JP3831031B2 - ガス併用射出成形用金型 - Google Patents

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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/40Removing or ejecting moulded articles
    • B29C45/4005Ejector constructions; Ejector operating mechanisms
    • B29C45/401Ejector pin constructions or mountings

Description

【0001】
【従来の技術】
一般に、射出成形において、比較的厚肉の成形品や部分的な厚肉部を有する成形品を成形する場合、冷却に伴う樹脂の収縮によって、成形品の表面にひけと呼ばれる窪みを生じることが広く知られている。
従来、最も一般的な上記ひけ防止策としては、射出圧力を高めると共に射出時間を延長し、溶融樹脂の供給圧を加えながらキャビティ内の樹脂をある程度冷却する方法(樹脂加圧法)が知られている。
【0002】
しかしながら、上記の樹脂加圧法によるひけ防止は、特開昭50−75247号公報に示されるように、成形品の肉厚等によって成形条件が異なるので成形、作業が煩雑になると共に、高い樹脂圧を加えなければ十分なひけ防止を図れないので、パーティング面にバリを発生させる原因となり、このバリ除去の作業負担が増大する問題がある。また過度の樹脂圧を加えると、成形品にソリが発生するといった寸法精度上の問題もでてくる。さらに、樹脂加圧法では、ゲート付近の厚肉部には圧力伝達が容易であるが、ゲート部から離れた厚肉部には十分に圧力がかからず、厚肉部の位置によっては完全にひけを解消することができないといったことが起こる。
【0003】
そこで上記特開昭50−75247号公報では、キャビティ内に溶融樹脂を射出した後、成形品の片面側を弁体で突き上げて、成形品の片面側と、この片面側を成形するコアとの間に空所を形成し、この空所に加圧ガスを圧入して、成形品の他面をこれに対応するキャビティ面に圧接させるガス併用射出成形方法を提案している。
【0004】
このガス併用射出成形方法は、樹脂加圧法における樹脂圧を加えない代わりに加圧ガスの圧入を行い、加圧ガスの圧入によってひけの発生防止を図っているものである。しかしながら、この方法では、金型内に注入された加圧ガスのパーティング面や、突き出しピンと金型との間から漏洩する加圧ガスの問題に対しては、何ら解決の手段が開示されていない。そのため偏肉部、特に部分的に厚肉部を有する成形品のヒケを完全に解決するにはこの方法では不十分であった。
【0005】
一方、W093/14918号明細書には、ガス併用射出成形方法において、圧入した加圧ガスの漏れを防止し、圧力効率を高めるために、密封構造の金型を使用することが開示されている。
これによると、突き出しピンからのガスの漏洩の防止に関しては、通常の突き出しピン回りにOリングを設けることを開示している。しかしながらこの方法では、金型組立時に手間がかかったり、Oリングが金型部分との摺動によって劣化しやすいといった問題や、摺動部分にOリングを設置するための面倒な金型改造が必要であるといった問題が発生する。
【0006】
ところで、近年では、OA機器や家庭電気器具の筐体、更には自動車部品等の大型の成形品の需要が高まると共に、製品のコストダウンのための成形品の薄肉化の要望も高まっている。薄肉で大型の成形品の場合、強度維持のために、一般にリブやボスと称する補強部を設けるのが普通である。リブやボスは、肉厚ほど補強効果が高く、更にリブについては、樹脂を金型内に容易に充填できる流動支援効果も得られる。
【0007】
しかしながら、厚肉のリブやボスを設けると、リブやボスに対応する成形品の表面(意匠面)のひけ等の外観上の問題が発生しやすい。すなわち、近年需要が高まっている薄肉で大型の成形品は、必要な強度維持のため厚肉のリブやボスを備えたものとなるが、このような厚肉のリブやボスを設けた場合の外観不良発生を防止するための方法と金型がいずれも不十分で、満足できる成形品が得にくいのが現状である。
【0008】
また、特開昭50−75247号公報や、W093/14918号明細書に記載されているキャビティ内に溶融樹脂を射出した後、成形品の片面側と、この片面側を成形するコアとの間に加圧ガスを圧入しヒケを防止する方法が提案されているが、突き出しピンと金型との隙間からの加圧ガスの漏洩防止に関しては不十分であった。
