JP2013243904A - 回転電機 - Google Patents

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Shinya Urata
信也 浦田
Hideo Nakai
英雄 中井
Hiroyuki Hattori
宏之 服部
Ayako Hasegawa
絢子 長谷川
Tetsuya Miura
徹也 三浦
Katsuhiko Takebe
勝彦 建部
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Abstract

【課題】循環電流の発生を抑制することが可能な回転電機を提供することである。
【解決手段】集合導線6は、複数の導体素線64が一体化してU字状の形状を有し、U字状の形状のうちの第1の直線部61がステータコアの一方のスロットに挿入され、U字状の形状のうちの第2の直線部62がステータコアの他方のスロットに挿入される。複数の集合導線6がステータコアの周方向に沿って配置され、複数の集合導線6の端部同士が接続されることによりステータコイルが構成される。集合導線6に鎖交する磁束によって、第1の直線部61で電流を誘導する起電圧が、第2の直線部62で電流を誘導する起電圧と逆向きになるように、集合導線6は、複数の導体素線64のうちの少なくとも2本の導体素線64の間でねじれにより位置をずらす転位部を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は回転電機に関する。
モータの小型化のため、平角導線を用いたSC(Segment Conductor)巻線の検討が行われている。平角導線は渦電流損を生じやすいため、導体分割による対策が提案されている。例えば、モータのステータコアの各スロットに配置される導体線として、複数の導体素線を一体化して構成された集合導線を使用することが考えられている。
例えば下記の特許文献1には、内側に配置されるU字状の導体素線(内側素線)と、内側素線の外側に配置されて内側素線を内包するU字状の導体素線(外側素線)とを含む集合導線が開示されている。内側素線及び外側素線のそれぞれは、U字状の形状のうちの一方の直線部と、他方の直線部と、これら2つの直線部を接続するターン部とを有し、当該ターン部は径方向にずらされている。
特開2006−149049号公報
ところで、集合導線を用いることで渦電流損を抑制することができるが、隣接する集合導線同士の接続方法次第では、接続箇所(溶接によって接続する箇所)の間で還流する電流(循環電流)が発生することがあり、循環電流による損失によって渦電流損対策の効果が相殺されてしまうおそれがある。
例えば上記の特許文献1に記載された回転電機のように、内外に分割された2本の導体素線からなる集合導線では、モータ内のコイルに鎖交する磁束による渦電流損を十分に抑制することは困難である。また、ステータの起磁力の大きいモータでは、内外だけではなく径方向にも導線を分割する必要があり、ロータからの磁束の影響を受ける位置のコイルでは、周方向にも導線を分割する必要がある。また、特許文献1に記載された回転電機では、隣接する集合導線同士の接続箇所(溶接による接続箇所)における循環電流の発生を抑制することは困難である。
本発明の目的は、循環電流の発生を抑制することが可能な回転電機を提供することである。
本発明は、径方向内側に延びた複数のティースを備え、隣り合うティースの間にスロットが設けられた環状のステータコアと、複数の導体素線が一体化してU字状の形状を有し、前記U字状の形状のうちの一方の直線部が前記ステータコアの一方のスロットに挿入され、前記U字状の形状のうちの他方の直線部が前記ステータコアの他方のスロットに挿入された集合導線が、前記ステータコアの周方向に沿って複数配置され、複数の集合導線の端部同士が接続されることにより構成されるステータコイルと、を有する回転電機であって、前記集合導線に鎖交する磁束によって前記一方の直線部で電流を誘導する起電圧が、前記他方の直線部で電流を誘導する起電圧と逆向きになるように、前記集合導線は、前記複数の導体素線のうちの少なくとも2本の導体素線の間でねじれにより位置をずらす転位部を含む、ことを特徴とする回転電機である。
また、前記転位部は、前記複数の導体素線のうちの少なくとも2本の導体素線の間でねじれにより前記ステータコアの径方向に位置をずらしてもよい。
また、前記転位部は、前記複数の導体素線のうちの外側に配置された少なくとも2本の導体素線の間でねじれにより前記ステータコアの径方向に位置をずらしてもよい。
また、前記第1の直線部及び前記第2の直線部は、磁束の向きが互いに反対方向となるスロットに挿入されてもよい。
また、前記スロットの先端部に設けられた集合導線が前記転位部を含んでもよい。
また、前記ステータコイルのコイルピッチが電気角で略180度となるように、前記集合導線が前記スロットに挿入されてもよい。
また、前記ステータコイルは分布巻き型のコイルを構成してもよい。
また、前記集合導線を構成する前記複数の導体素線は、芯線導体素線と、前記芯線導体素線の周囲に配置された複数の周囲導体素線とを含んで構成され、前記転位部は、前記複数の周囲導体素線のうちの少なくとも2本の周囲導体素線の間でねじれにより位置をずらしてもよい。
また、前記芯線導体素線の断面積は、前記周囲導体素線の断面積よりも大きくてもよい。
また、前記芯線導体素線は、前記複数の導体素線のうちの中心に配置された導体素線であってもよい。
また、前記転位部は、前記ステータコイルのコイルエンドに設けられていてもよい。
本発明によると、集合導線に鎖交する磁束によって一方の直線部で電流を誘導する起電圧が、他方の直線部で電流を誘導する起電圧と逆向きになるように、複数の導体素線のうちの少なくとも2本の導体素線の間でねじれにより位置をずらすことで、一方の直線部及び他方の直線部のそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合うため、循環電流が抑制され、循環電流による損失を低減することが可能となる。
本発明の実施形態に係る回転電機の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るステータコアの一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る集合導線の一例を示す斜視図である。 図3のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る集合導線の一部を展開した状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る回転電機における磁束分布の一例を示す図である。 ステータコイルにおける損失の一例を示すグラフである。 本発明の変形例1に係る集合導線を示す断面図である。 本発明の変形例2に係る集合導線を示す断面図である。 本発明の変形例3に係る集合導線を示す断面図である。 本発明の変形例4に係る集合導線を示す断面図である。 本発明の変形例5に係る集合導線を示す断面図である。 参考例に係る集合導線を示す断面図である。 本発明の変形例6に係る集合導線を示す断面図である。 本発明の変形例7に係る集合導線を示す断面図である。 参考例に係る集合導線を示す断面図である。
図1から図6を参照して、本発明の実施形態に係る回転電機について説明する。本実施形態に係る回転電機1は、一例として三相交流同期モータであり、図1に示すように、ステータ2とロータ4とを備えている。図2に示すように、ステータ2は、複数の電磁鋼板の積層体である環状のステータコア21と、ステータコア21から径方向内側に突出した複数のティース22とを備えている。隣り合うティース22の間にはスロット23が設けられている。ステータ2にはステータコイル3が巻回されている。ロータ4は、シャフト5に接続されてステータ2の内側に配置されている。ロータ4は、複数の電磁鋼板の積層体であるロータコア41と、永久磁石42とを含む。U相ケーブル、V相ケーブル及びW相ケーブルからなる図示しない三相ケーブルがステータコイル3に接続され、トルク指令値によって指定されたトルクを出力するためのモータ制御電流が三相ケーブルを介してステータコイル3に供給される。
