JP2003199275A - モータ用の角線導体及びその製造方法並びに角線導体を用いたモータ及びその製造方法 - Google Patents

モータ用の角線導体及びその製造方法並びに角線導体を用いたモータ及びその製造方法

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JP2003199275A JP2001392407A JP2001392407A JP2003199275A JP 2003199275 A JP2003199275 A JP 2003199275A JP 2001392407 A JP2001392407 A JP 2001392407A JP 2001392407 A JP2001392407 A JP 2001392407A JP 2003199275 A JP2003199275 A JP 2003199275A
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JP
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conductor
peripheral side
pole coil
side portion
coil
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JP2001392407A
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English (en)
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Toru Azeyanagi
徹 畔柳
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Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表皮効果の発生を抑制しつつ有効導体断面積
を増大させることができるモータ用の角線導体及びその
製造方法並びに角線導体を用いたモータ及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 曲げ工程として,長尺の板状導体10を
長手方向に沿って幅方向に折り曲げることにより,板状
導体10が折り重なった折り重なり断面形状を有する角
線導体1を形成する。また,絶縁被覆処理工程として,
角線導体1の形成前後又は形成中の少なくともいずれか
の時期に,板状導体10の表面に絶縁被覆処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,モータに使用する角線導体及び
その製造方法並びに角線導体を用いたモータ及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術】モータのステータは,表面に絶縁被覆が施
してある銅又はアルミニウム等の導体によって環状のコ
イルを形成し,このコイルの一部をリング状のステータ
コアの内周面に設けたスロットに挿入配置して形成して
いる。上記コイルは,円形状の断面を有する丸線導体を
複数回環状に巻いて形成している。ところで,上記丸線
導体の断面積が大きくなると,いわゆる表皮効果により
導体の内部における起電力が増加するため主に導体の表
面側を電流が流れるようになり,導体として有効に使用
できる有効導体断面積が減少してしまう。そのため,有
効導体断面積の減少を抑制するために,上記コイルは,
細い丸線導体を幾重にも重ねて巻くことによって形成し
ている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記複数の細
い丸線導体によってコイルを形成した場合には,このコ
イルを構成する各丸線導体同士の間に空隙が発生する。
そして,この空隙により,上記コイルにおいては複数の
丸線導体を重ねた見かけ上の断面積が大きくなる。その
ため,上記コイルの一部をステータコアのスロットに挿
入配置した際には,このスロットにおいて上記空隙が占
有する断面積が大きくなってしまう。つまり,上記複数
の細い丸線導体によってコイルを形成した場合には,上
記スロットにおいて,上記丸線導体が占有する面積の割
合が減少してしまい,上記スロットの空間を有効に活用
することが困難になっている。
【0004】この問題点を改善するために,角形状の断
面を有する肉厚の角線導体を使用してコイルを形成する
ことが考えられる。しかしながら,この場合,各角線導
体同士の間の上記空隙を減少させることはできるが,導
体断面積の増大によって上述した表皮効果が生じてしま
い,有効導体断面積がかえって減少してしまう。また,
上記問題点は,環状のコイルの一部を,ロータコアの外
周面に形成したスロットに挿入配置してモータのロータ
を形成した場合にも同様に生じる。
【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,表皮効果の発生を抑制しつつ有効導体断
面積を増大させることができるモータ用の角線導体及び
その製造方法並びに角線導体を用いたモータ及びその製
造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】第1の発明は,モータ用のコイルを
形成するための角線導体であって,該角線導体は,長尺
の板状導体を幅方向に折り曲げて形成することにより,
該板状導体が折り重なった折り重なり断面形状を有して
おり,また,上記角線導体は,上記板状導体の表面に絶
縁被覆を有していることを特徴とするモータ用の角線導
体にある(請求項1)。
【0007】本発明においては,上記角線導体を形成す
るために上記板状導体を使用している。すなわち,この
板状導体は,厚みよりも幅の広い板状形状を有してい
る。そのため,厚みを表皮効果の発生の抑制に有効な大
きさに制限しつつ,幅を広げることにより,有効導体断
面積の大きな導体を得ることができる。
【0008】そして,本発明では,この有効導体断面積
が大きな板状導体を折り重ねて上記角線導体を形成して
いる。そのため,従来のように複数の導体を重ね巻きし
たときに発生する空隙がほとんど形成されない。しか