【0009】
通常の突き出しピンは、その機能や設置性から該ピンを突き出しプレートに固定するために、下端部の縦断面形状がT字形状であり、金型キャビティに臨む上端部(1α)は、突き出し方向に対してストレート、若しくは胴体部(1β)よりも先細りになるように設計されており、これを弁体のような構造にすることは考えられなかった。すなわち突き出しピンは、下端部(1γ)以外では、それを収容する金型部分とは突き出し方向に対し平行な面でのみ接していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、ガス併用射出成形法に用いる金型を提供し、外観不良発生防止を完全なものとすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、ガス併用射出成形金型において突き出しピンの金型キャビティ面に臨む側の少なくとも一部分の縦断面の幅を、胴体部の縦断面の幅よりも大きくすることで、金型と溶融樹脂との間に注入した加圧ガスが突き出しピンと金型の隙間から漏洩することを防止し、効率よく成形品の意匠面を金型に押しつけることができることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
即ち、本発明は以下のとおりである。
(1) 射出成形用金型において、突き出しピンの下端部以外の金型キャビティ面を構成しない一部分の縦断面の幅が、突き出しピン胴体部の縦断面の幅よりも大きく、かつ金型を閉鎖した状態で、上記の突き出しピン胴体部の縦断面の幅よりも大きい部分の下端側が、突き出し方向に対し平行でない面と接触し、更に一部がシール材を介して接触する部分を金型に有することを特徴とするガス併用射出成形用金型。
(2) 突き出しピンが分離できることを特徴とする上記第1項記載のガス併用射出成形用金型。
【0013】
本発明は、偏肉部を有する成形品の射出成形において、溶融樹脂をキャビティ内に射出し、射出完了時を含むその前後のいずれかにおいて、成形品の片面に対応するキャビティ面側から加圧ガスを圧入し、成形品の他面をそれに対応するキャビティ面に有効に押し付けるために、加圧ガスが突き出しピンと金型の隙間から漏洩することを防止するガス併用射出成形用金型を提供するものである。
【0014】
また、本発明のガス併用射出成形用金型は、金型内に加圧ガスを注入後に樹脂を充填するカウンタープレッシャー射出成形や、何らかの目的で金型内に1気圧を越える流動体を注入する射出成形における突き出しピンと金型との間からの該流動体の漏洩防止にも利用できる。
本発明のガス併用射出成形用金型を用いた成形法において、溶融樹脂の射出はショートショットでもフルショットでもよく、加圧ガスの圧入は、射出完了時を含むその前後のいずれの時点で開始してもよい。しかし、加圧ガスが金型のパーティングライン(PL)部等から漏れるのを防ぐためには、フルショットもしくはキャビティの容積に比して過量の溶融樹脂を射出した後に加圧ガスの圧入を行うことが好ましい。ここでキャビティ容積に比して過量の溶融樹脂とは、成形に使用する樹脂が、金型内に射出充填直後の樹脂温度、平均金型内圧力における溶融樹脂の容積がキャビティ容積に比して大きいことをいい、好ましくは103容量%以上になる量である。
【0015】
本発明においては、成形品の片面に対応するキャビティ面が、その一部に大気開放経路が開口して大気に連通された開放領域面、成形品の他面に対応するキャビティ面が、大気との連通が遮断された閉鎖領域面となった金型を用い、閉鎖領域面となった、成形品の他面に対応するキャビティ面側より加圧ガスを圧入することが好ましい。大気開放経路は、キャビティ内に溶融樹脂が充填される際に、キャビティ内の空気及び/又は溶融樹脂から発生するガスをキャビティ外に放出する役割をなすものである。また、閉鎖領域面となったキャビティ面側から加圧ガスを圧入するのは、金型からの加圧ガスの逃げを防止しやすくするためである。
【0016】
加圧ガスの圧入は、所定のキャビティ面側から行うことができれば特に圧入形態に制限はなく、後述するように、専用通路を設けて行っても、一部の通常形状の突き出しピン回りを利用して行ってもよい。
本発明による偏肉部とは、リブ、ボスのように突出した厚肉部分や、肉厚が一定部分広い範囲で変化したものも含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の詳細な説明の記載において、図1〜図11図の突き出しピンの形態は、参考例である。
図1は、本発明に用いる突き出しピンの一例である突き出しピン1上端部(1α)の縦断面形状がT字形状を有する突き出しピンの縦断面図である。
