JP4878002B2 - 電磁機器 - Google Patents

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Description

本発明は、導線を巻回してなるコイルを複数含む電磁機器に関するものである。
従来、コイルを含む電磁機器において、コイルに生じる渦電流損を減少させる構成が、例えば特許文献1,2に開示されている。
特許文献1においては、導線が互いに逆方向に巻回された1層目のコイルと2層目のコイルを電気的に接続して1つのコイルユニットを構成し、このコイルユニットを、モータの固定子を構成する1つの界磁鉄心に巻回している。
特許文献2においては、特許文献1に示される構成に対し、固定子の内周側に位置する一方のコイルを、漏れ磁束によってコイル内に生じる渦電流が分断されるように、他方のコイルを構成する導線よりも幅の小さい導線を複数並べて構成している。
特開平5−243036号公報 特開2004−153874号公報
特許文献1に示される構成によれば、界磁鉄心などからの漏れ磁束が各コイルに別々に鎖交するので、1つのコイルユニットとして渦電流損を減少させることができる。しかしながら、漏れ磁束が鎖交する量は、コイルの位置によって異なるため、鎖交する量が多い部分に位置するコイルには比較的大きな渦電流が発生する。例えば、漏れ磁束は、固定子の内周側に位置するコイルとより多く鎖交するので、内周側に位置するコイルには、外周側に位置するコイルと比べて大きな渦電流が発生する。
これに対し、特許文献2に示される構成によれば、漏れ磁束が鎖交する量の多い内周側のコイルの導線を、渦電流が分断されるように複数に分割しているので、分割した導線間の電気抵抗により渦電流損を減少させることができる。しかしながら、特許文献2においては、分割した導線の表面全面をそれぞれ絶縁コーティングし(表面に絶縁部材を配置し)、所望の幅となるように相互に接着して内周側のコイルを構成する導線を形成している。したがって、分割数が増えるほど渦電流損の低減効果は大きくなるものの、絶縁部材の占める割合が増加し、導線の充填率が低下する。すなわち、充填率を確保しようとすると、分割数が制限され、十分な渦電流損の低減効果が得られないことも考えられる。
本発明は上記問題点に鑑み、充填率の低下を抑えつつ、渦電流損を減少させることのできる電磁機器を提供することを目的とする。
本発明者が確認したところ、コイルを構成する導線を、導線に鎖交する漏れ磁束によって生じる渦電流を分断するように導線構成部材を積層してなる構成とした場合、導線構成部材表面に形成された絶縁性を有する酸化皮膜や導線構成部材表面の凹凸(換言すれば接触抵抗)により、互いに隣接する導線構成部材間に絶縁部材を配置しなくとも、渦電流を効果的に減少できることが明らかとなった。
そこで、上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、導線を巻回してなるコイルを複数含む電磁機器であって、複数のコイルをそれぞれ構成する導線の少なくとも一部が、当該導線に鎖交する漏れ磁束によって生じる渦電流を分断するように導線構成部材を積層して構成され、積層構成された積層導線は、複数の導線構成部材を積層して構成され積層導線の外周面の表面のみに、第1絶縁部材が配置されており、導線は、互いに略平行に配置された積層導線としての複数の平行部と、2つの平行部において一方の端部間を連結する連結部とを有し、2つの平行部は、連結される側の端部において、導線構成部材にそれぞれ生じる渦電流を打ち消すように、導線構成部材が2つの平行部間で連結部を介して選択的に導電接続され、他方の端部において、積層された導線構成部材同士が平行部ごとに導電接続されており、2つの平行部は、導線構成部材の積層数が同じであり、2つの平行部において、同一方向に大きさのほぼ等しい渦電流が生じる導線構成部材同士が選択的に導電接続され、それぞれに作用する漏れ磁束の向きが反対である2つの平行部と当該平行部を連結する連結部が、複数の導線構成部材が積層された1つの連続した導線として構成され、2つの平行部において、導線構成部材の積層順が逆とされていることを特徴とする。
本発明によれば、積層構成された積層導線の外周面の表面のみに、当該導線に対して電位差のある他の部材(他の導線など)との間を電気的に絶縁する第1絶縁部材(絶縁部材)を配置し、上記電位差よりも電位差(渦電流を分断することによって生じる)が小さい導線構成部材間には絶縁部材を配置していない。したがって、充填率の低下を抑制することができる。また、導線の少なくとも一部を、当該導線に鎖交する漏れ磁束によって生じる渦電流を分断するように導線構成部材を積層して構成しており、互いに隣接する導線構成部材間の接触抵抗が渦電流に対する電気抵抗となっている。したがって、渦電流損を減少させることができる。すなわち、充填率の低下を抑えつつ、渦電流損を減少させることのできる。
なお、第1絶縁部材は、積層導線と、当該導線に対して電位差のある他の部材との間を電気的に絶縁する効果以外にも、その配置によっては渦電流に対する電気抵抗となる。また、複数のコイルをそれぞれ構成する導線のうち、少なくとも一部が積層導線であれば良い。例えば漏れ磁束が鎖交する量の多いコイルを構成する導線に適用されれば良い。しかしながら、複数のコイルをそれぞれ構成する導線の全てに適用しても良い。
また、複数の導線構成部材を積層して構成するので、1つの導線構成部材を折り返して積層導線とする構成に比べて、渦電流損をより減少させることができる。また、積層導線である2つの平行部において、一方の端部のみが複数の導線構成部材同士が電気的に接続される構造としている。また、連結部によって連結される側の端部を、導線構成部材にそれぞれ生じる渦電流を打ち消すように導線構成部材が2つの平行部間で選択的に導電接続される構造としている。したがって、一方の平行部を構成する導線構成部材に生じる渦電流を、他方の平行部を構成する導線構成部材に生じる渦電流で打ち消し、連結部を介した2つの平行部間に、ループ状の渦電流が生じるのを抑制することができる。すなわち、渦電流損をより効果的に低減することができる。
また、2つの平行部の導線構成部材の積層数が同じであり、2つの平行部において、同一方向に大きさのほぼ等しい渦電流が生じる導線構成部材同士が選択的に導電接続されている。これにより、各層の導線構成部材に生じる渦電流を効果的に打ち消すことができる。さらには、それぞれに作用する漏れ磁束の向きが反対である2つの平行部と当該平行部を連結する連結部が、複数の導線構成部材が積層された1つの連続した導線として構成され、2つの平行部において、導線構成部材の積層順が逆とされている。これによれば、平行部と連結部が1つの連続した導線として構成されるので、導線の構成点数を削減することができる。また、製造工程を簡素化することもできる。
次に、上記目的を達成するために請求項4に記載の発明は、導線を巻回してなるコイルを複数含む電磁機器であって、複数の導線の少なくとも一部が、当該導線に鎖交する漏れ磁束によって生じる渦電流を分断するように導線構成部材を積層して構成され、積層構成された積層導線は、複数の導線構成部材を積層して構成され、積層導線の外周面の表面に、第1絶縁部材が配置され、同一の積層導線において、隣り合う導線構成部材間に、第1絶縁部材よりも厚さの薄い第2絶縁部材が配置されており、導線は、互いに略平行に配置された積層導線としての複数の平行部と、2つの平行部において一方の端部間を連結する連結部とを有し、2つの平行部は、連結される側の端部において、導線構成部材にそれぞれ生じる渦電流を打ち消すように、導線構成部材が2つの平行部間で連結部を介して選択的に導電接続され、他方の端部において、積層された導線構成部材同士が平行部ごとに導電接続されており、2つの平行部は、導線構成部材の積層数が同じであり、2つの平行部において、同一方向に大きさのほぼ等しい渦電流が生じる導線構成部材同士が選択的に導電接続され、それぞれに作用する漏れ磁束の向きが反対である2つの平行部と当該平行部を連結する連結部が、複数の導線構成部材が積層された1つの連続した導線として構成され、2つの平行部において、導線構成部材の積層順が逆とされていることを特徴とする。
本発明によれば、請求項1に係る発明に記載の作用効果と同等の作用効果を奏することができる。なお、積層構成された積層導線の外周面の表面に、当該導線に対して電位差のある他の部材(他の導線など)との間を電気的に絶縁する第1絶縁部材(絶縁部材)を配置だけでなく、上記電位差よりも電位差(渦電流を分断することによって生じる)が小さい導線構成部材間には、渦電流に対する電気抵抗となる第2絶縁部材を配置している。したがって、渦電流損を減少させることができる。また、第2絶縁部材の厚さを、第1絶縁部材よりも薄くしている。したがって、従来のように分割された導線をそれぞれ絶縁コーティングする(全面コーティングする)構成に比べて、充填率の低下を抑制することができる。すなわち、充填率の低下を抑えつつ、渦電流損を減少させることができる。このように、本発明によれば、請求項1に記載の発明に比べて、充填率の低下を抑制する効果は減少するものの、渦電流損をより減少させることができる。
請求項3に記載のように、第2絶縁部材として、隣り合う導線構成部材を固定する接着剤を採用すると、複数の導線構成部材を互いに固定しつつ、渦電流損を減少させることができる。したがって、複数の導線構成部材を互いに固定する場合において、固定部材と第2絶縁部材とを別個に必要とする構成に比べて、構成を簡素化することができる。
