JP3346024B2 - 帯電防止性透明樹脂成形品 - Google Patents
帯電防止性透明樹脂成形品Info
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- JP3346024B2 JP3346024B2 JP07165694A JP7165694A JP3346024B2 JP 3346024 B2 JP3346024 B2 JP 3346024B2 JP 07165694 A JP07165694 A JP 07165694A JP 7165694 A JP7165694 A JP 7165694A JP 3346024 B2 JP3346024 B2 JP 3346024B2
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- thermoplastic resin
- antistatic
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- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノルボルナン骨格を有
する熱可塑性樹脂の成形品で、優れた帯電防止性を有す
る透明樹脂成形品に関する。
する熱可塑性樹脂の成形品で、優れた帯電防止性を有す
る透明樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂
は、熱安定性に優れており、従来のメタクリル樹脂に較
べてはるかに高い耐熱性を有するほか、高い透明性を有
し、吸水率は低く、また軽量であるなど、レンズ、光デ
ィスクなどの光学用途や、一般成形品用途においても非
常に優れた性質を持っている。しかしながら、この樹脂
は、用途によっては帯電防止性がやや劣るという欠点を
有している。例えば、レンズでは、外部環境に直接接す
る部分で使用する場合、帯電防止性が低い、すなわち、
成形品の表面抵抗率が高いため、ほこりが付き易く、レ
ンズ性能を低下させる他、ふき取りの必要性から作業効
率を低下させている。また、OHP用フィルムでは、フ
ィルム間が静電気により密着してしまい、使用時には1
枚1枚をはがすなどの手間がかかり、表面抵抗率を下
げ、帯電防止性を向上させた、滑り易い高透明性を有す
るOHP用フィルムのニーズが高まっている。従来で
は、これらの他、各種用途に要求される帯電防止性能に
応えるために、脂肪族スルホン酸の金属塩を改質剤とし
て熱可塑性樹脂に内部練り込みとして添加していたが
(特開平4−65450)、高い要求性能に応えるため
には改質剤の量を増加せねばらなず、その結果白濁し、
該熱可塑性樹脂の特徴の一つである高透明性をいっする
という欠点があった。
は、熱安定性に優れており、従来のメタクリル樹脂に較
べてはるかに高い耐熱性を有するほか、高い透明性を有
し、吸水率は低く、また軽量であるなど、レンズ、光デ
ィスクなどの光学用途や、一般成形品用途においても非
常に優れた性質を持っている。しかしながら、この樹脂
は、用途によっては帯電防止性がやや劣るという欠点を
有している。例えば、レンズでは、外部環境に直接接す
る部分で使用する場合、帯電防止性が低い、すなわち、
成形品の表面抵抗率が高いため、ほこりが付き易く、レ
ンズ性能を低下させる他、ふき取りの必要性から作業効
率を低下させている。また、OHP用フィルムでは、フ
ィルム間が静電気により密着してしまい、使用時には1
枚1枚をはがすなどの手間がかかり、表面抵抗率を下
げ、帯電防止性を向上させた、滑り易い高透明性を有す
るOHP用フィルムのニーズが高まっている。従来で
は、これらの他、各種用途に要求される帯電防止性能に
応えるために、脂肪族スルホン酸の金属塩を改質剤とし
て熱可塑性樹脂に内部練り込みとして添加していたが
(特開平4−65450)、高い要求性能に応えるため
には改質剤の量を増加せねばらなず、その結果白濁し、
該熱可塑性樹脂の特徴の一つである高透明性をいっする
という欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術の課題を背景になされたもので、ノルボルナン骨格
を有する熱可塑性樹脂で、帯電防止性の改善された透明
な成形品を提供することを目的とする。
技術の課題を背景になされたもので、ノルボルナン骨格
を有する熱可塑性樹脂で、帯電防止性の改善された透明
な成形品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノルボルナン
骨格を有する熱可塑性樹脂の成形品において、内部およ
び/または表面に非イオン系帯電防止剤からなる帯電防
止剤(以下「帯電防止剤」という)を該熱可塑性樹脂1
00重量部に対し、内部練り込みの場合は0.05〜1
0重量部、表面塗付の場合は0.05〜30重量部有
し、全光線透過率が85%以上の帯電防止透明樹脂成形
品を提供するものである。
骨格を有する熱可塑性樹脂の成形品において、内部およ
び/または表面に非イオン系帯電防止剤からなる帯電防
止剤(以下「帯電防止剤」という)を該熱可塑性樹脂1
00重量部に対し、内部練り込みの場合は0.05〜1
0重量部、表面塗付の場合は0.05〜30重量部有
し、全光線透過率が85%以上の帯電防止透明樹脂成形
品を提供するものである。
【0005】本発明における、帯電防止剤の使用方法と
しては、溶融混練りなどにより内部練り込み方法や、液
体状帯電防止剤では、そのままか、あるいは他の液体に
より希釈し、固体状帯電防止剤では、溶液にして成形品
表面に塗付する方法が挙げられる。例えば、内部練り込
みでは、単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリー
ミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの混合機を
用い、該熱可塑性樹脂と帯電防止剤とを溶融混練りする
方法や、射出成形機や押し出し成形機などを用いて成形
する時に、該熱可塑性樹脂に帯電防止剤を添加して成形
品を得る方法などが挙げられる。また、表面への塗付で
は、例えば液体状の帯電防止剤はそのままか、あるいは
ぬれ性の改良や成形品表面での帯電防止剤層の薄膜化の
ために、水や各種溶剤で希釈したものを、また固体状の
帯電防止剤は水や各種溶剤を用いて溶液化したものを用
いる。これらの帯電防止剤液(または溶液)をミスト状
にして、成形品に吹き付け塗付する方法や、成形品に帯
電防止剤液(または溶液)を直接接触させて塗付する方
法などが挙げられる。
しては、溶融混練りなどにより内部練り込み方法や、液
体状帯電防止剤では、そのままか、あるいは他の液体に
より希釈し、固体状帯電防止剤では、溶液にして成形品
表面に塗付する方法が挙げられる。例えば、内部練り込
