JP4483241B2 - 3相モータ - Google Patents

3相モータ Download PDF

Info

Publication number
JP4483241B2
JP4483241B2 JP2003317241A JP2003317241A JP4483241B2 JP 4483241 B2 JP4483241 B2 JP 4483241B2 JP 2003317241 A JP2003317241 A JP 2003317241A JP 2003317241 A JP2003317241 A JP 2003317241A JP 4483241 B2 JP4483241 B2 JP 4483241B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
coil
stator core
pair
phase winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003317241A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005006487A (ja
Inventor
剛 横山
睦之 川崎
伸吾 橋本
徹 畔柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2003317241A priority Critical patent/JP4483241B2/ja
Priority to DE102004024912A priority patent/DE102004024912A1/de
Priority to US10/848,121 priority patent/US7064470B2/en
Publication of JP2005006487A publication Critical patent/JP2005006487A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4483241B2 publication Critical patent/JP4483241B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Windings For Motors And Generators (AREA)

Description

本発明は、3相の巻線コイルを、それぞれステータコアの内周面に設けたスロットに挿入配設してなるステータを有する3相モータに関する。
3相モータに用いるステータとしては、ステータコアの内周面に形成した多数のスロットに、U相、V相及びW相の各相の巻線コイルを順次挿入配設して形成されたものがある。
そして、各相の巻線コイルには、電線を複数回巻回してなる複数の単極コイルを渡り線を介して連ねてなるものを用い、各相の巻線コイルにおける各単極コイルを多数のスロットに分布させて挿入配設した分布巻タイプのステータが知られている。
上記分布巻タイプのステータにおいては、V相の巻線コイルにおける各単極コイルはU相の巻線コイルにおける各単極コイルに対して、W相の巻線コイルにおける各単極コイルはV相の巻線コイルにおける各単極コイルに対して、所定のスロット数ずつ円周方向にオフセットして、ステータコアの各スロットに挿入配設される。また、各スロットに挿入配設されなかった各相の巻線コイルにおける各単極コイルの残部は、上記ステータコアの軸方向端部から突出して、各相のコイルエンド部を形成する。
そして、図12に示すごとく、ステータ92においては、U相、V相及びW相の各相の巻線コイル93、94、95における導体抵抗をほぼ同じにするために、各相の巻線コイル93、94、95における各単極コイル931、941、951の周長をほぼ同じにしている。
ところで、図13に示すごとく、上記各相のコイルエンド部932、942、952においては、U相のコイルエンド部932の内周側にV相のコイルエンド部942が、V相のコイルエンド部942の内周側にW相のコイルエンド部952が重ねて配設される。そのため、V相の巻線コイル94を上記ステータコア921に挿入配設するためには、U相のコイルエンド部932をステータコア921の外周側に向けて変形移動させる必要がある。また、W相の巻線コイル95を上記ステータコア921に挿入配設するためには、V相のコイルエンド部942をステータコア921の外周側に向けて変形移動させる必要がある。
そのため、上記各相のコイルエンド部932、942、952の形状は、V相のコイルエンド部942がU相のコイルエンド部932よりもステータコア921の軸方向端部922から大きく突出し、W相のコイルエンド部952がV相のコイルエンド部942よりもステータコア921の軸方向端部922からさらに大きく突出した形状となる。そのため、3相のコイルエンド部932、942、952の全体の寸法を小さくすることが困難になっている。
なお、単相モータに用いるステータにおいては、ステータコアの内周側に位置させる巻線の周長を、これよりも外周側に位置させる巻線の周長よりも短くして、コイルエンド部のたるみを少なくして、これを小さく形成したものがある(特許文献1)。
しかしながら、3相モータにおいては、単純に、各相の巻線コイルにおける単極コイルの周長に差をつけてしまうと、各相の巻線コイルにおける導体抵抗に大きな差が生じてしまう。そのため、特許文献1の技術をそのまま3相モータに適用することはできない。
実開平5−78177号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、各相の巻線コイルにおける導体抵抗の違いができるだけ生じないようにして、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の寸法を小さくすることができるステータを有する3相モータを提供しようとするものである。
発明は、U相、V相及びW相の3相の巻線コイルを、それぞれステータコアの内周面に設けたスロットに挿入配設してなるステータを有する3相モータにおいて、
上記各相の巻線コイルは、それぞれ電線を複数回巻回してなる複数個の単極コイルと、該単極コイル同士を繋ぐための渡り線と、上記複数個の単極コイルのうちの両端に位置する単極コイルからそれぞれ上記電線を引き出してなる一対のリード部とを有しており、また、上記各単極コイルは、上記スロットに挿入配設される一対の挿入辺部と、該一対の挿入辺部を繋ぐ一対のコイルエンド部とからなり、
また、上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長は、上記V相における平均周長が上記U相における平均周長よりも短く、かつ上記W相における平均周長が上記V相における平均周長よりも短くなっており、
上記U相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部が上記ステータコアの軸方向端部から突出配設されており、
上記V相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が、上記U相の巻線コイルに対して上記ステータコアの一方の円周方向である第1方向に向けて所定のスロット数オフセットして上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部の一部が、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重なって配設されており、
上記W相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が、上記V相の巻線コイルに対して上記ステータコアの上記第1方向に向けて所定のスロット数オフセットして上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部の一部が、上記V相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重なって配設されており、
