JP2000289073A - ガス加圧射出圧縮成形方法 - Google Patents

ガス加圧射出圧縮成形方法

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JP2000289073A
JP2000289073A JP11103457A JP10345799A JP2000289073A JP 2000289073 A JP2000289073 A JP 2000289073A JP 11103457 A JP11103457 A JP 11103457A JP 10345799 A JP10345799 A JP 10345799A JP 2000289073 A JP2000289073 A JP 2000289073A
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JP
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mold
resin
molten resin
gas
compression molding
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Kazuharu Yasuda
和治 安田
Yuji Tanaka
裕二 田中
Masato Kuramitsu
匡人 倉光
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0025Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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    • B29C45/174Applying a pressurised fluid to the outer surface of the injected material inside the mould cavity, e.g. for preventing shrinkage marks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出圧縮成形方法において、ヒケ防止を完全
なものとする。 【解決手段】 厚肉部を有する成形品の射出圧縮成形方
法において、金型のキャビティ内4に溶融樹脂を完全に
射出充填し、次いで型閉じ圧縮し、加圧ガスを成形品裏
面側4bから成形品裏面とこれに対応するキャビティ面
との間に加圧ガスを圧入して成形品表面をこれに対応す
るキャビティ面4aに押圧して成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出圧縮成形方法
に関するもので、更に詳しくは、キャビティ内に射出し
た樹脂とキャビティ面との間への加圧ガスの圧入を伴う
ガス加圧射出圧縮成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形において、比較的厚肉
の成形品や部分的な厚肉部を有する成形品を成形する場
合、冷却に伴う樹脂の収縮によって、成形品の表面にひ
けと呼ばれる窪みを生じることが広く知られている。従
来、最も一般的な上記ひけ防止策としては、射出圧力を
高めると共に射出時間を延長し、溶融樹脂の供給圧を加
えながらキャビティ内の樹脂をある程度冷却する方法
(樹脂加圧法)が知られている。
【0003】しかしながら、上記の樹脂加圧法によるひ
け防止は、成形品の肉厚等によって成形条件が異なるの
で成形、作業が煩雑になると共に、高い樹脂圧を加えな
ければ十分なひけ防止を図れないので、パーティング面
にバリを発生させる原因となり、このバリ除去の作業負
担が増大する問題がある。また過度の樹脂圧を加える
と、成形品にソリが発生するといった寸法精度上の問題
もでてくる。さらに、樹脂加圧法では、ゲート付近の厚
肉部には圧力伝達が容易であるが、ゲート部から離れた
厚肉部には十分に圧力がかからず、厚肉部の位置によっ
ては完全にひけを解消することができないといったこと
が起こる。
【0004】そこで特開昭50−75247号公報で
は、キャビティ内に溶融樹脂を射出した後、成形品の片
面側を弁体で突き上げて、成形品の片面側と、この片面
側を成形するコアとの間に空所を形成し、この空所に加
圧ガスを圧入して、成形品の他面をこれに対応するキャ
ビティ面に圧接させるガス併用射出成形方法を提案して
いる。