本実施形態に係るステータ2では、SC(Segment Conductor)巻線構造が採用されている。すなわち、セグメントコンダクタと称される導線をステータ2のスロット23に軸方向に沿って挿入し、その後、導線の先端部を折り曲げてティース22に巻回することでステータコイル3が構成される。本実施形態では、図3に示すU字状の集合導線6をステータコア21の一方面側からステータコア21の各スロット23に挿入し、スロット23から各集合導線6の飛び出し端部を周方向に折り曲げ、各集合導線6の飛び出し端部の先端部(接合部)を所定の組み合わせで溶接することでステータコイル3が構成される。本実施形態に係るステータコイル3は、例えば分布巻き型のコイルを構成しており、一例として、ステータコイル3のコイルピッチが電気角で略180度となるように、集合導線6がスロット23に挿入されている。なお、集合導線6の「U字状」は、コの字状やV字状の形状を含む概念である。
ここで、図3から図5を参照して、本実施形態に係る集合導線6について説明する。図3に示すように、集合導線6はU字状の形状を有し、U字状の形状のうちの一方の直線部である第1の直線部61と、U字状の形状のうちの他方の直線部である第2の直線部62と、第1の直線部61と第2の直線部62とを接続する接続部63とによって構成されている。図4に示すように、集合導線6は、幅方向(図4の横方向)及び厚さ方向(図4の縦方向)に配列されて一体化された複数の角線状の導体素線64を有する。図4に示す例では、集合導線6は4本の導体素線64を有し、幅方向に2本の導体素線64が配列され、厚さ方向に2本の導体素線64が配列されている。このように、図4に示す例では、4本の導体素線64が(2行×2列)の状態で配列されている。各導体素線64は矩形の断面形状を有する。複数の導体素線64は、絶縁性の被覆層65及び図示しない結着層を介して互いに結合されている。このため、集合導線6の全体の断面形状は矩形状となっている。
絶縁性の被覆層65として、例えば、導体素線64の表面を酸化させることにより構成された酸化被膜や、導体素線64の表面に付けられた酸化物の絶縁被膜等が用いられる。そして、被覆層65によって覆われた導体素線64同士が、図示しない結着層を介して結合されている。結着層として、例えば、融着材としての樹脂や、接着剤としての樹脂等が用いられる。融着材として、例えば、ポリビニルブチラール系、ポリアミド系、エポキシ系等の熱融着性を有する樹脂や、アルコール可溶に編成されたポリアミド系等のアルコール融着性を有する樹脂等が用いられる。接着剤として、例えば、EVA系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系等の樹脂が用いられる。なお、被覆層65及び結着層は上記の例に限定されるものではなく、他の材料が用いられてもよい。
なお、導体素線64の断面形状は、矩形(長方形又は正方形)の他、角部が丸まった略矩形状であってもよい。また、導体素線64は、例えば、銅、アルミニウム、銀、鉄、金又はそれらの合金等の導電性を有する材料によって構成されている。
図4に示すように、便宜的に、第1の直線部61における4本の導体素線64のそれぞれを導体素線A1〜A4と称し、第2の直線部62における4本の導体素線64のそれぞれを導体素線B1〜B4と称することとする。第1の直線部61における導体素線A1〜A4のそれぞれは、第2の直線部62における導体素線B1〜B4のそれぞれに接続部63を介して接続されている。
4本の導体素線A1〜A4のうちの導体素線A1,A4は、導体素線A2,A3よりもU字状の形状の外側に配置され、4本の導体素線B1〜B4のうちの導体素線B1,B4は、導体素線B2,B3よりもU字状の形状の外側に配置されている。すなわち、U字状の集合導線6の第1の直線部61及び第2の直線部62において、導体素線A1,A4,B1,B4が、導体素線A2,A3,B2,B3よりも外側に配置されている。
集合導線6は、図2に示すステータコア21の各スロット23に挿入される。具体的には、集合導線6の第1の直線部61はステータコア21のあるスロット23に挿入され、第2の直線部62は、第1の直線部61が挿入されたスロット23とは異なるスロット23に挿入される。例えば、第2の直線部62は、第1の直線部61が挿入されたスロット23から所定数の磁極ピッチ(例えば1磁極ピッチ(電気角度180度))離れた他のスロット23に挿入される。
このとき、第1の直線部61における導体素線A1,A2が、ロータ4側(ステータコア21の径方向内側)に配置され、導体素線A3,A4が、ロータ4の反対側(ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側))に配置されるように、第1の直線部61をスロット23に挿入する。また、第2の直線部62における導体素線B1,B2が、ロータ4の反対側(ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側))に配置され、導体素線B3,B4が、ロータ4側(ステータコア21の径方向内側)に配置されるように、第2の直線部62をスロット23に挿入する。換言すると、導体素線A1〜A4,B1〜B4のうち、導体素線A1,A2,B3,B4がロータ4側に配置され、導体素線A3,A4,B1,B2がバックヨーク側に配置されている。
以上のように配置された集合導線6の構成についてまとめて説明すると、第1の直線部61においては、導体素線A1がU字形状の外側かつロータ4側に配置され、導体素線A2がU字形状の内側かつロータ4側に配置され、導体素線A3がU字形状の内側かつバックヨーク側に配置され、導体素線A4がU字形状の外側かつバックヨーク側に配置される。また、第2の直線部62においては、導体素線B1がU字形状の外側かつバックヨーク側に配置され、導体素線B2がU字形状の内側かつバックヨーク側に配置され、導体素線B3がU字形状の内側かつロータ4側に配置され、導体素線B4がU字形状の外側かつロータ4側に配置される。
そして、導体素線A1〜A4,B1〜B4のうち同じ数字が付与された導体素線同士が接続されている。具体的には、第1の直線部61における導体素線A1と第2の直線部62における導体素線B1とが接続部63を介して接続され、導体素線A2と導体素線B2とが接続部63を介して接続され、導体素線A3と導体素線B3とが接続部63を介して接続され、導体素線A4と導体素線B4とが接続部63を介して接続されている。
例えば図5に示すように、導体素線A1及び導体素線B1は1本の導体素線64によって構成されており、導体素線A4及び導体素線B4は1本の導体素線64によって構成されている。また、図5には示さないが、導体素線A2及び導体素線B2は1本の導体素線64で構成されており、導体素線A3及び導体素線B3は1本の導体素線64で構成されている。そして、導体素線A1及び導体素線B1を構成する導体素線64の一部である転位部66にて当該導体素線64を集合導線6の中心軸を対象にしてステータコア21の径方向にねじり、また、導体素線A4及び導体素線B4を構成する導体素線64を転位部66にて集合導線6の中心軸を対象にして径方向にねじることで、2本の導体素線64の間で位置を径方向にずらす。すなわち、2本の導体素線64を転位部66にて径方向にねじることで転位部66にて交差させる。このように2本の導体素線64の間でねじれにより位置を径方向にずらす転位部66は、第1の直線部61と第2の直線部62とを接続する接続部63に設けられている。
以上のように導体素線64をステータコア21の径方向にねじることにより、1本の導体素線64のうちの第1の直線部61における導体素線A1は、ステータコア21の径方向内側(ロータ4側)に配置され、同じ導体素線64のうちの第2の直線部62における導体素線B1は、ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側)に配置されることになる。また、1本の導体素線64のうちの第1の直線部61における導体素線A4は、ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側)に配置され、同じ導体素線64のうちの第2の直線部62における導体素線B4は、ステータコア21の径方向内側(ロータ4側)に配置されることになる。このように、2本の導体素線64をステータコア21の径方向にねじることで、2本の導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらす。