通常の突き出しピンは、金型後部より金型に設置されるため、ストレート形状か、或いは先端部を成形品の形状に応じて削ったものが用いられる。即ち、これまで金型キャビティ面に臨む突き出しピンの上端部(5c)が、これに連なる突き出しピン胴体部(1β)よりもおおきな形状のものは一般に使われなかった。これに対し、本発明の一例である図1の突き出しピン1は、図示されるように、金型キャビティ面に臨む突き出しピンの上端部(5c)の縦断面形状における幅(1a)が突き出しピン胴体部の断面形状における幅(1b)よりも大きなT字形状となっている。
【0018】
本発明における突き出しピン上端部(1α)の縦断面形状がT字形状を有するとは、金型キャビティ面に臨む突き出しピンの上端部の面積が、突き出しピン胴体部(1β)の金型キャビティに平行な面で切った断面形状の面積よりも大きいものを全て含む。即ち金型キャビティ面から加圧させたときに金型との当たり面において圧力がかかり、金型と溶融樹脂との間に注入した加圧ガスが突き出しピンと金型の隙間から漏洩することを防止する弁体として働くものである。
【0019】
また図2は、図1の突き出しピンに対応する金型2の断面図である。図示のように本発明の金型は、突き出しピンの突き出し方向と平行でない面11を有し、該面11は、図1の突き出しピンの面10と、金型が閉鎖された状態で接触する様に設計されている。
次に図3を用いて本発明のガス併用射出成形用金型を利用するガス併用射出成形法を説明する。
【0020】
金型2は、固定側金型3と移動側金型4とで構成され、両者間に成形時に溶融樹脂が充填されるキャビティ5が形成されている。成形品の非意匠面に対応するキャビティ面(5b)には、ガス注入ピン6が設けられている。このガス注入ピン6は、先端をキャビティ面(5b)からキャビティ5内に臨ませて、移動側金型4に埋め込まれているもので、バルブ7を介して加圧ガス源(図示されていない)に接続されたガス導入路8から送られて来る加圧ガスを、移動側金型4との間に残された隙間を介してキャビティ5へと供給するものである。図中9aは、金型構成部材の合わせ目からの加圧ガスの逃げを防ぐためのOリングである。
【0021】
図3の金型2は、内側にリブを有するほぼ箱形の成形品を成形するためのもので、パーティング面はこの箱形成形品の底面部外面に沿って位置しており、箱形成形品の外面に対応するキャビティ面5aであって、箱形成形品の底面部に対応する位置に開口している。
本発明における突き出しピンとしては、突き出しピンの下端部(1γ)以外の一部分の縦断面の幅が、突き出しピン胴体部(1β)の縦断面の幅よりも大きいものが挙げられ、中でも、図1に示す様な金型キャビティ面(5b)に臨んだ上端部(5c)の幅が胴体部よりも大きい幅を有し、上端部−断面形状がT字形状のものが金型構造上の便宜性を考慮すると好ましい。また図1、2の様に特にシール材を設けない場合は、突き出しピンの当たり面10と突き出し方向に対し平行でない金型の当たり面11とが接触時に隙間が出来ないように滑らかにしておいたほうが好ましい。更に好ましくは、この突き出しピン1と金型2との当たり面である金型部分に図4に示す様なOリング(9b)を設けるか或いは、図5に示すように突き出しピン側にOリングを設置しても良い。また図6や図7に示すような位置にガスシール材を設置しても良い。ここでガスシール材とは、特に材質には制限が無いが、突き出しピンと金型当たり面において隙間が存在しないような平滑なもの及び/又は弾力性の有るものが望ましい。例えば、シリコンゴムや、ブタジエンゴム等でも良い。存在形態としては、図6の12aの様に突き出しピンに結合させても良いし、図7の12bの様に金型に結合させても良いし、突き出しピンの形状に合わせて穴の開いたシール材を単に突き出しピンに通して、突き出しピンにも金型にも結合させずに存在させても良い。
【0022】
更に、図3に基づいて本発明のガス併用射出成形用金型を用いる成形方法を説明する。
先ず、金型2を閉鎖した状態で、キャビティ5内に溶融樹脂を射出する。射出量は、前述のように、キャビティ5の容積に比して過量の溶融樹脂とすることが好ましい。
【0023】
上記溶融樹脂の射出完了前、完了時又は完了後に、バルブ7を開いて加圧ガスを加圧ガス源(図示されていない)から金型4に設けたガス導入路8へと供給する。加圧ガスの圧入開始は、上記のように射出完了前、完了時又は完了後のいずれでもよいが、好ましくは射出完了時又は完了直後である。
