JP2009021524A - 抵抗変化素子とその製造方法ならびに抵抗変化型メモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】タンタルを含む抵抗変化層を有しながら、例えばウェハ基板上に複数の素子を形成する場合においても、素子間の特性のバラツキを低減でき、安定かつ均一な特性の実現が可能な構成を有する抵抗変化素子を提供する。
【解決手段】基板と、基板上に配置された下部電極および上部電極と、下部電極と上部電極との間に配置された抵抗変化層とを含み、下部電極と上部電極との間の電気抵抗値が異なる2以上の状態が存在し、下部電極と上部電極との間に駆動電圧または電流を印加することにより、上記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へと変化する抵抗変化素子であって、抵抗変化層は、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜を2以上含み、かつ上記膜の厚さが2nm以下である多層膜構造を有する抵抗変化素子とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動電圧または駆動電流の印加により電気抵抗値が変化する抵抗変化素子とその製造方法、ならびに当該素子をメモリ素子として備える抵抗変化型メモリに関する。
近年、メモリ素子の微細化の要求が高まっており、微細化による悪影響を受けにくいメモリ素子として、電荷容量ではなく電気抵抗値の変化により情報を記録する不揮発性のメモリ素子が注目されている。このようなメモリ素子の1種に、駆動電圧または電流の印加により電気抵抗値が変化する抵抗変化素子がある。
抵抗変化素子は、抵抗変化層と、抵抗変化層を狭持するように配置された一対の電極(上部電極および下部電極)とを有する。この素子は、電気抵抗値が異なる2以上の状態をとることができ、電極間に所定の電圧または電流を印加することにより、その状態を変化させることができる。選択された1つの状態は、電極間に再び所定の電圧または電流を印加するまでは、基本的に保持される(即ち、不揮発性である)。このような効果は、巨大抵抗変化効果(CER:Colossal Electro-Resistance)と呼ばれる。CER効果は、微細化による悪影響を受けにくく、また、大きな抵抗変化が得られることから、抵抗変化素子は、微細化が可能な次世代の不揮発性メモリ素子として、高い期待を集めている。
ヒックモットによるジャーナル・オブ・アプライド・フィジックスに記載された報告(非特許文献1)では、タンタル酸化物の1種であるTa25を含む各種の酸化物において電流−電圧特性にヒステリシスが見られることから、当該酸化物によるCER効果の発現の可能性が指摘されている。
また、特表2002−537627号公報(特許文献1)には、Ta25を含む各種の酸化物を用いた抵抗変化素子が開示されており、この素子を用いて構築した不揮発性半導体メモリは、抵抗変化型ランダムアクセスメモリ(Re−RAM)と呼ばれて注目を集めている。Re−RAMは、微細化による制限を受けにくくいため、超高集積化の実現への期待が高い。
ティー・ダブリュ・ヒックモット(T.W. Hickmott)、「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)」、2000年、vol.88、pp.2805 特表2002−537627号公報
しかし、抵抗変化素子の抵抗変化層を、単なるタンタル酸化物からなる層とするだけでは、例えば、ウェハ基板上に複数の素子を形成した場合に、形成した素子間の特性のバラツキ(面内バラツキ)が大きく、素子の高集積化が困難である。素子の高集積化を促進するためには、素子形成時に生じる面内バラツキを低減でき、安定かつ均一な特性の実現が可能な構成を有する抵抗変化素子とすることが不可欠である。
そこで本発明は、タンタルを含む抵抗変化層を有しながら、例えばウェハ基板上に複数の素子を形成する場合においても、素子間の特性のバラツキを低減でき、安定かつ均一な特性の実現が可能な構成を有する抵抗変化素子とその製造方法の提供を目的とする。
本発明の抵抗変化素子は、基板と、前記基板上に配置された下部電極および上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に配置された抵抗変化層とを含む。本発明の素子では、前記下部電極と前記上部電極との間の電気抵抗値が異なる2以上の状態が存在し、前記下部電極と前記上部電極との間に駆動電圧または電流を印加することにより、前記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へと変化する。前記抵抗変化層は、タンタル(Ta)の酸化物または酸窒化物からなる膜を2以上含み、かつ前記膜の厚さが2nm以下である多層膜構造を有する。
本発明の抵抗変化素子の製造方法は、上記本発明の素子の製造方法であって、(a)基板上に、第1の導電膜を形成する工程と、(b)前記第1の導電膜上に、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜を2以上含み、かつ前記膜の厚さが2nm以下である多層膜を形成する工程と、(c)前記多層膜上に、第2の導電膜を形成する工程と、(d)形成した前記第1の導電膜、前記多層膜および前記第2の導電膜を微細加工して、前記第1の導電膜から下部電極を、前記多層膜から抵抗変化層を、前記第2の導電膜から上部電極を、それぞれ形成する工程と、を含む方法である。