みでは、単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリー
ミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの混合機を
用い、該熱可塑性樹脂と帯電防止剤とを溶融混練りする
方法や、射出成形機や押し出し成形機などを用いて成形
する時に、該熱可塑性樹脂に帯電防止剤を添加して成形
品を得る方法などが挙げられる。また、表面への塗付で
は、例えば液体状の帯電防止剤はそのままか、あるいは
ぬれ性の改良や成形品表面での帯電防止剤層の薄膜化の
ために、水や各種溶剤で希釈したものを、また固体状の
帯電防止剤は水や各種溶剤を用いて溶液化したものを用
いる。これらの帯電防止剤液(または溶液)をミスト状
にして、成形品に吹き付け塗付する方法や、成形品に帯
電防止剤液(または溶液)を直接接触させて塗付する方
法などが挙げられる。
【0006】ここで使用できる帯電防止剤の溶剤として
は、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの
アルコール系、溶剤、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエー
テルなどのセロソルブ系溶剤、酢酸エチルなどのエステ
ル系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系
溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、ヘ
キサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤などが挙
げられるが、塗付後に得られる帯電防止性の成形品が透
明性を有するために、使用する帯電防止剤を良好に溶解
する必要がある。これらの帯電防止剤の使用方法は、目
的の帯電防止性能や操作性によって使い分けられる。内
部練り込み方法は、成形品とした時に、徐々に帯電防止
剤が成形表面に移行してくるため、帯電防止能を継続的
に維持することができるので好ましい。また、予め高濃
度に帯電防止剤を内部に添加した、いわゆるマスターバ
ッチペレットを作成し、帯電防止剤を添加しない樹脂と
種々の割合で混合し成形することで、容易に任意の帯電
防止性能を得ることもできる。一方、塗付け方法では、
塗付け直後より成形品表面に帯電防止剤が存在するた
め、帯電防止能を直ちに得ることができるので好まし
い。しかし、塗付け方法では、経時的に帯電防止能が低
下することもあるので、帯電防止能を持続させる必要の
ある用途には好ましくない。
は、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの
アルコール系、溶剤、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエー
テルなどのセロソルブ系溶剤、酢酸エチルなどのエステ
ル系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系
溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、ヘ
キサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤などが挙
げられるが、塗付後に得られる帯電防止性の成形品が透
明性を有するために、使用する帯電防止剤を良好に溶解
する必要がある。これらの帯電防止剤の使用方法は、目
的の帯電防止性能や操作性によって使い分けられる。内
部練り込み方法は、成形品とした時に、徐々に帯電防止
剤が成形表面に移行してくるため、帯電防止能を継続的
に維持することができるので好ましい。また、予め高濃
度に帯電防止剤を内部に添加した、いわゆるマスターバ
ッチペレットを作成し、帯電防止剤を添加しない樹脂と
種々の割合で混合し成形することで、容易に任意の帯電
防止性能を得ることもできる。一方、塗付け方法では、
塗付け直後より成形品表面に帯電防止剤が存在するた
め、帯電防止能を直ちに得ることができるので好まし
い。しかし、塗付け方法では、経時的に帯電防止能が低
下することもあるので、帯電防止能を持続させる必要の
ある用途には好ましくない。
【0007】内部練り込み方法においては、帯電防止剤
は熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜10重
量部、好ましくは0.5〜3重量部添加する。帯電防止
剤の量が0.05重量部未満では、目的の帯電防止能を
発揮することができず、また、10重量部を超える場合
では、成形品にした時に透明性が著しく低下する。ま
た、塗付け方法においては、水または各種溶剤100重
量部に対して、帯電防止剤を0.05〜30重量部、好
ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5
〜5重量部添加した帯電防止溶液を用いる。本方法で、
帯電防止剤の量が0.05重量部未満では、帯電防止剤
溶液を塗付けし、乾燥した成形品表面に充分な帯電防止
剤が均一に溶解することが困難になり、また、均一に溶
解したものでも粘度が高いなどの理由で操作性が低下す
る。これらの方法のうち、帯電防止性能を速効的かつ経
時的に得るためには、内部練り込み方法と塗付け方法が
好ましい。
は熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜10重
量部、好ましくは0.5〜3重量部添加する。帯電防止
剤の量が0.05重量部未満では、目的の帯電防止能を
発揮することができず、また、10重量部を超える場合
では、成形品にした時に透明性が著しく低下する。ま
た、塗付け方法においては、水または各種溶剤100重
量部に対して、帯電防止剤を0.05〜30重量部、好
ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5
〜5重量部添加した帯電防止溶液を用いる。本方法で、
帯電防止剤の量が0.05重量部未満では、帯電防止剤
溶液を塗付けし、乾燥した成形品表面に充分な帯電防止
剤が均一に溶解することが困難になり、また、均一に溶
解したものでも粘度が高いなどの理由で操作性が低下す
る。これらの方法のうち、帯電防止性能を速効的かつ経
時的に得るためには、内部練り込み方法と塗付け方法が
好ましい。
【0008】本発明において、使用される非イオン系帯
電防止剤としては、例えば、ステアリン酸モノグリセラ
イド、パルミチン酸モノグリセライド、オレイン酸モノ
グリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、カプリル
