となり、低圧ガスを注入
すれば、溶融樹脂の表面と金型の成形面との間にガスが
漏れることがなく、シルバーマーク等の不具合の発生を
未然に防止できる。また、前記溶融樹脂の射出開始か
ら、前記移動型の後退開始までの間に、前記キャビティ
に充填された前記溶融樹脂を圧縮するために前記移動型
の前進動作が行われることが望ましい。このように、金
型内の溶融樹脂を膨張させる前に、当該溶融樹脂を圧縮
して金型の成形面に押し付ければ、当該溶融樹脂の表面
が冷却され、当該溶融樹脂の表面に、金型の成形面に倣
ったスキン層が形成され、外観品質に優れた成形品が得
られるようになる。
【0010】さらに、前記原材料は、全長が2〜100
mmの範囲にされるとともに、前記全長と等しい長さの補
強用繊維が、互いに平行に配列された状態となって全体
の20〜80重量%含有された前記繊維含有熱可塑性樹
脂ペレットを少なくとも含み、前記補強用繊維が当該原
材料全体の5〜70重量%とされた原材料であることが
好ましい。すなわち、前記繊維含有熱可塑性樹脂ペレッ
ト単独、または、これに他の樹脂ペレットを混合して用
いることができる。補強用繊維が互いに平行に配列され
た状態となって全体の20〜80重量%含有されたペレ
ットを用いれば、射出装置のスクリュで可塑化・混練を
行っても、繊維の破断が起こりにくくなる。また、前記
原材料には、当該原材料100重量部に対して3重量部
以下の発泡剤を含ませることができる。発泡剤を含有さ
せれば、スプリングバック現象における繊維の復元力が
不足する場合においても、発泡剤の発泡力が繊維の復元
力を補完するので、ガス注入がなくとも、移動型が後退
するのに応じて、成形品に応じた容積にまで溶融樹脂が
確実に膨張するようになる。なお、発泡剤の含有量が3
重量部を超えると、シルバーマークが生じる場合があ
り、外観品質上の不具合が生じるおそれがあるうえ、成
形品の内部に大きな中空部が発生し、強度や剛性が著し
く低下する場合がある。こうした理由で、発泡剤の含有
は、スプリングバック現象の補完のためであることか
ら、その含有量は、必要最低限に留めるのが好ましい。
【0011】そして、前記ガスとしては、温度が15℃
以下、好ましくは、0℃以下の冷却用ガスを採用するの
が好ましい。さらに、前記ガスは、前記溶融樹脂を可塑
化して射出する射出装置のノズルの内部に設けられたガ
スノズル、または、前記金型の内部に設けられたスプ
ル、ランナおよびキャビティのいずれかに開口されるガ
スピンから、溶融樹脂の内部へ注入することができる。
これらのなかでも、金型に設けられたガスピン、特に、
キャビティに開口されたガスピンから注入するのが好ま
しい。また、前記ガスの圧力がゲージ圧で0.1〜20
0kg/cm2の範囲、特に、0.1〜20kg/cm2の範囲に設
定されていることが好ましい。すなわち、注入するガス
の圧力値は、成形品の大きさ、形状および膨張倍率、な
らびに、溶融樹脂の流動性、粘度および含有繊維量、さ
らには、金型のゲート形状等に応じて設定するものであ
る。一般的には、ガスの圧力をより低圧にすれば、樹脂
内部に大きな中空部が発生する可能性が小さくなり、強
度確保がより確実となるうえ、溶融樹脂の表面と金型の
成形面との間へガスが漏洩しにくくなり、シルバーマー
ク等の不具合発生の可能性がより小さくなる。この比較
的低圧でのガス注入が可能な理由は、繊維のスプリング
バック現象を利用するため、相互に連続する多数の空隙
が成形品の内部に確保されるためである。一方、発泡剤
のみでは、独立気泡しか形成することができないため、
所定量のガスを注入するには、独立気泡を膨張させる必
要があるため、スプリングバック現象を利用する場合の
ように、低圧ガスの注入は困難である。なお、ガスの圧
力が200kg/cm2を越えてしまうと、溶融樹脂の表面と
金型の成形面との間にガスが漏れたり、大きな中空部が
生じたりする場合が多く、シルバーマーク等の外観上の
不具合や、大きな中空部による強度低下等の機能上の不
具合が発生する可能性が著しく高くなる。また、成形品
の冷却行程において、ガスを流通排出させて溶融樹脂を
短時間で冷却することが好ましい。さらに、前記金型に
は、成形品の表面を被覆するための表皮面材を、成形前
に予め装着させることができる。このように、予め成形
前に表皮面材が装着された金型を用いれば、表面が表皮
面材で被覆された積層成形品が得られるようになる。こ
こで、表皮面材としては、織布や不織布等の布、熱可塑
性樹脂面材、熱可塑性樹脂の発泡面材、および、模様等
が印刷されたフィルム等の単層面材、ならびに、熱可塑
性エラストマや塩化ビニル樹脂等の表皮材に、熱可塑性
樹脂や熱可塑性樹脂の発泡体等からまる裏地材を裏打ち
した多層面材が採用できる。
【0012】また、樹脂ペレットの主原料となる熱可塑
性樹脂としては、特に、制限はないが、例えば、ポリプ
ロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリエチレン等
のポレオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、ポリ芳香族エーテルまたはチオエーテル系
樹脂、ポリ芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂
およびアクリレート系樹脂等が採用できる。ここで、上
記熱可塑性樹脂は、単独で用いることがもできるが、二
種類以上を組み合わせて用いてもよい。このような熱可
塑性樹脂のうち、ポリプロピレン、プロピレンと他のオ
レフィンとのブロック共重合体、ランダム共重合体、あ
るいは、これらの混合物などのポリプロピレン系樹脂が
好ましく、特に、不飽和カルボン酸、または、その誘導
体で変性された酸変性ポリオレフィン系樹脂を含有する
ポリプロピレン系樹脂が好適である。
【0013】また、樹脂ペレットに含有される補強繊維
としては、以下の〜が採用でき、特に、ガラス繊維
を採用することが望ましい。 セラミック繊維:ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、アル
ミナ繊維、チッ化ケイ素繊維、ジルコニア繊維、ケイ酸
カルシウム繊維、ロックウール 無機繊維:ガラス繊維、酸化マグネシウム繊維、マグ
ネシウムオキシサルフェート繊維、水酸化マグネシウム
繊維、石膏繊維、炭素繊維 金属繊維:銅繊維、黄銅繊維、鋼繊維、ステンレス繊
維、アルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維 有機繊維:ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、
アラミド繊維、ケブラー(商品名)繊維、ポリアリレー
ト繊維
【0014】ここで、樹脂ペレットに含有されるガラス
繊維としては、E−ガラスまたはS−ガラスのガラス繊
維であって、その平均繊維径が25μm以下のもの、好
ましくは3〜20μmの範囲のものが採用できる。ガラ
ス繊維の径が3μm未満であると、ペレット製造時にガ
ラス繊維が樹脂になじまず、樹脂に含浸するのが困難と
なる一方、20μmを超えると、溶融混練時に切断、欠
損が起こりやすくなる。
【0015】これらの熱可塑性樹脂およびガラス繊維を
用い、引き抜き成形法等でペレットを製造するにあた
り、ガラス繊維は、カップリング剤で表面処理した後、
収束剤により、100〜10000本、好ましくは、1
50〜5000本の範囲で束ねておくことが望ましい。
カップリング剤としては、いわゆるシラン系カップリン
グ剤、チタン系カップリング剤として従来からあるもの
の中から適宜選択することができる。例えば、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