請求項1〜3に記載の構成としては種々考えられる。例えば請求項4に記載のように、複数枚の平面略コの字状の導線構成部材が折曲されて、2つの平行部における導線構成部材の積層順が逆とされた構成としても良い。この場合、折曲工程を簡素化することができる。また、請求項5に記載のように、複数枚の直線状の導線構成部材が折曲されて、2つの平行部における導線構成部材の積層順が逆とされた構成としても良い。この場合、予め準備する導線構成部材を簡素化することができる。
コイルがそれぞれ鉄心に巻回された構成においては、請求項6に記載のように、鉄心に設けられたスロットに平行部が挿入固定され、第1絶縁部材が、積層構成された平行部の外周面の表面として、鉄心との対向部位に配置されることが好ましい。
これによれば、第1絶縁部材によって、鉄心から積層導線としての平行部を通過する漏れ磁束の量を減少させることができる。また、鉄心との間で生じる電位差を、第1絶縁部材によって絶縁することができる。
上述したように、積層導線は、複数のコイルをそれぞれ構成する導線のうち、少なくとも一部の導線に適用されれば良い。例えば請求項7に記載のように、導線が互いに逆方向に巻回された2つのコイルを電気的に接続してなるコイルユニットを含む場合、2つのコイルのうち、漏れ磁束をより強く受ける側のコイルを、積層導線によって構成しても良い。これにより、渦電流損を減少させることができる。
請求項8に記載のように、コイルとして各相のコイルを含む場合、第1絶縁部材は、積層導線の外周面の表面として、異なる相のコイルを構成する導線との対向部位に少なくとも配置されることが好ましい。
これによれば、例えば3相誘導モータのように、複数のコイルとして起電力に位相差のある各相のコイルを含む場合、相間で生じる電位差を、第1絶縁部材によって絶縁することができる。したがって、電磁機器の誤動作等を防止することができる。
また、請求項9に記載のように、第1絶縁部材が、積層導線の長手方向に沿って、導線を取り囲むように筒状に設けられた構成としても良い。これにより、必要部分のみに第1絶縁部材が配置される構成に比べて、腐食等による導線の信頼性低下を抑制することができる。また、筒内に積層導線をより安定的に保持することも可能である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。なお。以下の各実施形態においては、導線を巻回してなるコイルを複数含む電磁機器として、3相誘導モータ(以下モータと示す)を例にとり説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るモータの、固定子周辺の概略構成を示す断面図である。図2は、第1実施形態に係る巻き線の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、モータ100を構成する固定子110と回転子120のうち、固定子110に、各相のコイル130が巻回されている。固定子110を構成する鉄心111には、複数のスロット112が形成され、当該スロット112に3相分(U相、V相、W相)のコイル130が収容されている。なお、図1に示す符号113は鉄心111の一部であるティースである。
コイル130は、図1に示すように、巻き線131を3層重ね巻きすることにより構成されている。巻き線131は、特許請求の範囲に記載の導線に相当し、少なくとも漏れ磁束が鎖交する部位(スロット112に収容される部位)として、図2に示すように、積層導線132を有している。本実施形態においては、断面矩形状の巻き線131を採用しているが、断面形状は特に限定されるものではない。なお、巻き線131の断面寸法は用途によるが、例えばハイブリッド電気自動車の動力源に用いられる程度の仕様(モータ直径φ300mm、モータ出力10〜50kW程度のもの)で1.5〜2mm角程度である。
積層導線132の構成材料、断面形状は特に限定されるものではない。本実施形態においては、銅からなる断面矩形状の積層導線132を採用している。また、複数のコイル130をそれぞれ構成する全ての積層導線132は、図2に示すように、当該積層導線132に鎖交する漏れ磁束によって生じる渦電流を分断するように、導線構成部材133を積層して構成されている。本実施形態において、導線構成部材133は、1本の導線を、その長手方向に沿って複数枚に分割する(径方向に分割する)ことで構成されている。そして、分割面を積層面として、平板状の導線構成部材133を複数枚(本実施形態においては7枚)積層することにより、積層導線132が構成されている。すなわち、複数枚の導線構成部材133によって、積層導線132が構成されている。なお、導線構成部材133は、1本の導線を分割することにより構成されるものに限定されない。例えば、導線構成部材133として、複数枚積層することによって積層導線132を構成することのできる、厚さの薄い部材を採用することもできる。
導線構成部材133の互いの積層面は絶縁材料によってコーティングされておらず(互いに隣接する導線構成部材133の間に絶縁部材が配置されておらず)、積層構成されてなる積層導線132の外周面(導線構成部材133の積層面を除く面)のみに、第1絶縁部材134が配置されている。
第1絶縁部材134は、積層導線132との間に電位差のある他の部材、より詳しくは、渦電流を分断することによって互いに隣接する導線構成部材133の間に生じる電位差よりも大きな電位差を、積層導線132との間に有する他の部材(本実施形態においては、異相のコイル130(を構成する積層導線132)や鉄心111)と、当該積層導線132とを電気的に絶縁するものである。第1絶縁部材134の構成材料や厚さは特に限定されるものではなく、上述した機能を発揮できるものであれば採用することができる。本実施形態においては、合成樹脂(例えばエナメル)からなる筒状の第1絶縁部材134を採用しており、これにより積層導線132の外周面が長手方向に沿って被覆されている。このように第1絶縁部材134として、筒内に積層導線132が配置される構成を採用すると、電気的な絶縁機能を発揮しつつ、積層導線132を保持することができる。また、腐食等による積層導線132の信頼性低下を抑制することができる。
このように構成される巻き線131は、例えば所定枚数の導線構成部材133を積層して積層導線132を構成した後、積層状態を維持しつつ、積層導線132の外周面に合成樹脂を塗布することで形成することができる。それ以外にも、筒状に形成された第1絶縁部材134に対し、筒内に導線構成部材133を挿入配置することによっても構成することができる。
次に、このように構成される巻き線131の効果について、図3を用いて説明する。図3は、巻き線を構成する積層導線に生じる渦電流の状態を示す図である。上述したように、本実施形態に係る巻き線131において、積層導線132は、積層導線132に鎖交する漏れ磁束10によって生じる渦電流11を分断するように、複数の導線構成部材133を径方向に積層して構成されている。また、互いに隣接する導線構成部材133の間には、絶縁部材が配置されていないものの、導線構成部材133の表面に形成された絶縁性を有する酸化皮膜や導線構成部材133の表面の凹凸によって生じる接触抵抗によって、図3に示すように、導線構成部材133の層間で発生する渦電流11の発生が抑制されている(図3においては、便宜上、渦電流11をまとめて図示している)。すなわち、接触抵抗を、漏れ磁束10により積層導線132に生じる渦電流11に対する電気抵抗としている。
このように、本実施形態によれば、積層導線132の外周面のみに第1絶縁部材134を配置し、導線構成部材133間には絶縁部材を配置していない。したがって、従来の導線が積層構成された巻き線に比べて、充填率の低下を抑制することができる。また、積層導線132が、渦電流11を分断するように複数の導線構成部材133を積層してなり、互いに隣接する導線構成部材133間の接触抵抗が渦電流11に対する電気抵抗となっている。したがって、渦電流損を減少させることができる。すなわち、充填率の低下を抑えつつ、渦電流損を減少させることのできる。
また、本実施形態においては、積層導線132の外周面を被覆するように第1絶縁部材134を筒状に設けている。このように、漏れ磁束10が作用する側に第1絶縁部材134を配置すると、第1絶縁部材134が渦電流11に対する電気抵抗となるので、渦電流損を減少させることができる。
なお、本発明者は、上述の効果について確認を行っている。具体的には、短手方向の幅が1.8mm、厚さが0.2mmの銅板を導線構成部材133として採用し、この導線構成部材133を厚さ方向に9枚積層して積層導線132を構成した。そして、この積層導線132を用いて渦電流損を計測したところ、1.8mm角の積層導線132に対して渦電流損が略1/8となる結果が得られた。また、第1絶縁部材134のない状態で充填率を比較すると、本実施形態に示した巻き線131では充填率が100%であるが、一般的な数値である30μmの絶縁コーティングが各導線構成部材の積層表面に施されているとすると、8つの各層間にそれぞれ60μmの絶縁部材が配置されることとなるので、充填率は80.3%となる。このように本実施形態に示す構成によれば、充填率を低下させることなく渦電流損を減少させることができる。