酸モノグリセライドなどのグリセリン脂族酸エステル、
ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレン
グリコールモノステアレート、ポリエチレングリコール
モノオレート、ポリエチレングリコールジステアレート
などのポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙
げられる。
電防止剤としては、例えば、ステアリン酸モノグリセラ
イド、パルミチン酸モノグリセライド、オレイン酸モノ
グリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、カプリル
酸モノグリセライドなどのグリセリン脂族酸エステル、
ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレン
グリコールモノステアレート、ポリエチレングリコール
モノオレート、ポリエチレングリコールジステアレート
などのポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙
げられる。
【0009】なお、非イオン帯電防止剤とともに、デカ
ンスルホン酸ナトリウム、インデカンスルホン酸ナトリ
ウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、トリデンカンス
ルホン酸ナトリウム、テトラデカンスルホン酸ナトリウ
ム、ペンタデンカンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデカ
ンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデンカンスルホン酸ナ
トリウム、オクタデカンスルホン酸ナトリウム、ノナデ
カンスルホン酸ナトリウム、ヘエイコサンスルホン酸ナ
トリウム、デカンスルホン酸カリウム、ウンデカンスル
ホン酸カリウム、ドデカンスルホン酸カリウム、トリデ
カンスルホン酸カリウム、テトラデカンスルホン酸カリ
ウム、ペンタデカンスルホン酸カリウム、ヘキサデカン
スルホン酸カリウム、ヘプタデカンスルホン酸カリウ
ム、オクタデカンスルホン酸カリウム、ノナデカンスル
ホン酸カリウム、ヘエイコサンデカスルホン酸カリウム
などのアルキルスルホン酸塩、デシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ヘプタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
オクタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェートなど
のアニオン系帯電防止剤、ラウリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムク
ロライドなどのテトラアルキルアンモニウム塩などのカ
チオン系帯電防止剤、ラウリルベタイン、ステアリルベ
タインなどの両性系帯電防止剤を併用してもよい。
ンスルホン酸ナトリウム、インデカンスルホン酸ナトリ
ウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、トリデンカンス
ルホン酸ナトリウム、テトラデカンスルホン酸ナトリウ
ム、ペンタデンカンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデカ
ンスルホン酸ナトリウム、ヘプタデンカンスルホン酸ナ
トリウム、オクタデカンスルホン酸ナトリウム、ノナデ
カンスルホン酸ナトリウム、ヘエイコサンスルホン酸ナ
トリウム、デカンスルホン酸カリウム、ウンデカンスル
ホン酸カリウム、ドデカンスルホン酸カリウム、トリデ
カンスルホン酸カリウム、テトラデカンスルホン酸カリ
ウム、ペンタデカンスルホン酸カリウム、ヘキサデカン
スルホン酸カリウム、ヘプタデカンスルホン酸カリウ
ム、オクタデカンスルホン酸カリウム、ノナデカンスル
ホン酸カリウム、ヘエイコサンデカスルホン酸カリウム
などのアルキルスルホン酸塩、デシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ヘプタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
オクタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェートなど
のアニオン系帯電防止剤、ラウリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムク
ロライドなどのテトラアルキルアンモニウム塩などのカ
チオン系帯電防止剤、ラウリルベタイン、ステアリルベ
タインなどの両性系帯電防止剤を併用してもよい。
【0010】本発明のノルボルナン骨格を有する熱可塑
性樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有
するものである。例えば、この熱可塑性樹脂としては、
一般式(I)〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を
含むものである。
性樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有
するものである。例えば、この熱可塑性樹脂としては、
一般式(I)〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を
含むものである。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】(式中、A、B、CおよびDは、水素原子
または1価の有機基を示す。)本発明で使用されるノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂は、十分な膜強度を
得るために、その重量平均分子量は、5,000〜10
0万、好ましくは8,000〜20万である。本発明に
おいて使用することのできるノルボルナン骨格を有する
熱可塑性樹脂としては、例えば特開昭60−16870
8号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭6
2−252407号公報、特開昭63−145324号
公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−2
40517号公報、特開平2−133413号公報、特
公昭57−8815号公報などに記載されている樹脂な
どを挙げることができる。この熱可塑性樹脂の具体例と
しては、下記一般式(V)で表される少なくとも1種の
テトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロドデ
センと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重
合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合
体を挙げることができる。
または1価の有機基を示す。)本発明で使用されるノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂は、十分な膜強度を
得るために、その重量平均分子量は、5,000〜10
0万、好ましくは8,000〜20万である。本発明に
おいて使用することのできるノルボルナン骨格を有する
熱可塑性樹脂としては、例えば特開昭60−16870
8号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭6
2−252407号公報、特開昭63−145324号
公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−2
40517号公報、特開平2−133413号公報、特
公昭57−8815号公報などに記載されている樹脂な
どを挙げることができる。この熱可塑性樹脂の具体例と
しては、下記一般式(V)で表される少なくとも1種の
テトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロドデ
センと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重
合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合
体を挙げることができる。
【0016】
【化5】
【0017】(式中、A〜Dは、前記に同じ。)前記一
般式(V)で表されるテトラシクロドデセン誘導体にお
いて、A、B、CおよびDのうちに極性基を含むこと
が、加工性の点から好ましい。さらに、この極性基が−
(CH2 )n COOR1 (ここで、R1 は炭素数1〜2
0の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す)で表され
るカルボン酸エステル基であることが、得られる水添重
合体が高いガラス転移温度を有するものとなるので好ま
しい。特に、このカルボン酸エステル基よりなる極性置
換基は、一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体の
1分子あたりに1個含有されることが、吸湿性を低下さ
せる点で好ましい。前記一般式において、R1 は炭素数
1〜20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど
得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好まし
いが、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバラン
スの点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素
数5以上の(多)環状アルキル基であることが好まし
く、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基である
ことが好ましい。さらに、カルボン酸エステル基が結合
した炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が
置換基として結合されている一般式(V)のテトラシク
ロドデセン誘導体は、得られる重合体のガラス転移温度
を低下させずに吸湿性を低下させるので好ましい。特
に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容
易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ(4.4.0.12.5 1
7.10)ドデカ−8−エンが好ましい。これらのテトラシ
クロドデセン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽
和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520
号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記
載された方法によって、メタセシス重合、水素添加さ
れ、本発明に使用される熱可塑性樹脂とすることができ
る。
般式(V)で表されるテトラシクロドデセン誘導体にお
いて、A、B、CおよびDのうちに極性基を含むこと
が、加工性の点から好ましい。さらに、この極性基が−
(CH2 )n COOR1 (ここで、R1 は炭素数1〜2
0の炭化水素基、nは0〜10の整数を示す)で表され
るカルボン酸エステル基であることが、得られる水添重
合体が高いガラス転移温度を有するものとなるので好ま
しい。特に、このカルボン酸エステル基よりなる極性置
換基は、一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体の
1分子あたりに1個含有されることが、吸湿性を低下さ
せる点で好ましい。前記一般式において、R1 は炭素数
1〜20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど
得られる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好まし
いが、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバラン
スの点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素
数5以上の(多)環状アルキル基であることが好まし
く、特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基である
ことが好ましい。さらに、カルボン酸エステル基が結合
した炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が
置換基として結合されている一般式(V)のテトラシク
ロドデセン誘導体は、得られる重合体のガラス転移温度
を低下させずに吸湿性を低下させるので好ましい。特
に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容
易な点で好ましい。具体的には、8−メチル−8−メト
キシカルボニルテトラシクロ(4.4.0.12.5 1