等のアミノシランやエポキシシランが採用できる。特
に、前記アミノ系シラン化合物を採用するのが好まし
い。このようなカップリング剤を用いてガラス繊維の表
面処理を行うにあたり、前述のカップリング剤を有機溶
媒に混ぜた有機溶媒液あるいは混濁液を、いわゆるサイ
ジング剤としてガラス繊維に塗布するサイジング処理の
他、乾式混合およびスプレー法等が採用できる。また、
表面処理を行うにあたり、前述のカップリング剤ととも
に、ガラス用フィルム形成物質を併用することができ
る。このフィルム形成物質としては、例えば、ポリエス
テル系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、酢酸ビ
ニル系およびイソシアネート系等の重合体が採用でき
る。収束剤としては、例えば、ウレタン系、オレフィン
系、アクリル系、ブタジエン系およびエポキシ系等が採
用でき、これらのうち、ウレタン系およびオレフィ系が
採用できる。これらのうち、ウレタン系収束剤は、通
常、ジイソシアネート化合物と多価アルコールとの重付
加反応により得られるポリイソシアネート50重量%以
上の割合に含有するものであれば、油変性型、湿気硬化
型およびブロック型等の一液タイプ、および、触媒硬化
型およびポリオール硬化型等の二液タイプのいずれもが
採用できる。一方、オレフィン系収束剤としては、不飽
和カルボン酸、または、その誘導体で変性された変性ポ
リオレフィン系樹脂が採用できる。
【0016】上述のような収束剤で収束したガラス繊維
に熱可塑性樹脂を付着・含浸させることにより、ガラス
繊維を含有する樹脂ペレットが製造される。ガラス繊維
に熱可塑性樹脂を付着・含浸させる方法としては、例え
ば、容器等に入れた溶融樹脂の中に繊維束を通し、繊維
に樹脂を含浸させる方法、コーティング用ダイに繊維束
を通して含浸させる方法、あるいは、ダイで繊維の周り
に付着した溶融樹脂を押し広げて繊維束に含浸させる方
法等が採用できる。ここで、繊維束と樹脂とをよくなじ
ませる、すなわち濡れ性を向上するために、内周に凹凸
部が設けられたダイの内部に、張力が加えられた繊維束
を通して引き抜くことで、溶融樹脂を繊維束に含浸させ
た後、さらに、この繊維束を加圧ローラでプレスする工
程が組み込まれた引抜成形法も採用できる。なお、ガラ
ス繊維と溶融樹脂とが互いによくなじむ、濡れ性のよい
ものであれば、溶融樹脂がガラス繊維に容易に含浸さ
れ、ペレットの製造が容易となるので、前述の収束剤で
繊維を収束する工程は、省略できる場合がある。ここ
で、互いによくなじませる方法としては、樹脂に極性を
付与したり、ガラス繊維の表面にカップリング剤と反応
する官能基をグラフトしたりする方法が有効である。以
上のような方法で、樹脂が含浸された長尺繊維束(スト
ランド等)を、繊維の長手方向に沿って切断していけ
ば、ペレットの全長と同じ長さの長繊維を含んだ樹脂ペ
レットを得ることができる。この際、樹脂ペレットとし
ては、繊維束がストランドにされ、その断面形状が略円
形となった樹脂含有長尺繊維束を切断したものに限ら
ず、繊維を平たく配列することにより、シート状、テー
プ状またはバンド状になった樹脂含有長尺繊維束を所定
の長さに切断したものでもよい。本発明成形方法にあっ
ては、前述のように原材料100重量部に対して3重量
部以下、具体的には、0.01〜3重量部の発泡剤を含
ませることができる。ここで、発泡剤の種類は、熱によ
り分解してガスを発生するものであれば、限定されな
い。例えば、シュウ酸誘導体、アゾ化合物、ヒドラジン
誘導体、セミカルバジド、アジド化合物、ニトロソ化合
物、トリアゾール、尿素およびその関連化合物、亜硝酸
塩、水素化物、炭酸塩ならびに重炭酸塩等が採用でき
る。さらに具体的に例示すれば、アゾジカルボンアミド
(ADCA)、ベンゼンスルホヒドラジド、N,N−ジ
ニトロペンタメチレンテトラミン、テレフタルアジド等
が採用できる。また、必要により、安定剤、帯電防止
剤、耐候剤、着色剤、短繊維、タルク等の充填剤を加え
ることもできる。
【0017】本発明の第2発明は、前記第1発明により
成形した成形品である。すなわち、長さが2〜100mm
の範囲にされた補強用繊維を包含する繊維含有熱可塑性
樹脂ペレットを少なくとも含み、前記補強用繊維が当該
原材料全体の5〜70重量%とされた原材料を用い、内
部のキャビティに対して進退可能となった移動型を備え
た金型に、前記原材料を可塑化した溶融樹脂を射出する
とともに、前記溶融樹脂の内部にガスを注入することに
より、成形された繊維強化樹脂の成形品であって、前記
金型のキャビティ内への前記溶融樹脂の射出を開始した
後に、前記キャビティが成形品に応じた容積となる位置
へ前記移動型を後退させる移動型後退動作と、前記キャ
ビティに充填された前記溶融樹脂の内部へガスを注入す
るガス注入動作とを行って成形されたことを特徴とす
る。このような本第2発明では、その内部に無数の空隙
が生じるので、重量が軽くなり、自動車等の輸送機械の
部品として利用すれば、その機械的効率等を向上するこ
とが可能となり、ケーブルトラフ等の建築土木部材とし
て利用すれば、その軽量性から、設置作業等が容易に行
えるようになる。以上において、当該成形品中に含まれ
る補強用繊維の平均繊維長が2mm以上で、かつ、10mm
以下であることが望ましい。このように、補強用繊維の
平均繊維長が2mm以上となっていれば、必要最低限の強
度が確保されるとともに、充分な軽量化が達成され、か
つ、外観品質に優れた成形品であると見なすことがで
き、各種の用途への利用が可能となる。一方、補強用繊
維の平均繊維長が10mmを越えると、成形品に設けられ
たリブや細部に補強用繊維が入りにくくなり、補強用繊
維の不足により、強度が劣る部分が形成される場合があ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の各形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本発明の第1実施形
態に係る射出成形機1が示されている。この射出成形機
1は、固定型10A および移動型10B に分割されるととも
に、これらの固定型10A および移動型10B の間にキャビ
ティ10C が形成された金型10の内部に溶融樹脂を射出す
ることで、成形品の成形を行うものである。射出成形機
1には、金型10内に溶融樹脂を射出する射出装置1Aと、
固定型10Aが固定された固定ダイプレート3と、移動型1
0B が設けられるとともに、固定ダイプレート3に対し
て移動可能となった移動ダイプレート4と、この移動ダ
イプレート4を固定ダイプレート3へ向かって前進させ
るための型締装置5と、移動ダイプレート4に設けられ
るとともに、移動型10B を固定型10A に対して進退させ
る金型移動装置20とが備えられている。
【0019】射出装置1Aは、射出シリンダ11の内部に供
給された樹脂ペレットを、図示しないスクリュで混練し
ながら可塑化し、樹脂ペレットを可塑化した溶融樹脂
を、先端に設けられたノズル12から射出するものであ
る。金型10A には、溶融樹脂の内部にガスを注入するた
めのガスピン13,13Aが設けられている。このガスピン1
3,13Aは、通常、成形品の裏面を成形する成形面に開口
されている。ガスピン13,13Aには、金型10に充填された
溶融樹脂の内部にガスを注入するために、図示しないガ
ス注入装置が接続されている。なお、金型10に充填され
た溶融樹脂の内部にガスを注入するにあたり、溶融樹脂
内部のガスの圧力を一定に保持するために、溶融樹脂内
部のガス圧が高くなった場合に、ガスピン13A は、ガス
の一部を溶融樹脂の内部から金型10の外部へ排出する排
