JP2009033831A - モータ用ステータ - Google Patents

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Keiichi Shinohara
敬一 篠原
Kiyotaka Koga
清隆 古賀
Shin Sakaguchi
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Abstract

【課題】コイルエンド部の成形容易化及び小型化を図ることができるモータ用ステータを提供すること。
【解決手段】3相のコイルは、ステータコアの周方向Cを一巡するターンを形成する波巻コイル部4U、4V、4Wを、ステータコアの径方向Rに複数ターンに重ねて配置してそれぞれ構成してある。各相のコイル3U、3V、3Wにおける複数ターンの波巻コイル部4U、4V、4Wのうち、少なくともいずれかのターンの波巻コイル部4U、4V、4Wは、互いに交錯することなく平行に隣接する複数本の導体40による1組のターンを構成している。1組のターンを構成する複数本の導体40は、スロット導体部41においては、ステータコアの周方向Cに隣接すると共に、コイルエンド導体部42においては、ステータコア2の軸方向Dに隣接している。
【選択図】図3

Description

本発明は、ステータコアにおける複数のスロット内に、分布巻き状態で3相のコイルを配置してなるモータ用ステータに関する。
U相、V相及びW相の3相のコイルをステータコアに配置してなる3相モータ用のステータは、その多くが絶縁被覆してなる断面円形状の銅線を複数回巻回してなる3相のコイルを用いて形成している。一方、コイルエンド部(コイルの一部がステータコアの軸方向端面から突出してなる部分)の小型化や、コイルをステータコアに組み付ける工程の簡略化等を目的として、コイルをステータコアに組み付ける種々の方法が考えられている。
例えば、特許文献1の交流発電機の固定子においては、3相の巻線を構成する導体線を、スロットの両端から延出し、周方向の両側に振り分けて周方向の両側に所定スロット離れたスロットにそれぞれ入るようにしている。また、導体線は、スロットに収納されるスロット収納部を断面扁平に成形し、スロット収納部の端部同士を連結するコイルエンド部を断面略円形に成形している。
しかしながら、特許文献1においては、10本の導体線のスロット収容部を各スロットに配置する際に、5本の導体線のコイルエンド部を束にすると共に、残りの5本の導体線のコイルエンド部を束にし、これらのコイルエンド部の束同士が軸方向で相対するようにしている。そのため、10本のスロット収容部を各スロットに配置する際には、5本の導体線と残りの5本の導体線とが交錯することになり、コイルエンド部の成形が容易ではなく、コイルエンド部を小型化することも容易ではない。
なお、特許文献2においては、一相を構成する複数の巻線を平行に配置する旨の開示がなされている。しかしながら、特許文献2においては、複数の巻線をどのようにしてスロットに配置するかの工夫は何らなされておらず、コイルエンド部を小型化する工夫も何らなされていない。
特許第3561249号公報 特表2002−539747号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、コイルエンド部の成形容易化及び小型化を図ることができるモータ用ステータを提供しようとするものである。
本発明は、複数のスロットを備えたステータコアと、上記複数のスロットに所定のスロット数を空けて分布巻き状態で配置したU相、V相及びW相の3相のコイルとを有するモータ用ステータにおいて、
上記3相のコイルは、上記ステータコアの周方向を一巡するターンを形成する波巻コイル部を用いて構成してあり、該波巻コイル部は、上記スロット内に配置する複数のスロット導体部同士を、上記ステータコアの軸方向一端側と軸方向他端側とにおいて、上記スロットの外部に突出配置するコイルエンド導体部によって交互に繋いでなり、
上記ステータコアの軸方向両端部においては、上記3相の波巻コイル部における上記コイルエンド導体部によって、コイルエンド部をそれぞれ形成しており、
上記各相のコイルは、互いに交錯することなく平行に隣接する複数本の導体による1組のターンの上記波巻コイル部をそれぞれ有しており、該1組のターンを構成する複数本の導体は、上記スロット導体部においては、上記ステータコアの周方向に隣接すると共に、上記コイルエンド導体部においては、上記ステータコアの軸方向に隣接していることを特徴とするモータ用ステータにある(請求項1)。
本発明は、波巻コイル部を用いて3相のコイルをそれぞれ形成してなるモータ用ステータにおいて、ステータコアの軸方向に突出して配置されるコイルエンド部の成形容易化及び小型化を図るための工夫を行っている。
具体的には、本発明においては、各相のコイルは、互いに交錯することなく平行に隣接する複数本の導体による1組のターンの波巻コイル部をそれぞれ有している。そして、複数本の導体は、スロット導体部においては、ステータコアの周方向に隣接すると共に、コイルエンド導体部においては、ステータコアの軸方向に隣接している。これにより、コイルエンド導体部において導体を屈曲させる際には、複数本分の曲げ方向の幅を有する導体を屈曲させるのに比べて、複数本の導体をそれぞれ屈曲させることができる。そのため、波巻コイル部を構成する導体を屈曲させることが容易になり、コイルエンド部の成形を容易にすることができる。
また、上記波巻コイル部を用いて形成した3相のコイルのコイルエンド導体部によるコイルエンド部においては、U相、V相、W相の各相間のコイルエンド導体部同士の交錯を防止することができる。
それ故、本発明によれば、コイルエンド部の成形容易化及び小型化を図ることができるモータ用ステータを提供することができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記モータ用ステータは、電動機、発電機又はモータジェネレータのいずれのステータ(固定子)として用いることもできる。
