JP4857014B2 - 抵抗変化素子とそれを用いた抵抗変化型メモリ - Google Patents

抵抗変化素子とそれを用いた抵抗変化型メモリ Download PDF

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Description

本発明は、電圧または電流の印加により抵抗値が変化する抵抗変化素子と、それを用いた抵抗変化型メモリとに関する。
メモリ素子は、情報化社会を支える重要な基幹電子部品として、幅広い分野に用いられている。近年、情報携帯端末の普及に伴い、メモリ素子の微細化の要求が高まっており、不揮発性メモリ素子においても例外ではない。しかし、素子の微細化がナノメーターの領域に及ぶにつれ、従来の電荷蓄積型のメモリ素子(代表的にはDRAM:Dynamic Random Access Memory)では、情報単位(ビット)あたりの電荷容量Cの低下が問題となりつつあり、この問題を回避するために様々な改善等がなされているものの、将来的な技術的限界が懸念されている。
微細化の影響を受けにくいメモリ素子として、電荷容量Cではなく、電気抵抗値Rの変化により情報を記録する不揮発性メモリ素子(抵抗変化型メモリ素子)が注目されており、このような抵抗変化型メモリ素子として、所定の電圧または電流の印加により電気抵抗値Rが変化する抵抗変化素子の開発が進められている。
抵抗変化素子は、通常、抵抗変化層を一対の電極により狭持した構造を有しており、上記一対の電極間に所定の電圧または電流を印加することにより、その電気抵抗値Rが変化する。この電気抵抗値Rの変化は、上記所定の電圧または電流の印加による抵抗変化層の状態の変化に基づいており、一般に、巨大抵抗変化(CER:Colossal Electro-Resistance)効果と呼ばれる。CER効果は、同じく素子の電気抵抗値Rが変化する現象である、いわゆる磁気抵抗(MR:Magneto-Resistance)効果とは、その原理において異なっている。
MR効果は、非磁性体を狭持する一対の磁性体において、一方の磁性体の磁化方向が他方の磁性体の磁化方向に対して平行から反平行、または、反平行から平行になるときに、当該一対の磁性体間の電気抵抗値が変化する現象をいう。現在、MR効果を発現する素子(MR素子)を用いた磁気抵抗変化型メモリ(MRAM)の開発が進められている。しかしながら、MR素子では、磁性体の微細化に伴って当該磁性体内に反磁界と呼ばれる成分が増加し、磁化方向の反転に必要な磁界が増大するため、ある程度以上の微細化は困難である。CER効果ではこのような「サイズの問題」がないこと、また、一般にMR効果よりも大きい抵抗変化が得られることなどから、抵抗変化素子を、より一層の微細化を実現した次世代の不揮発性メモリ(例えば、抵抗変化型ランダムアクセスメモリ:ReRAM)とする期待が高まっている。
このような抵抗変化素子として、特許文献1、2には、抵抗変化層にペロブスカイト酸化物を用いた素子が開示されており、当該酸化物として、特許文献1にはPr0.7Ca0.3MnO3(PCMO)が、特許文献2にはCrドープBaSrTiO3(BSTCO)が例示されている。特許文献3には、抵抗変化層にNiOなどの金属酸化物を用いた素子が開示されている。特許文献1〜3に開示されている素子は、いずれも、抵抗変化層に酸化物が用いられている。
米国特許第6204139号公報 特表2002−537627号公報 特開2004−363604号公報
抵抗変化素子を用いてメモリセルアレイを構築するためには、当該素子と、情報の記録時および読出時に素子を選択するための半導体素子(トランジスタ、ダイオードなど)とを組み合わせる必要があるが、PCMO、BSTCOのようなペロブスカイト酸化物の結晶化には、通常、650〜850℃程度の高温が必要であり、半導体製造プロセスとの親和性が課題となる。特に、素子の微細化を実現するためには、抵抗変化素子の製造プロセス温度を、上記温度範囲よりも低く、例えば、400℃以下とすることが望まれる。
また、抵抗変化素子と半導体素子とを組み合わせる際に、配線抵抗の低減など、半導体素子のスイッチング特性の向上を目的として、水素含有雰囲気下での高温熱処理(典型的には400〜500℃程度)を行う必要があるが、PCMOなどのペロブスカイト酸化物を用いた素子では、当該熱処理により素子の抵抗変化特性が劣化する傾向がみられる。
一方、特許文献3に開示の素子では、抵抗変化層がNiOなどの金属酸化物であり、ペロブスカイト酸化物よりも低い温度での形成が可能であると考えられ、素子の製造プロセス温度の低減が期待される。しかし、特許文献3に開示の素子は、特許文献1、2に開示の素子と同様に、水素含有雰囲気下での熱処理により、その抵抗変化特性が劣化する傾向を示す。これは、特許文献1〜3に開示の素子における抵抗変化層が酸化物からなり、熱処理時の水素暴露によって当該酸化物が還元されることで、抵抗変化層に構造的な欠陥、例えば過度の酸素欠損など、が生じるためではないかと考えられる。
そこで本発明は、これら抵抗変化層が酸化物からなる従来の素子とは異なる構成を有し、半導体製造プロセスとの親和性に優れるとともに水素含有雰囲気下における熱処理安定性に優れる抵抗変化素子と、それを用いた抵抗変化型メモリとを提供することを目的とする。
本発明の抵抗変化素子は、電気抵抗値が異なる2以上の状態が存在し、かつ、所定の電圧または電流の印加により、前記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へと変化する抵抗変化層を備える。前記抵抗変化層は、窒化物を形成しうる第1および第2の元素と、窒素とを含む。前記第1の元素は、Ti、Ta、Co、CuおよびNbから選ばれる少なくとも1種である。前記第2の元素は、Al、Hf、CrおよびSiから選ばれる少なくとも1種である。
本発明の抵抗変化型メモリは、上記本発明の抵抗変化素子をメモリ素子として備える。
本発明の抵抗変化素子は、ペロブスカイト酸化物を抵抗変化層とする従来の抵抗変化素子とは異なり、例えば、400℃以下の製造プロセスにより形成できるなど、半導体製造プロセスとの親和性に優れる。
本発明の抵抗変化層は、また、酸化物を抵抗変化層とする従来の抵抗変化素子とは異なり、水素含有雰囲気下における熱処理安定性に優れる。本発明の抵抗変化素子が水素含有雰囲気下での熱処理安定性に優れる理由は明確ではないが、熱処理時の水素暴露によっても、抵抗変化層に構造的な欠陥が生じにくいためではないかと考えられる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において、同一の部材に同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
図1に示す抵抗変化素子1は、基板12と、下部電極2および上部電極4からなる一対の電極と、下部電極2および上部電極4により狭持された抵抗変化層3とを備える。下部電極2、抵抗変化層3および上部電極4は、多層構造体(積層体)11として上記順に基板12上に配置されている。
抵抗変化層3は、窒化物を形成しうる第1および第2の元素と、窒素とを含む。
素子1には、抵抗変化層3の電気抵抗値、即ち、下部電極2と上部電極4との間の電気抵抗値、が異なる2以上の状態が存在する。所定の電圧または電流を抵抗変化層3に、具体的には下部電極2と上部電極4との間に、印加することにより、素子1は、上記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へ変化する。素子1に電気抵抗値が異なる2つの状態(相対的に高抵抗の状態を状態Aとし、相対的に低抵抗の状態を状態Bとする)が存在する場合、所定の電圧または電流の印加により、素子1は、状態Aから状態Bへ、あるいは、状態Bから状態Aへと変化する。
このような素子1は、ペロブスカイト酸化物を抵抗変化層とする従来の抵抗変化素子に比べて低い温度、例えば、400℃以下の製造プロセスにより形成でき、半導体製造プロセスとの親和性に優れる。素子1は、また、酸化物を抵抗変化層とする従来の抵抗変化素子とは異なり、水素含有雰囲気下における熱処理安定性に優れる。即ち、上記構成を有する素子1とすることにより、半導体素子との組み合わせによる様々なデバイス、例えば、抵抗変化型メモリ、への応用が容易となるほか、素子の微細化、および、素子の微細化に伴うデバイスの高集積化、高特性化の実現に有利となる。
また、素子1は、その抵抗変化特性に優れており、例えば、高い抵抗変化比を得ることができる。抵抗変化比とは、素子の抵抗変化特性の指標となる数値であり、素子が示す最大電気抵抗値をRMAX、最小電気抵抗値をRMINとしたときに、式(RMAX−RMIN)/RMINにより求められる値である。
第1および第2の元素は、それぞれ、窒化物を形成しうる元素であればよく、例えば、金属元素またはSiであればよい。
より具体的には、第1の元素は、例えば、Ti(チタン)、Ta(タンタル)、Co(コバルト)、Cu(銅)およびNb(ニオブ)から選ばれる少なくとも1種であればよい。なかでも、抵抗変化層3に第1の元素とともに含まれる第2の元素を適切に選択することでより大きな抵抗変化比が得られることから、Tiが好ましい。