も,上記のごとく,上記板状導体の表面には,絶縁被覆
が形成してあるので上記表皮効果の発生を抑制する効果
を維持することができる。
【0009】それ故,上記角線導体により環状のコイル
を形成し,このコイルの一部をモータにおけるステータ
コアのスロット又はロータコアのスロットに挿入配置し
たときには,表皮効果の発生を抑制しつつこのスロット
において上記コイルが占有する面積の割合を増加させる
ことができる。そのため,上記角線導体を使用すること
により,上記スロットにおける空間を有効に利用するこ
とができる。
【0010】第2の発明は,モータ用のコイルを形成す
るための角線導体を製造する方法であって,長尺の板状
導体を幅方向に折り曲げることにより,該板状導体が折
り重なった折り重なり断面形状を有する角線導体を形成
する曲げ工程と,上記角線導体の形成前後又は形成中の
少なくともいずれかの時期に,上記板状導体の表面に絶
縁被覆処理を施す絶縁被覆処理工程とを含むことを特徴
とするモータ用の角線導体の製造方法にある(請求項
3)。
【0011】本発明においては,上記板状導体を用い,
これに上記曲げ工程と上記絶縁被膜処理工程を施す。こ
れにより,上記折り重なり断面形状を有すると共に板状
導体の表面に絶縁被覆を有する上記優れた作用効果を奏
する角線導体を容易に製造することができる。
【0012】第3の発明は,スロットとティースとを交
互に内周面に配置して形成されたリング状のステータコ
アに複数の単極コイルを挿入配置してなるステータを有
するモータであって,上記単極コイルは,長尺の板状導
体を幅方向に折り曲げることにより,該板状導体が折り
重なった折り重なり断面形状を有すると共に上記板状導
体の表面に絶縁被覆を有してなる角線導体を用いて形成
されており,また,上記単極コイルは,略矩形の環状形
状を有すると共に,上記スロットに挿入配置される左右
一対の挿入辺部と,これらを繋ぐ一対の非挿入辺部とを
有し,該非挿入辺部は,上記ステータコアの径方向にお
ける最も外周側に配置される外周側部と,最も内周側に
配置される内周側部と,上記外周側部と上記内周側部と
の間において径方向に両者の中間に配置される中間部と
の3段階に屈折した形状を有しており,かつ,上記単極
コイルは,上記挿入辺部が上記スロットに挿入配置され
ていると共に,上記非挿入辺部における上記外周側部の
内周側には,他の単極コイルの中間部とさらに他の単極
コイルの内周側部が重なるように配置され,上記中間部
の内周側と外周側には,他の単極コイルの内周側部と他
の単極コイルの外周側部がそれぞれ重なるように配置さ
れ,上記内周側部の外周側には,他の単極コイルの中間
部とさらに他の単極コイルの外周側部が重なるように配
置されていることを特徴とする角線導体を用いたモータ
にある(請求項7)。
【0013】本発明は,上記優れた作用効果を奏する角
線導体を用いて形成した略矩形の環状形状を有する複数
の単極コイルをステータコアに配置して形成したステー
タを有するモータである。そのため,上記表皮効果の発
生を抑制しつつ有効導体断面積を増大させることができ
る角線導体の優れた作用効果により,モータの性能を向
上させることができる。
【0014】そして,上記単極コイルの挿入辺部をモー
タにおけるステータコアのスロットに挿入配置したとき
には,表皮効果の発生を抑制しつつこのスロットにおい
て上記挿入辺部が占有する面積の割合を増加させること
ができる。そのため,上記角線導体による単極コイルを
使用することにより,上記スロットにおける空間を有効
に利用し,モータの性能をさらに向上させることができ
る。
【0015】また,上記単極コイルは,上記非挿入辺部
が上記外周側部,内周側部及び中間部の3段階に屈折し
た形状を有しており,上記のごとく他の単極コイルの非
挿入辺部に重ねるようにして上記ステータコアに配置さ
れている。そのため,上記ステータコアに各単極コイル
を整列して配置することが可能になる。そのため,各単
極コイル同士の間の空隙の発生を抑制して,各単極コイ
ルが上記ステータコアに対してコンパクトに配置された
ステータを有するモータを形成することができる。
【0016】第4の発明は,スロットとティースとを交
互に内周面に配置して形成されたリング状のステータコ
アに複数の単極コイルを挿入配置してなるステータを有
するモータの製造方法であって,上記単極コイルは,長
尺の板状導体を幅方向に折り曲げて該板状導体が折り重
なった折り重なり断面形状を有すると共に上記板状導体
の表面に絶縁被覆を有してなる角線導体を用いて,上記
スロットに挿入配置される左右一対の挿入辺部とこれら
を繋ぐ一対の非挿入辺部とを有する略矩形の環状形状に
形成し,また,上記単極コイルは,上記非挿入辺部が,
上記ステータコアの径方向における最も外周側に配置さ
れる外周側部と,最も内周側に配置される内周側部と,
上記外周側部と上記内周側部との間において径方向に両
者の中間に配置される中間部との3段階に屈折した形状
を有するよう形成し,上記ステータコアに上記単極コイ
ルを挿入配置するに当たっては,第1番目に挿入を行う
第1の単極コイルは,上記外周側部の側に位置する一方
の上記挿入辺部のみを上記スロットに挿入すると共に,
第2番目に挿入を行う隣の第2の単極コイルも,上記一
方の上記挿入辺部のみを上記スロットに挿入し,次い
で,第3番目に挿入を行う第3の単極コイルは,上記一
方の上記挿入辺部のみを上記スロットに挿入して,上記
中間部を上記第2の単極コイルの上記外周側部に重ねる
ように配置し,次いで,第4番目に挿入を行う第4の単
極コイルは,上記一方の上記挿入辺部を上記スロットに
挿入すると共に他方の挿入辺部も上記スロットに挿入し
て,上記中間部を上記第3の単極コイルの上記外周側部
に重ねるように配置すると共に上記内周側部を上記第3
の単極コイルの上記中間部に重ねるように配置し,その
後,第5番目に挿入する第5の単極コイルから最後に挿
入する最後の単極コイルまでは,上記一対の上記挿入辺
部を上記各スロットに挿入して,上記中間部を1つ前に
挿入した単極コイルの上記外周側部に重ねるように配置
すると共に上記内周側部を上記1つ前に挿入した単極コ
イルの上記中間部に重ねるように配置し,その後,上記