また、上記U相のコイルにおける上記スロット導体部を配置したU相のスロットと、上記V相のコイルにおける上記スロット導体部を配置したV相のスロットと、上記W相のコイルにおける上記スロット導体部を配置したW相のスロットとは、1つずつ同じ順序で形成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、コイルエンド部の成形容易化及び小型化を一層容易に図ることができる。
また、上記1組のターンを構成する複数本の導体は、複数本の断面略角形状の角導体であり、上記コイルエンド導体部を構成する上記複数本の角導体のうち、上記ステータコアの軸方向一端側において上記一対のスロット導体部と上記コイルエンド導体部とによって形成されるU形状の最内周側に位置する角導体は、上記ステータコアの軸方向他端側においては上記U形状の最外周側に位置していることが好ましい(請求項3)。
この場合には、角導体を用いることによって、各スロット内における複数のスロット導体部の占積率を向上させることができる。また、1組のターンを構成する波巻コイル部を複数本の角導体から構成することにより、角導体を屈曲させることが容易であり、コイルエンド部を一層小型化させることができる。
また、上記1組のターンを構成する複数本の導体は、2本の断面略角形状の角導体であり、上記コイルエンド導体部を構成する上記2本の角導体のうち、いずれか一方の角導体は、上記ステータコアの軸方向一端側においては上記U形状の内周側に位置し、上記ステータコアの軸方向他端側においては上記U形状の外周側に位置する一方、他方の角導体は、上記ステータコアの軸方向一端側においては上記U形状の外周側に位置し、上記ステータコアの軸方向他端側においては上記U形状の内周側に位置していることがさらに好ましい(請求項4)。
この場合には、1組のターンを構成する波巻コイル部を2本の角導体から構成することにより、角導体を屈曲させることが容易であり、コイルエンド部を一層小型化させることができる。
また、上記1組のターンを構成する上記3相の波巻コイル部の上記コイルエンド導体部は、上記ステータコアの径方向における内外周に重なる上記導体が略2本分の径方向幅の範囲内で配置してあり、かつ、当該3相の波巻コイル部のうちいずれか1相の波巻コイル部の上記コイルエンド導体部は、上記ステータコアの周方向における中間部において折れ曲がって、上記ステータコアの径方向における内周側に位置する内周側の曲率半径によって形成された内周側導体部分と、上記ステータコアの径方向における外周側に位置する外周側の曲率半径によって形成された外周側導体部分とによって構成してあり、残りの2相の波巻コイル部の上記コイルエンド導体部は、一方が上記内周側導体部分と略同一の曲率半径によって形成してあると共に、他方が上記外周側導体部分と略同一の曲率半径によって形成してあることが好ましい(請求項5)。
この場合には、各ターンの3相の波巻コイル部を、コイルエンド部においてスペース効率よく配置することができる。そして、複数のターンの波巻コイル部によるコイルエンド部を容易に小型化することができる。
また、上記3相のコイルは、上記波巻コイル部を上記ステータコアの径方向に複数ターンに重ねて配置してそれぞれ構成してあり、上記各相のスロットには、上記各相の波巻コイル部における上記スロット導体部が、上記ステータコアの径方向における内外周に重ねて配置してあり、上記ステータコアの軸方向両端部における上記コイルエンド部は、上記3相の波巻コイル部における上記コイルエンド導体部を、所定の配置パターンで上記ステータコアの周方向に並べると共に上記ステータコアの径方向の内外周に重ねて配置してそれぞれ形成してあり、上記各相のコイルは、少なくとも第1の上記1組のターンの波巻コイル部と、第2の上記1組のターンの波巻コイル部とを有しており、当該第1の1組のターンの波巻コイル部における上記スロット導体部と、当該第2の1組のターンの波巻コイル部における上記スロット導体部とは、同じ上記スロット内において上記ステータコアの径方向に隣接して配置し、上記第1の1組のターンの波巻コイル部において、いずれかの上記スロットに挿入される上記スロット導体部と同一相の次の上記スロットに挿入される上記スロット導体部とを接続する上記コイルエンド導体部と、上記第2の1組のターンの波巻コイル部において、上記いずれかのスロットに挿入される上記スロット導体部と上記同一相の次のスロットに挿入される上記スロット導体部とを接続する上記コイルエンド導体部とは、上記ステータコアの軸方向における同一側において、径方向に重ねて配置することができる(請求項6)。
この場合には、ステータコアの軸方向両端部におけるコイルエンド部において、U相、V相、W相の各相間のコイルエンド導体部同士の交錯を防止することができると共に、U相、V相、W相の各相のコイルにおいて、各ターン毎のコイルエンド導体部の交錯を防止することもできる。また、この場合には、コイルエンド部を一層容易に小型化することができる。
また、上記ステータコアの径方向の内外周に重ねて配置された上記複数のコイルエンド導体部は、上記3相のコイルにおける上記コイルエンド導体部のうち、いずれか2相のコイルにおける上記複数のコイルエンド導体部のみであることが好ましい(請求項7)。
この場合には、コイルエンド部を一層容易に小型化することができる。