第2の元素は、例えば、Al(アルミニウム)、Hf(ハフニウム)、Cr(クロム)およびSi(ケイ素)から選ばれる少なくとも1種であればよい。なかでも、抵抗変化層3に第2の元素とともに含まれる第1の元素を適切に選択することでより大きな抵抗変化比が得られることから、Alが好ましい。
第1の元素と第2の元素との組み合わせは特に限定されないが、より大きな抵抗変化比が得られることから、第1の元素がTiであり、第2の元素がAlであることが好ましい。このような抵抗変化層3は、TiとAlと窒素とを含む、ともいえる。
抵抗変化層3が、第1の元素としてTiを含み、第2の元素としてAlを含む場合、抵抗変化層3におけるTiの含有率X1(重量%)とAlの含有率X2(重量%)との合計に対するAlの含有率X2の比Z(Z=X2/(X1+X2))は、0.5〜0.9であることが好ましい。
抵抗変化層3は、上記第1および第2の元素と窒素とを含む限り、その構成は特に限定されない。例えば、抵抗変化層3が、第1の元素の窒化物(窒化物A)と第2の元素の窒化物(窒化物B)とを含んでいてもよい。この場合、抵抗変化層3は、2種類以上の元素の窒化物を含むともいえる。
窒化物Aと窒化物Bとを含む抵抗変化層3の構造としては、例えば、窒化物Aと窒化物Bとの固溶体であってもよく、その他、窒化物Bのマトリクス中に、窒化物Aのドメインがグラニュラー状に分散した構造(グラニュラー構造)なども考えられる。
また実施例に具体的な例を示すが、抵抗変化層3は、厚さ1nm以下の窒化物A膜と、厚さ1nm以下の窒化物B膜とを交互に積層して得た層であってもよい。
上記例示した第1および第2の元素を、窒化物の状態における導電性の観点から見ると、第1の元素の窒化物の導電性は、第2の元素の窒化物よりも大きい傾向を示す。即ち、上記例示した第1および第2の元素を含む抵抗変化層3は、相対的に低抵抗な窒化物Aと、相対的に高抵抗な窒化物Bとを含むともいえる。
この観点から見ると、窒化物の状態における第1の元素の体積抵抗率が10-1Ω・cm以下であり、窒化物の状態における第2の元素の体積抵抗率が103Ω・cm以上であることが好ましい。ここで、当該窒化物としては、各元素における化学量論比を満たす組成物を考えればよく、複数の化学量論比を満たす組成がある場合には、第1の元素の場合、最も体積抵抗率が大きい組成物を、第2の元素の場合、最も体積抵抗率が小さい組成物を考えればよい。
抵抗変化層3は、酸素をさらに含んでいてもよい。この場合、抵抗変化層3が含む酸素の量によっては、抵抗変化層3におけるリーク電流を低減でき、抵抗変化特性により優れる素子1とすることができる。ただし、抵抗変化層が酸素を過度に含むと、水素雰囲気下における素子の熱処理安定性が低下するため、抵抗変化層3における酸素の含有率は、通常、10重量%程度以下とすればよい。
酸素をさらに含む抵抗変化層3としては、例えば、第1の元素および第2の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸窒化物を含む抵抗変化層3が挙げられる。抵抗変化層3は、第1の元素および第2の元素の双方を含む酸窒化物を含んでいてもよい。
抵抗変化層3が上記酸窒化物を含む場合、当該酸窒化物は抵抗変化層3における少なくとも一部に含まれていればよく、例えば、当該酸窒化物からなる抵抗変化層3であってもよいし、上記グラニュラー構造におけるドメインの少なくとも一部が酸窒化物である抵抗変化層3であってもよい。また、第1の元素および第2の元素を含む窒化物からなる膜と、上記酸窒化物からなる膜とが積層された抵抗変化層3であってもよい。
抵抗変化層3が酸素をさらに含む場合、抵抗変化層3は、第1の元素および第2の元素から選ばれる少なくとも1種の酸化物を部分的に含んでいてもよい。
下部電極2は、基本的に導電性を有していればよく、例えば、Au(金)、Pt(白金)、Ru(ルテニウム)、Ir(イリジウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Cu(銅)、Ta(タンタル)、イリジウム−タンタル合金(Ir−Ta)、スズ添加インジウム酸化物(ITO)など、あるいは、これらの合金、酸化物、窒化物、弗化物、炭化物、硼化物、シリサイドなどからなればよい。半導体製造プロセスとの親和性をより向上できる観点からは、下部電極2が、Ir、Ru、Ir−O(酸化イリジウム)、Ru−O(酸化ルテニウム)、Ti、Al、Ti−Al合金、Ti−Al−N(窒化チタンアルミニウム)などからなることが好ましい。下部電極2は、上述した材料から選ばれる2以上の異なる材料の積層体からなってもよい。
上部電極4は、基本的に導電性を有していればよく、例えば、Au、Pt、Ru、Ir、Ti、Al、Cu、Ta、Ir−Ta、ITOなど、あるいは、これらの合金、酸化物、窒化物、弗化物、炭化物、硼化物などからなればよい。半導体製造プロセスとの親和性をより向上できる観点からは、上部電極4が、酸化されにくい材料、または、酸化後も導電性を保持できる材料からなることが好ましく、例えば、Ir、Ru、Re、Os、Rh、Pt、Auなどからなることが好ましい。同様の理由から、上部電極4が、Ir−O、Ru−O、Re−O(酸化レニウム)、Os−O(酸化オスミウム)、Rh−O(酸化ロジウム)などの酸化物からなることが好ましく、また、Ti−N(窒化チタン)、Fe−N(窒化鉄)、Ti−Al−Nなどの窒化物からなることが好ましい。上部電極4は、上述した材料から選ばれる2以上の異なる材料の積層体からなってもよい。
基板12は、例えば、シリコン(Si)基板であればよく、この場合、基板12における下部電極2に接する表面が酸化されていてもよい(基板12の表面に酸化膜が形成されていてもよい)。基板12がSi基板である場合、本発明の抵抗変化素子と半導体素子との組み合わせが容易となる。なお、本明細書では、トランジスタやコンタクトプラグ(以下、単に「プラグ」ともいう)などを形成した加工済みの基体も、「基板」と称する。
本発明の抵抗変化素子の構成は、電気抵抗値が異なる2以上の状態が存在し、所定の電圧または電流の印加により上記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へと変化する抵抗変化層3を備える限り特に限定されない。
例えば、図1に示すように、下部電極2、抵抗変化層3および上部電極4を含む多層構造体11が基板12上に形成され、抵抗変化層3が下部電極2および上部電極4により狭持された構成であってもよい。また例えば、図2に示すように、下部電極2と上部電極4との間に、中間電極13を狭持する一対の抵抗変化層3a、3bが配置された構成であってもよい。この場合、下部電極2と中間電極13との間、上部電極4と中間電極13との間、および、下部電極2と上部電極4との間、から選ばれる少なくとも1つの電極間に所定の電圧または電流を印加することにより、電気抵抗値が異なる少なくとも3つの状態を取りうる、即ち多値化が実現された、抵抗変化素子1とすることができる。また、同様の多層構造を重ねることにより、さらなる多値化の実現も可能である。
所定の電圧または電流は、下部電極2および上部電極4を介して、素子1に印加すればよい。所定の電圧または電流の印加により、素子1における上記状態が変化する(例えば、状態Aから状態Bへ)が、変化後の状態(例えば、状態B)は、素子1に所定の電圧または電流が再び印加されるまで保持され、上記電圧または電流の印加により、再び変化する(例えば、状態Bから状態Aへ)。
素子1に印加される所定の電圧または電流は、素子1が状態Aにあるときと、状態Bにあるときとの間で必ずしも同一でなくてもよく、その大きさ、極性、流れる方向などは、素子1の状態により異なっていてもよい。即ち、本明細書における「所定の電圧または電流」とは、素子1がある状態にあるときに、当該状態とは異なる他の状態へ変化できる「電圧または電流」であればよい。
このように抵抗変化素子1では、その電気抵抗値を、素子1に所定の電圧または電流を印加するまで保持できるため、素子1と、素子1における上記状態を検出する機構(即ち、素子1の電気抵抗値を検出する機構)とを組み合わせ、上記各状態に対してビットを割り当てる(例えば、状態Aを「0」、状態Bを「1」とする)ことにより、不揮発性の抵抗変化型メモリ(メモリ素子、あるいは、2以上のメモリ素子が配列したメモリアレイ)を構築できる。また、抵抗変化素子1では、このような状態の変化を少なくとも2回以上繰り返し行うことができ、不揮発性のランダムアクセスメモリを構築できる。その他、上記各状態に対してONまたはOFFを割り当てることにより、素子1をスイッチング素子へ応用することも可能である。
素子1に印加する電圧または電流は、パルス状(パルス電圧または電流パルス)であることが好ましい。この場合、素子1を用いてメモリなどのデバイスを構築する際に、当該デバイスにおける消費電力の低減やスイッチング効率の向上を図ることができる。パルスの形状は、特に限定されず、例えば、正弦波状、矩形波状および三角波状から選ばれる少なくとも1つの形状であればよい。パルスの幅は、通常、数ナノ秒〜数ミリ秒程度の範囲であればよい。