7.10)ドデカ−8−エンが好ましい。これらのテトラシ
クロドデセン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽
和環状化合物の混合物は、例えば特開平4−77520
号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記
載された方法によって、メタセシス重合、水素添加さ
れ、本発明に使用される熱可塑性樹脂とすることができ
る。
【0018】本発明において、熱可塑性樹脂として使用
される前記水添重合体は、クロロホルム中、30℃で測
定される固有粘度(ηinh )が、0.35〜0.55d
l/g、好ましくは0.40〜0.46dl/gであ
る。固有粘度(ηinh )が0.35dl/g未満では、
機械的特性に劣り、耐衝撃性が低下し、一方0.55d
l/gを超えると粘度が高すぎるため、加工、成形する
ことが難しい。また、水添重合体の水素添加率は、60
MHz、1H−NMRで測定した値が50%以上、好ま
しくは90%以上、さらに好ましくは98%以上であ
る。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優
れる。なお、本発明の熱可塑性樹脂として使用される水
添重合体は、該水添重合体中に含まれるゲル含有量が5
重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下
であることが特に好ましい。本発明に使用されるノルボ
ルナン骨格を有する熱可塑性樹脂には、必要に応じてそ
の耐候性および耐光性を向上させるために、例えばベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、
シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤をはじめ、ヒ
ンダードアミン系、ニッケル錯塩系、ベンゾエート系な
どの紫外線安定剤を配合することができる。また、酸化
防止剤、黄変防止剤、内部離型剤、レベリング剤などの
いわゆる添加剤を加えることも可能である。また、本発
明に使用されるノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂
には、その特徴である透明性を阻害しない範囲内で、ゴ
ム室重合体および/または前記ノルボルナン骨格を有す
る熱可塑性樹脂成以外の熱可塑性樹脂などを添加しても
よい。
される前記水添重合体は、クロロホルム中、30℃で測
定される固有粘度(ηinh )が、0.35〜0.55d
l/g、好ましくは0.40〜0.46dl/gであ
る。固有粘度(ηinh )が0.35dl/g未満では、
機械的特性に劣り、耐衝撃性が低下し、一方0.55d
l/gを超えると粘度が高すぎるため、加工、成形する
ことが難しい。また、水添重合体の水素添加率は、60
MHz、1H−NMRで測定した値が50%以上、好ま
しくは90%以上、さらに好ましくは98%以上であ
る。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優
れる。なお、本発明の熱可塑性樹脂として使用される水
添重合体は、該水添重合体中に含まれるゲル含有量が5
重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下
であることが特に好ましい。本発明に使用されるノルボ
ルナン骨格を有する熱可塑性樹脂には、必要に応じてそ
の耐候性および耐光性を向上させるために、例えばベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、
シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤をはじめ、ヒ
ンダードアミン系、ニッケル錯塩系、ベンゾエート系な
どの紫外線安定剤を配合することができる。また、酸化
防止剤、黄変防止剤、内部離型剤、レベリング剤などの
いわゆる添加剤を加えることも可能である。また、本発
明に使用されるノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂
には、その特徴である透明性を阻害しない範囲内で、ゴ
ム室重合体および/または前記ノルボルナン骨格を有す
る熱可塑性樹脂成以外の熱可塑性樹脂などを添加しても
よい。
【0019】本発明のノルボルナン骨格を有する熱可塑
性樹脂の成形品は、公知の方法によって得ることができ
る。例えば、熱可塑性樹脂と帯電防止剤とを混合したも
のを、レンズや平板などの金型を取り付けた射出成形機
で220〜360℃で射出成形する方法や、一軸押し出
し機を用いて220〜360℃でフィルム成形する方法
などである。さらに、この成形品に帯電防止剤を塗付し
てもよい。また、該熱可塑性樹脂のみを使い、上記の方
法により成形品を得ることも可能である。こうして得
た、内部および/または表面に帯電防止剤を有するノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂の成形品の全光線透
過率は85%以上、好ましくは90%以上とする。例え
ば、熱可塑性樹脂に帯電防止剤を0.5重量部、内部練
り込み方法で添加し、射出成形して得た1mm厚の成形
板の全光線透過率が85%以上であることを表し、ま
た、押し出し成形により得た該熱可塑性樹脂の0.1m
m厚フィルムに、1重量%の帯電防止剤水溶液を塗付し
120℃で乾燥したフィルムの全光線透過率が85%以
上である、等が挙げられる。上記の方法によって得られ
る帯電防止性透明樹脂成形品の帯電防止性能の指標は、
表面抵抗率[Ω/□]で108〜1013オーダーを示す
ことである。表面抵抗率が1012〜1013オーダーで
は、ほこり付着防止効果が得られ、1010〜1012オー
ダーでは、さらに摩擦などによる静電気発生条件での帯
電防止効果が得られ、108〜109オーダーでは帯電を
防止することができ、例えば、ICの包装材料として用
いることができる。
性樹脂の成形品は、公知の方法によって得ることができ
る。例えば、熱可塑性樹脂と帯電防止剤とを混合したも
のを、レンズや平板などの金型を取り付けた射出成形機
で220〜360℃で射出成形する方法や、一軸押し出
し機を用いて220〜360℃でフィルム成形する方法
などである。さらに、この成形品に帯電防止剤を塗付し
てもよい。また、該熱可塑性樹脂のみを使い、上記の方
法により成形品を得ることも可能である。こうして得
た、内部および/または表面に帯電防止剤を有するノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂の成形品の全光線透
過率は85%以上、好ましくは90%以上とする。例え
