JPH1190953A - 中空部含有樹脂成形品の射出成形方法および成形装置 - Google Patents
中空部含有樹脂成形品の射出成形方法および成形装置Info
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- JPH1190953A JPH1190953A JP25473997A JP25473997A JPH1190953A JP H1190953 A JPH1190953 A JP H1190953A JP 25473997 A JP25473997 A JP 25473997A JP 25473997 A JP25473997 A JP 25473997A JP H1190953 A JPH1190953 A JP H1190953A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/1703—Introducing an auxiliary fluid into the mould
- B29C45/1704—Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
-
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- B29C45/1703—Introducing an auxiliary fluid into the mould
- B29C45/1704—Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
- B29C2045/1722—Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles injecting fluids containing plastic material
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガス注入成形による中空部を有する成形品の
シルバーやフローマークなどの外観不良現象を解消し、
簡易な設備、成形条件幅が広く生産性にすぐれた中空部
含有樹脂成形品の射出成形方法および成形装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】射出シリンダー内の溶融樹脂中に可塑化ス
クリュー先端部からガスを注入後、金型キャビティに射
出する中空部含有樹脂成形品の成形において、ガスの注
入をスクリュー軸に直角方向よりも反射出方向に向けて
行い射出成形する。具体的には、スクリュー先端部に装
着された、ガス供給路に接続した反射出方向に注入可能
なポペット弁から行うものである。
シルバーやフローマークなどの外観不良現象を解消し、
簡易な設備、成形条件幅が広く生産性にすぐれた中空部
含有樹脂成形品の射出成形方法および成形装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】射出シリンダー内の溶融樹脂中に可塑化ス
クリュー先端部からガスを注入後、金型キャビティに射
出する中空部含有樹脂成形品の成形において、ガスの注
入をスクリュー軸に直角方向よりも反射出方向に向けて
行い射出成形する。具体的には、スクリュー先端部に装
着された、ガス供給路に接続した反射出方向に注入可能
なポペット弁から行うものである。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス注入による中
空部含有成形品の射出成形方法および成形装置に関す
る。詳しくは射出シリンダー内の可塑化溶融樹脂中にス
クリュー先端部からガスを注入後、金型キャビテーに射
出して中空部含有樹脂成形品を射出成形する方法および
これを実施するための成形装置に関する。
空部含有成形品の射出成形方法および成形装置に関す
る。詳しくは射出シリンダー内の可塑化溶融樹脂中にス
クリュー先端部からガスを注入後、金型キャビテーに射
出して中空部含有樹脂成形品を射出成形する方法および
これを実施するための成形装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂などの熱可塑性樹脂は、自動車部品、家電部
品、電気部品等の成形品に射出成形方法を採用して製造