次に、上述した巻き線131におけるコイルエンドの構成について、図4を用いて説明する。図4は、コイルエンドの一構成を示す斜視図である。本実施形態においては、図4に示すように、巻き線131のうち、積層導線132が直線状となっている。そして、積層導線132のうち、鉄心111に設けられたスロット112に収容される部分が第1絶縁部材134で被覆されており、スロット112から鉄心外部に露出する両端部が、第1絶縁部材134から露出されている。このような露出構造は、第1絶縁部材134を除去するか、或いは、予め露出部位に第1絶縁部材134を配置しないことで実現可能である。
そして、第1絶縁部材134から露出された積層導線132の端部において、積層された導線構成部材133同士が、ロウ付け、溶接等(図示略)で一体に形成されている。この一体化された積層導線132の端部に、巻き線131の一部として、棒状の金属材料からなる連結部材140(例えば銅線)の一端が、ロウ付け、溶接等(図示略)により接続されている。そして、連結部材140の他端が、同じくロウ付け、溶接等(図示略)により、他の巻き線131の部位(図4においては積層構成された直線状の他の積層導線132)と接続され、コイル130が構成されている。すなわち、図4に示す構成においては、積層導線132と連結部材140とにより巻き線131が構成され、ひいてはコイル130が構成されている。なお、積層導線132の端部及び連結部材140の表面は、両者が接続された状態で、絶縁部材(図示略)によって被覆されている。このような被覆は、ロウ付け、溶接等の加工後に、例えば合成樹脂を塗布することで可能である。
ここで、積層導線132は、導線構成部材133の積層後(積層導線132の構成後)において、積層方向の折曲は容易であるが、積層方向と垂直な方向への折曲は困難である。したがって、それ自体を折曲させて他の積層導線132と電気的に接続しようとすると、接続方向が限定される。これに対し、本実施形態においては、上述したように、積層導線132とは別部材である連結部材140によって、積層導線132の端部間を電気的に接続するようにしている。したがって、積層導線132間、若しくは、積層導線132と当該積層導線132及び連結部材140を除く巻き線131の部位を電気的に接続してコイル130を構成するに当たり、積層導線132を折曲させなくとも良い。このように、連結部材140を用いると接続方向が限定されず、多様なコイル130の巻き方に対応することが可能である。
なお、本実施形態においては、巻き線131として、断面矩形状の例を示した。しかしながら、例えば図5に示すように、断面円形状の巻き線131を採用することもできる。このように、断面形状は特に限定されるものではない。図5は、巻き線の変形例を示す断面図である。
また、本実施形態においては、第1絶縁部材134が筒状に設けられる例を示した。しかしながら、第1絶縁部材134は、上述したように、積層導線132との間に電位差のある他の部材、より詳しくは、渦電流11を分断することによって互いに隣接する導線構成部材133の間に生じる電位差よりも大きな電位差を、積層導線132との間に有する他の部材(本実施形態においては、異相のコイル130(を構成する積層導線132)や鉄心111)と、当該積層導線132とを電気的に絶縁するものである。例えばコイルとして本実施形態に示すように各相のコイル130を含む場合には、第1絶縁部材134が、積層導線132の外周面の表面として、異なる相のコイルを構成する導線との対向部位に少なくとも配置されれば良い。これによれば、相間で生じる電位差を、第1絶縁部材134によって絶縁することができる。また、本実施形態に示すように、コイル130がそれぞれ鉄心111に巻回された構成においては、第1絶縁部材134が、積層導線132の外周面の表面として、鉄心111との対向部位に配置されれば良い。これによれば、第1絶縁部材134によって、鉄心111から積層導線132を通過する漏れ磁束10の量を減少させることができる。また、鉄心111と積層導線132の間で生じる電位差を、第1絶縁部材134によって絶縁することができる。したがって、例えば図6に示すように、積層導線132の外周表面のうち、少なくとも電気的な絶縁を確保するのに必要な部位(図6においては4面のうち3面)のみを被覆するように設けても良い。図6は、巻き線の変形例を示す断面図である。なお、第1絶縁部材134を筒状ではない構成とすると、第1絶縁部材134によって、複数の導線構成部材133を保持することが困難となる。したがって、上述したように、連結部材140と接続される端部を、予めロウ付け、溶接等で一体化した後、合成樹脂を塗布等により積層導線132の外周面を被覆すれば良い。
また、本実施形態においては、積層導線132が、複数枚の導線構成部材133を積層することにより構成される例を示した。しかしながら、図7に示すように、1つの導線構成部材135を折り返すことで、積層導線132が構成されても良い。図7は、巻き線の変形例を示す断面図である。なお、図7においては、複数回折り返しているが、折り返し回数は特に限定されるものではない。この場合、複数枚の導線構成部材133を積層して積層導線132を構成する場合と比べて、層間が端面で接続されているので渦電流損を減少させる効果が小さくなるものの、生産性を向上することができる。このように構成される巻き線131は、導線構成部材135を折り返して積層導線132を構成した後、積層状態を維持しつつ、積層導線132の外周面に合成樹脂を塗布することで形成することができる。それ以外にも、筒状に形成された第1絶縁部材134に対し、筒内に積層導線132を挿入配置することによっても構成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図8及び図9に基づいて説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る巻き線の概略構成を示す断面図である。図9は、巻き線を構成する積層導線に生じる渦電流の状態を示す図である。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態においては、図8に示すように、巻き線131の少なくとも一部を構成する積層導線132に対し、外周面の表面に第1絶縁部材134が配置されるとともに、導線構成部材133の積層面間にも第2絶縁部材136が配置されている点を特徴とする。
第2絶縁部材136の構成材料は特に限定されるものではない。本実施形態においては、複数枚に分割された導線構成部材133を相互に接着固定する接着剤(例えばエポキシ系やシアノアクリレート系接着剤)を採用している。このように、第2絶縁部材136として接着剤を採用すると、複数の導線構成部材133を互いに固定しつつ、渦電流損を減少させることができる。したがって、複数の導線構成部材133を互いに固定する場合において、構成を簡素化することができる。
また、同一の巻き線131において、第2絶縁部材136の厚さt2は、第1絶縁部材134の厚さt1よりも薄く設定されている。具体的には、例えば厚さt1が30〜50μmの第1絶縁部材134に対し、第2絶縁部材136の厚さt2は数μm程度である。
このように本実施形態によれば、図9に示すように、導線構成部材133間に、渦電流11に対する電気抵抗として第2絶縁部材136を配置しており、これにより導線構成部材133の層間で発生する渦電流11の発生が抑制されている(図9においては、便宜上、渦電流11をまとめて図示している)。したがって、渦電流損を減少させることができる。また、第2絶縁部材136の厚さt2を、第1絶縁部材134の厚さt1よりも薄くしている。したがって、従来のように、分割された導線の全面を絶縁コーティングする構成に比べて、充填率の低下を抑制することができる。すなわち、充填率の低下を抑えつつ、渦電流損を減少させることができる。本実施形態によれば、導線構成部材133間に第2絶縁部材136を配置するので、第1実施形態に示した構成(図2参照)に比べて、充填率の低下を抑制する効果は減少するものの、渦電流損をより減少させることができる。
なお、本発明者は、上述の効果について確認を行っている。具体的には、短手方向の幅が1.8mm、厚さが0.2mmの銅板を導線構成部材133として採用し、この導線構成部材133を厚さ方向に9枚積層し、層間に厚さt2が1μmの第2絶縁部材136(接着剤)を配置して、積層導線132を構成した。そして、この積層導線132を用いて渦電流損を計測したところ、1.8mm角の導線に対して渦電流損が略1/16(第1実施形態の図2に示す構成に比べて半減)となる結果が得られた。また、第1絶縁部材134のない状態で充填率を比較すると、厚さt2が2μmの第2絶縁部材136(接着剤)を配置した本実施形態に示す巻き線131では充填率が99.1%であるが、一般的な数値である30μmの絶縁コーティングが各導線構成部材の積層表面に施されているとすると、8つの各層間にそれぞれ60μmの絶縁部材が配置されることとなるので、充填率は80.3%となる。このように本実施形態に示す構成によれば、充填率を低下させることなく渦電流損を減少させることができる。
また、本実施形態においては、第2絶縁部材136として接着剤を用いる例を示した。しかしながら、渦電流11に対する電気抵抗となる絶縁材料であれば採用することができる。例えば、接着性を有さない材料を第2絶縁部材136として採用する場合には、導線構成部材133と第2絶縁部材136とを交互に積層し、この積層体の外周面に第1絶縁部材134を塗布することで巻き線131を構成しても良い。また、筒状の第1絶縁部材134に、積層体を挿入配置して巻き線131を構成しても良い。