ば、熱可塑性樹脂に帯電防止剤を0.5重量部、内部練
り込み方法で添加し、射出成形して得た1mm厚の成形
板の全光線透過率が85%以上であることを表し、ま
た、押し出し成形により得た該熱可塑性樹脂の0.1m
m厚フィルムに、1重量%の帯電防止剤水溶液を塗付し
120℃で乾燥したフィルムの全光線透過率が85%以
上である、等が挙げられる。上記の方法によって得られ
る帯電防止性透明樹脂成形品の帯電防止性能の指標は、
表面抵抗率[Ω/□]で108〜1013オーダーを示す
ことである。表面抵抗率が1012〜1013オーダーで
は、ほこり付着防止効果が得られ、1010〜1012オー
ダーでは、さらに摩擦などによる静電気発生条件での帯
電防止効果が得られ、108〜109オーダーでは帯電を
防止することができ、例えば、ICの包装材料として用
いることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
いかぎり重量基準である。なお、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。 <固有粘度(ηinh )>溶媒にクロロホルムを使用し、
0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベロ
ーデ粘度計にて測定した。 <水添率>水添単独重合体の場合には、60MHz、 1
H−NMRを測定した。 <ガラス転移温度>走査熱量計(DSC)により、チッ
素雰囲気下において、10℃/分の昇温速度で測定し
た。 <表面抵抗率(Ω/□)>JIS K6911に準じ
て、フィルムまたは成形板試料に印加し、印加後、1分
間経過したときの表面抵抗率を測定した。 <全光線透過率(%)>JIS K7105に準じて、
フィルムまたは成形板試料について測定した。 <透明性評価>成形品の下に12ポイントのゴシック文
字の印刷物を置き、成形品の上から観察して文字の読み
取り易さを1〜5の5段階で評価した。1はまったく読
み取れず、5は読み取り良好を表わす。
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
いかぎり重量基準である。なお、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。 <固有粘度(ηinh )>溶媒にクロロホルムを使用し、
0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベロ
ーデ粘度計にて測定した。 <水添率>水添単独重合体の場合には、60MHz、 1
H−NMRを測定した。 <ガラス転移温度>走査熱量計(DSC)により、チッ
素雰囲気下において、10℃/分の昇温速度で測定し
た。 <表面抵抗率(Ω/□)>JIS K6911に準じ
て、フィルムまたは成形板試料に印加し、印加後、1分
間経過したときの表面抵抗率を測定した。 <全光線透過率(%)>JIS K7105に準じて、
フィルムまたは成形板試料について測定した。 <透明性評価>成形品の下に12ポイントのゴシック文
字の印刷物を置き、成形品の上から観察して文字の読み
取り易さを1〜5の5段階で評価した。1はまったく読
み取れず、5は読み取り良好を表わす。
【0021】参考例1 8−メチル−8メトキシカルボニルテトラシクロ(4.
4.0.12.5 .17.10)ドデカ−3−エン100g、
1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサン24
0g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミニウム
クロライド0.96モル/lのトルエン溶液3.4ml
を、内容積1リットルのオートクレーブに加えた。一
方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.05モ
ル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液20mlとパラ
アルデヒドの0.1モル/1の1,2−ジメトキシエタ
ン溶液10mlを混合した。この混合容器液4.9ml
を、前記オートクレーブ中の混合物に添加した。密栓
後、混合物を80℃に加熱して3時間撹拌を行なった。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシ
クロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重
合体/溶媒が1/10(重量比)にした後、トリエタノ
ールアミン20gを加えて10分間撹拌した。この重合
溶液に、メタノール500gを加えて30分間撹拌して
静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノール
を加えて撹拌、静置後、上層を除いた。同様の操作をさ
らに2回行ない、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を
得た。この溶液に20gのパラジウム/シリカマグネシ
ア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5%]を加え
て、オートクレーブ中で水素圧40kg/cm2 として
165℃で4時間反応させた後、水添触媒をろ過によっ
て取り除き、水添重合体溶液を得た。また、この水添重
合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリチル−テ
トラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体に対し
て0.1%加えてから、380℃で減圧下に脱溶媒を行
なった。次いで、溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押
し出し機によりペレット化し、固有粘度0.5dl/g
(30℃、クロロホルム中)、水添率99.5%、ガラ
ス転移温度168℃の熱可塑性樹脂(A)を得た。
4.0.12.5 .17.10)ドデカ−3−エン100g、
1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサン24
0g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミニウム
クロライド0.96モル/lのトルエン溶液3.4ml
を、内容積1リットルのオートクレーブに加えた。一
方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.05モ