上記各相の巻線コイルにおける上記一対のリード部のうちの上記ステータコアの上記第1方向と反対の方向である第2方向の端部に位置する上記リード部をそれぞれ中性点側リード部として用い、上記U相の巻線コイルに対して上記第2方向に向けて所定角度オフセットした位置において、上記各相の中性点側リード部を結束して中性点を形成したことにより、上記V相の巻線コイルにおける上記中性点側リード部を、上記U相の巻線コイルにおける上記中性点側リード部よりも長く、かつ上記W相の巻線コイルにおける上記中性点側リード部を、上記V相の巻線コイルにおける上記中性点側リード部よりも長く形成してあり、
上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、上記ステータコアの外周側に向けて変形移動してあると共に、上記V相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部よりも小さな変形量で上記ステータコアの外周側に向けて変形移動してあり、上記各相のコイルエンド部が上記ステータコアの軸方向端部から突出する長さを揃えたことを特徴とする3相モータにある(請求項1)。
本発明の3相モータは、ステータに工夫を行い、各相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長を各相毎に異ならせて、3相のコイルエンド部全体の寸法を小さくすると共に、各相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さを上記平均周長の違いとは逆に各相毎に異ならせて、平均周長を異ならせたことに伴う弊害を緩和しようとするものである。
すなわち、本発明においては、上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長は、上記V相における平均周長を上記U相における平均周長よりも短く、上記W相における平均周長をV相における平均周長よりも短くしている。
そして、上記ステータは、U相の巻線コイルをステータコアに一番最初に挿入配設し、次いで、V相の巻線コイルをステータコアに挿入配設し、その後、W相の巻線コイルをステータコアに挿入配設して形成されている。また、上記ステータにおいては、各相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部は、上記スロットに所定のスロット数ずつオフセットして挿入配設され、また、各相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、ステータコアの軸方向端部から突出配設されている。
ところで、上記U相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部を、上記ステータコアのスロットに挿入配設した後には、このU相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、上記V相及びW相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するために、ステータコアの外周側に向けて変形移動させる。このとき、U相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長は、上記のごとく3相のうちで最も長くなっている。そのため、このU相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部を容易にステータコアの外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
そして、上記V相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部を、上記ステータコアのスロットに挿入配設したときには、このV相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の一部が、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重ねて配設される。
また、上記V相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部を、上記ステータコアのスロットに挿入配設した後には、このV相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、上記W相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するために、ステータコアの外周側に向けて変形移動させる。このとき、V相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長は、上記のごとくW相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長よりも長くなっている。そのため、このV相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部を容易にステータコアの外周側に向けて変形移動させることができる。
そして、上記W相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部を、上記ステータコアのスロットに挿入配設したときには、このW相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の一部が、上記V相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重ねて配設される。また、W相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、あまり変形移動させることなく配設される。
なお、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の変形移動は、上記V相の巻線コイルをステータコアに挿入配設させながら行ってもよい。また、可能であれば、U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の変形移動は、U相の巻線コイルをステータコアに挿入配設する前に行っておくこともできる。なお、これらの変形移動のさせ方については、上記V相及びW相の巻線コイルについても同様である。
このように、上記3相のうちで最も平均周長の長いU相の巻線コイルにおける各単極コイルを最も大きく変形移動させ、また、W相よりも平均周長の長いU相の巻線コイルにおける各単極コイルを変形移動させ、さらに、3相のうちで平均周長の最も短いW相の巻線コイルにおける各単極コイルはあまり変形移動させないことにより、各相のコイルエンド部が上記ステータコアの軸方向端部から突出する長さをできるだけ短くして揃えることができる。そのため、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の寸法を小さくすることができる。
そして、本発明においては、上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長の違いを補うために、上記中性点の形成状態に工夫をしている。
すなわち、上記中性点は、上記U相の巻線コイルに対して上記ステータコアの第2方向に向けて所定角度オフセットした位置において、各相の巻線コイルにおける一対のリード部のうちの上記第2方向の端部に位置する中性点側リード部を結束して形成している。
そして、これにより、上記各相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さは、上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長の違いとは逆に、上記V相における中性点側リード部の長さをU相における中性点側リード部の長さよりも長く、上記W相における中性点側リード部の長さをV相における中性点側リード部の長さよりも長くしている。