同様に、導体素線A2及び導体素線B2を構成する導体素線64を転位部66にて集合導線6の中心軸を対象にして径方向にねじり、また、導体素線A3及び導体素線B3を構成する導体素線64を転位部66にて集合導線6の中心軸を対象にして径方向にねじることで、2本の導体素線64の間で位置を径方向にずらす。すなわち、2本の導体素線64を転位部66にて径方向にねじることで転位部66にて交差させる。これにより、1本の導体素線64のうちの第1の直線部61における導体素線A2は、ステータコア21の径方向内側(ロータ4側)に配置され、同じ導体素線64のうちの第2の直線部62における導体素線B2は、ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側)に配置されることになる。また、1本の導体素線64のうちの第1の直線部61における導体素線A3は、ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側)に配置され、同じ導体素線64のうちの第2の直線部62における導体素線B3は、ステータコア21の径方向内側(ロータ4側)に配置されることになる。
なお、本実施形態では、複数の導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらし、ステータコア21の周方向には位置をずらしていない。すなわち、複数の導体素線64の間でU字形状の内外の位置はずらされていない。具体的には、第1の直線部61においてU字形状の外側に配置された導体素線A1,A4と、第2の直線部62においてU字形状の外側に配置された導体素線B1,B4とが、それぞれ接続され、第1の直線部61においてU字形状の内側に配置された導体素線A2,A3と、第2の直線部62においてU字形状の内側に配置された導体素線B2,B3とが、それぞれ接続されている。すなわち、第1の直線部61においてステータコア21の径方向内側に配置された導体素線A1,A2と、第2の直線部62においてステータコア21の径方向外側に配置された導体素線B1,B2とが、U字形状の内外の配置関係(ステータコア21の周方向の配置関係)を変えずに接続されている。同様に、第1の直線部61においてステータコア21の径方向外側に配置された導体素線A3,A4と、第2の直線部62においてステータコア21の径方向内側に配置された導体素線B3,B4とが、U字形状の内外の配置関係(ステータコア21の周方向の配置関係)を変えずに接続されている。
そして、ステータコア21において、磁束の流れの向き(磁界ベクトルBの向き)が互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61と第2の直線部62とを挿入する。図6に、回転電機1における磁束分布の一例を示す。図6は、通電時の磁束分布のシミュレーション結果を示すものである。一例として、1極あたり6個のスロット23がステータコア21に設けられており、第1の直線部61及び第2の直線部62は互いに1磁極ピッチ(電気角度180度)離れたスロット23に挿入される。そして、括弧付きの符号で示すように、第1の直線部61が挿入されたスロット23の隣のスロット23には、別の集合導線の第1の直線部(61)が挿入され、第2の直線部62が挿入されたスロット23の隣のスロット23には、別の集合導線の第2の直線部(62)が挿入される。
図6において、第1の直線部61が挿入されるスロット23の先端部を拡大した図と、第2の直線部62が挿入されるスロット23の先端部を拡大した図とを参照すると、第1の直線部61が挿入されるスロット23と、第2の直線部62が挿入されるスロット23とでは、矢印で示す磁束の流れの向き(磁界ベクトルBの向き)が互いに反対方向となっている。このように、磁束の流れの向きが互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61と第2の直線部62とを挿入する。
ここで、図4を参照して、第1の直線部61及び第2の直線部62のそれぞれに鎖交する磁束の流れの向き(磁界ベクトルBの向き)について説明する。成分Brは、ステータコア21の径方向における磁界の成分を示し、成分Bθは、ステータコア21の周方向における磁界の成分を示している。また、ステータコア21の径方向内側から径方向外側(スロット23の開口部から奥側)に向かう方向を径方向の正方向とし、その反対方向を径方向の負方向とする。
第1の直線部61では、径方向の成分Brの向き(磁束の径方向の向き)は正方向であり、周方向の成分Bθの向き(磁束の周方向の向き)は反時計回りの方向である。一方、第2の直線部62では、径方向の成分Brの向きは負方向であり、周方向の成分Bθの向きは時計周りの方向である。このように、第1の直線部61と第2の直線部62とでは、径方向の成分Brの向き及び周方向の成分Bθの向きが、それぞれ反対方向となっている。
以上のように、第1の直線部61と第2の直線部62とにそれぞれ鎖交する磁束の流れの向きが互いに反対方向であり、転位部66によって複数の導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらしているため、集合導線6に鎖交する磁束によって第1の直線部61で電流を誘導する起電圧が、第2の直線部62で電流を誘導する起電圧と逆向きになる。U字状の先端部(溶接による接続箇所)では導体素線64が短絡し、U字状の中央部分(接続部63)では短絡していないため、第1の直線部61で電流を誘導する起電圧が、第2の直線部62で電流を誘導する起電圧と逆向きになることで、第1の直線部61及び第2の直線部62のそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合う。そのことにより、集合導線6同士の接続箇所(溶接による接続箇所)を介して流れる循環電流が抑制され、循環電流による銅損を低減することが可能となる。その結果、回転電機の小型化及び高効率化が図れる。
次に、図7を参照して、本実施形態に係るステータコイル3における損失と、比較例に係るステータコイルにおける損失とを比較しながら説明する。図7は、ステータコイルにおける損失を示すグラフであり、縦軸がコイルでの損失を示し、横軸が周波数を示す。図7において、実線100は本実施形態に係るステータコイル3における損失を示している。一点鎖線110及び破線120は、比較例の損失を示す。一点鎖線110は、転位部66が設けられていない集合導線によって構成されているステータコイルにおける損失を示している。図4を参照して、転位部66が設けられていない集合導線について説明する。4本の導体素線64を束ねた集合導線において転位部66を設けない場合、導体素線A1と導体素線B4とが接続され、導体素線A2と導体素線B3とが接続され、導体素線A3と導体素線B2とが接続され、導体素線A4と導体素線B1とが接続される。このように、転位部66が無く複数の導体素線の間で位置がステータコアの径方向にずらされていないステータコアにおける損失が、一点鎖線110で示されている。また、破線120は、導線が分割されていないステータコイル(集合導線によって構成されていないステータコイル)における損失を示している。
図7に示すように、本実施形態に係るステータコイル3における損失が最も小さくなる。より詳しく説明すると、導線が分割されていないステータコイルの損失(破線120で示す損失)が最も大きくなり、転位部66が設けられていない集合導線によって構成されているステータコイルの損失(一点鎖線110で示す損失)は、破線120で示す損失よりも低減される。本実施形態に係るステータコイル3によると、転位部66が設けられていない集合導線によって構成されているステータコイルよりも更に損失を低減させることが可能となり、より大きな損失低減効果が得られる。
(変形例1)
次に、図8を参照して、変形例1に係るステータコイルについて説明する。図8は、変形例1に係る集合導線を示す断面図である。上述した実施形態では4本の導体素線64が束ねられた集合導線について説明したが、変形例1では8本の導体素線64が束ねられた集合導線について説明する。
