(本発明の着眼点)
本発明者等は、渦電流損は、固定子巻線の素線内に局所的に発生する素線内渦電流に起因した損失と、固定子巻線の素線内を循環して流れる素線間循環渦電流に起因した損失とに分類することができることに着眼した。
以下、素線内渦電流及び素線間渦電流について図13、図14、及び図15を用いて説明する。なお、図13は空芯構造の固定子を備えた回転界磁型の回転機の磁束分布を示す図である。また、図14は素線内渦電流を説明するための模式図であり、図15は素線間循環渦電流を説明するための模式図である。
図13に示すように、回転子16の外周側には周方向にN極及びS極の磁極対を成す超電導コイル28が配置されている。一方、回転子16の外周を取り囲む固定子18の内周側には周方向に複数のティース34が配置されるとともに、互いに隣り合うティース34間に形成され且つ個別に独自のスロット番号が付与されたスロット36には、固定子巻線40が配置されている。なお、スロット36の径方向外側領域には、一本の固定子巻線40の一端40a側の直線部分が回転子16の超電導コイル28から成る磁極対のうちN極と対向するように配置されている。また、スロット36の径方向内側領域には、固定子巻線40の他端40b側の直線部分が回転子16の超電導コイル28から成る磁極対のうちS極と対向するように配置されている。空芯構造の固定子の場合、ティース34は鉄等の強磁性材料の鉄芯ではないため、ティース34の鉄芯に磁束が収束せず、スロット36に配置された固定子巻線40に対してスロット36の径方向に沿って鎖交する磁束が発生する。この鎖交磁束の変化が打ち消されるよう、固定子巻線を構成する各素線41内には素線内渦電流が発生し(図14参照)、また固定子巻線を構成する各素線41間を循環する素線間循環渦電流が発生する(図15参照)。
素線内渦電流損を低減するためには、一本の太い素線を使用するよりも、円形又は矩形の断面を有する複数の細くて平行な素線を束ねて形成された束線を使用する方がよい。このことはよく知られている。
一方、素線間循環渦電流損を低減する方策については、従来、特に言及されていなかった。但し、「発明が解決しようとする課題」で述べたように、複数の素線同士を撚ると、素線間に鎖交する磁束をキャンセルすることができる。しかしながら、この手法を採用すると、スロット内の巻線占積率が低下してしまう。そこで、本発明者等は、素線間循環渦電流損を低減するために、スロット内に素線が特定の態様で配置されよう構成することを想到した。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[超電導回転機の構造例]
図1は本発明の実施の形態1に係る超電導回転機の外観例とその内部構造例を示した図である。図2は本発明の実施の形態1に係る超電導回転機の構成例を模式的に示した断面図である。なお、図2に示す超電導回転機は6相(U相、V相、W相、X相、Y相、Z相)、6極(永久磁石界磁)、且つスロット数が72個の場合である。なお、超電導回転機の相数及び極数が任意であるのは言うまでもない。
図1に示す超電導回転機10は、回転子16を超電導化(超電導界磁巻線)して固定子18を常電導化(常電導電機子巻線)したラジアルギャップ型の構造を呈している。超電導回転機10は、筐体12と、筐体12の中心軸14を中心として回転自在に支持された回転子16と、回転子16の周囲を取り囲むように筐体12の内壁に固定された固定子18とを有する。
回転子16は、中心軸14に沿って延設され、筐体12によって回転自在に支持されたロータシャフト20を有する。ロータシャフト20は、中心軸14を中心とする内側円筒体であるロータコア22と外側円筒体であるケーシング24とを支持している。ロータコア22とケーシング24との間には筒状の真空断熱空間が構築されており、この真空断熱空間内にはその周方向に沿って等間隔に複数の磁極対を成した無鉄芯型の超電導コイル28が配置されている。図2には、6極の場合として、3つの磁極対を有する超電導コイル28の配置が示されている。また、回転子16は、図示しないが、前述の真空断熱空間内に配置された超電導コイル28を冷却するための冷却機構が設けられている。この冷却機構において使用される超電導コイル28を冷却するための冷媒としては例えばヘリウムガスを採用することができる。ロータコア22は、非磁性材料で低温特性に優れた材料、例えば、SUS316から成る中実円柱体の鍛造材料を切削加工して形成することが好ましい。ケーシング24は、低温に対する断熱性が優れた一又は複数の断熱材層を備えていることが好ましい。
固定子18は、筐体12の内周面に固定された筒状のバックヨーク32を有する。バックヨーク32は、中心軸14と直交する方向に延設される複数の電磁鋼板(例えば、珪素鋼板)を積層して形成することが好ましい。バックヨーク32の内周面には、中心軸14を中心とする周方向に等間隔に配置された複数のティース34を支持している。各ティース34は、バックヨーク32から固定子18の径方向内側に向けて延設されるとともに、中心軸14と平行な方向に延設されている。固定子18の周方向に沿って互いに隣り合うティース34の間には、中心軸14と平行な方向に延設される略長方形断面のスロット36(凹状の溝)が形成されている。
ティース34は、非磁性材料、例えば、繊維強化プラスチック(FRP)などの高い機械的強度を有する剛性樹脂材料により形成されている。この他に、ティース34は、非磁性金属、例えばステンレスにより形成されてもよい。また、ティース34は、中心軸14と平行な方向に多数の薄板を積層して形成されてもよい。このように、ティース34が非磁性材料により形成されることで、回転子16の回転に伴う磁界の移動によってティース34の内部に渦電流が発生することを回避でき、これに伴い、ティース34の冷却機構が不要となり得る。また、ティース34の径方向内側端部(回転子16に対向する端部)に磁束が集中することも回避できる。
各スロット36には、理解を容易にするために、便宜的に、各々を識別するためのスロット番号が付与されている。図2には、スロット数が72個の場合のスロット番号の付与方法が示されている。そして、詳細は後述するが、各スロット36には、固定子18の径方向外側領域及び径方向内側領域それぞれに、互いに同相である固定子巻線40の単位巻線対が配置されている。なお、固定子18の軸方向一端側から見て、径方向外側領域には単位巻線対の一端(始端)が出現し、径方向内側領域には単位巻線対の他端(終端)が出現する。したがって、固定子巻線40の単位巻線の総数はスロット数と同じ72本である。以下では、各スロット36に配置される固定子巻線40の単位巻線を40(1),40(2),・・・,40(72)の符号を用いて識別するとともに、各スロット36を36(1),36(2),・・・,36(72)の符号を用いて説明する。
図3は、図2に示す固定子巻線40の構成例を示す結線図である。図3に示すように、固定子巻線40は、互いに位相が120°異なるU相巻線、V相巻線、及びW相巻線から成る第1のY(スター)結線と、互いに位相が120°異なり且つ第1のY結線の各相巻線とは位相が60°ずれて配置されるX相巻線、Y相巻線、及びZ相巻線から成る第2のY(スター)結線とを有し、さらに、第1のY結線の中性点と第2のY結線の中性点とが互いに接続されている。ここで、U相巻線の両端のうち外部接続端をU+と、中性点接続端をU−とそれぞれ表し、V相巻線の両端のうち外部接続端をV+と、中性点接続端をV−とそれぞれ表し、W相巻線の両端のうち外部接続端をW+と、中性点接続端をW−とそれぞれ表している。同様に、X相巻線の両端のうち外部接続端をX+と、中性点接続端をX−とそれぞれ表し、Y相巻線の両端のうち外部接続端をY+と、中性点接続端をY−とそれぞれ表し、Z相巻線の両端のうち外部接続端をZ+と、中性点接続端をZ−とそれぞれ表している。したがって、中性点接続端U−、V−、W−、X−、Y−、Z−は共通に接続されている。
図4Aは、図3に示す固定子巻線40を構成する各相巻線の結線例を示す模式図である。図4Bは、図4Aに示す各相巻線の結線例の一部を拡大した図である。なお、図4Aに示す1〜72の数字はスロット番号を表している。また、第1のY結線の中性点と第2のY結線の中性点とは固定子巻線40を構成する各相巻線を配置した後に接続されるので、該各相巻線を配置した状態で引き出される口出し線の数は12本(U+,U−,V+,V−,W+,W−,X+,X−,Y+,Y−,Z+,Z−)である。以下では、固定子18の軸心方向で互いに対向する固定子18の円環状の軸方向両端面に関し、12本の口出し線が引き出される軸方向一端側を「口出し線側」又は「接続側」と呼び、12本の口出し線が引き出されない軸方向他端側を「反口出し線側」又は「反接続側」と呼ぶ。
図4Aに示す固定子巻線40のうちU相巻線の結線に関して図2を参照しながら説明する。
U相巻線は、互いに隣り合う連番のスロット対であり、且つ12個のスロット間隔で現れるスロット対それぞれに配置される。具体的には、U相巻線は、スロット番号1、2、13、14、25、26、37、38、49、50、61、62の各スロット36(1)、36(2)、36(13)、36(14)、36(25)、36(27)、36(37)、36(38)、36(49)、36(50)、36(61)、36(62)に配置される。つまり、U相巻線は、12本の単位巻線40(1)、40(2)、40(13)、40(14)、40(25)、40(26)、40(37)、40(38)、40(49)、40(50)、40(61)、40(62)により構成される。
スロット番号1のスロット36(1)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(1)が配置されており、この単位巻線40(1)の一端(始端)が、スロット36(1)の口出し線側に現れる。なお、単位巻線40(1)の一端からは外部接続端U+が取り出される。また、スロット36(1)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(1)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号13のスロット36(13)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に折り返し配置される。そして、スロット36(13)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に折り返し配置された単位巻線40(1)は、さらに、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返され、スロット36(1)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置される。そして、スロット36(1)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置された単位巻線40(1)は、さらに、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(13)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置される。この結果、単位巻線40(1)の他端(終端)は、スロット36(13)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号2のスロット36(2)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(2)が配置されており、この単位巻線40(2)の一端(始端)が、スロット36(2)の口出し線側に現れる。また、スロット36(2)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(2)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号14のスロット36(14)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に折り返し配置される。そして、スロット36(14)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に折り返し配置された単位巻線40(2)は、さらに、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(2)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置される。そして、スロット36(2)に折り返し配置された単位巻線40(2)は、さらに、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(14)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置される。この結果、単位巻線40(2)の他端(終端)は、スロット36(14)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号13のスロット36(13)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(13)が配置されており、この単位巻線40(13)の一端(始端)が、スロット36(13)の口出し線側に現れる。また、スロット36(13)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(13)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号25のスロット36(25)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に折り返し配置される。そして、スロット36(25)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に折り返し配置された単位巻線40(13)は、さらに、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返され、スロット36(13)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置される。そして、スロット36(13)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置された単位巻線40(13)は、さらに、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(25)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置される。この結果、単位巻線40(13)の他端(終端)は、スロット36(25)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号14のスロット36(14)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(14)が配置されており、この単位巻線40(14)の一端(始端)が、スロット36(14)の口出し線側に現れる。また、スロット36(14)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(14)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号26のスロット36(26)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に折り返し配置される。そして、スロット36(26)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に折り返し配置された単位巻線40(14)は、さらに、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(14)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置される。そして、スロット36(14)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置された単位巻線40(14)は、さらに、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(26)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に折り返し配置される。この結果、単位巻線40(14)の他端(終端)は、スロット36(26)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号25のスロット36(25)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(25)が配置されており、この単位巻線40(25)の一端(始端)が、スロット36(25)の口出し線側に現れる。また、スロット36(25)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(25)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号37のスロット36(37)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置される。さらに、スロット36(37)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(25)は、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(25)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置される。さらに、スロット36(25)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置された単位巻線40(25)が、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(37)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に配置される。この結果、単位巻線40(25)の他端(終端)はスロット36(37)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号26のスロット36(26)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(26)が配置されており、この単位巻線40(26)の一端(始端)が、スロット36(26)の口出し線側に現れる。また、スロット36(26)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(26)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号38のスロット36(38)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置される。さらに、スロット36(38)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(26)が、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(26)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置される。さらに、スロット36(26)径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置された単位巻線40(26)が、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(38)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に配置される。この結果、単位巻線40(26)の他端(終端)はスロット36(38)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号37のスロット36(37)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(37)が配置されており、この単位巻線40(37)の一端(始端)が、スロット36(49)の口出し線側に現れる。また、スロット36(37)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(37)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号49のスロット36(49)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置される。さらに、スロット36(49)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(37)は、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(37)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置される。さらに、スロット36(37)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置された単位巻線40(37)が、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(49)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に配置される。この結果、単位巻線40(37)の他端(終端)はスロット36(49)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号38のスロット36(38)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(38)が配置されており、この単位巻線40(38)の一端(始端)が、スロット36(38)の口出し線側に現れる。また、スロット36(38)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(38)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号50のスロット36(50)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置される。さらに、スロット36(50)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(38)が、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(38)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置される。さらに、スロット36(38)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置された単位巻線40(38)が、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(50)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に配置される。この結果、単位巻線40(38)の他端(終端)はスロット36(50)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号49のスロット36(49)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(49)が配置されており、この単位巻線40(49)の一端(始端)が、スロット36(49)の口出し線側に現れる。また、スロット36(49)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(49)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号61のスロット36(61)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置される。さらに、スロット36(61)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(49)は、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(49)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置される。さらに、スロット36(49)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置された単位巻線40(49)が、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(61)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に配置される。この結果、単位巻線40(49)の他端(終端)はスロット36(61)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。なお、単位巻線40(49)の他端から外部接続端U−が取り出される。
スロット番号50のスロット36(50)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(50)が配置されており、この単位巻線40(50)の一端(始端)が、スロット36(50)の口出し線側に現れる。また、スロット36(50)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(50)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号62のスロット36(62)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置される。さらに、スロット36(62)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(50)が、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(50)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置される。さらに、スロット36(50)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置された単位巻線40(50)が、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(62)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に配置される。この結果、単位巻線40(50)の他端(終端)はスロット36(62)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号61のスロット36(61)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(61)が配置されており、この単位巻線40(61)の一端(始端)が、スロット36(61)の口出し線側に現れる。また、スロット36(61)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(61)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号1のスロット36(1)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置される。さらに、スロット36(1)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(61)は、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(61)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置される。さらに、スロット36(61)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置された単位巻線40(61)が、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(1)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に配置される。この結果、単位巻線40(61)の他端(終端)はスロット36(1)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
スロット番号62のスロット36(62)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域には単位巻線40(62)が配置されており、この単位巻線40(62)の一端(始端)が、スロット36(62)の口出し線側に現れる。また、スロット36(62)の径方向外側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(62)は、反口出し線側で後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット番号2のスロット36(2)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置される。さらに、スロット36(2)の径方向内側領域且つその周方向一方側領域に配置された単位巻線40(62)が、口出し線側で後述のとおり周方向において一方側と他方側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(62)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置される。さらに、スロット36(62)の径方向外側領域且つその周方向他方側領域に配置された単位巻線40(62)が、後述のとおり径方向において内側と外側との間で反転されつつ折り返されて、スロット36(2)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域に配置される。この結果、単位巻線40(62)の他端(終端)はスロット36(2)の径方向内側領域且つその周方向他方側領域の口出し線側に現れる。
以上を整理すると、固定子18の口出し線側において、単位巻線40(1)の始端及び終端はスロット36(1)の径方向外側領域及びスロット36(13)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(2)の始端及び終端はスロット36(2)の径方向外側領域及びスロット36(14)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(13)の始端及び終端はスロット36(13)の径方向外側領域及びスロット36(25)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(14)の始端及び終端はスロット36(14)の径方向外側領域及びスロット36(26)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(25)の始端及び終端はスロット36(25)の径方向外側領域及びスロット36(37)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(26)の始端及び終端はスロット36(26)の径方向外側領域及びスロット36(38)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(37)の始端及び終端はスロット36(37)の径方向外側領域及びスロット36(49)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(38)の始端及び終端はスロット36(38)の径方向外側領域及びスロット36(50)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(49)の始端及び終端はスロット36(49)の径方向外側領域及びスロット36(61)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(50)の始端及び終端はスロット36(50)の径方向外側領域及びスロット36(62)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(61)の始端及び終端はスロット36(61)の径方向外側領域及びスロット36(1)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。また、単位巻線40(62)の始端及び終端はスロット36(62)の径方向外側領域及びスロット36(2)の径方向内側領域にそれぞれ現れる。
そして、単位巻線40(1)、40(2)、40(13)、40(14)、40(25)、40(26)、40(37)、40(38)、40(49)、40(50)、40(61)、40(62)は直列に接続される。つまり、スロット36(13)に現れる単位巻線40(1)の終端は、スロット36(2)に現れる単位巻線40(2)の始端と接続される。また、スロット36(14)に現れる単位巻線40(2)の終端は、スロット36(13)に現れる単位巻線40(13)の始端と接続される。また、スロット36(25)に現れる単位巻線(13)の終端は、スロット36(14)に現れる単位巻線40(14)の始端と接続される。スロット36(26)に現れる単位巻線40(14)の終端は、スロット36(25)に現れる単位巻線40(25)の始端と接続される。また、スロット36(37)に現れる単位巻線40(25)の終端は、スロット36(26)に現れる単位巻線40(26)の始端と接続される。また、スロット36(38)に現れる単位巻線40(26)の終端は、スロット36(37)に現れる単位巻線40(37)の始端と接続される。また、スロット36(49)に現れる単位巻線40(37)の終端は、スロット36(38)に現れる単位巻線40(38)の始端と接続される。また、スロット36(50)に現れる単位巻線40(38)の終端は、スロット36(49)に現れる単位巻線40(49)の始端と接続される。また、スロット36(61)に現れる単位巻線40(49)の終端は、スロット36(50)に現れる単位巻線40(50)の始端と接続される。また、スロット36(62)に現れる単位巻線40(50)の終端は、スロット36(61)に現れる単位巻線40(61)の始端と接続される。また、スロット36(1)に現れる単位巻線40(61)の終端は、スロット36(62)に現れる単位巻線40(62)の始端と接続される。
なお、図4Aに示されるCU1は前述の単位巻線40(1)と単位巻線40(2)とのコイル間接続を表し、また、図4Aに示されるCU6は前述の単位巻線40(49)と単位巻線40(50)とのコイル間接続を表している。この他に、単位巻線40(2)と単位巻線40(25)とのコイル間接続をCU2と表し、単位巻線40(25)と単位巻線40(26)とのコイル間接続をCU3と表し、単位巻線40(26)と単位巻線40(49)とのコイル間接続をCU4と表し、単位巻線40(49)と単位巻線40(50)とのコイル間接続をCU5と表している。
以上、U相巻線の結線例について説明したが、この他のV相巻線、W相巻線、X相巻線、Y相巻線、及びZ相巻線についても同様の結線が行われる。なお、CV1、・・・、CV6はV相巻線における各コイル間接続を表し、CW1、・・・、CW6はW相巻線における各コイル間接続を表し、CX1、・・・、CX6はX相巻線における各コイル間接続を表し、CY1、・・・、CY6はY相巻線における各コイル間接続を表し、CZ1、・・・、CZ6はZ相巻線における各コイル間接続を表している。
[固定子巻線の構成例]
図5Aは、図2に示す隣り合うティース34とこれらの間のスロット36に配置される固定子巻線40の断面図の一例である。図5Bは、図5Aに示す単位巻線40(K)の断面図の一例である。
図5Aに示すように、隣り合うティース34間に設定されたスロット番号K(1<K<72)のスロット36は、固定子巻線40の配置領域として、固定子18の径方向に沿う一対の長辺を有し、固定子18の周方向に沿う一対の短辺を有した長方形の断面形状を有した直方体領域(62a,62b,60a,60b)を有している。また、この直方体領域(62a,62b,60a,60b)は固定子18の径方向外側領域(62a,62b)と径方向内側領域(60a,60b)とに区画されている。さらに、径方向外側領域(62a,62b)は、固定子18の径方向から見て、固定子18の周方向一方側(時計回り側)領域62a(第1区画領域)と周方向他方側(反時計回り側)領域62b(第2区画領域)とに区画されている。同様に、径方向内側領域(60a,60b)は、固定子18の径方向から見て、固定子18の周方向一方側領域60a(第3区画領域)と周方向他方側領域60b(第4区画領域)とに区画されている。そして、径方向外側領域(62a,62b)にはスロット番号Kのスロット36に配置される固定子巻線40の或る相巻線の一部である単位巻線40(K)が折り返して配置され、径方向内側領域(60a,60b)には単位巻線40(K)と同じ相巻線の一部である単位巻線40(K−12)(K>12の場合)若しくは単位巻線40(K+60)(K<12の場合)が折り返して配置される。
図5Aに示す単位巻線40(K)は、図5Bに示すように、複数の絶縁導体素線41を有し、複数の絶縁導体素線41それぞれの矩形の断面がマトリクス状に配置されるよう複数の絶縁導体素線41を、図示されない適宜な部材により束ねて構成されている。なお、以下に説明する本実施の形態では、単位巻線40は複数の絶縁導体素線41それぞれの矩形の断面がマトリクス状に配置されるように束ねて構成されているが、例えばマトリクス状に規則的に配置されるのではなくランダムに(不規則に)配置された束状であってもよい。言い換えると、単位巻線40内で、絶縁導体素線41の束が捩れてさえいなければよい。
図5Bに示す行方向は固定子18の径方向に対応し、また図5Bに示す列方向は固定子18の周方向に対応する。図5Bに示す例では、42本の絶縁導体素線41が7行6列に配置されて成る単位巻線40(K)の断面が示されている。なお、以下では、説明の便宜上、単位巻線40(K)の始端を基準とすると、各絶縁導体素線41の行要素には、固定子18の径方向内側から径方向外側に向けて昇順に数字1〜7の行識別子が付与され、各絶縁導体素線41の列要素には、固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向けて昇順に小文字アルファベットa〜fの列識別子が付与されている。したがって、各絶縁導体素線41の行要素は{(a1,b1,c1,d1,e1,f1),(a2,b2,c2,d2,e2,f2),(a3,b3,c3,d3,e3,f3),(a4,b4,c4,d4,e4,f4),(a5,b5,c5,d5,e5,f5),(a6,b6,c6,d6,e6,f6),(a7,b7,c7,d7,e7,f7)}である。
絶縁導体素線41は、素線導体と該素線導体の外周を被覆する絶縁材とから成り、該絶縁材によって他の絶縁導体素線41とは電気的に絶縁されている。また、各絶縁導体素線41は、行方向に沿う一対の長辺と列方向に沿う一対の短辺とを有した長方形の断面形状を有する平角導線である。このような平角導線を各絶縁導体素線41として採用することで、単位巻線40(K)の細分化により素線内渦電流が抑制されるとともに、長方形の断面形状を有する径方向外側領域(62a,62b)や径方向内側領域(60a,60b)に配置される単位巻線40(K)の高密度化が図られる。なお、絶縁導体素線41は、長方形の断面形状に限らず、正方形、円形、又は三角形などの種々の断面形状であってもよい。但し、高密度化の観点からは長方形や正方形などの矩形の断面形状であることが好ましい。
図6は図5Aに示す単位巻線40(K)の斜視図の一例と単位巻線40(K)のA−A’線断面図、B−B’線断面図、C−C’線断面図、及びD−D’線断面図である。
単位巻線40(K)の始端50は接続側から見たA−A’線の断面S1であり、単位巻線40(K)の終端52は接続側から見たB−B’線の断面S4である。
まず、単位巻線40(K)は、接続側から導入されて反接続側から導出されるように配置される。ここで、単位巻線40(K)の始端50から反接続側に向かう直線部分を始端側直線部分44と呼ぶ。
そして、反接続側の径方向反転部42で各絶縁導体素線41の行列上の位置が径方向において内側と外側との間で反転されて、このように反転された単位巻線40(K)は、反接続側から導入されて接続側から導出されるように折り返して配置される。ここで、径方向反転部42における1回目の折り返し(以下、「1ターン」と呼ぶ)で反接続側から接続側に向かう直線部分を終端側直線部分45と呼ぶ。
そして、接続側にある周方向反転部43で各絶縁導体素線41の行列上の位置が周方向において一方側と他方側との間で反転されて、このように反転された単位巻線40(K)は、1ターン目の接続側から反接続側に向かう始端側直線部分44の内側(左側)に隣り合って併設されるよう、接続側から導入されて反接続側から導出されるように折り返して配置される。ここで、周方向反転部43における折り返しにより接続側から反接続側に向かう直線部分を始端側併設直線部分46と呼ぶ。
そして、反接続側にある径方向反転部42で再び各絶縁導体素線41の行列上の位置が径方向において内側と外側との間で反転されて、このように反転された単位巻線40(K)は、1ターン目の反接続側から接続側に向かう終端側直線部分45の外側(左側)に隣り合って配置されるよう、反接続側から導入されて接続側から導出されるように折り返して配置される。ここで、径方向反転部42における2回目の折り返し(以下、「2ターン」と呼ぶ)で反接続側から接続側に向かう直線部分を終端側併設直線部分47と呼ぶ。
始端側直線部分44の接続側から見たD−D’線断面は、始端50の断面S1と同じである。一方、始端側併設直線部分46の接続側から見たD−D’線断面は、始端50の断面S1を構成する各絶縁導体素線41の行列上の位置が径方向において内側と外側との間で反転且つ周方向において一方側と他方側との間で反転された断面S3である。したがって、断面S1を構成する各絶縁導体素線41と断面S3を構成する各絶縁導体素線41とは互いに点対称の位置関係にある。
終端側直線部分45の接続側から見たC−C’線断面は、始端50の断面S1を構成する各絶縁導体素線41の行列上の位置が径方向において内側と外側との間で反転された断面S2である。一方、終端側併設直線部分47の接続側から見たC−C’線断面は、始端50の断面S1を構成する各絶縁導体素線41の行列上の位置が周方向において一方側と他方側との間で反転された断面S4である。したがって、断面S2を構成する各絶縁導体素線41と断面S4を構成する各絶縁導体素線41とは互いに点対称の位置関係にある。
図7は、図6に示す単位巻線40(K)のスロット配置例を説明するための図である。図7に示すように、始端側直線部分44はスロット番号“K”のスロット36の径方向外側領域且つ周方向一方側領域62aに配置され、始端側併設直線部分46はスロット番号“K”のスロット36の径方向外側領域且つ周方向他方側領域62bに配置される。また、終端側直線部分45はスロット番号“K+12”のスロット36の径方向内側領域且つ周方向一方側領域60aに配置され、終端側併設直線部分47は径方向内側領域且つ周方向他方側領域60bに配置される。
[各スロットを通過する磁束の変化]
図13から明らかなように、各スロット(及び各スロットに配置された単位巻線)を通過する磁束(磁力線)の方向は、回転子の回転に伴って変化する。回転子の磁極に対向するスロットに対し、磁束は当該スロットを、概ね、固定子の径方向に通過する。一方、回転子の磁極間の領域に対向するスロットに対し、磁束は当該スロットを、概ね、固定子の周方向に通過する。
[単位巻線行要素の1ターン時の素線間循環渦電流]
図8は、図6に示す単位巻線40(K)の行要素の1ターン時の素線間循環渦電流を説明するための図であり、具体的には1ターンでは素線間循環渦電流が強調されることを説明するための図である。
まず、単位巻線40(K)の始端50側の始端側直線部分44の端部と単位巻線40(K)の終端52側の終端側直線部分45の端部とを互いに短絡させるものとする。また、始端側直線部分44の行要素には固定子18の径方向内側から径方向外側に向かう磁束が通過し、終端側直線部分45の行要素には固定子18の径方向外側から径方向内側に向かう磁束が通過するものとする。換言すると、単位巻線40(K)が配置されているスロットは、回転子の磁極に対向していると仮定する。
以下では、始端側直線部分44の端部の7行目の要素(a7〜f7)を例に挙げて説明する。
径方向反転部42において単位巻線40(K)の径方向における内側と外側との間の反転が1回行われるので、始端側直線部分44の7行目の要素(a7〜f7)は、終端側直線部分45の1行目の要素と対応づけられる。
始端側直線部分44では、固定子18の径方向内側から径方向外側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、7行目の要素(a7〜f7)のうち周方向一方側の3列分の要素(a7,b7,c7)の絶縁導体素線間渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向であり、7行目の要素(a7〜f7)のうち周方向他方側の3列分の要素(d7,e7,f7)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向である。
終端側直線部分45では、固定子18の径方向外側から径方向内側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、1行目の要素(a7〜f7)のうち周方向一方側の3列分の要素(a7,b7,c7)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向であり、1行目の要素(a7〜f7)のうち周方向他方側の3列分の要素(d7,e7,f7)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向である。
始端側直線部分44の7行目の要素(a7〜f7)のうち周方向一方側の3列分の要素(a7,b7,c7)は、終端側直線部分45の1行目の要素(a7〜f7)のうち周方向一方側の3列分の要素(a7,b7,c7)に対応しており、両者の素線間循環渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向で一致している。
始端側直線部分44の7行目の要素(a7〜f7)のうち周方向他方側の3列分の要素(d7,e7,f7)は、終端側直線部分45の1行目の要素(a7〜f7)のうち周方向他方側の3列分の要素(d7,e7,f7)に対応しており、両者の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向で一致している。
したがって、始端側直線部分44の素線間循環渦電流と終端側直線部分45の素線間循環渦電流とは互いに強め合う方向に流れていることとなる。
[単位巻線行要素の2ターン時の素線間循環渦電流]
図9は、図6に示す単位巻線40(K)の行要素の2ターン時の素線間循環渦電流を説明するための図である。以下は、図9を用いて2ターンにより素線間循環渦電流がキャンセルされることを説明するものである。
図8に示す1ターン時と同様に、単位巻線40(K)の始端50側の始端側直線部分44の端部と単位巻線40(K)の終端52側の終端側直線部分45の端部とを互いに短絡させるものとする。また、始端側直線部分44及び始端側併設直線部分46それぞれの行要素には固定子18の径方向内側から径方向外側に向かう磁束が通過し、終端側直線部分45及び終端側併設直線部分47それぞれの行要素には固定子18の径方向外側から径方向内側に向かう磁束が通過するものとする。換言すると、単位巻線40(K)が配置されているスロットは、回転子の磁極に対向していると仮定する。
以下では、始端側直線部分44の端部の7行目の要素(a7〜f7)を例に挙げて説明する。
径方向反転部42において単位巻線40(K)の径方向における内側と外側との間の反転が2回行われ、周方向反転部43において単位巻線40(K)の周方向における一方側と他方側との間の反転が1回行われる。このため、始端側直線部分44の7行目の要素(a7〜f7)は、終端側直線部分45の1行目の要素(a7〜f7)と対応づけられ、始端側併設直線部分46の1行目の要素(f7〜a7)と対応づけられ、且つ終端側併設直線部分47の7行目の要素(f7〜a7)と対応づけられる。
始端側直線部分44では、固定子18の径方向内側から径方向外側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、7行目の要素(a7〜f7)のうち周方向一方側の3列分の要素(a7,b7,c7)の絶縁導体素線間渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向であり、7行目の要素(a7〜f7)のうち周方向他方側の3列分の要素(d7,e7,f7)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向である。
始端側併設直線部分46では、始端側直線部分44と同様に、固定子18の径方向内側から径方向外側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、1行目の要素(f7〜a7)のうち周方向一方側の3列分の要素(f7,e7,d7)の絶縁導体素線間渦電流の向きは反接続側から接続側に向かう方向であり、1行目の要素(f7〜a7)のうち周方向他方側の3列分の要素(c7,b7,a7)の素線間循環渦電流の向きは接続側から反接続側に向かう方向である。
そうすると、始端側直線部分44の7行目の要素(a7〜f7)と始端側併設直線部分46の1行目の要素(f7〜a7)との間で、同一の要素の素線間循環渦電流の向きが互いに逆方向となっている。したがって、始端側直線部分44及び始端側併設直線部分46それぞれの素線間循環渦電流が互いにキャンセルされる関係となる。
終端側直線部分45では、固定子18の径方向外側から径方向内側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、1行目の要素(a7〜f7)のうち周方向一方側の3列分の要素(a7,b7,c7)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向であり、1行目の要素(a7〜f7)のうち周方向他方側の3列分の要素(d7,e7,f7)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向である。
終端側併設直線部分47では、終端側直線部分45と同様に、固定子18の径方向外側から径方向内側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、7行目の要素(f7〜a7)のうち周方向一方側の3列分の要素(f7,e7,d7)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向であり、7行目の要素(f7〜a7)のうち周方向他方側の3列分の要素(c7,b7,a7)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向である。
そうすると、終端側直線部分45の1行目の要素(a7〜f7)と終端側併設直線部分47の1行目の要素(f7〜a7)との間で、同一の要素における素線間循環渦電流の向きが互いに逆方向となっている。したがって、終端側直線部分45及び終端側併設直線部分47それぞれの素線間循環渦電流が互いにキャンセルされる関係となる。
[単位巻線列要素の1ターン時の素線間循環渦電流]
図10は、図6に示す単位巻線40(K)の列要素の1ターン時の素線間循環渦電流を説明するための図である。
まず、単位巻線40(K)の始端50側の始端側直線部分44の端部(各絶縁導体素線41)と単位巻線40(K)の終端52側の終端側直線部分45の端部(各絶縁導体素線41)とを互いに短絡させるものとする。また、始端側直線部分44の列要素には固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束が通過し、終端側直線部分45の列要素には固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束が通過するものとする。換言すると、単位巻線40(K)が配置されているスロットは、回転子の磁極間の領域に対向していると仮定する。
以下では、始端側直線部分44の端部の1列目の要素(a1〜a7)を例に挙げて説明する。
径方向反転部42において単位巻線40(K)の径方向における内側と外側との間の反転が1回行われるので、始端側直線部分44の1列目の要素(a1〜a7)は、終端側直線部分45の1列目の要素(a7〜a1)と対応づけられる。
始端側直線部分44では、固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、1列目の要素(a1〜a7)のうち径方向外側の3行分の要素(a5,a6,a7)の絶縁導体素線間渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向であり、1列目の要素(a1〜a7)のうち径方向内側の3行分の要素(a1,a2,a3)の素線間循環渦電流の向きは接続側から反接続側に向かう方向である。
終端側直線部分45では、固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、1列目の要素(a7〜a1)のうち径方向外側の3行分の要素(a3,a2,a1)の素線間循環渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向であり、1列目の要素(a7〜a1)のうち径方向内側の3行分の要素(a7,a6,a5)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向である。
そうすると、始端側直線部分44の1列目の要素(a1〜a7)のうち径方向外側の3行分の要素(a5,a6,a7)は、終端側直線部分45の1列目の要素(a7〜a1)のうち径方向内側の3行分の要素(a7,a6,a5)に対応している。したがって、両者の素線間循環渦電流の向きは互いに逆方向となっており、両者の素線間循環渦電流は互いにキャンセルされる関係となっている。
同様に、始端側直線部分44の1列目の要素(a1〜a7)のうち径方向内側の3行分の要素(a1,a2,a3)は、終端側直線部分45の1列目の要素(a7〜a1)のうち径方向外側の3行分の要素(a3,a2,a1)に対応している。したがって、両者の素線間循環渦電流の向きは互いに逆方向となっており、両者の素線間循環渦電流は互いにキャンセルされる関係となっている。
[単位巻線列要素の2ターン時の素線間循環渦電流]
図11は、図6に示す単位巻線40(K)の列要素の1ターン時の素線間循環渦電流を説明するための図である。
まず、単位巻線40(K)の始端50側の始端側直線部分44の端部(各絶縁導体素線41)と単位巻線40(K)の終端52側の終端側直線部分45の端部(各絶縁導体素線41)とを互いに短絡させるものとする。また、始端側直線部分44及び始端側併設直線部分46の列要素には固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束が通過し、終端側直線部分45及び終端側併設直線部分47の列要素には固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束が通過するものとする。換言すると、単位巻線40(K)が配置されているスロットは、回転子の磁極間の領域に対向していると仮定する。
以下では、始端側直線部分44の端部の1列目の要素(a1〜a7)を例に挙げて説明する。
径方向反転部42において単位巻線40(K)の径方向における内側と外側との間の反転が2回行われ、且つ周方向反転部43において単位巻線40(K)の周方向における一方側と他方側との間の反転が1回行われるので、始端側直線部分44の1列目の要素(a1〜a7)は、終端側直線部分45の1列目の要素(a7〜a1)と対応づけられ、始端側併設直線部分46の6列目の要素(a7〜a1)と対応づけられ、且つ終端側併設直線部分47の6列目の要素(a1〜a7)と対応づけられる。
始端側直線部分44では、固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、1列目の要素(a1〜a7)のうち径方向外側の3行分の要素(a5,a6,a7)の絶縁導体素線間渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向であり、1列目の要素(a1〜a7)のうち径方向内側の3行分の要素(a1,a2,a3)の素線間循環渦電流の向きは接続側から反接続側に向かう方向である。
終端側直線部分45では、固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、1列目の要素(a7〜a1)のうち径方向外側の3行分の要素(a3,a2,a1)の素線間循環渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向であり、1列目の要素(a7〜a1)のうち径方向内側の3行分の要素(a7,a6,a5)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向である。
そうすると、始端側直線部分44の1列目の要素(a1〜a7)のうち径方向外側の3行分の要素(a5,a6,a7)は、終端側直線部分45の1列目の要素(a7〜a1)のうち径方向内側の3行分の要素(a7,a6,a5)に対応している。したがって、両者の素線間循環渦電流の向きは互いに逆方向となっており、両者の素線間循環渦電流は互いにキャンセルされる関係となっている。
同様に、始端側直線部分44の1列目の要素(a1〜a7)のうち径方向内側の3行分の要素(a1,a2,a3)は、終端側直線部分45の1列目の要素(a7〜a1)のうち径方向外側の3行分の要素(a3,a2,a1)に対応している。したがって、両者の素線間循環渦電流の向きは互いに逆方向となっており、両者の素線間循環渦電流は互いにキャンセルされる関係となっている。
始端側併設直線部分46では、始端側直線部分44と同様に、固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、6列目の要素(a7〜a1)のうち径方向外側の3行分の要素(a3,a2,a1)の絶縁導体素線間渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向であり、6列目の要素(a7〜a1)のうち径方向内側の3行分の要素(a7,a6,a5)の素線間循環渦電流の向きは接続側から反接続側に向かう方向である。
終端側併設直線部分47では、終端側直線部分45と同様に、固定子18の周方向一方側から周方向他方側に向かう磁束の変化を打ち消すように、素線間循環渦電流が発生する。なお、6列目の要素(a1〜a7)のうち径方向外側の3行分の要素(a5,a6,a7)の素線間循環渦電流の向きは、反接続側から接続側に向かう方向であり、6列目の要素(a1〜a7)のうち径方向内側の3行分の要素(a1,a2,a3)の素線間循環渦電流の向きは、接続側から反接続側に向かう方向である。
そうすると、始端側併設直線部分46の6列目の要素(a7〜a1)のうち径方向外側の3行分の要素(a3,a2,a1)は、終端側併設直線部分47の6列目の要素(a1〜a7)のうち径方向内側の3行分の要素(a1,a2,a3)に対応している。したがって、両者の素線間循環渦電流の向きは互いに逆方向となっており、両者の素線間循環渦電流は互いにキャンセルされる関係となっている。
同様に、始端側併設直線部分46の6列目の要素(a7〜a1)のうち径方向内側の3行分の要素(a1,a2,a3)は、終端側併設直線部分47の6列目の要素(a1〜a7)のうち径方向外側の3行分の要素(a3,a2,a1)に対応している。したがって、両者の素線間循環渦電流の向きは互いに逆方向となっており、両者の素線間循環渦電流は互いにキャンセルされる関係となっている。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、反接続側で、単位巻線を構成する複数の絶縁導体素線の位置が固定子の周方向において一方側と他方側との間で反転するよう折り返されるのみの巻き回し方である。以下では、実施の形態2を図7及び図8を用いて説明する。
まず、実施の形態1では、図7に示す1本の単位巻線40(K)が配置される2つのスロット36のように、固定子18の各スロット36は、4つの区画領域62a、62b、60a、60bに区画されている。これに対し、実施の形態2では、これらのスロット36は、固定子18の径方向外側領域と径方向内側領域とに区画されていればよい。
また、一方のスロット36の径方向外側領域内に固定子18の軸方向一端側から導入されて軸方向他端側から導出されるように配置された単位巻線40(K)が、軸方向他端側で、単位巻線40(K)を構成する複数の絶縁導体素線41の位置が固定子18の周方向において一方側と他方側との間で反転するよう折り返される。
また、周方向において折り返された単位巻線40(K)が、他方のスロット36の径方向内側領域内に軸方向他端側から導入されて軸方向一端側から導出されるように配置される。つまり、実施の形態2における単位巻線40(K)の巻き回し方は、図8に示す1ターンの場合の反接続側における径方向反転部42が周方向反転部43に置き換えられたものである。このような単位巻線40(K)の巻き回し方によれば、複数の絶縁導体素線41がマトリクス状に配置された単位巻線40(K)の行要素と列要素とのうち渦電流に関して主要である行要素に関する素線間循環渦電流をキャンセルすることができる。つまり、一方のスロット36に配置された単位巻線40(K)の直線部分における単位巻線40(K)のある行要素と、その行要素と同じ行である他方のスロット36に配置された単位巻線40(K)の直線部分における単位巻線40(K)の行要素との間で、複数の絶縁導体素線41の位置が固定子18の周方向において一方側と他方側との間で反転される。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、単位巻線の巻き回し方(2ターン)ではキャンセルしきれなかった素線間循環渦電流を抑制するための「コイル間接続」に係るものである。つまり、図5Aに示したように、各スロット36には、径方向外側領域(62a,62b)及び径方向内側領域(60a,60b)それぞれにおいて、互いに異なる単位巻線40が配置されている。そして、これらの互いに異なる単位巻線40のコイル間接続を反接続側と同様の巻き回し方とする場合、つまり径方向における内側と外側との間で反転され、かつ周方向における一方側と他方側との反転がされないようにコイル間接続をする場合、単位巻線40の巻き回し方(2ターン)のみではキャンセルしきれなかった素線間循環渦電流をキャンセルすることができる。
図12は図6に示す単位巻線に基づいたコイル間接続の一例を模式的に示す図である。図12には、図6に示す単位巻線40(K)と同様のコイル成形(巻回)が施された単位巻線40(K)と単位巻線40(K+12)との間をコイル間接続用電線55を介して接続するコイル間接続の一例が示されている。つまり、単位巻線40(K)の終端52と単位巻線40(K+12)の始端50とがコイル間接続用電線55を介して電気的に接続される。コイル間接続用電線55は、単位巻線40と同様に、複数の絶縁導体素線41がマトリクス状に配置されて構成されている。始端50の絶縁導体素線41のマトリクス状配置における位置と終端52の絶縁導体素線41のマトリクス状配置における位置との関係は、径方向における内側と外側との間の反転がされず、かつ周方向において一方側と他方側との間で反転されている。
また、図12には、単位巻線40単体での巻き回し方(2ターン)のみではキャンセルしきれなかった素線間循環渦電流が表されている。具体的には、単位巻線40(K)の終端52と単位巻線40(K+12)の始端50とコイル間接続用電線55の中間部とに表される実線は、単位巻線40(K)及び単位巻線40(K+12)それぞれにおいて2ターンではキャンセルしきれなかった行素線間渦電流を表している。また、単位巻線40(K)の終端52と単位巻線40(K+12)の始端50とコイル間接続用電線55の中間部とに表される点線は、単位巻線40(K)及び単位巻線40(K+12)それぞれにおいて2ターンではキャンセルしきれなかった列素線間渦電流を表している。そして、図12では、コイル間接続用電線55の中間部において、これらの行素線間渦電流及び列素線間渦電流がキャンセルされている状態が表されている。
なお、一方の磁極に対向する巻線群と他方の磁極に対向する巻線群とを接続する極間接続についても前述したコイル間接続と同様の手法で接続することにより、単位巻線40の巻き回し方のみではキャンセルしきれなかった素線間循環渦電流を抑制することが可能となる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。