JP3423426B2 - 合成樹脂成形品の射出成形装置 - Google Patents

合成樹脂成形品の射出成形装置

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JP3423426B2
JP3423426B2 JP20493694A JP20493694A JP3423426B2 JP 3423426 B2 JP3423426 B2 JP 3423426B2 JP 20493694 A JP20493694 A JP 20493694A JP 20493694 A JP20493694 A JP 20493694A JP 3423426 B2 JP3423426 B2 JP 3423426B2
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隆義 田中
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1734Nozzles therefor

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂成形品の射出
成形装置に係り、特にボスやリブを有して成形品表面に
ひけが生じやすい合成樹脂成形品、例えば自動車のダッ
シュボード、ドアハンドルカバー等の内外装品や、家電
製品のケーシング等の成形に利用できる。
【0002】
【背景技術】射出成形による合成樹脂成形品には、固有
の成形収縮があるため、特にボスやリブの中心部や厚肉
部など冷却が遅れた部分の収縮によって成形品の表面に
はひけが生じていた。このため、従来の射出成形では、
金型キャビティ内に射出した樹脂に、過大な保持圧力を
加えてひけを防止することが行われていたが、ひけを完
全に無くすことは難しく、むしろボス、リブ、厚肉部以
外の面に過大な保持圧力が加わることで反り変形が生じ
るという問題があった。
【0003】一方、このような過大な保持圧力を加えず
にひけを防止する方法として、特開昭50−75247
号公報や特開昭59−220337号公報に示すよう
に、圧縮空気等の圧力流体をキャビティ内に圧入して樹
脂をキャビティ内面に押しつけてひけを防止する射出成
形方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
50−75247号公報のものは、コアーに形成した導
孔に弁棒を設け、弁棒の進退によって開閉される間隙部
から圧力流体(空気)を注入しているため、圧力流体注
入用の弁棒およびその進退を制御する制御装置が必要と
なり、金型構造が複雑化するとともに、射出成形時の制
御要因が増加して制御が難しくなるという問題があっ
た。
【0005】一方、特開昭59−220337号公報に
開示されたものは、金型に複数の貫通孔を有する多孔部
材を埋設し、空気制御手段で貫通孔を通して圧縮空気を
送り込んでいるため、多孔部材を金型表面に埋設する際
の加工や圧縮空気の圧入圧に対抗できる多孔部材の固定
方法等が難しく、金型製作を高精度に行わなければなら
ず、製作が困難であるという問題があった。また、貫通
孔に樹脂が流入して詰まってしまうと圧力流体をキャビ
ティ内に圧入することができなくなるため、貫通孔の径
を樹脂が流入せずかつガスが容易に注入される大きさに
設定しなければならず、この大きさは樹脂種類等に応じ
て細かく設定しなければならず、設定が煩雑であるとい
う問題もあった。
【0006】本発明の目的は、金型構造を簡単にできて
金型を容易に製作でき、かつリブやボス等を有する合成
樹脂射出成形品のひけを防止でき、成形品の反りや歪み
も無くすことができて高精度に成形することができると
ともに、樹脂流入を確実に防止できて樹脂詰まりを防ぐ
ことができる合成樹脂成形品の射出成形装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の合成樹脂成形品
の射出成形装置は、金型のキャビティ内に開口される孔
が中心軸部に形成された外ピンの前記孔内に中ピンを配
置し、この中ピンを外ピンに対してキャビティ側に付勢
するスプリング等の付勢手段と、外ピンの前記孔に窒素
ガス等の圧縮流体を供給する圧縮流体供給手段とを設け
るとともに、前記外ピンおよび中ピンのキャビティ側の
各先端部を弁構造とし、中ピンを外ピンに対してキャビ
