JP4442002B2 - 熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、雌雄一対からなる金型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を溶融状態で供給、充填し、型面に沿って成形体の表面固化層(スキン層)が形成された後に金型を開き、キャビティ容積を増大させることによって、熱可塑性樹脂軽量成形体を製造することはよく知られている。
【0003】
例えば、特開平8−300391号公報には、雌雄一対からなる金型のキャビティ内に発泡性熱可塑性樹脂を溶融状態で充填し、表面に固化層を形成させたのち、キャビティ容積を増大させ、発泡性熱可塑性樹脂を発泡させてなる熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法が開示されている。
また、特開平10−296772号公報には、溶融状態の長繊維含有熱可塑性樹脂を射出により金型キャビティ内に供給、充填し、表面に固化層を形成させたのち、キャビティ容積を増大させ、熱可塑性樹脂中の長繊維の弾性回復力(スプリングバック)により長繊維含有熱可塑性樹脂を膨張させてなる熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法が開示されている。
さらには、特開平5−337994号公報には、溶融状態の熱可塑性樹脂を金型キャビティ内に充填し、表面に固化層を形成させたのち、金型成形面に設けた真空吸引口より固化層を成形面に吸着させつつキャビティ容積を拡大して内部に中空部を有する熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法が開示されている。
【0004】
しかし、これらの方法においては、成形体の表裏面については良好な形状を与えるが、成形体端面については、成形過程において形成された固化層が延びずに、拡大したキャビティが形成する端面の形状を転写しなかったり、あるいは固化層が破れたり金型面からずれたりして外観が悪くなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明者は、上記したような熱可塑性樹脂軽量成形体の製造において、端面においても金型キャビティ形状を奇麗に再現し、成形体の表裏面はもちろんのこと、端面においても外観の優れた熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法を開発すべく検討を行った結果、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、雌雄一対からなる金型間に基材部となる溶融状熱可塑性樹脂を供給し、該溶融状熱可塑性樹脂を金型キャビティ内に充填した後、金型の一部または全部を成形体の厚み方向に開き、キャビティクリアランスを最終成形体厚みに保持しつつ成形体を冷却させることからなる熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法において、溶融状の熱可塑性樹脂1を金型キャビティ内に供給、充填する工程(工程1)、金型の一部または全部を、成形体の最終厚みになるように成形体の厚み方向に開く工程(固定2)、キャビティクリアランスを成形体の最終厚みに保持しつつ成形体を冷却させる工程(工程3)、金型成形面と成形体間の空間に、溶融状熱可塑性樹脂2を供給、充填する工程(工程4)、溶融状の熱可塑性樹脂2を冷却し、熱可塑性樹脂1からなる成形体と一体化させる工程(工程5)
からなる熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法を提供するものである。
【0007】
また、前記方法における工程4が、下記工程6〜工程8からなる熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法を提供するものである。
工程6:雌雄両金型を完全に開放し、熱可塑性樹脂1からなる成形体を取り出す工程、
工程7:熱可塑性樹脂1からなる成形体を最終成形体のキャビティ形状を有する雌雄一対からなる第2の金型内に供給する工程、
工程8:第2の金型成形面と上記成形体間の空間に、溶融状の熱可塑性樹脂2を供給、充填する工程。
【0008】
さらには、これらの方法における工程2が、金型の一部または全部を、成形体の最終厚みより厚くなるように成形体の厚み方向に開き、溶融状熱可塑性樹脂1の未固化部分を膨張させた後、金型の一部または全部を成形体の最終厚みになるように型を締める工程である熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。
尚、以下の説明は本発明の一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。
【0010】
【実施例】
本発明の対象とする熱可塑性樹脂軽量成形体は、その成形過程において金型キャビティの拡大を伴って製造される基材部内に空隙を有する熱可塑性樹脂軽量成形体であって、該熱可塑性樹脂軽量成形体は基材部の形態により繊維強化熱可塑性樹膨張成形体、熱可塑性樹脂発泡成形体、熱可塑性樹脂中空成形体などに区別することができるが、これらは基材部の形態に相違はあっても、これらの製造方法それ自体は基本的に同一である。
【0011】
本発明の方法によって得られる熱可塑性樹脂軽量成形体の第1の形態である繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体は、図1にその断面を模式的に示すように、強化繊維を含有する熱可塑性樹脂1(12)からなる基材部と熱可塑性樹脂2(33)からなる端面処理部が一体的に接合された構造となっており、基材部は金型成形面を奇麗に転写した空隙を殆ど有しない表面固化層(スキン層)(1)と強化繊維のスプリングバックによって生じた空隙を有する膨張層(2)からなっている。(図1a、図1b)