また、本実施形態においては、積層導線132が、複数枚の導線構成部材133からなる例を示した。しかしながら、本実施形態においても、第1実施形態(図7参照)に示したように、1つの導線構成部材135を複数回折り返すことで、積層導線132が構成されても良い。
また、本実施形態においては、第1絶縁部材134が筒状に設けられる例を示した。しかしながら、第1実施形態(図6参照)に示すように、積層導線132の外周表面のうち、少なくとも電気的な絶縁を確保するのに必要な部位のみを被覆するように設けても良い。
また、本実施形態に示す巻き線131においても、第1実施形態(図4参照)に示すコイルエンドの構造を採用することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図10に基づいて説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係るモータの、固定子周辺の概略構成を示す断面図である。なお、上述した実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態においては、複数のコイル130をそれぞれ構成する巻き線のうち、一部の巻き線のみに、第1実施形態又は第2実施形態に示した積層導線132を有する巻き線131を採用する点を特徴とする。
図10においては、モータ100が、固定子110の鉄心111に対して巻き線131が互いに逆方向に巻回された2つのコイル130a,130bを有し、2つのコイル130a,130bが電気的に接続されてコイルユニットを構成している。このように鉄心111に対して相互に巻回方向の異なるコイル130a,130bを2層巻きすると、漏れ磁束10が各コイル130a,130bに別々に鎖交するので、1つのコイルユニットとして渦電流損を減少させることができることが知られている。そして、このような構成において、2つのコイル130a,130bのうち、漏れ磁束10をより強く受ける側(図10においては、回転子120に近い内周側)のコイル130aが、第1又は第2実施形態に示す構成の巻き線131によって構成されている。また、図10に示すように、漏れ磁束10の少ない外周側のコイル130bは、通常の巻き線で構成されている。
このように、漏れ磁束10が鎖交する量が多いコイル130aに対して、第1実施形態又は第2実施形態に示した積層導線132を有する巻き線131を採用すれば、渦電流損を効率よく減少させることができる。また、コストを低減することができる。
なお、本実施形態においては、1つのコイルユニットを構成する2つのコイル130a,130bのうち、一方に第1実施形態又は第2実施形態に示した積層導線132を有する巻き線131を採用する例を示した。しかしながら、第1実施形態又は第2実施形態に示す巻き線131は、複数のコイル130のうち、少なくとも一部に採用されれば良い。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図11に基づいて説明する。図11は、本発明の第4実施形態に係るコイルエンドの一構成を示す斜視図である。なお、上述した実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態においては、棒状の金属材料からなる連結部材140によって、直線状に設けられた積層導線132の端部間を電気的に接続し、コイル130を構成する例を示した。これに対し、本実施形態においては、連結部材140が、絶縁材料からなる基材141と、当該基材141に設けられた配線部142とを有している。そして、積層導線132が基材141に位置決め固定された状態で、積層導線132の端部が配線部142を介して他の積層導線132と電気的に接続され、コイル130が構成されている点を特徴とする。
基材141の構成材料としては、絶縁材料であれば特に限定されるものではなく、基材141への積層導線132の固定方法も特に限定されるものではない。本実施形態においては、合成樹脂からなる基材141に、積層導線132に対応して貫通孔143(特許請求の範囲に記載の穴部に相当)が設けられ、貫通孔143の内壁及び積層導線132の先端が露出する側の面に配線部142が形成されている。そして、貫通孔143に対して、積層導線132の端部(露出部位)が挿入された状態で、積層導線132の端部と配線部142が、はんだ付け、ロウ付け、溶接等により接続されている。
このように、本実施形態によれば、基材141に設けた貫通孔143に、積層導線132を挿入することで、連結部材140に対して積層導線132が位置決め固定される。したがって、生産性を向上することができる。また、基材141によって、コイル130の強度を増すことができる。なお、図11に示す符号144は、基材141に表面に実装された、電子部品である。このように、基材141の表面にコイル130とは別の電子部品を搭載することも可能である。このように、コイル130の一部である連結部材140を構成する基材141上に電子部品144を実装すると、例えばコイル130と電子部品144との電気的な接続距離を短くすることができる。
また、本実施形態においては、図11に示すように、1つの基材141に1つの配線部142が設けられる例を示した。このように、1つの基材141に1つの配線部142を設ける場合には、スロット112から鉄心111の外部に露出する複数の積層導線132(図4参照)の長さをそれぞれ変えることで、複数の連結部材140により、対応する巻き線131と電気的に接続することができる。
また、1つの基材141に複数の配線部142を設け、1つの連結部材140によって、複数組の積層導線132間を接続することも可能である。例えば、図12に示すように、円環状の鉄心111から外部に露出する複数の積層導線132の端部に対応して、円環状の基材141に配線部142と貫通孔143を設け、1つの連結部材140により、対応する積層導線132間を電気的に接続するようにしても良い。このように構成すると、構成を簡素化し、生産性を向上することも可能である。図12は、コイルエンドの変形例を示す組み付け前の斜視図である。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を、図13〜図15に基づいて説明する。図13は、本発明の第5実施形態に係るコイルエンドの一構成を説明するための図であり、(a)は巻き線の断面図、(b)は巻き線の折曲状態を示す側面図である。図14は、(a),(b)ともに、導線構成部材の構成例を示す平面図である。図15は、図14(a)に示した導線構成部材を用いたコイルエンドの一構成を説明するための図であり(a)は積層方向から見た平面図、(b)は(a)のXVB−XVB線に沿う断面図である。なお、上述した実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
上述した各実施形態においては、積層導線132が直線状である例を示した。これに対し、本実施形態においては、積層導線132が折曲された形状となっている点を特徴とする。
巻き線131において、導線構成部材133(又は導線構成部材135)を積層して構成された積層導線132は、図13(a)に示すように、積層方向には比較的に容易に折り曲げすることができるのに対し、積層方向に直交する方向には折り曲げるのは困難である。そこで、本実施形態においては、複数の積層導線132のうち、その一部について、図13(b)に示すように、鉄心111のスロット112から外部に露出する端部を、90度以外の折曲角度となるように積層方向に折曲している。このように、積層導線132を折曲すると、コイル130を構成する上で、直線状の積層導線132のみを採用する場合に比べて、巻き線131の引き回しの自由度が向上する。なお、図13(b)においては、折曲部位が1つであるが、折曲部位を複数としても良い。
例えば図14(a),(b)に示すように、導線構成部材133を、スロット112に収容される直線状部分133aと、当該直線状部分133aに対して折れ曲がった(直線状部分133aと所定角度をなす)折曲部分133bとにより構成しても良い。そして、このようなクランク状やコの字状等の導線構成部材133を積層して積層導線132を構成し、積層導線132の直線状部分133aをスロット112に収容した状態で、鉄心111から露出する端部(折曲部分133bを含む)をその積層方向に折り曲げれば、図15(a),(b)に示すように、鉄心111におけるスロット112の延設方向に対して、上下方向及び左右方向に、巻き線131(積層導線132)を引き回すことができる。すなわち、積層導線132(巻き線131)の引き回しの自由度をより向上することができる。したがって、連結部材140を介して、対応する積層導線132間を電気的に接続する際の、積層導線132の引き回しの自由度が向上するだけでなく、連結部材140を介さなくとも、対応する積層導線132間を電気的に接続することも可能である。