ティ側に移動させれば外ピンの孔およびキャビティ内が
連通状態とされ、中ピンを反対方向(キャビティから離
れる方向)に移動させると外ピンの孔およびキャビティ
内とが遮断状態とされるように構成し、かつ前記付勢手
段による付勢力をキャビティ内に射出された樹脂によっ
て中ピンに加わる圧力よりも小さく設定し、前記圧縮流
体供給手段を、キャビティ内に溶融樹脂を射出した後、
その溶融樹脂が冷却固化されつつあるときに前記外ピン
の孔に圧縮流体を供給して圧縮流体を溶融樹脂とキャビ
ティ面との間に注入するように構成したことを特徴とす
るものである。
【0008】この際、前記中ピンはストッパ片等によっ
てキャビティ側への移動が規制され、中ピンのキャビテ
ィ側先端が外ピンの先端よりも常時凹んだ位置(キャビ
ティから離れた位置)にあるようにされていることが好
ましい。また、前記中ピンがキャビティ側に移動されて
外ピンの孔およびキャビティ内とが連通された時の、中
ピン先端部および外ピン先端部間の連通部の隙間寸法は
1/100 〜8/100 mm(10〜80μm)とされていることが
好ましい。
【0009】さらに、前記外ピン周囲のキャビティ面に
は、成形品の裏面側に防壁を立設させるための凹部が形
成されていてもよい。また、前記圧縮流体供給手段は、
外ピンの孔から中ピンおよび外ピン先端部間の連通部を
通してキャビティ内に注入される圧縮流体の圧力を、注
入初期は低圧力に制御し、その後高圧力に制御して圧縮
流体の多段圧力制御を行うことができるように構成され
ていることが望ましい。
【0010】
【作用】このような本発明においては、キャビティ内に
溶融樹脂が射出されると、その樹脂の圧力が付勢手段の
付勢力よりも大きいため、中ピンがキャビティから離れ
る方向に移動されて中ピンおよび外ピン先端部間の連通
部が遮断され、外ピンの孔内への樹脂流入は確実に防止
される。
【0011】射出された樹脂が冷却固化しつつ状態にあ
るときに、圧縮流体供給手段によって窒素ガス等の圧縮
流体を外ピンの孔に供給すると、樹脂の固化によって中
ピンに加わっていた樹脂圧力は低下しており、キャビテ
ィ面から離れつつあり、かつ付勢手段の力に加えて圧縮
流体の圧力が加わるため、中ピンはキャビティ側に移動
されて前記連通部が開かれる。そして、この連通部を通
して圧縮流体がキャビティ内の溶融樹脂(成形品)の裏
面側と金型面(キャビティ面)との間に注入されるた
め、キャビティ内の溶融樹脂は、その表面側がキャビテ
ィ内面に押圧された状態で冷却固化され、リブやボスを
有する場合であっても成形品表面側のひけが防止され
る。
【0012】また、中ピンの移動は、射出された樹脂の
圧力や、付勢手段および圧縮流体の圧力を利用して行え
るため、弁棒用の駆動制御装置を設けた場合に比べて金
型構造が簡素化され、その製作も容易となる。
【0013】さらに、圧縮流体の注入によってひけを防
止しているため、キャビティ内に射出される溶融樹脂に
過大な保持圧力を加える必要が無く、低圧力の射出成形
が行えて成形品の反りや歪みも防止されるとともに、生
産性も向上される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例の射出成形装置1の概略構
成図が示されている。射出成形装置1は、スクリュー2
を有して樹脂を溶融混練する射出装置3と、固定金型4
および可動金型5が取り付けられた型締装置6とを備え
ている。
【0015】可動金型5には、突き出し板7を介して押
されてその先端がキャビティ8内に突出することで成形
品を取り出す突き出しピン9が、可動金型5の貫通孔1
0を通して設けられている。また、可動金型5の前記突
き出しピン9が通された貫通孔10の間には、貫通孔2
2が形成され、この貫通孔22には固定ピン30が配置
されている。
【0016】突き出しピン9は、図2にも示すように、
スリーブ状(中空筒状)の外ピン25と、この外ピン2
5の中心軸部に形成された孔26内に嵌挿された中ピン
27とを備えて構成されている。なお、孔26は、外ピ
ン25の全長の約半分の長さに形成され、その一端はキ
ャビティ8内に開口されている。
【0017】固定ピン30は、図3に示すように、突き
出しピン9と同様に、スリーブ状(中空筒状)の外ピン
35と、この外ピン35の中心軸部に形成された孔36
内に嵌挿された中ピン37とを備えて構成されている。
なお、孔36は、外ピン35を貫通して形成され、その