出路とすることができる。また、金型10には、排出路
(ガスピン13A)を開閉し、溶融樹脂の内部のガス圧を所
定の圧力に制御する圧力調節弁(図示略)が設けられい
る。これらのガスピン13A および圧力調節弁により、注
入されるガスは、金型10内を流通し、金型10外へ排出可
能となっており、成形品の冷却速度が大幅に向上するよ
うになっている。移動ダイプレート4は、型締め用の油
圧シリンダ装置6が固定された固定プレート7および固
定ダイプレート3の間に架け渡されたタイバー8に沿っ
て摺動自在に設けられたものである。型締装置5は、油
圧シリンダ装置6のピストンロッド6Aが連結されたトグ
ル機構9を有し、油圧シリンダ装置6の押圧力をトグル
機構9で増力して移動ダイプレート4を前進させ、これ
により、金型10の型締めを行うものである。ここで、移
動ダイプレート4と固定ダイプレート3との間には、型
締め圧受けブロック3A, 3Bが設けられている。固定ダイ
プレート3側に設けられた型締め圧受けブロック3Aは、
移動ダイプレート4を前進させた際、当該移動ダイプレ
ート4側に設けられた型締め圧受けブロック3Bと当接
し、トグル機構9の高圧型締め力を受けるものとなって
いる。この型締め圧受けブロック3A, 3Bにより、ダイプ
レート3,4間の平行度が確保されるようになってい
る。
【0020】金型移動装置20は、移動ダイプレート4に
取付けられた固定基板21と、この固定基板21に対して進
退する移動基板22とを有するものである。このうち、移
動基板22は、前面に移動型10B が取付けられたものであ
り、固定基板21に植設されたガイドバー23に沿って摺動
自在に設けられるとともに、移動基板22との間に架け渡
されたテンションスプリング24により、移動基板22側へ
向かって常に付勢されている。これらの固定基板21およ
び移動基板22の間には、一対の傾斜部材31および傾斜部
材32が設けられている。これらの傾斜部材31および傾斜
部材32は、移動型10B の前進方向に対して傾斜した傾斜
面31A, 32Aをそれぞれ有するものである。これらの傾斜
面31A, 32Aを互いに面接触させた状態で、傾斜部材31,
32が移動型10B の前進方向に沿って配列されている。
【0021】傾斜部材31は、固定基板21の表面を、移動
型10B の前進方向とは直交する方向へ移動自在に設けら
れ、固定基板21に固定された油圧シリンダ装置34のピス
トンロッド34A の先端に連結されている。油圧シリンダ
装置34により、傾斜部材31が傾斜部材32へ向かって移動
されるようになっている。一方、傾斜部材32は、移動基
板22に固定されている。ここにおいて、傾斜部材31が移
動可能となっていることから、傾斜部材31および傾斜部
材32は、一方が他方に対して相対的に移動可能となって
いる。このような金型移動装置20は、傾斜部材31を傾斜
部材32に対して進退させることにより、傾斜部材31を傾
斜部材32に対して進退させるものであり、かつ、固定型
10A に対して移動型10B が任意の距離となる位置まで移
動型10B を移動させ、その位置に移動型10B を一時的に
固定することが可能となっている。なお、金型移動装置
20に油圧を供給するために、油圧ユニット30が設けら
れ、さらに、この油圧ユニット30を制御し、金型移動装
置20に所望の動作を行わせるために、制御装置33が設け
られている。この制御装置33は、デジタルシーケンサ等
のシーケンス制御回路を有するものであり、移動型10B
を固定型10A に対して段階的に移動させたり、所定の位
置に一時停止させた後に、移動させる等の任意の異なる
動作を連続的に行わせるように設定することが可能とな
っている。
【0022】次に、本実施形態の成形手順について説明
する。まず、射出成形機1に金型10を装着するととも
に、射出装置1Aの射出シリンダ11内に樹脂ペレットを供
給した後、射出成形機1を起動し、射出シリンダ11内の
樹脂ペレットの可塑化および混練を開始する。ここで、
採用される樹脂ペレットは、ポリプロピレンを主原料と
した全長が2〜100mmの範囲にされたものである。こ
の樹脂ペレットには、その全長と等しい長さの補強用ガ
ラス繊維が、互いに平行に配列された状態となって、2
0〜80重量%含まれ、当該樹脂ペレットと、補強用ガ
ラス繊維を含まない他のペレットとを混合した混合物の
場合には、全体の5〜70重量%、好ましくは、5〜6
0重量%の範囲で含有されている。また、射出シリンダ
11内では、樹脂ペレットの可塑化および混練を充分行う
ことにより、溶融樹脂内の無数のガラス繊維を、均一に
分布させ、かつ、互いに充分絡み合った状態にし、スプ
リングバック現象が発生しやすい状態にする。そして、
型締装置5を作動させ、移動ダイプレート4を固定ダイ
プレート3に向かって移動させ、固定ダイプレート3側
の型締め圧受けブロック3Aに、移動ダイプレート4側の
型締め圧受けブロック3Bを当接させる。
【0023】次いで、金型移動装置20を作動させ、図2
(A)に示されるように、金型10のキャビティ10C が成
形品に応じた容積よりも縮小される位置Sに、移動型10
B を移動し、当該キャビティ10C の厚さ寸法をt1にす
る。この際、位置Sは、当該位置Sに静止した移動型10
B が形成するキャビティの厚さt1と、成形品に応じた容
積を確保したキャビティの厚さt2との関係において、t2
/t1が1.2〜6.0の範囲となるように設定すること
ができる。この状態で、射出装置1Aから金型10に溶融樹
脂を射出して、成形品に応じた容積よりも縮小されたキ
ャビティに充満させ、射出圧力で溶融樹脂が金型10の成
形面に向かって押圧されて密着している状態にし、ここ
で、溶融樹脂の射出を完了する。
【0024】溶融樹脂の射出完了直前、直後、あるい
は、射出完了から所定時間が経過したら、金型移動装置
20を作動させ、図2(B)に示されるように、金型10の
キャビティが成形品に応じた容積となる位置Tまで移動
型10B を後退させ、当該キャビティ10C の厚さ寸法をt2
にする。これにより、射出完了から移動型10B が位置T
に到達するまでの間に、溶融樹脂の表面を冷却し、溶融
樹脂(成形品)の表面にスキン層が形成される。射出完
了後に移動型10B を後退させる場合には、金型温度によ
り多少異なるが、射出完了から移動型10B の後退開始ま
での時間を、0〜10秒の範囲で設定することができ
る。また、移動型10B の後退速度Vrは、0.05〜10
0mm/秒の範囲、好ましくは、0.05〜50mm/秒の
範囲で設定することができる。移動型10B を後退させる
と、スプリングバック現象により、溶融樹脂内で押し潰
されていたガラス繊維の弾性的な復元力で溶融樹脂が膨
張し、溶融樹脂の内部に無数の空隙が発生し、原材料よ
りも容積が大きく軽量化された成形品が成形される。
【0025】そして、移動型10B が位置Tに到達すると
同時に、ガスピン13からガスを溶融樹脂の内部に注入す
る。この時点でガス注入を行うことにより、金型10内の
溶融樹脂が完全に冷却・硬化する前に、溶融樹脂の内部
にガスが注入される。溶融樹脂の内部に注入されたガス
は、溶融樹脂の内部に発生した無数の空隙の各々に分散
して導入され、溶融樹脂の内部に大きな中空部を発生さ
せない。また、ガスの圧力により、溶融樹脂は、その内
部から金型10の成形面に向かって押圧され、表面が金型
の成形面に密着した状態を維持したまま冷却・硬化し、
冷却・硬化後、熱収縮しても、溶融樹脂内部に発生した
無数の空隙の各寸法が多少大きくなるだけで、表面にヒ
ケ等の不具合が生じることがない。ここで、溶融樹脂の
内部にガスを注入するにあたり、溶融樹脂内部に注入さ
れたガスの圧力は、0.1〜20kg/cm2の範囲に設定さ
