JP2018088729A - 回転電機のステータ - Google Patents

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Abstract

【課題】セグメントコイルを用いたステータ巻線を有する回転電機のステータにおいて、隣接するセグメントコイルの間隔を拡大して干渉を抑制することである。
【解決手段】回転電機のステータは、ステータコアとステータ巻線とを備える。ステータ巻線は、複数のセグメントコイル30を用いてステータコアのティースに巻回される。セグメントコイル30は断面が矩形形状の平角線からなる。セグメントコイル30は、ステータコアのスロットに挿入された後に他のセグメントコイルの端部に接合されるリード部32,33、スロットに挿入されるストレート部分であるスロット内導線部34,35、及び、ステータコアの反リード側に突き出すコイルエンド部36を有する。コイルエンド部36は、平角線の断面形状の短辺面を曲げる軸方向曲げ領域と長辺面を曲げる径方向曲げ領域とが重なる複合曲げ領域を含む。
【選択図】図4

Description

本開示は、回転電機のステータに係り、特にセグメントコイルを用いる回転電機のステータに関する。
車両搭載用の回転電機の小型化及び高出力化を図るために、例えば特許文献1には、ステータ巻線として、断面が矩形形状の平角線からなるセグメントコイルを用いることが述べられている。セグメントコイルは、ステータコアに挿入された後に他のセグメントコイルの端部に接合されるリード部、スロットに挿入されるストレート部分であるスロット内導線部、及びステータの反リード側に突き出す略V字状または略U字状に成形されるコイルエンド部を含む。コイルエンド部は、スロット内導線部に対し所定の角度に曲げて成形された斜辺部と、隣接するセグメントコイルの間のレーンチェンジのために形成されるクランク部とを含む。
特開2015−035866号公報
セグメントコイルのコイルエンド部における斜辺部は、平角線の断面形状の短辺面を曲げる軸方向曲げで形成され、クランク部は、平角線の断面形状の長辺面を曲げる径方向曲げで形成される。車両搭載用の回転電機が小型化し、ステータが小径化すると、径方向曲げで形成されるクランク部が小型となり、隣接するセグメントコイル同士の干渉が生じやすくなる。そこで、隣接するセグメントコイルの間隔を拡大して干渉を抑制できる回転電機のステータが要望される。
本開示に係る回転電機のステータは、円環状のバックヨーク、バックヨークから内周側に突き出す複数のティース、及び、隣接するティース間の空間である複数のスロットを含むステータコアと、複数のセグメントコイルを用いてステータコアのティースに巻回されるステータ巻線と、を備え、セグメントコイルは断面が矩形形状の平角線からなり、且つ、ステータコアのスロットに挿入された後に他のセグメントコイルの端部に接合されるリード部、スロットに挿入されるストレート部分であるスロット内導線部、及び、ステータコアの反リード側に突き出すコイルエンド部を有し、コイルエンド部は、平角線の断面形状の短辺面を曲げる軸方向曲げ領域と長辺面を曲げる径方向曲げ領域とが重なる複合曲げ領域を含む。
上記構成の回転電機のステータによれば、ステータ巻線を構成するセグメントコイルのコイルエンド部において、軸方向曲げ領域と径方向曲げ領域との間に複合曲げ領域を有する。複合曲げ領域は、径方向曲げに軸方向曲げが加わるので、軸方向曲げ領域から直接的に径方向曲げ領域に移る場合に比較して、軸方向曲げが加わる分、隣接するセグメントコイルとの間に余裕間隔が生じ、隣接するセグメントコイル間の干渉を抑制できる。
上記構成の回転電機のステータによれば、隣接するセグメントコイルの間隔を拡大して干渉を抑制できる。