第1の単極コイルの他方の上記挿入辺部を上記スロット
に挿入して,上記中間部を上記最後の単極コイルの上記
外周側部に重ねるように配置すると共に上記内周側部を
上記最後の単極コイルの上記中間部に重ねるように配置
し,次いで,上記第2の単極コイルの他方の上記挿入辺
部を上記スロットに挿入して,上記中間部を上記第1の
単極コイルの上記外周側部に重ねるように配置すると共
に上記内周側部を上記第1の単極コイルの上記中間部に
重ねるように配置し,次いで,上記第3の単極コイルの
他方の上記挿入辺部を上記スロットに挿入して,上記内
周側部を上記第2の単極コイルの上記中間部に重ねるよ
うに配置することを特徴とする角線導体を用いたモータ
の製造方法にある(請求項9)。
【0017】本発明においては,上記優れた作用効果を
奏する角線導体を用いて形成した略矩形の環状形状を有
する複数の単極コイルをステータコアに配置してステー
タを形成する。そのため,上記表皮効果の発生を抑制し
つつ有効導体断面積を増大させることができる角線導体
の優れた作用効果により,上記ステータを有するモータ
の性能を向上させることができる。
【0018】そして,上記単極コイルの挿入辺部をモー
タにおけるステータコアのスロットに挿入配置したとき
には,表皮効果の発生を抑制しつつこのスロットにおい
て上記挿入辺部が占有する面積の割合を増加させること
ができる。そのため,上記角線導体による単極コイルを
使用することにより,上記スロットにおける空間を有効
に利用し,モータの性能をさらに向上させることができ
る。
【0019】また,上記単極コイルは,上記非挿入辺部
が上記外周側部,内周側部及び中間部の3段階に屈折し
た形状に形成し,他の単極コイルの非挿入辺部に重ねる
ようにして上記ステータコアに配置する。そのため,上
記ステータコアに各単極コイルを整列して配置すること
が可能になる。そのため,各単極コイル同士の間の空隙
の発生を抑制して,各単極コイルが上記ステータコアに
対してコンパクトに配置されたステータを有するモータ
を形成することができる。
【0020】また,上記のごとく,上記単極コイルは予
め3段階に屈折した形状に形成するため,上記ステータ
コアへの各単極コイルの配置は,単調な作業を繰り返す
ことによって行うことができる。また,上記角線導体は
比較的剛性が高いため,上記ステータコアへの配置の作
業中に,上記単極コイルの巻回形状を崩してしまうこと
がほとんどなくなる。そのため,上記ステータを形成す
る際の作業効率を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】上述した本発明における好ましい
実施の形態につき説明する。上記第1〜第4の発明にお
ける角線導体は,例えば,上記長尺の板状導体を,ロー
ル成形機に連続的に導入して折り曲げることにより形成
することができる。
【0022】また,上記第1の発明において,上記角線
導体は,上記板状導体の幅方向における両端部が内部に
折り込まれて形成されていることが好ましい(請求項
2)。この場合は,上記絶縁被覆が剥れ易い上記板状導
体の両端部が上記角線導体の表面側に露出しない。その
ため,上記板状導体の両端部における絶縁被覆を保護す
ることができる。
【0023】上記第2の発明における上記絶縁被覆処理
工程は,上記のごとく上記曲げ工程の前後あるいは曲げ
工程の途中において行うことができる。また,具体的な
被覆処理方法としては,例えば以下の浸漬・硬化方法を
用いることができる。すなわち,まずは上記板状導体を
液状の絶縁被覆材が入った浸漬槽中を連続的にくぐらせ
て,上記板状導体の表面に絶縁被覆材を付着させる。そ
して,引き続き上記板状導体を加熱槽に移動させて,こ
の過熱槽にて上記板状導体の表面に付着した絶縁被覆材
を硬化させて絶縁被覆を形成することができる。
【0024】また,この他にも被覆処理方法としては,
いわゆる静電塗装法を用いることができる。この場合,
絶縁被覆材を噴霧させると共にこの噴霧させた絶縁被膜
材の粒子を荷電させて,これを上記板状導体の表面に引
き付けて絶縁被覆を形成することができる。
【0025】また,上記第2の発明においては,上記曲
げ工程において,上記板状導体は,その幅方向における
両端部を内部に折り込むよう折り曲げることが好ましい
(請求項4)。この場合は,上記絶縁被覆が剥れ易い上
記板状導体の両端部が上記角線導体の表面側に露出しな
いようにすることができる。そのため,上記板状導体の
両端部における絶縁被覆を保護することができる。
【0026】また,上記曲げ工程においては,長尺の上
記板状導体を幅方向の2ヶ所において折り曲げて,土台
部と該土台部より立設する一対の立設部とを形成する1
次曲げ工程と,上記一対の立設部を,さらに折り曲げて
上記土台部に折り重ねる2次曲げ工程と,上記一対の立
設部が互いに重なるようさらに折り曲げて,上記両端部
を内部に折り込む仕上げ曲げ工程とを行うことにより形
成することが好ましい(請求項5)。
【0027】この場合,上記1次曲げ工程,2次曲げ工
程及び最終曲げ工程を行うことにより,容易に上記板状
導体の折り曲げを行って,この板状導体の両端部が内部
に折り込まれた角線導体を形成することができる。ま
た,この場合,少ない折り曲げの回数により,容易に上
記板状導体の両端部が内部に折り込まれた角線導体を形
成することができる。
【0028】また,上記1次曲げ工程においては,上記
一対の立設部の間における上記土台部の幅が,上記立設
部の高さと上記板状導体の厚みとを加えた値の略2倍と
なるよう上記折り曲げを行うことが好ましい(請求項
6)。この場合,上記立設部と上記土台部との間に空隙
ができることを防止して,内部における無駄な空間がほ
とんどない角線導体を形成することができる。
【0029】上記第3の発明においては,上記ステータ
コアに配置した上記単極コイルは,上記角線導体の両側
の端末よりなる一対のリード線部が上記ステータコアの
軸方向における一方の端面から突出するよう配置してあ
り,該一方の端面上には上記単極コイルの上記非挿入辺
部を覆う保護カバーが配設してあり,上記リード線部
は,上記保護カバーに設けた開口部より該保護カバーよ
りも外方に引き出されて,他の単極コイルにおけるリー
ド線部と結線がされていることが好ましい(請求項