一端はキャビティ8内に開口されている。外ピン35の
基端部側(キャビティ8とは反対側)は、貫通孔22の
形状に合わせて段部35Aが形成されている。
【0018】外ピン25,35の孔26,36のキャビ
ティ8側先端は、キャビティ8側に向かって径が大きく
なるテーパ状の孔とされて弁座26A,36Aを構成し
ている。孔26,36には、弁座26A,36Aに続い
て小径部26B,36Bが形成され、さらに段部26
C,36Cを介して大径部26D,36Dが形成されて
いる。
【0019】一方、中ピン27,37は、前記小径部2
6B,36Bよりも小径に形成され、そのキャビティ8
側の先端部には、図4にも示すように、前記テーパ状の
弁座26A,36Aに嵌合可能なテーパ状の弁体27
A,37Aが形成されている。また、孔26,36の大
径部26D,36Dに位置する中ピン27,37の基端
側には、前記段部26C,36Cに当接して中ピン2
7,37のキャビティ8側への移動を規制するストッパ
片28,38が取り付けられている。ストッパ片28,
38は、図5に示すように、中ピン27,37がキャビ
ティ8側に移動された際に、弁座26A,36Aと弁体
27A,37Aとの隙(外ピン25,35および中ピン
27,37先端部間)に形成される連通部40の寸法B
が1/100 〜8/100 mmとなる位置(中ピン27,37のキ
ャビティ8側の先端が外ピン25,35のキャビティ8
側の先端よりもキャビティ8から離れて凹んだ位置)で
停止されるように設定されている。
【0020】外ピン25,35の孔26,36の大径部
26D,36Dには、図2、3に示すように、中ピン2
7,37を常時キャビティ8側に付勢する付勢手段とし
てのスプリング(コイルばね)29,39が配置されて
いる。このスプリング29,39の付勢力(ばね力)
は、キャビティ8内に充填される樹脂によって中ピン2
7,37に加わる圧力よりも小さくなるように設定され
ている。
【0021】各外ピン25,35の孔26,36には、
ガス供給路11が連通され、このガス供給路11は、図
1に示すようにガス注入制御装置12に接続されてい
る。ガス注入制御装置12は、コンプレッサからの駆動
エアによって駆動されて注入用の窒素ガスを増圧して圧
縮流体とする増圧器13と、射出装置3からの信号によ
って、つまり射出タイミングによって、ガス供給路11
への窒素ガス供給を制御する開閉バルブ14や増圧器1
3の動作を制御する制御装置15を備えている。従っ
て、これらガス供給路11およびガス注入制御装置12
によって圧縮流体供給手段が構成されている。
【0022】開閉バルブ14は、窒素ガスの供給を制御
する供給用電磁バルブ16と、注入した窒素ガスを排気
するための排気用電磁バルブ17と、供給する窒素ガス
の圧力制御用の電磁バルブ18との3つのバルブを備え
ており、これらの各バルブ116,17,18は、前記
制御装置15によって個別に開閉制御されている。
【0023】なお、本実施例のキャビティ8は、図3に
も示すように、2本のリブ91を備える板状の成形品9
0を形成するものであり、可動金型5にはリブ形成用の
2条の凹溝19が形成されている。また、図2に示すよ
うに、可動金型5のキャビティ8内面における凹溝19
の外側には成形品90に防壁92を形成するための断面
三角形状の溝20が凹溝19に沿って形成されている。
なお、溝20の形状としては、断面三角形状のみでな
く、たとえば薄肉リブと同様な断面長方形であってもよ
い。溝20の深さ寸法(防壁92の高さ寸法)は、後述
する窒素ガスの保持能力および使用樹脂の増加量を考慮
して約2〜10mm程度に設定されている。
【0024】また、貫通孔10,22と外ピン25,3
5との間には、ガス供給路11を通して供給される窒素
ガスが貫通孔10,22および外ピン25,35の隙間
からキャビティ8内に流入しないように、その隙間をシ
ールするOリング等のシール材21が設けられている。
【0025】次に、本実施例における射出成形の手順に
ついて説明する。まず、型締装置6を利用して金型4,
5を閉じ、射出装置3により溶融樹脂をキャビティ8内
に所定量射出する。樹脂がキャビティ8内に充填される
にしたがって、前記スプリング29,39の付勢力より
も大きな樹脂圧力が突き出しピン9や固定ピン30の中
ピン27,37に加わるため、中ピン27,37は、図
4に示すように、キャビティ8から離れる方向に移動さ