変形例1に係る集合導線6Aは、上述した実施形態と同様にU字状の形状を有し、U字状の形状のうちの一方の直線部である第1の直線部61Aと、U字状の形状のうちの他方の直線部である第2の直線部62Aと、第1の直線部61Aと第2の直線部62Aとを接続する図示しない接続部とによって構成されている。変形例1では、集合導線6Aは8本の導体素線64を有し、幅方向(図8の横方向)に4本の導体素線64が配列され、厚さ方向(図8の縦方向)に2本の導体素線64が配列されている。このように、8本の導体素線64が(2行×4列)の状態で配列されている。また、図8に示すように、便宜的に、第1の直線部61Aにおける8本の導体素線64のそれぞれを導体素線A1〜A8と称し、第2の直線部62Aにおける8本の導体素線64のそれぞれを導体素線B1〜B8と称することとする。第1の直線部61Aにおける導体素線A1〜A8のそれぞれは、第2の直線部62Aにおける導体素線B1〜B8のそれぞれに接続部を介して接続されている。
第1の直線部61Aにおいては、U字状の集合導線6Aの外側から内側にかけて、導体素線A1,A5、導体素線A2,A6、導体素線A3,A7、導体素線A4,A8の順番で、導体素線A1〜A8が配置されている。また、第2の直線部62Aにおいては、U字状の集合導線6Aの外側から内側にかけて、導体素線B1,B5、導体素線B2,B6、導体素線B3,B7、導体素線B4,B8の順番で、導体素線B1〜B8が配置されている。
また、第1の直線部61Aにおける導体素線A1,A2,A3,A4が、ロータ4側(ステータコア21の径方向内側)に配置され、導体素線A5,A6,A7,A8が、ロータ4の反対側(ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側))に配置されるように、第1の直線部61Aをスロット23に挿入する。また、第2の直線部62Aにおける導体素線B1,B2,B3,B4が、ロータ4の反対側(ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側))に配置され、導体素線B5,B6,B7,B8が、ロータ4側(ステータコア21の径方向内側)に配置されるように、第2の直線部62Aをスロット23に挿入する。換言すると、導体素線A1〜A8,B1〜B8のうち、導体素線A1〜A4,B5〜B8がロータ4側に配置され、導体素線A5〜A8,B1〜B4がバックヨーク側に配置されている。
そして、上述した実施形態と同様に、少なくとも2本の導体素線64をステータコア21の径方向にねじることで、少なくとも2本の導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらす。図8に示す例では、導体素線A1〜A8,B1〜B8のうち同じ数字が付与された導体素線同士を接続する。具体的には、第1の直線部61Aにおける導体素線A1と第2の直線部62Aにおける導体素線B1とを接続し、導体素線A2と導体素線B2とを接続し、導体素線A3と導体素線B3とを接続し、導体素線A4と導体素線B4とを接続する。また、導体素線A5と導体素線B5とを接続し、導体素線A6と導体素線B6とを接続し、導体素線A7と導体素線B7とを接続し、導体素線A8と導体素線B8とを接続する。また、上述した実施形態と同様に、複数の導体素線64の間で位置はステータコア21の周方向にずらされていない。
そして、ステータコア21において、磁束の流れが互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61Aと第2の直線部62Aとを挿入する。例えば図8に示すように、第1の直線部61Aでは、径方向の成分Brの向きは正方向(スロット23の開口側から奥側)であり、周方向の成分Bθの向きは反時計回りの方向である。一方、第2の直線部62Aでは、径方向の成分Brの向きは負方向であり、周方向の成分Bθの向きは時計回りの方向である。このように、第1の直線部61Aと第2の直線部62Aとでは、径方向の成分Brの向き及び周方向の成分Bθの向きが、それぞれ反対方向となっている。
以上のように、変形例1に係るステータコイルにおいても、第1の直線部61Aと第2の直線部62Aとにそれぞれ鎖交する磁束の流れの向きが互いに反対方向であり、転位部によって複数の導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらしているため、集合導線6Aに鎖交する磁束によって第1の直線部61Aで電流を誘導する起電圧が、第2の直線部62Aで電流を誘導する起電圧と逆向きになる。そのことにより、第1の直線部61A及び第2の直線部62Aのそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合い、循環電流が抑制されて銅損を低減することが可能となる。
なお、図8に示す例においては、8本の導体素線64のすべてを転位部によって径方向にねじることで位置をステータコア21の径方向にずらしているが、8本の導体素線64のうちの一部の導体素線64を径方向にねじることで位置を径方向にずらしてもよい。例えば、8本の導体素線64のなかで外側(角部)に配置されている導体素線64を径方向にねじることで、位置をステータコア21の径方向にずらしてもよい。
一例として、導体素線A1〜A8のなかで外側(角部)に配置されている導体素線A1,A4,A5,A8と、導体素線B1〜B8のなかで外側(角部)に配置されている導体素線B1,B4,B5,B8とをそれぞれ径方向にねじりながら接続する。具体的には、導体素線A1と導体素線B1とを接続し、導体素線A4と導体素線B4とを接続し、導体素線A5と導体素線B5とを接続し、導体素線A8と導体素線B8とを接続する。このように、8本の導体素線64のなかで外側(角部)に配置された4本の導体素線64を径方向にねじることで、位置をステータコア21の径方向にずらす。
一方、導体素線A1〜A8のなかで内側(角部以外)に配置された導体素線A2,A3,A6,A7と、導体素線B1〜B8のなかで内側(角部以外)に配置された導体素線B2,B3,B6,B7については、転位部によるねじりを設けずに接続する。具体的には、導体素線A2と導体素線B6とを接続し、導体素線A3と導体素線B7とを接続し、導体素線A6と導体素線B2とを接続し、導体素線A7と導体素線B3とを接続する。
以上のように、一部の導体素線64の間で位置を径方向にずらした場合であっても、第1の直線部61A及び第2の直線部62Aのそれぞれに誘導される電流同士を打ち消すことができ、そのことにより、循環電流を抑制し、銅損を低減することが可能となる。また、複数の導体素線64のなかで外側に配置された導体素線64に循環電流が発生しやすくなる場合があるため、外側に配置された導体素線64に転位部を設けて径方向にねじることで、循環電流の発生を有効に抑制することが可能となる。
(変形例2)
次に、図9を参照して、変形例2に係るステータコイルについて説明する。図9は、変形例2に係る集合導線を示す断面図である。変形例2では12本の導体素線64が束ねられた集合導線について説明する。
変形例2に係る集合導線6Bは、上述した実施形態と同様にU字状の形状を有し、U字状の形状のうちの一方の直線部である第1の直線部61Bと、U字状の形状のうちの他方の直線部である第2の直線部62Bと、第1の直線部61Bと第2の直線部62Bとを接続する図示しない接続部とによって構成されている。変形例2では、集合導線6Bは12本の導体素線64を有し、幅方向(図9の横方向)に4本の導体素線64が配列され、厚さ方向(図9の縦方向)に3本の導体素線64が配列されている。このように、12本の導体素線64が(3行×4列)の状態で配列されている。また、図9に示すように、便宜的に、第1の直線部61Bにおける12本の導体素線64のそれぞれを導体素線A1〜A12と称し、第2の直線部62Bにおける12本の導体素線64のそれぞれを導体素線B1〜B12と称することとする。第1の直線部61Bにおける導体素線A1〜A12のそれぞれは、第2の直線部62Bにおける導体素線B1〜B12のそれぞれに接続部を介して接続されている。