8)。この場合,上記保護カバーの存在により,例え
ば,上記リード線部を結線する際に発生する熱的影響又
は上記各単極コイルの表面にキズ等が発生することか
ら,上記各単極コイルを保護することができる。
【0030】上記第4の発明においては,上記単極コイ
ルは,上記角線導体の両側の端末よりなる一対のリード
線部が上記ステータコアの軸方向における一方の端面か
ら突出するよう配置し,該一方の端面上には上記単極コ
イルの上記非挿入辺部を覆う保護カバーを配設すると共
に,該保護カバーに設けた開口部より上記リード線部を
上記保護カバーよりも外方に引き出し,上記リード線部
は,上記保護カバーの外方において他の単極コイルにお
けるリード線部と結線を行うことが好ましい(請求項1
0)。この場合,上記保護カバーの存在により,例え
ば,上記リード線部を結線する際に発生する熱的影響又
は上記各単極コイルの表面にキズ等が発生することか
ら,上記各単極コイルを保護することができる。
【0031】
【実施例】(実施例1)以下に,図1〜図5を用いて,
角線導体及びその製造方法の実施例につき説明する。本
例においては,モータ用のコイルを形成するための角線
導体1を製造する。すなわち,図1に示すごとく,本例
では,曲げ工程として,長尺の板状導体10を長手方向
に沿って幅方向に折り曲げることにより,該板状導体1
0が折り重なった折り重なり断面形状を有する角線導体
1を形成する。また,絶縁被覆処理工程として,上記角
線導体1の形成前後又は形成中の少なくともいずれかの
時期に,上記板状導体10の表面に絶縁被覆処理を施
す。
【0032】以下に,上記角線導体1及びその製造方法
につき詳説する。本例では,上記絶縁被覆処理工程とし
て,角線導体1の形成前及び形成後の合計2回の絶縁被
覆処理を行った。まず,上記曲げ工程を行う前に,上記
絶縁被覆処理工程として,以下の浸漬・硬化方法により
板状導体10の表面に絶縁被覆を形成する。
【0033】すなわち,まずは上記板状導体10を液状
の絶縁被覆材が入った浸漬槽中を連続的にくぐらせて,
上記板状導体10の表面に絶縁被覆材を付着させる。そ
して,引き続き上記板状導体10を加熱槽に移動させ
て,この過熱槽にて上記板状導体10の表面に付着した
絶縁被覆材を硬化させる。こうして,上記板状導体10
の表面に絶縁被覆を形成する。そして,図2に示すごと
く,上記曲げ工程においては,以下に示す1次曲げ工
程,2次曲げ工程及び仕上げ曲げ工程を行う。
【0034】上記1次曲げ工程においては,上記長尺の
板状導体10に対して,その長手方向に沿った第1折り
曲げ線L1を幅方向の2ヶ所に設定し,この2ヶ所の第
1折り曲げ線L1をそれぞれ折り曲げの起点にする。上
記第1折り曲げ線L1を設定する際には,第1折り曲げ
線L1同士の間,すなわち上記2ヶ所の第1折り曲げ線
L1よりも幅方向の内側の部分110における幅W1
が,第1折り曲げ線L1よりも幅方向の外側の部分12
0における幅W2と上記板状導体10の厚みtとを合わ
せた値の略2倍となるように設定する(図4参照)。
【0035】そして,図3に示すごとく,上記板状導体
10を,上記第1折り曲げ線L1に沿って約90°折り
曲げる。このとき,上記板状導体10は,幅方向に対し
てほぼ対称に一方の面101の側に向けて折り曲げる。
そして,上記折り曲げにより,上記2ヶ所の第1折り曲
げ線L1よりも幅方向の内側の部分110よりなる土台
部11と,上記第1折り曲げ線L1よりも幅方向の外側
の部分120よりなると共に上記土台部11より立設し
てなる一対の立設部12とが形成される。
【0036】次いで,図4に示すごとく,2次曲げ工程
においては,上記一対の立設部12を,上記2ヶ所の第
1折り曲げ線L1を折り曲げの起点としてさらに折り曲
げて上記土台部11に折り重ねる。そして,この折り重
ねを行った板状導体10の両端部121における先端面
122同士の間の幅Wは,板状導体10の厚みtの2倍
と略同一になる。
【0037】次いで,図5に示すごとく,仕上げ曲げ工
程においては,上記立設部12における両端部121の
先端面122が上記土台部11に隣接する位置を第2折
り曲げ線L2として設定する(図2参照)。そして,こ
の第2折り曲げ線L2を折り曲げの起点として,上記一
対の立設部12が互いに重なるようさらに上記板状導体
10を折り曲げる。こうして,上記板状導体10の幅方
向における一対の立設部12の両端部121が内部に折
り込まれた角線導体1が形成される。
【0038】また,上記仕上げ曲げ工程を行った後に
は,再度,上記絶縁被覆処理工程として,上記角線導体
1(上記板状導体10)にいわゆる静電塗装法を用いて
絶縁被覆処理を施す。すなわち,絶縁被覆材を噴霧させ
ると共にこの噴霧させた絶縁被膜材の粒子を荷電させ
て,これを上記角線導体1に引き付けて絶縁被覆処理を
施す。
【0039】こうして,上記板状導体10の表面,すな
わち角線導体1の表面及び上記土台部11と立設部12
との間に絶縁被覆材料が浸透して,角線導体1の全体に
おいて絶縁被覆が形成された角線導体1が形成される。
このようにして形成された角線導体1は,後述する3相
モータのステータ3に配置する環状の単極コイル2とし
て用いることができる。
【0040】本例においては,上記角線導体1を形成す
るために薄板である上記板状導体10を使用している。
すなわち,この板状導体10は,厚みよりも幅の広い板
状形状を有しており,円形状の断面を有する細い丸線導
体と同程度に厚みが薄く,かつ断面積が大きい。そのた
め,導体の多くの部分を表面側に露出させることができ
る。そのため,いわゆる表皮効果の発生を抑制しつつ,
有効導体断面積の大きな導体を得ることができる。
【0041】そして,本例では,この有効導体断面積が
大きな板状導体10を折り重ねて上記角線導体1を形成
している。そのため,従来のように複数の導体を重ね巻
きしたときに発生する空隙がほとんど形成されない。し
かも,上記のごとく,上記板状導体10の表面には,絶
縁被覆が形成してあるので上記表皮効果の発生を抑制す
る効果を維持することができる。
【0042】それ故,図6に示すごとく,上記角線導体
1により環状の単極コイル2を形成し,この単極コイル
2の一部をモータにおけるステータコア3のスロット3