されている。しかしながら、一般の射出成形では軽量化
できない欠点があり、また肉厚の異なる成形品、特にリ
ブ付き成形品、厚肉部を有する成形品ではリブ部、厚肉
部にヒケが発生し一体成形ができないと言う問題点があ
った。これを解決する方法として発泡性樹脂を用いる方
法があるが、軽量化は可能であるが、強度が十分でない
こと、表面性が劣ることに加えて、冷却時間が長く、結
果として成形サイクルが長くなり生産性に劣るなどの欠
点がある。
レン系樹脂などの熱可塑性樹脂は、自動車部品、家電部
品、電気部品等の成形品に射出成形方法を採用して製造
されている。しかしながら、一般の射出成形では軽量化
できない欠点があり、また肉厚の異なる成形品、特にリ
ブ付き成形品、厚肉部を有する成形品ではリブ部、厚肉
部にヒケが発生し一体成形ができないと言う問題点があ
った。これを解決する方法として発泡性樹脂を用いる方
法があるが、軽量化は可能であるが、強度が十分でない
こと、表面性が劣ることに加えて、冷却時間が長く、結
果として成形サイクルが長くなり生産性に劣るなどの欠
点がある。
【０００３】近時、他の方法として、ガス注入射出成形
方法が採用されてきている。ガス注入射出成形方法は、
金型キャビティに溶融樹脂を射出した後、溶融樹脂内に
射出ノズル、金型内ランナー、金型キャビティ壁から窒
素などの加圧ガスを注入する成形方法である。ガスは成
形品の全体にわたって中空部分を形成したり、リブ部や
厚肉部に中空部を形成し、そのガス圧により金型キャビ
ティ面の転写が行われ、その結果、ヒケ、ソリ、変形の
少ない寸法精度にすぐれた軽量樹脂成形品が得られる。
このため、一般の射出成形よりも低圧成形が可能である
こと、軽量化できること、剛性が高くなること、複雑な
製品設計、大型成形品へも適用可能な点など多くのすぐ
れた特徴により成形品分野に展開されてきている。
方法が採用されてきている。ガス注入射出成形方法は、
金型キャビティに溶融樹脂を射出した後、溶融樹脂内に
射出ノズル、金型内ランナー、金型キャビティ壁から窒
素などの加圧ガスを注入する成形方法である。ガスは成
形品の全体にわたって中空部分を形成したり、リブ部や
厚肉部に中空部を形成し、そのガス圧により金型キャビ
ティ面の転写が行われ、その結果、ヒケ、ソリ、変形の
少ない寸法精度にすぐれた軽量樹脂成形品が得られる。
このため、一般の射出成形よりも低圧成形が可能である
こと、軽量化できること、剛性が高くなること、複雑な
製品設計、大型成形品へも適用可能な点など多くのすぐ
れた特徴により成形品分野に展開されてきている。
【０００４】しかしながら、従来のガス注入射出成形で
は、金型キャビィ内の溶融樹脂にガスを注入するもので
あり、ガスとして通常、３ＭＰａ以上の高圧のガスを用
いる必要があること、ガスの貯蔵、ガス注入のための設
備、注入のために複雑な制御が必要であるなどの問題点
を抱えている。これらの理由により、射出成形分野に広
く採用されるまでには至っておらず、特殊な分野の成形
に止まっているのが実情である。
は、金型キャビィ内の溶融樹脂にガスを注入するもので
あり、ガスとして通常、３ＭＰａ以上の高圧のガスを用
いる必要があること、ガスの貯蔵、ガス注入のための設
備、注入のために複雑な制御が必要であるなどの問題点
を抱えている。これらの理由により、射出成形分野に広
く採用されるまでには至っておらず、特殊な分野の成形
に止まっているのが実情である。
【０００５】これらの欠点を改良する新しいガス注入成
形方法が提案されている（特開平９−１６４５４７号公
報）。この方法は、従来のガスの注入が、注入箇所とし
て、射出ノズル、金型内ランナー、金型キャビティ等で
あり、いずれにしても金型キャビティ中の溶融樹脂であ
ったのに対してガスの注入箇所を本質的に変えたもので
ある。すなわち、ガスの注入を射出シリンダー中の可塑
化溶融樹脂に対して行い、ガスを含んだ溶融樹脂を射出
成形することで中空部含有樹脂成形品を得ることを特徴
とするものである。具体的には、可塑化スクリューの先
端またはシリンダー壁から、第一次の樹脂可塑化の完了
後にガスを注入し、さらに第二次の可塑化を行い、可塑
化樹脂中にガスによる空洞を形成させ、このガスと可塑
化樹脂を一体として射出成形するものである。
形方法が提案されている（特開平９−１６４５４７号公
報）。この方法は、従来のガスの注入が、注入箇所とし