デバイスの駆動をより簡便に行うためには、パルスの形状が三角波状であることが好ましい。素子1の応答をより高速にするためには、パルスの形状が矩形波状であることが好ましく、この場合、数ナノ秒〜数マイクロ秒程度の応答を図ることができる。簡便な駆動、消費電力の低減、および、早い応答速度の並立を図るためには、パルスの形状が、正弦波状、あるいは、矩形波状の立ち上がり部/立ち下がり部を適度なスロープ形状とした台形波状であることが好ましい。正弦波状や台形波状のパルスは、素子1の応答速度を、数十ナノ秒〜数百マイクロ秒程度とする場合に適しており、三角波状のパルスは、素子1の応答速度を、数十マイクロ秒〜数ミリ秒程度とする場合に適している。
素子1には電圧を印加することが好ましく、この場合、素子1の微細化や、素子1を用いて構築したデバイスの小型化がより容易となる。上記状態Aおよび状態Bの2つの状態が存在する素子1の場合、下部電極2と上部電極4との間に電位差を発生させる電位差印加機構を素子1に接続し、例えば、下部電極2の電位に対して上部電極4の電位が正となるようなバイアス電圧(正バイアス電圧)を素子1に印加することにより、素子1を状態Aから状態Bへと変化させ、下部電極2の電位に対して上部電極4の電位が負となるようなバイアス電圧(負バイアス電圧)を素子1に印加することにより(即ち、状態Aから状態Bへの変化時とは極性を反転させた電圧を印加することにより)、素子1を状態Bから状態Aへ変化させてもよい。電位差印加機構としては、例えば、パルスジェネレータを用いればよい。
本発明の抵抗変化素子を、半導体素子、例えば、ダイオード、MOS電界効果トランジスタ(MOS−FET)などのトランジスタなど、と組み合わせることにより、抵抗変化型メモリを構築できる。
本発明の抵抗変化素子とMOS−FETとを組み合わせた、抵抗変化型メモリ(素子)の一例を図3に示す。
図3に示す抵抗変化型メモリ素子31は、抵抗変化素子1とトランジスタ21とを備えており、素子1は、トランジスタ21およびビット線32と電気的に接続されている。トランジスタ21のゲート電極はワード線33に電気的に接続されており、トランジスタ21における残る1つの電極は接地されている。このようなメモリ素子31では、トランジスタ21をスイッチング素子として、素子1における上記状態の検出(即ち、素子1の電気抵抗値の検出)、および、素子1への所定の電圧または電流の印加が可能となる。例えば、素子1が、電気抵抗値が異なる2つの状態をとる場合、図3に示すメモリ素子31を、1ビットの抵抗変化型メモリ素子とすることができる。
トランジスタ21は、例えば、MOS−FETとして一般的な構成であればよい。
図4に、抵抗変化素子1とトランジスタ21とを備えるメモリ素子31の具体的な構成の一例を示す。図4に示すメモリ素子31では、トランジスタ21が形成された基板12上に抵抗変化素子1が形成されており、トランジスタ21と抵抗変化素子1とが一体化されている。より具体的には、基板12上にソース22およびドレイン23が形成されており、ドレイン23と素子1の下部電極2とは、プラグ34を介して電気的に接続されている。ソース22は、図示しないが、別途接地などの電気的接続がなされていればよい。基板12におけるソース22とドレイン23との間には、ゲート絶縁膜24およびゲート電極25が形成されており、素子1の下部電極2上には、抵抗変化層3および上部電極4が上記順に積層されている。ゲート電極25は、ワード線(図示せず)と電気的に接続され、上部電極4はプラグ35を介してビット線32と電気的に接続されている。基板12上には、基板12の表面、ならびに、トランジスタ21および素子1の全体を覆うように層間絶縁層36が配置されている。なお、基板12上の符号26で示された部分は、素子分離部26である。
層間絶縁層36は、SiO2やAl23などの絶縁材料からなればよく、2以上の種類の材料の積層体であってもよい。絶縁材料には、SiO2やAl23の他、レジスト材料のような有機材料を用いてもよい。有機材料を用いる場合、スピナーコーティングなどにより簡便に層間絶縁層36を形成できるため、平坦でない表面上へ層間絶縁層36を形成する場合においても、自らの表面が平坦な層間絶縁層36の形成が容易となる。この場合、層間絶縁層36として、感光性樹脂であるポリイミドのような材料を用いることが好ましい。
図4に示す例では、抵抗変化素子とMOS−FETとを組み合わせることにより抵抗変化型メモリ素子を構築しているが、本発明の抵抗変化型メモリの構成は図4に示す例に限定されない。例えば、本発明の抵抗変化素子と、選択素子として、その他の種類のトランジスタやダイオードなど、任意の半導体素子とを組み合わせてもよい。
また、図4に示すメモリ素子31は、トランジスタ21の直上に抵抗変化素子1を配置した構成を有するが、トランジスタ21と抵抗変化素子1とを互いに離れた場所に配置し、下部電極2とドレイン23とを引き出し電極により電気的に接続してもよい。メモリ素子31の製造プロセスを容易にするためには、抵抗変化素子1とトランジスタ21とを互いに離して配置することが好ましいが、図4に示すようにトランジスタ21の直上に抵抗変化素子1を配置すれば、メモリ素子31の占有面積を小さくでき、より高密度な抵抗変化型メモリアレイを実現できる。
メモリ素子31への情報の記録は、抵抗変化素子1への所定の電圧または電流の印加により行えばよく、素子1に記録した情報の読出は、例えば、素子1へ印加する電圧または電流の大きさを記録時とは変化させることにより行えばよい。
情報の記録および読出方法として、パルス状の電圧を素子1に印加する方法の一例について、図5を用いて説明する。
図5に示す例では、抵抗変化素子1は、ある閾値(V0)以上の大きさを有する正バイアス電圧の印加により、相対的に電気抵抗が大きい状態Aから、相対的に電気抵抗が小さい状態Bへ変化し、ある閾値(V0’)以上の大きさを有する負バイアス電圧の印加により、状態Bから状態Aへ変化する抵抗変化特性を有するとする。なお、正バイアス電圧は、下部電極2の電位に対する上部電極4の電位が正となる電圧のことであり、負バイアス電圧は、下部電極2の電位に対する上部電極4の電位が負となる電圧のことであるとする。各バイアス電圧の大きさは、下部電極2と上部電極4との間の電位差の大きさに相当する。
抵抗変化素子1の初期状態が、状態Aであるとする。下部電極2と上部電極4との間にパルス状の正バイアス電圧VSE(|VSE|≧V0)を印加すると、素子1は状態Aから状態Bへと変化する(図5に示すSET)。このとき印加する正バイアス電圧をSET電圧とする。
ここで、SET電圧よりも小さく、大きさがV0未満の正バイアス電圧を素子1に印加すれば、素子1の電気抵抗値を、素子1の電流出力として検出できる(図5に示すREAD1およびOUTPUT1)。素子1の電気抵抗値の検出は、素子1に、大きさがV0’未満の負バイアス電圧を印加することによっても行うことができ、これら、素子1の電気抵抗値を検出するために印加する電圧をREAD電圧(VRE)とする。READ電圧は、図5に示すようにパルス状であってもよく、この場合、パルス状のSET電圧とした時と同様に、メモリ素子31における消費電力の低減やスイッチング効率の向上を図ることができる。READ電圧の印加では、素子1の状態(状態B)は変化しないため、複数回READ電圧を印加した場合においても、同一の電気抵抗値を検出できる。
次に、下部電極2と上部電極4との間にパルス状の負バイアス電圧VRS(|VRS|≧V0’)を印加すると、素子1は状態Bから状態Aへと変化する(図5に示すRESET)。このとき印加する負バイアス電圧をRESET電圧とする。
ここで、素子1にREAD電圧を印加すれば、素子1の電気抵抗値を、素子1の電流出力として検出できる(図5に示すREAD2およびOUTPUT2)。この場合も、READ電圧の印加では、素子1の状態(状態A)は変化しないため、複数回READ電圧を印加した場合においても、同一の電気抵抗値を検出できる。
このように、パルス状の電圧の印加により、メモリ素子31への情報の記録および読出を行うことができ、読出によって得られる素子1の出力電流の大きさは、素子1の状態に対応して異なる。ここで、相対的に出力電流の大きい状態(図5におけるOUTPUT1)を「1」、相対的に出力電流の小さい状態(図5におけるOUTPUT2)を「0」とすれば、メモリ素子31を、SET電圧により情報「1」を記録し、RESET電圧により情報「0」を記録する(情報「1」を消去する)メモリ素子とすることができる。
図4に示すメモリ素子31において、抵抗変化素子1にパルス状の電圧を印加するためには、ワード線によりトランジスタ21をON状態とし、ビット線32を介して電圧を印加すればよい。
READ電圧の大きさは、SET電圧およびRESET電圧の大きさに対して、通常、1/4〜1/1000程度であればよい。SET電圧およびRESET電圧の具体的な値は、抵抗変化素子1の構成にもよるが、通常、0.1V〜20V程度の範囲であり、1V〜12V程度の範囲が好ましい。
素子1の電気抵抗値の検出は、検出する素子とは別に参照素子を準備し、当該参照素子に対しても同様にREAD電圧を印加して、得られた参照抵抗値(例えば、参照出力電流値)と、検出する素子の抵抗値(例えば、出力電流値)との差分の検出により行うことが好ましい。図6に示す方法では、メモリ素子31からの出力42を負帰還増幅回路44aにより増幅した出力45と、参照素子41からの出力43を負帰還増幅回路44bにより増幅した出力46とを差動増幅回路47に入力し、差動増幅回路47から得られた出力信号48を検出している。