【0005】このガス併用射出成形方法は、樹脂加圧法
における樹脂圧を加えない代わりに加圧ガスの圧入を行
い、加圧ガスの圧入によってひけの発生防止を図ってい
るものである。特に、加圧ガスを成形品の所定の片面側
に圧入できるようにするため、加圧ガスの圧入の先立っ
て空所を形成する必要上、このガス併用射出成形方法に
おけるキャビティへの溶融樹脂の射出は、せいぜいキャ
ビティ内を丁度満たす程度の量であり、このガス併用射
出成形方法では、金型転写性が十分ではなく、ひけ防止
も不十分である。
【0006】また、特開平10−156861では、厚
肉部を有する成形品のガス併用射出成形において、キャ
ビティ内の空気を大気開放経路から抜きながら溶融樹脂
を金型内に充填し、その後加圧ガスを溶融樹脂と金型と
の間に圧入する方法が開示されているが、この方法では
溶融樹脂の充填時には金型は閉鎖している。そのためキ
ャビティ内の空気を金型内にスムーズに排出するための
大気開放経路を金型に設ける手間がかかった。
【0007】一方、射出成形において金型を完全に閉鎖
しない状態で溶融樹脂の充填を開始し、金型を十分に満
たさない量の樹脂の充填後、金型を閉鎖することによ
り、金型内の溶融樹脂をキャビティ隅々まで展延して成
形する射出圧縮成形と一般に称される公知技術がある。
この方法では、金型が完全に閉鎖しない状態で樹脂が一
端停止するため成形品の外観にフローマークが残った
り、転写不良が発生したりする問題があった。更に、金
型を完全に閉鎖しない状態で溶融樹脂の射出を開始し、
溶融樹脂の流動中に金型の閉鎖を開始して金型内の溶融
樹脂をキャビティ隅々まで展延しようとした方法もある
が、これでも転写不良が起こりやすかったり、成形の動
作制御が高度であるなどの問題が発生していた。また、
特開平7−314484では、上記の射出圧縮成形に加
圧ガスの注入を併用したものであり、金型寸開状態時の
溶融樹脂の射出量は金型キャビティ容積に比して少量で
あり、型閉じ圧縮にて溶融樹脂を展延して型内に溶融樹
脂を隅々に充填する方法である。この方法の場合、型寸
開状態における溶融樹脂の充填時に一端溶融樹脂が停止
したり、金型を完全に閉鎖する前後金型内を流動する樹
脂の速度が変わったりする結果として成形品にフローマ
ークが残ったり、溶融樹脂の初期充填時における圧力が
低いために成形品への金型表面形状の転写が十分ではな
いといった問題がある。
【0008】更に、特開平10−138304では、射
出圧縮成形において、型閉じ圧縮し溶融樹脂を展延して
厚肉リブを有する成形品を成形する方法が開示させてい
るが、この方法も型寸開状態での溶融樹脂の射出量は金
型キャビティ容積に比して少量であり、場合によって
は、十分な金型転写が成形品に得られないといった事が
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
OA機器や家庭電気器具の筐体、更には自動車部品等の
大型の成形品の需要が高まると共に、製品のコストダウ
ンのための成形品の薄肉化の要望も高まっている。薄肉
で大型の成形品の場合、強度維持のために、一般にリブ
やボスと称する補強部を設けるのが普通である。リブや
ボスは、肉厚ほど補強効果が高く、更に樹脂を金型内に
容易に充填できる流動支援効果も得られる。
【0010】しかしながら、厚肉のリブやボスを設ける
と、リブやボスに対応する成形品の表面(意匠面)がひ
け、外観上の問題が発生しやすい。すなわち、近年需要
が高まっている薄肉で大型の成形品は、必要な強度維持
のため厚肉のリブやボスを備えたものとなるが、このよ
うな厚肉のリブやボスを設けた場合のひけ防止技術がい
ずれも不十分で、満足できる成形品が得にくいのが現状
である。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、ガス加圧射出圧縮成形方法によるひ
け防止を完全なものとすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、厚肉部を有する成形品の射出圧縮成形に
おいて、金型が完全に閉鎖していない状態でキャビティ
内に溶融樹脂を完全に射出充填し、次いで型閉じ圧縮
し、加圧ガスで該溶融樹脂を押圧する事を特徴とするガ
ス加圧射出圧縮成形方法を提供するものである。
【0013】本発明において、金型が完全に閉鎖してい
ない状態とは、金型内に溶融樹脂を射出充填したときに
金型内の空気がスムーズに金型外に排出されるクリアラ
ンスが金型合わせ面に存在する量以上のものである。更
