JP2000043077A - 繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法

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JP2000043077A
JP2000043077A JP21087398A JP21087398A JP2000043077A JP 2000043077 A JP2000043077 A JP 2000043077A JP 21087398 A JP21087398 A JP 21087398A JP 21087398 A JP21087398 A JP 21087398A JP 2000043077 A JP2000043077 A JP 2000043077A
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Satoru Funakoshi
覚 船越
Shigeyoshi Matsubara
重義 松原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い膨張倍率で軽量性、強度に優れた繊維強化
熱可塑性樹脂膨張成形体を、膨張成形の利点を活かしつ
つ容易に製造する。 【解決手段】雌雄一対の開閉可能な金型を用い、(a)
平均繊維長が1mm以上に保持された強化繊維を含む溶
融状熱可塑性樹脂を金型キャビティ内に充填する工程、
(b)金型の一部もしくは全部を最終成形体の厚みにな
らないように成形体の厚み方向に開放し、溶融樹脂の未
固化部分を膨張させる工程、(c)膨張体内部にガスを
導入する工程、(d)開放した金型の一部もしくは全部
についてさらに開放して、キャビティクリアランスを最
終成形体厚みに一致させる工程、および(e)キャビテ
ィクリアランスを最終成形体厚みに保持しつつ成形体を
冷却させる工程からなる繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化熱可塑性樹
脂膨張成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維強化熱可塑性樹脂膨張成
形体はよく知られており、その製造法としては、例えば
特開平9−220730号に示される長繊維強化熱可塑
性樹脂ペレットを用いた膨張成形法や特開平7−247
679号に示される発泡剤を用いた射出成形法による方
法がよく知られている。
【0003】しかし、前者の方法は最終の成形品に相当
する金型容積よりも大きくなるように開いた金型中に所
定量の溶融樹脂を射出し、射出完了前もしくは完了後に
金型を最終製品の容積まで金型を閉じる方法であり、こ
の方法はキャビティ内に供給した溶融樹脂の表面層を金
型成形面との接触により冷却、固化させてその全面にス
キン層を形成させるようにする方法であるため、得られ
た成形体の内部は多くの空隙を含んだ構造となっている
が、膨張倍率が低く、十分な軽量化ができないという問
題があり、また、後者の方法では高発泡倍率を得るため
にはかなりの量の発泡剤を必要とし、コスト的に有利と
は言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは発泡剤を使用することなく、膨張成形の利
点を活かしながら高倍率で膨張し、軽量性によりすぐれ
た繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体を製造すべく検討の
結果、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、雌
雄一対の開閉可能な金型を用い、(a)平均繊維長が1
mm以上に保持された強化繊維を含む溶融状熱可塑性樹
脂を金型キャビティ内に充填する工程、(b)金型の一
部もしくは全部を最終成形体の厚みにならないように成
形体の厚み方向に開放し、溶融樹脂の未固化部分を膨張
させる工程、(c)膨張体内部にガスを導入する工程、
(d)開放した金型の一部もしくは全部についてさらに
開放して、キャビティクリアランスを最終成形体厚みに
一致させる工程、および(e)キャビティクリアランス
を最終成形体厚みに保持しつつ成形体を冷却させる工程
からなる繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法を
提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を説明する。尚、以
下の説明は本発明の一例であって、本発明がこれに限定
されるものでないことは言うまでもない。
【0007】
【実施例】本発明の目的とする繊維強化熱可塑性樹脂膨
張成形体においては、図13に膨張層の断面拡大図で示
すように、膨張層(2)において強化繊維(3)同士が
複雑に絡み合い、その接点付近で熱可塑性樹脂(4)に
より固定された梁構造となっていることが軽量性と優れ
た強度を得る上で重要であり、このような強化繊維同士
を複雑に絡ませるには、成形体中の強化繊維の平均繊維
長を長く保つことが望ましく、成形体中の強化繊維の平