図7に示すように、2以上のメモリ素子31をマトリクス状に配列した場合、不揮発性かつランダムアクセス型の抵抗変化型メモリ(アレイ)51を構築できる。メモリアレイ51では、2以上のビット線32から選ばれる1つのビット線(Bn)と、2以上のワード線33から選ばれる1つのワード線(Wn)とを選択することにより、座標(Bn、Wn)に位置するメモリ素子31aへの情報の記録およびメモリ素子31aからの情報の読出が可能となる。
図7に示すように、2以上のメモリ素子31をマトリクス状に配列する場合、少なくとも1つのメモリ素子31を参照素子とすればよい。
図8に示すように、パストランジスタ37を用い、2以上の抵抗変化素子1をマトリクス状に配列することによっても、不揮発性かつランダムアクセス型の抵抗変化型メモリ(アレイ)52を構築できる。メモリアレイ52では、ビット線32は素子1の下部電極2に、ワード線33は素子1の上部電極4に、それぞれ電気的に接続されている。メモリアレイ52では、2以上のビット線32から選ばれる1つのビット線(Bn)に接続されたパストランジスタ37aと、2以上のワード線33から選ばれる1つのワード線(Wn)に接続されたパストランジスタ37bとを選択的にON状態とすることにより、座標(Bn、Wn)に位置する抵抗変化素子1aへの情報の記録、および、抵抗変化素子1aからの情報の読出が可能となる。素子1aの情報を読出すためには、例えば、素子1aの電気抵抗値に対応する電圧である、図8に示す電圧Vを測定すればよい。なお、図8に示すメモリアレイ52には参照素子群38が配置されており、参照素子群38に接続されたビット線(B0)に対応するパストランジスタ37cを選択的にON状態とし、図8に示す電圧VREFを測定することにより、素子1aの出力と、参照素子群38の出力との差分を検出できる。
また、図8に示すメモリアレイ52では、パストランジスタ37により選択されなかった非選択の素子1を参照素子として利用することも可能である。この方法では、パストランジスタ37により選択された素子1a周辺の素子の状態を検証しながら、参照素子を適宜設定する必要があるため、メモリアレイとしての動作がやや遅くなることがあるが、メモリアレイの構成をより簡便にできる。
図9に示すように、本発明の抵抗変化素子1と、非線形の電流電圧特性(I−V特性)を有する選択素子39(図9では一例としてダイオード)とを組み合わせたメモリ素子40とし、2以上の当該メモリ素子40をマトリクス状に配列することによっても、不揮発性かつランダムアクセス型の抵抗変化型メモリ(アレイ)53を構築できる。
図9に示すメモリ素子40では、ビット線32とワード線33との間に、抵抗変化素子1および選択素子39を電気的に直列に接続しているが、この場合、選択素子39を介した回り込みの抵抗成分を低減できる。
図7〜9に示すメモリアレイは、2以上の抵抗変化素子1に、情報の記録および読出時に素子を選択するためのスイッチング素子が接続された構造を有する、ともいえる。
本発明の抵抗変化素子1および素子1を構成する各層は、半導体の製造プロセスを応用し、一般的な薄膜形成プロセスおよび微細加工プロセスにより形成すればよい。例えば、パルスレーザーデポジション(PLD)、イオンビームデポジション(IBD)、クラスターイオンビーム、およびRF、DC、電子サイクロトン共鳴(ECR)、ヘリコン、誘導結合プラズマ(ICP)、対向ターゲットなどの各種スパッタリング法、分子線エピタキシャル法(MBE)などの蒸着法、イオンプレーティング法などを用いればよい。これらPVD(Physical Vapor Deposition)法の他に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、メッキ法、MOD(Metal Organic Decomposition)法、あるいは、ゾルゲル法などを用いてもよい。
各層の微細加工には、例えば、半導体製造プロセスや磁性デバイス(GMRやTMRなどの磁気抵抗素子など)製造プロセスに用いられるイオンミリング、RIE(Reactive Ion Etching)、FIB(Focused Ion Beam)などの物理的あるいは化学的エッチング法、および、微細パターン形成のためのステッパー、EB(Electron Beam)法などを用いたフォトリソグラフィー技術を組み合わせて用いればよい。各層の表面の平坦化には、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)、クラスター−イオンビームエッチングなどを用いればよい。
素子1を構成する各層の形成に、酸化、窒化あるいは酸窒化処理が必要である場合、当該処理は、酸素や窒素の原子、分子、イオン、ラジカル、プラズマなどを用いて行えばよい。一例として、TiとAlとの酸窒化物層(Ti−Al−N−O)をスパッタリング法により形成する場合、例えば、アルゴン雰囲気下あるいはアルゴンと窒素との混合雰囲気下においてTiとAlとの窒化物層(Ti−Al−N)を形成し、当該形成した窒化物層と酸素とを接触させて酸化処理すればよい。プラズマやラジカルの発生には、電子サイクロトン共鳴(ECR)放電、グロー放電、RF放電、ヘリコン、誘導結合プラズマ(ICP)などの各種方法を利用できる。
後述する保護絶縁膜、バリアメタル、プラグメタルの堆積方法、微細加工方法および平坦化方法についても同様であり、本発明の抵抗変化素子を備えるメモリ素子、メモリアレイなどの電子デバイスも、同様の方法により形成できる。
本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を、本発明の抵抗変化素子が組み込まれたメモリ素子の製造方法の一例として、図10A〜図10Hに示す。
最初に、図10Aに示すように、トランジスタ21が形成された基板12の表面に、トランジスタ21を覆うように保護絶縁膜61を堆積し、堆積した保護絶縁膜61の表面をCMPなどにより平坦化した後に、保護絶縁膜61に対して選択的にエッチングを行ってプラグ用開口部62を形成する。
保護絶縁膜61は、例えば、SiO2からなればよく、より具体的にはTEOS(テトラエチルオルトシリケート)とO3(オゾン)から形成したSiO2膜(TEOS膜)であってもよい。基板12表面へのトランジスタ21の形成方法は、一般的な手法によればよい。図10Aに示すトランジスタ21は、ソース22、ドレイン23、ゲート絶縁膜24、ゲート電極25および素子分離部26を備える一般的なMOS−FETである。プラグ用開口部62は、トランジスタ21のドレイン23が露出するように形成すればよい。
次に、図10Bに示すように、保護絶縁膜61の表面にバリアメタル63およびプラグメタル64を順に堆積する。バリアメタル63には、プラグメタル64の拡散を抑制したり、周囲の絶縁層との密着性を高めたりする作用を有する材料、あるいは、プラグメタル64をメッキにより形成する場合にはシードとしての作用を有する材料を用いればよく、例えば、チタン(Ti)膜と窒化チタン(Ti−N)膜とからなる積層体や、タンタル(Ta)膜と窒化タンタル(Ta−N)膜とからなる積層体などを用いればよい。プラグメタル64には基本的に導電性に優れる材料を用いればよく、例えば、タングステン、アルミニウム、銅などを用いればよい。プラグメタル64は、プラグ用開口部62を充填するように堆積すればよい。
次に、図10Cに示すように、堆積したバリアメタル63およびプラグメタル64における保護絶縁膜61上の部分をCMPなどにより除去し、ドレイン23と電気的に接続されたプラグ34を形成する。
次に、図10Dに示すように、プラグ34および保護絶縁膜61の表面に、下部電極2、抵抗変化層3および上部電極4を順に形成する。下部電極2は、プラグ34との間に電気的な接続が確保されるように形成すればよい。
次に、図10Eに示すように、形成した下部電極2、抵抗変化層3および上部電極4を所定の形状に微細加工する。
次に、図10Fに示すように、保護絶縁膜61上に、下部電極2、抵抗変化層3および上部電極4の積層体11を覆うように、保護絶縁膜66を堆積する。保護絶縁膜66は、例えば、上述したTEOS膜からなればよい。
次に、図10Gに示すように、保護絶縁膜66の表面をCMPなどにより平坦化した後、保護絶縁膜66に対して選択的にエッチングを行ってプラグ用開口部67を形成する。プラグ用開口部67は、上部電極4が露出するように形成すればよい。
次に、図10Hに示すように、保護絶縁膜66の表面に密着用メタル68および配線用メタル69を順に堆積し、ビット線32と、ビット線32と上部電極4とを電気的に接続するプラグ35を形成する。密着用メタル68には、周囲の絶縁層との密着性を高める作用を有する材料、あるいは、配線用メタル69をメッキにより形成する場合にはシードとしての作用を有する材料を用いればよく、例えば、チタン(Ti)膜と窒化チタン(Ti−N)膜とからなる積層体や、タンタル(Ta)膜と窒化タンタル(Ta−N)膜とからなる積層体や炭窒化シリコン(Si−C−N)などを用いればよい。配線用メタル69には基本的に導電性に優れる材料を用いればよく、例えば、タングステン、銅、アルミニウムなどを用いればよい。配線用メタル69は、プラグ用開口部67を充填するように、かつ、ビット線32が形成されるように堆積すればよい。このようにして図4に示すメモリ素子31を形成できる。なお、保護絶縁膜61および66は、図4に示す層間絶縁層36となる。