また、上記3相のコイルは、上記波巻コイル部を上記ステータコアの径方向に複数ターンに重ねて配置してそれぞれ構成してあり、上記各相のスロットには、上記各相の波巻コイル部における上記スロット導体部が、上記ステータコアの径方向における内外周に重ねて配置してあり、上記ステータコアの軸方向両端部における上記コイルエンド部は、上記3相の波巻コイル部における上記コイルエンド導体部を、所定の配置パターンで上記ステータコアの周方向に並べると共に上記ステータコアの径方向の内外周に重ねて配置してそれぞれ形成してあり、上記各相のコイルは、少なくとも第1の上記1組のターンの波巻コイル部と、第2の上記1組のターンの波巻コイル部とを有しており、当該第1の1組のターンの波巻コイル部における上記スロット導体部と、当該第2の1組のターンの波巻コイル部における上記スロット導体部とは、同じ上記スロット内において上記ステータコアの径方向に隣接して配置し、上記第1の1組のターンの波巻コイル部において、いずれかの上記スロットに挿入される上記スロット導体部と同一相の次の上記スロットに挿入される上記スロット導体部とを接続する上記コイルエンド導体部は、上記ステータコアの軸方向一端側に配置し、上記第2の1組のターンの波巻コイル部において、上記いずれかのスロットに挿入される上記スロット導体部と上記同一相の次のスロットに挿入される上記スロット導体部とを接続する上記コイルエンド導体部は、上記ステータコアの軸方向他端側に配置することもできる(請求項8)。
この場合には、ステータコアの軸方向両端部におけるコイルエンド部において、U相、V相、W相の各相間のコイルエンド導体部同士の交錯を防止することができると共に、U相、V相、W相の各相のコイルにおいて、各ターン毎のコイルエンド導体部の交錯を防止することもできる。また、この場合には、コイルエンド部を一層容易に小型化することができる。
また、上記3相のコイルにおける上記複数ターンの波巻コイル部において、上記スロット導体部を構成する上記複数本の角導体は、いずれも同一断面形状を有していることが好ましい(請求項9)。
この場合には、波巻コイル部の製造管理が容易になる。
また、上記各相のコイルにおいて上記複数ターンの波巻コイル部同士を接続する渡線部のすべては、上記ステータコアの軸方向一端側に配置してあることが好ましい(請求項10)。
この場合には、すべての渡線部が、ステータコアの軸方向一端側に配置され、渡線部と波巻コイル部との接合が容易になる。また、特にステータコアの軸方向他端側のコイルエンド部を一層小型化することができる。
また、上記渡線部は、上記波巻コイル部から連続して形成することができ、上記波巻コイル部とは別体の導体によって形成することもできる。
また、3相のコイルにスター結線を行う場合には、3相のコイルの引出端部及び中性点も、上記渡線部のすべてを配置した軸方向一端側に配置することが好ましい。また、3相のコイルにデルタ結線を行う場合には、3相のコイルの引出端部も、上記渡線部のすべてを配置した軸方向一端側に配置することが好ましい。
以下に、本発明のモータ用ステータにかかる実施例1、2につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例のモータ用ステータ1は、図1、図4に示すごとく、複数のスロット21を備えたステータコア2と、複数のスロット21に所定のスロット数を空けて分布巻き状態で配置したU相、V相及びW相の3相のコイル3U、3V、3Wとを有している。
3相のコイル3U、3V、3Wは、図3、図7に示すごとく、ステータコア2の周方向Cを一巡するターンを形成する波巻コイル部4U、4V、4Wを、ステータコア2の径方向Rに複数ターンに重ねて配置してそれぞれ構成してある。なお、図3においては、U相、V相、W相のコイル3U、3V、3Wのそれぞれについて、波巻コイル部4U、4V、4W同士を接続する渡線部5が省略してある。
各相の波巻コイル部4U、4V、4Wは、スロット21内に配置する複数のスロット導体部41同士を、ステータコア2の軸方向一端側D1と軸方向他端側D2とにおいて、スロット21の外部に突出配置するコイルエンド導体部42によって交互に繋いでなる。また、図7に示すごとく、3相のコイル3U、3V、3Wは、波巻コイル部4U、4V、4Wを、ステータコア2の径方向Rにおける内外周に複数ターンに重ねた状態で渡線部5を介して接合してそれぞれ構成される。
図4に示すごとく、U相の波巻コイル部4Uにおける複数のスロット導体部41は、複数のU相のスロット21Uのうちのいずれかから、順次V相、W相のスロット分を空けて、他のU相のスロット21Uにそれぞれ配置してある。V相の波巻コイル部4Vにおける複数のスロット導体部41は、複数のV相のスロット21Vのうちのいずれかから、順次U相、W相のスロット分を空けて、他のV相のスロット21Vにそれぞれ配置してある。W相の波巻コイル部4Wにおける複数のスロット導体部41は、複数のW相のスロット21Wのうちのいずれかから、順次U相、V相のスロット分を空けて、他のW相のスロット21Wにそれぞれ配置してある。
また、モータ用ステータ1においては、U相のコイル3Uにおけるスロット導体部41を配置したU相のスロット21Uと、V相のコイル3Vにおけるスロット導体部41を配置したV相のスロット21Vと、W相のコイル3Wにおけるスロット導体部41を配置したW相のスロット21Wとが、1つずつ同じ順序で形成されている。
また、同図に示すごとく、各相のスロット21には、各相の波巻コイル部4U、4V、4Wにおけるスロット導体部41が、ステータコア2の径方向Rにおける内外周に重ねて配置してある。図1に示すごとく、ステータコア2の軸方向Dの両端部においては、3相の波巻コイル部4U、4V、4Wにおけるコイルエンド導体部42を、所定の配置パターンでステータコア2の周方向Cに並べると共にステータコア2の径方向Rにおける内外周に重ねて配置して、コイルエンド部31がそれぞれ形成されている。
図3、図7、図8に示すごとく、各相のコイル3U、3V、3Wにおける複数ターンの波巻コイル部4U、4V、4Wのうち、少なくともいずれかのターンの波巻コイル部4U、4V、4Wは、互いに交錯することなく平行に隣接する複数本(本例では2本)の導体(絶縁被覆した銅線等)40による1組のターンを構成している。この1組のターンを構成する複数本(本例では2本)の導体40は、スロット導体部41においては、ステータコア2の周方向Cに隣接すると共に、コイルエンド導体部42においては、ステータコア2の軸方向Dに隣接している。