れ、その弁体27A,37Aは外ピン25,35の弁座
26A,36Aに当接(嵌合)し、弁体27A,37A
および弁座26A,36A間の連通部40が遮断され
る。なお、弁体27A,37Aおよび弁座26A,36
A間の連通部40の隙間は最大でも1/100 〜8/100 mmと
狭くされているので、樹脂射出初期の連通部40が遮断
されていないときでも、外ピン25,35の孔26,3
6内への樹脂流入は防止される。
【0026】溶融樹脂が所定量充填され、充填終了を知
らせる信号が射出装置3からガス注入制御装置12に送
られると、増圧器13が作動されるとともに、供給用バ
ルブ16が開かれてガス供給路11を通して外ピン2
5,35の各孔26,36に窒素ガスが注入される。こ
の際、溶融樹脂は冷却固化されつつあってキャビティ8
との間に隙間が生じ、中ピン27,37に加わっていた
樹脂圧力も低減されるため、図5に示すように、スプリ
ング29,39の付勢力および注入されたガス圧力によ
って中ピン27,37がキャビティ8側に移動され、連
通部40を通して窒素ガスがキャビティ8内の成形品9
0の裏面と可動金型5の内面との間に注入される。
【0027】この際、窒素ガス(圧縮流体)の注入初期
は、圧力制御用バルブ18を開いて窒素ガスの一部を排
気することで圧力が下げられて低圧(例えば増圧器13
における圧力が0.5〜3MPa)とされた窒素ガスを
所定時間(例えば0.2〜3秒)注入し、その後にバル
ブ18を閉じて高圧(例えば3.5〜20MPa)とさ
れた窒素ガスを所定時間(例えば2秒以上)注入するよ
うに、制御装置15で開閉バルブ14が制御されてい
る。
【0028】窒素ガスの注入初期において低圧窒素ガス
を注入すると、可動金型5のキャビティ8内面とこれに
接している成形品90の裏面側との間に窒素ガスが注入
され、成形品90と可動金型5との間に空間が形成され
る。さらに、高圧の窒素ガスを注入すると、この空間に
高圧窒素ガスが充填されて成形品に十分な保持圧力が加
わり、成形品の表面側が固定金型4のキャビティ8内面
に押圧され、ひけ発生が防止される。
【0029】この時、窒素ガスは、図2,3に示すよう
に、凹溝19間(成形品90のリブ91間)や、凹溝1
9および溝20間(成形品90のリブ91および防壁9
2間)に注入されるため、ひけが生じやすいリブ91部
分から窒素ガスが漏れ出すことが無く、リブ91部分へ
の十分な保持圧力が維持される。
【0030】そして、溶融樹脂が冷却固化したら、排気
用バルブ17を開いてキャビティ8内のガスを抜き、金
型4,5を離型するとともに、突き出しピン9を突出さ
せて成形品90を取り出し、射出成形の1つのサイクル
を終了する。以上の成形サイクルを繰り返し、成形品9
0を順次成形する。
【0031】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。キャビティ8内に窒素ガスを注入してガス
保圧を行うにあたって、外ピン25,35の弁座26
A,36Aおよび中ピン27,37の弁体27A,37
Aで開閉される連通部40を通して窒素ガス(圧縮流
体)を注入しているので、溶融樹脂が射出された際に、
連通部40を閉じて遮蔽しておくことができ、溶融樹脂
の外ピン25,35の孔26,36内への流入を確実に
防止でき、樹脂流入によって窒素ガスの流路が塞がれる
ことがなく、ガスを確実にキャビティ8内に注入するこ
とができる。従って、ガス注入(ガス保圧)によって溶
融樹脂をキャビティ8内面に押圧して、溶融樹脂が冷却
固化するまで樹脂表面側とキャビティ8内面との密着状
態を維持することができ、リブ91やボス等を有する成
形品90を成形する場合でもひけを確実に防止すること
ができる。
【0032】中ピン27,37は、スプリング29,3
9およびガス圧力でキャビティ8側に移動されるととも
に、溶融樹脂の圧力でキャビティ8から離れる方向に押
される(後退される)ため、従来の弁棒を用いた場合の
ように、弁棒の駆動機構を設けて制御する必要がなく、
金型構造が簡易になるとともに、射出成形時の制御要因
が少なくなって容易に制御することができる。
【0033】さらに、中ピン27,37のキャビティ8
側の先端を、外ピン25,35の先端よりも後退させて
凹ませているので、射出された樹脂で中ピン27,37
を押してスムーズに後退させることができ、外ピン2