実施の形態に係る回転電機のステータを示す斜視図である。 実施の形態に係る回転電機のステータにおいて、U相巻線を構成するU1巻線部とU2巻線部のうち、U1巻線部の巻回を示す図である。 図2のU1巻線部に引き続くU2巻線部の巻回を示す図である。 実施の形態に係る回転電機のステータに用いられるセグメントコイルを示す図である。図4(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 実施の形態に係る回転電機のステータにおけるステータ巻線を示す図である。図5(a)は、軸方向の反リード側から見た図であり、(b)は、径方向の内周側から見た図である。 図5(b)のクランク部の拡大図である。 比較例として、複合曲げ領域を有さない従来技術について図6に対応する図である。 図6と図7との間の相違を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、回転電機として、車両搭載用を述べるが、これは、ステータの小径化が望まれる用途の例示であって、車両搭載以外の用途であっても構わない。
以下で述べる形状、寸法、ティース及びスロットの数、ステータ巻線の巻数、材質等は、説明のための例示であって、回転電機のステータの仕様に合わせ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、回転電機のステータ10の構成を示す図である。以下では、特に断らない限り、回転電機のステータ10を、ステータ10と呼ぶ。ステータ10が用いられる回転電機は、搭載空間に制約がある車両搭載用の回転電機である。例えば、径方向のスペース制約がある車両に搭載する回転電機である。回転電機は、車両が力行するときは電動機として機能し、車両が制動時にあるときは発電機として機能するモータ・ジェネレータで、三相同期型の回転電機である。回転電機は、図1に示すステータ10と、ステータ10の内周側に所定の間隔を隔てて配置されるロータ(図示せず)とで構成される。
ステータ10は、ステータコア12と、ステータ巻線20とを含む。ステータコア12は、ロータが配置される中心穴を有する磁性体部品で、円環状のバックヨーク14とバックヨーク14から内周側に突き出す複数のティース16とを含む。隣接するティース16の間の空間はスロット18である。図1の例では、ティース16の数とスロット18の数は同数で、3の倍数である48個である。
図1に、軸方向と径方向と周方向とを示す。軸方向は、中心穴の中心軸CLに沿った方向であり、径方向は、軸方向に垂直な面内で中心軸CLを通る放射状の方向であり、周方向は、中心軸CLを中心として円周方向に沿った方向である。
スロット18に付したU1,U2,V1,V2,W1,W2は、そのスロット18に挿入される三相巻線の相を示す。各相巻線は、それぞれ2周ずつ分布巻されるので、その各周を区別して、U相巻線の場合はU1,U2とし、V相巻線の場合はV1,V2とし、W相巻線の場合はW1,W2とする。U1,U2,V1,V2,W1,W2の6スロットの一組をスロット群19とすると、ステータコア12の一周の全スロット数=48であるので、ステータコア12の周方向に8つのスロット群19が配置される。
かかるステータコア12は、バックヨーク14とティース16とを含み、スロット18が形成されるように所定の形状に成形された円環状の磁性体薄板を所定枚数で軸方向に積み重ねた積層体である。磁性体薄板の両面には電気的な絶縁処理が施される。磁性体薄板の材質としては、珪素鋼板の一種である電磁鋼板を用いることができる。磁性体薄板の積層体に代えて、磁性粉末を一体化成形したものをステータコア12としてもよい。
ステータ巻線20は、三相の分布巻コイルで、1つの相巻線が複数のティース16に跨って巻回されて形成される。図1には、ステータ巻線20の一部の巻回として、8つのスロット群19のうちの4つのスロット群19に巻回されるU1,U2の巻線について、最内周の巻線と最外周の巻線とを示す。
各相巻線はそれぞれ2周ずつ分布巻されるが、1周目について述べると、1つのスロット18に挿入された巻線は、その挿入されたスロット18から周方向に沿って6スロットの間隔を隔てた次のスロット18に挿入され、再び最初に挿入されたスロット18に戻る。これで、6スロット分の間隔を隔てた2つのスロット18の間に1巻のコイルが巻回されるので、これを繰り返して、所定巻数とする。これをステータコア12の周方向に沿って連続的に8回繰り返して、1周目の巻線が形成される。1周目の巻線が終わると、これに連続して、2周目の巻線が行われる。2周目の巻線は、1周目の巻線が挿入されるスロット18の隣のスロット18を用いて、1周目と同様な方法で形成される。