1に挿入配置したときには,表皮効果の発生を抑制しつ
つこのスロット31において上記単極コイル2が占有す
る面積の割合を増加させることができる。そのため,上
記角線導体1を使用することにより,上記スロット31
における空間を有効に利用することができる。
【0043】なお,比較のために,図7に,円形状の断
面を有する細い丸線導体8により形成したコイル81の
一部をステータコア3のスロット31に配置した場合を
示す。この場合,同図からわかるように,本例の角線導
体1による単極コイル2に比べて,丸線導体8同士の間
に空隙80が多く形成されており,スロット31を占有
する導体の面積の割合が少なくなっている。
【0044】上記角線導体1は,上記折り重ね断面形状
により,上記板状導体10の幅方向における両端部12
1が内部に折り込まれて形成されている。そのため,上
記絶縁被覆が剥れ易い上記板状導体10の両端部121
が上記角線導体1の表面側に露出することがなく,上記
板状導体10の両端部121における絶縁被覆を保護す
ることができる。
【0045】また,上記角線導体1の横断面において
は,表面側に露出するそれぞれの角部15は,上記立設
部12の折り返しによる曲線形状(R形状)と,上記土
台部11の折り曲げによる曲線形状(R形状)とにより
形成される。そのため,上記角線導体1においては,上
記角部15における絶縁被覆の付着がよく,この絶縁被
覆が剥れ難い状態を形成することができる。
【0046】(実施例2)以下に,図8〜図17を用い
て,上記実施例1における角線導体1を用いたモータ及
びその製造方法につき説明する。図8,図9に示すごと
く,本例においては,上記実施例1において形成した角
線導体1を用いて単極コイル2を形成する。この単極コ
イル2は,3相モータにおけるU相,V相,W相の各相
をそれぞれ形成するモータの各極となる。
【0047】上記単極コイル2は,上記スロット31に
挿入配置される左右一対の挿入辺部25とこれらを繋ぐ
一対の非挿入辺部26とを有する略矩形の環状形状に形
成する。また,単極コイル2は,上記非挿入辺部26
が,上記ステータコア3の径方向における最も外周側に
配置される外周側部21と,最も内周側に配置される内
周側部23と,上記外周側部21と上記内周側部23と
の間において径方向に両者の中間に配置される中間部2
2との3段階に屈折した形状に形成する。また,上記単
極コイル2における一対の非挿入辺部26の一方の辺部
の側には,上記角線導体1の両側の端末である一対のリ
ード線部27を引き出している。
【0048】上記単極コイル2は,略矩形の環状形状を
有する略同一の形状に複数個量産しておく。上記単極コ
イル2における一対の挿入辺部25は,スロット31の
空間の断面形状に合わせて角線導体1の巻線が行ってあ
る。本例では,上記挿入辺部25は,上記角線導体1を
上記巻線を行う外周方向に2回重ね巻きをすると共に上
記巻線を行う軸方向に3回重ね巻きをして形成してある
(図6参照)。
【0049】また,上記一対の非挿入辺部26は,他の
単極コイル2における一対の非挿入辺部26との干渉を
避けるために,できるだけ上記巻線を行う外周方向に多
く角線導体1を重ねるようにして形成してある。本例で
は,上記非挿入辺部26は,上記巻線を行う外周方向に
5回又は6回重ねるようにして上記角線導体1を巻いて
形成してある(図9参照)。
【0050】本例においては,上記単極コイル2は,ス
ロット31とティース32とを交互に内周面301に配
置して形成されたリング状のステータコア3に対して,
72箇所のスロット31にそれぞれ一対の挿入辺部25
を挿入して,合計36個(12極×3相分)を挿入配置
する。そして,複数の単極コイル2を,U相用の単極コ
イル2,V相用の単極コイル2及びW相用の単極コイル
2の順に繰り返し重ね合わせてステータコア3に逐次挿
入配置する重ね巻き方式により,3相モータにおけるス
テータ4を形成する。
【0051】図12に示すごとく,上記ステータコア3
に上記各単極コイル2を挿入配置するに当たっては,第
1番目に挿入を行う第1の単極コイル2(201)は,
上記外周側部21の側に位置する一方の上記挿入辺部2
5のみを上記スロット31に挿入する。また,第2番目
に挿入を行う隣の第2の単極コイル2(202)も,上
記一方の上記挿入辺部25のみを上記スロット31に挿
入する。そして,第3番目に挿入を行う第3の単極コイ
ル2(203)は,上記一方の上記挿入辺部25のみを
上記スロット31に挿入して,上記中間部22を上記第
2の単極コイル2(202)の上記外周側部21に重ね
るように配置する(図13参照)。
【0052】次いで,図13に示すごとく,第4番目に
挿入を行う第4の単極コイル2(204)は,上記一方
の上記挿入辺部25を上記スロット31に挿入すると共
に他方の挿入辺部25も上記スロット31に挿入する。
そして,第4の単極コイル2(204)は,上記中間部
22を上記第3の単極コイル2(203)の上記外周側
部21に重ねるように配置すると共に上記内周側部23
を上記第3の単極コイル2(203)の上記中間部22
に重ねるように配置する。
【0053】その後,図14,図15に示すごとく,第
5番目に挿入する第5の単極コイル2(205)から最
後に挿入する最後の単極コイル2(209)までは,上
記一対の上記挿入辺部25を上記各スロット31に挿入
する。そして,これらの単極コイル2は,上記中間部2
2を1つ前に挿入した単極コイル2の上記外周側部21
に重ねるように配置すると共に上記内周側部23を上記
1つ前に挿入した単極コイル2の上記中間部22に重ね
るように配置する。
【0054】また,図14に示すごとく,これから挿入
を行う当該単極コイル2の中間部22及び内周側部23
を,1つ前に挿入した単極コイル2の外周側部21及び
中間部22に重ね合わせるときには,この1つ前に挿入
した単極コイル2の中間部22及びさらに1つ前に挿入
した単極コイル2の外周側部21は,予備成形を行って
おくことができる。この予備成形は,上記1つ前に挿入
した単極コイル2の中間部22,上記さらに1つ前に挿
入した単極コイル2の外周側部21を,ステータコア3
の外周側に向けて変形させることにより行うことができ
る。