加圧ガスとしては、例えば空気、炭酸ガス、窒素等が用いられる。使用ガスの種類に関しては、加圧ガスの圧力、成形材料、成形条件等によって選択することが好ましい。加圧ガスの圧力は、使用樹脂の種類、成形品の形状、成形品の大きさ等によっても相違するが、通常10〜250kgf/cm2 、好ましくは20〜200kgf/cm2 である。
【0024】
ガス導入路8に供給された加圧ガスは、ガス注入ピン6と移動側金型4間の隙間を通って、閉鎖領域面となっているキャビティ面(5b)側からキャビティ5内に圧入される。この加圧ガスは、キャビティ5内の箱形成形品の内面と、キャビティ面(5b)との間に圧入され、これによって、箱形成形品の外面をそれに対応するキャビティ面(5a)へと押し付ける。そして、この加圧ガスによる押し付けによって、キャビティ面(5a)側の成形品の面におけるひけの発生が抑制されると共に、キャビティ面(5a)側の転写性が向上し、ヒケ、艶むら等による外観不良の問題も低減する。更には成形品を金型3より取り出すときの離型性も向上する。
【0025】
ここで、キャビティ5内に導入された加圧ガスが、有効に成形品の片面をキャビティ面(5a)へと押し付けるように作用するためには、キャビティ5内に圧入した加圧ガスの金型2外への漏洩を防止することが重要である。このため、キャビティ面(5b)は外気との連通が遮断された閉鎖領域面となっていることが好ましい。そこで本発明の形状の突き出しピンを用いることにより確実かつ簡単にに突き出しピンと金型との隙間からの加圧ガスの漏洩を防止できる。
【0026】
本発明の突き出しピンは、下端部以外の一部分の幅が胴体部の幅より広くなっており、金型に設置するためには、図8や図9に示すように、分離出来るように設計しておいたほうが実用的である。突き出しピンの分離は、図8や図9に示されている上端部(1α)、下端部(1γ)に限らず胴体部で分離できるようにしても良い。また、突き出しピンの分離は、図8や図9に示される様に2分割でも良いが、便宜上それ以上、例えば3分割、4分割しても良い。この場合、図8の様に金型キャビティ面から取り外しが出来るようにしておくと、Oリングの交換時等の作業性が上がる。
【0027】
更に図10を用いて本発明の突き出しピンの原理を説明する。図10は、加圧ガスが金型キャビティ(5b)と射出充填された樹脂13との間に注入された時の模式図である。ここで加圧ガス14は、ガス注入ピン6と金型4との隙間を通って金型内に注入される。キャビティ内に注入された加圧ガスは、側壁部では側壁によって行き場を閉ざされる。加圧ガスは樹脂13を金型意匠面に押し圧すると同時に、金型キャビティ面(5b)も加圧する。この時突き出しピンの金型キャビティに面した部分ではaに示すように加圧される。加圧ガスが突き出しピンと金型との間に侵入しbでピンを突き出す方向に加圧した場合、結果的に該突き出しピンは、(a−b)の力で突き出しと逆の方向に図中αの如く押しつけられる。即ちこの力は、Oリング(9b)が設置された位置の突き出しピンの面と金属面とを密着させるように働き、これによって加圧ガスは、突き出しピンと金型との隙間から漏洩できなくなる。
【0028】
また本発明の突き出しピンは、金型が閉じた時にリターンピンで強制的にピンが戻る方向に引いたり、ピンの根元にバネをつけてピンが戻る方向に押しつけられるようにするとより効果的である。突き出しピンの先端の形状は、本発明の原理が利用できる金型キャビティ面側に広がった形状であれば特に図1に示した形状に限定されず、例えば図11に示すような形状でも良い。
【0029】
本発明の突き出しピンは、突き出しピンの下端部(1γ)以外の一部分の縦断面の幅20が、突き出しピン胴体部(1β)の縦断面の幅21よりも大きい形状を有しておれば良く、該胴体部の縦断面の幅よりも大きい部分22は、特に先端部には限らず、本発明の原理が利用できる図13のような構造でも良い。金型構造上の便利性を考慮すると図1や、図11に示す様金型キャビティ面に臨む上端部が、胴体部より広がった形状のほうが好ましいが、突き出し部分をできるだけ小さくしたい等の理由がある場合には、図13の形態も有効である。この際、図13の突き出しピンを金型に設置するために、図示した様に、加圧ガス漏洩防止のOリング19を設け、金型が分割できるようにしておいても良い。更に該突き出しピンは、例えば23で示す位置で分離出来るようにしておいた方が金型への設置上好ましい。
【0030】
参考例1
図3に示された金型を用いて、底面肉厚2mmの箱形形状の成形品を作成した。この箱形形状成形品には、肉厚3mmの厚肉リブ15を有している。成形材料としてABS樹脂を用い、キャビティ容積に比して過量(103容量%)の成形材料を射出した後、直ちに加圧ガスを3秒間圧入することで成形品を成形した。また加圧ガス圧入後、バルブ7を閉じ、20秒間加圧ガスをキャビティ内に保持し、その後バルブ7を開けて加圧ガスを回収した。それぞれの成形条件を下記に示す。