図2と図3に、U相巻線の形成方法を示す。U相巻線の1周目と2周目を区別して、1周目をU1巻線部と呼び、2周目をU2巻線部と呼ぶと、図2は、U1巻線部の巻回を示す図であり、図3はU1巻線部に引き続くU2巻線部の巻回を示す図である。各図では、中央部にステータコア12の平面図を示し、その外側に、U1巻線部、U2巻線部を示す。ステータコア12の内周側に付した数字はスロット番号である。U1巻線部とU2巻線部において、巻線が挿入されるスロットのスロット番号にSを付した。例えば、S1は、スロット番号1のスロット18を示す。U1巻線部、U2巻線部におけるC番号は、6スロット分の間隔を隔てて所定の巻数で巻回される巻線を区別するコイル番号である。図2、図3の例では、所定の巻数は5巻である。
図2において、コイルC1は、U相巻線の巻始めである。INと示すU相巻線の巻始め端子は、ステータ10から引き出され、回転電機の駆動回路に接続される。
コイルC1は、スロットS4とS10との間にコイル素線を巻数=5巻で巻回してコイル状に形成される。この巻始めは、ステータコア12の外周側であり、外周側から内周側に向かうようにコイル状に巻回される。次いで、コイルC1の巻終りでスロットS10から6スロット分の間隔を隔てたスロットS16に渡り、スロットS10とS16との間にコイル素線を巻数=5巻で巻回してコイル状のコイルC2が形成される。順次これを繰り返してコイルC1からコイルC8までを形成してU1巻線部が構成される。U1巻線部に関係するスロット18は、スロットS4,S10,S16,S22,S28,S34,S40,S46の8つである。図1では、これらのスロット18にU1の符号を付した。
U1巻線部の巻終りは、ステータコア12の最外周側で、図2に示すU2巻線部のコイルC9に接続される。このとき、コイルC9は、コイルC1から1スロット分ずれて、スロットS3とS9との間に渡って巻数=5巻で巻回されることによりコイル状に形成される。次いで、コイルC9の巻終りでスロットS9から6スロット分の間隔を隔てたスロットS15に渡り、スロットS9とS15との間にコイル素線を巻数=5巻で巻回してコイル状のコイルC10が形成される。順次これを繰り返してコイルC9からコイルC16までを形成してU2巻線部が構成される。U2巻線部に関係するスロット18は、スロットS3,S9,S15,S21,S27,S33,S39,S45の8つである。図1では、これらのスロット18にU2の符号を付した。コイルC16の巻終りは、U相巻線の巻終りである。OUTと示すU相巻線の巻終り端子は、三相巻線がY結線で構成されるときは、中性点とされ、他の相巻線の巻終り端子と相互接続される。
このようにして、U相巻線が形成される。同様に、V相巻線も1周目のV1巻線部と2周目のV2巻線部とで形成され、W相巻線も1周目のW1巻線部と2周目のW2巻線部とで形成される。図1では、V1巻線部、V2巻線部、W1巻線部、W2巻線部に関係するスロット18に、それぞれV1,V2,W1,W2の符号を付した。
ステータ巻線20は、ステータコア12のティース16に複数のセグメントコイル30を用いて巻回される。図4は、セグメントコイル30を示す図で、図4(a)は、軸方向と周方向で規定される面を正面としたときの正面図であり、(b)は、軸方向と径方向で規定される側面図である。
セグメントコイル30は、断面が矩形形状の平角線を導体線として、両端部を除く導体線の周囲に絶縁皮膜を被覆し、所定の形状に成形した絶縁皮膜付き導体線である。図4(a)には、矩形形状の長辺の長さであるWを示し、(b)には、矩形形状の長さであるtを示す。ここで、W>tである。絶縁皮膜としては、ポリアミドイミド等により構成されるエナメル樹脂が用いられる。