そのため、上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長の違いを、上記各相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さにより補うことができる。そのため、各相の巻線コイルを形成する電線の全長の違いができるだけ生じないようにすることができる。
それ故、上記ステータを有する3相モータによれば、各相の巻線コイルにおける導体抵抗の違いができるだけ生じないようにして、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の寸法を小さくすることができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記本発明において、上記V相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長Lvと、上記W相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長Lwとは、
Lu;上記U相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長、n;上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルの巻回数、m;上記各相の巻線コイルにおける単極コイルの極数、π;円周率、R;上記ステータコアの中心から上記スロットの半径方向中心までの半径(以下に、ステータコアの平均半径という。)、S;上記ステータコアの全スロット数、Sv;上記U相の巻線コイルに対して上記V相の巻線コイルを上記ステータコアの上記第1方向にオフセットさせたスロット数、Sw;上記U相の巻線コイルに対して上記W相の巻線コイルを上記ステータコアの上記第1方向にオフセットさせたスロット数としたとき、
Lv=(S・Lu・n・m−2・π・R・Sv)/(S・n・m)及び
Lw=(S・Lu・n・m−2・π・R・Sw)/(S・n・m)の関係式をそれぞれ満たすよう決定することができる
この場合は、上記各相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さが異なる分だけ、上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長を異ならせる場合である。そして、この場合には、各相の巻線コイルを形成する電線の全長をほぼ同じにして、各相の巻線コイルにおける導体抵抗をほぼ同じにすることができる。
なお、上記Lv及びLwの関係式から求められる値は、あくまでも理論上の値であり、実際に各相の巻線コイル及び中性点等を製作する際には若干の製作誤差が生じることがある。
また、上記Lv及び上記Lwの関係式は、それぞれ2・π・R・Sv/S=(Lu−Lv)・n・m及び2・π・R・Sw/S=(Lu−Lw)・n・mの関係式を変形させたものである。
すなわち、上記Lvの関係式においては、上記V相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さが、上記U相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さよりも長い分を、2・π・R・Sv/Sとしている。また、上記Lvの関係式においては、上記U相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長が、上記V相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長よりも長い分を、Lu−Lvとしている。そして、上記Lvの関係式は、各相の巻線コイルにおける各単極コイルの巻回数n及び各相の巻線コイルにおける単極コイルの極数mを考慮して導出したものである。
また、上記Lwの関係式においては、上記W相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さが、上記U相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さよりも長い分を、2・π・R・Sw/Sとしている。また、上記Lwの関係式においては、上記U相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長が、上記W相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長よりも長い分を、Lu−Lwとしている。そして、上記Lwの関係式もまた、各相の巻線コイルにおける各単極コイルの巻回数n及び各相の巻線コイルにおける単極コイルの極数mを考慮して導出したものである。
また、上記U相及び上記V相の巻線コイルにおける各単極コイルを形成する電線の周長は、上記ステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化していることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記ステータコアに挿入配設したU相及びV相の巻線コイルは、各単極コイルにおける電線の周長が短い側を、ステータコアのスロットに対向させて挿入配設したものとしている。そのため、各単極コイルにおけるコイルエンド部は、上記スロットに対向する側とは反対側に位置する電線の部分ほど、上記ステータコアの外周側に向けて大きく変形移動させることができる。そのため、この変形移動が一層容易になり、上記3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の寸法を一層小さくすることができる。
また、上記U相の巻線コイルにおける各単極コイルを形成する電線の周長が、上記ステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化する変化率は、上記V相の巻線コイルにおける各単極コイルを形成する電線の周長が、上記ステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化する変化率よりも大きくなっていることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記U相の巻線コイルにおける各単極コイルの一対のコイルエンド部を、上記V相の巻線コイルにおける各単極コイルの一対のコイルエンド部よりも変形移動させることが容易になる。そのため、上記3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の寸法を一層小さくすることができる。
以下に、図面を用いて本発明の3相モータにかかる実施例につき説明する。
(実施例1)
図1に示すごとく、本例の3相モータ1は、3相交流モータであり、U相、V相及びW相の3相の巻線コイル3、4、5を、それぞれリング状のステータコア21の内周面に設けた多数のスロット211に分布させて挿入配設してなる分布巻タイプのステータ2を有するものである。
図2に示すごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5は、それぞれ電線100を複数回巻回してなる複数個の単極コイル31、41、51と、この単極コイル31、41、51同士を繋ぐための渡り線34、44、54と、上記複数個の単極コイル31、41、51のうちの両端に位置する単極コイル31、41、51からそれぞれ上記電線100を引き出してなる一対のリード部32及び33、42及び43、52及び53とを有している。
また、図2に示すごとく、上記各単極コイル31、41、51は、上記各スロット211に挿入配設される一対の挿入辺部311、411、511と、この一対の挿入辺部311、411、511を繋ぐ一対のコイルエンド部312、412、512とからなる。
また、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長(平均巻き径)は、上記V相における平均周長が上記U相における平均周長よりも短く、かつ上記W相における平均周長がV相における平均周長よりも短くなっている。