第1の直線部61Bにおいては、U字状の集合導線6Bの外側から内側にかけて、導体素線A1,A5,A9、導体素線A2,A6,A10、導体素線A3,A7,A11、導体素線A4,A8,A12の順番で、導体素線A1〜A12が配置されている。また、第2の直線部62Bにおいては、U字状の集合導線6Bの外側から内側にかけて、導体素線B1,B5,B9、導体素線B2,B6,B10、導体素線B3,B7,B11、導体素線B4,B8,B12の順番で、導体素線B1〜B12が配置されている。
また、第1の直線部61Bにおける導体素線A1,A2,A3,A4が、ロータ4側(ステータコア21の径方向内側)に配置され、導体素線A9,A10,A11,A12が、ロータ4の反対側(ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側))に配置されるように、第1の直線部61Bをスロット23に挿入する。また、第2の直線部62Bにおける導体素線B9,B2,B3,B12が、ロータ4側(ステータコア21の径方向内側)に配置され、導体素線B1,B10,B11,B4が、ロータ4の反対側(ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側))に配置されるように、第2の直線部62Bをスロット23に挿入する。換言すると、導体素線A1〜A12,B1〜B12のうち、導体素線A1〜A4,B9,B2,B3,B12がロータ4側に配置され、導体素線A9〜A12,B1,B10,B11,B4がバックヨーク側に配置されている。
そして、上述した実施形態と同様に、少なくとも2本の導体素線64をステータコア21の径方向にねじることで、少なくとも2本の導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらす。図9に示す例では、一例として、導体素線A1〜A12,B1〜B12のうち同じ数字が付与された導体素線同士を接続する。例えば、12本の導体素線64のなかで外側に配置された(角部に配置された)4本の導体素線64を径方向にねじることで、それら4本の導体素線64の間で位置を径方向にずらす。具体的には、第1の直線部61Bにおける導体素線A1と第2の直線部62Bにおける導体素線B1とを接続し、導体素線A4と導体素線B4とを接続し、導体素線A9と導体素線B9とを接続し、導体素線A12と導体素線B12とを接続する。導体素線A1,A4,A9,A12,B1,B4,B9,B12以外の導体素線についても、転位部によって径方向にねじることで、複数の導体素線の間で位置を径方向にずらすことが好ましい。なお、一例として、導体素線A1,A4,A9,A12,B1,B4,B9,B12以外の導体素線については、転位部によるねじりを設けずに接続してもよい。また、上述した実施形態と同様に、複数の導体素線64の間で位置はステータコア21の周方向にずらされていない。
そして、ステータコア21において、磁束の流れが互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61Bと第2の直線部62Bとを挿入する。例えば図9に示すように、第1の直線部61Bでは、径方向の成分Brの向きは正方向(スロット23の開口側から奥側)であり、周方向の成分Bθの向きは反時計回りの向きである。一方、第2の直線部62Bでは、径方向の成分Brの向きは負方向であり、周方向の成分Bθの向きは時計周りの方向である。このように、第1の直線部61Bと第2の直線部62Bとでは、径方向の成分Brの向き及び周方向の成分Bθの向きが、それぞれ反対方向となっている。
以上のように、変形例2に係るステータコイルにおいても、第1の直線部61Bと第2の直線部62Bとにそれぞれ鎖交する磁束の流れの向きが互いに反対方向であり、転位部によって複数の導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらしているため、集合導線6Bに鎖交する磁束によって第1の直線部61Bで電流を誘導する起電圧が、第2の直線部62Bで電流を誘導する起電圧と逆向きになる。そのことにより、第1の直線部61B及び第2の直線部62Bのそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合い、循環電流が抑制されて銅損を低減することが可能となる。
図9に示す例では、集合導線6Bの角部に配置された4本の導体素線64のみを径方向にねじることで位置を径方向にずらしているが、より多くの導体素線64を径方向にねじることで位置を径方向にずらすことが好ましい。例えば、ロータ4側に配置された4本の導体素線64とバックヨーク側に配置された4本の導体素線とを転位部によって径方向にねじることで、それらの導体素線64の間で位置を径方向にずらすことが好ましい。具体的には、上述したように、角部に配置された4本の導体素線64を転位部によってねじるとともに、導体素線A2と導体素線B10とを接続し、導体素線A3と導体素線B11とを接続し、導体素線A10と導体素線B2とを接続し、導体素線A11と導体素線B3とを接続する。このように、複数の導体素線64のなかで外側に配置された導体素線64に転位部を設けて径方向にねじることで、外側の導体素線64に発生しやすい循環電流を更に有効に抑制することが可能となる。
また、集合導線6を構成する複数の導体素線64は、芯線導体素線と、その芯線導体素線の周囲に配置された複数の周囲導体素線とを含んで構成されていてもよい。転位部66は、複数の周囲導体素線のうちの少なくとも2本の周囲導体素線の間でねじれにより位置をずらしてもよい。以下の変形例3〜7において、芯線導体素線と周囲導体素線とによって集合導線6を構成する例について説明する。
(変形例3)
まず、図10を参照して、変形例3に係るステータコイルについて説明する。図10(a)は、変形例3に係る集合導線を示す断面図であり、図10(b)は、参考例に係る集合導線を示す断面図である。
変形例3に係る集合導線6Cは、上述した実施形態と同様にU字状の形状を有し、U字状の形状のうちの一方の直線部である第1の直線部61Cと、U字状の形状のうちの他方の直線部である第2の直線部62Cと、第1の直線部61Cと第2の直線部62Cとを接続する図示しない接続部とによって構成されている。変形例3では、集合導線6Cは3本の導体素線64を有し、厚さ方向(図10(a)の縦方向)に3本の導体素線64が配列されている。便宜的に、第1の直線部61Cにおける3本の導体素線64のそれぞれを芯線導体素線A0、周囲導体素線A1,A2と称し、第2の直線部62Cにおける3本の導体素線64のそれぞれを、芯線導体素線B0、周囲導体素線B1,B2と称することとする。第1の直線部61Cにおける芯線導体素線A0及び周囲導体素線A1,A2のそれぞれは、第2の直線部62Cにおける芯線導体素線B0及び周囲導体素線B1,B2のそれぞれに接続部を介して接続されている。
第1の直線部61Cにおいては、芯線導体素線A0の周囲に周囲導体素線A1,A2が配置されている。具体的には、芯線導体素線A0及び周囲導体素線A1,A2が厚さ方向に配置されており、周囲導体素線A1と周囲導体素線A2との間に芯線導体素線A0が配置されている。詳しく説明すると、周囲導体素線A1がロータ4側(ステータコア21の径方向内側)に配置され、周囲導体素線A2がロータ4の反対側(ステータコア21の径方向外側(バックヨーク側))に配置され、周囲導体素線A1と周囲導体素線A2との間に芯線導体素線A0が配置されている。
第2の直線部62Cにおいては、芯線導体素線B0の周囲に周囲導体素線B1,B2が配置されている。具体的には、芯線導体素線B0及び周囲導体素線B1,B2が厚さ方向に配置されており、周囲導体素線B1と周囲導体素線B2との間に芯線導体素線B0が配置されている。より詳しく説明すると、周囲導体素線B1がバックヨーク側に配置され、周囲導体素線B2がロータ4側に配置され、周囲導体素線B1と周囲導体素線B2との間に芯線導体素線B0が配置されている。
また、芯線導体素線A0,B0の断面積は、周囲導体素線A1,A2,B1,B2(変形例3において、「周囲導体素線A1等」と称する場合がある)の断面積よりも大きい。このように、周囲に配置された周囲導体素線A1等の中心に、周囲導体素線A1等よりも断面積が大きい芯線導体素線A0,B0を配置することで、集合導線6Cの形状維持が容易となる。