また、必要に応じてスキン層(1)の表面に表皮材(16)がさらに積層されていてもよい。(図1c)
【0012】
膨張層(2)においては強化繊維同士が複雑に絡み合い、その接点付近で熱可塑性樹脂1により固定された梁構造となっていることが軽量性と強度を得るうえで重要であり、そのためには、成形体中の強化繊維の平均繊維長が1mm以上であることが好ましい。
【0013】
第2の形態である熱可塑性樹脂発泡成形体は、図2にその断面を模式的に示すように、成形時に発泡成分を含有していた熱可塑性樹脂1(12)からなる基材部と熱可塑性樹脂2(33)からなる端面処理部が一体的に接合された構造となっており、基材部は金型成形面を奇麗に転写した空隙を殆ど有しないスキン層(25)と成形過程の発泡により生じた空隙を有する発泡層(26)からなっている。(図2a)
また、必要に応じてスキン層(25)の表面に表皮材(16)がさらに積層されていてもよい。(図2b)
【0014】
第3の形態である熱可塑性樹脂中空成形体は、図3にその断面を模式的に示すように、熱可塑性樹脂1(12)からなる基材部と熱可塑性樹脂2(33)からなる端面処理部が一体的に接合された構造となっており、基材部は金型成形面を奇麗に転写した空隙を殆ど有しないスキン層(27)とその内部に存在する中空部(28)からなっている。(図3a)
また、必要に応じてスキン層(27)の表面に表皮材(16)がさらに積層されていてもよい。(図3b)
【0015】
以下、このような熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法について、図に基づいて具体的に説明する。
図7は本発明の製造方法で使用する金型の例を概略断面図で示したものである。この金型は雌型(6)および雄型(7)の雌雄一対からなり、両金型は通常そのいずれか一方がプレス装置に接続されて可動し、他方は固定されて縦方向または横方向に開閉可能となっている。(図では、雄型が固定され、雌型が可動して上下方向に開閉可能になっている。)
【0016】
雌雄いずれか一方もしくは両方の金型の成形面には、基材部を形成させる熱可塑性樹脂1を供給するための第1樹脂供給口(10)と端面処理のための熱可塑性樹脂2を供給するためのの第2樹脂供給口(30)が設けられている。(図では雄型の成形面に第1、第2両方の樹脂供給口設けられている。)
それぞれの樹脂供給口は、樹脂供給路(9、29)を介してそれぞれの樹脂供給装置(8、31)に接続されている。
尚、熱可塑性樹脂1および熱可塑性樹脂2が同一である場合には樹脂供給路および樹脂供給装置は共用してもよい。
樹脂供給口の数や設ける位置は、成形体の形状や使用する熱可塑性樹脂の種類などによって適宜選択されるが、第2樹脂供給口はキャビティの外周付近に設けられる。
また、それぞれの樹脂供給口近傍の樹脂供給路には、任意に制御可能な開閉弁を設け、射出機などの樹脂供給装置に貯えられた溶融樹脂の供給、停止が任意に制御できるようになっていてもよい。
【0017】
また、雌雄いずれか一方あるいは両方の金型の成形面には、工程2の金型の開放動作において、成形過程において形成されたスキン層をより確実に金型成形面に吸着させる目的で、その後のキャビティ内に開口する吸引口(11)が設けられていてもよく、かかる吸引は好ましい実施態様である。
吸引口(11)は、吸引路を介して図示しない真空ポンプのような吸引装置に接続されており、この吸引路には任意に吸引、停止を制御し得る開閉弁が設けられていてもよく、また、必要に応じて吸引力を調整するための制御機構が設けられていてもよい。
【0018】
かかる吸引口(11)は、金型の成形面に開口し、かつ溶融樹脂が入り込まないように非常に微細な孔が設けられていてもよいし、一般に割線と呼ばれる金型を構成する部材同士の合わせ目の隙間であってもよく、また金型が部分的あるいは略全体的に通気性を有するポーラス状金属で構成されていてもよい。
【0019】
吸引口(11)を有する成形面には、吸引によるスキン層の金型面への吸着をより効果的に行なうために、これらの吸引口の少なくとも1つを連続的に囲むように帯状に突起(24)または溝(24)を設けてもよい。
【0020】
突起を設ける場合、突起の断面形状は図4に例示するように正方形、長方形、台形、三角形、半円形、楕円形あるいはこれらを組み合わせた形状など特に限定されず、所望とする成形体の形状や使用する熱可塑性樹脂の種類、あるいは金型加工性などの面から適宜決定される。
突起の寸法も特に限定されず、成形体の大きさや形状、製品の板厚等によって適宜選択されるが、いずれの形状においても底辺の寸法としては0.5〜10mm程度が好ましく、その高さはスキン層の表面状態によって吸引漏れのないように選択される。
【0021】
突起を設ける位置は成形体の大きさや吸引口の位置、あるいは吸引を必要とする部分等によって適宜決定されるが、突起によって連続的に囲まれた成形面内には少なくとも1つの吸引口が存在するように突起を設ける必要がある。
成形体の略全表面を吸引したい場合には、図5aに示すようにできるだけ成形体の外周に沿った位置に突起を設け、また、成形体表面を部分的に吸引したい場合には、図5bに示すようにその領域のみをカバーするように突起を連続的に設ければよい。
尚、図5は金型を成形面側から見た平面図と、金型断面としてみた断面図の関係を対応させて示したものである。
【0022】
突起によって囲まれる領域は1つに限定されず、図5bのように複数であってもよいし、また、1つの領域の中に他の突起によって囲まれた領域が存在してもよく(図6左図)、また、突起によって囲まれた領域を突起によって複数に区切ることも可能であり(図6中央図)、この場合にはそれぞれの領域内に存在する吸引口からそれぞれの領域について真空吸引することができる。