図3〜図5に示すごとく、上記U相の巻線コイル3は、その一対の挿入辺部311が上記各スロット211に挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部312が上記ステータコア21の軸方向端部212から突出配設されている。
また、上記V相の巻線コイル4は、その一対の挿入辺部411が、上記U相の巻線コイル3に対して上記ステータコア21の一方の円周方向である第1方向C1に向けて所定のスロット数オフセットして上記各スロット211に挿入配設されている。また、V相の巻線コイル4は、その一対のコイルエンド部412の一部が、上記U相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312の内周側に重なって配設されている。
また、上記W相の巻線コイル5は、その一対の挿入辺部511が、上記V相の巻線コイル4に対して上記ステータコア21の上記第1方向C1に向けて所定のスロット数オフセットして上記各スロット211に挿入配設されている。また、W相の巻線コイル5は、その一対のコイルエンド部512の一部が、上記V相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412の内周側に重なって配設されている。
さらに、上記各相の巻線コイル3、4、5は、上記U相の巻線コイル3における各単極コイル31のコイルエンド部312を形成する電線100の平均長さをCu、上記V相の巻線コイル4における各単極コイル41のコイルエンド部412を形成する電線100の平均長さをCv、上記W相の巻線コイル5における各単極コイル51のコイルエンド部512を形成する電線100の平均長さをCwとしたとき、Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有している(図10参照)。
また、図1、図2、図5に示すごとく、上記ステータ2においては、上記各相の巻線コイル3、4、5における上記一対のリード部32及び33、42及び43、52及び53のうちの上記ステータコア21の上記第1方向C1と反対の方向である第2方向C2の端部に位置する上記リード部をそれぞれ中性点側リード部32、42、52として用いる。そして、上記ステータ2においては、上記U相の巻線コイル3に対して上記第2方向C2に向けて所定角度オフセットした位置において、上記各相の中性点側リード部32、42、52を結束して中性点6を形成している。
そして、上記中性点6の形成により、上記V相の巻線コイル4における上記中性点側リード部42を、上記U相の巻線コイル3における上記中性点側リード部32よりも長く形成している。また、上記W相の巻線コイル5における上記中性点側リード部52を、上記V相の巻線コイル4における上記中性点側リード部42よりも長く形成している。
以下に、これを詳説する。
図2、図6に示すごとく、本例の3相モータ1は、上記ステータ2に工夫を行っており、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51のコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwの比を、上記U相、V相及びW相の相互間において最適に設定している。
また、本例の電線100は、複数のワイヤ(電線)を束ねてなるものであり、本例では、ワイヤを10本束ねて上記電線100を形成している。
また、本例の3相モータ1は、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長を各相毎に異ならせて、3相のコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1(図4、図10参照)を小さくすると共に、各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さを上記平均周長の違いとは逆に各相毎に異ならせて、平均周長を異ならせたことに伴う弊害を緩和している。
なお、上記平均長さCu、Cv、Cwとは、上記各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を形成する複数の電線100の長さの平均のことをいう。また、上記平均周長とは、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51を形成する複数の電線100の周長の平均のことをいう。
図2、図6は、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長の違い、及び各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さの違いを模式的に示す説明図である。また、図6は、各相の巻線コイル3、4、5により形成する電気回路を示す説明図であり、本例のステータ2は、各相の巻線コイル3、4、5にスター結線を行って中性点6を形成するものである。
また、図2に示すごとく、本例の各相の巻線コイル3、4、5は、それぞれ単極コイル31、41、51を3つ連ねてなる3極の巻線コイルである。
また、図10は、各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512がステータコア21の軸方向端部212から突出して配設されている状態を模式的に示す説明図である。同図において、各相のコイルエンド部312、412、512は、ステータコア21の軸方向端部212から突出してC型形状に形成されている。また、各相の挿入辺部311、411、511の長さCxは、ステータコア21の軸方向長さを略同一になっている。そして、各相のコイルエンド部312、412、512がステータコア21の軸方向端部212から突出する長さである突出寸法L1は、ステータコア21の軸方向端部212から各相のコイルエンド部312、412、512の軸方向先端部313、413、513(図4参照)までの距離となっている。
なお、図1に示すごとく、上記3相モータ1は、上記ステータ2の内周側を回転するロータ10を有している。
また、図1、図2、図6に示すごとく、上記ステータ2においては、上記各相の巻線コイル3、4、5における一対のリード部32及び33、42及び43、52及び53のうちの上記第1方向C1の端部に位置するリード部は、それぞれ各巻線コイル3、4、5に通電を行うための電源に接続されるパワーケーブル側リード部33、43、53として用いる。
図3に示すごとく、本例の各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51は、上記各スロット211に一定の間隔をあけて挿入配設されるものである。
そのため、図2、図4に示すごとく、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の一対の挿入辺部311、411、511の長さはほぼ同じであり、各相の巻線コイル3、4、5における平均周長の違いは、実際には、上記一対のコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の長さの違いとなっている。
そして、図2に示すごとく、ステータコア21に一番初めに挿入配設するU相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312を、3相のうちで最も大きくステータコア21の外周側に向けて変形移動させるために、このU相の巻線コイル3における各単極コイル31の平均周長を一番長くしている。また、ステータコア21に一番最後に挿入配設するW相の巻線コイル5における一対のコイルエンド部512は、あまり変形移動させる必要がないために、このW相の巻線コイル5における各単極コイル51の平均周長を一番短くしている。また、V相の巻線コイル4における各単極コイル41の平均周長は、U相の巻線コイル3における平均周長よりも短く、W相の巻線コイル5における平均周長よりも長い平均周長としている。