図10A〜図10Hに示す方法では、トランジスタのオン抵抗値の安定化などを目的とする水素含有雰囲気下での熱処理以外にも、例えば、プラグメタル64あるいは配線用メタル69に用いるタングステンの堆積など、水素系ガスプロセスに基づく堆積、成膜などが行われるたびに、素子1が水素暴露されることになる。
図10A〜図10Hに示す方法では、抵抗変化層3として、例えば、第1の元素と第2の元素と窒素とからなる固溶体を形成すればよいが、このような抵抗変化層3では、その厚さが薄くなるに従って、メモリ素子としての特性(メモリ特性)に寄与しないリーク電流の増加が生じることがある。この場合、酸窒化物を含む抵抗変化層3とすることにより、上記リーク電流を低減できる。酸窒化物を含むことでリーク電流を低減できる理由は明確ではないが、例えば、以下の(1)〜(2)に示す原理が考えられる。
(1)図11Aに示す抵抗変化層3の粒界91がリーク電流のパスとなっている可能性がある。図11Bに示すように、酸窒化物が粒界92に位置する、即ち、抵抗変化層3が酸窒化された粒界92を有する、ことでリーク電流を低減できる。
(2)図12Aに示すように、抵抗変化層3が、相対的に高抵抗である窒化物Bのマトリクス93中に、相対的に低抵抗である窒化物Aのドメイン94がグラニュラー状に分散した構造(グラニュラー構造)を有する場合、窒化物Aのドメイン94を経由してホッピング的な伝導が生じている可能性がある。図12Bに示すように、上記ドメインの少なくとも一部が酸窒化物からなる、即ち、抵抗変化層3が酸窒化されたドメイン95を含む、ことでリーク電流を低減できる。
酸窒化物を含む抵抗変化層3とするためには、例えば、図10Dに示す工程において、酸窒化物からなる抵抗変化層3を形成したり、窒化物からなる抵抗変化層3を形成した後に酸素雰囲気下における熱処理を行ったりすればよい。後述する図14Gに示す工程においても同様である。
また、図13Aに示すように、窒化物膜96とともに酸窒化物膜97を含む抵抗変化層3とすることによってもリーク電流を低減できる。この場合、酸窒化物膜97を2以上含む抵抗変化層3(図13B)であってもよいし、窒化物膜96と酸窒化物膜97とが交互に積層された抵抗変化層3(図13C)であってもよい。また、2以上の異なる組成を有する酸窒化物膜97a、97bを含む抵抗変化層3(図13D)であってもよいし、上記酸窒化物膜97a、97bが交互に積層された抵抗変化層3(図13E、F)であっても、酸窒化物膜のみからなる抵抗変化層3(図13F)であってもよい。
本発明の抵抗変化素子の製造方法の別の一例を、本発明の抵抗変化素子が組み込まれたメモリ素子の製造方法の一例として、図14A〜図14Kに示す。
最初に、図10A〜図10Cに示す工程と同様にして、図14Aに示すように、MOS−FETであるトランジスタ21が形成された基板12の表面に保護絶縁膜61aを堆積し、堆積した保護絶縁膜61aに、トランジスタ21のドレイン23と電気的に接続されたプラグ34、および、トランジスタ21のソース22と電気的に接続されたプラグ70を形成する。プラグ70は、プラグ34と同様に形成すればよい。
次に、図14Bに示すように、保護絶縁膜61a、プラグ34およびプラグ70上に下部電極2を形成する。下部電極2は、プラグ34との間に電気的な接続が確保されるように形成すればよい。
次に、図14Cに示すように、下部電極2を、プラグ34の直上の部分を除いてエッチングなどにより除去する。
次に、図14Dに示すように、プラグ70の表面に、プラグ70との電気的な接続が確保されるように、ソース22と後に形成されるビット線32とを接続するための電極71を形成する。電極71は、基本的に、導電性を有する材料からなればよい。
次に、図14Eに示すように、保護絶縁膜61a上に、下部電極2および電極71を覆うように保護絶縁膜61bを堆積した後に、図14Fに示すように、保護絶縁膜61bの表面をCMPなどにより平坦化して、下部電極2および電極71を露出させる。
次に、図14Gに示すように、保護絶縁膜61b、下部電極2および電極71上に、抵抗変化層3および上部電極4を形成する。
次に、図14Hに示すように、抵抗変化層3および上部電極4を、所定の形状に微細加工する。
次に、図14Iに示すように、保護絶縁膜61bおよび電極71上に、抵抗変化層3および上部電極4を覆うように、保護絶縁膜66を形成する。
次に、図14Jに示すように、保護絶縁膜66の表面をCMPなどにより平坦化した後、保護絶縁膜66に対して選択的にエッチングを行ってプラグ用開口部72を形成する。プラグ用開口部72は、電極71が露出するように形成すればよい。
次に、図14Kに示すように、保護絶縁膜66の表面に密着用メタル68および配線用メタル69を順に堆積し、ビット線32と、ビット線32と電極71とを電気的に接続するプラグ73を形成する。配線用メタル69は、プラグ用開口部72を充填するように、かつ、ビット線32が形成されるように堆積すればよい。このようにして、図4に示すメモリ素子31とは異なる構成を有するメモリ素子74を形成できる。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
(実施例1)
実施例1では、図1に示す構成を有する抵抗変化素子1を作製し、その抵抗変化特性を評価した。また、実施例1では、抵抗変化層3を、第1の元素であるTiと、第2の元素であるAlと、窒素とからなる窒化物固溶体とし、当該固溶体におけるTiの含有率X1とAlの含有率X2との合計に対する上記X2の重量比Z(Z=X2/(X1+X2))を変化させたサンプルを9種類(サンプル1−1〜1−9)作製して、それぞれの素子サンプルにおける抵抗変化特性を評価した。素子サンプルの具体的な作製方法を、図15A〜図15Eを参照しながら説明する。
最初に、基板12として、表面に熱酸化膜(SiO2膜:図示せず)が形成されたSi基板を準備し、準備したSi基板上に、形成する下部電極2の形状に対応した開口部(典型的には素子の接合部のサイズ(接合面積)に対して約3倍オーバーラップした幅を有する長方形状であり、一例として、接合面積が1μm×1μmの素子を形成する場合、幅7μm×長さ20μmの長方形部に加え、パッド引き出し用配線およびコンタクトパッド部に相当する多角形部を含めた開口部)を有するメタルマスクA81を配置して、下部電極2としてTiN層(厚さ400nm)を形成した(図15A)。なお、図15Aでは、メタルマスクA81について、その開口部以外の部分を示す。以降の図におけるメタルマスクについても同様である。
下部電極2であるTiN層の形成は、Tiをターゲットとして用い、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.1Paの窒素−アルゴン混合雰囲気下(窒素:アルゴン(分圧比)=約4:1)にて、Si基板の温度を0〜400℃(主に350℃)とした上で、印加電力をDC4kWとして行った。
次に、メタルマスクA81を除去した後に、形成した下部電極2の一部を覆うように、正方形の開口部を有するメタルマスクB82を配置し、下部電極2上に抵抗変化層3としてTi−Al−N層(TAN層:厚さ2〜200nm、典型的には50nm)を形成した(図15B)。メタルマスクB82を配置する際には、その開口部の中心(矩形状の対象物において、対向する頂点間を結ぶ2本の直線の交点を、当該対象物の中心とする、以下同じ)と、下部電極2の中心とが一致するようにした。
抵抗変化層3であるTAN層の形成は、Ti−Al合金をターゲットとして用い、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.1Paの窒素−アルゴン混合雰囲気下(窒素:アルゴン(分圧比)=約4:1)にて、Si基板の温度を250〜400℃(主に350℃)とした上で、印加電力をDC5kWとして行った。このとき、ターゲットとして用いたTi−Al合金の組成を変化させることで、上記重量比Zが異なるTAN層を9種類、それぞれ個別に形成した(サンプル1−1〜1−9、各サンプルにおける重量比Zは以下の表1を参照)。
形成した抵抗変化層3の構成を、抵抗測定、X線光電子分光(XPS)、エネルギー分散型X線分光(EDAX)、X線回折評価により別途確認したところ、抵抗変化層3は、TiとAlと窒素とからなる固溶体であった。
次に、メタルマスクB82を除去した後に、抵抗変化層3であるTAN層を覆うように上述したTEOS膜(厚さ400nm)を堆積させ層間絶縁層36を形成した(図15C)。
次に、フォトリソグラフィー法およびドライエッチングにより、素子の接合部を形成するための開口部85を、抵抗変化層3が露出するように形成した(図15D)。開口部85の面積は、1μm×1μm〜0.1mm×0.1mm(典型的には10μm×10μm)の範囲で変化させた。開口部85の面積が素子1の接合面積となる。
次に、上記露出した抵抗変化層3に接するように、上部電極4としてTiN層を形成し、図15Eに示す断面構造を有する抵抗変化素子1とした。当該TiN層は、下部電極2と同様にして形成した。
図16に、作製した素子1をその上部電極4側から見た平面図を示す。図16における断面A−Aが、図15Eに相当する。