5,35内への樹脂の流入を確実に防止することができ
る。また、樹脂が冷却固化しつつ状態にあるときに、窒
素ガスを注入すると、中ピン27,37には、スプリン
グ29,39の付勢力に加えてガス圧力が加わるため、
中ピン27,37を確実にかつ容易にキャビティ8側に
移動させて連通部40を開くことができ、ガスをキャビ
ティ8内に確実に注入することができる。
【0034】中ピン27,37は、ストッパ片28,3
8によってキャビティ8側への移動が規制されて連通部
40の隙間寸法(クリアランス)Bが最大1/100 〜8/10
0 mmとなるように設定されているので、樹脂注入初期等
の連通部40が開いている場合であっても、溶融樹脂が
連通部40を通して外ピン25,35内に流入すること
を防止できるとともに、窒素ガスのキャビティ8への流
入を妨げることが無く、十分なガスをスムーズに供給す
ることができ、窒素ガスにより保持圧力を高めて成形品
90のひけを確実に防止することができる。
【0035】外ピン25および中ピン27の二重構造の
スリーブピンを用いているので、金型5に対して移動さ
れる突き出しピン9部分にも本実施例を適用して窒素ガ
スを注入できるので、従来のコアーに弁棒を設ける場合
に比べて適用範囲を広くできる。
【0036】可動金型5に凹溝19のほかに溝20を形
成し、成形品90にリブ91のほかに防壁92を形成し
たので、注入したガスをリブ91等のひけが発生しやす
い部分に保持しておくことができ、所定の保持圧力を樹
脂が冷却固化するまで維持することができ、成形品のひ
けを確実に防止することができる。
【0037】キャビティ8内に窒素ガスを注入すること
で成形品90のひけを防止することができるので、従来
のようにひけ防止のために高圧射出成形を行う必要が無
く、ひけの生じない低圧射出成形を実現することができ
る。このため、低圧成形が可能であり、成形サイクルも
早くできるため、成形品90の品質を低下させることな
く生産性を向上することができる。
【0038】さらに、低圧射出成形を行えるため、成形
品90に過大な保持圧力が加わることがなく、反りや歪
みなどの成形歪みの分布を減少でき、成形品90の精度
を向上することができ、高品質の成形品90を成形する
ことができる。
【0039】溶融樹脂を射出した直後の冷却固化の初期
段階つまり窒素ガスの注入初期段階では、圧力制御用バ
ルブ18を開いて窒素ガスの圧力を低圧としているの
で、冷却初期の樹脂表面の固化した層が薄い状態のとき
に、窒素ガスの圧力で固化層が破れてガスが樹脂内部に
潜ってしまうことがなく、ガスが樹脂内部に侵入するこ
とによる強度の低下がない高品質の成形品90を製造す
ることができる。
【0040】圧縮流体として不燃性の窒素ガスを用いて
いるので、キャビティ8内への注入によって膨張したり
加熱されても爆発のおそれがなく、射出成形の安全性を
確保することができる。
【0041】成形品90の裏面側と可動金型5間に窒素
ガスが注入されて隙間が形成されるため、成形品90を
容易に離型することができ、離型不良によるトラブル発
生を防止でき、効率のよい射出成形を行うことができ
る。
【0042】以上、本発明について好適な実施例をあげ
て説明したが、本発明は、この実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の改良並びに設計の変更が可能である。例えば、前記実
施例では、突き出しピン9および固定ピン30をそれぞ
れ外ピン25,35および中ピン27,37で構成して
窒素ガスを供給できるようにしていたが、例えば突き出
しピン9のみ、あるいは固定ピン30のみに本発明を適
用してもよい。特に、突き出しピン9は、金型5に対し
て移動され、窒素ガスを突き出しピン9の外ピン25内
に供給する構造が複雑になるおそれもあるため、突き出
しピン9は従来と同様に構成し、固定ピン30部分のみ
に本発明を適用した方が、金型5の構造がより一層簡易
になって容易にかつ安価に製作することができるととも
に、固定ピン30は突き出しピン9に比べて比較的自由
な位置に設置できるため、リブ等が多数形成された成形
品においても、リブで区画された各所に対応して固定ピ
ン30を配置することで圧縮流体を注入でき、ひけを確
実に防止することができる。
【0043】また、前記実施例では、中ピン27,37
先端を外ピン25,35先端よりも凹ませていたが、中