均繊維長が1mm以上であることが重要であって、強化
繊維の平均繊維長が1mmに満たない場合には満足すべ
き性能が得られない。
【0008】このような観点から、本発明の方法におい
ては、平均繊維長が1mm以上に保持された強化繊維を
含む溶融状熱可塑性樹脂をキャビティ内へ供給すること
が重要である。かかる平均繊維長が1mm以上に保持さ
れた強化繊維を含む溶融状熱可塑性樹脂(以下、単に溶
融樹脂ということがある)をキャビティ内へ供給する方
法としては、平均繊維長が3mm以上の強化繊維と粒状
やペレット状の熱可塑性樹脂をたとえばスクリュ−式の
射出機内で溶融混練させて得られる溶融樹脂をキャビテ
ィ内に供給する方法や、予め形成された平均繊維長が3
mm以上の強化繊維を含む熱可塑性樹脂材料たとえば長
繊維強化樹脂ペレットを溶融混練してなる溶融樹脂をキ
ャビティ内に供給する方法などが挙げられる。後者の方
法において、長繊維強化樹脂ペレットとしては例えばガ
ラスロ−ビングに溶融した熱可塑性樹脂を含浸させ、冷
却固化させて3mm以上の適当な長さ、例えば3〜25
mm程度に切断してペレット化したものが好適に使用さ
れる。このような長繊維強化樹脂ペレットはそれ単独で
用いてもよいし、強化繊維含量調整のために該長繊維強
化樹脂ペレットのマトリックス樹脂からなる樹脂ペレッ
トと混合して用いてもよく、場合によっては他の熱可塑
性樹脂ペレットと混合してしてもよい。
【0009】ここで、強化繊維としてはガラス繊維、ア
ルミナ繊維、炭素繊維などの従来より強化繊維として知
られている各種の強化繊維が適用されるが、ガラス繊維
が最も一般的なものとして多用される。このような強化
繊維は、マトリックスである熱可塑性樹脂との密着性に
優れるほどマトリックス樹脂を介しての繊維同士の結合
も強固になり、膨張成形体の強度も向上するため、例え
ばポリプロピレン系樹脂とガラス繊維の組み合わせのよ
うな場合には、ガラス繊維に表面処理を行ったり、熱可
塑性樹脂に変性剤を配合してその密着性を向上させるこ
とは有効である。
【0010】熱可塑性樹脂としては押し出し成形、射出
成形、プレス成形などで使用されているものであればい
ずれも適用可能であり、例えば、ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリ
ル・スチレン・ブタジエン共重合体、ポリスチレン、ナ
イロンなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカ−ボ
ネ−ト、アクリル樹脂、スチレン・ブタジエン共重合
体、ポリエチレンテレフタレ−トなどの一般的な熱可塑
性樹脂、これらの混合物、あるいはこれらを用いたポリ
マ−アロイなどが例示され、本発明でいう熱可塑性樹脂
とはこれらを全て包含するものである。このような熱可
塑性樹脂は必要に応じてタルク等の充填剤を含有してい
てもよく、もちろん、通常使用される各種の顔料、滑
剤、帯電防止剤、安定剤などが配合されていてもよい。
【0011】強化繊維含有熱可塑性樹脂中の強化繊維含
量は目的とする膨張成形体の膨張度、所望の性質などに
よって変わるが、一般には10〜80重量%の範囲であ
る。
【0012】以下、本発明の方法を図に基づいて説明す
る。図1は本発明の方法で使用する金型例の概略をその
断面で示したものである。この金型は雄型(7)および
雌型(6)の雌雄一対からなり、両金型は通常そのいず
れか一方がプレス装置に接続され、他方は固定されて縦
方向または横方向に開閉可能となっている。(図では雄
型は固定され、雌型が可動して上下方向に開閉可能とな
っている)。キャビティ内への溶融樹脂の供給方法は任
意であり、キャビティ内外への移動が可能な適宜の外部
供給手段により行うような方法であってもよいが、図に
示すように、金型内に設けた樹脂供給路(9)を介して
樹脂供給装置(8)と結ばれている樹脂供給口(10)
を雌雄いずれかもしくは両方の金型の成形面(図におい
ては雄型に設けている)に設け、該樹脂供給口からキャ
ビティ内に溶融樹脂を供給する方法が好ましい。後者の
場合、樹脂供給口近傍の樹脂供給路には任意に制御可能
な開閉弁を設け、射出機などの樹脂供給装置に貯えられ
た溶融樹脂の供給、停止が任意に制御できるようになっ
ていてもよい。
【0013】また、雌雄いずれかまたは両方の金型には
キャビティ内に開口するガス導入口(11)が設けら
れ、このガス導入口より膨張体内部にガスが導入され
る。このガス導入口には任意にガスの導入、停止が制御
しうる開閉弁が設けられていてもよく、また、必要に応
じて導入ガスの温度を調整するための温度制御機構を設
けていてもよい。かかるガス導入口は金型の成形面に開
口するようになっていてもよいし、ガス流路管を成形面
からキャビティ内に突き出してキャビティ内で開口する
ようにしてもよいが、膨張体内へのガス導入をスム−ズ
に行うには後者の方法が好ましく、図では後者の例を示
している。
【0014】このような金型を用い、両金型により形成
されるキャビティ内に、溶融樹脂(12)を充填する。
(図2) 溶融樹脂のキャビティ内への充填方法としては、種々の