上記のように作製した9種類の素子サンプル(サンプル1−1〜1−9)とは別に、抵抗変化層がAlNからなる素子(サンプル1−10)と、抵抗変化層がTiNからなる素子(サンプル1−11)とを作製した。両サンプルの抵抗変化層は、ターゲットとしてTi−N合金およびAl−N合金をそれぞれ用いた以外は、サンプル1−1〜1−9と同様にして形成し、両サンプルにおける抵抗変化層以外の各層は、サンプル1−1〜1−9と同様とした。
このようにして作製した各サンプルに対し、下部電極および上部電極を介して、図5に示すようにパルス状のSET電圧、RESET電圧およびREAD電圧を印加し、その抵抗変化比を評価した。評価方法を以下に示す。
(抵抗変化比の評価方法)
パルスジェネレータを用い、各素子サンプルの上部電極と下部電極との間に、SET電圧として3V(正バイアス電圧)、RESET電圧として−3V(負バイアス電圧、大きさ3V)、READ電圧として0.01V(正バイアス電圧)を印加した(各電圧のパルス幅は200ns)。SET電圧およびRESET電圧を印加した後、READ電圧の印加により読み出した電流値からサンプルの電気抵抗値を算出し、算出した電気抵抗値の最大値をRMAX、最小値をRMINとして、(RMAX−RMIN)/RMINで示す式より、サンプルの抵抗変化比を求めた。
評価結果を以下の表1および図17に示す。
Figure 0004857014
表1および図17に示すように、重量比Zが0.5〜0.9の範囲のサンプルで、10倍以上の高い抵抗変化比が得られた。特に重量比Zが0.6〜0.8の範囲では素子の抵抗変化比は100倍を超え、重量比Zが0.7であるサンプル1−7では500倍、重量比Zが0.8であるサンプル1−8では700倍の極めて高い抵抗変化比が得られた。
一方、重量比Zが0.4以下であるサンプル1−1〜1−4では抵抗変化比がほとんど得られなかったが、抵抗変化層の抵抗値が低く、SET電圧(RESET電圧)の印加時に、素子に3Vの電圧が印加できなかったことが原因であると考えられる。サンプル1−1〜1−4では、抵抗変化層の厚さをより大きくすることにより、抵抗変化比が得られる可能性がある。
抵抗変化層がAlNからなるサンプル1−10では、逆に、抵抗変化層の抵抗値が非常に大きく、3Vの印加電圧では素子に電流を流すことが難しかった。そこで、印加電圧を徐々に増加させたところ、破壊的なブレークダウンが素子に生じ、抵抗変化比を得ることができなかった。
次に、上記抵抗変化比の評価とは別に、上記のようにして作製したサンプル1−1〜1−11に対して水素雰囲気下における熱処理(400℃、15分)を行い、当該熱処理後における各サンプルの抵抗変化比を評価した。評価方法は、上記と同様とした。評価結果を以下の表2に示す。
Figure 0004857014
表2に示すように、重量比Zが0.5〜0.9の範囲のサンプルで、熱処理前と同様、10倍以上の高い抵抗変化比が得られ、サンプル1−6および1−7では、熱処理により抵抗変化比が増大した。
また、素子の接合面積を変化させて同様の評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られ、本発明の抵抗変化素子の熱処理安定性が素子の接合面積に影響を受けにくいことがわかった。
また、下部電極2として、TiN層の代わりに、Ti層、Al層、Cu層、Ta層、Ir0.7Ta0.3層、ITO層、Ni層、Co層、Fe層、Ti0.65Al0.35合金層、および、Ti0.65Al0.35N層を用いた場合にも上記と同様の結果が得られた。
(実施例2)
実施例2では、図4に示す構成を有するメモリ素子31を作製し、その抵抗変化特性を評価した。評価した素子サンプルは、上述した図10A〜図10Hに示す方法により作製し、重量比Z=0.7のTAN層からなる抵抗変化層3とした。
保護絶縁膜61は、厚さ400nmのTEOS膜とした。バリアメタル63は、Ti膜とTiN膜との積層体とした。プラグメタル64はタングステン膜とした。
下部電極2はTiN層(厚さ200nm)とし、実施例1と同様にして形成した。
抵抗変化層3は、重量比Z=0.7のTAN層(厚さ2〜200nm、典型的には50nm)とし、当該TAN層は、Ti0.3Al0.7合金をターゲットとして用い、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.1Paの窒素−アルゴン雰囲気下(窒素:アルゴン(分圧比)=約4:1)にて、Si基板の温度を250〜400℃(主に350℃)とした上で、印加電力をDC5kWとして形成した。
上部電極4はTiN層(典型的には厚さ300nm)とし、下部電極2と同様にして形成した。
保護絶縁膜66は厚さ800nmのTEOS膜とした。密着用メタル68は厚さ10nmのTaN膜とし、配線用メタル69は厚さ300nmのCu膜とした。なお、配線用メタル69は、図10Hに示すビット線32を構成するように堆積させた。
このようにして、図4に示す構成を有するメモリ素子31(サンプル2−1)を作製した。サンプル2−1の接合面積は、0.5μm×0.5μmとした。
上記のようにして作製したサンプル2−1に対し、図5に示すようにパルス状のSET電圧、RESET電圧およびREAD電圧を印加し、メモリ素子としての動作確認を行うとともに、その抵抗変化比を評価した。
動作確認は、ゲート25への電圧の印加によりトランジスタ21をON状態とし、ソース22と上部電極4との間に、SET電圧として2V(正バイアス電圧)、RESET電圧として−2V(負バイアス電圧、大きさ2V)、READ電圧として0.05V(正バイアス電圧)を印加して、サンプル2−1から出力される電流値を測定して行った。サンプル2−1に印加する各電圧のパルス幅は200nsとした。なお、当該電流値の測定は、サンプル2−1とは別に配置した参照抵抗に対し、サンプル2−1に印加したREAD電圧と同様の電圧を印加して得た参照電流値との差動値を検出することにより行った。
動作確認の結果、サンプル2−1では、70倍の抵抗変化比が得られるとともに、メモリ素子として安定した動作が可能であることが確認できた。また、107回以上のSET電圧およびRESET電圧の印加によっても、その抵抗変化特性(即ちメモリ特性)は失われないことがわかった。
次に、上記抵抗変化比の評価に用いたサンプルとは別個に作製したサンプル2−1を水素雰囲気下において熱処理(400℃、15分)し、当該熱処理後におけるサンプル2−1の抵抗変化比を同様に評価したところ、65倍の抵抗変化比が得られ、サンプル2−1の水素雰囲気下における熱処理安定性が確認できた。
なお、下部電極2としてTiN層の代わりに、Cu層を用いたサンプル(サンプル2−2)、および、Al層を用いたサンプル(サンプル2−3)をそれぞれ作製し、サンプル2−1と同様にして、水素雰囲気下における熱処理後の抵抗変化比の評価を行ったところ、サンプル2−2では6倍の、サンプル2−3では4倍の抵抗変化比が得られることが確認できた。また、双方のサンプルとも、107回以上のSET電圧およびRESET電圧の印加によっても、その抵抗変化特性は失われないことがわかった。
次に、16個のサンプル2−1をマトリクス状(4×4)に配列して16ビットのメモリアレイを構築し、サンプル2−1のメモリ素子としての動作確認と同様の方法により、当該メモリアレイの動作確認を行ったところ、ランダムアクセス型の抵抗変化型メモリとしての動作を確認できた。
サンプル2−1〜2−3の作製とは別に、以下の表3に示す構成を有する比較例サンプルA1〜A8を作製し、水素雰囲気下における熱処理前と当該熱処理後とにおける、各比較例サンプルの抵抗変化比を評価した。なお、表3の下部電極、抵抗変化層および上部電極の欄における括弧内の数字は、当該層の厚さ(nm)を示す。また、比較例サンプルA1〜A8における下部電極、抵抗変化層および上部電極以外の各層の構成、ならびに、素子接合面積などは、全てサンプル2−1と同様とした。
比較例サンプルA1〜A8における各層は、以下のように形成した。
サンプルA1、A4〜A8の下部電極および上部電極のPt層は、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.7Paのアルゴン雰囲気下において、Si基板の温度を27℃とした上で、印加電力を100Wとして形成した。
サンプルA1のPCMO層、ならびに、サンプルA2、A3のSrRuO3層、BSTCO層、SrZr0.998Cr0.0023(SZCO)層は、圧力3Paの酸素−アルゴン混合ガス雰囲気下(酸素:アルゴン(分圧比)=1:4)において、Si基板の温度を400〜750℃(典型的には400℃と750℃の両方の条件)とした上で、印加電力を100Wとして形成した。
サンプルA2のAu層は、Auターゲットを電子ビームで昇華して堆積を行う電子ビーム蒸着法により、Si基板の温度を室温として形成した。
サンプルA3のTi/Pt層は、多元カソードを有するマグネトロンスパッタリング装置により、圧力0.1Paのアルゴン雰囲気下において、Si基板の温度を室温とした上で、印加電力をRF100Wとして、Ti、Ptの順にin-situにて形成した。
サンプルA4のNiO層、サンプルA5のNb25層、サンプルA6のTiO2層、サンプルA7のWO3層、ならびに、サンプルA8のCoO層は、圧力3Paの酸素−アルゴン混合ガス雰囲気下(酸素:アルゴン(分圧比)=1:4)にて、Si基板の温度を400℃とした上で、印加電力を100Wとして形成した。