また、図4に示すごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwは、Cu>Cv>Cwの関係を有している。また、上記一対のコイルエンド部312、412、512同士が上記ステータコア21の軸方向端部212からそれぞれ突出する長さである突出寸法L1は、互いにほぼ同じになっている。また、上記Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係は、一対のコイルエンド部312、412、512の両方が有している。
なお、上記コイルエンド部312、412、512における平均長さCu、Cv、Cwとは、上記一対のコイルエンド部312、412、512のうちの一方のコイルエンド部312、412、512における平均長さCu、Cv、Cwのことをいう。
また、図7に示すごとく、上記U相及びV相の巻線コイル3、4における各単極コイル31、41は、電線100の巻回を行う中心軸となるコイル軸101の方向の一端に向けて、電線100の周長(巻き径)が長くなるよう変化させて形成したテーパ状の単極コイル31、41とした。そして、U相及びV相の巻線コイル3、4は、各単極コイル31、41を形成する電線100の周長の小さい側を上記ステータコア21の各スロット211に対向させて、ステータコア21に挿入配設する。
そして、U相及びV相の巻線コイル3、4における各単極コイル31、41は、その一対の挿入辺部311、411をステータコア21の各スロット211に挿入配設した際には、その一対のコイルエンド部312、412を、電線100の周長が長い部分ほど、ステータコア21の外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
また、図7に示すごとく、上記ステータコア21に挿入配設したU相及びV相の巻線コイル43、4においては、上記電線100の周長の変化率は、上記U相における変化率が上記V相における変化率よりも大きくなっている。これにより、上記U相の巻線コイル3における各単極コイル31の一対のコイルエンド部312を、上記V相の巻線コイル4における各単極コイル41の一対のコイルエンド部412よりも一層容易に大きく変形移動させることができる。
また、上記W相の巻線コイル5における各単極コイル51は、電線100をほぼ均一の周長で巻回して形成したストレート状の単極コイル51である。こうして、上記電線100の周長の変化率は、上記U相における変化率が上記V相における変化率よりも大きく、上記V相における変化率が上記W相における変化率よりも大きくなっている。
なお、W相の巻線コイル5における各単極コイル51も、上記U相及びV相の巻線コイル3、4における各単極コイル31、41と同様に、テーパ状に形成することもできる。
次に、上記各相の巻線コイル3、4、5を上記ステータコア21に挿入配設する方法、及び上記ステータ2を有する3相モータ1の作用効果につき説明する。
上記各相の巻線コイル3、4、5をステータコア21に挿入配設する際には、図8に示すごとく、U相の巻線コイル3をステータコア21に一番最初に挿入配設し、次いで、図9に示すごとく、V相の巻線コイル4をステータコア21に挿入配設し、その後、図3に示すごとく、W相の巻線コイル5をステータコア21に挿入配設する。
そして、図3に示すごとく、各相の巻線コイル3、4、5における一対の挿入辺部311、411、511は、上記各スロット211に一定のスロット数ずつオフセットして挿入配設され、また、図4に示すごとく、各相の巻線コイル3、4、5における一対のコイルエンド部312、412、512は、ステータコア21の軸方向端部212から突出配設される。
以下に、各相の巻線コイル3、4、5の挿入配設の方法をさらに詳説する。
まず、図8に示すごとく、上記U相の巻線コイル3における各単極コイル31の一対の挿入辺部311を、ステータコア21の各スロット211に挿入配設する。その後、図4に示すごとく、このU相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312は、上記V相及びW相の巻線コイル4、5をステータコア21に挿入配設するために、ステータコア21の外周側に向けて変形移動させる。
このとき、U相の巻線コイル3における各単極コイル31の平均周長、すなわちU相の巻線コイル3におけるコイルエンド部312を形成する電線100の平均長さCuは、上記のごとく3相のうちで最も長くなっている。そのため、このU相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312を容易にステータコア21の外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
また、このとき、U相の巻線コイル3における各単極コイル31は、上記のごとくテーパ状に巻回されている。そのため、U相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312は、ステータコア21の各スロット211に対向させた側とは反対側に位置する電線100の周長が長い部分ほど、ステータコア21の外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
次いで、図9に示すごとく、上記V相の巻線コイル4における各単極コイル41の一対の挿入辺部411を、ステータコア21の各スロット211に挿入配設する。このとき、このV相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412の一部は、上記U相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312の内周側に重ねて配設される。
そして、図4に示すごとく、V相の巻線コイル4をステータコア21に挿入配設した後には、このV相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412は、上記W相の巻線コイル5をステータコア21に挿入配設するために、ステータコア21の外周側に向けて変形移動させる。このとき、V相の巻線コイル4における各単極コイル41の平均周長は、上記のごとくW相の巻線コイル5における各単極コイル51の平均周長よりも長くなっている。すなわち、V相の巻線コイル4におけるコイルエンド部412を形成する電線100の平均長さCvは、W相の巻線コイル5におけるコイルエンド部512を形成する電線100の平均長さCwよりも長くなっている。そのため、このV相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412を容易にステータコア21の外周側に向けて変形移動させることができる。
また、このとき、V相の巻線コイル4における各単極コイル41もまた、上記のごとくテーパ状に巻回されている。そのため、V相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412もまた、ステータコア21の各スロット211に対向させた側とは反対側に位置する電線100の周長が長い部分ほど、ステータコア21の外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
次いで、図3に示すごとく、上記W相の巻線コイル5における各単極コイル51の一対の挿入辺部511を、ステータコア21の各スロット211に挿入配設する。このとき、図4に示すごとく、このW相の巻線コイル5における一対のコイルエンド部512の一部は、上記V相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412の内周側に重ねて配設される。また、W相の巻線コイル5における一対のコイルエンド部512は、ほとんど変形移動させることなくステータコア21に配設される。
次いで、図5に示すごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5における上記第2方向C2の端部に位置する中性点側リード部32、42、52を結束して中性点6を形成する。このとき、各相の中性点側リード部32、42、52を上記ステータコア21の第2方向C2に向けて引き出し、上記中性点6は、上記U相の巻線コイル3に対して上記第2方向C2に向けて所定角度オフセットした位置に形成する。