て、射出ノズル、金型内ランナー、金型キャビティ等で
あり、いずれにしても金型キャビティ中の溶融樹脂であ
ったのに対してガスの注入箇所を本質的に変えたもので
ある。すなわち、ガスの注入を射出シリンダー中の可塑
化溶融樹脂に対して行い、ガスを含んだ溶融樹脂を射出
成形することで中空部含有樹脂成形品を得ることを特徴
とするものである。具体的には、可塑化スクリューの先
端またはシリンダー壁から、第一次の樹脂可塑化の完了
後にガスを注入し、さらに第二次の可塑化を行い、可塑
化樹脂中にガスによる空洞を形成させ、このガスと可塑
化樹脂を一体として射出成形するものである。
【０００６】この射出成形方法は比較的低圧のガスでガ
ス注入成形ができる他、設備が簡略化できるなど非常に
すぐれた射出成形方法である。しかしながら、注入ガス
による溶融樹脂中の空洞の形成が安定しないことによる
と思われる不良現象が成形品に現れる。すなわち、注入
ガスにより成形品表面にシルバーやフローマークの外観
不良現象が発生したり、場合によっては、成形品の壁面
がパンクするなど成形品を安定して連続成形するには問
題点を残しており、改良の余地がある。
ス注入成形ができる他、設備が簡略化できるなど非常に
すぐれた射出成形方法である。しかしながら、注入ガス
による溶融樹脂中の空洞の形成が安定しないことによる
と思われる不良現象が成形品に現れる。すなわち、注入
ガスにより成形品表面にシルバーやフローマークの外観
不良現象が発生したり、場合によっては、成形品の壁面
がパンクするなど成形品を安定して連続成形するには問
題点を残しており、改良の余地がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、ガスを可塑化シリンダー中の可塑化溶融樹脂
中に直接注入した後、射出成形する中空部含有樹脂成形
品の射出成形において、シルバーやフローマークなどの
外観不良、成形品壁の破裂の発生がなく、さらに成形条
件幅が広く安定して中空部含有樹脂成形品が得られる射
出成形方法および成形装置を提供することを目的とする
ものである。
状況下で、ガスを可塑化シリンダー中の可塑化溶融樹脂
中に直接注入した後、射出成形する中空部含有樹脂成形
品の射出成形において、シルバーやフローマークなどの
外観不良、成形品壁の破裂の発生がなく、さらに成形条
件幅が広く安定して中空部含有樹脂成形品が得られる射
出成形方法および成形装置を提供することを目的とする
ものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、可塑化シ
リンダー中の溶融樹脂にガスを注入した後射出成形する
中空部含有樹脂成形品の成形方法に関し、ガス注入と成
形品の外観、成形安定性の関係について鋭意研究を重ね
た結果、ガスの注入方向が成形品の外観、成形性に最も
影響し、その方向を特定することで、すぐれた外観の中
空部含有樹脂成形品を安定して成形できることを見いだ
した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。
リンダー中の溶融樹脂にガスを注入した後射出成形する
中空部含有樹脂成形品の成形方法に関し、ガス注入と成
形品の外観、成形安定性の関係について鋭意研究を重ね
た結果、ガスの注入方向が成形品の外観、成形性に最も
影響し、その方向を特定することで、すぐれた外観の中
空部含有樹脂成形品を安定して成形できることを見いだ
した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。
【０００９】すなわち、本発明は、（１）射出シリンダ
ー内の溶融樹脂中に可塑化スクリュー先端部からガスを
注入後、金型キャビティに射出する中空部含有樹脂成形
品の成形において、ガスの注入をスクリュー軸に直角方
向よりも反射出方向に向けて行うことを特徴とする中空
部含有樹脂成形品の射出成形方法。 （２）ガスの注入をスクリュー先端に装着された傘状の
ポペット弁から行う上記（１）記載の射出成形方法。 （３）中空部含有樹脂成形品の成形装置において、射出
シリンダーと可塑化スクリューからなり、先端部にスク
リュー軸に直角方向よりも反射出方向に向けてガス注入
のための開閉可能な開口とガス導入路を持つスクリュー
からなるガス注入可塑化装置を有することを特徴とする
成形装置。 （４）開閉可能な開口が傘状のポペット弁である上記