そして、2本の周囲導体素線64をステータコア21の径方向にねじることで、2本の周囲導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらす。例えば、第1の直線部61Cにおける芯線導体素線A0と第2の直線部62Cにおける芯線導体素線B0とを接続し、周囲導体素線A1と周囲導体素線B1とを接続し、周囲導体素線A2と周囲導体素線B2とを接続する。このように、芯線導体素線A0,B0については転位を行わず、周囲導体素線A1等を対象にして径方向への転位を行う。なお、図10(b)に、転位が設けられていない参考例に係る集合導線を示す。転位が設けられない場合、周囲導体素線A1等は、ねじられることなく配置されている。
そして、ステータコア21において、磁束の流れが互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61Cと第2の直線部62Cとを挿入する。例えば図10(a)に示すように、第1の直線部61Cでは、径方向の成分Brの向きは正方向(スロット23の開口側から奥側)であり、周方向の成分Bθの向きは反時計回りの方向である。一方、第2の直線部62Cでは、径方向の成分Brの向きは負方向であり、周方向の成分Bθの向きは時計周りの方向である。このように、第1の直線部61Cと第2の直線部62Cとでは、径方向の成分Brの向き及び周方向の成分Bθの向きが、それぞれ反対方向となっている。
以上のように、変形例3に係るステータコイルにおいても、第1の直線部61Cと第2の直線部62Cとにそれぞれ鎖交する磁束の流れの向きが互いに反対方向であり、転位部によって周囲導体素線A1等の間で位置をステータコア21の径方向にずらしているため、集合導線6Cに鎖交する磁束によって第1の直線部61Cで電流を誘導する起電圧が、第2の直線部62Cで電流を誘導する起電圧と逆向きになる。そのことにより、第1の直線部61C及び第2の直線部62Cのそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合い、循環電流が抑制されて銅損を低減することが可能となる。また、循環電流は、外側の導体素線間で多く流れるため、外側の周囲導体素線A1等を径方向に転位させることで、循環電流損を効果的に抑制することが可能となる。
また、芯線導体素線A0,B0の磁束鎖断面積は集合導線6Cの全体の磁束鎖断面積よりも小さくなるため、渦電流損を抑制することが可能となる。その結果、芯線導体素線A0,B0及び周囲導体素線A1等における渦電流損の和を、導体素線が分割されていないステータコイルよりも低減することが可能となる。
(変形例4)
次に、図11を参照して、変形例4に係るステータコイルについて説明する。図11は、変形例4に係る集合導線を示す断面図である。
変形例4に係る集合導線6Dは、上述した実施形態と同様にU字状の形状を有し、U字状の形状のうちの一方の直線部である第1の直線部61Dと、U字状の形状のうちの他方の直線部である第2の直線部62Dと、第1の直線部61Dと第2の直線部62Dとを接続する図示しない接続部とによって構成されている。変形例4では、集合導線6Dは5本の導体素線64を有している。便宜的に、第1の直線部61Dにおける5本の導体素線64のそれぞれを芯線導体素線A0、周囲導体素線A1〜A4と称し、第2の直線部62Dにおける5本の導体素線のそれぞれを、芯線導体素線B0、周囲導体素線B1〜B4と称することとする。第1の直線部61Dにおける芯線導体素線A0及び周囲導体素線A1〜A4のそれぞれは、第2の直線部62Dにおける芯線導体素線B0及び周囲導体素線B1〜B4のそれぞれに接続部を介して接続されている。
第1の直線部61Dにおいては、芯線導体素線A0の周囲に周囲導体素線A1〜A4が配置されている。詳しく説明すると、周囲導体素線A1,A2がロータ4側に配置され、周囲導体素線A3,A4がバックヨーク側に配置されている。また、ロータ4側において、周囲導体素線A1は周囲導体素線A2よりもU字形状の外側に配置され、バックヨーク側において、周囲導体素線A4は周囲導体素線A3よりもU字形状の外側に配置されている。そして、ロータ4側に配置された周囲導体素線A1,A2と、バックヨーク側に配置された周囲導体素線A3,A4との間に芯線導体素線A0が配置されている。
第2の直線部62Dにおいては、芯線導体素線B0の周囲に周囲導体素線B1〜B4が配置されている。詳しく説明すると、周囲導体素線B1,B2がバックヨーク側に配置され、周囲導体素線B3,B4がロータ4側に配置されている。また、ロータ4側において、周囲導体素線B4は周囲導体素線B3よりもU字形状の外側に配置され、バックヨーク側において、周囲導体素線B1は周囲導体素線B2よりもU字形状の外側に配置されている。そして、バックヨーク側に配置された周囲導体素線B1,B2と、ロータ4側に配置された周囲導体素線B3,B4との間に芯線導体素線B0が配置されている。
また、芯線導体素線A0,B0の断面積は、周囲導体素線A1〜A4,B1〜B4(変形例4において、「周囲導体素線A1等」と称する場合がある)の断面積よりも大きい。このように、周囲に配置された周囲導体素線A1等の中心に、周囲導体素線A1等よりも断面積が大きい芯線導体素線A0,B0を配置することで、集合導線6Dの形状維持が容易となる。
そして、4本の周囲導体素線64をステータコア21の径方向にねじることで、4本の周囲導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらす。図11に示す例では、同じ数が付与された導体素線同士が接続されている。具体的には、第1の直線部61Dにおける芯線導体素線A0と第2の直線部62Dにおける芯線導体素線B0とを接続し、周囲導体素線A1と周囲導体素線B1とを接続し、周囲導体素線A2と周囲導体素線B2とを接続し、周囲導体素線A3と周囲導体素線B3とを接続し、周囲導体素線A4と周囲導体素線B4とを接続する。変形例4では、U字形状の外側に配置された周囲導体素線A1,A4のそれぞれと、U字形状の外側に配置された周囲導体素線B1,B4とが接続され、U字形状の内側に配置された周囲導体素線A2,A3のそれぞれと、U字形状の内側に配置された周囲導体素線B2,B3とが接続されている。このように、芯線導体素線A0,B0については転位を行わず、周囲導体素線A1等を対象にして径方向へ転位を行う。なお、図13に、転位が設けられていない参考例に係る集合導線を示す。転位が設けられていない場合、周囲導体素線A1等は、ねじられることなく配置されている。
そして、ステータコア21において、磁束の流れが互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61Dと第2の直線部62Dとを挿入する。例えば図11に示すように、第1の直線部61Dと第2の直線部62Dとでは、径方向の成分Brの向き及び周方向の成分Bθの向きが、それぞれ反対方向となっている。
以上のように、変形例4に係るステータコイルにおいても、第1の直線部61D及び第2の直線部62Dのそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合い、循環電流が抑制されて銅損を低減することが可能となる。また、外側の周囲導体素線A1等を径方向に転位させることで、循環電流損を効果的に抑制することが可能となる。また、渦電流損を、導体素線が分割されていないステータコイルよりも低減することが可能となる。
(変形例5)
次に、図12を参照して、変形例5に係るステータコイルについて説明する。図12は、変形例5に係る集合導線を示す断面図である。
変形例5に係る集合導線6Eでは、変形例4に係る周囲導体素線B1〜B4の配置を変えた。具体的には、第2の直線部62Eにおいて、周囲導体素線B1,B2がバックヨーク側に配置され、周囲導体素線B3,B4がロータ4側に配置されている。また、ロータ4側において、周囲導体素線B3は周囲導体素線B4よりもU字形状の外側に配置され、バックヨーク側において、周囲導体素線B2は周囲導体素線B1よりもU字形状の外側に配置されている。そして、バックヨーク側に配置された周囲導体素線B1,B2と、ロータ4側に配置された周囲導体素線B3,B4との間に芯線導体素線B0が配置されている。なお、第1の直線部61Eにおける周囲導体損線A1〜A4の配置は、変形例4に係る周囲導体素線A1〜A4の配置と同じである。