ピン27,37先端を外ピン25,35先端と同レベル
に揃えたり、中ピン27,37先端を外ピン25,35
先端よりもキャビティ8側に突出させて構成してもよ
い。この場合には、中ピン27,37先端部と外ピン2
5,35先端部との連通部40の隙間寸法Bを1/100 〜
8/100 mmとして樹脂が流入しないように構成することが
好ましい。
【0044】さらに、連通部40の隙間寸法Bは、前記
実施例のように1/100 〜8/100 mmに設定せずに、8/100
mm以上に設定してもよい。このように隙間寸法を大きく
しても、弁座26A,36Aおよび弁体27A,37A
を当接させて連通部40を完全に遮断(シール)するこ
とができるので、樹脂の流入を確実に防止することがで
きる。この際には、特に中ピン27,37先端を外ピン
25,35先端よりも凹ませた方が樹脂流入を確実に防
止できる点で好ましい。
【0045】また、本発明はリブ91を有する成形品9
0の射出成形に限らず、ボスを有する成形品を射出成形
する場合にも用いることができる。この際、ボス部分に
所定圧のガスが保圧されるように、ボスの周囲に防壁を
円周状等に形成することが望ましい。さらに、本発明
は、リブ91、ボスの両方が形成された成形品、リブ9
1、ボスが無い成形品等の各種の合成樹脂成形品を成形
する際にも利用することができる。
【0046】防壁92は必ずしも設ける必要はないが、
設けた方が注入した圧縮流体が漏れることがなく、特に
リブ91がない部分においても保圧効果を長期間維持す
ることができるという利点がある。さらに、圧縮流体と
しては窒素ガスに限らず、圧縮空気等の他のガスを用い
てもよい。但し、圧縮流体は溶融樹脂に接して温度が高
くなるため、窒素ガスのような不燃性のガスを用いた方
が安全性が高いという利点がある。
【0047】注入する圧縮流体の圧力は、前記実施例の
ように2段階制御する場合に限らず、3段階以上あるい
は圧力値が連続的に変化するように制御してもよいし、
さらには圧力値を一定としてもよい。この際の圧力値
は、使用する樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよ
い。さらに、圧力制御の方法としては、前記実施例のよ
うに圧力制御用バルブ18を設けて行う方式に限らず、
減圧弁等を用いた公知の適宜な圧力制御方法を利用して
もよい。
【0048】リブ91やボスが形成される場合には、図
6に示すように、金型5のリブ91用の凹溝19などの
先端部を一部切り欠いて、樹脂を射出充填した際に、成
形品90におけるリブ91やボスの基部に加肉部96が
形成されるようにしてもよい。本発明においては、表面
側のひけが防止される分だけ成形品90の裏面側がひけ
て凹むが、加肉部96を形成すればひけた欠肉分が加肉
部96で補充されて強度低下も防止できる。この際、加
肉部96の樹脂量は、リブ91やボスなどが形成された
部分の中心部に発生する冷却遅れ部97の容積の約20
〜70%にすれば、樹脂量を著しく増加させることな
く、必要な強度を確保することができる。また、加肉部
96は、欠肉分に補充されて無くなるため、成形品90
において加肉部96が目立つことはない。
【0049】また、中ピン27,37の付勢手段として
は、スプリング29,39に限らず、圧縮流体などの他
の付勢手段等を用いてもよい。但し、スプリング29,
39を用いた方が、構造が簡易で安価に提供できる利点
がある。また、本発明は、前記実施例の成形品90を製
造する場合に限らず、例えばコピー装置の紙供給部品等
に利用される格子状に多数のリブが形成された板部材
や、自動車のドアハンドルカバー等の各種の合成樹脂成
形品の製造に利用することができる。
【0050】
【発明の効果】このような本発明によれば、金型構造を
簡単にできて金型を容易に製作できるとともに、リブや
ボス等を有する合成樹脂射出成形品のひけを防止でき、
成形品の反りや歪みも無くすことができて高精度に成形
することができ、さらに樹脂流入を確実に防止できて樹
脂の詰まりを防ぐことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】前記実施例の金型の突き出しピン部分を示す拡
大断面図である。
【図3】前記実施例の金型の固定ピン部分を示す拡大断
面図である。
【図4】前記実施例の連通部の遮断状態を示す拡大断面
図である。