方法が適用されるが、代表的には、所定のキャビティを
形成するように両金型を閉鎖した状態でキャビティ内に
溶融樹脂を射出供給し、その供給圧で溶融樹脂をキャビ
ティ内に充填する方法が挙げられる。
【0015】このときのキャビティ容積は供給する溶融
樹脂量によって決定され、膨張前の溶融樹脂の容積とほ
ぼ一致している。供給する溶融樹脂温度は、使用する熱
可塑性樹脂の種類や成形条件によっても変わり、適宜最
適の温度が設定される。例えばポリプロピレン系樹脂を
マトリックスとしたガラス繊維強化樹脂を用いる場合に
は、200〜300℃程度、好ましくは230〜280
℃程度である。
【0016】キャビティ内に充填された溶融樹脂(1
2)は、通常、1〜20MPa程度の加圧状態におか
れ、溶融樹脂中には殆ど空隙が存在しない状態にある。
この状態で、好ましくは溶融樹脂表面にスキン層(1)
を形成せしめるが、一般に金型温度は溶融樹脂温度より
も低い温度に設定されているため、適宜の冷却時間を設
けることにより、溶融樹脂は金型成形面に接した表面部
分より固化し始め、やがて空隙の殆どないスキン層が形
成される。
【0017】このときの冷却時間は、スキン層の形成に
大きく影響し、この時間が長くなるほどスキン層が形成
され易く、またスキン層が厚くなる。スキン層が厚くな
りすぎるとその後の金型開放に伴う膨張倍率が低下し、
また、薄すぎると強度が低くなる傾向にあり、スキン層
をどの程度の厚みにするかは所望とする膨張成形体の膨
張倍率や強度により適宜選択されるが、一般にはスキン
層の両面合計の厚みが成形体厚みの5〜40%になる程
度であり、その時間、すなわち溶融樹脂をキャビティ内
に充填してから次工程の金型を開放するまでの冷却時間
は、金型温度や溶融樹脂温度、樹脂の種類などの諸条件
によって変わるが、通常0.1〜20秒程度である。
【0018】所定の厚みのスキン層が形成された後、金
型を目的とする最終膨張成形体の厚みにならないように
開放し、未固化状態にある層の溶融状態にある樹脂の圧
力を除圧する。この除圧により、溶融樹脂中の絡まり合
った強化繊維は圧縮力に反発して起き上がろうとし、成
形体は僅かに自然膨張する。(図3) 自然膨張した成形体の自然膨張層(13)には連通した
空隙が生じ、その時の自然膨張倍率は一般的には約1.
1〜2倍程度とされる。従って、金型を開放したときの
キャビティクリアランスは、溶融樹脂をキャビティに充
填したときのキャビティクリアランスの1.1〜2倍程
度にすることが好ましい。
【0019】金型の開放により自然膨張層が形成された
後、ガス導入口(11)よりガスを自然膨張層内に導入
する。この際、ガス導入口付近の溶融樹脂は溶融状態で
あるか、半溶融状態であることが必要であり、ガスは自
然膨張層内に形成された連通する空隙を通じて該膨張層
内に導入される。このときのガスの供給圧は大気圧であ
ってもよいが、より高い膨張倍率を望む場合には加圧さ
れたガスを導入することが効果的である。しかし、ガス
圧が高すぎるとガス導入口付近の溶融樹脂がガス圧によ
って吹き飛ばされ、局部的な中空構造となって均一な膨
張成形体とならず、強度の低下をもたらしたりするた
め、導入するガス圧は1MPa以下であることが望まし
い。かかるガスとしては空気または不活性ガスたとえば
炭酸ガス、窒素ガスなどが挙げられるが、実用的には空
気が有利である。
【0020】ガスの導入は一点に限られることなく複数
の場所から行ってもよく、その位置は成形体の形状や大
きさ等により適宜決定される。たとえば、ガス導入口を
キャビティ内に突き出すように設ける場合には、最終成
形体表面に該ガス導入口のピン跡が残ることがあるが、
これが問題になるような場合には成形体の裏面側など目
立たない位置にガス導入口を配置すればよい。
【0021】自然膨張層の空隙内にガスを導入すること
により、自然膨張層内の絡まりあった強化繊維同士が更
に起き上がり、繊維間の空隙を成長させつつ成形体はさ
らに膨張しようとする。そこで、ガスの導入と合わせ
て、キャビティクリアランスが最終膨張成形体厚みに一
致するまで金型を開放すると、全体として金型の開き方
向、即ち膨張成形体の厚みに向かって強化繊維が配向し
た梁構造(図13)が形成された膨張体を得ることがで
きる。(図4)
【0022】このとき、金型の開放は、キャビティ内の
溶融樹脂のスキン層を金型成形面に密着させた状態で行
うことが望ましく、そのためには、ガスの導入量に応じ
て金型の開放速度を制御することが好ましい。
【0023】ここで、ガス導入と金型の開放動作はそれ
ぞれに独立した動作である必要はなく、例えば、キャビ
ティ内に溶融樹脂が充填された金型を最終成形体厚みに
ならないように開放する工程において、金型の開放途中
であっても溶融樹脂が自然膨張して連通する空隙が形成
された時点でガス導入を平行して開始することができる
し、金型を最終成形体厚みにならないように開放したの
ち、ガスを導入しながら最終膨張成形体厚みに一致する
まで金型を開放してもよい。また、金型を最終成形体厚
みにならないように開放する工程と最終膨張成形体厚み