（３）記載の成形装置を提供するものである。
ー内の溶融樹脂中に可塑化スクリュー先端部からガスを
注入後、金型キャビティに射出する中空部含有樹脂成形
品の成形において、ガスの注入をスクリュー軸に直角方
向よりも反射出方向に向けて行うことを特徴とする中空
部含有樹脂成形品の射出成形方法。 （２）ガスの注入をスクリュー先端に装着された傘状の
ポペット弁から行う上記（１）記載の射出成形方法。 （３）中空部含有樹脂成形品の成形装置において、射出
シリンダーと可塑化スクリューからなり、先端部にスク
リュー軸に直角方向よりも反射出方向に向けてガス注入
のための開閉可能な開口とガス導入路を持つスクリュー
からなるガス注入可塑化装置を有することを特徴とする
成形装置。 （４）開閉可能な開口が傘状のポペット弁である上記
（３）記載の成形装置を提供するものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の中空部含有樹脂成形品の射出成形方法に
用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂であり、射出成
形可能な樹脂であれば、特に制限はない。例えばポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体やラ
ンダム共重合体、高密度ポリエチレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ゴム変成ポリスチレン
樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＡＳ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、Ｐ
ＭＭＡ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリアセテート樹脂などがある。また、耐衝撃改良剤と
して、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ポリブタジ
エンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体ゴム（ＳＢＳ）、ＳＢＳを水添したスチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴム（Ｓ
ＥＢＳ）などのゴム類を添加することもできる。また、
必要により、成形品の要求特性等を考慮して、金属粉、
カーボンブラック、グラファィト、タルク、マイカ、ク
レー、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、ガラス繊維、炭
素繊維、チタン酸カルシウムウイスカー、繊維状のマグ
ネシウムオキシサルフェートなどの無機充填剤、結晶化
促進剤、酸化防止剤（リン系、フエノール系、硫黄系な
ど）、中和剤、滑剤、分散剤、過酸化物、熱安定剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、可塑剤、エポキシ化合物、金属不活性化剤、顔料、
染料などの添加剤を添加することもできる。
する。本発明の中空部含有樹脂成形品の射出成形方法に
用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂であり、射出成
形可能な樹脂であれば、特に制限はない。例えばポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレンブロック共重合体やラ
ンダム共重合体、高密度ポリエチレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ゴム変成ポリスチレン
樹脂、ＡＢＳ樹脂、ＡＳ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、Ｐ
ＭＭＡ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリアセテート樹脂などがある。また、耐衝撃改良剤と
して、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ポリブタジ
エンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体ゴム（ＳＢＳ）、ＳＢＳを水添したスチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴム（Ｓ
ＥＢＳ）などのゴム類を添加することもできる。また、
必要により、成形品の要求特性等を考慮して、金属粉、
カーボンブラック、グラファィト、タルク、マイカ、ク
レー、炭酸カルシウム、シリカ、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、ガラス繊維、炭
素繊維、チタン酸カルシウムウイスカー、繊維状のマグ
ネシウムオキシサルフェートなどの無機充填剤、結晶化
促進剤、酸化防止剤（リン系、フエノール系、硫黄系な
ど）、中和剤、滑剤、分散剤、過酸化物、熱安定剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、可塑剤、エポキシ化合物、金属不活性化剤、顔料、
染料などの添加剤を添加することもできる。
【００１１】本発明においては、通常これらの熱可塑性
樹脂に必要に応じて公知の付加的添加剤を配合して溶融
混練して得られたペレットを原料として、可塑化スクリ
ューを内蔵した射出シリンダー中に供給し、スクリュー
の回転により可塑化することにより、シリンダーの先端
部に可塑化溶融樹脂を形成し、溶融樹脂の形成中あるい
は形成後に溶融樹脂中にガスを注入するものである。つ
いで、このガスを含有した溶融樹脂を、金型のキャビテ
ィ内に射出し、中空部含有樹脂成形品を得るものであ
る。
樹脂に必要に応じて公知の付加的添加剤を配合して溶融
混練して得られたペレットを原料として、可塑化スクリ
ューを内蔵した射出シリンダー中に供給し、スクリュー
の回転により可塑化することにより、シリンダーの先端
部に可塑化溶融樹脂を形成し、溶融樹脂の形成中あるい
は形成後に溶融樹脂中にガスを注入するものである。つ
いで、このガスを含有した溶融樹脂を、金型のキャビテ
ィ内に射出し、中空部含有樹脂成形品を得るものであ
る。
【００１２】本発明では、このガスの注入方法として、
従来のシリンダーバレル、あるいはスクリューの先端部
から前向きに注入されていたのとは異なり、ガスの注入
をスクリュー軸に直角方向よりも反射出方向に向けて行
うことに大きな特徴がある。このようにガスの注入方向
を反射出方向にすることによって、溶融樹脂中にガスが
どのような形で存在するかは必ずしも明確ではないが、
結果として得られた成形品の表面状態が良好であり、成
形も安定することが明らかになった。この原因も、明ら
かではないが、溶融樹脂の中間部に溶融樹脂に囲まれた
ガスによる空洞部分を明確に形成しても、射出時の溶融
樹脂の高剪断流動による溶融粘度の低下により、比較的
早い時期にガスが射出されるためではないかと考えられ
る。これに対して、本願発明においては注入ガスは溶融
樹脂の後方側に偏在しているものと思われ、射出時にあ
たかも溶融樹脂を追う形、即ち、溶融樹脂の射出の後す
ぐさま射出ノズルからガスを注入する方法に近い状況が
起こっているのではないかと考えられる。
従来のシリンダーバレル、あるいはスクリューの先端部
から前向きに注入されていたのとは異なり、ガスの注入
をスクリュー軸に直角方向よりも反射出方向に向けて行
うことに大きな特徴がある。このようにガスの注入方向
を反射出方向にすることによって、溶融樹脂中にガスが
どのような形で存在するかは必ずしも明確ではないが、
結果として得られた成形品の表面状態が良好であり、成
形も安定することが明らかになった。この原因も、明ら
かではないが、溶融樹脂の中間部に溶融樹脂に囲まれた
ガスによる空洞部分を明確に形成しても、射出時の溶融
樹脂の高剪断流動による溶融粘度の低下により、比較的
早い時期にガスが射出されるためではないかと考えられ
る。これに対して、本願発明においては注入ガスは溶融
樹脂の後方側に偏在しているものと思われ、射出時にあ
たかも溶融樹脂を追う形、即ち、溶融樹脂の射出の後す
ぐさま射出ノズルからガスを注入する方法に近い状況が
起こっているのではないかと考えられる。
【００１３】このような観点から、ガスの注入方向は反
射出方向であれば、その角度は特に制限はないが、スク
リュー軸に直角の方向に対して、１０度以上、好ましく
は２０から６０度である。また、注入手段としては、特