に具体的には、作成される成形品の厚みにもよるが、好
ましくは型開量が0.05mm以上で成形品の肉厚の1
/2以下、更に好ましくは型開量が0.1mm以上で成
形品の肉厚の1/4以下である。また金型内への樹脂の
充填量は、金型が完全に閉鎖していない型寸開の状態
で、溶融樹脂が隅々まで十分に充填される量であり、更
に好ましくは、金型容積に対して過量な溶融樹脂量であ
る。キャビティの容積に比して過量の溶融樹脂とは、該
成形に使用する樹脂が、金型内に射出充填直後の樹脂温
度、平均金型内圧力における溶融樹脂の容積がキャビテ
ィ容積に比して大きい量のことをいう。
【0014】また、型開量が大きいときなどは、型閉じ
圧縮時に金型内の樹脂を一部樹脂ゲートから逆流させた
り、捨てキャビティと称する金型の製品部とは成らない
第2のキャビティに樹脂を追いやっても良い。また、加
圧ガスの溶融樹脂の押圧は、金型型閉じ圧縮と同時また
は後のいずれでも良い。また、金型型閉じ圧縮後に金型
の圧縮圧力を降下させても良い。
【0015】また、加圧ガスの金型と溶融樹脂との間へ
の注入は、成形品厚肉部を形成するところでも成形品の
厚肉部を形成する部位ではない成形品の平板部を形成す
る部位でも構わない。また、金型温度は、各使用樹脂に
よる通常の金型温度を用いても効果はあるが、更に高外
観で、ヒケの全くない成形品を作成するには、通常の射
出圧縮成形で用いられる金型温度よりも高めに設定した
ほうが良い。具体的には、金型温度T1が使用樹脂のビ
カット軟化点Vに対して、(1)式を満たすものであ
る。 式(1) V−33 < T1 < V−15 更に望ましくは、下式(2)を満たすように金型温度T
2を設定する。 式(2) V−25 < T2 < V−18 尚、成形材料のビカット軟化温度Vは、試験法ASTM
・D1525に基づいて測定される値である。
【0016】一般に射出圧縮成形では、型寸開状態では
金型容積に満たない量の溶融樹脂を充填し、金型圧縮に
よって該溶融樹脂を展延する事によってはじめて溶融樹
脂が金型容積を十分に満たすように成形される。しかし
ながら、本発明では、従来の射出圧縮成形法の常識を越
え、金型寸開時に十分な溶融樹脂を充填して成形しよう
とするものである。また、本発明では、上述の様に金型
を寸開したガス抜けの良い状態で溶融樹脂を、金型隅々
にまで充分に充填することによって成形品表面部を形成
する意匠面の金型転写性が良好となる。即ち初期の樹脂
充填時には金型内の空気や溶融樹脂から発生するガスを
スムーズに型外に排出しながら、溶融樹脂を金型キャビ
ティ内に完全に充填し、次いで型閉じ圧縮し、加圧ガス
で該溶融樹脂を押圧するといったこれまでに考えられな
かった方法である。
【0017】金型寸開状態で溶融樹脂を十分に充填する
と金型圧縮が困難であると考えられるが、実際には型寸
開量が小さい場合、溶融樹脂を圧縮する事は容易であっ
た。また型寸開量が小さくない場合は、溶融樹脂を金型
に完全に充填した後の型締め時に金型内の樹脂を一部樹
脂供給部に逆流させることによって容易に型締め圧縮が
可能となる。
【0018】本発明における加圧ガスの圧入は、射出時
に溶融樹脂が入り込まないが加圧ガスが通ることのでき
る程度のスリットを有する隙間を金型との間に形成する
ピンや、焼結体、ポペット機構を有する弁体等が利用で
きる。本発明による厚肉部とは、リブ、ボスのように突
出した厚肉部分や、肉厚が一定部分広い範囲で変化した
ものも含む。
【0019】また、本発明では、パーティング面が端面
処理され金型が完全に閉鎖していない状態でも溶融樹脂
が金型合わせ面からはみ出してバリとならないような構
造をとった射出圧縮成形用の金型を用いた方が良い。
本発明に用いることができる樹脂は、一般に熱可塑性樹
脂と称されるものであれば特に制限はない。例えば、ポ
リスチレンや、ハイインパクトポリスチレン、ミディア
ムインパクトポリスチレンのようなゴム補強スチレン系
樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN樹
脂)、アクリロニトリル−ブチルアクリレートラバー−
スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−
エチレンプロピルラバー−スチレン共重合体(AE
S)、アクリロニトリル−塩化ポリエチレン−スチレン
共重合体(ACS)、ABS樹脂(例えば、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン−アルファメチルスチレン