れ、かつ、前述の圧力調整弁により保持される圧力値よ
りも高い圧力値に設定されている。これにより、溶融樹
脂の内部のガスは、その圧力が圧力調整弁により所定値
に保持され、かつ、その一部が溶融樹脂の内部から金型
10の外部へ排出される。このガス排出により、溶融樹脂
の内部が冷却されるので、溶融樹脂の冷却時間が短縮さ
れる。この際、温度が15℃以下、特に、0℃以下の冷
却用ガスを用いると、冷却効率がより向上する。成形品
を充分冷却するのに必要な所定時間が経過したら、型締
装置5を作動させて移動ダイプレート4を後退させ、金
型10を開く。そして、金型10の内部から成形品を取出
し、成形を完了する。以降、必要に応じて、以上のよう
な成形作業を繰り返す。
【0026】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果が得られる。すなわち、溶融樹脂中に含まれる
補強用繊維の長さを2〜100mmの範囲とするととも
に、補強用繊維の含有量を樹脂全体の5〜70重量%の
範囲とし、かつ、繊維含有熱可塑性樹脂ペレットに含ま
れている状態では、補強用繊維を互いに平行に配列して
おいたので、金型10や射出装置1Aが通常のものであって
も、混練時および射出時において、補強用繊維が破断さ
れにくくなる。このため、スプリングバック現象を発生
させるのに充分な長さが維持され、かつ、スプリングバ
ック現象発生に充分な量の補強用繊維が含まれているこ
とから、移動型10B の後退により、溶融樹脂が充分膨張
するようになり、充分に軽量化された成形品を得ること
ができる。
【0027】また、ガス注入により、スプリングバック
現象による溶融樹脂の膨張が補完されるので、所定の寸
法まで膨張するのには、含まれる補強用繊維の量が若干
少ない場合でも、金型10内に射出された溶融樹脂は、移
動型10B の後退動作により、成形品の容積にまで確実に
膨張するようになり、所期の軽量化を確実に達成するこ
とができる。
【0028】さらに、補強用繊維の長さを2mm以上とし
たので、ガスの注入により、溶融樹脂の膨張が確実に補
完されるようになり、補強用繊維の長さを100mm以下
としたので、射出成形時にブリッジや可塑不良が起き
ず、成形における不具合や支障が何ら生じることがなく
なり、成形動作を円滑に行うことができる。
【0029】また、補強用繊維の含有率を5重量%以上
にしたので、ガス注入により大きな中空部が溶融樹脂内
に発生することがなく、成形品の軽量化および繊維によ
る強化の両方を図ることができるうえ、補強用繊維の含
有率を70重量%以下としたので、溶融樹脂の内部にガ
スが確実に注入され、溶融樹脂の表面と金型の成形面と
の間にガスが漏れることがなく、シルバーマーク等の不
具合の発生を未然に防止することができる。
【0030】さらに、遅くとも金型10内の溶融樹脂が冷
却・硬化する前に、溶融樹脂の内部にガスを注入するよ
うにし、注入したガスの圧力で溶融樹脂を内部から金型
10の成形面に向かって押圧し、溶融樹脂の表面を金型10
の成形面に密着した状態を維持したまま、溶融樹脂の冷
却・硬化を行うようにしたので、溶融樹脂が熱収縮して
も、溶融樹脂内部に発生した無数の空隙の寸法が多少大
きくなるだけで、表面にヒケ等の不具合が生じることが
なく、成形品の表面を滑らかなものとすることができ、
外観品質に優れた成形品を得ることができる。
【0031】そのうえ、溶融樹脂の内部にガスを注入す
るにあたり、溶融樹脂内部に注入されたガスの圧力を一
定に保持するとともに、注入されたガス(好ましくは冷
却用ガス)の一部を溶融樹脂の内部から金型10の外部へ
排出するようにしたので、排出されるガスにより、溶融
樹脂の内部が冷却され、溶融樹脂の冷却時間が短縮さ
れ、成形におけるサイクルタイムが短くなり、成形品の
量産性を向上することができる。
【0032】また、キャビティ10C が成形品に応じた容
積となる位置まで移動型10C を後退させた後に、キャビ
ティ10C に供給された溶融樹脂の内部にガスを注入し、
膨張した後の溶融樹脂に対してガスの注入を行うように
したので、ガスを注入するにあたり、ガスの圧力を低く
することが可能となるうえ、低圧ガスでも溶融樹脂の内
部全体にわたってガスが進行するようになり、溶融樹脂
の一部分にのみガスが溜まることがなくなる。このた
め、溶融樹脂の内部へ注入するガスの圧力の低圧化が可
能となるうえ、溶融樹脂の内部全体にガスが広がるた
め、溶融樹脂の内部に注入されたガスがさらに低圧とな
り、溶融樹脂の表面と金型10の成形面との間にガスが漏
れることがなく、シルバーマーク等の不具合の発生を未
然に防止できる。
【0033】さらに、金型10のキャビティ10C が成形品
に応じた容積よりも縮小される位置Sに移動型10B を移
動した状態で、金型10の内部に溶融樹脂を射出し、射出
圧力で溶融樹脂が金型10の成形面に向かって押圧されて
密着している状態にした後、移動型10B を後退させ、射
出完了から移動型10B が位置Tに到達するまでの間に、
溶融樹脂の表面を冷却し、溶融樹脂(成形品)の表面に
スキン層が形成されるようにしたので、溶融樹脂の表面
のスキン層が金型10の成形面に倣ったものとなり、この
点からも、外観品質に優れた成形品を得ることができ
る。
【0034】また、成形品について、剛性や強度等の機
械的特性の向上および軽量化の両方が達成できることか
ら、当該成形品を自動車等の輸送機械の部品として利用
すれば、その機械的効率等を向上できるうえ、ケーブル
トラフ等の建築土木部材として利用すれば、その軽量性
から設置作業等を容易に行えるようにできる。
【0035】図3には、本発明の第2実施形態に係る成
形手順が示されている。本第2実施形態では、前記第1
実施形態において成形品に応じた容積よりも縮小したキ
ャビティ内に溶融樹脂を充満させ、射出圧力で溶融樹脂
を金型の成形面に密着させていたのを、移動型10B の前
進により、溶融樹脂に圧縮力を加えることで、溶融樹脂
を金型の成形面に密着させるようにしたものである。以
下に、本第2実施形態の成形手順を具体的に説明する。
なお、本第2実施形態の成形手順は、前記第1実施形態
と同様の射出成形機1を採用するものであるため、射出
成形機1の説明は省略する。まず、射出成形機1に金型
10を装着するとともに、射出装置1Aの射出シリンダ11内
に樹脂ペレットを供給した後、射出成形機1を起動し、
射出シリンダ11内の樹脂ペレットの可塑化および混練を
開始する。ここで、採用される樹脂ペレットは、前記第
1実施形態と同様に、ポリプロピレンを主原料とした全
長が2〜100mmの範囲にされたものであり、その全長
と等しい長さの補強用ガラス繊維を、互いに平行に配列
させた状態で、20〜80重量%含まれ、当該樹脂ペレ
ットと、補強用ガラス繊維を含まない他のペレットとを
混合した混合物の場合には、全体の5〜70重量%、好
ましくは、5〜60重量%の範囲で含有している。ま
た、射出シリンダ11内では、樹脂ペレットの可塑化およ
び混練を充分行うことにより、溶融樹脂内の無数のガラ
ス繊維を、均一に分布させ、かつ、互いに充分絡み合っ
た状態にし、スプリングバック現象が発生しやすい状態
にする。そして、型締装置5を作動させ、移動ダイプレ
ート4を固定ダイプレート3に向かって移動させ、固定
ダイプレート3側の型締め圧受けブロック3Aに、移動ダ
イプレート4側の型締め圧受けブロック3Bを当接させ
る。
【0036】次いで、金型移動装置20を作動させ、図3
(A)に示されるように、金型10のキャビティ10C が、
その内部に射出される溶融樹脂の全射出量に相当する容
積よりも拡大される位置Uに、移動型10B を移動し、当
該キャビティ10C の厚さ寸法をt3にする。この状態で、
射出装置1Aから金型10内に溶融樹脂を射出し、溶融樹脂