ル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液20mlとパラ
アルデヒドの0.1モル/1の1,2−ジメトキシエタ
ン溶液10mlを混合した。この混合容器液4.9ml
を、前記オートクレーブ中の混合物に添加した。密栓
後、混合物を80℃に加熱して3時間撹拌を行なった。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシ
クロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重
合体/溶媒が1/10(重量比)にした後、トリエタノ
ールアミン20gを加えて10分間撹拌した。この重合
溶液に、メタノール500gを加えて30分間撹拌して
静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノール
を加えて撹拌、静置後、上層を除いた。同様の操作をさ
らに2回行ない、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を
得た。この溶液に20gのパラジウム/シリカマグネシ
ア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5%]を加え
て、オートクレーブ中で水素圧40kg/cm2 として
165℃で4時間反応させた後、水添触媒をろ過によっ
て取り除き、水添重合体溶液を得た。また、この水添重
合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリチル−テ
トラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体に対し
て0.1%加えてから、380℃で減圧下に脱溶媒を行
なった。次いで、溶融した樹脂を、チッ素雰囲気下で押
し出し機によりペレット化し、固有粘度0.5dl/g
(30℃、クロロホルム中)、水添率99.5%、ガラ
ス転移温度168℃の熱可塑性樹脂(A)を得た。
【0022】参考例2 6−エチリデン−2−テトラシクロドデセンを、参考例
1と同様にメタセシス開環重合した後水添しペレット化
して、固有粘度0.45dl/g(30℃、クロロホル
ム中)、水添率99%、ガラス転移温度140℃の熱可
塑性樹脂(B)を得た。
1と同様にメタセシス開環重合した後水添しペレット化
して、固有粘度0.45dl/g(30℃、クロロホル
ム中)、水添率99%、ガラス転移温度140℃の熱可
塑性樹脂(B)を得た。
【0023】参考例3 エチレン55モル%と2−メチル1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン45モル%とを付加重合しペレット化し
て、固有粘度0.64dl/g(35℃、デカリン
中)、ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂(C)を
得た。
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン45モル%とを付加重合しペレット化し
て、固有粘度0.64dl/g(35℃、デカリン
中)、ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂(C)を
得た。
【0024】本実施例で用いた各種帯電防止剤を以下に
示す。 (1)アニオン系帯電防止剤のアルキルスルホン酸ナト
リウム[三洋化成工業株式会社製 ケミスタット303
3] (2)アニオン系帯電防止剤のアルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム[三洋化成工業株式会社製 ケミスタッ
ト3100] (3)非イオン系帯電防止剤のステアリン酸モノグリセ
ライド[理研ビタミン株式会社製 リケマールS−10
0A] (4)非イオン系帯電防止剤[ライオン株式会社製 レ
オスタットP−100] (5)非イオン系帯電防止剤のポリエチレングリコール
[三洋化成工業株式会社製 PEG4000S]
示す。 (1)アニオン系帯電防止剤のアルキルスルホン酸ナト
リウム[三洋化成工業株式会社製 ケミスタット303
3] (2)アニオン系帯電防止剤のアルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム[三洋化成工業株式会社製 ケミスタッ
ト3100] (3)非イオン系帯電防止剤のステアリン酸モノグリセ
ライド[理研ビタミン株式会社製 リケマールS−10
0A] (4)非イオン系帯電防止剤[ライオン株式会社製 レ
オスタットP−100] (5)非イオン系帯電防止剤のポリエチレングリコール
[三洋化成工業株式会社製 PEG4000S]
【0025】実施例2 熱可塑性樹脂(A)100部に対し、帯電防止剤(2)
を0.5部添加し、実施例1と同様にペレットを作成
し、シート状成形品を得た。この成形品表面に、帯電防
止剤(5)の10%水溶液を塗付し、110℃の恒温槽
を用いてシート表面の余分な水分を乾燥し、試験片とし
た。
を0.5部添加し、実施例1と同様にペレットを作成
し、シート状成形品を得た。この成形品表面に、帯電防
止剤(5)の10%水溶液を塗付し、110℃の恒温槽
を用いてシート表面の余分な水分を乾燥し、試験片とし
た。
【0026】実施例3 熱可塑性樹脂(A)100部に対し、帯電防止剤(3)
を1部添加し、Tダイを取り付けた40mmφの一軸押
し出し機を用いて280℃で厚さ0.1mmのフィルム
を成形し、帯電防止剤(5)の10%水溶液を実施例2
と同様に塗付し、試験片とした。
を1部添加し、Tダイを取り付けた40mmφの一軸押
し出し機を用いて280℃で厚さ0.1mmのフィルム
を成形し、帯電防止剤(5)の10%水溶液を実施例2
と同様に塗付し、試験片とした。
【0027】実施例5 熱可塑性樹脂(B)100部に対し、帯電防止剤(4)
を0.5部添加し、実施例3と同様にして厚さ0.1m
mのフィルムを成形し、帯電防止剤(5)の10%水溶
液を実施例2と同様に塗付し、試験片とした。
を0.5部添加し、実施例3と同様にして厚さ0.1m
mのフィルムを成形し、帯電防止剤(5)の10%水溶
液を実施例2と同様に塗付し、試験片とした。
【0028】実施例6 熱可塑性樹脂(C)を実施例3と同様にして厚さ0.1
mmのフィルムを成形し、帯電防止剤(1)の0.5%
水溶液を実施例2と同様に塗付し、試験片とした。
mmのフィルムを成形し、帯電防止剤(1)の0.5%
水溶液を実施例2と同様に塗付し、試験片とした。
【0029】比較例1 熱可塑性樹脂(A)を実施1と同様にして、1.5mm
厚×250mm×250mmのシート状成形品を得、試
験片とした。 比較例2 熱可塑性樹脂(B)を実施例3と同様にして、厚さ0.