【図5】前記実施例の連通部の開放状態を示す拡大断面
図である。
【図6】本発明の変形例の要部を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 射出成形装置 4 固定金型 5 可動金型 8 キャビティ 9 突き出しピン 10 貫通孔 11 ガス供給路 12 ガス注入制御装置 13 増圧器 14 開閉バルブ 15 制御装置 19 凹溝 20 溝 22 貫通孔 30 固定ピン 25,35 外ピン 26,36 孔 26A,36A 弁座 27,37 中ピン 27A,37A 弁体 28,38 ストッパ片 29,39 スプリング 40 連通部 90 成形品 91 リブ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−75247(JP,A) 特開 昭59−136229(JP,A) 特開 平6−87143(JP,A) 特開 昭59−127740(JP,A) 特開 平6−55563(JP,A) 特開 平5−177668(JP,A) 実開 平4−54815(JP,U) 実開 平4−47518(JP,U) 欧州特許出願公開593308(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂成形品を成形する射出成形装置
    において、金型のキャビティ内に開口された孔が中心軸
    部に形成された外ピンと、この外ピンの孔内に配置され
    た中ピンと、この中ピンを前記外ピンに対してキャビテ
    ィ側に付勢する付勢手段と、前記外ピンの孔に圧縮流体
    を供給する圧縮流体供給手段とを備えるとともに、 前記外ピンおよび中ピンのキャビティ側先端部は、外ピ
    ンに対して中ピンがキャビティ側に移動されると外ピン
    の孔とキャビティ内とを連通状態とし、外ピンに対して
    中ピンがキャビティから離れる方向に移動されると外ピ
    ンの孔とキャビティ内とを遮断状態とする弁構造とさ
    れ、かつ前記付勢手段による付勢力はキャビティ内に射
    出された樹脂によって中ピンに加わる圧力よりも小さく
    設定され、 前記圧縮流体供給手段は、キャビティ内に溶融樹脂を射
    出した後、その溶融樹脂が冷却固化されつつあるときに
    前記外ピンの孔に圧縮流体を供給して圧縮流体を溶融樹
    脂とキャビティ面との間に注入するように構成されてい
    ることを特徴とする合成樹脂成形品の射出成形装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の合成樹脂成形品の射出
    成形装置において、前記中ピンは、そのキャビティ側先
    端が外ピンの先端よりも常時凹んだ位置にあるように、
    キャビティ側への移動が規制されていることを特徴とす
    る合成樹脂成形品の射出成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の合成樹脂成形品
    の射出成形装置において、前記中ピンがキャビティ側に
    移動されて外ピンの孔およびキャビティ内とが連通され
    た時に、中ピン先端部および外ピン先端部間の連通部の
    隙間寸法が1/100〜8/100mmに設定されてい
    ることを特徴とする合成樹脂成形品の射出成形装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2,3のいずれかに記載の合
    成樹脂成形品の射出成形装置において、前記外ピン周囲
    のキャビティ面には、成形品の裏面側に防壁を立設させ
    るための凹部が形成されていることを特徴とする合成樹
    脂成形品の射出成形装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3,4のいずれかに記載
    の合成樹脂成形品の射出成形装置において、前記圧縮流
    体供給手段は、外ピンの孔から中ピンおよび外ピン先端
    部間の連通部を通してキャビティ内に注入される圧縮流
    体の圧力を、注入初期は低圧力に制御し、その後高圧力
    に制御するように構成されていることを特徴とする合成
    樹脂成形品の射出成形装置。
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