以下に、本例のモータ用ステータ1につき、図1〜図10と共に詳説する。
図1に示すごとく、本例のモータ用ステータ1は、ハイブリッドカー又は電気自動車等に使用する3相交流モータに用いるものであり、U相、V相及びW相の3相のコイル3U、3V、3Wをステータコア2に組み付けて構成してある。
図4に示すごとく、本例の各相の波巻コイル部4U、4V、4Wは、断面略角形状の角導体40によって形成してある。本例の角導体40は、断面略長方形(4つの角部がR形状を有している。)に形成してあり、ステータコア2の周方向Cに幅広の辺を配置して、スロット21に配置されている。なお、各相の波巻コイル部4U、4V、4Wは、断面円形状の丸導体を押し潰した断面扁平形状の導体から形成することもできる。
本例の3相の波巻コイル4U、4V、4Wを構成する角導体40の断面積は全長において一定であり、各相間においても、角導体40の断面積は同一である。
また、図4に示すごとく、本例のスロット21は、断面形状が同じ角導体40からなる複数のスロット導体部41を、内周側から挿入配置するために、周方向Cの幅がほぼ一定に形成されている。
ステータコア2においては、U相のスロット21U、V相のスロット21V及びW相のスロット21Wが、周方向Cに向けて1つずつ順番に繰り返して形成してある。本例のスロット21の数は24であり、U相のスロット21U、V相のスロット21V及びW相のスロット21Wは、それぞれ8つずつ形成してある(図2参照)。
図7は、ステータコア2に組み付けた状態のU相のコイル3Uを、平面状態に展開して模式的に示す図である。同図に示すごとく、本例のU相のコイル3Uは、7ターン分T(1)〜(7)の波巻コイル部4U(A)〜(D)を、渡線部5を介して接合して形成してある。本例のU相のコイル3Uは、2本1組のターンが3組(6ターン分)4U(A)〜4U(C)と、1本の1ターン4U(D)とからなる。
同図において、4U(A)は、最外周側に位置する2本1組のターンである第1組を示し、この第1組は2つのターンT(1)、(2)からなる。また、4U(B)は、第1組の内周側に位置する2本1組のターンである第2組を示し、この第2組は2つのターンT(3)、(4)からなる。また、4U(C)は、第2組の内周側に位置する2本1組のターンである第3組を示し、この第3組は2つのターンT(5)、(6)からなる。また、4U(D)は、第3組の内周側に位置する1本のターンT(7)を示す。
また、同図において、U相のコイル3Uの一方の端部を符号6(A)で示し、他方の端部を符号6(B)で示す。本例においては、各端部6(A)、(B)は、いずれか一方が引出端部44U、44V、44Wとなり、他方が中性点Pとなる(図9、図10参照)。また、丸で囲んだ数字1〜3は、互いに繋がっていることを示す。
また、各スロット21において、ステータコア2の外周側(スロット21の底側)に位置する2本1組で3組分のターン(6ターン分)のU相の波巻コイル部4U(A)〜(C)は、互いに交錯することなく平行に隣接する2本の断面略角形状の角導体40によって形成してあり、ステータコア2の内周側(スロット21の開口側)に位置する1ターン分のU相の波巻コイル部4U(D)は、1本の断面略角形状の角導体40によって形成してある。
また、上記2本1組で3組分のターン(6ターン分)のU相の波巻コイル部4U(A)〜(C)における2本の角導体40は、スロット導体部41においては、ステータコア2の径方向Rに隣接すると共に、コイルエンド導体部42においては、ステータコア2の軸方向Dに隣接して配置してある(図3参照)。
なお、図3、図7は、U相の波巻コイル部4Uを示すが、V相、W相の波巻コイル4V、4Wについても、同様の構造を有している。
また、各相のコイル3U、3V、3Wを構成する複数ターンの波巻コイル部4U、4V、4Wのすべてを、互いに交錯することなく平行に隣接する複数本(例えば2本)の導体40によって形成することもできる。
また、図3、図7に示すごとく、上記1組のターンを構成する波巻コイル部4U、4V、4Wにおいて、コイルエンド導体部42を構成する2本の角導体40のうち、ステータコア2の軸方向一端側D1において一対のスロット導体部41とコイルエンド導体部42とによって形成されるU形状の最内周側に位置する角導体40は、ステータコア2の軸方向他端側D2においては上記U形状の最外周側に位置している。
本例においては、上記1組のターンを構成する波巻コイル部4U、4V、4Wにおいて、コイルエンド導体部42を構成する2本の角導体40のうち、いずれか一方の角導体40は、軸方向一端側D1においては、上記U形状の内周側に位置し(コイルエンド導体部42においては、軸方向Dの内方に位置し)、軸方向他端側D2においては、上記U形状の外周側に位置する(コイルエンド導体部42においては、軸方向Dの外方に位置する)。一方、スロット導体部41を構成する2本の角導体40のうち、他方の角導体40は、軸方向一端側D1においては、上記U形状の外周側に位置し、軸方向他端側D2においては、上記U形状の内周側に位置する。
また、図1、図8に示すごとく、ステータコア2の軸方向Dの端部においては、スロット導体部41の一部も突出して配置されて、立上部411を形成している。ステータコア2の径方向Rにおける外周側に位置する各相の波巻コイル部4U、4V、4Wのコイルエンド導体部42は、立上部411において、径方向Rにおける外周側に屈曲変形させて配置されている。また、外周側に位置するコイルエンド導体部42ほど、外周側への屈曲変形量が大きくなっているものが多い。なお、最も内周側に位置するコイルエンド導体部42は、内外周の方向に屈曲変形を行っていないものもある。