になるまで金型を開放する工程を連続的に行ってもよ
く、この場合、最初の金型開放により溶融樹脂が自然膨
張して連通する空隙が形成された時点から最終膨張成形
体を得るまでの金型の開放までの間、ガス導入は金型の
開放と平行して連続的に行ってもよい。
【0024】金型キャビティが最終膨張成形体厚みにな
った時点で金型の開放動作を停止し、キャビティクリア
ランスを最終成形体厚みに保持しつつ成形体を冷却す
る。ガス導入は冷却が完了するまで継続して行うことが
好ましい。冷却が完了したのち、金型を完全に開放し、
最終成形体である繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体を取
り出す。(図5)
【0025】以上述べた方法とは異なる他の方法として
は、金型キャビティ内への溶融樹脂の充填方法の異なる
方法、例えば、供給する溶融樹脂量よりも大きいキャビ
ティ容積になるように金型を保持した状態で所定量の溶
融樹脂をキャビティ内に供給し(図6)、次いで型締め
によって溶融樹脂をキャビティ内に充填する(図7)方
法が挙げられる。この方法による場合、キャビティ内へ
の溶融樹脂の充填方法が異なる以外は前記方法と基本的
に同様である。
【0026】このような方法において、金型の一部が部
分的に移動できるような金型構造とすることにより、部
分的に膨張部を有する繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体
を製造することができる。例えば、金型の一部をスライ
ドコア(14)方式とし、該スライドコアを油圧シリン
ダ−(15)などによって移動させることによって金型
成形面を部分的に移動しうる金型を用い、予めスライド
コアの成形面を金型成形面と一致させて金型キャビティ
を形成させ、先に述べたような方法により溶融樹脂を供
給してキャビティ内に充填させ(図8)、その後図9〜
図11に示されるように、スライドコアを厚みを広げる
方向に移動させて当該部分について自然膨張層を形成さ
せ、以下、先に述べたと同様の手法でガス導入、スライ
ドコアの移動および冷却を行うことにより、スライドコ
アを設けた部分について部分的に膨張部を有する繊維強
化熱可塑性樹脂膨張成形体を容易に製造することができ
る。
【0027】また、かかる繊維強化熱可塑性樹脂膨張成
形体において、その表面の一部または全部に表皮材が貼
合された表皮材一体の成形体を所望の場合には、前記し
た方法において、金型成形面の一部又は全部を覆うよう
に予め表皮材を成形面に配置しておき、前記方法に従っ
て、表皮材と表皮材を配置していない他の金型の成形面
との間に溶融樹脂を供給、充填し、その後、金型の開
放、ガスの導入を行えばよい。この場合、ガス導入口を
非表材側の金型に設けたり、表皮材と接しない部分に設
ければ、表皮材がガス導入を妨げることにもならず、得
られた成形体の表皮材側にはガス導入口跡も残らない。
例えば、図に示す方法において、成形体の上面(雌型
側)の全面に表皮材を設ける場合には、雄型側の適宜の
位置ににガス導入口を設ければよい。
【0028】以上述べた本発明の方法において、熱可塑
性樹脂や強化繊維の種類あるいは強化繊維の充填率など
によっては、金型を開放したときの自然膨張率が低く、
連通する空隙が得にくい場合もあるが、このような場合
には、原料の強化繊維を含む熱可塑性樹脂中に予め発泡
剤を混合しておくことにより自然膨張を補助、促進する
こともできる。このときの発泡剤量は、原料の強化繊維
を含む熱可塑性樹脂中に占める樹脂分に対して0.01
〜1重量%程度の僅かな量で十分である。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高い膨張倍率で
軽量性、強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体
を容易に製造することができ、得られた繊維強化熱可塑
性樹脂膨張成形体は軽量、高強度の成形体として各種の
構造部材、断熱部材などとして、また表皮層を有する成
形体として各種用途に幅広く使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用される金型例をその概略断
面図で示したものである。
【図2】本発明の方法における製造工程を金型の概略断
面図で示すものである。
【図3】本発明の方法における製造工程を金型の概略断
面図で示すものである。
【図4】本発明の方法における製造工程を金型の概略断
面図で示すものである。
【図5】本発明の方法における製造工程を金型の概略断
面図で示すものである。
【図6】本発明の方法における製造工程を金型の概略断
面図で示すものである。
【図7】本発明の方法における製造工程を金型の概略断
面図で示すものである。
【図8】本発明の方法における製造工程を金型の概略断
面図で示すものである。
【図9】本発明の方法における製造工程を金型の概略断
面図で示すものである。
【図10】本発明の方法における製造工程を金型の概略
断面図で示すものである。
【図11】本発明の方法における製造工程を金型の概略