の全射出量がキャビティ10C 内に射出されたら、溶融樹
脂の射出を完了する。溶融樹脂の射出完了前、直後、あ
るいは、射出完了から所定時間が経過したら、金型移動
装置20を作動させ、図3(B)に示されるように、金型
10のキャビティ10C が成形品に応じた容積よりも縮小さ
れる位置Vまで移動型10B を前進させ、当該キャビティ
10C の厚さ寸法をt4にする。この移動型10B の前進によ
り、キャビティ10C 内の溶融樹脂を圧縮し、溶融樹脂に
加わる圧縮力により、当該溶融樹脂を金型10の成形面に
向かって押圧して充填密着させる。これにより、溶融樹
脂の表面にスキン層が形成される。移動型10B が位置V
に到達したら、直ちに、金型10のキャビティ10C が成形
品に応じた容積となる位置Wまで移動型10B を後退さ
せ、当該キャビティ10C の厚さ寸法をt5にする。ここ
で、移動型10B が位置Wに到達するまでの間に、溶融樹
脂の表面は、冷却され、溶融樹脂の表面のスキン層が確
保される。また、移動型10B の後退速度Vrは、0.05
〜100mm/秒の範囲、好ましくは、0.05〜50mm
/秒の範囲で設定することができる。移動型10B を後退
させると、スプリングバック現象が促進され、溶融樹脂
内で押し潰されていたガラス繊維の弾性的な復元力によ
り、溶融樹脂が膨張し、溶融樹脂の内部に無数の空隙が
発生し、原材料よりも容積が大きく軽量化された成形品
が成形される。
【0037】そして、移動型10B が位置Wに到達すると
同時に、ガスピン13からガスを溶融樹脂の内部に注入す
る。この時点でガス注入を行うことにより、金型10内の
溶融樹脂が完全に冷却・硬化する前に、溶融樹脂の内部
にガスが注入される。溶融樹脂の内部に注入されたガス
は、溶融樹脂の内部に発生した無数の空隙の各々に分散
して導入され、溶融樹脂の内部に大きな中空部を発生さ
せない。また、ガスの圧力により、溶融樹脂は、その内
部から金型10の成形面に向かって押圧され、表面が金型
10の成形面に密着した状態を維持したまま冷却・硬化
し、冷却・硬化後、熱収縮しても、溶融樹脂内部に発生
した無数の空隙の各寸法が多少大きくなるだけで、表面
にヒケ等の不具合が生じることがない。ここで、溶融樹
脂の内部にガスを注入するにあたり、溶融樹脂内部に注
入されたガスの圧力は、0.1〜20kg/cm2の範囲に設
定され、かつ、前述の圧力調整弁により保持される圧力
値よりも高い圧力値に設定されている。これにより、溶
融樹脂の内部のガスは、その圧力が圧力調整弁により所
定値に保持され、かつ、その一部が溶融樹脂の内部から
金型10の外部へ排出される。このガス排出により、溶融
樹脂の内部が冷却されるので、溶融樹脂の冷却時間が短
縮される。成形品を充分冷却するのに必要な所定時間が
経過したら、型締装置5を作動させて移動ダイプレート
4を後退させ、金型10を開く。そして、金型10の内部か
ら成形品を取出し、成形を完了する。以降、必要に応じ
て、以上のような成形作業を繰り返す。
【0038】このような本実施形態においても、前記第
1実施形態と同様の作用、効果を得ることができる他、
移動型10B の移動により、溶融樹脂を圧縮するとともに
キャビティ全体に充満させるので、射出圧ではキャビテ
ィ全体に溶融樹脂を充満できない薄い成形品でも成形す
ることができるうえ、発泡剤が樹脂の膨張を助けるの
で、重量との関係で膨張に必要な量のガラス繊維を含有
させることができない場合でも、所望の膨張率を達成す
ることができるという効果を付加できる。
【0039】図4には、本発明の第3実施形態に係る成
形手順が示されている。本第3実施形態では、前記第
1、2実施形態における原材料として用いた樹脂の地肌
が露出した成形品を得るための成形手順を、その表面を
被覆する表皮面材が一体化された積層成形品を得るため
の成形手順としたものである。以下に、本第3実施形態
の成形手順を具体的に説明する。なお、本第3実施形態
においても、前記第1、2実施形態と同様の射出成形機
1を採用するものであるため、射出成形機1の説明は省
略する。まず、射出成形機1に金型10を装着し、装着し
た金型10の移動型10B に、図4(A)の如く、表皮面材
14を装着し、射出装置1Aの射出シリンダ11内に樹脂ペレ
ットを供給した後、射出成形機1を起動し、射出シリン
ダ11内の樹脂ペレットの可塑化および混練を開始する。
この混練により、溶融樹脂内の無数のガラス繊維を、均
一に分布させ、かつ、互いに充分絡み合った状態にし、
スプリングバック現象が発生しやすい状態にする。
【0040】ここで、移動型10B に表皮面材14を装着す
るにあたり、予め移動型10B には、表皮面材14を装着す
るためのピンや真空吸引孔等の装着手段を設けておけ
ば、表皮面材14の装着の自動化が可能となる。なお、表
皮面材14の装着は、移動型10B だけでなく、固定型10A
側に行うこともできる。また、採用された樹脂ペレット
は、前記第1、2実施形態と同様である。さらに、表皮
面材14としては、織布や不織布等の布、熱可塑性樹脂面
材、熱可塑性樹脂の発泡面材、および、模様等が印刷さ
れたフィルム等の単層面材、ならびに、熱可塑性エラス
トマや塩化ビニル樹脂等の表皮材に、熱可塑性樹脂や熱
可塑性樹脂の発泡体等から裏地材を裏打ちした多層面材
が採用できる。
【0041】そして、型締装置5を作動させ、移動ダイ
プレート4を固定ダイプレート3に向かって移動させ、
固定ダイプレート3側の型締め圧受けブロック3Aに、移
動ダイプレート4側の型締め圧受けブロック3Bを当接さ
せる。次いで、金型移動装置20を作動させ、金型10のキ
ャビティ10C が、その内部に射出される溶融樹脂の全射
出量に相当する容積よりも拡大される位置Xまで、移動
型10B を移動し、金型10のキャビティ10C の厚さ寸法を
t6にする(図4(A)参照)。この状態で、射出装置1A
から金型10内に溶融樹脂を射出し、溶融樹脂の全射出量
がキャビティ10C 内に射出されたら、溶融樹脂の射出を
完了する。溶融樹脂の射出完了前、直後、あるいは、射
出完了から所定時間が経過したら、金型移動装置20を作
動させ、図4(B)に示されるように、金型10のキャビ
ティ10C が成形品に応じた容積よりも縮小される位置Y
まで移動型10B を前進させ、当該キャビティ10C の厚さ
寸法をt7にする。
【0042】この移動型10B の前進により、キャビティ
10C 内の溶融樹脂を圧縮し、溶融樹脂に加わる圧縮力に
より充満させ、当該溶融樹脂を表皮面材14に向かって押
圧し、これにより、溶融樹脂を表皮面材14に付着させ
る。移動型10B が位置Yに到達したら、直ちに、金型10
のキャビティ10C が成形品に応じた容積となる位置Zま
で移動型10B を後退させ、当該キャビティ10C の厚さ寸
法をt8にする。ここで、移動型10B の後退速度Vrは、
0.05〜100mm/秒の範囲、好ましくは、0.05
〜50mm/秒の範囲で設定することができる。移動型10
B を後退させると、スプリングバック現象により、溶融
樹脂内で押し潰されていたガラス繊維の弾性的な復元力
で溶融樹脂が膨張し、溶融樹脂の内部に無数の空隙が発
生し、原材料よりも容積が大きく軽量化された成形品が
成形される。
【0043】そして、移動型10B が位置Zに到達すると
同時に、ガスピン13からガスを溶融樹脂の内部に注入す
る。この時点でガス注入を行うことにより、金型10内の
溶融樹脂が完全に冷却・硬化する前に、溶融樹脂の内部
にガスが注入される。溶融樹脂の内部に注入されたガス
は、溶融樹脂の内部に発生した無数の空隙の各々に分散
して導入され、溶融樹脂の内部に大きな中空部を発生さ
せない。また、ガスの圧力により、溶融樹脂は、その内