図4に示すごとく、3相のコイル3U、3V、3Wにおける複数ターンの波巻コイル部4U、4V、4Wにおいて、スロット導体部41を構成する複数本の角導体40は、いずれも同一断面形状を有している。また、本例のコイルエンド導体部42は、スロット導体部41と同じ断面形状で形成されている。これに対し、コイルエンド導体部42は、ステータコア2の径方向Rにより薄くなるよう扁平させることができる。
図1、図5に示すごとく、各相のコイル3U、3V、3Wにおいて、複数ターンの波巻コイル部4U、4V、4W同士を接続する渡線部5のすべては、ステータコア2の軸方向一端側D1に配置してある。なお、図1、図5においては、渡線部5を省略しているが、図3に示すごとく、渡線部5は、波巻コイル部4U、4V、4Wの端部から延長して形成することができる。
また、図9、図10に示すごとく、本例の3相のコイル3U、3V、3Wにはスター結線が行ってあり、3相のコイル3U、3V、3Wの引出端部(リード線部)44U、44V、44W及び中性点Pも、軸方向一端側D1に配置してある。
なお、各相のコイル3U、3V、3Wは、図9に示すごとく、例えば、7ターン分の波巻コイル部4U、4V、4Wを直列に接続して構成することができる。図7は、波巻コイル部4Uを直列に接続した場合を示す。一方、図10に示すごとく、例えば、7ターン分の波巻コイル部4U、4V、4Wを適宜本数で並列に接続して構成することもできる。波巻コイル部4U、4V、4Wを並列に接続する場合には、詳細は省略するが、種々の構成にすることができる。
図5、図6、図8に示すごとく、本例のモータ用ステータ1において、各組のターンを構成する3相の波巻コイル部4U、4V、4Wのコイルエンド導体部42は、ステータコア2の径方向Rにおける内外周に重なる角導体40が、略2本分の径方向Rの幅の範囲内においてステータコア2の周方向Cに並べて配置してある。また、各組のターンを構成する3相の波巻コイル部4U、4V、4Wのうちいずれか1相の波巻コイル部4のコイルエンド導体部42は、ステータコア2の周方向Cにおける中間部421において折れ曲がって、ステータコア2の径方向Rにおける内周側に位置する内周側の曲率半径によって形成された内周側導体部分42Aと、ステータコア2の径方向Rにおける外周側に位置する外周側の曲率半径によって形成された外周側導体部分42Bとによって構成してある。
また、各組のターンを構成する3相の波巻コイル部4U、4V、4Wのうち残りの2相の波巻コイル部4のコイルエンド導体部42は、一方が内周側導体部分42Aと略同一の曲率半径によって形成してあると共に、他方が外周側導体部分42Bと略同一の曲率半径によって形成してある。
図5〜図7に示すごとく、U相のコイル3Uにおいて、すべてのターンの波巻コイル部4U(A)〜(D)におけるコイルエンド導体部42は、ステータコア2の軸方向一端側D1及び軸方向他端側D2において、同じU相のスロット21U間(隣り合う2つのU相のスロット21U)に掛け渡してある。
そして、ステータコア2の軸方向一端側D1及び軸方向他端側D2において、すべてのターンの波巻コイル部4U(A)〜(D)におけるコイルエンド導体部42は、周方向Cの全長において、ステータコア2の径方向Rに重なって配置されている。また、V相、W相の波巻コイル部4V、4Wについても、同様の構造を有している。
より具体的には、図5、図6に示すごとく、U相のコイルエンド導体部42は、いずれかのU相のスロット21Uと、V相、W相の各スロット21V、Wを介して周方向Cに隣接する次のU相のスロット21Uとに掛け渡されて、一対のU相のスロット導体部41に繋がっている。V相のコイルエンド導体部42は、いずれかのV相のスロット21Vと、U相、W相の各スロット21U、Wを介して周方向Cに隣接する次のV相のスロット21Vとに掛け渡されて、一対のV相のスロット導体部41に繋がっている。W相のコイルエンド導体部42は、いずれかのW相のスロット21Wと、U相、V相の各スロット21U、Vを介して周方向Cに隣接する次のW相のスロット21Wとに掛け渡されて、一対のW相のスロット導体部41に繋がっている。
そして、各相のコイル3U、3V、3Wの波巻コイル部4U、4V、4Wにおいて、2本1組で3組分のターン(6ターン分)と1ターン分とによるコイルエンド導体部42は、いずれも同じスロット21間に掛け渡されている。
すなわち、図4、図7に示すごとく、本例のU相のコイル3Uは、ステータコア2の径方向Rの外方から順に、第1組(第1の2本の角導体40の組)のターンの波巻コイル部4U(A)と、第2組(第2の2本の角導体40の組)のターンの波巻コイル部4U(B)と、第3組(第3の2本の角導体40の組)のターンの波巻コイル部4U(C)と、第4の1本の角導体40によるターンの波巻コイル部4U(D)とを有している。
そして、図7に示すごとく、第1組のターンの波巻コイル部4U(A)における周方向Cの一方に位置するスロット導体部41と、第2組のターンの波巻コイル部4U(B)における周方向Cの一方に位置するスロット導体部41と、第3組のターンの波巻コイル部4U(C)における周方向Cの一方に位置するスロット導体部41と、第4の1本の角導体40のターンの波巻コイル部4U(D)における周方向Cの一方に位置するスロット導体部41とは、いずれかのU相のスロット21U内において、ステータコア2の径方向Rに隣接して配置されている。
また、第1組のターンの波巻コイル部4U(A)における周方向Cの他方に位置するスロット導体部41と、第2組のターンの波巻コイル部4U(B)における周方向Cの他方に位置するスロット導体部41と、第3組のターンの波巻コイル部4U(C)における周方向Cの他方に位置するスロット導体部41と、第4の1本の角導体40のターンの波巻コイル部4U(D)における周方向Cの他方に位置するスロット導体部41とは、U相(同一相)の次のスロット21U内(上記いずれかのU相のスロット21Uの次に位置するU相のスロット21U内)において、ステータコア2の径方向Rに隣接して配置されている。