セグメントコイル30は、略U字状の形状を有する。図4(a),(b)に示すように、平角線の矩形形状の長辺面側が略U字状の正面であり、短辺面側が側面である。略U字状の形状は、後述するクランク部40を除き、短辺面を曲げるエッジワイズ曲げによって形成される。
略U字状の形状のうち、真直ぐに延びる2つのストレート部分は、先端がリード部32,33となるスロット内導線部34,35である。略U字状の形状のうち、山形に折り曲げて成形された部分は、コイルエンド部36である。コイルエンド部36は、2つの斜辺部38,39と、2つの斜辺部38,39を結ぶU字状の頂点となるクランク部40とを有する。
スロット内導線部34,35は、ステータコア12のスロット18に挿入される部分である。スロット内導線部34とスロット内導線部35の間隔は、6スロット分の長さである。各相巻線は、径方向に巻数=5巻で巻回されるので、セグメントコイル30もスロット18の径方向に沿って5本挿入される。ステータコア12は円環状であり、図1に示すように内周側に行くほどスロット間隔が短くなる。6スロット分の長さであるスロット内導線部34とスロット内導線部35の間隔は、最外周巻線に用いられるセグメントコイル30において最大であり、最内周巻線に用いられるセグメントコイル30に用いられるセグメントコイルにおいて最小となる。
リード部32,33は、スロット内導線部34,35がステータコア12のスロット18に挿入されたときに、ステータコア12のリード側の端面から突き出す部分である。図4に、セグメントコイル30が挿入された状態のステータコア12を二点鎖線で示す。リード部32,33は、スロット18に挿入された後、ステータコア12のリード側に突き出す。突き出たリード部32,33は、ステータコア12のリード側の端面の外側で適当に折り曲げ成形され、他のセグメントコイルのリード部に接合される。図4に、折り曲げた状態を二点鎖線で示す。リード部32,33が折り曲げられて、所定の巻回方法に従って他のセグメントコイルのリード部と溶接等で接合された状態は、ステータ巻線20におけるリード側のコイルエンド22となる。
コイルエンド部36は、セグメントコイル30がステータコア12のスロット18に挿入された後に、ステータ巻線20における反リード側のコイルエンド24となる部分である。コイルエンド部36は、2つの斜辺部38,39と、斜辺部38と斜辺部39の接続部分であるクランク部40とを含む。
斜辺部38は、スロット内導線部34の軸方向に延びる方向を曲げ角度θでスロット内導線部35の方へ曲げた部分である。斜辺部39は、スロット内導線部35の軸方向に延びる方向を曲げ角度θでスロット内導線部34の方へ曲げた部分である。斜辺部38,39は、いずれも平角線の短辺面を曲げる軸方向曲げによって形成される。平角線の短辺面を曲げる曲げ方は、エッジワイズ曲げとして知られる曲げ方であるが、ここでは、セグメントコイル30の軸方向に延びる方向を曲げる曲げ方であるので、軸方向曲げと呼ぶ。
クランク部40は、スロット内導線部34とスロット内導線部35とが角度2θで交わる箇所の部分であるが、図4(b)に示すように、径方向の外周側に突き出る半円弧状に曲げられる。クランク部40の詳細な内容については後述するが、クランク部40の中央部分は、平角線の長辺面を曲げる径方向曲げによって形成される。平角線の長辺面を曲げる曲げ方はフラットワイズ曲げとして知られる曲げ方であるが、ここでは、セグメントコイル30を径方向に曲げる曲げ方であるので、径方向曲げと呼ぶ。クランク部40の中央部分の両側で斜辺部38,39と接続する部分は、軸方向曲げ領域と径方向曲げ領域とが重なる複合曲げ領域である。図5(b)には、クランク部40が、軸方向に変化しつつ径方向に変化することが示される。
このように、コイルエンド部36は、軸方向曲げ領域と径方向曲げ領域が直接的に隣り合って不連続的に接続されるのではなく、軸方向曲げ領域と径方向曲げ領域とが重なる複合曲げ領域を一部に含む。