【0055】その後,図16に示すごとく,上記第1の
単極コイル2(201)の他方の上記挿入辺部25を上
記スロット31に挿入する。そして,上記第1の単極コ
イル2(201)は,上記中間部22を上記最後の単極
コイル2(209)の上記外周側部21に重ねるように
配置すると共に上記内周側部23を上記最後の単極コイ
ル2(209)の上記中間部22に重ねるように配置す
る。
【0056】次いで,上記第2の単極コイル2(20
2)の他方の上記挿入辺部25を上記スロット31に挿
入する。そして,上記第2の単極コイル2(202)
は,上記中間部22を上記第1の単極コイル2(20
1)の上記外周側部21に重ねるように配置すると共に
上記内周側部23を上記第1の単極コイル2(201)
の上記中間部22に重ねるように配置する。
【0057】次いで,上記第3の単極コイル2(20
3)の他方の上記挿入辺部25を上記スロット31に挿
入する。そして,上記第3の単極コイル2(203)
は,上記内周側部23を上記第2の単極コイル2(20
2)の上記中間部22に重ねるように配置する。こうし
て,上記角線導体1により形成された複数の単極コイル
2と上記ステータコア3とを有するステータ4を形成す
る。そして,その後,このステータ4を用いて3相モー
タを形成する。
【0058】また,上記のようにして挿入配置を行った
各単極コイル2は,一対の上記挿入辺部25がそれぞれ
上記各スロット31に挿入配置されている。また,上記
各単極コイル2の一対の上記非挿入辺部26における一
対の上記外周側部21の内周側には,1つ後に挿入した
他の単極コイル2の一対の上記中間部22とさらに1つ
後に挿入した他の単極コイル2の一対の上記内周側部2
3が重なるように配置されている。
【0059】また,上記各単極コイル2の一対の上記非
挿入辺部26における一対の上記中間部22の内周側に
は,1つ後に挿入した単極コイル2の内周側部23が配
置されていると共に,一対の上記中間部22の外周側に
は,1つ前に挿入した単極コイル2の外周側部21が配
置されている。また,上記各単極コイル2の一対の上記
非挿入辺部26における一対の上記内周側部23の外周
側には,1つ前に挿入した他の単極コイル2の一対の上
記中間部22とさらに1つ前に挿入した他の単極コイル
2の一対の上記外周側部21が重なるように配置されて
いる。
【0060】また,図10に示すごとく,ステータコア
3の軸方向の両端部35の外側には,上記非挿入辺部2
6の突出によるコイルエンド部20が形成される。そし
て,スロット31の円周方向断面においては,例えば,
スロット31の空間にはU相の挿入辺部25が配置され
ている。また,上記コイルエンド部20においては,V
相の非挿入辺部26及びW相の非挿入辺部26が,ステ
ータコア3の内周側よりU相の非挿入辺部26に重なる
と共に,ステータコア3の軸方向外側より上記U相の挿
入辺部25に重なって配置されている。
【0061】また,図10,図11に示すごとく,上記
ステータ4において,上記各単極コイル2における一対
のリード線部27は,上記ステータコア3の一方の端部
35側に配置されている。また,上記ステータ4におい
て,上記単極コイル2の各リード線部27を引き出した
上記一方の端部35側には,上記複数の単極コイル2を
覆う保護カバー5が配設してある。この保護カバー5の
存在により,上記リード線部27を結線する際に発生す
る熱的影響又は上記各単極コイル2の表面にキズ等が発
生することから,上記各単極コイル2を保護することが
できる。
【0062】また,上記複数の単極コイル2における各
リード線部27は,上記保護カバー5に設けた開口部5
1より該保護カバー5よりも外方に引き出されている。
そして,図17に示すごとく,3相における同じ相同士
の単極コイル2のリード線部27を結線して,各相毎に
1つのまとまりにし,結線を行わなかったU相,V相,
W相のそれぞれのリード線部270をステータコア3の
外周側に引き出している。
【0063】本例においては,上記実施例1で示した優
れた作用効果を奏する角線導体1を用いて形成した複数
の単極コイル2をステータコア3に配置してステータ4
を形成する。そのため,上記表皮効果の発生を抑制しつ
つ有効導体断面積を増大させることができる角線導体1
の優れた作用効果により,上記ステータ4を有するモー
タの性能を向上させることができる。
【0064】そして,上記単極コイル2の挿入辺部25
をモータにおけるステータコア3のスロット31に挿入
配置したときには,表皮効果の発生を抑制しつつこのス
ロット31において上記挿入辺部25が占有する面積の
割合を増加させることができる。そのため,上記角線導
体1による単極コイル2を使用することにより,上記ス
ロット31における空間を有効に利用し,モータの性能
をさらに向上させることができる。
【0065】また,上記のごとく,上記単極コイル2
は,上記非挿入辺部26が上記外周側部21,中間部2
2及び内周側部23の3段階に屈折した形状に形成し,
他の単極コイル2の非挿入辺部26に重ねるようにして
上記ステータコア3に配置する。そのため,上記ステー
タコア3に各単極コイル2を整列して配置することが可
能になる。そのため,各単極コイル2同士の間の空隙の
発生を抑制して,各単極コイル2が上記ステータコア3
に対してコンパクトに配置されたステータ4を有するモ
ータを形成することができる。
【0066】また,上記のごとく,上記単極コイル2は
予め3段階に屈折した形状に形成するため,上記ステー
タコア3への各単極コイル2の配置は,単調な作業を繰
り返すことによって行うことができる。また,上記角線
導体1は比較的剛性が高いため,上記ステータコア3へ
の配置の作業中に,上記単極コイル2の巻回形状を崩し
てしまうことがほとんどなくなる。そのため,上記ステ
ータ3を形成する際の作業効率を向上させることができ
る。
【0067】(実施例3)本例においては,上記実施例
1の角線導体1を用いて環状のコイル6を形成し,これ
をステータコア3に対して集中的に巻き付け配置する集
中巻き方式のステータ4を形成した。図18に示すごと
く,本例のステータ4は,上記ステータコア3に設けた
1ヶのティース32に対し1ヶの環状のコイル6をそれ