に制限はなく、リング状の開口、複数の独立の開口であ
ってもよい。しかし、開口の開閉機構の点、均一注入の
点、加工の容易さなどから、リング状の開口を形成する
傘状のポペット弁を採用することが好ましい。
射出方向であれば、その角度は特に制限はないが、スク
リュー軸に直角の方向に対して、１０度以上、好ましく
は２０から６０度である。また、注入手段としては、特
に制限はなく、リング状の開口、複数の独立の開口であ
ってもよい。しかし、開口の開閉機構の点、均一注入の
点、加工の容易さなどから、リング状の開口を形成する
傘状のポペット弁を採用することが好ましい。
【００１４】以下、図面に基づいて、詳細に説明する。
図１は、本発明の射出成形方法および成形装置の全体を
部分的断面で示す概念図である。１は射出成形装置、２
はシリンダー、３はスクリュー、４は射出ノズル、５は
ノズル遮断弁、６はガス供給路、７はガス注入弁、８は
固定金型、９は移動金型、１０は金型キャビティ、１１
はホッパー、１２は可塑化溶融樹脂、１３はスプルーを
それぞれ示す。
図１は、本発明の射出成形方法および成形装置の全体を
部分的断面で示す概念図である。１は射出成形装置、２
はシリンダー、３はスクリュー、４は射出ノズル、５は
ノズル遮断弁、６はガス供給路、７はガス注入弁、８は
固定金型、９は移動金型、１０は金型キャビティ、１１
はホッパー、１２は可塑化溶融樹脂、１３はスプルーを
それぞれ示す。
【００１５】図２は、本発明の射出成形方法に用いる成
形装置の主要部である溶融可塑化部分を示した断面図で
ある。２はシリンダー、３はスクリュー、４は射出ノズ
ル、５はノズル遮断弁、６はガス供給路、７はガス注入
弁、１２は可塑化溶融樹脂、１４はポペット弁、１５は
バネ、１６はガス注入方向である。次に、射出成形方法
について説明する。原料のペレットはホッパー１１から
スクリュー３に供給されスクリューの回転による可塑
化、スクリューの後退によりシリンダーの先端部に可塑
化供給され可塑化溶融樹脂１２を形成する。このときノ
ズル遮断弁５は閉じている。この溶融樹脂に図示しない
ガスボンベなどのガス供給源からスクリューの中心に設
けられたガス供給路６を通り、ガスの圧力によりポペッ
ト弁１４の付勢バネ１５を前方に押すことによりガス注
入口を開き注入方向１６の方向へガスを注入する。ガス
はスクリュー軸に直角方向に対して角度αの方向に注入
する。ガスの注入圧力は通常０．５〜２．８ＭＰａの範
囲である。従来の一般的な金型キャビティの溶融樹脂に
ガスを注入する場合の３ＭＰａ以上と比較して低い圧力
で十分である。また、ガスの注入のタイミングとして
は、シリンダーの先端部に射出に必要な溶融樹脂がある
程度形成された後であれば特に制限はないが、可塑化中
は溶融樹脂に背圧がかかりかなりの圧力があるので、可
塑化の終了近く、特に可塑化計量が終了した後に、サッ
クバック（スクリューを後退させる）しながら注入する
ことが低圧でガスを注入できる点、ガスを溶融樹脂の反
射出ノズル側に選択的に注入できる点で好ましい。
形装置の主要部である溶融可塑化部分を示した断面図で
ある。２はシリンダー、３はスクリュー、４は射出ノズ
ル、５はノズル遮断弁、６はガス供給路、７はガス注入
弁、１２は可塑化溶融樹脂、１４はポペット弁、１５は
バネ、１６はガス注入方向である。次に、射出成形方法
について説明する。原料のペレットはホッパー１１から
スクリュー３に供給されスクリューの回転による可塑
化、スクリューの後退によりシリンダーの先端部に可塑
化供給され可塑化溶融樹脂１２を形成する。このときノ
ズル遮断弁５は閉じている。この溶融樹脂に図示しない
ガスボンベなどのガス供給源からスクリューの中心に設
けられたガス供給路６を通り、ガスの圧力によりポペッ
ト弁１４の付勢バネ１５を前方に押すことによりガス注
入口を開き注入方向１６の方向へガスを注入する。ガス
はスクリュー軸に直角方向に対して角度αの方向に注入
する。ガスの注入圧力は通常０．５〜２．８ＭＰａの範
囲である。従来の一般的な金型キャビティの溶融樹脂に
ガスを注入する場合の３ＭＰａ以上と比較して低い圧力
で十分である。また、ガスの注入のタイミングとして
は、シリンダーの先端部に射出に必要な溶融樹脂がある
程度形成された後であれば特に制限はないが、可塑化中
は溶融樹脂に背圧がかかりかなりの圧力があるので、可