比較例サンプルA1〜A8における熱処理前後の抵抗変化比の評価結果を表3に示す。
Figure 0004857014
表3に示すように、比較例サンプルA1〜A8では、水素雰囲気下での熱処理前には、10倍以上の大きな抵抗変化比が得られるサンプルが存在したものの、当該熱処理により全てのサンプルにおいて大きく抵抗変化比が低下した。特許文献1(米国特許第6204139号)および特許文献2(特表2002-537627号公報)によれば、抵抗変化層としてPCMO、BSTCO、SZCOなどを用いることにより、数桁以上の抵抗変化比が得られるとされるが、熱処理後のサンプルA1〜A3では全く再現できなかった。これは、素子の水素暴露により、サンプルA1〜A3の抵抗変化層が劣化したためと考えられる。
同様に特許文献3(特開2004-363604号公報)によれば、抵抗変化層としてNiO、Nb25、TiO2、WO3、CoOを用いることにより、数桁以上の抵抗変化比が得られるとされるが、熱処理後のサンプルA4〜A8では全く再現できなかった。これは、素子の水素暴露により、サンプルA4〜A8の抵抗変化層が劣化したためと考えられる。
(実施例3)
実施例3では、図4に示す構成を有するメモリ素子31を作製し、その抵抗変化特性を評価した。評価した素子サンプルは、上述した図10A〜図10Hに示す方法により作製し、TiとAlとNとOとからなる(重量比Z=0.7)抵抗変化層3とした。
抵抗変化層3は、まず、実施例2と同様にして重量比Zが0.7のTAN層(厚さ2〜200nm、典型的には50nm)を形成し、形成したTAN層を、圧力100Paの酸素−アルゴン混合雰囲気下(酸素:アルゴン(分圧比)=1:4)において、室温で1時間保持する(酸化処理)ことにより形成した。酸化処理前のTAN層では、TAN層の厚さを薄くするに従ってリーク電流が増加する傾向を示したが、当該酸化処理により、リーク電流を大きく減少できた。酸化処理により、TAN層の構造が、図11Aあるいは図12Aに示す構造から、図11Bあるいは図12Bに示す構造へ変化したと考えられる。
抵抗変化層3以外の各層は、下部電極2であるTiN層の厚さを100nmとし、上部電極であるTiN層の厚さを200nmとした以外は、サンプル2−1と同様に形成した。
各層の形成後、全体を水素雰囲気下にて熱処理(400℃、15分)して、サンプル3−1とした。
このようにして作製したサンプル3−1に対し、実施例2と同様にして、SET電圧、RESET電圧およびREAD電圧を印加し、メモリ素子としての動作確認を行うとともに、その抵抗変化比を評価した。
動作確認の結果、サンプル3−1では、約50倍の抵抗変化比が得られるとともに、メモリ素子として安定した動作が可能であることが確認できた。また、107回以上のSET電圧およびRESET電圧の印加によっても、その抵抗変化特性(即ちメモリ特性)は失われないことがわかった。
次に、16個のサンプル3−1をマトリクス状(4×4)に配列して16ビットのメモリアレイを構築し、メモリ素子としての動作確認と同様の方法により、当該メモリアレイの動作確認を行ったところ、ランダムアクセス型の抵抗変化型メモリとしての動作を確認できた。
サンプル3−1の作製とは別に、厚さ1nm以下のAl−N膜とTi−N膜とを交互に積層して形成した層を抵抗変化層3とする素子(サンプル3−2)を作製した。サンプル3−2の抵抗変化層3は、第1の元素の窒化物Aとして膜厚dが0.4nmのTi−N膜と、第2の元素の窒化物Bとして膜厚Dが0.2nmのAl−N膜とを、繰り返し回数nが38回交互に積層して(即ちTi−N膜およびAl−N膜の形成を交互にそれぞれ38回行って)、形成した。このような抵抗変化層3は、Ti−N膜およびAl−N膜の各膜の厚さが1nm以下と非常に小さいため、TiおよびAlが相互に拡散していると考えられる。また、Ti−N膜の膜厚dが0.4nmであり、Al−N膜の膜厚Dが0.2nmであることは、抵抗変化層3としての重量比Zが0.7であることに相当する。
Al−N膜およびTi−N膜の積層は、多元カソードを有するマグネトロンスパッタリング装置により、TiおよびAlのターゲットを用い、それぞれのターゲットからの蒸着をシャッターおよびウェハホルダーの位置を切り替えることで行った。両膜の積層条件は、圧力0.1Paの窒素−アルゴン雰囲気下(窒素:アルゴン(分圧比)=約4:1)とし、Si基板の温度を250〜400℃(主に350℃)とし、印加電力をDC5kWとした。Al−N膜およびTi−N膜を上記のように積層して形成した抵抗変化層3の厚さは約25nmであった。
サンプル3−2におけるその他の層の形成は、サンプル3−1と同様に行った。
このようにして作製したサンプル3−2に対し、実施例2と同様にして、SET電圧、RESET電圧およびREAD電圧を印加し、メモリ素子としての動作確認を行うとともに、その抵抗変化比を評価した。
動作確認の結果、サンプル3−2では、約100倍の抵抗変化比が得られるとともに、メモリ素子として安定した動作が可能であることが確認できた。また、水素雰囲気下の熱処理(400℃、15分)の後も、得られる抵抗変化比には変化が見られなかった。また、当該熱処理の前後のそれぞれにおいて、107回以上のSET電圧およびRESET電圧の印加によっても、その抵抗変化特性(即ちメモリ特性)は失われないことがわかった。
サンプル3−2の作製とは別に、窒化物AとしてTi−Nの他にTa−N、Co−N、Cu−N、Nb−N、および、Ti−Ga−Nを、窒化物BとしてAl−Nの他に、Hf−N、Cr−N、およびAl−Si−Nを用い、サンプル3−2と同様にして、厚さ1nm以下の窒化物Aからなる膜と、厚さ1nm以下の窒化物Bからなる膜とを積層して形成した抵抗変化層3を有する素子(サンプル3−3〜3−9)を形成した。各素子の構成を以下の表4に示す。表4におけるdは窒化物A膜の厚さ(nm)であり、Dは窒化物B膜の厚さ(nm)であり、nは積層の繰り返し回数(回)である。
Figure 0004857014
このようにして作製したサンプル3−3〜3−9に対し、実施例2と同様にして、SET電圧、RESET電圧およびREAD電圧を印加し、メモリ素子としての動作確認を行うとともに、その抵抗変化比を評価した。
動作確認の結果、サンプル3−3〜3−9では、45倍以上の抵抗変化比が得られるとともに、メモリ素子として安定した動作が可能であることが確認できた。また、サンプル3−3〜3−9では、水素雰囲気下における熱処理(400℃、15分)の後も、得られる抵抗変化比には変化が見られず、当該熱処理の前後のそれぞれにおいて、107回以上のSET電圧およびRESET電圧の印加によっても、その抵抗変化特性(即ちメモリ特性)は失われないことがわかった。
(実施例4)
実施例4では、図14Kに示す構成を有するメモリ素子74を作製し、その抵抗変化特性を評価した。評価した素子サンプルは、上述した図14A〜図14Kに示す方法により作製し、重量比Z=0.7のTAN層からなる抵抗変化層3とした。
保護絶縁膜61aは、厚さ400nmのTEOS膜とした。バリアメタル63は、Ti膜とTiN膜との積層体とした。プラグメタル64は、タングステン膜とした。
下部電極2はTiN層(厚さ100nm)とし、実施例1と同様にして形成した。
保護絶縁膜61bはTEOS膜とした。
抵抗変化層3は、重量比Z=0.7のTAN層(厚さ2nm〜200nm、典型的には50nm)とし、当該TAN層は、Ti0.3Al0.7合金をターゲットとして用い、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.1Paの窒素−アルゴン雰囲気下(窒素:アルゴン(分圧比)=約4:1)にて、Si基板の温度を250〜400℃(主に350℃)とした上で、印加電力をDC5kWとして形成した。
上部電極4はTiN層(厚さ200nm)とし、下部電極2と同様にして形成した。
保護絶縁膜66は厚さ800nmのTEOS膜とした。密着用メタル68は厚さ20nmのTaN膜とし、配線用メタル69は厚さ300nmのCu膜とした。なお、配線用メタル69は、図14Kに示すビット線32を構成するように堆積させた。
最後に、全体を水素雰囲気下で熱処理(400℃、15分)して、図12Kに示す構成を有するメモリ素子74(サンプル4)を作製した。
上記のようにして作製したサンプル4に対し、図5に示すようにパルス状のSET電圧、RESET電圧およびREAD電圧を印加し、メモリ素子としての動作確認を行うとともに、その抵抗変化比を評価した。
動作確認は、ゲート25への電圧の印加によりトランジスタ21をON状態とし、ソース22と上部電極4との間に、SET電圧として2V(正バイアス電圧)、RESET電圧として−2V(負バイアス電圧、大きさ2V)、READ電圧として0.05V(正バイアス電圧)を印加して、サンプル4から出力される電流値を測定して行った。サンプル4に印加する各電圧のパルス幅は200nsとした。なお、当該電流値の測定は、サンプル4とは別に配置した参照抵抗に対し、サンプル4に印加したREAD電圧と同様の電圧を印加して得た参照電流値との差動値を検出することにより行った。