共重合体、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(m−PP
E)、アクリロニトリル−メチルメタクリレート−ブタ
ジエン−スチレン共重合体)等のスチレン系樹脂、ポリ
メチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹
脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチ
レン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の
塩化ビニル系樹脂、エチレン塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体、エチレン塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系共
重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PETP、P
ET)、ポリブチレンテレフタレート(PBTP、PB
T)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(P
C)、変性ポリカーボネート等のポリカーボネート系樹
脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46等
のポリアミド系樹脂。ポリオキシメチレンコポリマー、
ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタール
(POM)樹脂、その他のエンジニアリング樹脂、スー
パーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリエーテルスル
ホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可
塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン(PE
K)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
フェニレンサルファイド(PSU)等の他、セルロース
アセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート
(CAB)、エチルセルロース(EC)等のセルロース
誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマチックポリエステル
等の液晶系ポリマーが挙げられる。また、熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性スチレンブ
タジエンエラストマー(TSBC)、熱可塑性ポリオレ
フィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリエステル
エラストマー(TPEE)、熱可塑性塩化ビニルエラス
トマー(TPVC)、熱可塑性ポリアミドエラストマー
(TPAE)等の熱可塑性エラストマーを用いることも
できる。本発明においては、本発明の成形過程において
上述のような熱可塑性樹脂を合成してもよいし、一種も
しくはそれ以上の上記熱可塑性樹脂のブレンド体を用い
たり、充填材及び/又は添加材等を含有させて用いても
よい。
【0020】以下、図面を参照しながら更に説明する。
図1は、本発明に用いる金型の一例を示す断面図であ
る。図示されるように、金型1は、固定側金型2と移動
側金型3とで構成され、両者間に、成形時に溶融樹脂が
充填されるキャビティ4が形成されている。金型キャビ
ティ面は、成形品表面を形成するキャビティ面4aと成
形品裏面側を形成するキャビティ面4bからなってい
る。また、成形品裏面側を形成するキャビティ面4b側
には、ガス注入ピン5が設けられている。このガス注入
ピン5は、先端をキャビティ面4bからキャビティ4内
に臨ませて、移動側金型3に埋め込まれているもので、
バルブ6を介して加圧ガス源(図示されていない)に接
続されたガス導入路7から送られて来る加圧ガスを、移
動側金型3との間に残された隙間を介してキャビティ4
へと供給するものである。尚、図中8aは、金型構成部
材の合わせ目からの加圧ガスの逃げを防ぐためのOリン
グである。