シリンダー温度:230℃
射出圧力: 100kg/cm2 (ゲージ圧力)
樹脂保圧: 10kg/cm2 (ゲージ圧力)
加圧ガスの圧力:100kg/cm2 (ゲージ圧力)
上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更にリブと反対側の意匠面のひけを測定した。また圧力計16にて測定したバルブ7を開ける直前のガス圧(20秒間の保持後の圧力)を表1に示す。表1からも明らかなように、参考例1による成形品は、外観が良好で、ひけ、光沢むらの殆どない外観良好な成形品であった。
【0031】
【比較例1】
図12に示す通常の突き出しピンを有する金型を用い、その他の条件は、参考例1と同じ条件で成形を行った。上記成形品外観は、肉眼にて判定し、更にリブと反対側の意匠面のひけを測定した。また圧力計16にて測定したバルブ7を開ける直前のガス圧(20秒間の保持後の圧力)を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003831031
【0033】
【発明の効果】
これらの結果より、本発明の金型は、樹脂と金型の間に加圧ガスを注入し、偏肉部分を意匠面に押し圧し、外観良好な成形品を得るのに非常に有効であることが分かった。多くの射出成形用金型で不可欠な突き出しピンからの加圧ガスの漏洩防止を、非常に簡単かつ確実に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例を示す、突き出しピン上部の一例を示す断面図である。
【図2】 本発明の参考例を示す、金型断面の一例を示す部分断面図である。
【図3】 本発明の参考例を示す、金型の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明の参考例を示す、Oリングを設けた金型断面の一例を示す部分断面図である。
【図5】 本発明の参考例を示す、Oリングを設けた突き出しピンの一例を示す上部縦断面図である。
【図6】 本発明の参考例を示す、ガスシール材を設けた突き出しピンの一例を示す上部縦断面図である。
【図7】 本発明の参考例を示す、ガスシール材を設けた金型断面の一例を示す部分断面図である。
【図8】 本発明の参考例を示す、上部と胴体部および下部との2つに分割可能な突き出しピンの一例を示す縦断面図である。
【図9】 本発明の参考例を示す、上部および胴体部と下部との2つに分割可能な突き出しピンの一例を示す縦断面図である。
【図10】 本発明の参考例を示す、金型を用いた時のガスシールの原理の説明図である。
【図11】 本発明の参考例を示す、突き出しピン上部の一例を示す上部縦断面図である。
【図12】 比較例1で用いた通常形状の突き出しピンを用いた金型の断面図である。
【図13】 本発明の突き出しピンと金型の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 突き出しピン
2 金型
3 固定側金型
4 移動側金型
5 金型キャビティ
5a キャビティ面
5b キャビティ面
5c 突き出しピンの上端部
6 ガス注入ピン
7 バルブ
8 ガス導入路
9a Oリング
9b Oリング
9c Oリング
10 突き出しピンの金型との当たり面
11 金型の突き出しピンとの当たり面
12a シール材
12b シール材
13 樹脂
14 加圧ガス
15 厚肉リブ
16 圧力計
17 通常形状突き出しピン
18 金型の分割位置
19 Oリング
20 胴体部の縦断面の幅よりも大きくなった部分の縦断面の幅
21 胴体部の縦断面の幅
22 胴体部の縦断面の幅よりも大きくなった部分
23 突き出しピン分離部

Claims (2)

  1. 射出成形用金型において、突き出しピンの下端部(1γ)以外の金型キャビティ面を構成しない一部分の縦断面の幅(20)が、突き出しピン胴体部(1β)の縦断面の幅(21)よりも大きく、かつ金型を閉鎖した状態で、上記の突き出しピン胴体部の縦断面の幅より大きい部分(22)の下端側が、突き出し方向に対し平行でない面と接触し、更に一部がシール材を介して接触する部分を金型に有することを特徴とするガス併用射出成形用金型。
  2. 突き出しピンが分離できることを特徴とする請求項1記載のガス併用射出成形用金型。
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