塑化の終了近く、特に可塑化計量が終了した後に、サッ
クバック（スクリューを後退させる）しながら注入する
ことが低圧でガスを注入できる点、ガスを溶融樹脂の反
射出ノズル側に選択的に注入できる点で好ましい。
【００１６】なお、溶融樹脂の計量は成形品の中空部を
除いた体積に相当するように制御される。ガスの注入
後、ノズル遮断弁５を開き、金型キャビテー１０にガス
を含む溶融樹脂を射出充填する。金型キャビティへの射
出充填が完了後、成形品は冷却、賦形される。必要によ
り中空部のガスを抜いた後、金型を開放して成形品を離
型することにより成形サイクルが完了することになる。
除いた体積に相当するように制御される。ガスの注入
後、ノズル遮断弁５を開き、金型キャビテー１０にガス
を含む溶融樹脂を射出充填する。金型キャビティへの射
出充填が完了後、成形品は冷却、賦形される。必要によ
り中空部のガスを抜いた後、金型を開放して成形品を離
型することにより成形サイクルが完了することになる。
【００１７】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限さ
れるものではない。東芝機械株式会社製の射出成形機Ｉ
Ｓ２００〔型締力：２００トン、スクリュー径：５２ｍ
ｍ〕、アシストグリップの評価金型〔２２５ｍｍと１５
５ｍｍである略Ｌ字状で、断面が短径：３０ｍｍ、長
径：３７ｍｍの楕円〕を用い、原料樹脂としてポリプロ
ピレン〔ＩＤＥＭＩＴＳＵ ＰＰ Ｊ−９５０Ｈ（ＭＩ
＝２０ｇ／１０分：２３０℃、２．１６ｋｇ荷重）〕を
用い、窒素ガスを注入することで成形を行った。成形条
件を下記に示す。 （１）成形温度：２００℃ （２）金型温度：４０℃ （３）ガス注入開始：計量完了後 （４）ガス注入圧力：２．２ＭＰａ （５）ガス注入時間：５秒 （６）ガス注入ポペット弁：開口部径＝２３ｍｍ、α＝
３５度 得られたアシストグリップは、平均肉圧が６ｍｍであ
り、シルバー、フローマークがなく表面外観にすぐれる
とともに、安定的に繰り返し成形できた。
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限さ
れるものではない。東芝機械株式会社製の射出成形機Ｉ
Ｓ２００〔型締力：２００トン、スクリュー径：５２ｍ
ｍ〕、アシストグリップの評価金型〔２２５ｍｍと１５
５ｍｍである略Ｌ字状で、断面が短径：３０ｍｍ、長
径：３７ｍｍの楕円〕を用い、原料樹脂としてポリプロ
ピレン〔ＩＤＥＭＩＴＳＵ ＰＰ Ｊ−９５０Ｈ（ＭＩ
＝２０ｇ／１０分：２３０℃、２．１６ｋｇ荷重）〕を
用い、窒素ガスを注入することで成形を行った。成形条
件を下記に示す。 （１）成形温度：２００℃ （２）金型温度：４０℃ （３）ガス注入開始：計量完了後 （４）ガス注入圧力：２．２ＭＰａ （５）ガス注入時間：５秒 （６）ガス注入ポペット弁：開口部径＝２３ｍｍ、α＝
３５度 得られたアシストグリップは、平均肉圧が６ｍｍであ
り、シルバー、フローマークがなく表面外観にすぐれる
とともに、安定的に繰り返し成形できた。
【００１８】なお、一般のポペット弁〔射出ノズル方向
への角度＝３５度〕を用いた場合は、中空部を有する成
形品は得ることはできるが、ガス注入による外観不良
（シルバーマーク）が発生し易すかった。
への角度＝３５度〕を用いた場合は、中空部を有する成
形品は得ることはできるが、ガス注入による外観不良
（シルバーマーク）が発生し易すかった。
【００１９】
【発明の効果】本発明によれば、シルバー、フローマー
クなどの発生がなく外観良好な中空部を有する軽量な成
形品を安定的に連続成形できる。また、注入のガス圧力
を比較的低くでき、ガス設備、成形制御の点を含めて総
合的に成形設備、ガス設備、設備費、成形コスト、不良
品の発生がないなどのすぐれた効果を有するものであ
る。
クなどの発生がなく外観良好な中空部を有する軽量な成
形品を安定的に連続成形できる。また、注入のガス圧力
を比較的低くでき、ガス設備、成形制御の点を含めて総
合的に成形設備、ガス設備、設備費、成形コスト、不良
品の発生がないなどのすぐれた効果を有するものであ
る。
【図１】本発明の実施例で用いた射出成形機の全体を示
す、部分断面概念図である。
す、部分断面概念図である。
【図２】本発明の実施例で用いた射出成形機の主要部で
ある、可塑化溶融部分の断面を示す模式図である。
ある、可塑化溶融部分の断面を示す模式図である。