1mmのフィルムを成形し、試験片とした。 比較例3 熱可塑性樹脂(C)を用い、比較例2と同様にして試験
片とした。
厚×250mm×250mmのシート状成形品を得、試
験片とした。 比較例2 熱可塑性樹脂(B)を実施例3と同様にして、厚さ0.
1mmのフィルムを成形し、試験片とした。 比較例3 熱可塑性樹脂(C)を用い、比較例2と同様にして試験
片とした。
【0030】実施例2〜3、5〜6、比較例1〜3各試
験片について物性を評価した結果を表1に示す。表1か
ら明らかなように、本発明の成形品に係わる実施例2〜
3、5〜6は、いずれも表面抵抗率の値が小さく、帯電
防止性に優れていることが分かる。また、透明性に関し
ても、実施例2〜3、5〜6はいずれも全光線透過率の
値が大きく、透明性が優れていることが分かる。これに
対し、比較例1〜3は帯電防止剤を含まない成形品であ
り、いずれも帯電防止性に劣る。ここで、表面抵抗率
(Ω/□)の要求レベルは、埃付着防止やフィルムの密
着性の防止には表面抵抗率の対数値で12〜13、常に
摩擦などによる静電気発生雰囲気下での帯電防止には同
じく対応値で10〜12である。
験片について物性を評価した結果を表1に示す。表1か
ら明らかなように、本発明の成形品に係わる実施例2〜
3、5〜6は、いずれも表面抵抗率の値が小さく、帯電
防止性に優れていることが分かる。また、透明性に関し
ても、実施例2〜3、5〜6はいずれも全光線透過率の
値が大きく、透明性が優れていることが分かる。これに
対し、比較例1〜3は帯電防止剤を含まない成形品であ
り、いずれも帯電防止性に劣る。ここで、表面抵抗率
(Ω/□)の要求レベルは、埃付着防止やフィルムの密
着性の防止には表面抵抗率の対数値で12〜13、常に
摩擦などによる静電気発生雰囲気下での帯電防止には同
じく対応値で10〜12である。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明のノルボルナン骨格を有する熱可
塑性樹脂の成形品は、帯電防止性に優れ、また透明性に
優れていることから、プラスチック需要業界の要求を満
足させる成形品である。例えば、光学レンズ、光ディス
ク、プラスチックミラーなどの光学部品、自動車のヘッ
ドランプレンズ、フォッグランプレンズ、ルームランプ
レンズ、ディスプレー部材、OHPシート、カセットケ
ース、コンパクトディスクケース、各種包装材料など多
くの用途に展開される。
塑性樹脂の成形品は、帯電防止性に優れ、また透明性に
優れていることから、プラスチック需要業界の要求を満
足させる成形品である。例えば、光学レンズ、光ディス
ク、プラスチックミラーなどの光学部品、自動車のヘッ
ドランプレンズ、フォッグランプレンズ、ルームランプ
レンズ、ディスプレー部材、OHPシート、カセットケ
ース、コンパクトディスクケース、各種包装材料など多
くの用途に展開される。
フロントページの続き (72)発明者 渡沼 宏至 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−148413(JP,A) 特開 平4−65450(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 65/00 C08J 7/04
Claims (1)
- 【請求項1】 ノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂
の成形品において、内部および/または表面に非イオン
系帯電防止剤からなる帯電防止剤を該熱可塑性樹脂10
0重量部に対し、内部練り込みの場合は0.05〜10
重量部、表面塗付の場合は0.05〜30重量部有し、
全光線透過率が85%以上の帯電防止透明樹脂成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07165694A JP3346024B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 帯電防止性透明樹脂成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07165694A JP3346024B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 帯電防止性透明樹脂成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07252404A JPH07252404A (ja) | 1995-10-03 |
JP3346024B2 true JP3346024B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=13466877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07165694A Ceased JP3346024B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 帯電防止性透明樹脂成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3346024B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4586502B2 (ja) * | 2004-11-08 | 2010-11-24 | 日本ゼオン株式会社 | 帯電防止性を有する導光板または光拡散板 |
JP5179712B2 (ja) * | 2005-08-18 | 2013-04-10 | 広栄化学工業株式会社 | 帯電防止性環状オレフィン系重合体組成物 |
JP2007277318A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Jsr Corp | 樹脂組成物、光学フィルムおよびその製造方法、位相差フィルム並びに偏光板 |
JP5343999B2 (ja) * | 2011-04-27 | 2013-11-13 | Jsr株式会社 | 光学フィルムの製造方法および光学フィルム、位相差フィルム並びに偏光板 |
-
1994
- 1994-03-16 JP JP07165694A patent/JP3346024B2/ja not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07252404A (ja) | 1995-10-03 |
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