そして、4本の周囲導体素線64をステータコア21の径方向にねじることで、4本の周囲導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらす。変形例5では、U字形状の外側に配置された周囲導体素線A1,A4のそれぞれと、U字形状の内側に配置された周囲導体素線B1,B4とが接続され、U字形状の内側に配置された周囲導体素線A2,A3のそれぞれと、U字形状の外側に配置された周囲導体素線B2,B3とが接続されている。このように、芯線導体素線A0,B0については転位を行わず、周囲導体素線A1等を対象にして径方向へ転位を行う。なお、図13に示す参考例に係る集合導線と比較すると、第2の直線部62Eを構成する周囲導体素線B1〜B4は、転位をさせない第2の直線部から180度回転させた状態となっている。
そして、ステータコア21において、磁束の流れが互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61Eと第2の直線部62Eとを挿入する。例えば図12に示すように、第1の直線部61Eと第2の直線部62Eとでは、径方向の成分Brの向き及び周方向の成分Bθの向きが、それぞれ反対方向となっている。
以上のように、変形例5に係るステータコイルにおいても、第1の直線部61E及び第2の直線部62Eのそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合い、循環電流が抑制されて銅損を低減することが可能となる。また、外側の周囲導体素線A1等を径方向に転位させることで、循環電流損を効果的に抑制することが可能となる。また、渦電流損を、導体素線が分割されていないステータコイルよりも低減することが可能となる。
(変形例6)
次に、図14を参照して、変形例6に係るステータコイルについて説明する。図14は、変形例6に係る集合導線を示す断面図である。
変形例6に係る集合導線6Fでは、上述した実施形態と同様にU字状の形状を有し、U字状の形状のうちの一方の直線部である第1の直線部61Fと、U字状の形状のうちの他方の直線部である第2の直線部62Fと、第1の直線部61Fと第2の直線部62Fとを接続する図示しない接続部とによって構成されている。変形例6では、集合導線6Fは13本の導体素線64を有している。便宜的に、第1の直線部61Fにおける13本の導体素線64のそれぞれを芯線導体素線A0、周囲導体素線A1〜A12と称し、第2の直線部62Fにおける13本の導体素線64のそれぞれを芯線導体素線B0、周囲導体素線B1〜B12と称することとする。第1の直線部61Fにおける芯線導体素線A0及び周囲導体素線A1〜A12のそれぞれは、第2の直線部62Fにおける芯線導体素線A0及び周囲導体素線B1〜B12のそれぞれに接続部を介して接続されている。
第1の直線部61Fにおいては、芯線導体素線A0を囲むように、芯線導体素線A0の周囲に周囲導体素線A1〜A12が配置されている。詳しく説明すると、周囲導体素線A1,A12,A11,A10が、ロータ4側において集合導線6Fの外側から内側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線A4〜A7が、バックヨーク側において集合導線6Fの外側から内側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線A1〜A4が、他の周囲導体素線よりもU字形状の外側において、ロータ4側からバックヨーク側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線A7〜A10が、他の周囲導体素線よりもU字形状の内側において、バックヨーク側からロータ4側にかけてその順番で配置されている。このように、第1の直線部61Fにおいて芯線導体素線A0が中心に配置され、芯線導体素線A0を囲むように芯線導体素線A0の周囲に周囲導体素線A1〜A12が配置されている。
第2の直線部62Fにおいては、芯線導体素線B0を囲むように、芯線導体素線B0の周囲に周囲導体素線B1〜B12が配置されている。詳しく説明すると、周囲導体素線B1,B12,B11,B10が、バックヨーク側において集合導線6Fの外側から内側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線B4〜B7が、ロータ4側において集合導線6Fの外側から内側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線B1,B3,B2,B4が、他の周囲導体素線よりもU字形状の外側において、バックヨーク側からロータ4側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線B7,B9,B8,B10が、他の周囲導体素線よりもU字形状の内側において、ロータ4側からバックヨーク側にかけてその順番で配置されている。このように、第2の直線部62Fにおいて芯線導体素線B0が中心に配置され、芯線導体素線B0を囲むように芯線導体素線B0の周囲に周囲導体素線B1〜B12が配置されている。
また、芯線導体素線A0,B0の断面積は、周囲導体素線A1〜A12,B1〜B12(変形例6において、「周囲導体素線A1等」と称する場合がある)の断面積よりも大きい。このように、周囲に配置された周囲導体素線A1等の中心に、周囲導体素線A1等よりも断面積が大きい芯線導体素線A0,B0を配置することで、集合導線6Fの形状維持が容易となる。
そして、少なくとも2本の周囲導体素線64をステータコア21の径方向にねじることで、少なくとも2本の周囲導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらす。図14に示す例では、芯線導体素線A0及び周囲導体素線A1〜A12を、同じ数字が付与された芯線導体素線B0及び周囲導体素線B1〜B12に接続する。例えば、ロータ4側に配置された4本の周囲導体素線64とバックヨーク側に配置された4本の周囲導体素線64とを転位部によって径方向にねじることで、それらの周囲導体素線64の間で位置を径方向にずらす。具体的には、ロータ4側に配置された周囲導体素線A1,A10〜A12と、バックヨーク側に配置された周囲導体素線B1,B10〜B12とを接続し、バックヨーク側に配置された周囲導体素線A4〜A7と、ロータ4側に配置された周囲導体素線B4〜B7とを接続する。また、周囲導体素線A2,A3,A8,A9と周囲導体素線B2,B3,B8,B9とを接続する。変形例6では、U字形状の外側に配置された周囲導体素線A1〜A4のそれぞれと、U字形状の外側に配置された周囲導体素線B1〜B4とが接続され、U字形状の内側に配置された周囲導体素線A7〜A10のそれぞれと、U字形状の内側に配置された周囲導体素線B7〜B10とが接続されている。このように、芯線導体素線A0,B0については転位を行わず、周囲導体素線A1等を対象にして径方向へ転位を行う。
そして、ステータコア21において、磁束の流れが互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61Fと第2の直線部62Fとを挿入する。例えば図14に示すように、第1の直線部61Fと第2の直線部62Fとでは、径方向の成分Brの向き及び周方向の成分Bθの向きが、それぞれ反対方向となっている。
以上のように、変形例6に係るステータコイルにおいても、第1の直線部61F及び第2の直線部62Fのそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合い、循環電流が抑制されて銅損を低減することが可能となる。また、外側の周囲導体素線A1等を径方向に転位させることで、循環電流損を効果的に抑制することが可能となる。また、渦電流損を、導体素線が分割されていないステータコイルよりも低減することが可能となる。
なお、図14に示す例では、周囲導体素線A2,A3,B2,B3,A8,A9,B8,B9は径方向に転位されていないが、これらについても径方向にねじることで径方向に転位させてもよい。
(変形例7)
次に、図15を参照して、変形例7に係るステータコイルについて説明する。図15は、変形例7に係る集合導線を示す断面図である。
変形例7に係る集合導線6Gは、変形例6に係る周囲導体素線B1〜B12の配置を変えた。具体的には、周囲導体素線B1,B12,B11,B10が、バックヨーク側において集合導線6Gの内側から外側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線B4〜B7が、ロータ4側において集合導線6Gの内側から外側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線B1〜B4が、他の周囲導体素線よりもU字形状の内側において、バックヨーク側からロータ4側にかけてその順番で配置されている。また、周囲導体素線B7〜B10が、他の周囲導体素線よりもU字形状の外側において、ロータ4側からバックヨーク側にかけてその順番で配置されている。このように、第2の直線部62Gにおいて芯線導体素線B0が中心に配置され、芯線導体素線B0を囲むように芯線導体素線B0の周囲に周囲導体素線B1〜B12が配置されている。なお、第1の直線部61Gにおける周囲導体素線A1〜A12の配置は、変形例6に係る周囲導体素線A1〜A12の配置と同じである。
そして、少なくとも2本の周囲導体素線64をステータコア21の径方向にねじることで、少なくとも2本の周囲導体素線64の間で位置をステータコア21の径方向にずらす。図15に示す例では、芯線導体素線A0及び周囲導体素線A1〜A12を、同じ数字が付与された芯線導体素線B0及び周囲導体素線B1〜B12に接続する。例えば、ロータ4側に配置された周囲導体素線A1,A10〜A12と、バックヨーク側に配置された周囲導体素線B1,B10〜B12とを接続し、バックヨーク側に配置された周囲導体素線A4〜A7と、ロータ4側に配置された周囲導体素線B4〜B7とを接続する。また、周囲導体素線A2,A3,A8,A9と周囲導体素線B2,B3,B8,B9とを接続する。変形例7では、U字形状の外側に配置された周囲導体素線A1〜A4のそれぞれと、U字形状の内側に配置された周囲導体素線B1〜B4のそれぞれとが接続され、U字形状の内側に配置された周囲導体素線A7〜A10のそれぞれと、U字形状の外側に配置された周囲導体素線B7〜B10とが接続されている。このように、芯線導体素線A0,B0については転位を行わず、周囲導体素線A1等を対象にして径方向へ転位を行う。なお、図16に示す参考例に係る集合導線と比較すると、第2の直線部62Gを構成する周囲導体素線B1〜B12は、転位をさせない第2の直線部から180度回転させた状態となっている。
そして、ステータコア21において、磁束の流れが互いに反対方向となるスロット23に、第1の直線部61Gと第2の直線部62Gとを挿入する。例えば図15に示すように、第1の直線部61Gと第2の直線部62Gとでは、径方向の成分Brの向き及び周方向の成分Bθの向きが、それぞれ反対方向となっている。
以上のように、変形例7に係るステータコイルにおいても、第1の直線部61G及び第2の直線部62Gのそれぞれに誘導される電流同士が打ち消し合い、循環電流が抑制されて銅損を低減することが可能となる。また、外側の周囲導体素線A1等を径方向に転位させることで、循環電流損を効果的に抑制することが可能となる。また、渦電流損を、導体素線が分割されていないステータコイルよりも低減することが可能となる。
なお、上述した実施形態及び変形例1〜7において、スロット23の先端部(開口部付近)に設置される集合導線6,6A〜6Gのみに転位部を設けてもよい。また、コイルエンドに転位部を設けてもよい。また、上述した実施形態及び変形例1〜7では、1つの集合導線に含まれる導体素線64の数が、3本、4本、5本、8本、12本、13本の場合について説明したが、集合導線は、それら以外の本数の導体素線64を含んでいてもよい。
1 回転電機、2 ステータ、3 ステータコイル、4 ロータ、5 シャフト、6,6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G 集合導線、21 ステータコア、22 ティース、23 スロット、41 ロータコア、42 永久磁石、61,61A,61B,61C,61D,61E,61F,61G 第1の直線部、62,62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G 第2の直線部、63 接続部、64,A1〜A12,B1〜B12 導体素線、A0,B0 芯線導体素線、65 被覆層、66 転位部。

Claims (11)

  1. 径方向内側に延びた複数のティースを備え、隣り合うティースの間にスロットが設けられた環状のステータコアと、
    複数の導体素線が一体化してU字状の形状を有し、前記U字状の形状のうちの一方の直線部が前記ステータコアの一方のスロットに挿入され、前記U字状の形状のうちの他方の直線部が前記ステータコアの他方のスロットに挿入された集合導線が、前記ステータコアの周方向に沿って複数配置され、複数の集合導線の端部同士が接続されることにより構成されるステータコイルと、
    を有する回転電機であって、
    前記集合導線に鎖交する磁束によって前記一方の直線部で電流を誘導する起電圧が、前記他方の直線部で電流を誘導する起電圧と逆向きになるように、前記集合導線は、前記複数の導体素線のうちの少なくとも2本の導体素線の間でねじれにより位置をずらす転位部を含む、
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機であって、
    前記転位部は、前記複数の導体素線のうちの少なくとも2本の導体素線の間でねじれにより前記ステータコアの径方向に位置をずらす、
    ことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機であって、
    前記転位部は、前記複数の導体素線のうちの外側に配置された少なくとも2本の導体素線の間でねじれにより前記ステータコアの径方向に位置をずらす、
    ことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転電機であって、
    前記第1の直線部及び前記第2の直線部は、磁束の向きが互いに反対方向となるスロットに挿入されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回転電機であって、
    前記スロットの先端部に設けられた集合導線が前記転位部を含む、
    ことを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の回転電機であって、
    前記ステータコイルのコイルピッチが電気角で略180度となるように、前記集合導線が前記スロットに挿入されている、
    ことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項6に記載の回転電機であって、
    前記ステータコイルは分布巻き型のコイルを構成している、
    ことを特徴とする回転電機。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回転電機であって、
    前記集合導線を構成する前記複数の導体素線は、芯線導体素線と、前記芯線導体素線の周囲に配置された複数の周囲導体素線とを含んで構成され、
    前記転位部は、前記複数の周囲導体素線のうちの少なくとも2本の周囲導体素線の間でねじれにより位置をずらす、
    ことを特徴とする回転電機。
  9. 請求項8に記載の回転電機であって、
    前記芯線導体素線の断面積は、前記周囲導体素線の断面積よりも大きい、
    ことを特徴とする回転電機。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の回転電機であって、
    前記芯線導体素線は、前記複数の導体素線のうちの中心に配置された導体素線である、
    ことを特徴とする回転電機。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の回転電機であって、
    前記転位部は、前記ステータコイルのコイルエンドに設けられている、
    ことを特徴とする回転電機。
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