逆に、部分的に吸引したくない領域がある場合には、突起で囲まれた広い領域の内側に他の突起で設けた領域を形成し、この内側領域には吸引口を設けないことで、部分的に吸引を行なわない領域を作ることができる。(図6右図)
上記した帯状の突起は1本に限られず、二重、三重と複数本設けることで、小さな突起でも十分にその効果を得ることができる。
尚、図6は金型を成形面側から見た平面図と、金型断面としてみた断面図の関係を対応させて示したものである。
以上、突起を例にとって説明したが、溝形状についても全く同様である。
【0023】
また、工程2の金型の開放動作において、大気を取り込みながら金型を開放することによって、未固化の溶融状熱可塑性樹脂内部を負圧とし、空隙をより形成させ易くするために、雌雄いずれか一方または両方の金型に、キャビティ内と大気とが連通する部分を設けてもよい。
この連通部は、金型成形面に開口した開口穴(18)であってもよいし、図18に示すような開口穴を有するピン状物(20)であってもよい。
あるいは図16、図17に示すようなスライド機構(14)を成形体外周部に設けていてもよい。
【0024】
開口穴(18)を金型成形面に設ける場合、該開口穴は金型に設けた大気路(19)を介して大気中に開放されている。
この開口穴には、任意に開放、閉鎖を制御しうる開閉弁(17)が設けられていてもよく、また、必要に応じてその開口面積を調整するための制御機構が設けられていてもよい。(図7には開閉弁を有する開口穴を設けた例を示している)
【0025】
開口穴を有するピン状物(20)を用いる場合も、その開口穴は大気路を通じて大気中に開放されており、ピン状物自体はエアーシリンダー等の駆動装置(21)により金型成形面に対して進退可能となっている。
【0026】
以下、このような金型を用いた具体的な製造法について説明する。
本発明は、前記したような大略三つの態様の熱可塑性樹脂軽量成形体を製造するものであり、目的とする成形体によって原料の熱可塑性樹脂の構成などに相違はあっても、方法それ自体は基本的には全て同じである。
【0027】
第1の態様である繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造においては、原料として強化繊維含有の熱可塑性樹脂1が使用されるが、この場合には、得られた成形体中の強化繊維の平均繊維長が1mm以上に保持されるように、強化繊維を含む溶融状の熱可塑性樹脂1を金型キャビティ内に供給することが重要である。
ここで、平均繊維長は一般的な指標である重量平均繊維長が用いられる。
【0028】
成形体中の強化繊維の平均繊維長が1mm以上に保持されるように強化繊維含有の溶融状熱可塑性樹脂1を金型キャビティ内に供給する方法としては、平均繊維長が3mm以上の強化繊維と粒状やペレット状の熱可塑性樹脂を、例えばインライン式のスクリューを持った射出機内で溶融混練してなる溶融樹脂をキャビティ内に供給する方法や、予め形成された平均繊維長が3mm以上の強化繊維を含む熱可塑性樹脂材料、例えば長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを溶融混練してなる溶融樹脂をキャビティ内に供給する方法などが挙げられる。
【0029】
後者の場合において、長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットとしては、例えば溶融した熱可塑性樹脂をガラスロービングに含浸させ、冷却、固化させたものを適当な長さ例えば3〜25mm程度に切断してなるペレットが好適に用いられる。
このような長繊維熱可塑性樹脂ペレットはそれ単独で用いてもよいし、強化繊維含有量調整のために、該ペレットのマトリックス樹脂からなる熱可塑性樹脂と混合して用いてもよく、場合によっては他の熱可塑性樹脂と混合してもよい。
【0030】
ここで、強化繊維としてはガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維などの従来より強化繊維として知られている各種の強化繊維が適用されるが、ガラス繊維が最も一般的なものとして多く使用される。
【0031】
熱可塑性樹脂としては、押出し成形、射出成形、プレス成形などに用いられている熱可塑性樹脂であればいずれも使用可能であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの一般的な熱可塑性樹脂、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体などの熱可塑性エラストマー、これらの混合物、あるいはこれらを用いたポリマーアロイ等があげられ、本発明でいう熱可塑性樹脂とはこれらを全て包含するものである。このような熱可塑性樹脂は、必要に応じてタルク等の充填剤を含んでいてもよく、もちろん、通常使用される各種添加剤、たとえば顔料、滑剤、帯電防止剤、安定剤などが適宜配合されていてもよい。
【0032】
尚、前記強化繊維はマトリックスである熱可塑性樹脂1との密着性に優れる程、マトリックス樹脂を介しての繊維同士の結合も強固になり、得られた成形体の強度も向上するため、例えばマトリックス樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、強化繊維がガラス繊維である組み合わせの場合には、ガラス繊維に表面処理を行なったり、熱可塑性樹脂に変性剤を配合してその密着性を向上させることは有効である。
【0033】
原料である強化繊維含有の熱可塑性樹脂において、強化繊維の含有量は、目的とする膨張成形体の膨張度、所望の性質等によって変わるが、一般には10〜80重量%の範囲である。
【0034】
かかる強化繊維含有熱可塑性樹脂膨張成形体の製造において、前記した雌雄両金型間に、基材となる強化繊維含有の溶融状の熱可塑性樹脂1を供給、充填する(工程1)。
供給する溶融樹脂の温度は使用する熱可塑性樹脂の種類や成形条件、表皮材を貼合する場合には表皮材の種類などによっても変わり、適宜最適の温度が設定されるが、例えばポリプロピレン系樹脂をマトリックスとするガラス繊維強化熱可塑性樹脂を用いる場合には、170〜300℃、好ましくは200〜280℃である。
【0035】
強化繊維含有の溶融状の熱可塑性樹脂1(12)の金型キャビティ内への充填は射出充填法であってもよいし、両金型の型締め動作による方法であってもよく、所望とする製品形態により適宜選択される。
【0036】
射出充填による方法としては、膨張前の成形体厚みより小さいキャビティクリアランスになるように両金型を位置させた状態で、強化繊維含有の溶融状熱可塑性樹脂1の供給を開始し(図8)、溶融樹脂の供給を行ないつつ金型を開き、溶融樹脂の供給が完了すると同時にキャビティクリアランスが膨張前の成形体厚みと一致するようにキャビティ内に充填する(図9)方法や、膨張前の成形体厚みと同じキャビティクリアランスになるように両金型を位置させた状態で溶融樹脂を供給してキャビティ内に供給、充填する方法が例示される。
【0037】
前者のキャビティクリアランスが膨張前の成形体厚みより小さくなるように両金型を位置させた状態で、溶融樹脂の供給を開始する場合において、供給開始時のキャビティクリアランスはそのときのキャビティ容積が所要量の溶融樹脂の膨張前の容積に対して通常5容量%以上、100容量%未満、望ましくは30容量%以上、70容量%以下となる範囲である。
【0038】
このような状態で溶融樹脂の供給を開始すると、溶融樹脂の供給が進むにつれて可動型の金型が後退してキャビティクリアランスが拡大され、所要量の溶融樹脂の供給が完了した時点で、供給した溶融樹脂の容積とキャビティ容積が略等しくなり、キャビティ内に溶融樹脂が充填される。
【0039】
このとき、キャビティクリアランスの拡大は、金型に取り付けたプレス装置などによって機械的に金型を後退させて制御してもよいし、供給する溶融樹脂の供給圧力を利用して拡大してもよいが、この際に樹脂にかかる圧力が1〜50MPa程度となるように制御することが望ましい。
また、キャビティクリアランスの拡大過程では、キャビティ容積が供給された溶融樹脂の容量よりも大きくならないように注意する必要があるが、瞬間的ないしは極めて短時間であれば、金型キャビティ容積が供給された溶融樹脂の容積より大きくなっても特に問題とはならない。
【0040】
後者の膨張前の成形体厚みと同じキャビティクリアランスになるように両金型を位置させた状態で溶融樹脂を供給して金型キャビティ内に溶融樹脂を充填する方法では、通常の射出成形法におけると同様に、溶融樹脂の供給開始から供給完了まで金型のキャビティクリアランスを膨張前の成形体厚みと同じになるように保持しておけばよい。
【0041】
両金型の型締め動作により溶融樹脂をキャビティ内に充填する場合には、キャビティクリアランスが膨張前の成形体厚み以上になるように両金型が開放された金型キャビティ内に所要量の溶融樹脂を供給し(図14)、供給完了後または供給完了と同時にキャビティクリアランスが膨張前の成形体厚みと同じになるように型締めして充填する(図15)方法があげられるが、この方法においては、溶融樹脂の供給中に型締めを開始し、溶融樹脂の供給と型締めを平行して行ないつつ溶融樹脂の供給完了と同時または供給完了後にキャビティクリアランスが膨張前の成形体厚みと同じになるようにしてもよい。
(尚、図4、図15は表皮材を貼合する場合の例を示しているが、表皮材を貼合しない場合も金型動作は同様である)
【0042】
このような方法のうち、射出充填による場合には、溶融樹脂の供給時におけるキャビティクリアランスを狭くするほど表面外観の優れた成形体を得ることができるが、狭すぎると溶融樹脂中の強化繊維の破損が大きくなる傾向にあるため、そのキャビティクリアランスは成形体の厚みや大きさ、形状などによって適宜決定される。
一方、両金型の型締めにより充填する方法では、供給される溶融樹脂にかかる圧力が低くなるため、溶融樹脂中の強化繊維の破損を最小限に抑えることができ、膨張性の低下や強度低下を防止することができる。
このようなことから、一般には膨張成形体の外観を重視する場合には射出充填による方法が、膨張性や強度を重視する場合には型締めにより充填する方法が有利である。
【0043】
このような方法により溶融樹脂が充填された金型キャビティは、殆ど空隙が存在しないか、場合によって極僅かの空隙を有する程度の状態となっている。(図10)
この状態で金型成形面に接している溶融樹脂表面にスキン層(1)を形成せしめるが、一般に金型温度は溶融樹脂よりも低い温度に設定されているため、適宜の冷却時間を設けることにより、溶融樹脂は金型成形面に接した表面部分より固化しはじめ、やがて空隙が殆どないスキン層が形成される。
【0044】
このときの冷却時間はスキン層の形成に大きく影響し、冷却時間が長くなるほどスキン層が形成され易く、またスキン層が厚くなる。
スキン層が厚くなり過ぎるとその後の金型開放に伴う膨張倍率が低下し、また、薄すぎると強度が低くなる傾向にあり、スキン層をどの程度の厚みにするかは所望とする膨張成形体の膨張倍率や強度により適宜決定されるが、一般的にはスキン層の両面(表裏)合計の厚みが成形体厚みの5〜30%になる程度であり、その時間、すなわち溶融樹脂をキャビティ内に充填してから次工程の金型を開くまでの冷却時間は、金型温度や供給された溶融樹脂の温度、樹脂の種類などの諸条件によっても異なるが、通常0.1〜20秒程度である。
【0045】
スキン層が形成される過程あるいはスキン層が形成された後、金型キャビティを成形体の最終厚みになるように成形体の厚み方向に開く(工程2)と、供給した溶融樹脂中の未固化状態にある部分が膨張し、空隙を有する膨張層(3)が形成される。(図11)
【0046】
このとき、成形体の金型転写性を良好にし、また膨張性を高めるためには、スキン層を金型成形面に密着させた状態で金型を開放することが好ましい。
そのため、少なくとも意匠面となる金型成形面に設けた吸引口(11)から真空吸引して、スキン層を金型成形面に密着させながら金型を開放することは有効な方法である。
【0047】
かかるスキン層の金型成形面への吸引、密着において、密着させたい範囲をカバーするように前記した突起または溝(24)を金型成形面に設けておくことで、スキン層と金型成形面間との吸引漏れを防止することができ、より確実に、強固にスキン層を金型成形面に密着させることができる。、
【0048】
また、スキン層が形成される過程あるいはスキン層が形成された後、金型キャビティを成形体の厚み方向に開放する過程において、キャビティ内を大気と連通状態とし、溶融樹脂中の未固化状態にある部分に大気を導入しながら金型を開放することでより高倍率の膨張成形体を得ることが可能となり、とりわけ、前記した吸引口よりスキン層を真空吸引する手段と組み合わせて、スキン層を真空吸引して金型成形面に密着させつつ、溶融樹脂中の未固化状態にある部分に大気を導入しながら金型を開放する方法は極めて有効である。
【0049】
ここで、溶融樹脂中の未固化状態にある部分に大気を導入しながら金型を開放する方法として、前記した金型成形面に設けた大気と連通する開口穴(18)を介してキャビティ内と大気を連通する方法による場合には、キャビティ内に溶融樹脂が充填されるまでは開口穴(18)を閉鎖状態にしておき、スキン層が形成された後に開口穴を開放するか、あるいは金型を成形体の厚み方向に開放し始めると同時に開口穴開閉弁を作動させて開口穴を開放すればよい。
【0050】
また、金型のキャビティ外周でキャビティ内と大気を連通状態にする場合には、スキン層が形成された後、あるいは金型を成形体の厚み方向に開放し始めると同時にキャビティ外周に設けたスライドコア(14)を移動させることで、キャビティ内と大気が連通状態になる。(図16、図17)
【0051】
これらの方法において、成形体表面にスキン層が形成された状態のままでは成形体内に大気を導入することが困難であるので、大気との連通部付近のスキン層を破壊するか、この付近にスキン層が形成されないように、スキン層非形成部(23)を形成させる必要がある。
【0052】
そのため、例えば、前者の方法による場合には、内部が未固化状態にある時に、大気を導入したい個所、すなわち開口穴部に相当する部所のスキン層を金型成形面と非接触状態にして、未固化状態の溶融樹脂の熱によりスキン層を軟化させ、該軟化個所から大気を導入させることができる。
また、後者の方法による場合には、スキン層を形成させたくない部分の成形面を、熱伝導率の低い材料にしたり、周辺の金型成形面よりも成形面温度を部分的に高く保持したり、場合によっては使用する熱可塑性樹脂の融点付近またはそれ以上の温度に保つなどの方法を採用することができ、前記のキャビティ外周にスライドコア(14)を設ける場合には、該スライドコアの材料として金型よりも熱伝道率の低い材料を用い、冷却されている金型成形面の温度の影響を小さくして固化し難くしたり、積極的に温度が高くなるようにしてもよい。
【0053】
開口穴を有するピン状物(20)を用いる場合には、キャビティ内に溶融樹脂が充填されるまでは金型内にピン状物を後退させておき、充填された後、あるいはスキン層が薄く形成された後に、ピン状物を前進させて成形体内に突き刺すことによって、成形体内に大気を導入させることができる。(図18)
【0054】
これらのいずれの方法においても、使用する熱可塑性樹脂の種類や強化繊維の種類、あるいは強化繊維の充填率などによっては、形成されたスキン層が破壊されにくく、大気が導入しにくくなることがある。
このような場合には、原料の強化繊維を含む熱可塑性樹脂1中に予め発泡剤を僅かに混合しておくと、発泡剤の分解により発生したガスが成形体外へ吹き出ようとする圧力によりスキン層が破壊され易くなる。
また、金型成形面に設けた流体注入口や樹脂供給口を介して、流体を成形体内に注入し、スキン層の破壊を補助することも可能である。この場合、流体注入口は大気導入用の開口穴を利用してもよい。
ここで、流体としては揮発性の液体や、空気、窒素、炭酸ガスなどの気体が挙げられるが、気体、特に圧縮空気などの圧縮ガスが好ましい。
【0055】
成形体内へ大気を取り込みながら金型を開放することにより、成形体内部が負圧になって強化繊維の復元力が阻止されるのを防止し、高倍率に膨張した成形体を得ることができる。
【0056】
金型の開放動作においては、金型に取り付けられているプレス装置や、あるいは金型自体に設けた油圧シリンダーなどの型開き装置により型開き速度、開放量などを制御することが望ましい。
【0057】
金型のキャビティクリアランスが最終膨張成形体厚みになると金型の開放動作を停止し、この状態を維持しつつ成形体を冷却する(工程3)。(図11)
【0058】
尚、上記の工程2の膨張動作において、溶融状の熱可塑性樹脂1をキャビティ内に充填した後、金型のキャビティクリアランスを最終成形体厚みよりも大きくなるように開放して膨張させた後、供給した溶融樹脂が完全に固化することなく、少なくとも厚み方向に対して中央部が未だ溶融状態にある間に最終成形体厚みまで型締め、圧縮し、この状態を維持しつつ成形体を冷却してもよい。
この場合には、供給した溶融樹脂と金型成形面との密着性をより良くすることができ、金型形状をより忠実に再現することができる。
【0059】
係る方法により、繊維強化膨張成形体を得ることができるが、キャビティ内の成形体端面付近で、成形体表面と金型成形面との間に空間(32)が生じる場合がある。
これは、成形体の端面付近が金型の成形面から離れていたり、図16、図17に示すように成形体端面に奇麗なスキン層が形成されていないことによるものである。
【0060】
そのため、次の工程として、上記工程3の成形体の冷却が完了すると、金型成形面と成形体間の空間に、溶融状態にある熱可塑性樹脂2(33)を供給、充填する(工程4)。(図12)
このとき、熱可塑性樹脂2はキャビティクリアランスが最終成形体厚みに保持されたキャビティ内に供給、充填してもよいし、キャビティクリアランスが最終成形体厚みよりも僅かに大きくなる程度に金型を開放した状態で供給してもよい。後者の方法による場合には、溶融状熱可塑性樹脂2の供給中または供給完了後にキャビティクリアランスが最終成形体厚みになるまで型締めを行い、空間内に熱可塑性樹脂2を充填する必要がある。
【0061】
尚、上記の空間(32)は主としてキャビティ内の成形体端面付近に生じるため、熱可塑性樹脂2の供給もキャビティの外周付近に供給する必要があり、そのために、熱可塑性樹脂2を供給するための樹脂供給口(30)も金型キャビティの外周付近に設けられている。
【0062】
ここで用いる熱可塑性樹脂2は、前記した熱可塑性樹脂1と同様の樹脂が例示され、基材部となる熱可塑性樹脂1と同一であってもよいし異なっていてもよく、もちろん、先に供給したと同一の強化繊維含有の熱可塑性樹脂であってもよいし、そのときのマトリックス樹脂のみを供給してもよい。
また、熱可塑性樹脂1からなる基材部とは異なる性能を付与する目的で、色や硬さの異なる熱可塑性樹脂を用いたり、クッション性を付与するために熱可塑性エラストマーを用いてもよい。
強化繊維含有の熱可塑性樹脂を供給する場合でも、熱可塑性樹脂2中に含まれる強化繊維の平均繊維長は特に問題とならない。
しかし、いずれの熱可塑性樹脂を使用する場合においても、先に供給した強化繊維含有熱可塑性樹脂と相互に熱融着する熱可塑性樹脂であることが望まれる。
【0063】
熱可塑性樹脂2(33)の供給により、空間(32)を該樹脂により完全に充填した後、成形体を冷却し、先に形成されている熱可塑性樹脂1からなる成形体と一体化させた(工程5)後、金型を開放して最終成形体である繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体を取り出す。(図13)
かくして、成形体端面においてもキャビティ形状を奇麗に再現し、外観の良好な繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体を得ることができる。
【0064】
以上述べた方法において、金型の一部が部分的に移動できるような金型構造とすることによって、部分的に膨張部を有する繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体を製造することができる。
【0065】
また、このような繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造において、その表面の一部または全部に表皮材(16)が貼合された表皮材一体の膨張成形体を所望の場合は、前記した方法において金型成形面の一部または全部を覆うように予め表皮材を金型間に供給し、前記方法に従って表皮材と金型成形面との間に強化繊維含有の溶融状熱可塑性樹脂1を供給し、金型キャビティに充填した後、前記方法と同様にして金型の開放、冷却、溶融状熱可塑性樹脂2の供給、充填、冷却を行なえばよい。
このとき、用いる表皮材によっては、未閉鎖の金型間に強化繊維含有の溶融状熱可塑性樹脂2を供給し、型締めによりキャビティ内に充填する方法が好ましい場合がある。(図14〜図15)
【0066】
かかる方法において用いられる表皮材としては、各種熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマー製シートやフィルム、熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマー製発泡シート、不織布、ファブリックなどの一般的なもの、あるいはこれらを組み合わせたものが使用される。
尚、表皮材を貼合する場合に、表皮材を貼り合せた面は溶融樹脂表面にスキン層が形成されにくいことがあるが、このような場合には非通気性の表皮材を用い、溶融樹脂と密着した表皮材をスキン層とみなして金型成形面に吸着させることも可能である。
【0067】
以上述べた方法において、基材部を構成する熱可塑性樹脂1として、平均繊維長が1mm以上の強化繊維を含まない熱可塑性樹脂を使用することにより、上記方法と全く同様にして、第3の形態である基材部が中空状態である熱可塑性樹脂中空成形体を得ることができる。(図23〜図25)
【0068】
この方法で用いられる熱可塑性樹脂1としては、先に例示した各種の熱可塑性樹脂が使用でき、これら熱可塑性樹脂は顔料や各種充填材を含んでいてもよく、強化繊維を含む場合には、含まれる強化繊維の平均繊維長が1mm未満、特に0.5mm以下であることが好ましい。
【0069】
かかる中空成形体の製造にあたっては、開口穴(18)を成形面に設けた金型やピン状物(20)を設けた金型を使用する態様が望ましく、とりわけ、工程2の金型の開放動作に際して、これらの開口部より前記した流体、特に圧縮ガスを熱可塑性樹脂1中に注入する方法が望ましい。
【0070】
次に第2の態様である熱可塑性樹脂発泡成形体の製造法について述べるが、この製造法についても、熱可塑性樹脂1として発泡剤を含む熱可塑性樹脂を使用すること以外は前記した方法と基本的に全く同様である。
但し、この場合には図19に示すような大気との連通部を有しない金型を使用する必要がある。
【0071】
この方法で使用される熱可塑性樹脂1も先に例示した熱可塑性樹脂と同様であり、目的に応じて各種充填材や強化繊維を含んでいてもよいが、強化繊維を含む場合において、膨張成形体と区別して発泡成形体と認識するためには強化繊維の平均繊維長が1mm未満、特に0.5mm以下であることが好ましい。
【0072】
このような熱可塑性樹脂1は、有機系あるいは無機系の従来より公知の発泡剤とともにインライン式の射出機等による公知の手法により溶融混練し、金型キャビティに供給される。
このときの発泡剤の使用量は、所望とする発泡成形体の発泡倍率、使用する樹脂の種類、配合される充填剤の種類や添加量などによっても変わるが、一般的には熱可塑性樹脂1に対して0.01〜5重量%の範囲である。
また、金型キャビティに供給する熱可塑性樹脂1(12)の温度は、使用する熱可塑性樹脂の種類や成形条件、発泡剤の種類などによっても変わり、適宜最適温度が設定されるが、例えばポリプロピレン系樹脂に無機系の発泡剤を混合した材料を使用する場合には、通常170〜250℃、好ましくは200〜230℃程度である。
【0073】
このような発泡剤含有の溶融状熱可塑性樹脂1を前記した方法と同様に、金型キャビティ内に供給、充填し(図19)、スキン層(25)が形成された後、金型を成形体の厚み方向に開放すると、未固化の溶融樹脂中に閉じ込められていた分解ガスが発泡し、発泡層を形成する。(図20)
【0074】
その後、先に述べた方法と全く同様にして、発泡成形体の冷却、溶融状熱可塑性樹脂2の供給、充填を行い(図21)、その後冷却して、金型を完全に開放して最終成形体である熱可塑性樹脂発泡成形体を金型より取り出す。(図22)
【0075】
このように、第1の態様である繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造と基本的に全く同様の方法により、第2、第3の態様である熱可塑性樹脂発泡成形体や熱可塑性樹脂中空成形体を容易に製造することができ、もちろん、先に述べたと同様にして、熱可塑性樹脂発泡成形体や熱可塑性樹脂中空成形体の製造時においても、基材部を部分的に中空部や発泡部にしたりすることもでき、また、成形体表面に部分的あるいは全面的に表皮材を貼合することもできる。
【0076】
以上述べた方法は、熱可塑性樹脂1から膨張部、中空部あるいは発泡部などの基材部を形成させた後、引き続いて熱可塑性樹脂2を供給することにより、目的とする熱可塑性樹脂軽量成形体を得る方法について説明したが、図26に示すように、基材部を成形する工程と端面処理を行なう工程とを別々に行なうこともできる。
【0077】
例えば、前述の方法の工程4に代えて、形成された熱可塑性樹脂1からなる軽量成形体(膨張成形体、中空成形体あるいは発泡成形体)を金型から取り出し(工程6)、これを熱可塑性樹脂2供給口(30)を備えた端面処理用の雌雄一対からなる金型(34、35)内にセットし(工程7)、型締めしたキャビティ内の軽量成形体と金型成形面間との空間に、前記したと同様の方法で熱可塑性樹脂2(33)を供給、充填し(工程8)、冷却して熱可塑性樹脂1よりなる成形体と一体化させることにより、容易に端面処理された熱可塑性樹脂軽量成形体を得ることができる。
この方法による場合、端面未処理の軽量成形体を得る金型と、端面処理のための金型を別々に用いることで、基材部成形工程と端面処理工程を平行して行なうことができ、製造のサイクル短縮が可能となる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、高い発泡または膨張倍率、あるいは高い中空率で軽量性、強度および表面外観に優れた熱可塑性樹脂軽量成形体を容易に製造することができ、かくして得られた熱可塑性樹脂軽量成形体は軽量、高強度の成形体として各種の内装部材、構造部材などとして各種用途に幅広く使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により得られる繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の断面概略図であって、aおよびbは表面に表皮材がない場合を、cは表皮材が貼合されている場合を示す。
【図2】本発明の方法により得られる熱可塑性樹脂発泡成形体の断面概略図であって、aは表面に表皮材がない場合を、bは表皮材が貼合されている場合を示す。
【図3】本発明の方法により得られる熱可塑性樹脂中空成形体の断面概略図であって、aは表面に表皮材がない場合を、bは表皮材が貼合されている場合を示す。
【図4】本発明の方法において使用する金型の成形面に設けられる突起の形状を示す断面図である。
【図5】本発明の方法において使用する金型において、突起を設けた成形面を平面図で、その金型の断面を断面図として示したものである。
【図6】本発明の方法において使用する金型において、突起を設けた成形面を平面図で、その金型の断面を断面図として示したものである。
【図7】本発明の方法で使用される金型例をその概略断面図で示したものである。
【図8】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図9】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図10】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図11】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図12】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図13】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図14】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図15】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図16】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図17】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図18】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図19】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図20】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図21】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図22】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図23】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図24】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図25】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【図26】本発明の方法における製造工程を金型の概略断面図で示したものである。
【符号の説明】
1:スキン層
2:膨張層
6:雌型
7:雄型
8:熱可塑性樹脂1の樹枝供給装置
9:熱可塑性樹脂1の樹脂供給路
10:熱可塑性樹脂1の樹脂供給口
11:吸引口
12:熱可塑性樹脂1
14:スライドコア
16:表皮材
17:開口穴開閉弁
18:開口穴
19:大気路
20:ピン状物
21:駆動装置
23:スキン層非形成部
24:突起または溝
25:スキン層
26:発泡層
27:スキン層
28:中空部
29:熱可塑性樹脂2の樹脂供給路
30:熱可塑性樹脂2の樹脂供給口
31:熱可塑性樹脂2の樹脂供給装置
32:空間
33:熱可塑性樹脂2
34:端面処理用金型
35:端面処理用金型

Claims (8)

  1. 雌雄一対からなる金型間に基材部となる溶融状熱可塑性樹脂を供給し、金型キャビティ内に充填した後、金型の一部または全部を成形体の厚み方向に開き、キャビティクリアランスを最終成形体厚みに保持しつつ成形体を冷却させることからなる熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法において、工程1:溶融状の熱可塑性樹脂1を金型キャビティ内に供給、充填する工程、工程2:金型の一部または全部を、成形体の最終厚みになるように成形体の厚み方向に開く工程、工程3:キャビティクリアランスを成形体の最終厚みに保持しつつ成形体を冷却させる工程、工程4:金型成形面と成形体間の空間に、溶融状熱可塑性樹脂2を供給、充填する工程、工程5:溶融状の熱可塑性樹脂2を冷却し、熱可塑性樹脂1からなる成形体と一体化させる工程からなることを特徴とする熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法。
  2. 工程4が、下記工程6〜工程8からなる請求項1記載の熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法。
    工程6:雌雄両金型を完全に開放し、熱可塑性樹脂1からなる成形体を取り出す工程、
    工程7:熱可塑性樹脂1からなる成形体を最終成形体のキャビティ形状を有する雌雄一対からなる第2の金型内に供給する工程、
    工程8:第2の金型成形面と上記成形体間の空間に、溶融状の熱可塑性樹脂2を供給、充填する工程。
  3. 工程2が、金型の一部または全部を、成形体の最終厚みより厚くなるように成形体の厚み方向に開き、熱可塑性樹脂1の未固化部分を膨張させた後、金型の一部または全部を成形体の最終厚みになるように型を締める工程である請求項1または2記載の熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法。
  4. 工程2において、雌雄いずれか一方または両方の金型の金型面より真空吸引しつつ金型の一部または全部を成形体の厚み方向に開く請求項1、2または3記載の熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法。
  5. 工程2において、溶融状の熱可塑性樹脂1内に流体を注入する請求項1、2、3または4記載の熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂1が熱可塑性樹脂に対して0.01〜5重量%の発泡剤を含有する熱可塑性樹脂である請求項1、2または3記載の熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法。
  7. 熱可塑性樹脂1が平均繊維長が1mm以上の強化繊維を含有する熱可塑性樹脂である請求項1、2または3記載の熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法。
  8. 溶融状の熱可塑性樹脂1の供給前に、予め表皮材を雌雄両金型間に供給する請求項1、2または3記載の熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法。
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