１：射出成形装置 ２：シリンダー ３：スクリュー ４：射出ノズル ５：ノズル遮断弁 ６：ガス供給路 ７：ガス注入弁 ８：固定金型 ９：移動金型 １０：金型キャビティ １１：ホッパー １２：可塑化溶融樹脂 １３：スプルー １４：ポペット弁 １５：バネ １６：ガス注入方向
Claims (4)
- 【請求項１】射出シリンダー内の溶融樹脂中に可塑化ス
クリュー先端部からガスを注入後、金型キャビティに射
出する中空部含有樹脂成形品の成形において、ガスの注
入をスクリュー軸に直角方向よりも反射出方向に向けて
行うことを特徴とする中空部含有樹脂成形品の射出成形
方法。 - 【請求項２】ガスの注入をスクリュー先端に装着された
傘状のポペット弁から行う請求項１記載の射出成形方
法。 - 【請求項３】中空部含有樹脂成形品の成形装置におい
て、射出シリンダーと可塑化スクリューからなり、先端
部にスクリュー軸に直角方向よりも反射出方向に向けて
ガス注入のための開閉可能な開口とガス導入路を持つス
クリューからなるガス注入可塑化装置を有することを特
徴とする成形装置。 - 【請求項４】開閉可能な開口が傘状のポペット弁である
請求項３記載の成形装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25473997A JPH1190953A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 中空部含有樹脂成形品の射出成形方法および成形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25473997A JPH1190953A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 中空部含有樹脂成形品の射出成形方法および成形装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1190953A true JPH1190953A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17269199
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25473997A Pending JPH1190953A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 中空部含有樹脂成形品の射出成形方法および成形装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1190953A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008001015A (ja) * | 2006-06-23 | 2008-01-10 | Mazda Motor Corp | 繊維強化樹脂成形品の成形方法及び成形装置 |
| CN113942206A (zh) * | 2021-11-01 | 2022-01-18 | 北京悦米科技有限公司 | 一种基于互联网+的共享注塑生产管理系统 |
| CN113977844A (zh) * | 2021-08-09 | 2022-01-28 | 泰瑞机器股份有限公司 | 一种微发泡注塑机的注气装置 |
-
1997
- 1997-09-19 JP JP25473997A patent/JPH1190953A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008001015A (ja) * | 2006-06-23 | 2008-01-10 | Mazda Motor Corp | 繊維強化樹脂成形品の成形方法及び成形装置 |
| CN113977844A (zh) * | 2021-08-09 | 2022-01-28 | 泰瑞机器股份有限公司 | 一种微发泡注塑机的注气装置 |
| CN113942206A (zh) * | 2021-11-01 | 2022-01-18 | 北京悦米科技有限公司 | 一种基于互联网+的共享注塑生产管理系统 |
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