また、図6に示すごとく、ステータコア2の軸方向他端側D2において、第1組のターンの波巻コイル部4U(A)において、いずれかのU相のスロット21Uに挿入されるスロット導体部41とU相(同一相)の次のスロット21Uに挿入されるスロット導体部41とを接続するコイルエンド導体部42と、第2組のターンの波巻コイル部4U(B)において、いずれかのU相のスロット21Uに挿入されるスロット導体部41とU相(同一相)の次のスロット21Uに挿入されるスロット導体部41とを接続するコイルエンド導体部42と、第3組のターンの波巻コイル部4U(C)において、いずれかのU相のスロット21Uに挿入されるスロット導体部41とU相(同一相)の次のスロット21Uに挿入されるスロット導体部41とを接続するコイルエンド導体部42と、第4の1本の角導体40のターンの波巻コイル部4U(D)において、いずれかのU相のスロット21Uに挿入されるスロット導体部41とU相(同一相)の次のスロット21Uに挿入されるスロット導体部41とを接続するコイルエンド導体部42とは、径方向Rに重ねて配置されている。
また、図5に示すごとく、ステータコア2の軸方向一端側D1においては、渡線部5が配置される都合上、第1組のターンの波巻コイル部4U(A)におけるコイルエンド導体部42と、第2組のターンの波巻コイル部4U(B)におけるコイルエンド導体部42と、第3組のターンの波巻コイル部4U(C)におけるコイルエンド導体部42と、第4の1本の角導体40のターンの波巻コイル部4U(D)におけるコイルエンド導体部42とのうちの、3つのコイルエンド導体部42が、径方向Rに重ねて配置されている。
なお、V相、W相のコイル3V、3Wにおいても、U相のコイル3Uと同様の構造を有している。
また、ステータコア2の軸方向一端側D1及び軸方向他端側D2において、ステータコア2の径方向Cの内外周に重ねて配置された複数のコイルエンド導体部42は、3相のコイル3U、3V、3Wにおけるコイルエンド導体部42のうち、いずれか2相のコイル3における複数のコイルエンド導体部42のみである。すなわち、ステータコア2の径方向Cにおける各部においては、U相のコイルにおける複数のコイルエンド導体部42と、V相のコイルにおける複数のコイルエンド導体部42とのみが径方向Rの内外周に重なる場合、U相のコイルにおける複数のコイルエンド導体部42と、W相のコイルにおける複数のコイルエンド導体部42とのみが径方向Rの内外周に重なる場合、V相のコイルにおける複数のコイルエンド導体部42と、W相のコイルにおける複数のコイルエンド導体部42とのみが径方向Rの内外周に重なる場合とがある。
なお、図7において、U相、V相、W相の波巻コイル4U、4V、4Wにおける渡線部5は、ステータコア2の周方向Cにできるだけ均等に振り分けてある(図1参照)。図1は、渡線部5を接続する前の状態を示す。
また、図5に示すごとく、本例のモータ用ステータ1において、渡線部5によって波巻コイル部4U、4V、4W同士を接合するステータコア2の軸方向一端側D1においては、W相のコイル3Wにおける複数ターンの波巻コイル部4Wが、内周側導体部分42Aと外周側導体部分42Bとを有する折れ曲がり形状のコイルエンド導体部42から構成してある。また、ステータコア2の軸方向一端側D1においては、U相のコイル3Uにおける複数ターンの波巻コイル部4Uが、内周側導体部分42Aと略同一の曲率半径によって形成してあり、V相のコイル3Vにおける複数ターンの波巻コイル部4Vが、外周側導体部分42Bと略同一の曲率半径によって形成してある。
一方、図6に示すごとく、ステータコア2の軸方向他端側D2においては、U相のコイル3Uにおける複数ターンの波巻コイル部4Uが、内周側導体部分42Aと外周側導体部分42Bとを有する折れ曲がり形状のコイルエンド導体部42から構成してある。また、ステータコア2の軸方向一端側D2においては、W相のコイル3Wにおける複数ターンの波巻コイル部4Wが、内周側導体部分42Aと略同一の曲率半径によって形成してあり、V相のコイル3Vにおける複数ターンの波巻コイル部4Vが、外周側導体部分42Bと略同一の曲率半径によって形成してある。
本例のモータ用ステータ1においては、上記のごとく、ステータコア2の径方向Rにおける外周側に位置する(各相のスロット21の奥側に配置する)各相の3組分の波巻コイル部4U、4V、4Wは、互いに交錯することなく平行に隣接する2本の角導体40によって1組のターンを構成している。そして、2本の角導体40は、スロット導体部41においては、ステータコア2の周方向Cに隣接すると共に、コイルエンド導体部42においては、ステータコア2の軸方向Dに隣接している。これにより、コイルエンド導体部42において角導体40を屈曲させる際には、2本分の曲げ方向の幅を有する導体40を屈曲させる必要はなく、2本の導体40をそれぞれ屈曲させることができる。そのため、波巻コイル部4U、4V、4Wを構成する角導体40を屈曲させることが容易になり、コイルエンド部31の成形を容易にすることができる。
また、上記のごとく、上記2本の角導体40から構成した各ターン組の3相の波巻コイル部4U、4V、4Wにおけるコイルエンド導体部42を、ステータコア2の径方向Rにおける内外周に重なる角導体40が略2本分の径方向幅の範囲内に収まる状態で、ステータコア2の周方向Cに並べて配置している。これにより、コイルエンド導体部42同士を交錯させることなくコイルエンド部31を形成することができる。
それ故、本例のモータ用ステータ1によれば、コイルエンド部31の成形容易化及び小型化を効果的に実現することができる。
(実施例2)
本例は、図11〜図15に示すごとく、3相の波巻コイル部4U、4V、4Wにおけるコイルエンド導体部42の配置パターンが、実施例1とは異なる例を示す。
具体的には、図13〜図15に示すごとく、U相のコイル3Uについて、同じスロット21U間(隣り合う2つのU相のスロット21U)に掛け渡したコイルエンド導体部42は、1組のターンを構成する波巻コイル部4U毎に、ステータコア2の軸方向一端側D1と軸方向他端側D2とに交互に入れ替わって配置されている。