そして、図1、図5に示すごとく、上記中性点6の形成により、上記V相の巻線コイル4における中性点側リード部42は、上記U相の巻線コイル3における中性点側リード部32よりも長く形成される。また、上記W相の巻線コイル5における中性点側リード部52は、上記V相の巻線コイル4における中性点側リード部42よりも長く形成される。
こうして、ステータコア21に各相の巻線コイル3、4、5を挿入配設して、中性点6を形成することができる。
上記のごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長は、上記V相における平均周長をU相における平均周長よりも短く、上記W相における平均周長をV相における平均周長よりも短くした。そして、上記のごとく、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の一対のコイルエンド部312、412、512は、U相におけるコイルエンド部312をステータコア21の外周側に向けて最も大きく変形移動させ、また、V相におけるコイルエンド部412を2番目に大きく変形移動させ、また、W相におけるコイルエンド部512をほとんど変形移動させなかった。
これにより、図4に示すごとく、各相のコイルエンド部312、412、512が上記ステータコア21の軸方向端部212から突出する長さである突出寸法L1をできるだけ短くして揃えることができる。そのため、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を小さくすることができる。
さらに、本例においては、各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwの比を、Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有するよう設定している。そのため、上記各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を最適な量で変形移動させることができる。
それ故、上記ステータ2を有する3相モータ1によれば、各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の突出寸法L1をできるだけ揃えることができ、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を最適な寸法まで小さくすることができる。
そして、上記のごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さは、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長の違いとは逆に、上記V相における中性点側リード部42の長さをU相における中性点側リード部32の長さよりも長く、上記W相における中性点側リード部52の長さをV相における中性点側リード部42の長さよりも長くした。
そのため、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長の違いを、上記各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さにより補うことができる。これにより、各相の巻線コイル3、4、5を形成する電線100の全長の違いができるだけ生じないようにすることができる。
それ故、上記ステータ2を有する3相モータ1によれば、各相の巻線コイル3、4、5における導体抵抗の違いができるだけ生じないようにして、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を最適な寸法まで小さくすることができる。
(実施例2)
本例においては、上記各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwの比がCv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有するよう設定した3相モータ1の一例を示す。表1に、本例の3相モータ1(発明品)における各相の巻線コイル3、4、5の各単極コイル31、41、51の寸法関係を示す。
Figure 0004483241
本例の3相モータ1における各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51は、それぞれ電線100を6回(6ターン)巻回してなるものである。そして、各単極コイル31、41、51の第1ターンは、上記各相の巻線コイル3、4、5をステータコア21に配設する際に、このステータコア21のスロット211の最も奥側に配置される部分であり、各単極コイル31、41、51の第6ターンは、ステータコア21のスロット211の最も手前側に配置される部分である。
また、U相及びV相の巻線コイル3、4における各単極コイル31、41は、これを形成する電線100の周長がステータコア21の外周側に向かうにつれて短く変化してなるテーパ状の単極コイル31、41であり、W相の巻線コイル5における各単極コイル51は、これを形成する電線100の周長がステータコア21の外周側に向かうにつれてわずかに長く変化してなる略ストレート状の単極コイル51である。
一方で、比較のために、表2に、各相の巻線コイル93、94、95におけるコイルエンド部932、942、952を形成する電線の平均長さCu、Cv、Cwが略同一である従来の3相モータ1(比較品)(図12参照)についても、各相の巻線コイル93、94、95の各単極コイル931、941、951の寸法関係を示す。
Figure 0004483241
上記発明品においては、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51のコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwの比は、Cv/Cu=106/112=約0.95、Cw/Cv=100.5/106=約0.95とし、Cv/CuとCw/Cvとを略同一にした。
また、発明品及び比較品のいずれにおいても、ステータコア21、921の軸方向長さは100mmとし、ステータコア21、921の最小内径は100mmとした。
そして、上記発明品の各相の巻線コイル3、4、5をステータコア21に配設した結果、各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の突出寸法L1をほとんど同じにすることができ、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を約33mmとすることができた。一方で、上記比較品の各相の巻線コイル93、94、95をステータコア921に配設した結果、各相の巻線コイル931、941、951におけるコイルエンド部932、942、952の突出寸法L1は、W相から順に大きくなってしまい(図13参照)、3相の巻線コイル93、94、95におけるコイルエンド部932、942、952の全体の突出寸法L1は約37.5mmとなってしまった。
上記結果より、発明品の3相モータ1によれば、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を最適な寸法まで小さくできることがわかった。
(実施例3)
本例は、上記各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さが異なる分だけ、これとは逆に上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長を異ならせる例である。そして、これを実現するために、本例においては、以下のLv及びLwの関係式を用いて、V相の巻線コイル4における各単極コイル41の平均周長及びW相の巻線コイル5における各単極コイル51の平均周長を決定した。
すなわち、上記Lvの関係式は、Lv=(S・Lu・n・m−2・π・R・Sv)/(S・n・m)によって表される。また、上記Lwの関係式は、Lw=(S・Lu・n・m−2・π・R・Sw)/(S・n・m)によって表される。