ステータ巻線20を構成するU1巻線部、U2巻線部、V1巻線部、V2巻線部、W1巻線部、W2巻線部は、それぞれ、巻数=5巻で巻回される。換言すれば、ステータコア12の各スロット18の同じ径方向位置において、周方向に沿って6種類の巻線が巻回される。図1に示すように、スロット18の周方向に沿った配置は、U1,U2,V1,V2,W1,W2である。例えば、U1巻線部のセグメントコイル30は、あるU1のスロット18から6スロット分の間隔を隔てた次のU1のスロット18に渡って巻回するには、隣接するU2のスロット18からのU2巻線部のセグメントコイル30を乗り越えなければならない。同様のことは、U2巻線部のセグメントコイル30とこれに隣接するV1巻線部のセグメントコイル30との間等にも生じる。
図5は、セグメントコイル30がステータコア12のスロット18に挿入されたときに、隣接するセグメントコイル30のコイルエンド部36の間で生じる相互の乗り越し関係を示す図である。隣接するセグメントコイル30のコイルエンド部36における相互の乗り越し関係は、各セグメントコイル30のコイルエンド部36の周方向に沿って延びるパスをレーンとして、レーンチェンジと呼ぶことができる。各セグメントコイル30のレーンチェンジは、各セグメントコイル30におけるコイルエンド部36のクランク部40において行われる。
レーンチェンジは、巻数=5巻のいずれの巻回についても生じるが、図5では、巻数=5巻の内で、外周側からも内周側からも中間となる3巻目について、12個のスロット18について、6つのセグメントコイル30が配置された場合のレーンチェンジを示す。図5(a)は、軸方向の反リード側から見た図であり、(b)は、径方向の内周側から見た図である。図5(b)において、ステータコア12の各スロット18には、U1,U2,V1,V2,W1,W2の符号を付した。
例えば、U1巻線部に属するセグメントコイル50は、6スロット分の間隔を隔ててU1と付されたスロット60とスロット61との間に渡って配置される。セグメントコイル50に隣接してU2巻線部に属するセグメントコイル51は、6スロット分の間隔を隔ててU2と付されたスロット62とスロット63との間に渡って配置される。ここで、セグメントコイル50がスロット60からスロット61へ渡ろうとすると、同じ径方向位置でスロット62からスロット63に渡るセグメントコイル51と競合し、交叉する。その交叉を回避するために、セグメントコイル50のクランク部40を利用する。セグメントコイル50のクランク部40は、径方向に沿って外周側に変位しているので、この変位によって形成された空間において、セグメントコイル50はセグメントコイル51を乗り越える。別の見方をすると、クランク部40の変位によって形成された空間において、セグメントコイル51は、セグメントコイル50を潜り抜ける。このようにして、セグメントコイル50とセグメントコイル51の間のレーンチェンジが行われ、隣接するセグメントコイル50,51の間の競合による交叉が回避される。
同様に、U2巻線部に属するセグメントコイル51とV1巻線部に属するセグメントコイル52との間、V1巻線部に属するセグメントコイル52とV2巻線部に属するセグメントコイル53との間もそれぞれのクランク部40を用いてレーンチェンジが行われる。また、V2巻線部に属するセグメントコイル53とW1巻線部に属するセグメントコイル54との間、W1巻線部に属するセグメントコイル54とW2巻線部に属するセグメントコイル55との間も、それぞれのクランク部40を用いてレーンチェンジが行われる。
上記構成の作用効果、特に、コイルエンド部36のクランク部40の作用効果について、図6から図8を用いてさらに詳細に説明する。
図6は、U1巻線部に属するセグメントコイル50のクランク部40と、U2巻線部に属するセグメントコイル51のクランク部40の部分の拡大図である。図6(a)は、図5(a)に対応する拡大図であり、図6(b)は、図5(b)に対応する拡大図である。
図6においては紙面の手前側にセグメントコイル50が図示されているので、以下では、セグメントコイル50について述べるが、セグメントコイル51についても同様の内容である。