本例においては、U相のコイル3Uにおいて、最外周側に位置する第1組(本例では2本1組の第1組)の波巻コイル部4U(A)のコイルエンド導体部42を掛け渡して配置するスロット21U間と、この第1組の波巻コイル部4U(A)の内周側に重なる第2組(本例では2本1組の第2組)の波巻コイル部4U(B)のコイルエンド導体部42を掛け渡して配置するスロット21U間とを、(V相、W相の合計2つのスロット分を空けるように)3スロット分ずらしている。
また、第2組の波巻コイル部4U(B)の内周側に重なる第3組(本例では2本1組の第3組)の波巻コイル部4U(C)のコイルエンド導体部42を掛け渡して配置するスロット21U間は、第1組の波巻コイル部4U(A)のコイルエンド導体部42を掛け渡して配置するスロット21U間と同じにしている。また、最内周側に位置する1ターン分の波巻コイル部4U(D)のコイルエンド導体部42を掛け渡して配置するスロット21U間は、第2組の波巻コイル部4U(B)のコイルエンド導体部42を掛け渡して配置するスロット21U間と同じにしている。
そして、図15に示すごとく、U相のコイル3Uにおける複数ターンの波巻コイル部4U(A)〜(D)の渡線部5は、ステータコア2の周方向Cの同じ箇所に形成される。
なお、V相、W相のコイル3V、3Wの波巻コイル部4V、4Wにおけるコイルエンド導体部42の配置パターンも、U相のコイル3Uと同様である。また、各相のコイル3U、3V、3Wにおける渡線部5の周方向Cの位置が偏らないように、適宜周方向Cに分布させることができる。
本例においても、その他の構成は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1における、渡線部を接続する前の状態のモータ用ステータを示す斜視図。 実施例1における、渡線部を接続する前の状態のモータ用ステータを、軸方向一端側から見た状態で示す平面図。 実施例1における、複数本の導体から構成した波巻コイル部を示す斜視図。 実施例1における、各相のコイルにおけるスロット導体部をスロットに配置した状態を示す説明図。 実施例1における、渡線部を接続する前の状態のモータ用ステータを、軸方向一端側から見た状態で示す平面図。 実施例1における、モータ用ステータを、軸方向他端側から見た状態で示す平面図。 実施例1における、ステータコアに組み付けた状態のU相のコイルを、平面状態に展開して模式的に示す説明図。 実施例1における、各相のコイルにおけるコイルエンド導体部の形成状態を、ステータコアの内周側から見た状態で模式的に示す説明図。 実施例1における、複数ターンの波巻コイル部を直列接続した3相のコイルの配線状態を模式的に示す説明図。 実施例1における、複数ターンの波巻コイル部を並列接続した3相のコイルの配線状態を模式的に示す説明図。 実施例2における、渡線部を接続する前の状態のモータ用ステータを示す斜視図。 実施例2における、渡線部を接続する前の状態のモータ用ステータを、軸方向一端側から見た状態で示す平面図。 実施例2における、渡線部を接続する前の状態のモータ用ステータを、軸方向一端側から見た状態で示す平面図。 実施例2における、モータ用ステータを、軸方向他端側から見た状態で示す平面図。 実施例2における、ステータコアに組み付けた状態のU相のコイルを、平面状態に展開して模式的に示す説明図。
符号の説明
1 モータ用ステータ
2 ステータコア
21 スロット
3U、3V、3W コイル
31 コイルエンド部
4U、4V、4W 波巻コイル
40 導体
41 スロット導体部
42 コイルエンド導体部
42A 内周側導体部分
42B 外周側導体部分
421 中間部
5 渡線部
C 周方向
R 径方向
D 軸方向
D1 軸方向一端側
D2 軸方向他端側

Claims (10)

  1. 複数のスロットを備えたステータコアと、上記複数のスロットに所定のスロット数を空けて分布巻き状態で配置したU相、V相及びW相の3相のコイルとを有するモータ用ステータにおいて、
    上記3相のコイルは、上記ステータコアの周方向を一巡するターンを形成する波巻コイル部を用いて構成してあり、該波巻コイル部は、上記スロット内に配置する複数のスロット導体部同士を、上記ステータコアの軸方向一端側と軸方向他端側とにおいて、上記スロットの外部に突出配置するコイルエンド導体部によって交互に繋いでなり、
    上記ステータコアの軸方向両端部においては、上記3相の波巻コイル部における上記コイルエンド導体部によって、コイルエンド部をそれぞれ形成しており、
    上記各相のコイルは、互いに交錯することなく平行に隣接する複数本の導体による1組のターンの上記波巻コイル部をそれぞれ有しており、該1組のターンを構成する複数本の導体は、上記スロット導体部においては、上記ステータコアの周方向に隣接すると共に、上記コイルエンド導体部においては、上記ステータコアの軸方向に隣接していることを特徴とするモータ用ステータ。
  2. 請求項1において、上記U相のコイルにおける上記スロット導体部を配置したU相のスロットと、上記V相のコイルにおける上記スロット導体部を配置したV相のスロットと、上記W相のコイルにおける上記スロット導体部を配置したW相のスロットとが、1つずつ同じ順序で形成されていることを特徴とするモータ用ステータ。
  3. 請求項1又は2において、上記1組のターンを構成する複数本の導体は、複数本の断面略角形状の角導体であり、
    上記コイルエンド導体部を構成する上記複数本の角導体のうち、上記ステータコアの軸方向一端側において上記一対のスロット導体部と上記コイルエンド導体部とによって形成されるU形状の最内周側に位置する角導体は、上記ステータコアの軸方向他端側においては上記U形状の最外周側に位置していることを特徴とするモータ用ステータ。
  4. 請求項3において、上記1組のターンを構成する複数本の導体は、2本の断面略角形状の角導体であり、