なお、スロット112に収容する前に、鉄心111から露出する端部(折曲部分133b)を積層方向に折り曲げておき、その後スロット112に収容しても良い。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を、図16〜図19に基づいて説明する。図16は、積層導線の両端部において、導線構成部材同士を電気的に接続した構造における渦電流の状態を示す斜視図である。図17は、本実施形態に係るコイルエンド構造が適用される積層導線の配置を説明するための、モータの固定子周辺の概略構成を示す断面図である。図18は、本実施形態に係るコイルエンド構造の概略構成を示す斜視図である。図19は、図18をコイルエンド側から見た平面図である。なお、図18及び図19においては、便宜上、第1絶縁部材134を省略して図示している。
図16に示すように、漏れ磁束10によって生じる渦電流11を分断するように、導線構成部材133を積層して構成された積層導線132に対し、漏れ磁束10が作用すると、これにより各層の導線構成部材133に生じる渦電流11は、その積層方向において積層中心よりも上側の導線構成部材133と下側の導線構成部材133とで向きが反対方向となる。したがって、図16に示すように、積層導線132の両端部において、導線構成部材133同士が電気的に接続された構造においては、互いに接合された導線構成部材133の端部を通じてループ状に流れる渦電流11が発生し、積層構成による渦電流損を低減する効果が小さくなってしまう。
そこで、本実施形態においては、互いに連結される直線状の2本の積層導線132(第5実施形態に示すところの積層導線132の直線状部分133a)のコイルエンド構造を、一方の積層導線132に生じる渦電流11で他方の積層導線132に生じる渦電流11を打ち消す構造とする。なお、直線状の2本の積層導線132は、後述するように、2本の積層導線132の一方の端部間を連結する連結部も含めて、複数の導線構成部材133が積層された1本の積層導線ユニットとしての構成も可能である。したがって、以下においては、直線状の積層導線132(直線状部分133a)を、平行部と示すこととする。これは、スロット112に収容された複数の直線状の積層導線132(直線状部分133a)が互いに平行な位置関係となるからである。また、このような位置関係であるので、後述するように、渦電流11を打ち消し合うことができる。
本実施形態においては、図17に示すように、モータ100の固定子110を構成する鉄心111に設けられた複数のスロット112に、巻き線131を3層重ね巻きしてなるコイル130が収容された構成(第1実施形態に示した構成)において、同一のティース113を挟んで隣接するスロット112にそれぞれ収容された平行部200,300のコイルエンド構造について説明する。図17に示すように、平行部200,300が収容された各スロット112の周りに生じる主磁束12a,12bの向きは互いに逆であるため、図17〜図19に示すように、積層導線132としての平行部200,300にそれぞれ鎖交する漏れ磁束10a,10bの向きも逆向きとなる。
本実施形態において、平行部200,300は、第1実施形態同様、銅薄板である導線構成部材133をそれぞれ7枚積層して構成されている。詳しくは、平行部200が、ティース113の突出先端側から導線構成部材201〜207の順に積層して構成され、平行部300が、ティース113の突出先端側から導線構成部材301〜307の順に積層して構成されている。また、平行部200,300は、第1実施形態に示した積層導線132同様、スロット112に収容される部位が、第1絶縁部材134(本実施形態においては図示略)によって被覆され、スロット112から同一側に露出された(スロット112外に引き出された)一方の端部が、第1絶縁部材134から露出されて、それぞれ連結部材140とロウ付け、溶接等により接続されている。すなわち、平行部200,300は、一方の端部において、積層された導線構成部材133同士が互いに接合されている。なお、連結部材140としては、第1実施形態同様、銅線を採用している。したがって、連結部材140は変形が容易であり、他の平行部(図示略)などと自由に結線することができる。
また、連結部材140と接続された端部の反対側の端部においては、図18及び図19に示すように、平行部200を構成する導線構成部材201〜207と平行部300を構成する導線構成部材301〜307とが、平行部200,300に鎖交する漏れ磁束10a,10bによって各層の導線構成部材133(201〜207、301〜307)に生じる渦電流11a,11bを打ち消し合うように、連結部150によって選択的に結線されている。
ここで、2つの平行部200,300は、鉄心111のティース113を挟んで隣り合うスロット112に配置されており、平行部200,300の構造は、ほぼ等しくなっている。また、漏れ磁束10a,10bは、鉄心111のティース113から平行部200,300に対して対称に(逆方向にほぼ同じ大きさをもって)発生する。したがって、ティース113の突出先端側から見て、平行部200の最上層(導線構成部材201)から所定層(n層)において生じる渦電流11aと、平行部300の最下層(導線構成部材307)から所定層(n層)において生じる渦電流11bとが、大きさがほぼ等しく、且つ、同一方向となる。
本実施形態においては、図18及び図19に示すように、平行部200,300とで、渦電流11a,11bの大きさが互いにほぼ等しく、且つ、同一方向である導線構成部材133同士が連結部150を介して選択的に導電接続されている。詳しくは、最上層の導線構成部材201と最下層の導線構成部材307とが連結部151を介して結線され、2層目の導線構成部材202と6層目の導線構成部材306とが連結部152を介して結線されている。また、3層目の導線構成部材203と5層目の導線構成部材305とが連結部153を介して結線され、4層目の導線構成部材204と4層目の導線構成部材304とが連結部154を介して結線されている。また、5層目の導線構成部材205と3層目の導線構成部材303とが連結部155を介して結線され、6層目の導線構成部材206と2層目の導線構成部材302とが連結部156を介して結線されている。そして、最下層(7層目)の導線構成部材207と最上層(1層目)の導線構成部材301とが連結部157を介して結線されている。
このように本実施形態に係るコイルエンド構造によれば、2つの平行部200,300において、大きさが互いにほぼ等しく、且つ、同一方向に渦電流11a,11bが流れる導線構成部材133同士が、連結部150を介して選択的に導電接続されている。したがって、導線構成部材133の端部を通じてループ状に流れる渦電流11の発生を抑制することができる。
次に、上述したコイルエンド構造の具体例について説明する。以下においては、一例として、2つの平行部200,300と連結部150とが、導線構成部材133が積層された1つの連続した積層導線ユニットとして構成される例を示す。図20は、本実施形態に係るコイルエンド構造の具体的な構成方法を示す斜視図であり、(a)は積層工程、(b)は折曲工程を示している。図20(a),(b)においても、便宜上、第1絶縁部材134を省略して図示している。
先ず、図20(a)に示すように、平行部200を構成する導線構成部材201〜207、平行部300を構成する導線構成部材301〜307、及び対応する導線構成部材間を連結する連結部151〜157のうち、選択的に導電接続される導線構成部材同士と連結部が1枚の銅薄板として構成された略コの字状の1枚の導線構成部材133を7枚準備する。そして、導線構成部材201〜207の積層順となるように、導線構成部材133を積層して一体化する。なお、一体化は、上述した実施形態同様、第1絶縁部材134や接着性を有する第2絶縁部材136によって行うことができる。この場合、連結部151〜157は、例えば積層面間への第2絶縁部材146や他の絶縁材料の配置。或いは、積層面間の接触抵抗によって、対応する導線構成部材同士を選択的に導電接続するようになっている。
次に、図20(b)に示すように、積層された7枚の導線構成部材133において、平行部200,300が互いに平行状態(並設状態)を保つように、例えば平行部200を固定(支点と)しつつ、連結部150をその積層方向に折曲し、平行部300を180度回転(反転)させる。これにより、平行部200に対し、連結部150の折曲後における平行部300の位置が、連結部150の折曲前における平行部300の位置と反対となる。また、2つの平行部200,300において、導線構成部材133の積層順が逆となる。このようにして、積層導線ユニット400を得ることができる。
図20(b)に示す積層導線ユニット400のコイルエンド構造においては、連結部150も積層導線132である平行部200,300と一体化されているので、部品点数を削減することができる。また、積層導線ユニット400を構成する導線構成部材133を平面略コの字状とすることで、折曲前の状態で、平行部200,300が互いに平行となっているので、製造工程(折曲工程)を簡素化することもできる。また、平行部200,300と連結部150との間で生じる電気抵抗を抑制することができる。さらには、導線構成部材133の積層方向に対して曲げているので、積層導線ユニット400を無理なく形成することができる。
なお、本発明者は、上述の効果について確認を行っている。その結果を図21に示す。図21は、本実施形態に係るコイルエンド構造の効果を示す周波数と浮遊銅損との関係を示す図である。
図21においては、本実施形態に係るコイルエンド構造の結果を実線(白抜き三角)で示し、比較例1として、積層導線132の両端部において、導線構成部材133同士が電気的に接続された構造の結果を破線(白抜き円)で示している。さらには、比較例2として、断面形状が同一の角線の結果を一点鎖線(黒四角)で示し、比較例3として積層導線において端部の溶接なしの結果を二点鎖線(黒三角)で示している。なお、比較例2の評価サンプルを、断面1.95mm×1.8mm、長さ90mmの平角線を6本束ねたものとし、このサンプルを基準として、比較例1、比較例3の評価サンプルを、断面1.95mm×0.2mm、長さ90mmの薄板を9枚積層したブロックを、6本束ねたものとした。また、本実施形態に係る評価サンプルを、上述したブロックを互いに渦電流を打ち消す組として、計3組束ねたものとした。なお、評価条件としては磁束密度を0.15Tとした。
図21に示すように、実線で示す本実施形態に示すコイルエンド構造によれば、周波数によらず、浮遊銅損(渦電流損)を、一点鎖線で示す比較例2や破線で示す比較例1よりも大幅に低減することができることが明らかである。また、その低減効果は、積層導線において端部接続なしとほぼ同等である。
なお、積層導線132の両端部において、導線構成部材133同士が電気的に接続された構造(比較例1)とすると、図21に破線で示すように、一点鎖線で示す従来構成の角線(比較例2)よりも、浮遊銅損(渦電流損)を低減することができることが明らかである。互いに接合された導線構成部材133の端部を通じてループ状に流れる渦電流11が発生し、積層構成による渦電流損を低減する効果は小さくなるものの、積層された導線構成部材133間において渦電流11の流れる区間が制限されているためである。
なお、略コの字状の導線構成部材133を積層・折曲してなるコイルエンド構造を備えた積層導線ユニット400の実現方法としては、上述の例に限定されるものではない。略コの字状の導線構成部材133のうち、例えば図22に示すように、導線構成部材201が平行部200における最上層となり、平行部300の導線構成部材307が平行部300における最下層となるように、連結部151〜157を折曲しつつ互いにずらして積層すれば良い。これにより、反転するような折曲をしなくとも、上述したコイル構造を備えた積層導線ユニット400実現することができる。なお、図22は、積層導線ユニットの変形例を示す斜視図である。
また、本実施形態においては、上述したコイルエンド構造を備えた積層導線ユニット400を実現するために、略コの字状の導線構成部材133を積層・折曲する例を示した。しかしながら、略導線構成部材133の形状は略コの字状に限定されるものではない。例えば略U字状でも良い。
また、本実施形態においては、同一のティース113を挟んで隣り合うスロット112に配置された2つの平行部200,300について、渦電流を打ち消し合うコイルエンド構造とする例を示した。しかしながら、渦電流を打ち消しあうコイルエンド構造が適用される平行部200,300の位置関係は、上述の例に限定されるものではない。例えば、同一のティース113を挟んで隣り合うスロット112ではなく、離れたスロット112にそれぞれ収容され、互いに逆の方向に漏れ磁束10a,10bが作用する平行部200,300についても、上述と同様のコイルエンド構造(図18及び図19参照)を適用することができる。
また、図23に示すように、同一のスロット112に収容された2つの平行部200,300についても、渦電流を打ち消しあうコイルエンド構造とすることができる。図23及び図24に示すように、同一のスロット112に収容された2つの平行部200,300の場合、それぞれに作用する漏れ磁束10a,10bは、その大きさ及び方向がほぼ等しい磁束となる。これにより、構成がほぼ等しい平行部200,300においては、ティース113の突出先端側から見て積層順の等しい層(導線構成部材133)に生じる渦電流11a,11bの大きさ及び方向がほぼ等しくなる。したがって、図23及び図24に示すように、平行部200,300とで、ティース113の突出先端側から見て積層順の等しい層(導線構成部材133)同士を、連結部150を介して導電接続すれば良い。この場合、例えば平行部200における最上層(1層目)の導線構成部材201と、平行部300における最上層(1層目)の導線構成部材301とが、連結部151を介して結線される。なお、図23は、コイルエンド構造の変形例の概略構成を示す斜視図であり、図24は、図23をコイルエンド側から見た平面図である。図23及び図24においても、便宜上、第1絶縁部材134を省略して図示している。なお、同一のスロット112に収容された2つの平行部200,300に限定されず、異なるスロット112にそれぞれ収容され、同一方向に漏れ磁束10a,10bが作用する平行部200,300についても、上述のコイルエンド構造を採用することで、渦電流11a,11bを打ち消し合うことができる。
また、本実施形態においては、平行部200を構成する導線構成部材201〜207と、平行部300を構成する導線構成部材301〜307の全ての層で生じる渦電流を打ち消すように、平行部200,300において1層ずつ連結される例を示した。しかしながら、漏れ磁束10a,10bによって生じる渦電流11a,11bは、積層方向において、平行部200,300の積層端部側ほど大きくなる。したがって、積層表面(最上層及び最下層)から少なくとも1層のみを連結部150を介して対応する層と連結し、残りの複数の層を互いに電気的に接続して、まとめて連結する構成としても良い。これによれば、導線構成部材の積層数が互いに異なる2つの平行部200,300を連結することもできる。ただし、ほぼ同一構造の2つの平行部200,300を連結する構成のほうが、渦電流11を効果的に打ち消すことができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を、図25に基づいて説明する。図25は、本実施形態に係るコイルエンドの具体的な構成方法を示す斜視図であり、(a)は第1の折曲工程、(b)は第2の折曲工程、(c)は積層工程を示している。図25(c)においても、便宜上、第1絶縁部材134を省略して図示している。
本実施形態においては、直線状の導線構成部材を用いて、第6実施形態(図18参照)に示したコイルエンド構造を実現する点を特徴とする。
図25(a)〜(c)では、5層構造の積層導線ユニット400を形成する例を示す。先ず、直線状の導線構成部材133を準備し、図25(a)に示すように、複数枚の導線構成部材133の積層方向に、導線構成部材133を折曲して略U字状とする。これにより、後に平行部200を構成する部位と平行部300を構成する部位とで、導線構成部材133の面が上下逆となる。次に、図25(a)に示すように、両端部を積層方向に垂直な方向であって互いに反対方向に開いた後、図25(b)に示すように、平行部200を構成する部位(例えば導線構成部材201)、平行部300を構成する部位(例えば導線構成部材305)、連結部150を構成する部位(例えば連結部151)を区画しつつ、平行部200,300を構成する部位が互いに略平行な状態(並設状態)となるように、導線構成部材133を積層方向に折曲する。そして、このように折曲された導線構成部材133を5枚積層し、一体化することにより、図25(c)に示す積層導線ユニット400を形成することができる。これによれば、予め準備する導線構成部材133を簡素化することができる。
なお、直線状の導線構成部材133による積層導線ユニット400の形成は上記例に限定されるものではない。例えば図26(a)〜(d)に示す方法によっても形成することができる。図26は、コイルエンド構成方法の変形例を示す斜視図であり、(a)は準備工程、(b)第1の折曲工程、(c)は第2の折曲工程、(d)は積層工程を示している。図26(d)においても、便宜上、第1絶縁部材134を省略して図示している。なお、図26においても、5層構造の積層導線ユニット400を形成するものとする。図25(a)に示す直線状の導線構成部材133を、平行部200(又は平行部300)を構成する部位を区画するように、破線部分で略直角に折り曲げ、図25(b)に示すように、折曲された導線構成部材133とする。この時点で、平行部200(平行部300)を構成する部位(導線構成部材201)が区画される。次に、図25(c)に示すように、平行部200を構成する部位(導線構成部材201)、平行部300を構成する部位(導線構成部材305)、連結部150を構成する部位(連結部151)を区画しつつ、平行部200,300を構成する部位が互いに略平行な状態(並設状態)となるように、導線構成部材133を折曲する。これにより、平行部200を構成する部位と平行部300を構成する部位とでは、導線構成部材133の面が上下逆となる。そして、このように折曲された導線構成部材133を5枚積層し、一体化することにより、図26(d)に示す積層導線ユニット400を形成することができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態を、図27に基づいて説明する。図27は、本実施形態に係るコイルエンドの具体的な構成方法を示す斜視図であり、(a)は準備工程、(b)は折曲工程、(c)は積層工程を示している。図27(c)においても、便宜上、第1絶縁部材134を省略して図示している。
本実施形態においては、平面クランク状の導線構成部材133を用いて、第6実施形態(図18参照)に示したコイルエンド構造を実現する点を特徴とする。なお、図27においても、5層構造の積層導線ユニット400を形成するものとする。
先ず、図27(a)に示すように、連結部150を構成する部位(連結部151)、平行部200を構成する部位(導線構成部材201)、平行部300を構成する部位(導線構成部材305)が区画された平面クランク状の導線構成部材133を準備する。そして、図27(b)に示すように、連結部150を構成する部位(連結部151)に対して、平行部200を構成する部位(導線構成部材201)と平行部300を構成する部位(導線構成部材305)を、連結部150を構成する部位(連結部151)に対して同一方向に略垂直に折曲する。これにより、平行部200を構成する部位と平行部300を構成する部位とで、導線構成部材133の面が上下逆となる。このように折曲された導線構成部材133を5枚積層し、一体化することにより、図27(c)に示す積層導線ユニット400を形成することができる。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態を、図28に基づいて説明する。図28は、本実施形態に係るコイルエンドの具体的な構成方法を示す斜視図であり、(a)は積層工程、(b)は折曲工程を示している。図28(a),(b)においても、便宜上、第1絶縁部材134を省略して図示している。
本実施形態においては、導線構成部材133の一部にスリットが形成され、当該スリットの形成部位において捻ることで、渦電流11を互いに打ち消しあうコイルエンド構造としている点を特徴とする。なお、図28においても、5層構造の積層導線ユニット400を形成するものとする。
先ず、第8実施形態同様、連結部150を構成する部位(連結部151)、平行部200を構成する部位(導線構成部材201)、平行部300を構成する部位(導線構成部材305)が区画された平面クランク状の導線構成部材133を準備する。本実施形態においては、この導線構成部材133において、連結部150を構成する部位に、長手方向に沿った複数本のスリット160を設けている。そして、図28(a)に示すように、スリット160の設けられた5枚の導線構成部材133を積層する。次に、図28(b)に示すように、例えば平行部200を固定(支点と)しつつスリット160を有する連結部150を捻ることで、平行部300を180度回転(反転)させて、平行部200に対して平行状態(並設状態)とする。これにより、2つの平行部200,300において、導線構成部材133の積層順が逆となる。このように、スリット160を設けることで意図的に剛性を低下させ、積層方向以外への曲げ(捻り)を可能とすることにより、積層導線ユニット400を得ることもできる。
なお、スリット160は、積層方向以外への曲げ(捻り)を可能とするために、意図的に剛性を低下させるために設けているので、その形成位置や方向は上記例に限定されるものではない。例えば、連結部150を構成する部位に、短手方向に沿った複数本のスリット160を設けても良い。また、連結部150を構成する部位と平行部200,300を構成する部位の境界部位にスリット160を設けても良い。例えば、第7実施形態(図25参照)に示した略U字状の導線構成部材133において、連結部150を構成する部位と平行部200,300を構成する部位の境界部位にスリット160を設けておき、積層後において、図29に示すように、平行部200,300を、互いに反対方向に90度回転させることで、積層導線ユニット400が構成されている。図29は、積層導線ユニットの変形例を示す斜視図である。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態を、図30に基づいて説明する。図30は、本実施形態に係るコイルエンドの概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のXXXB−XXXB線に沿う断面図、(c)は(a)のXXXC−XXXC線に沿う断面図である。図30(a)〜(c)においても、便宜上、第1絶縁部材134を省略して図示している。
本実施形態においては、2つの平行部200,300と連結部150が、それぞれ別部材として構成されている点を特徴とする。このような構成とすると、巻き線131の引き回しの自由度を向上することができるなお、図30においても、5層構造の積層導線ユニットを形成するものとする。
図30(a)〜(c)に示すように、平行部200、平行部300、及び連結部150は、互いに別部品となっている。詳しくは、平行部200が、5枚の導線構成部材201〜205を、導線構成部材201が最上層となるように順に積層して構成され、平行部300が、5枚の導線構成部材301〜305を、導線構成部材301が最上層となるように順に積層して構成されている。また、連結部150は、導線構成部材201〜205,301〜305同様の銅薄板からなる5枚の連結部151〜155を、平行配置(並設配置)された2つの平行部200,300に対し、連結部151が平行部200,300に近い最前面となるように順に積層して構成されている。
また、連結部150には、導線構成部材201〜205,301〜305を、所定層の連結部151〜155に到達させるための貫通孔が形成されており、貫通孔を通じて所定層の連結部151〜155に到達された導線構成部材201〜205,301〜305の端部と所定層の連結部151〜155における貫通孔壁面のみが、選択的に導電接続されるようになっている。例えば、連結部151〜155には、導線構成部材301を連結部155まで到達させるために積層状態で連なる貫通孔がそれぞれ設けられ、貫通孔へ挿入される導線構成部材301の端部のうち、連結部151〜154の貫通孔へ挿入された部位は、連結部151〜154との間が絶縁分離され、連結部155の貫通孔へ挿入される部位のみが、連結部150と電気的に接続されている。このような選択的な導電接続は、例えば導線構成部材201〜207,301〜307、又は、連結部151〜155の貫通孔壁面における、絶縁被覆材料からの選択的な露出によって可能となる。
このように、別部品として構成された平行部200、平行部300、及び連結部150を組みつけてなる積層導線ユニット500によっても、第6実施形態に示したコイルエンド構造を実現することができる。
なお、本実施形態においては、積層導線132である平行部200,300を構成する導線構成部材133を用いて、連結部150を構成する各連結部151〜155を構成することで、2つの平行部200,300を連結部150で連結してなるユニットを積層導線ユニット500とする例を示した。しかしながら、連結部151〜155は上記例に限定されるものではなく、導線構成部材133以外の部材を採用することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態においては、電磁機器としてのモータ100を例にとり、固定子110の鉄心111に巻回されるコイル130に、本発明に特徴的な構造を採用する例を示した。しかしながら、発明の対象はモータ100に限定されるものではない。導線を巻回してなるコイルを複数含む電磁機器であって、少なくとも一部の導線に、漏れ磁束による渦電流が生じる構成のものであれば適用することができる。例えばモータ100以外にも、トランス等に適用することができる。当該構成であれば、鉄心を有さなくとも良い。また、モータ100であっても、コイルが各相に分かれていなくとも良い。さらには、固定子側でなく、回転子側にコイルが巻回される構成においても、適用することができる。
また、本実施形態においては、第1絶縁部材134が、積層導線132とともに、巻き線131を構成する例を示した。しかしながら、第1絶縁部材134は、積層導線132と当該積層導線132との間に電位差のある他の部材との間に配置されれば良い。したがって、積層導線132とともに一体化されていなくとも良い。例えば他の部材に一体化されていても良い。
また、本実施形態においては、1つの積層導線132ごとに分離された例を示した。しかしながら、例えば図31に示すように、互いに電気的に接続されない複数の積層導線132a〜132cを一体化して構成しても良い。この場合、隣接する積層導線132aと積層導線132bとの間、積層導線132bと積層導線132cの間にも、第1絶縁部材134を配置することで、各積層導線132a〜132c間の電気的な絶縁を確保することができる。また、一体化することで、生産性が向上する。なお、一体化される導線の本数は上記例に限定されるものではない。また、隣接する導線間を絶縁する絶縁部材を、外周面に配置される第1絶縁部材134とは異なる条件(材料及び/又は厚さ)としても良い。図31は、その他変形例を示す断面図である。例えば図32に示すように、複数の積層導線200a,300aが一体化され、複数の積層導線200b,300bが一体化された構成において、ティース113を挟んで対向配置された積層導線200a,200bと、積層導線300a,300bに対して、第6実施形態(図18参照)で示したコイルエンド構造をそれぞれ適用しても良い。これにより、渦電流損をより低減することができる。図32は、その他変形例を示す平面図である。
なお、図32の変形として、同一スロット112に収容された積層導線200a,300a(積層導線200b、300b)の間に、第1絶縁部材134の配置されない状態、又は、第2絶縁部材136のみが配置された状態としても良い。このように、導線構成部材133が複数枚積層されて積層導線が構成されている場合においても、積層導線を複数枚の導線構成部材133からなる複数のブロックに分け、例えばティース113を挟んで対向配置された積層導線のブロック同士に、第6実施形態(図18参照)で示したコイルエンド構造をそれぞれ適用することで、渦電流損をより低減することができる。このような構成は、1つの積層導線において、導線構成部材133の積層数が多く、全体として厚みがあり、一括しての折曲や捻りが困難な場合に有効である。
本実施形態に係るモータの、固定子周辺の概略構成を示す断面図である。 第1実施形態に係る巻き線の概略構成を示す断面図である。 巻き線を構成する導線に生じる渦電流の状態を示す図である。 コイルエンドの一構成を示す斜視図である。 巻き線の変形例を示す断面図である。 巻き線の変形例を示す断面図である。 巻き線の変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係る巻き線の概略構成を示す断面図である。 巻き線を構成する導線に生じる渦電流の状態を示す図である。 第3実施形態に係るモータの、固定子周辺の概略構成を示す断面図である。 第4実施形態に係るコイルエンドの一構成を示す斜視図である。 コイルエンドの変形例を示す組み付け前の斜視図である。 第5実施形態に係るコイルエンドの一構成を説明するための図であり、(a)は巻き線の断面図、(b)は巻き線の折曲状態を示す側面図である。 (a),(b)ともに、導線構成部材の構成例を示す平面図である。 図14(a)に示した導線構成部材を用いたコイルエンドの一構成を説明するための図であり(a)は積層方向から見た平面図、(b)は(a)のXVB−XVB線に沿う断面図である。 第1実施形態に示したコイルエンド構造の改良すべき点を説明するための斜視図である。 第6実施形態に係るコイルエンド構造が適用される導線の配置を説明するための、モータの固定子周辺の概略構成を示す断面図である。 第6実施形態に係るコイルエンド構造の概略構成を示す斜視図である。 図18をコイルエンド側から見た平面図である。 第6実施形態に係るコイルエンド構造の具体的な構成方法を示す斜視図であり、(a)は積層工程、(b)は折曲工程を示している。 第6実施形態に係るコイルエンド構造の効果を示す周波数と浮遊銅損との関係を示す図である。 コイルエンド構造の変形例を示す斜視図である。 コイルエンド構造の変形例の概略構成を示す斜視図である。 図23をコイルエンド側から見た平面図である。 第7実施形態に係るコイルエンドの具体的な構成方法を示す斜視図であり、(a)は第1の折曲工程、(b)は第2の折曲工程、(c)は積層工程を示している。 コイルエンド構成方法の変形例を示す斜視図であり、(a)は準備工程、(b)第1の折曲工程、(c)は第2の折曲工程、(d)は積層工程を示している。 第8実施形態に係るコイルエンドの具体的な構成方法を示す斜視図であり、(a)は準備工程、(b)は折曲工程、(c)は積層工程を示している。 第9実施形態に係るコイルエンドの具体的な構成方法を示す斜視図であり、(a)は積層工程、(b)は折曲工程を示している。 積層導線ユニットの変形例を示す斜視図である。 第10実施形態に係るコイルエンドの概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のXXXB−XXXB線に沿う断面図、(c)は(a)のXXXC−XXXC線に沿う断面図である。 その他変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す平面図である。
符号の説明
100・・・モータ(電磁機器)
110・・・固定子
111・・・鉄心
112・・・スロット
130・・・コイル
131・・・巻き線
132・・・積層導線
133,135・・・導線構成部材
134・・・第1絶縁部材
136・・・第2絶縁部材
140・・・連結部材
150,151〜157・・・連結部
200,300・・・平行部
201〜207,301〜307・・・導線構成部材
400・・・積層導線ユニット

Claims (9)

  1. 導線を巻回してなるコイルを複数含む電磁機器であって、
    複数の前記コイルを構成する導線の少なくとも一部が、当該導線に鎖交する漏れ磁束によって生じる渦電流を分断するように導線構成部材を積層して構成され、
    積層構成された積層導線は、複数の前記導線構成部材を積層して構成され前記積層導線の外周面の表面のみに、第1絶縁部材が配置されており、
    前記導線は、互いに略平行に配置された前記積層導線としての複数の平行部と、2つの前記平行部において一方の端部間を連結する連結部とを有し、
    2つの前記平行部は、連結される側の前記端部において、前記導線構成部材にそれぞれ生じる前記渦電流を打ち消すように、前記導線構成部材が2つの前記平行部間で前記連結部を介して選択的に導電接続され、他方の端部において、積層された前記導線構成部材同士が前記平行部ごとに導電接続されており、
    2つの前記平行部は、前記導線構成部材の積層数が同じであり、
    2つの前記平行部において、同一方向に大きさのほぼ等しい前記渦電流が生じる前記導線構成部材同士が選択的に導電接続され、
    それぞれに作用する前記漏れ磁束の向きが反対である2つの前記平行部と当該平行部を連結する前記連結部が、複数の前記導線構成部材が積層された1つの連続した導線として構成され、
    2つの前記平行部において、前記導線構成部材の積層順が逆とされていることを特徴とする電磁機器。
  2. 導線を巻回してなるコイルを複数含む電磁機器であって、
    複数の前記導線の少なくとも一部が、当該導線に鎖交する漏れ磁束によって生じる渦電流を分断するように導線構成部材を積層して構成され、
    積層構成された積層導線は、複数の前記導線構成部材を積層して構成され、前記積層導線の外周面の表面に、第1絶縁部材が配置され、
    同一の前記積層導線において、隣り合う前記導線構成部材間に、前記第1絶縁部材よりも厚さの薄い第2絶縁部材が配置されており、
    前記導線は、互いに略平行に配置された前記積層導線としての複数の平行部と、2つの前記平行部において一方の端部間を連結する連結部とを有し、
    2つの前記平行部は、連結される側の前記端部において、前記導線構成部材にそれぞれ生じる前記渦電流を打ち消すように、前記導線構成部材が2つの前記平行部間で前記連結部を介して選択的に導電接続され、他方の端部において、積層された前記導線構成部材同士が前記平行部ごとに導電接続されており、
    2つの前記平行部は、前記導線構成部材の積層数が同じであり、
    2つの前記平行部において、同一方向に大きさのほぼ等しい前記渦電流が生じる前記導線構成部材同士が選択的に導電接続され、
    それぞれに作用する前記漏れ磁束の向きが反対である2つの前記平行部と当該平行部を連結する前記連結部が、複数の前記導線構成部材が積層された1つの連続した導線として構成され、
    2つの前記平行部において、前記導線構成部材の積層順が逆とされていることを特徴とする電磁機器。
  3. 前記第2絶縁部材は、隣り合う前記導線構成部材を固定する接着剤であることを特徴とする請求項2に記載の電磁機器。
  4. 複数枚の平面略コの字状の前記導線構成部材が折曲されて、2つの前記平行部における前記導線構成部材の積層順が逆とされていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の電磁機器。
  5. 複数枚の直線状の前記導線構成部材が折曲されて、2つの前記平行部における前記導線構成部材の積層順が逆とされていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の電磁機器。
  6. 前記コイルはそれぞれ鉄心に巻回されており、
    前記鉄心に設けられたスロットに、前記平行部が挿入固定され、
    前記第1絶縁部材は、積層構成された前記平行部の外周面の表面として、前記鉄心との対向部位に配置されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の電磁機器。
  7. 前記導線が互いに逆方向に巻回された2つの前記コイルを電気的に接続してなるコイルユニットを含み、
    2つの前記コイルのうち、前記漏れ磁束をより強く受ける側の前記コイルが、前記積層導線によって構成されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の電磁機器。
  8. 前記コイルとして各相のコイルを含み、
    前記第1絶縁部材は、前記積層導線の外周面の表面として、異なる相の前記コイルを構成する導線との対向部位に少なくとも配置されていることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の電磁機器。
  9. 前記第1絶縁部材は、前記積層導線の長手方向に沿って、前記積層導線を取り囲むように筒状に設けられていることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項に記載の電磁機器。
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