セグメントコイル50において、斜辺部38,39は、周方向に延びるに連れて、図6(b)に示すように、軸方向に変位するが、図6(a)に示すように、径方向にはほとんど変位しない。これは、斜辺部38,39が平角線の短辺面を曲げる軸方向曲げによって成形される軸方向曲げ領域であるためである。
クランク部40は、クランク部40の中央部分42と、中央部分42の両側の部分44,46との3つの領域を含む。部分44は、斜辺部38と中央部分42との間の領域で、部分46は、中央部分42と斜辺部39との間の領域である。中央部分42は、周方向に延びても、図6(b)に示すように軸方向にはほとんど変位しないが、図6(a)に示すように、周方向に延びるに連れて、径方向に大きく変位する。これは、中央部分42が平角線の長辺面を曲げる径方向曲げによって成形される径方向曲げ領域であるためである。中央部分42と斜辺部38との間の部分44は、斜辺部38側から中央部分42に向かって延びるに連れて、図6(a)に示すように径方向に変位すると共に、図6(b)に示すように軸方向にも変位する。同様に、中央部分42と斜辺部39との間の部分46は、中央部分42から斜辺部39側へ向かって延びるに連れて、図6(a)に示すように径方向に変位すると共に、図6(b)に示すように軸方向にも変位する。これは、部分44,46においては、斜辺部38,39に引き続く軸方向曲げ領域と、中央部分42に引き続く径方向曲げ領域とが重なっている複合曲げ領域であるためである。
図7は、従来技術のセグメントコイル56,57について、図6に対応する図である。従来技術のセグメントコイル56,57において、斜辺部38,39は、図6のセグメントコイル50,51における斜辺部38,39と同じで、平角線の短辺面を曲げる軸方向曲げによって成形される軸方向曲げ領域である。
従来技術のセグメントコイル56,57におけるクランク部41は、図6のセグメントコイル50,51におけるクランク部40と異なり、複合曲げ領域を有さず、クランク部41の全てが径方向曲げ領域である。すなわち、クランク部41は、図6におけるクランク部40の中央部分42と同じように、周方向に延びても、図7(b)に示すように軸方向にはほとんど変位しないが、図7(a)に示すように、周方向に延びるに連れて、径方向に大きく変位する。これは、クランク部41の全てが、平角線の長辺面を曲げる径方向曲げによって成形される径方向曲げ領域であるためである。クランク部41に軸方向曲げ領域が重ならないので、図7(b)は図6(b)とほとんど同じとなり、軸方向の反リード側から見たレーンチェンジは図6の構成を用いても従来技術とほぼ同じで、ステータ10の軸方向から見た外形輪郭線にほとんど影響を与えない。
図8は、図6と図7を比較するために、セグメントコイル50とセグメントコイル56とを重ね合わせた図である。上記のように図6(a)と図7(a)はほとんど同じであるので、図6(b)と図7(b)についての重ねあわせのみを示す。
クランク部40とクランク部41とを重ね合わせると、クランク部40の方がクランク部41よりも軸方向の反リード側に変位していることが分かる。これは、クランク部40の部分44,46が、軸方向曲げ領域と径方向曲げ領域とが重なっている複合曲げ領域であるために、径方向曲げ領域であって軸方向曲げ領域が含まれないクランク部41よりも、軸方向の反リード側に変位するためである。部分44,46が軸方向に変位すると、その間の領域である中央部分42も、クランク部41と比較して、軸方向の反リード側に変位する。これによって、従来技術のクランク部41を用いる場合に比較して、クランク部40は、隣接するセグメントコイル50,51の間隔を広げることができる。
図6では、ステータ巻線20の巻数=5巻の巻回の内で、最内周側からも最外周側からも3巻目となる中間の巻線について述べた。ステータ10が小型化し、径方向の寸法が小さくなると、スロット間隔も狭くなり、セグメントコイル30のスロット内導線部34,35の間隔も狭くなり、クランク部40も小型化となる。その傾向は、径方向に沿って内周側に向かうほど顕著になる。クランク部40が小型化になるに連れて、複合曲げ領域である部分44,46が狭くなり、複合曲げ加工が困難となり、また軸方向の変位の効果も少なくなる。複合曲げ加工の工数、コストアップと、複合曲げ加工領域を設けることによる干渉回避の効果等を考慮して、複合曲げ領域を有するセグメントコイル30の適用範囲を定めることがよい。
複合曲げ領域を一部に含むセグメントコイル30のステータ10への適用範囲は、ステータ10の仕様、特に、スロット数、内外周径等のステータ小型化の程度に依存する。一例を挙げると、最内周側から1巻目または2周目までを除き、及び、最外周側から1巻目を除き、径方向に沿って中間範囲にある巻回について、複合曲げ領域を含むセグメントコイル30を用いることがよい。
本実施の形態における回転電機のステータ10は、ステータコア12とステータ巻線20とを備える。ステータコア12は、円環状のバックヨーク14、バックヨーク14から内周側に突き出す複数のティース16、及び、隣接するティース間の空間である複数のスロット18を含む。ステータ巻線20は、複数のセグメントコイル30を用いてステータコア12のティース16に巻回される。セグメントコイル30は断面が矩形形状の平角線からなる。セグメントコイル30は、ステータコア12のスロット18に挿入された後に他のセグメントコイルの端部に接合されるリード部32,33、スロット18に挿入されるストレート部分であるスロット内導線部34,35を有する。さらに、ステータコア12の反リード側に突き出すコイルエンド部36を有する。コイルエンド部36は、平角線の断面形状の短辺面を曲げる軸方向曲げ領域と長辺面を曲げる径方向曲げ領域とが重なる複合曲げ領域を含む。
コイルエンド部36は、斜辺部38,39と、斜辺部38と斜辺部39との間のクランク部40を含む。斜辺部38,39は、平角線の断面形状の短辺面を曲げる軸方向曲げによって形成される。クランク部40は、中央部分42と、斜辺部38と中央部分42との間の部分44と、中央部分42と斜辺部39との間の部分46とを含む。中央部分42は平角線の断面形状の長辺面を曲げる径方向曲げによって形成される。部分44,46は、軸方向曲げ領域と径方向曲げ領域とが重なる複合曲げ領域である。複合曲げ領域によって、クランク部40は、径方向に変位するのみならず、軸方向にも変位するので、複合曲げ領域を含まない場合に比較して、隣接するセグメントコイルの間隔を広げることができる。これによって、隣接するセグメントコイルとの間に余裕間隔が生じ、隣接するセグメントコイル間の干渉を抑制できる。
10 (回転電機の)ステータ、12 ステータコア、14 バックヨーク、16 ティース、18,60,61,62,63 スロット、19 スロット群、20 ステータ巻線、22 リード側のコイルエンド、24 反リード側のコイルエンド、30,50,51,52,53,54,55,56,57 セグメントコイル、32,33 リード部、34,35 スロット内導線部、36 コイルエンド部、38,39 斜辺部、40,41 クランク部、42 中央部分、44,46 部分。

Claims (1)

  1. 円環状のバックヨーク、前記バックヨークから内周側に突き出す複数のティース、及び、隣接する前記ティース間の空間である複数のスロットを含むステータコアと、
    複数のセグメントコイルを用いて前記ステータコアの前記ティースに巻回されるステータ巻線と、
    を備え、
    前記セグメントコイルは断面が矩形形状の平角線からなり、且つ、
    前記ステータコアの前記スロットに挿入された後に他の前記セグメントコイルの端部に接合されるリード部、前記スロットに挿入されるストレート部分であるスロット内導線部、及び、前記ステータコアの反リード側に突き出すコイルエンド部を有し、該コイルエンド部は、前記平角線の断面形状の短辺面を曲げる軸方向曲げ領域と長辺面を曲げる径方向曲げ領域とが重なる複合曲げ領域を含む、回転電機のステータ。
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