ここで、上記Luは、U相の巻線コイル3における各単極コイル31の平均周長を表し、上記Lvは、V相の巻線コイル4における各単極コイル41の平均周長を表し、上記Lwは、W相の巻線コイル5における各単極コイル51の平均周長を表している。また、Lv及びLwは、Luを基準にして求めている。
また、上記nは、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の巻回数(ターン数)を表し、上記mは、各相の巻線コイル3、4、5における単極コイル31、41、51の極数(個数)を表している。なお、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の巻回数、及び各相の巻線コイル3、4、5における単極コイル31、41、51の極数は同じである。
また、上記πは、円周率を表し、上記Rは、ステータコア21の中心Oからスロット211の半径方向中心までの半径(ステータコア21の平均半径)を表している(図8参照)。
また、上記Sは、ステータコア21の全スロット数を表し、上記Svは、U相の巻線コイル3に対してV相の巻線コイル4をステータコア21の第1方向C1にオフセットさせたスロット211の数を表している。本例では、V相の巻線コイル4は、U相の巻線コイル3に対して上記第1方向C1に向けて4スロット分オフセットしてステータコア21に挿入配設しており、Sv=4である(図3参照)。
また、上記Swは、U相の巻線コイル3に対してW相の巻線コイル5をステータコア21の第1方向C1にオフセットさせたスロット211の数を表している。本例では、W相の巻線コイル5は、U相の巻線コイル3に対して上記第1方向C1に向けて8スロット分オフセットしてステータコア21に挿入配設しており、Sw=8である(図3参照)。
なお、図11に示すごとく、本例においては、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51は、電線100をほぼ均一の周長で巻回して形成したストレート状の単極コイル31、41、51とした。
本例のように、上記各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さが異なる分だけ、これとは逆に上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長を異ならせることにより、各相の巻線コイル3、4、5を形成する電線100の全長をほぼ同じにして、各相の巻線コイル3、4、5における導体抵抗をほぼ同じにすることができる。
それ故、本例によれば、各相の巻線コイル3、4、5における導体抵抗をほぼ同じにして、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を最適な寸法まで小さくすることができる。
その他は、本例においても、上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1における、中性点を形成した状態のステータコアを、軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長の違い、及びU相、V相及びW相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さの違いを模式的に示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルをステータコアに挿入配設した状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおける各コイルエンド部が、ステータコアの軸方向端部から突出した状態を示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の中性点側リード部を結束して中性点を形成した状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルにスター結線を行って中性点を形成した電気回路を模式的に示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するときの状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相の巻線コイルをステータコアに挿入配設した状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、V相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するときの状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおけるコイルエンド部がステータコアの軸方向端部から突出している状態を模式的に示す説明図。 実施例3における、U相、V相及びW相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するときの状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 従来例における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長を模式的に示す説明図。 従来例における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおける各コイルエンド部が、ステータコアの軸方向端部から突出した状態を示す説明図。
符号の説明
1 3相モータ
100 電線
2 ステータ
21 ステータコア
211 スロット
212 軸方向端部
3 U相の巻線コイル
4 V相の巻線コイル
5 W相の巻線コイル
31、41、51 単極コイル
311、411、511 挿入辺部
312、412、512 コイルエンド部
32、42、52 中性点側リード部
6 中性点
C1 第1方向
C2 第2方向
Cu、Cv、Cw 平均長さ
L1 突出寸法

Claims (3)

  1. U相、V相及びW相の3相の巻線コイルを、それぞれステータコアの内周面に設けたスロットに挿入配設してなるステータを有する3相モータにおいて、
    上記各相の巻線コイルは、それぞれ電線を複数回巻回してなる複数個の単極コイルと、該単極コイル同士を繋ぐための渡り線と、上記複数個の単極コイルのうちの両端に位置する単極コイルからそれぞれ上記電線を引き出してなる一対のリード部とを有しており、また、上記各単極コイルは、上記スロットに挿入配設される一対の挿入辺部と、該一対の挿入辺部を繋ぐ一対のコイルエンド部とからなり、
    また、上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長は、上記V相における平均周長が上記U相における平均周長よりも短く、かつ上記W相における平均周長が上記V相における平均周長よりも短くなっており、
    上記U相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部が上記ステータコアの軸方向端部から突出配設されており、
    上記V相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が、上記U相の巻線コイルに対して上記ステータコアの一方の円周方向である第1方向に向けて所定のスロット数オフセットして上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部の一部が、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重なって配設されており、
    上記W相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が、上記V相の巻線コイルに対して上記ステータコアの上記第1方向に向けて所定のスロット数オフセットして上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部の一部が、上記V相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重なって配設されており、