断面図で示すものである。
【図12】本発明の方法により得られる膨張成形体の例
を断面図で示すものである。
【図13】本発明の方法により得られる膨張成形体の膨
張層の断面拡大図である。
【符号の説明】
1:スキン層 2:膨張層 3:強化繊維 4:熱可塑性樹脂 5:空隙 6:雌型 7:雄型 8:樹脂供給装置 9:樹脂供給路 10:樹脂供給口 11:ガス導入口 12:強化繊維含有熱可塑性樹脂 13:自然膨張層 14:スライドコア 15:油圧シリンダ−

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雌雄一対の開閉可能な金型を用い、(a)
    平均繊維長が1mm以上に保持された強化繊維を含む溶
    融状熱可塑性樹脂を金型キャビティ内に充填する工程、
    (b)金型の一部もしくは全部を最終成形体の厚みにな
    らないように成形体の厚み方向に開放し、溶融樹脂の未
    固化部分を膨張させる工程、(c)膨張体内部にガスを
    導入する工程、(d)開放した金型の一部もしくは全部
    についてさらに開放して、キャビティクリアランスを最
    終成形体厚みに一致させる工程、および(e)キャビテ
    ィクリアランスを最終成形体厚みに保持しつつ成形体を
    冷却させる工程からなることを特徴とする繊維強化熱可
    塑性樹脂膨張成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】(a)工程において、供給する強化繊維含
    有溶融状熱可塑性樹脂量と同等のキャビティ容積になる
    ように両金型を保持した状態で該強化繊維含有溶融状熱
    可塑性樹脂をキャビティ内に射出充填する請求項1に記
    載の繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】(a)工程において、供給する強化繊維含
    有溶融状熱可塑性樹脂量よりも大きいキャビティ容積に
    なるように両金型を保持した状態で該強化繊維含有溶融
    状熱可塑性樹脂を金型間に供給し、次いで型締めして供
    給された強化繊維含有溶融状熱可塑性樹脂を金型キャビ
    ティ内に充填する請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹
    脂膨張成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】(b)工程の少なくとも一部と(c)工程
    を平行して行い、膨張させながら膨張体内部にガスを導
    入する工程を含む請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹
    脂膨張成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】(b)工程において、金型成形面に接する
    溶融樹脂の表面に空隙の殆どないスキン層が形成された
    のちに金型を開放する請求項1に記載の繊維強化熱可塑
    性樹脂膨張成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】(c)工程の少なくとも一部と(d)工程
    を平行して行い、膨張体内部にガスを導入しながらキャ
    ビティクリアランスを最終成形体厚みに一致させる工程
    を含む請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】(b)工程〜(d)工程を連続かつ同時的
    に行い、溶融樹脂がキャビティ内に充填されたのち、キ
    ャビティクリアランスが最終成形体の厚みになるまで金
    型の一部もしくは全部を開放しつつ、開放に伴って形成
    される膨張体内部にガスを連続的に導入する請求項1に
    記載の繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】(c)工程において導入するガスが空気ま
    たは不活性ガスである請求項1、4、6または7に記載
    の繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】導入するガス圧が1MPa以下である請求
    項8に記載の繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】(c)工程におけるガス導入に際し、ガ
    ス導入口付近の溶融樹脂が、溶融もしくは半溶融状態で
    ある請求項1、4、6または7に記載の繊維強化熱可塑
    性樹脂膨張成形体の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の方法により製造された
    繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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