    上記コイルエンド導体部を構成する上記2本の角導体のうち、いずれか一方の角導体は、上記ステータコアの軸方向一端側においては上記U形状の内周側に位置し、上記ステータコアの軸方向他端側においては上記U形状の外周側に位置する一方、他方の角導体は、上記ステータコアの軸方向一端側においては上記U形状の外周側に位置し、上記ステータコアの軸方向他端側においては上記U形状の内周側に位置していることを特徴とするモータ用ステータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記1組のターンを構成する上記3相の波巻コイル部の上記コイルエンド導体部は、上記ステータコアの径方向における内外周に重なる上記導体が略2本分の径方向幅の範囲内で配置してあり、かつ、当該3相の波巻コイル部のうちいずれか1相の波巻コイル部の上記コイルエンド導体部は、上記ステータコアの周方向における中間部において折れ曲がって、上記ステータコアの径方向における内周側に位置する内周側の曲率半径によって形成された内周側導体部分と、上記ステータコアの径方向における外周側に位置する外周側の曲率半径によって形成された外周側導体部分とによって構成してあり、残りの2相の波巻コイル部の上記コイルエンド導体部は、一方が上記内周側導体部分と略同一の曲率半径によって形成してあると共に、他方が上記外周側導体部分と略同一の曲率半径によって形成してあることを特徴とするモータ用ステータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記3相のコイルは、上記波巻コイル部を上記ステータコアの径方向に複数ターンに重ねて配置してそれぞれ構成してあり、
    上記各相のスロットには、上記各相の波巻コイル部における上記スロット導体部が、上記ステータコアの径方向における内外周に重ねて配置してあり、
    上記ステータコアの軸方向両端部における上記コイルエンド部は、上記3相の波巻コイル部における上記コイルエンド導体部を、所定の配置パターンで上記ステータコアの周方向に並べると共に上記ステータコアの径方向の内外周に重ねて配置してそれぞれ形成してあり、
    上記各相のコイルは、少なくとも第1の上記1組のターンの波巻コイル部と、第2の上記1組のターンの波巻コイル部とを有しており、当該第1の1組のターンの波巻コイル部における上記スロット導体部と、当該第2の1組のターンの波巻コイル部における上記スロット導体部とは、同じ上記スロット内において上記ステータコアの径方向に隣接して配置されており、
    上記第1の1組のターンの波巻コイル部において、いずれかの上記スロットに挿入される上記スロット導体部と同一相の次の上記スロットに挿入される上記スロット導体部とを接続する上記コイルエンド導体部と、上記第2の1組のターンの波巻コイル部において、上記いずれかのスロットに挿入される上記スロット導体部と上記同一相の次のスロットに挿入される上記スロット導体部とを接続する上記コイルエンド導体部とは、上記ステータコアの軸方向における同一側において、径方向に重ねて配置されていることを特徴とするモータ用ステータ。
  7. 請求項6において、上記ステータコアの径方向の内外周に重ねて配置された上記複数のコイルエンド導体部は、上記3相のコイルにおける上記コイルエンド導体部のうち、いずれか2相のコイルにおける上記複数のコイルエンド導体部のみであることを特徴とするモータ用ステータ。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記3相のコイルは、上記波巻コイル部を上記ステータコアの径方向に複数ターンに重ねて配置してそれぞれ構成してあり、
    上記各相のスロットには、上記各相の波巻コイル部における上記スロット導体部が、上記ステータコアの径方向における内外周に重ねて配置してあり、
    上記ステータコアの軸方向両端部における上記コイルエンド部は、上記3相の波巻コイル部における上記コイルエンド導体部を、所定の配置パターンで上記ステータコアの周方向に並べると共に上記ステータコアの径方向の内外周に重ねて配置してそれぞれ形成してあり、
    上記各相のコイルは、少なくとも第1の上記1組のターンの波巻コイル部と、第2の上記1組のターンの波巻コイル部とを有しており、当該第1の1組のターンの波巻コイル部における上記スロット導体部と、当該第2の1組のターンの波巻コイル部における上記スロット導体部とは、同じ上記スロット内において上記ステータコアの径方向に隣接して配置されており、
    上記第1の1組のターンの波巻コイル部において、いずれかの上記スロットに挿入される上記スロット導体部と同一相の次の上記スロットに挿入される上記スロット導体部とを接続する上記コイルエンド導体部は、上記ステータコアの軸方向一端側に配置されており、
    上記第2の1組のターンの波巻コイル部において、上記いずれかのスロットに挿入される上記スロット導体部と上記同一相の次のスロットに挿入される上記スロット導体部とを接続する上記コイルエンド導体部は、上記ステータコアの軸方向他端側に配置されていることを特徴とするモータ用ステータ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、上記3相のコイルにおける上記複数ターンの波巻コイル部において、上記スロット導体部を構成する上記複数本の導体は、いずれも同一断面形状を有していることを特徴とするモータ用ステータ。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において、上記各相のコイルにおいて上記複数ターンの波巻コイル部同士を接続する渡線部のすべては、上記ステータコアの軸方向一端側に配置してあることを特徴とするモータ用ステータ。
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