ぞれ挿入して形成されている。また,ステータコア3の
スロット31には,互いに隣接するコイル6の一部同士
が共に配置されている。なお,本例では,上記スロット
31内には,上記環状のコイル6とステータコア3との
絶縁を行う絶縁シート7を配置した。その他は上記実施
例2と同様である。
【0068】本例においても,上記実施例1で示した優
れた作用効果を奏する角線導体1を用いて上記スロット
31における空間を有効に利用したステータ4を有する
モータを形成することができる。その他,上記実施例2
と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,角線導体の斜視図。
【図2】実施例1における,板状導体の斜視図。
【図3】実施例1における,1次曲げ工程を示す説明
図。
【図4】実施例1における,2次曲げ工程を示す説明
図。
【図5】実施例1における,仕上げ曲げ工程を示す説明
図。
【図6】実施例1における,角線導体による単極コイル
を配置したステータコアの軸方向の断面説明図。
【図7】実施例1における,比較のための従来図で,丸
線導体によるコイルを配置したステータコアの軸方向の
断面説明図。
【図8】実施例2における,単極コイルを示す平面説明
図。
【図9】実施例2における,単極コイルを示す正面説明
図。
【図10】実施例2における,単極コイルを配置したス
テータコアの円周方向の断面説明図。
【図11】実施例2における,単極コイルを配置したス
テータコアの正面説明図。
【図12】実施例2における,第1〜第3の単極コイル
における一方の挿入辺部を各スロットに挿入している状
態を示す平面説明図。
【図13】実施例2における,第4の単極コイルをステ
ータコアに挿入配置した状態を示す平面説明図。
【図14】実施例2における,各単極コイルをステータ
コアに挿入配置している状態を示す平面説明図。
【図15】実施例2における,最後の単極コイルをステ
ータコアに挿入配置している状態を示す平面説明図。
【図16】実施例2における,第1の単極コイルにおけ
る他方の挿入辺部もスロットに挿入配置した状態を示す
平面説明図。
【図17】実施例2における,保護カバーよりリード線
部を引き出して結線した状態を示す平面説明図。
【図18】実施例3における,環状のコイルを集中巻き
方式により配置したステータコアの軸方向の断面説明
図。
【符号の説明】
1...角線導体, 10...板状導体, 11...土台部, 12...立設部, 121...両端部, 2...単極コイル, 21...外周側部, 22...中間部, 23...内周側部, 27...リード線部, 3...ステータコア, 31...スロット, 32...ティース, 4...ステータ, 5...保護カバー,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 15/085 H02K 15/085 15/12 15/12 D Fターム(参考) 5H603 AA07 AA09 BB01 BB12 CA01 CB02 CB04 CB18 CB22 CC03 CC12 CD01 CD22 CE02 CE13 CE14 FA08 5H604 AA08 BB01 BB14 CC01 CC14 DB02 PB01 PB02 PB03 QA08 QB14 5H615 AA01 BB01 BB14 PP01 PP12 PP13 PP15 QQ02 QQ08 QQ21 RR07 SS04 SS35 SS37

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ用のコイルを形成するための角線
    導体であって,該角線導体は,長尺の板状導体を幅方向
    に折り曲げて形成することにより,該板状導体が折り重
    なった折り重なり断面形状を有しており,また,上記角
    線導体は,上記板状導体の表面に絶縁被覆を有している
    ことを特徴とするモータ用の角線導体。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記角線導体は,上
    記板状導体の幅方向における両端部が内部に折り込まれ
    て形成されていることを特徴とするモータ用の角線導
    体。
  3. 【請求項3】 モータ用のコイルを形成するための角線
    導体を製造する方法であって,長尺の板状導体を幅方向
    に折り曲げることにより,該板状導体が折り重なった折
    り重なり断面形状を有する角線導体を形成する曲げ工程
    と,上記角線導体の形成前後又は形成中の少なくともい
    ずれかの時期に,上記板状導体の表面に絶縁被覆処理を
    施す絶縁被覆処理工程とを含むことを特徴とするモータ
    用の角線導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記曲げ工程におい
    て,上記板状導体は,その幅方向における両端部を内部
    に折り込むよう折り曲げることを特徴とするモータ用の
    角線導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記曲げ工程におい
    ては,長尺の上記板状導体を幅方向の2ヶ所において折
    り曲げて,土台部と該土台部より立設する一対の立設部
    とを形成する1次曲げ工程と,上記一対の立設部を,さ
    らに折り曲げて上記土台部に折り重ねる2次曲げ工程
    と,上記一対の立設部が互いに重なるようさらに折り曲
    げて,上記両端部を内部に折り込む仕上げ曲げ工程とを
    行うことにより形成することを特徴とするモータ用の角
    線導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において,上記1次曲げ工程に
    おいては,上記一対の立設部の間における上記土台部の
    幅が,上記立設部の高さと上記板状導体の厚みとを加え
    た値の略2倍となるよう上記折り曲げを行うことを特徴
    とするモータ用の角線導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 スロットとティースとを交互に内周面に
    配置して形成されたリング状のステータコアに複数の単
    極コイルを挿入配置してなるステータを有するモータで
    あって,上記単極コイルは,長尺の板状導体を幅方向に
    折り曲げることにより,該板状導体が折り重なった折り
    重なり断面形状を有すると共に上記板状導体の表面に絶
    縁被覆を有してなる角線導体を用いて形成されており,
    また,上記単極コイルは,略矩形の環状形状を有すると
    共に,上記スロットに挿入配置される左右一対の挿入辺
    部と,これらを繋ぐ一対の非挿入辺部とを有し,該非挿
    入辺部は,上記ステータコアの径方向における最も外周
    側に配置される外周側部と,最も内周側に配置される内
    周側部と,上記外周側部と上記内周側部との間において
    径方向に両者の中間に配置される中間部との3段階に屈
    折した形状を有しており,かつ,上記単極コイルは,上
    記挿入辺部が上記スロットに挿入配置されていると共
    に,上記非挿入辺部における上記外周側部の内周側に
    は,他の単極コイルの中間部とさらに他の単極コイルの
    内周側部が重なるように配置され,上記中間部の内周側
    と外周側には,他の単極コイルの内周側部と他の単極コ
    イルの外周側部がそれぞれ重なるように配置され,上記
    内周側部の外周側には,他の単極コイルの中間部とさら
    に他の単極コイルの外周側部が重なるように配置されて
    いることを特徴とする角線導体を用いたモータ。
  8. 【請求項8】 請求項7において,上記ステータコアに
    配置した上記単極コイルは,上記角線導体の両側の端末
    よりなる一対のリード線部が上記ステータコアの軸方向
    における一方の端面から突出するよう配置してあり,該
    一方の端面上には上記単極コイルの上記非挿入辺部を覆
    う保護カバーが配設してあり,上記リード線部は,上記
    保護カバーに設けた開口部より該保護カバーよりも外方
    に引き出されて,他の単極コイルにおけるリード線部と
    結線がされていることを特徴とする角線導体を用いたモ
    ータ。
  9. 【請求項9】 スロットとティースとを交互に内周面に
    配置して形成されたリング状のステータコアに複数の単
    極コイルを挿入配置してなるステータを有するモータの
    製造方法であって,上記単極コイルは,長尺の板状導体
    を幅方向に折り曲げて該板状導体が折り重なった折り重
    なり断面形状を有すると共に上記板状導体の表面に絶縁
    被覆を有してなる角線導体を用いて,上記スロットに挿
    入配置される左右一対の挿入辺部とこれらを繋ぐ一対の
    非挿入辺部とを有する略矩形の環状形状に形成し,ま
    た,上記単極コイルは,上記非挿入辺部が,上記ステー
    タコアの径方向における最も外周側に配置される外周側
    部と,最も内周側に配置される内周側部と,上記外周側
    部と上記内周側部との間において径方向に両者の中間に
    配置される中間部との3段階に屈折した形状を有するよ
    う形成し,上記ステータコアに上記単極コイルを挿入配
    置するに当たっては,第1番目に挿入を行う第1の単極
    コイルは,上記外周側部の側に位置する一方の上記挿入
    辺部のみを上記スロットに挿入すると共に,第2番目に
    挿入を行う隣の第2の単極コイルも,上記一方の上記挿
    入辺部のみを上記スロットに挿入し,次いで,第3番目
    に挿入を行う第3の単極コイルは,上記一方の上記挿入
    辺部のみを上記スロットに挿入して,上記中間部を上記
    第2の単極コイルの上記外周側部に重ねるように配置
    し,次いで,第4番目に挿入を行う第4の単極コイル
    は,上記一方の上記挿入辺部を上記スロットに挿入する
    と共に他方の挿入辺部も上記スロットに挿入して,上記
    中間部を上記第3の単極コイルの上記外周側部に重ねる
    ように配置すると共に上記内周側部を上記第3の単極コ
    イルの上記中間部に重ねるように配置し,その後,第5
    番目に挿入する第5の単極コイルから最後に挿入する最
    後の単極コイルまでは,上記一対の上記挿入辺部を上記
    各スロットに挿入して,上記中間部を1つ前に挿入した
    単極コイルの上記外周側部に重ねるように配置すると共
    に上記内周側部を上記1つ前に挿入した単極コイルの上
    記中間部に重ねるように配置し,その後,上記第1の単
    極コイルの他方の上記挿入辺部を上記スロットに挿入し
    て,上記中間部を上記最後の単極コイルの上記外周側部
    に重ねるように配置すると共に上記内周側部を上記最後
    の単極コイルの上記中間部に重ねるように配置し,次い
    で,上記第2の単極コイルの他方の上記挿入辺部を上記
    スロットに挿入して,上記中間部を上記第1の単極コイ
    ルの上記外周側部に重ねるように配置すると共に上記内
    周側部を上記第1の単極コイルの上記中間部に重ねるよ
    うに配置し,次いで,上記第3の単極コイルの他方の上
    記挿入辺部を上記スロットに挿入して,上記内周側部を
    上記第2の単極コイルの上記中間部に重ねるように配置
    することを特徴とする角線導体を用いたモータの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項9において,上記単極コイル
    は,上記角線導体の両側の端末よりなる一対のリード線
    部が上記ステータコアの軸方向における一方の端面から
    突出するよう配置し,該一方の端面上には上記単極コイ
    ルの上記非挿入辺部を覆う保護カバーを配設すると共
    に,該保護カバーに設けた開口部より上記リード線部を
    上記保護カバーよりも外方に引き出し,上記リード線部
    は,上記保護カバーの外方において他の単極コイルにお
    けるリード線部と結線を行うことを特徴とする角線導体
    を用いたモータの製造方法。
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