部から金型10の成形面に向かって押圧され、表皮面材14
が金型10の成形面に密着した状態を維持したまま,溶融
樹脂が冷却・硬化する。このため、冷却・硬化により、
溶融樹脂が熱収縮しても、溶融樹脂内部に発生した無数
の空隙の各寸法が多少大きくなるだけで、表面にヒケ等
の不具合が生じることがない。ここで、溶融樹脂内部に
注入されるガスの圧力は、0.1〜20kg/cm2の範囲に
設定され、かつ、前述の圧力調整弁により保持される圧
力値よりも高い圧力値に設定され、これにより、ガスが
外部に排出され、溶融樹脂の内部が冷却されるので、溶
融樹脂の冷却時間が短縮される。成形品を充分冷却する
のに必要な所定時間が経過したら、型締装置5を作動さ
せて移動ダイプレート4を後退させ、金型10を開く。そ
して、金型10の内部から成形品を取出し、成形を完了す
る。以降、必要に応じて、以上のような成形作業を繰り
返す。このような本実施形態においても、前記第1、2
実施形態と同様の作用、効果を得ることができる他、一
回の成形で表面を覆う表皮面材が一体化された積層成形
品を得ることができるという効果を付加できる。
【0044】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明する。 [実験例1]本発明に基づき、以下に述べるような射出
成形機、金型および成形手順を用いて成形品の成形を行
う。
【0045】本実施例1は、前記第1実施形態に基づい
た原材料、金型および射出成形機を採用し、図5に示さ
れるように、円盤状に形成された成形品15を成形する実
験である。以下に、その原材料、金型および射出成形機
の詳細を示す。 a) 原材料:ポリプロピレン、マイレン酸変性ポリプロ
ピレンおよびガラス繊維からなる繊維強化熱可塑性樹脂
ペレット ・当該ペレットの組成: ポリプロピレン ; 58重量% マイレン酸変性ポリプロピレン; 2重量% ガラス繊維(直径10μm) ; 40重量% ・当該ペレットの全長 ; 10mm ・含有ガラス繊維の長さ ; 10mm ・ポリプロピレンの メルトインデックスMI ; 60g/10分(230℃, 2.16kgf) b) 金型:円盤状の成形品15を成形するキャビティを有
し、成形品15の外周面を成形する成形面に沿ってヒータ
が設けられている金型 ・成形品15の寸法:直径寸法D ;800mm 厚さ寸法 ; 16mm c) 射出成形機:金型移動装置20を装着した汎用射出成
形機 ・型締装置5の型締力 ;850t ・射出シリンダ11のノズル12の口径 ; 10mm ・溶融樹脂の射出温度 ;250℃(射出シリンダ11内)
【0046】[実施例1]本実施例1では、前記第1実
施形態(図2)で示した成形手順に準じた成形手順を採
用する。この成形手順は、次の〜に示す工程を含ん
だものである。 溶融樹脂の射出前に、金型10の移動型10Bを位置Sま
で前進させ、その位置で静止させる。ここで、位置S
は、移動型10B が形成するキャビティの厚さt1が4mmと
なるように設定されている。 の状態で、予め可塑化および計量が完了している
とともに、厚さt1が4mmとなったキャビティの容積に相
当する量の溶融樹脂を金型10内に射出する。 溶融樹脂の射出が完了した直後、金型10の移動型10B
が位置Tに到達するまで、移動型10B を後退させ、その
位置で静止させる。ここで、位置Tは、移動型10B が形
成するキャビティの厚さt2が16mmとなるように設定さ
れている。 移動型10B が位置Tに到達したら、直ちに、窒素ガ
スの注入を開始する。ここで、窒素ガスの注入圧は、ゲ
ージ圧で5kg/cm2に設定されている。
【0047】[実施例] 本実施例は、前記実施例1における原材料100重量
部に、1.5重量部の発泡剤を添加(発泡剤を30重量
%含むマスターバッチペレット[商品名:ポリスレンT
S−182(永和化成工業株式会社製)]を5重量部添
加)した以外は、前記実施例1と同一の条件で、同一の
成形品を得ようとする実験である。
【0048】
【0049】
【0050】[比較例1] 本比較例1は、成形の開始から終了までの間、キャビテ
ィの厚さ寸法が4mmとなる位置に移動型10B を固定して
成形を行った以外は、前記実施例1と同一の条件で、同
一の成形品を得ようとする実験である。なお、本比較例
1における溶融樹脂の射出開始からガス注入までの経過
時間は、前記第1実施例と同一になるように設定されて
いる。 [比較例2] 本比較例2は、前記実施例1における低圧ガスの注入を
省略した以外は、前記実施例1と同一の条件で、同一の
成形品を得ようとする実験である
【0051】〔実験結果〕 以上の実施例1,2および比較例1,2の各々で成形し
た各製品を、次のA)〜E)に示す評価法で評価する。 A) 原材料の容積に対して各製品が何倍の容積となった
か、すなわち、各製品の膨張倍率を測定し、その膨張倍
率の大きさを評価する。 B) 各製品の中央部を切断し、その切断面を目視により
観察し、各製品の内部における膨張状況を評価する。 C) 各製品の外観および表面の平滑性を目視により観察
し、その外観品質を評価する。 D) 上述の各実験において、冷却時間が20秒間隔で異
なる成形品を複数成形し、熱膨張や熱収縮等を生じてい
ない成形品を合格品とし、合格品を得るのに最も短い冷
却時間を当該実験の冷却時間とし、その冷却時間の短さ
を評価する。 E) 温度が−40℃とされた雰囲気内に、400mmの間
隔をあけて配置された二つの治具の上に、得られた成形
品を置き、治具の上に置かれた成形品に向かって、重量
3.6kgの鋼球を落下させる。この際、当該成形品が破
壊されるまで鋼球の落下位置を上昇させ、破壊に至った
落下高さにより、成形品の破壊強度を評価する。これら
の評価法による評価結果は、次の表1に示されている。
【0052】
【表1】
【0053】実施例1によれば、溶融樹脂が充分に膨張
し、製品の軽量化が充分達成できるうえ、大きな衝撃に
も耐えうる強度を備え、かつ、外観品質も優れた製品を
得ることができるうえ、冷却時間を短縮できることが判
実施例によれば、少量の発泡剤を添加することに
よっても、実施例1と同様な効果が得られるが、4倍程
度の膨張率では、繊維の含有量にもよるが、特に発泡剤
の使用は必要ないことが判る
【0054】比較例1では、成形品の軽量化を当初から
期待していないので、溶融樹脂を膨張させない成形品が
得られる。この成形品の耐衝撃強度が、実施例1よりも
劣ることから、本発明によれば、膨張により軽量化して
も、耐衝撃強度を確実に確保できることが判る。比較例
2では、実施例1と比較すると劣るものの、溶融樹脂の
膨張が認められるので、ある程度までの軽量化や耐衝撃
強度の確保が可能であるが、表面のヒケにより、外観品
質の良好な成形品は、期待できないことが判る
【0055】[実験例2] 本実験例2では、本発明に基づき、射出成形機、金型お
よび成形手順を用いて、表面を覆う表皮面材が一体化さ
れた積層成形品を成形する実験として、次の実施例3〜
を行う。
【0056】本実施例3,4は、前記第3実施形態(図
4)に基づいた原材料、表皮面材、金型および射出成形
機を採用し、図5の如く、円盤状に形成された積層成形
品15を成形する実験である。以下に、その原材料、金型
および射出成形機の詳細を示す。 a) 原材料:ポリプロピレン、マイレン酸変性ポリプロ
ピレンおよびガラス繊維からなる繊維強化熱可塑性樹脂
ペレット ・当該ペレットの組成: ポリプロピレン ; 58重量% マイレン酸変性ポリプロピレン; 2重量% ガラス繊維(直径13μm) ; 40重量% ・当該ペレットの全長 ; 14mm ・含有ガラス繊維の長さ ; 14mm ・ポリプロピレンの メルトインデックスMI ; 60g/10分(230℃, 2.16kgf) b) 表皮面材:図7に示されるように、シート状のバッ