    上記各相の巻線コイルにおける上記一対のリード部のうちの上記ステータコアの上記第1方向と反対の方向である第2方向の端部に位置する上記リード部をそれぞれ中性点側リード部として用い、上記U相の巻線コイルに対して上記第2方向に向けて所定角度オフセットした位置において、上記各相の中性点側リード部を結束して中性点を形成したことにより、上記V相の巻線コイルにおける上記中性点側リード部を、上記U相の巻線コイルにおける上記中性点側リード部よりも長く、かつ上記W相の巻線コイルにおける上記中性点側リード部を、上記V相の巻線コイルにおける上記中性点側リード部よりも長く形成してあり、
    上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、上記ステータコアの外周側に向けて変形移動してあると共に、上記V相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部よりも小さな変形量で上記ステータコアの外周側に向けて変形移動してあり、上記各相のコイルエンド部が上記ステータコアの軸方向端部から突出する長さを揃えたことを特徴とする3相モータ。
  2. 請求項1において、上記U相及び上記V相の巻線コイルにおける各単極コイルを形成する電線の周長は、上記ステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化していることを特徴とする3相モータ。
  3. 請求項2において、上記U相の巻線コイルにおける各単極コイルを形成する電線の周長が、上記ステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化する変化率は、上記V相の巻線コイルにおける各単極コイルを形成する電線の周長が、上記ステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化する変化率よりも大きくなっていることを特徴とする3相モータ。
JP2003317241A 2003-05-20 2003-09-09 3相モータ Expired - Fee Related JP4483241B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003317241A JP4483241B2 (ja) 2003-05-20 2003-09-09 3相モータ
DE102004024912A DE102004024912A1 (de) 2003-05-20 2004-05-19 Dreiphasenmotor
US10/848,121 US7064470B2 (en) 2003-05-20 2004-05-19 Three-phase motor

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003142495 2003-05-20
JP2003317241A JP4483241B2 (ja) 2003-05-20 2003-09-09 3相モータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005006487A JP2005006487A (ja) 2005-01-06
JP4483241B2 true JP4483241B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=34106442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003317241A Expired - Fee Related JP4483241B2 (ja) 2003-05-20 2003-09-09 3相モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4483241B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2727307T3 (es) * 2008-09-18 2019-10-15 Siemens Ag Grupo de tres devanados de estátor para un estátor de una máquina eléctrica, una disposición de estátor, un generador y una turbina eólica
JP6293576B2 (ja) * 2014-05-22 2018-03-14 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 回転電機用のステータ
JP6610249B2 (ja) * 2015-12-25 2019-11-27 アイシン精機株式会社 回転電機およびその製造方法
JP6707860B2 (ja) * 2015-12-25 2020-06-10 アイシン精機株式会社 回転電機およびその製造方法
CN114243979A (zh) * 2021-12-13 2022-03-25 深圳市金岷江智能装备有限公司 定子绕线及过渡线方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005006487A (ja) 2005-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3903922B2 (ja) 回転電機の集中巻きステータコイル
JP3285534B2 (ja) 車両用交流発電機の固定子
KR101943111B1 (ko) 중공 원통형 코어리스 권선
US8258669B2 (en) Motor with stator configuration for increased coil length and coil space factors
EP3285369B1 (en) Stator and electromotive machine
US11594927B2 (en) Rotating electric machine and manufacturing method therefor
JP5315644B2 (ja) 回転電機のステータコイル巻装方法及び回転電機
JP6293576B2 (ja) 回転電機用のステータ
JP6638629B2 (ja) 回転電機のステータ
JP2006033964A (ja) 回転電機および回転電機の製造方法
JP2005312277A (ja) 回転電機の集中巻き型ステータコイル
CN115051492A (zh) 马达
JP6337132B2 (ja) 回転電機の固定子、及びこれを備えた回転電機
CN116195172A (zh) 定子和电动机
US8946965B2 (en) Armature of electric motor and electric motor
JP4483241B2 (ja) 3相モータ
JP2006191733A (ja) 回転電機の巻線接続構造
JP2012090511A (ja) 回転電機構成部材
JP4345423B2 (ja) ステータ、モータ、ステータの製造方法、及びモータの製造方法
US10879748B2 (en) Stator of rotary electric machine and rotary electric machine
JP2005006488A (ja) 3相モータ
CN212033857U (zh) 一种电机定子及电机
US11594930B2 (en) Rotating electric machine
JP2019037103A (ja) ステータ及びモータ
JP2011182579A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100302

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees