JP2005006488A - 3相モータ - Google Patents

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剛 横山
Mutsuyuki Kawasaki
睦之 川崎
Shingo Hashimoto
伸吾 橋本
Toru Azeyanagi
徹 畔柳
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Abstract

【課題】各相の巻線コイルにおけるコイルエンド部の突出寸法をできるだけ揃えることができ、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の突出寸法を最適な寸法まで小さくできるステータを有する3相モータを提供すること。
【解決手段】各相の巻線コイル3、4、5を形成する各単極コイル31、41、51は、ステータコア21の軸方向端部212から突出配設された一対のコイルエンド部312、412、512を有している。各相の巻線コイル3、4、5は、U相、V相、W相の各相におけるコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さをそれぞれCu、Cv、Cwとしたとき、Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、3相の巻線コイルを、それぞれステータコアの内周面に設けたスロットに挿入配設してなるステータを有する3相モータに関する。
3相モータに用いるステータとしては、ステータコアの内周面に形成した多数のスロットに、U相、V相及びW相の各相の巻線コイルを順次挿入配設して形成されたものがある。
そして、各相の巻線コイルには、電線を複数回巻回してなる複数の単極コイルを渡り線を介して連ねてなるものを用い、各相の巻線コイルにおける各単極コイルを多数のスロットに分布させて挿入配設した分布巻タイプのステータが知られている。
上記分布巻タイプのステータにおいては、V相の巻線コイルにおける各単極コイルはU相の巻線コイルにおける各単極コイルに対して、W相の巻線コイルにおける各単極コイルはV相の巻線コイルにおける各単極コイルに対して、所定のスロット数ずつ円周方向にオフセットして、ステータコアの各スロットに挿入配設される。また、各スロットに挿入配設されなかった各相の巻線コイルにおける各単極コイルの残部は、上記ステータコアの軸方向端部から突出して、各相のコイルエンド部を形成する。
そして、図12に示すごとく、ステータ92においては、U相、V相及びW相の各相の巻線コイル93、94、95における各単極コイル931、941、951の周長をほぼ同じにしている。
ところで、図13に示すごとく、上記各相のコイルエンド部932、942、952においては、U相のコイルエンド部932の内周側にV相のコイルエンド部942が、V相のコイルエンド部942の内周側にW相のコイルエンド部952が重ねて配設される。そのため、V相の巻線コイル94を上記ステータコア921に挿入配設するためには、U相のコイルエンド部932をステータコア921の外周側に向けて変形移動させる必要がある。また、W相の巻線コイル95を上記ステータコア921に挿入配設するためには、V相のコイルエンド部942をステータコア921の外周側に向けて変形移動させる必要がある。
そのため、上記各相のコイルエンド部932、942、952の形状は、V相のコイルエンド部942がU相のコイルエンド部932よりもステータコア921の軸方向端部922から大きく突出し、W相のコイルエンド部952がV相のコイルエンド部942よりもステータコア921の軸方向端部922からさらに大きく突出した形状となる。そのため、3相のコイルエンド部932、942、952の全体の寸法を小さくすることが困難になっている。
なお、単相モータに用いるステータにおいては、ステータコアの内周側に位置させる巻線の周長を、これよりも外周側に位置させる巻線の周長よりも短くして、コイルエンド部のたるみを少なくして、このコイルエンド部を小さく形成したものがある(特許文献1)。
しかしながら、3相モータにおいては、上記U相及びV相のコイルエンド部932、942を、ステータコア921の外周側に向けて最適な量で変形移動させることが重要になる。そのためには、上記U相、V相及びW相の各コイルエンド部931、932、942を形成する電線の長さの比を最適にする必要がある。そのため、特許文献1の技術をそのまま3相モータに適用することはできない。
実開平5−78177号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、各相の巻線コイルにおけるコイルエンド部の突出寸法をできるだけ揃えることができ、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の突出寸法を最適な寸法まで小さくすることができるステータを有する3相モータを提供しようとするものである。
第1の発明は、U相、V相及びW相の3相の巻線コイルを、それぞれステータコアの内周面に設けたスロットに順次挿入配設してなるステータを有する3相モータにおいて、
上記各相の巻線コイルは、それぞれ電線を複数回巻回してなる複数個の単極コイルを連結してなり、該各単極コイルは、上記スロットに挿入配設される一対の挿入辺部と、該一対の挿入辺部を繋ぐ一対のコイルエンド部とからなり、
上記各相の巻線コイルは、上記U相の巻線コイルにおける上記各単極コイルの上記コイルエンド部を形成する上記電線の平均長さをCu、上記V相の巻線コイルにおける上記各単極コイルの上記コイルエンド部を形成する上記電線の平均長さをCv、上記W相の巻線コイルにおける上記各単極コイルの上記コイルエンド部を形成する上記電線の平均長さをCwとしたとき、Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有していることを特徴とする3相モータにある(請求項1)。
本発明の3相モータは、ステータに工夫を行っており、上記各相の巻線コイルにおける各単極コイルのコイルエンド部を形成する電線の平均長さの比を、上記U相、V相及びW相の相互間において最適に設定している。
すなわち、本発明においては、上記各相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCu、Cv、Cwを、Cu>Cv>Cwとしている。
そして、上記ステータは、U相の巻線コイルをステータコアに一番最初に挿入配設し、次いで、V相の巻線コイルをステータコアに挿入配設し、その後、W相の巻線コイルをステータコアに挿入配設して形成されている。また、上記ステータにおいては、各相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部がそれぞれ上記スロットに挿入配設され、また、各相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、ステータコアの軸方向端部から突出配設されている。
ところで、上記U相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部を、上記ステータコアのスロットに挿入配設した後には、このU相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、上記V相及びW相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するために、ステータコアの外周側に向けて変形移動させる。このとき、U相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCuは、上記のごとく3相のうちで最も長くなっている。そのため、このU相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を容易にステータコアの外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
そして、上記V相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部を、上記ステータコアのスロットに挿入配設したときには、このV相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の一部が、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重ねて配設される。
また、上記V相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部を、上記ステータコアのスロットに挿入配設した後には、このV相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、上記W相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するために、ステータコアの外周側に向けて変形移動させる。
このとき、V相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCvは、上記のごとくW相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCwよりも長くなっている。そのため、このV相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を容易にステータコアの外周側に向けて変形移動させることができる。
そして、上記W相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部を、上記ステータコアのスロットに挿入配設したときには、このW相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の一部が、上記V相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重ねて配設される。また、W相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部は、あまり変形移動させることなく上記ステータコアに配設される。
このように、上記3相のうちで最も長い電線の平均長さCuを有するU相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を最も大きく変形移動させ、また、W相よりも長い電線の平均長さCvを有するV相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を変形移動させ、さらに、3相のうちで最も短い電線の平均長さCwを有するW相の巻線コイルにおけるコイルエンド部はあまり変形移動させないことにより、各相のコイルエンド部が上記ステータコアの軸方向端部から突出する長さである突出寸法をできるだけ短くして揃えることができる。
さらに、本発明においては、各相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さの比を、Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有するよう設定している。そのため、上記各相の巻線コイルにおけるコイルエンド部を最適な量で変形移動させることができる。
それ故、上記ステータを有する3相モータによれば、各相の巻線コイルにおけるコイルエンド部の突出寸法をできるだけ揃えることができ、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の突出寸法を最適な寸法まで小さくすることができる。
なお、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の変形移動は、上記V相の巻線コイルをステータコアに挿入配設させながら行ってもよい。また、可能であれば、U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の変形移動は、U相の巻線コイルをステータコアに挿入配設する前に行っておくこともできる。なお、これらの変形移動のさせ方については、上記V相及びW相の巻線コイルについても同様である。
また、上記コイルエンド部における平均長さCu、Cv、Cwとは、上記一対のコイルエンド部のうちの一方のコイルエンド部における平均長さCu、Cv、Cwのことをいう。
また、上記Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係は、上記一対のコイルエンド部のうちの一方のコイルエンド部を形成する電線が有していてもよく、一対のコイルエンド部をそれぞれ形成する各電線が有していてもよい。
上述した本発明の3相モータにおける好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記Cv/Cuが0.88未満である場合には、V相におけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCvが、U相におけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCuよりも短くなり過ぎて、U相におけるコイルエンド部を最適に変形移動させてもなお、このU相におけるコイルエンド部の突出寸法がV相におけるコイルエンド部の突出寸法よりも大きくなってしまう。そのため、各相におけるコイルエンド部の突出寸法をできるだけ揃えることができなくなる。
一方で、上記Cv/Cuが0.98を超える場合には、V相におけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCvが、U相におけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCuに近くなってしまい、U相におけるコイルエンド部を最適に変形移動させると、このU相におけるコイルエンド部の突出寸法がV相におけるコイルエンド部の突出寸法よりも小さくなってしまう。そのため、各相におけるコイルエンド部の突出寸法をできるだけ揃えることができなくなる。
また、上記Cw/Cvが0.88未満である場合には、W相におけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCwが、V相におけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCvよりも短くなり過ぎて、V相におけるコイルエンド部を最適に変形移動させてもなお、このV相におけるコイルエンド部の突出寸法がW相におけるコイルエンド部の突出寸法よりも大きくなってしまう。そのため、各相におけるコイルエンド部の突出寸法をできるだけ揃えることができなくなる。
一方で、上記Cw/Cvが0.98を超える場合には、W相におけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCwが、V相におけるコイルエンド部を形成する電線の平均長さCvに近くなってしまい、V相におけるコイルエンド部を最適に変形移動させると、このV相におけるコイルエンド部の突出寸法がW相におけるコイルエンド部の突出寸法よりも小さくなってしまう。そのため、各相におけるコイルエンド部の突出寸法をできるだけ揃えることができなくなる。
また、上記Cv/Cu及びCw/Cvの関係は、Cv/Cu=0.90〜0.95及びCw/Cv=0.90〜0.95であることがさらに好ましい。
この場合には、上記Cv/Cu及びCw/Cvの関係が一層最適になり、各相の巻線コイルにおけるコイルエンド部の突出寸法を一層容易に揃えることができ、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の突出寸法を一層最適な寸法まで小さくすることができる。
また、上記U相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部が上記ステータコアの軸方向端部から突出配設されており、上記V相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が、上記U相の巻線コイルに対して上記ステータコアの一方の円周方向に向けて所定のスロット数オフセットして上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部の一部が、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重なって配設されており、上記W相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が、上記V相の巻線コイルに対して上記ステータコアの一方の円周方向に向けて所定のスロット数オフセットして上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部の一部が、上記V相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重なって配設されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記U相、V相及びW相の巻線コイルにおける一対の挿入辺部は、それぞれ上記スロットに所定のスロット数ずつオフセットして挿入配設することができ、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の突出寸法を一層容易に最適な寸法まで小さくすることができる。
また、上記Cv/Cuと上記Cw/Cvとは略同一であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記Cv/CuとCw/Cvとの関係も最適になり、各相の巻線コイルにおけるコイルエンド部の突出寸法を一層容易に揃えることができ、3相の巻線コイルにおけるコイルエンド部全体の突出寸法を一層最適な寸法まで小さくすることができる。
また、上記各相の巻線コイルのうちの少なくともいずれかにおける上記各単極コイルを形成する上記電線の周長は、上記ステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化していることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記ステータコアに挿入配設した各相の巻線コイルのうちの少なくともいずれかは、各単極コイルにおける電線の周長が短い側を、ステータコアのスロットに対向させて挿入配設したものとしている。そのため、上記各単極コイルにおけるコイルエンド部は、上記スロットに対向する側とは反対側に位置する電線の部分ほど、上記ステータコアの外周側に向けて大きく変形移動させることができる。そのため、上記コイルエンド部の変形移動が一層容易になり、各相のコイルエンド部だけにおいても、上記ステータコアの軸方向端部から突出する突出寸法を一層容易に揃えることができる。
また、上記各単極コイルを形成する電線の周長がステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化した単極コイルは、上記U相及びV相の巻線コイルだけに使用することができる。そして、W相の巻線コイルの単極コイルとしては、上記電線の周長がほとんど変化しないものを使用することができる。
また、上記電線の周長の変化率は、上記U相における変化率が上記V相における変化率よりも大きく、上記V相における変化率が上記W相における変化率よりも大きくなっていることが好ましい(請求項5)。
この場合は、U相におけるコイルエンド部をV相におけるコイルエンド部よりも大きく変形移動させ、V相におけるコイルエンド部をW相におけるコイルエンド部よりも大きく変形移動させることに着目して、上記各相におけるコイルエンド部の電線の周長の変化率を設定している。
すなわち、大きく変形移動させる巻線コイルのコイルエンド部ほど上記電線の周長の変化率を大きくしておくことにより、上記変形移動を行った後に、各相のコイルエンド部を形成する電線全体の上記突出寸法をできるだけ揃えることができる。
また、W相の巻線コイルの単極コイルとしては、上記電線の周長がほとんど変化しないものを使用することができ、W相における変化率はほぼゼロとすることができる。
以下に、図面を用いて本発明の3相モータにかかる実施例につき説明する。
(実施例1)
図1に示すごとく、本例の3相モータ1は、3相交流モータであり、U相、V相及びW相の3相の巻線コイル3、4、5を、それぞれリング状のステータコア21の内周面に設けた多数のスロット211に分布させて順次挿入配設してなる分布巻タイプのステータ2を有するものである。
図2に示すごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5は、それぞれ電線100を複数回巻回してなる複数個の単極コイル31、41、51と、この単極コイル31、41、51同士を繋ぐための渡り線34、44、54と、上記複数個の単極コイル31、41、51のうちの両端に位置する単極コイル31、41、51からそれぞれ上記電線100を引き出してなる一対のリード部32及び33、42及び43、52及び53とを有している。
また、図2に示すごとく、上記各単極コイル31、41、51は、上記各スロット211に挿入配設される一対の挿入辺部311、411、511と、この一対の挿入辺部311、411、511を繋ぐ一対のコイルエンド部312、412、512とからなる。
また、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長(平均巻き径)は、上記V相における平均周長が上記U相における平均周長よりも短く、かつ上記W相における平均周長がV相における平均周長よりも短くなっている。
図3〜図5に示すごとく、上記U相の巻線コイル3は、その一対の挿入辺部311が上記各スロット211に挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部312が上記ステータコア21の軸方向端部212から突出配設されている。
また、上記V相の巻線コイル4は、その一対の挿入辺部411が、上記U相の巻線コイル3に対して上記ステータコア21の一方の円周方向である第1方向C1に向けて所定のスロット数オフセットして上記各スロット211に挿入配設されている。また、V相の巻線コイル4は、その一対のコイルエンド部412の一部が、上記U相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312の内周側に重なって配設されている。
また、上記W相の巻線コイル5は、その一対の挿入辺部511が、上記V相の巻線コイル4に対して上記ステータコア21の上記第1方向C1に向けて所定のスロット数オフセットして上記各スロット211に挿入配設されている。また、W相の巻線コイル5は、その一対のコイルエンド部512の一部が、上記V相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412の内周側に重なって配設されている。
さらに、上記各相の巻線コイル3、4、5は、上記U相の巻線コイル3における各単極コイル31のコイルエンド部312を形成する電線100の平均長さをCu、上記V相の巻線コイル4における各単極コイル41のコイルエンド部412を形成する電線100の平均長さをCv、上記W相の巻線コイル5における各単極コイル51のコイルエンド部512を形成する電線100の平均長さをCwとしたとき、Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有している(図10参照)。
また、図1、図2、図5に示すごとく、上記ステータ2においては、上記各相の巻線コイル3、4、5における上記一対のリード部32及び33、42及び43、52及び53のうちの上記ステータコア21の上記第1方向C1と反対の方向である第2方向C2の端部に位置する上記リード部をそれぞれ中性点側リード部32、42、52として用いる。そして、上記ステータ2においては、上記U相の巻線コイル3に対して上記第2方向C2に向けて所定角度オフセットした位置において、上記各相の中性点側リード部32、42、52を結束して中性点6を形成している。
そして、上記中性点6の形成により、上記V相の巻線コイル4における上記中性点側リード部42を、上記U相の巻線コイル3における上記中性点側リード部32よりも長く形成している。また、上記W相の巻線コイル5における上記中性点側リード部52を、上記V相の巻線コイル4における上記中性点側リード部42よりも長く形成している。
以下に、これを詳説する。
図2、図6に示すごとく、本例の3相モータ1は、上記ステータ2に工夫を行っており、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51のコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwの比を、上記U相、V相及びW相の相互間において最適に設定している。
また、本例の電線100は、複数のワイヤ(電線)を束ねてなるものであり、本例では、ワイヤを10本束ねて上記電線100を形成している。
また、本例の3相モータ1は、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長を各相毎に異ならせて、3相のコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1(図4、図10参照)を小さくすると共に、各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さを上記平均周長の違いとは逆に各相毎に異ならせて、平均周長を異ならせたことに伴う弊害を緩和している。
なお、上記平均長さCu、Cv、Cwとは、上記各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を形成する複数の電線100の長さの平均のことをいう。また、上記平均周長とは、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51を形成する複数の電線100の周長の平均のことをいう。
図2、図6は、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長の違い、及び各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さの違いを模式的に示す説明図である。また、図6は、各相の巻線コイル3、4、5により形成する電気回路を示す説明図であり、本例のステータ2は、各相の巻線コイル3、4、5にスター結線を行って中性点6を形成するものである。
また、図2に示すごとく、本例の各相の巻線コイル3、4、5は、それぞれ単極コイル31、41、51を3つ連ねてなる3極の巻線コイルである。
また、図10は、各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512がステータコア21の軸方向端部212から突出して配設されている状態を模式的に示す説明図である。同図において、各相のコイルエンド部312、412、512は、ステータコア21の軸方向端部212から突出してC型形状に形成されている。また、各相の挿入辺部311、411、511の長さCxは、ステータコア21の軸方向長さを略同一になっている。そして、各相のコイルエンド部312、412、512がステータコア21の軸方向端部212から突出する長さである突出寸法L1は、ステータコア21の軸方向端部212から各相のコイルエンド部312、412、512の軸方向先端部313、413、513(図4参照)までの距離となっている。
なお、図1に示すごとく、上記3相モータ1は、上記ステータ2の内周側を回転するロータ10を有している。
また、図1、図2、図6に示すごとく、上記ステータ2においては、上記各相の巻線コイル3、4、5における一対のリード部32及び33、42及び43、52及び53のうちの上記第1方向C1の端部に位置するリード部は、それぞれ各巻線コイル3、4、5に通電を行うための電源に接続されるパワーケーブル側リード部33、43、53として用いる。
図3に示すごとく、本例の各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51は、上記各スロット211に一定の間隔をあけて挿入配設されるものである。
そのため、図2、図4に示すごとく、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の一対の挿入辺部311、411、511の長さはほぼ同じであり、各相の巻線コイル3、4、5における平均周長の違いは、実際には、上記一対のコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の長さの違いとなっている。
そして、図2に示すごとく、ステータコア21に一番初めに挿入配設するU相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312を、3相のうちで最も大きくステータコア21の外周側に向けて変形移動させるために、このU相の巻線コイル3における各単極コイル31の平均周長を一番長くしている。また、ステータコア21に一番最後に挿入配設するW相の巻線コイル5における一対のコイルエンド部512は、あまり変形移動させる必要がないために、このW相の巻線コイル5における各単極コイル51の平均周長を一番短くしている。また、V相の巻線コイル4における各単極コイル41の平均周長は、U相の巻線コイル3における平均周長よりも短く、W相の巻線コイル5における平均周長よりも長い平均周長としている。
また、図4に示すごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwは、Cu>Cv>Cwの関係を有している。また、上記一対のコイルエンド部312、412、512同士が上記ステータコア21の軸方向端部212からそれぞれ突出する長さである突出寸法L1は、互いにほぼ同じになっている。また、上記Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係は、一対のコイルエンド部312、412、512の両方が有している。
また、図7に示すごとく、上記U相及びV相の巻線コイル3、4における各単極コイル31、41は、電線100の巻回を行う中心軸となるコイル軸101の方向の一端に向けて、電線100の周長(巻き径)が長くなるよう変化させて形成したテーパ状の単極コイル31、41とした。そして、U相及びV相の巻線コイル3、4は、各単極コイル31、41を形成する電線100の周長の小さい側を上記ステータコア21の各スロット211に対向させて、ステータコア21に挿入配設する。
そして、U相及びV相の巻線コイル3、4における各単極コイル31、41は、その一対の挿入辺部311、411をステータコア21の各スロット211に挿入配設した際には、その一対のコイルエンド部312、412を、電線100の周長が長い部分ほど、ステータコア21の外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
また、図7に示すごとく、上記ステータコア21に挿入配設したU相及びV相の巻線コイル43、4においては、上記電線100の周長の変化率は、上記U相における変化率が上記V相における変化率よりも大きくなっている。これにより、上記U相の巻線コイル3における各単極コイル31の一対のコイルエンド部312を、上記V相の巻線コイル4における各単極コイル41の一対のコイルエンド部412よりも一層容易に大きく変形移動させることができる。
また、上記W相の巻線コイル5における各単極コイル51は、電線100をほぼ均一の周長で巻回して形成したストレート状の単極コイル51である。こうして、上記電線100の周長の変化率は、上記U相における変化率が上記V相における変化率よりも大きく、上記V相における変化率が上記W相における変化率よりも大きくなっている。
なお、W相の巻線コイル5における各単極コイル51も、上記U相及びV相の巻線コイル3、4における各単極コイル31、41と同様に、テーパ状に形成することもできる。
次に、上記各相の巻線コイル3、4、5を上記ステータコア21に挿入配設する方法、及び上記ステータ2を有する3相モータ1の作用効果につき説明する。
上記各相の巻線コイル3、4、5をステータコア21に挿入配設する際には、図8に示すごとく、U相の巻線コイル3をステータコア21に一番最初に挿入配設し、次いで、図9に示すごとく、V相の巻線コイル4をステータコア21に挿入配設し、その後、図3に示すごとく、W相の巻線コイル5をステータコア21に挿入配設する。
そして、図3に示すごとく、各相の巻線コイル3、4、5における一対の挿入辺部311、411、511は、上記各スロット211に一定のスロット数ずつオフセットして挿入配設され、また、図4に示すごとく、各相の巻線コイル3、4、5における一対のコイルエンド部312、412、512は、ステータコア21の軸方向端部212から突出配設される。
以下に、各相の巻線コイル3、4、5の挿入配設の方法をさらに詳説する。
まず、図8に示すごとく、上記U相の巻線コイル3における各単極コイル31の一対の挿入辺部311を、ステータコア21の各スロット211に挿入配設する。その後、図4に示すごとく、このU相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312は、上記V相及びW相の巻線コイル4、5をステータコア21に挿入配設するために、ステータコア21の外周側に向けて変形移動させる。
このとき、U相の巻線コイル3における各単極コイル31の平均周長、すなわちU相の巻線コイル3におけるコイルエンド部312を形成する電線100の平均長さCuは、上記のごとく3相のうちで最も長くなっている。そのため、このU相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312を容易にステータコア21の外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
また、このとき、U相の巻線コイル3における各単極コイル31は、上記のごとくテーパ状に巻回されている。そのため、U相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312は、ステータコア21の各スロット211に対向させた側とは反対側に位置する電線100の周長が長い部分ほど、ステータコア21の外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
次いで、図9に示すごとく、上記V相の巻線コイル4における各単極コイル41の一対の挿入辺部411を、ステータコア21の各スロット211に挿入配設する。このとき、このV相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412の一部は、上記U相の巻線コイル3における一対のコイルエンド部312の内周側に重ねて配設される。
そして、図4に示すごとく、V相の巻線コイル4をステータコア21に挿入配設した後には、このV相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412は、上記W相の巻線コイル5をステータコア21に挿入配設するために、ステータコア21の外周側に向けて変形移動させる。このとき、V相の巻線コイル4における各単極コイル41の平均周長は、上記のごとくW相の巻線コイル5における各単極コイル51の平均周長よりも長くなっている。すなわち、V相の巻線コイル4におけるコイルエンド部412を形成する電線100の平均長さCvは、W相の巻線コイル5におけるコイルエンド部512を形成する電線100の平均長さCwよりも長くなっている。そのため、このV相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412を容易にステータコア21の外周側に向けて変形移動させることができる。
また、このとき、V相の巻線コイル4における各単極コイル41もまた、上記のごとくテーパ状に巻回されている。そのため、V相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412もまた、ステータコア21の各スロット211に対向させた側とは反対側に位置する電線100の周長が長い部分ほど、ステータコア21の外周側に向けて大きく変形移動させることができる。
次いで、図3に示すごとく、上記W相の巻線コイル5における各単極コイル51の一対の挿入辺部511を、ステータコア21の各スロット211に挿入配設する。このとき、図4に示すごとく、このW相の巻線コイル5における一対のコイルエンド部512の一部は、上記V相の巻線コイル4における一対のコイルエンド部412の内周側に重ねて配設される。また、W相の巻線コイル5における一対のコイルエンド部512は、ほとんど変形移動させることなくステータコア21に配設される。
次いで、図5に示すごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5における上記第2方向C2の端部に位置する中性点側リード部32、42、52を結束して中性点6を形成する。このとき、各相の中性点側リード部32、42、52を上記ステータコア21の第2方向C2に向けて引き出し、上記中性点6は、上記U相の巻線コイル3に対して上記第2方向C2に向けて所定角度オフセットした位置に形成する。
そして、図1、図5に示すごとく、上記中性点6の形成により、上記V相の巻線コイル4における中性点側リード部42は、上記U相の巻線コイル3における中性点側リード部32よりも長く形成される。また、上記W相の巻線コイル5における中性点側リード部52は、上記V相の巻線コイル4における中性点側リード部42よりも長く形成される。
こうして、ステータコア21に各相の巻線コイル3、4、5を挿入配設して、中性点6を形成することができる。
上記のごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長は、上記V相における平均周長をU相における平均周長よりも短く、上記W相における平均周長をV相における平均周長よりも短くした。そして、上記のごとく、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の一対のコイルエンド部312、412、512は、U相におけるコイルエンド部312をステータコア21の外周側に向けて最も大きく変形移動させ、また、V相におけるコイルエンド部412を2番目に大きく変形移動させ、また、W相におけるコイルエンド部512をほとんど変形移動させなかった。
これにより、図4に示すごとく、各相のコイルエンド部312、412、512が上記ステータコア21の軸方向端部212から突出する長さである突出寸法L1をできるだけ短くして揃えることができる。そのため、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を小さくすることができる。
さらに、本例においては、各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwの比を、Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有するよう設定している。そのため、上記各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を最適な量で変形移動させることができる。
それ故、上記ステータ2を有する3相モータ1によれば、各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の突出寸法L1をできるだけ揃えることができ、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を最適な寸法まで小さくすることができる。
そして、上記のごとく、上記各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さは、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長の違いとは逆に、上記V相における中性点側リード部42の長さをU相における中性点側リード部32の長さよりも長く、上記W相における中性点側リード部52の長さをV相における中性点側リード部42の長さよりも長くした。
そのため、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長の違いを、上記各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さにより補うことができる。これにより、各相の巻線コイル3、4、5を形成する電線100の全長の違いができるだけ生じないようにすることができる。
それ故、上記ステータ2を有する3相モータ1によれば、各相の巻線コイル3、4、5における導体抵抗の違いができるだけ生じないようにして、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を最適な寸法まで小さくすることができる。
(実施例2)
本例においては、上記各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwの比がCv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有するよう設定した3相モータ1の一例を示す。表1に、本例の3相モータ1(発明品)における各相の巻線コイル3、4、5の各単極コイル31、41、51の寸法関係を示す。
Figure 2005006488
本例の3相モータ1における各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51は、それぞれ電線100を6回(6ターン)巻回してなるものである。そして、各単極コイル31、41、51の第1ターンは、上記各相の巻線コイル3、4、5をステータコア21に配設する際に、このステータコア21のスロット211の最も奥側に配置される部分であり、各単極コイル31、41、51の第6ターンは、ステータコア21のスロット211の最も手前側に配置される部分である。
また、U相及びV相の巻線コイル3、4における各単極コイル31、41は、これを形成する電線100の周長がステータコア21の外周側に向かうにつれて短く変化してなるテーパ状の単極コイル31、41であり、W相の巻線コイル5における各単極コイル51は、これを形成する電線100の周長がステータコア21の外周側に向かうにつれてわずかに長く変化してなる略ストレート状の単極コイル51である。
一方で、比較のために、表2に、各相の巻線コイル93、94、95におけるコイルエンド部932、942、952を形成する電線の平均長さCu、Cv、Cwが略同一である従来の3相モータ1(比較品)(図12参照)についても、各相の巻線コイル93、94、95の各単極コイル931、941、951の寸法関係を示す。
Figure 2005006488
上記発明品においては、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51のコイルエンド部312、412、512を形成する電線100の平均長さCu、Cv、Cwの比は、Cv/Cu=106/112=約0.95、Cw/Cv=100.5/106=約0.95とし、Cv/CuとCw/Cvとを略同一にした。
また、発明品及び比較品のいずれにおいても、ステータコア21、921の軸方向長さは100mmとし、ステータコア21、921の最小内径は100mmとした。
そして、上記発明品の各相の巻線コイル3、4、5をステータコア21に配設した結果、各相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の突出寸法L1をほとんど同じにすることができ、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を約33mmとすることができた。一方で、上記比較品の各相の巻線コイル93、94、95をステータコア921に配設した結果、各相の巻線コイル931、941、951におけるコイルエンド部932、942、952の突出寸法L1は、W相から順に大きくなってしまい(図13参照)、3相の巻線コイル93、94、95におけるコイルエンド部932、942、952の全体の突出寸法L1は約37.5mmとなってしまった。
上記結果より、発明品の3相モータ1によれば、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を最適な寸法まで小さくできることがわかった。
(実施例3)
本例は、上記各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さが異なる分だけ、これとは逆に上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長を異ならせる例である。そして、これを実現するために、本例においては、以下のLv及びLwの関係式を用いて、V相の巻線コイル4における各単極コイル41の平均周長及びW相の巻線コイル5における各単極コイル51の平均周長を決定した。
すなわち、上記Lvの関係式は、Lv=(S・Lu・n・m−2・π・R・Sv)/(S・n・m)によって表される。また、上記Lwの関係式は、Lw=(S・Lu・n・m−2・π・R・Sw)/(S・n・m)によって表される。
ここで、上記Luは、U相の巻線コイル3における各単極コイル31の平均周長を表し、上記Lvは、V相の巻線コイル4における各単極コイル41の平均周長を表し、上記Lwは、W相の巻線コイル5における各単極コイル51の平均周長を表している。また、Lv及びLwは、Luを基準にして求めている。
また、上記nは、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の巻回数(ターン数)を表し、上記mは、各相の巻線コイル3、4、5における単極コイル31、41、51の極数(個数)を表している。なお、各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の巻回数、及び各相の巻線コイル3、4、5における単極コイル31、41、51の極数は同じである。
また、上記πは、円周率を表し、上記Rは、ステータコア21の中心Oからスロット211の半径方向中心までの半径(ステータコア21の平均半径)を表している(図8参照)。
また、上記Sは、ステータコア21の全スロット数を表し、上記Svは、U相の巻線コイル3に対してV相の巻線コイル4をステータコア21の第1方向C1にオフセットさせたスロット211の数を表している。本例では、V相の巻線コイル4は、U相の巻線コイル3に対して上記第1方向C1に向けて4スロット分オフセットしてステータコア21に挿入配設しており、Sv=4である(図3参照)。
また、上記Swは、U相の巻線コイル3に対してW相の巻線コイル5をステータコア21の第1方向C1にオフセットさせたスロット211の数を表している。本例では、W相の巻線コイル5は、U相の巻線コイル3に対して上記第1方向C1に向けて8スロット分オフセットしてステータコア21に挿入配設しており、Sw=8である(図3参照)。
なお、図11に示すごとく、本例においては、上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51は、電線100をほぼ均一の周長で巻回して形成したストレート状の単極コイル31、41、51とした。
本例のように、上記各相の巻線コイル3、4、5における中性点側リード部32、42、52の長さが異なる分だけ、これとは逆に上記各相の巻線コイル3、4、5における各単極コイル31、41、51の平均周長を異ならせることにより、各相の巻線コイル3、4、5を形成する電線100の全長をほぼ同じにして、各相の巻線コイル3、4、5における導体抵抗をほぼ同じにすることができる。
それ故、本例によれば、各相の巻線コイル3、4、5における導体抵抗をほぼ同じにして、3相の巻線コイル3、4、5におけるコイルエンド部312、412、512の全体の突出寸法L1を最適な寸法まで小さくすることができる。
その他は、本例においても、上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1における、中性点を形成した状態のステータコアを、軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長の違い、及びU相、V相及びW相の巻線コイルにおける中性点側リード部の長さの違いを模式的に示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルをステータコアに挿入配設した状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおける各コイルエンド部が、ステータコアの軸方向端部から突出した状態を示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の中性点側リード部を結束して中性点を形成した状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルにスター結線を行って中性点を形成した電気回路を模式的に示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するときの状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相の巻線コイルをステータコアに挿入配設した状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、V相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するときの状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおけるコイルエンド部がステータコアの軸方向端部から突出している状態を模式的に示す説明図。 実施例3における、U相、V相及びW相の巻線コイルをステータコアに挿入配設するときの状態を、ステータコアの軸方向端部の方向から見た状態で示す説明図。 従来例における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおける各単極コイルの平均周長を模式的に示す説明図。 従来例における、U相、V相及びW相の巻線コイルにおける各コイルエンド部が、ステータコアの軸方向端部から突出した状態を示す説明図。
符号の説明
1 3相モータ
100 電線
2 ステータ
21 ステータコア
211 スロット
212 軸方向端部
3 U相の巻線コイル
4 V相の巻線コイル
5 W相の巻線コイル
31、41、51 単極コイル
311、411、511 挿入辺部
312、412、512 コイルエンド部
32、42、52 中性点側リード部
6 中性点
C1 第1方向
C2 第2方向
Cu、Cv、Cw 平均長さ
L1 突出寸法

Claims (5)

  1. U相、V相及びW相の3相の巻線コイルを、ステータコアの内周面に設けたスロットに順次挿入配設してなるステータを有する3相モータにおいて、
    上記各相の巻線コイルは、それぞれ電線を複数回巻回してなる複数個の単極コイルを連結してなり、該各単極コイルは、上記スロットに挿入配設される一対の挿入辺部と、該一対の挿入辺部を繋ぐ一対のコイルエンド部とからなり、
    上記各相の巻線コイルは、上記U相の巻線コイルにおける上記各単極コイルの上記コイルエンド部を形成する上記電線の平均長さをCu、上記V相の巻線コイルにおける上記各単極コイルの上記コイルエンド部を形成する上記電線の平均長さをCv、上記W相の巻線コイルにおける上記各単極コイルの上記コイルエンド部を形成する上記電線の平均長さをCwとしたとき、Cv/Cu=0.88〜0.98及びCw/Cv=0.88〜0.98の関係を有していることを特徴とする3相モータ。
  2. 請求項1において、上記U相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部が上記ステータコアの軸方向端部から突出配設されており、
    上記V相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が、上記U相の巻線コイルに対して上記ステータコアの一方の円周方向に向けて所定のスロット数オフセットして上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部の一部が、上記U相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重なって配設されており、
    上記W相の巻線コイルは、その一対の挿入辺部が、上記V相の巻線コイルに対して上記ステータコアの一方の円周方向に向けて所定のスロット数オフセットして上記スロットに挿入配設されていると共に、その一対のコイルエンド部の一部が、上記V相の巻線コイルにおける一対のコイルエンド部の内周側に重なって配設されていることを特徴とする3相モータ。
  3. 請求項1又は2において、上記Cv/Cuと上記Cw/Cvとは略同一であることを特徴とする3相モータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記各相の巻線コイルのうちの少なくともいずれかにおける上記各単極コイルを形成する上記電線の周長は、上記ステータコアの外周側に向かうにつれて短く変化していることを特徴とする3相モータ。
  5. 請求項4において、上記電線の周長の変化率は、上記U相における変化率が上記V相における変化率よりも大きく、上記V相における変化率が上記W相における変化率よりも大きくなっていることを特徴とする3相モータ。
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