キング材17に、無数の柔毛18が植えられた表皮面材19c)
金型:円盤状の成形品15を成形するキャビティを有
し、その移動型10B には、成形品15の周縁に沿ってヒー
タが設けられ、固定型10A には、5℃の冷却水が流通す
る冷却路が設けられている金型 ・成形品15の寸法:直径寸法D ;800mm 厚さ寸法 ; 19mm d) 射出成形機:金型移動装置20を装着した汎用射出成
形機 ・型締装置5の型締力 ;850t ・射出シリンダ11のノズル12の口径 ; 10mm ・溶融樹脂の射出温度 ;250℃(射出シリンダ11内)
【0057】[実施例] 本実施例では、前記第3実施形態で示した成形手順に
基づく成形手順を採用する。この成形手順は、次の〜
に示す工程を含んだものである。 溶融樹脂の射出
前に、金型10の移動型10Bを位置Xまで移動し、その位
置で静止させる。ここで、位置Xは、移動型10B が形成
するキャビティの厚さt6が18mmとなるように設定され
ている。 の状態で、射出装置1Aから金型10内に溶
融樹脂を射出し、キャビティの厚さが4mmとされた際に
おける当該キャビティの容積に相当する量の溶融樹脂が
キャビティ内に射出されたら、溶融樹脂の射出を完了す
る。 溶融樹脂の射出開始と同時に、移動型10B を前
進させ、キャビティ内の溶融樹脂を圧縮する。 移動
型10B が位置Yに到達したら、直ちに、位置Zへ向かっ
て移動型10B の後退を開始する。ここで、位置Zは、移
動型10B が形成するキャビティの厚さt8が19mmとなる
ように設定されている。 移動型10B が位置Zに到達
したら、直ちに、液化炭酸ガスからのガスの注入を開始
する。ここで、ガスの注入圧は、ゲージ圧で8kg/cm2に
設定されている。 [実施例] 本実施例では、前記実施例3の、を、次のに示
す行程に置き換えた手順を採用する。 移動型10B が
位置Yに到達したら、直ちに、位置Zへ向かって移動型
10B の後退を開始するとともに、液化炭酸ガスからのガ
スの注入を開始する。ここで、キャビティの厚さt8およ
びガスの注入圧は、前記実施例と同様に、それぞれ1
9mmおよび8kg/cm2(ゲージ圧)に設定されている。
【0058】[実施例] 本実施例は、キャビティが、溶融樹脂の全射出量に相
当する容積となる位置に移動型10B を静止させ、この状
態で、金型内へ溶融樹脂の射出を開始し、この後、位置
Zへ向かって移動型10B の後退を開始する成形手順を採
用した、換言すれば、移動型10B の前進により溶融樹脂
を圧縮する行程を省略した以外は、前記実施例と同一
の条件で同一の成形品を得ようとする実験である。
【0059】[比較例] 本比較例は、前記実施例におけるガス注入を省略し
た以外は、前記実施例と同一の条件で同一の成形品を
得ようとする実験である。 [比較例] 本比較例は、前記実施例における繊維強化熱可塑性
樹脂ペレットを、ガラス繊維の重量平均繊維長が0.5
1mm、ガラス繊維の含有量が40重量%とされた繊維強
化ポリプロピレンペレットに変更し、かつ、前記実施例
で示したように、原材料100重量部に対し、1.5
重量部の発泡剤(実施例に同じ)を添加した以外は、
前記実施例と同一の条件で同一の成形品を得ようとす
る実験である。
【0060】〔実験結果〕 以上の実施例3〜5および比較例3,4の各々で成形し
た各製品を、前述のA)〜D)および次のF)に示す評価法で
評価する。 F) 各成形品に一体成形された表皮面材の状態を、目視
により観察および手の感触から表皮面材の状態を把握
し、把握された状態から品質を評価する。これらの評価
法による評価結果は、次の表2に示されている。
【0061】
【表2】
【0062】実施例によれば、溶融樹脂が充分に膨張
し、製品の軽量化が充分達成できるうえ、表皮面材の特
質が損なわれることがなく、かつ、外観品質も優れた製
品を得ることができるうえ、冷却時間も短縮できること
が判る。実施例によれば、成形品の軽量化、表皮面材
の特質維持、優れた外観品質の確保および冷却時間の短
縮のいずれもが、前記実施例と同等に達成できる。実
施例では、成形品の軽量化、優れた外観品質の確保お
よび冷却時間の短縮のいずれもが、前記実施例3,4
同等に達成できるが、表皮面材に植毛された毛が潰れて
しまい、起毛を再生すれば、製品として使用できる。
【0063】比較例では、溶融樹脂の膨張が不十分で
あるので、膨張による軽量化を充分達成できないうえ、
ヒケが発生しているので、外観品質の良好な成形品が得
られないことが判る。また、ガスによる冷却が行われな
いので、溶融樹脂の冷却には、著しく時間がかかる。比
較例では、スプリングバック現象による溶融樹脂の膨
張が殆ど認められず、膨張による軽量化は、期待できな
い。そのうえ、成形品の内部には、大きな中空部が発生
し、樹脂の表面には、シルバーやヒケが発生し、優れた
外観品質を得ることも望めないことが判る。また、ガス
が成形品の中に入らず、冷却時間も長いままであった。
なお、表皮面材に植毛された毛は、潰れておらず、表皮
面材の特質の維持は、期待することができる。
【0064】以上、本発明について好適な実施形態およ
び実施例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施
形態および実施例に限られるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変
更が可能である。例えば、樹脂ペレットの主剤となる熱
可塑性樹脂としては、ポリプロピレンに限らず、プロピ
レン−エチレンブロック共重合体、ポリエチレン等のポ
レオレフィン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ芳香族エーテルまた
はチオエーテル系樹脂、ポリ芳香族エステル系樹脂、ポ
リスルホン系樹脂およびアクリレート系樹脂でもよく、
ガラス繊維強化成形品が形成できる熱可塑性樹脂であれ
ば、具体的な組成は適宜選択できる。また、樹脂ペレッ
トに含有される補強繊維としては、ガラス繊維に限ら
ず、セラミック繊維、無機繊維、金属繊維および有機繊
維等でもよく、繊維の具体的な選定は、実施にあたり適
宜行えばよい。
【0065】さらに、前記実施形態および実施例の一部
では、原材料に発泡剤を含ませていなかったが、原材料
には、当該原材料100重量部に対して3重量部以下の
発泡剤を含ませてもよい。このように、発泡剤を含有さ
せれば、スプリングバック現象における繊維の復元力が
不足する場合においても、発泡剤の発泡力が繊維の復元
力を補完するので、得られるガスの圧力が低く、ガス注
入圧力が不足しても、移動型が後退するのに応じて、所
望の容積にまで溶融樹脂を確実に膨張させることができ
る。ここで、発泡剤の含有量が3重量部を超えると、シ
ルバーマークが生じる場合が多くなり、外観品質上の不
具合が生じるおそれがあるうえ、成形品の内部に大きな
中空分が発生し、強度や剛性が著しく低下する場合があ
る。また、ガスの注入口としては、金型キャビティに設
けられたガスピン(ガスノズル)に限らず、金型の内部
に設けられたスプルおよびランナ、ならびに、射出シリ
ンダのノズルのいずれかに開口されるガスノズル(ガス
ピン)でもよい。なお、溶融樹脂内に注入するガスとし
ては、窒素ガスに限らず、他のガスでもよいが、成形品
となる樹脂と反応しにくい、アルゴンガス等の不活性な
ガスを採用するのが好ましい。また、注入するガスを冷
却用ガスとしても利用する場合には、15℃以下に冷却
されたガス、液化炭酸ガス等を採用するのが好ましい。
【0066】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、成形品の
形状によらず、強度、剛性および耐熱性等の機械的特性
に優れた成形品の軽量化を達成できるうえ、ヒケ等の外
観上の不具合がなく、優れた外観品質を得ることができ
る。さらに、高い冷却効率により生産性が大幅に向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る射出成形機の全体
を示した側面図である。
【図2】前記第1実施形態の成形手順を説明するための
図である。
【図3】本発明の第2実施形態の成形手順を説明するた
めの図である。
【図4】本発明の第3実施形態の成形手順を説明するた
めの図である。
【図5】本発明の実施例で成形される成形品を示す平面
図である。
【図6】本発明の異なる実施例で成形される成形品を示
す側面図である。
【図7】本発明のさらに異なる実施例で採用された表皮
面材を示す断面図である。
【符号の説明】
10 金型 10A 固定型 10B 移動型 10C キャビティ 13 ガスノズル 14, 19 表皮面材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 105:12 B29K 105:12 (56)参考文献 特開 平4−255314(JP,A) 特開 平8−11151(JP,A) 特開 平3−188131(JP,A) 特開 平8−142099(JP,A) 特開 平9−277299(JP,A) 特開 平8−318542(JP,A) 特開 平6−198674(JP,A) 特開 平8−218262(JP,A) 国際公開97/29896(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/24 B29C 45/46 - 45/63 B29C 45/70 B29C 45/76 - 45/82

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長さが2〜100mmの範囲にされた補強用
    繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを少なく
    とも含み、前記補強用繊維が当該原材料全体の5〜70
    重量%とされた原材料を用い、内部のキャビティに対し
    て進退可能となった移動型を備えた金型に、前記原材料
    を可塑化した溶融樹脂を射出するとともに、前記溶融樹
    脂の内部にガスを注入することにより、成形品の成形を
    行う繊維強化樹脂のガス注入成形方法であって、 前記金型のキャビティ内への前記溶融樹脂の射出を開始
    した後に、前記キャビティが成形品に応じた容積となる
    位置まで前記移動型を後退させることにより、スプリン
    グバック現象を促進し、前記溶融樹脂を膨張させ、当該
    溶融樹脂の内部に無数の空隙を発生させてから、前記溶
    融樹脂の内部にガスを注入するとともに、注入したガス
    を、前記溶融樹脂の内部に形成された無数の空隙の各々
    に分散して導入することを特徴とする繊維強化樹脂のガ
    ス注入成形方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の繊維強化樹脂のガス注入
    成形方法において、前記キャビティが成形品に応じた容
    積となる位置まで前記移動型が後退した後に、前記キャ
    ビティに供給された前記溶融樹脂の内部に前記ガスを注
    入することを特徴とする繊維強化樹脂のガス注入成形方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の繊維強化
    樹脂のガス注入成形方法において、前記溶融樹脂の射出
    開始から、前記移動型の後退開始までの間に、前記キャ
    ビティに充填された前記溶融樹脂を圧縮するために前記
    移動型の前進動作が行われることを特徴とする繊維強化
    樹脂のガス注入成形方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の繊維強化樹脂のガス注入成形方法において、前記原材
    料は、全長が2〜100mmの範囲にされるとともに、前
    記全長と等しい長さの補強用繊維が、互いに平行に配列
    された状態となって全体の20〜80重量%含有された
    前記繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを少なくとも含み、
    前記補強用繊維が当該原材料全体の5〜70重量%とさ
    れた原材料であることを特徴とする繊維強化樹脂のガス
    注入成形方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の繊維強化樹脂のガス注入成形方法において、前記原材
    料には、当該原材料100重量部に対して3重量部以下
    の発泡剤が含まれていることを特徴とする繊維強化樹脂
    のガス注入成形方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の繊維強化樹脂のガス注入成形方法において、前記ガス
    は、温度が15℃以下の冷却ガスであることを特徴とす
    る繊維強化樹脂のガス注入成形方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載
    の繊維強化樹脂のガス注入成形方法において、前記ガス
    は、前記金型の内部に設けられたスプル、ランナおよび
    キャビティのいずれかに開口されるガスピンから注入さ
    れることを特徴とする繊維強化樹脂のガス注入成形方
    法。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項7のいずれかに記載
    の繊維強化樹脂のガス注入成形方法において、前記ガス
    の圧力が0.1〜200kg/cm2の範囲に設定されている
    ことを特徴とする繊維強化樹脂のガス注入成形方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項8のいずれかに記載
    の繊維強化樹脂のガス注入成形方法において、前記ガス
    の圧力が0.1〜20kg/cm2の範囲に設定されているこ
    とを特徴とする繊維強化樹脂のガス注入成形方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし請求項9のいずれかに記
    載の繊維強化樹脂のガス注入成形方法において、成形品
    の冷却行程において、ガスを流通排出させて冷却するこ
    とを特徴とする繊維強化樹脂のガス注入成形方法。
  11. 【請求項11】請求項1ないし請求項10のいずれかに
    記載の繊維強化樹脂のガス注入成形方法において、前記
    金型には、成形品の表面を被覆するための表皮面材が、
    成形前に予め装着されていることを特徴とする繊維強化
    樹脂のガス注入成形方法。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の繊維強化樹脂のガス注
    入成形方法により成形されたことを特徴とする繊維強化
    樹脂の成形品。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の繊維強化樹脂の成形
    品において、当該成形品中に含まれる補強用繊維の平均
    繊維長が2mm以上であることを特徴とする繊維強化樹脂
    の成形品。
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