動作確認の結果、サンプル4では、およそ50倍の抵抗変化比が得られるとともに、メモリ素子として安定動作が可能であることが確認できた。また、107回以上のSET電圧およびRESET電圧の印加によっても、その抵抗変化特性は失われず、エンデュランス特性に優れるメモリ素子が形成できたことがわかった。サンプル4の評価結果を以下の表5に示す。
Figure 0004857014
次に、SET電圧、RESET電圧およびREAD電圧の形状(駆動波形状)を、図5に示す矩形状から、パルスの立ち上がり/立ち下がりに約10nsのスロープを設けた台形波状へ変更して(パルス幅は変更せず)、上記の動作確認を行ったところ、駆動波形状が矩形波状の時と同様に、メモリ素子として安定した動作が可能であることが確認できた。駆動波形状を正弦波形状へ変更した時(パルス幅は変更せず)も同様であった。なお、駆動波形状を上記台形波状および正弦波状とすることにより、パルス電圧を素子に印加する際に、素子の出力信号の立ち上がり/立ち下がり時に発生していた発振状のリンギングノイズが低減できることが分かった。
次に、16個のサンプル4をマトリクス状(4×4)に配列して16ビットのメモリアレイを構築し、サンプル4のメモリ素子としての動作確認と同様の方法により、当該メモリアレイの動作確認を行ったところ、ランダムアクセス型の抵抗変化型メモリとしての動作を確認できた。
以上説明したように、本発明の抵抗変化素子は、半導体製造プロセスとの親和性に優れるとともに水素含有雰囲気下における熱処理安定性に優れる。また本発明の抵抗変化素子は、情報を電気抵抗値として不揮発に保持でき、従来の電荷蓄積型メモリ素子に比べて素子の微細化も容易である。
本発明の抵抗変化素子は、次世代の高密度不揮発性メモリを始めとする様々な電子デバイスへの応用が可能であり、例えば、情報通信端末などに使用される不揮発性メモリ、スイッチング素子、センサ、画像表示装置などへの応用が考えられる。
本発明の抵抗変化素子の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子の別の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子を備える抵抗変化型メモリ(素子)の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子を備える抵抗変化型メモリ(素子)の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子を備える抵抗変化型メモリにおける情報の記録および読出方法の一例を説明するための図である。 本発明の抵抗変化素子を備える抵抗変化型メモリにおける情報の読出方法の一例を説明するための図である。 本発明の抵抗変化素子を備える抵抗変化型メモリ(アレイ)の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子を備える抵抗変化型メモリ(アレイ)の別の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子を備える抵抗変化型メモリ(アレイ)のまた別の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 抵抗変化素子における抵抗変化層の構造の一例を示す模式図である。 抵抗変化素子における抵抗変化層の構造の一例を示す模式図である。 抵抗変化素子における抵抗変化層の構造の一例を示す模式図である。 抵抗変化素子における抵抗変化層の構造の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子における抵抗変化層の構成の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子における抵抗変化層の構成の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子における抵抗変化層の構成の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子における抵抗変化層の構成の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子における抵抗変化層の構成の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子における抵抗変化層の構成の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 実施例において作製した本発明の抵抗変化素子サンプルの製造方法を模式的に示す工程図である。 実施例において作製した本発明の抵抗変化素子サンプルの製造方法を模式的に示す工程図である。 実施例において作製した本発明の抵抗変化素子サンプルの製造方法を模式的に示す工程図である。。 実施例において作製した本発明の抵抗変化素子サンプルの製造方法を模式的に示す工程図である。 実施例において作製した本発明の抵抗変化素子サンプルの製造方法を模式的に示す工程図である。 実施例において作製した本発明の抵抗変化素子サンプルを模式的に示す平面図である。 実施例において作製した本発明の抵抗変化素子サンプルにおける、重量比Zと抵抗変化比との関係を示す図である。
符号の説明
1 抵抗変化素子
2 下部電極
3、3a、3b 抵抗変化層
4 上部電極
11 多層構造体(積層体)
12 基板
13 中間電極
21 トランジスタ
22 ソース
23 ドレイン
24 ゲート絶縁膜
25 ゲート電極
26 素子分離部
31、31a (抵抗変化型)メモリ素子
32 ビット線
33 ワード線
34 プラグ
35 プラグ
36 層間絶縁層
37、37a、37b、37c パストランジスタ
38 参照素子群
39 選択素子
40 (抵抗変化型)メモリ素子
41 参照素子
42 (メモリ素子31の)出力
43 (参照素子41の)出力
44a、44b 負帰還増幅回路
45 (負帰還増幅回路44aにより増幅した)出力
46 (負帰還増幅回路44bにより増幅した)出力
47 差動増幅回路
48 出力信号
51 (抵抗変化型)メモリアレイ
52 (抵抗変化型)メモリアレイ
53 (抵抗変化型)メモリアレイ
61、61a、61b 保護絶縁膜
62 プラグ用開口部
63 バリアメタル
64 プラグメタル
66 保護絶縁膜
67 プラグ用開口部
68 密着用メタル
69 配線用メタル
70 プラグ
71 電極
72 プラグ用開口部
73 プラグ
74 (抵抗変化型)メモリ素子
81 メタルマスクA
82 メタルマスクB
85 開口部
91 粒界
92 (酸窒化された)粒界
93 マトリクス
94 ドメイン
95 (酸窒化された)ドメイン
96 窒化物膜
97 酸窒化物膜

Claims (11)

  1. 電気抵抗値が異なる2以上の状態が存在し、かつ、所定の電圧または電流の印加により、前記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へと変化する抵抗変化層を備え、
    前記抵抗変化層が、窒化物を形成しうる第1および第2の元素と、窒素と、を含み、
    前記第1の元素が、Ti、Ta、Co、CuおよびNbから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記第2の元素が、Al、Hf、CrおよびSiから選ばれる少なくとも1種である抵抗変化素子。
  2. 前記第1の元素がTiであり、
    前記第2の元素がAlであり、
    前記抵抗変化層におけるTiの含有率X1(重量%)とAlの含有率X2(重量%)との合計に対する前記X2の比Z(Z=X2/(X1+X2))が、0.5〜0.9である請求項1に記載の抵抗変化素子。
  3. 前記抵抗変化層が、前記第1の元素の窒化物と、前記第2の元素の窒化物とを含む請求項1に記載の抵抗変化素子。
  4. 窒化物の状態における前記第1の元素の体積抵抗率が10-1Ω・cm以下であり、
    窒化物の状態における前記第2の元素の体積抵抗率が103Ω・cm以上である請求項1に記載の抵抗変化素子。
  5. 前記抵抗変化層が、酸素をさらに含む請求項1に記載の抵抗変化素子。
  6. 前記抵抗変化層が、前記第1の元素および前記第2の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の酸窒化物を含む請求項に記載の抵抗変化素子。
  7. 基板と、前記基板上に配置された多層構造体とを備え、
    前記多層構造体は、上部電極と下部電極とを備え、
    前記抵抗変化層が、前記上部電極と前記下部電極との間に配置されている請求項1に記載の抵抗変化素子。
  8. 前記所定の電圧または電流がパルス状である請求項1に記載の抵抗変化素子。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の抵抗変化素子をメモリ素子として備える抵抗変化型メモリ。
  10. 2以上の前記抵抗変化素子が、マトリクス状に配列されている請求項に記載の抵抗変化型メモリ。
  11. 前記2以上の抵抗変化素子に、情報の記録および読出時に前記素子を選択するためのスイッチング素子が接続されている請求項10に記載の抵抗変化型メモリ。
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