【0021】図1に示される金型1は、内側にリブを有
するほぼ箱形の成形品を成形するためのもので、パーテ
ィング面は射出圧縮が可能なように端面処理が施され、
型寸開時に溶融樹脂を充填してもパーティング面から樹
脂が漏れ出さないような構造をとっている。図2におい
て本発明の成形行程の一例を説明する。まず(a)に示
すように、金型を寸開した状態で溶融樹脂を金型キャビ
ティ内4に十分に充填する。この時、キャビティ4内の
空気や、溶融樹脂から生じるガスは、溶融樹脂の充填と
共にパーティング面の隙間から放出されるので、樹脂と
キャビティ面4a,4bとの間に気泡が残留することが
防止される。この溶融樹脂の初期の充填段階で、金型キ
ャビティ面の転写が確実に行われる。次いで(b)に示
すように金型を閉じ溶融樹脂を圧縮し、更に必要に応じ
て金型の型締め力を緩和させ、加圧ガスをは、ガス注入
ピン5と金型との隙間を介して金型キャビティ面4bと
溶融樹脂との間に注入し、溶融樹脂を金型裏面側より成
形品表面側に押圧する。加圧ガスとしては、空気、炭酸
ガス、窒素等が用いられる。使用ガスの種類に関して
は、加圧ガスの圧力、成形材料、成形条件等によって選
択することが好ましい。加圧ガスの圧力は、使用樹脂の
種類、成形品の形状、成形品の大きさ等によっても相違
するが、通常10〜200kgf/cm2 、好ましくは
20〜100kgf/cm2である。ガス導入路に供給
された加圧ガスは、ガス注入ピン5と移動側金型3間の
隙間を通って、キャビティ面4b側からキャビティ4内
に圧入される。この加圧ガスは、キャビティ4内の成形
品の内面と、キャビティ面4bとの間に圧入され、これ
によって、成形品の外面をそれに対応するキャビティ面
4aへと押し付ける。そして、この加圧ガスによる押し
付けによって、キャビティ面4a側の成形品の面におけ
るひけの発生が抑制されると共に、キャビティ面4a側
の転写性が向上し、ヒケ、艶むら等による外観不良の問
題も低減する。更には成形品を金型1より取り出すとき
の離型性も向上する。
【0022】図3では、型寸開量が小さくない場合に金
型内に充填された溶融樹脂を溶融樹脂供給部に逆流させ
る場合の成形行程を示したものである。まず(a)に示
すように、金型を寸開した状態で溶融樹脂を金型キャビ
ティ内4に十分に充填する。この時、キャビティ4内の
空気や、溶融樹脂から生じるガスは、溶融樹脂の充填と
共にパーティング面の隙間から放出されるので、樹脂と
キャビティ面4a,4bとの間に気泡が残留することが
防止される。次いで(b)に示すように金型を閉じると
同時に射出シリンダー10内のピストン11をサックバ
ックし、バルブ9を開け、金型内の溶融樹脂をシリンダ
ー内に逆流させる。必要に応じて金型の型締め力を緩和
させ、加圧ガスを、ガス注入ピン5と金型との隙間を介
して金型キャビティ面4bと溶融樹脂との間に注入し、
溶融樹脂を金型裏面側より成形品表面側に押圧する。
【0023】図4は、図1のキャビティ4内に加圧ガス
を圧入した時のリブ12付近の状態の概略図である。ガ
ス注入ピン5回りの隙間から注入された加圧ガスは、成
形品をキャビティ面4aに押し付けながらリブの根元に
達する。この時、通常の成形でヒケが発生しやすいリブ
12の位置に対応する反対面側は、圧入された加圧ガス
による押し付けによりヒケが防止される。
【0024】加圧ガスの圧入は、必ずしも図1に示すよ
うな移動側金型3から行わなければならないものではな
い。固定側金型2と移動側金型3のどちら側からガスを
導入するかは、一般に金型1の形状に起因し、成形品意
匠面が固定側金型2側にある場合、加圧ガスは図1に示
すように移動側金型3側から導入するのが簡便であり、
逆に意匠面が移動側金型3側にある場合、加圧ガスは固
定側金型2側から導入する方が簡便である。 即ち、本
発明において、加圧ガスの圧入側であるキャビティ面4
bとは反対側のキャビティ面4aに成形品は押し付けら
れるので、加圧ガス圧入側の成形品表面よりもこれとは
反対側の成形品表面の仕上がり状態が良好となる。従っ
て、加圧ガスの圧入は、成形品の背面側(非意匠面側)
から行うのが好ましい。
【0025】このように加圧ガスの圧入を行った後、必
要に応じて加圧ガスを金型1外に排出した後、成形品を
金型1から取り出す。本発明は、背面側(非意匠面側)
に部分的に厚肉部が突出した成形品の成形に有効であ
る。即ち、キャビティ面4b側にリブ、ボス等が突出し
た成形品の成形に有効である。キャビティ面4a側の成
形品表面である成形品の意匠面に、リブやボス等に対応
して発生しやすいひけ、光沢や艶むらを防止でき、リブ
やボスの存在による外観上の問題を解消することができ
る。
【0026】特に、図4に示されるように、厚肉部の幅
をw、厚肉部の周辺における厚みをtとした時に、w≧
(3/5)tとなるような厚肉部を有する成形品に対し
て有効である。即ち、このような厚肉部を有する成形品
は、通常の射出圧縮成形ではひけの防止が困難である。
【0027】
【発明の実施の形態】
【0028】
【実施例1】図5に示されるような、箱形形状で、主要
部厚み2.0mmの成形品を成形した。加圧ガスの注入
とそのガスシールは、図1で説明したものと同様とし、
ガス注入位置Gは、成形品平面部を形成する金型に設け
た。a,bで示される各リブの厚みは、3.0mmであ
る。成形機は射出圧縮成形機(最高型締め300トン)
を用いて成形品を作成した。
【0029】成形材料は、ハイインパクトポリスチレン
(HIPS)、ABS樹脂、変性PPE樹脂(m−PP
E)である。成形工程としては、金型を0.2mm寸開した
状態でキャビティ容積に比して充分な量(100重量
%)の成形材料を射出した後、直ちに金型を型締め80
%(240トン)にて型閉し溶融樹脂を圧縮した後、次
いで型締力を25%(75トン)に緩和し、ガス圧10
MPaの加圧ガスを樹脂と金型との間に注入した。それぞ
れの樹脂に対する成形条件は、下記に示す。
【0030】(A)使用材料:HIPS(旭化成工業株
式会社製 スタイロン 400) シリンダー温度:200℃ 金型温度:75℃ (B)使用材料:ABS(旭化成工業株式会社製 スタ
イラック−ABS 191F) シリンダー温度:230℃ 金型温度:75℃ (C)使用材料:m−PPE(旭化成工業株式会社製
ザイロン 220Z)シリンダー温度:260℃ 金型温度:90℃ 上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更にリブと反対側
の意匠面のひけを測定した。測定結果を表1に示す。
【0031】
【比較例1】実施例1と同じ金型、同じ樹脂をそれぞれ
用いて通常の射出圧縮成形を行った。それぞれの成形条
件を下記に示す。 (A′)使用材料:HIPS(旭化成工業株式会社製
スタイロン 400)シリンダー温度:200℃ 金型温度:75℃ (B′)使用材料:ABS(旭化成工業株式会社製 ス
タイラック−ABS191F) シリンダー温度:230℃ 金型温度:75℃ (C′)使用材料:m−PPE(旭化成工業株式会社製
ザイロン 220Z)シリンダー温度:260℃ 金型温度:90℃ 上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更にリブと反対側
の意匠面のひけを測定した。測定結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【実施例2】図5に示されるような、箱形形状で、主要
部厚み1.8mmの成形品を成形した。加圧ガスの注入
とそのガスシールは、図1で説明したものと同様とし
た。a,bで示される各リブの厚みは、3.0mmであ
る。成形機は射出圧縮成形機(最高型締め300トン)
を用いて成形品を作成した。成形材料は、ハイインパク
トポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂、変性PPE
樹脂(m−PPE)である。成形工程としては、金型を
0.5mm寸開した状態でキャビティ容積に比して充分な
量量(100重量%)の成形材料を射出した後、直ちに
金型を型締め80%(240トン)にて完全に型閉圧縮
すると同時に該樹脂ゲートから樹脂を逆流させ、目標の
製品厚みに達したところで型締め力を10%(30トン)
に緩和し、次いでガス圧5MPaの加圧ガスを樹脂と金型
との間に注入した。それぞれの樹脂に対する成形条件
は、下記に示す。
【0034】(A)使用材料:HIPS(旭化成工業株
式会社製 スタイロン 400) シリンダー温度:200℃ 金型温度:75℃ (B)使用材料:ABS(旭化成工業株式会社製 スタ
イラック−ABS 191F) シリンダー温度:230℃ 金型温度:75℃ (C)使用材料:m−PPE(旭化成工業株式会社製
ザイロン 220Z)シリンダー温度:260℃ 金型温度:90℃ 上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更にリブと反対側
の意匠面のひけを測定した。測定結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表1、2の結果より、本発明による成形品
は、外観が良好で、ひけない成形品であった。従来、ひ
けの問題によって、厚肉のリブを設けることが出来なか
ったが、本発明によってそれが可能となった。また加圧
ガスを成形品内部に導入するガスアシスト成形品にみら
れるような、厚肉リブの裏に位置する意匠面にみられる
光沢むら、艶むらも肉眼ではほとんど認められなかっ
た。
【0037】
【発明の効果】近年需要が高まっている薄肉で大型の成
形品は、必要な強度維持のため厚肉のリブやボスを備え
たものとなるが、このような厚肉のリブやボスを設けた
場合のひけ防止を完全なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる金型の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の射出圧縮成形法を説明するための図で
ある。
【図3】本発明のサックバック法を用いた場合の射出圧
縮成形法を説明するための図である。
【図4】本発明により成形される成形品の厚肉部の形状
例を示す断面図である。
【図5】本発明により成形される成形品の一例を示す図
である。
【符号の説明】
1 金型 2 固定側金型 3 移動側金型 4 キャビティ 4a,4b キャビティ面 5 ガス注入ピン 6 バルブ 8a Oリング 9 シャットオフバルブ 10 射出シリンダー 11 射出スクリュー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F206 AA13 AA23 AG28 AH42 AM32 AM34 JA03 JM05 JM11 JN14 JN22 JN27 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚肉部を有する成形品の射出圧縮成形方
    法において、金型が完全に閉鎖していない状態でキャビ
    ティ内に溶融樹脂を完全に射出充填し、次いで型閉じ圧
    縮し、加圧ガスで該溶融樹脂を押圧する事を特徴とする
    ガス加圧射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 型寸開状態での金型への溶融樹脂の充填
    量が過量であることを特徴とする請求項1に記載のガス
    加圧射出圧縮成形方法。
  3. 【請求項3】 型閉じ圧縮を完了した直後に、圧縮圧力
    を降下させる事を特徴とする請求項1〜2いずれかに記
    載のガス加圧射出圧縮成形方法。
  4. 【請求項4】 型閉じ圧縮とともに該樹脂ゲートから溶
    融樹脂を一部逆流させる事を特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のガス加圧圧縮射出圧縮成形方法。
  5. 【請求項5】 樹脂充填時の金型温度T1(℃)が該溶
    融樹脂のガラス転位温度V(℃)と式(1)で表される
    事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス加
    圧射出圧縮成形方法。 式(1) V−33 < T1 <V−15
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013082942A (ja) * 2013-01-30 2013-05-09 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリエステル樹脂組成物及びこれを成形してなる樹脂製基体
US9242400B2 (en) 2012-06-22 2016-01-26 Kumi Kasei Co., Ltd. Resin injection molding method and resin injection molded product
CN111421739A (zh) * 2019-01-09 2020-07-17 本田技研工业株式会社 气压注塑成型装置
US11485060B2 (en) 2017-08-03 2022-11-01 Volkswagen Aktiengesellschaft Method for producing a trim part of a motor vehicle

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