本発明者らの検討によれば、単なるタンタル酸化物からなる抵抗変化層を有する従来の素子における素子間の特性のバラツキは、素子形成時における抵抗変化層(タンタル酸化物層)の形成過程に大きな影響を受けることがわかった。
本発明によれば、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜を2以上含み、かつ前記膜の厚さが2nm以下である多層膜構造を有する抵抗変化層を備える抵抗変化素子とすることにより、タンタルを含む抵抗変化層を有しながら、例えばウェハ基板上に複数の素子を形成する場合においても、素子間の特性のバラツキを低減でき、安定かつ均一な特性を実現できる。
また、本発明の抵抗変化素子は高集積性に優れており、当該素子により、高集積化された抵抗変化型ランダムアクセスメモリの実現が可能となる。
以下、本発明について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下の説明において、同一の部材に同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
[抵抗変化素子]
図1に本発明の抵抗変化素子の一例を示す。図1に示す抵抗変化素子1は、基板10上に、下部電極11、抵抗変化層12および上部電極13が順に配置された構造を有する。抵抗変化層12は、下部電極11側から順に配置された、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる3つの膜14(14a、14bおよび14c)からなる多層膜構造を有する。膜14a、14b、14cの厚さは、それぞれ2nm以下である。
抵抗変化層12は、下部電極11と上部電極13との間に配置されており、電気抵抗値が異なる2以上の状態を有する。抵抗変化層12の当該状態は、下部電極11および上部電極13を介した駆動電圧または電流の印加により、上記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へと変化する。即ち、素子1には、下部電極11と上部電極13との間の電気抵抗値が異なる2以上の状態が存在し、この状態は、下部電極11と上部電極13との間に駆動電圧または電流を印加することにより、上記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へと変化する。
典型的には、抵抗変化層12は、相対的に電気抵抗値が高い高抵抗状態と、相対的に電気抵抗値が低い低抵抗状態との2つの上記状態を有する。即ち、典型的には、素子1には、下部電極11と上部電極13との間の電気抵抗値が異なる2つの状態(高抵抗状態および低抵抗状態)が存在し、素子1は、駆動電圧または電流の印加によって、高抵抗状態から低抵抗状態へ、あるいは、低抵抗状態から高抵抗状態へと変化する。
このような構成を有する素子1は、例えばウェハ基板上に複数の素子1を形成する場合においても、形成した素子1間の特性のバラツキを低減でき、安定かつ均一な特性を実現できる。
また素子1は、抵抗変化比などの抵抗変化特性に優れる。なお、抵抗変化比とは、素子の抵抗変化特性の指標となる数値であり、具体的には、素子が示す高抵抗状態での抵抗値をRHIGH、低抵抗状態での抵抗値をRLOWとしたときに、以下の式(1)により求められる値である:
抵抗変化比=(RHIGH−RLOW)/RLOW (1)
膜14a、14b、14cはタンタル酸化物またはタンタル酸窒化物からなり、各々の膜の厚さは2nm以下である。タンタル酸化物の具体的な組成は特に限定されないが、典型的には、式TaOx(xは、0.5≦x<2.5を満たす数値である)により示される組成を有する。また、タンタル酸窒化物の具体的な組成は特に限定されないが、典型的には、式TaNyx(xおよびyは、それぞれ、0.5≦x<2.5、0<y<1を満たす数値である)により示される組成を有する。
これらの組成を有する酸化物または酸窒化物からなる膜14を含む抵抗変化層12とすることにより、抵抗変化特性の発現性および動作特性に優れる(例えば、パルス幅がナノ秒オーダーであるパルス状の駆動電圧の印加によって高速に動作できる)素子1とすることができる。
抵抗変化層12は、酸化の程度が互いに異なる膜14を含んでもよく、この場合、隣接する膜14の酸化の程度が互いに異なっていることが好ましい。例えば、図1に示す素子1では、膜14a、14bおよび14cから選ばれる隣接する2つの膜14の酸化の程度が互いに異なっていてもよい。
なお、抵抗変化層12は、タンタルの酸化物または酸窒化物以外の材料からなる膜をさらに含んでいてもよいが、典型的には、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる2以上の膜14からなる。
詳細は後述するが、膜14は、例えば、タンタル、酸化タンタルおよび窒化タンタルから選ばれる少なくとも1種を含む前駆体膜(厚さ2nm以下が好ましい)を酸化処理して形成できる。
上述したように、従来、単なるタンタル酸化物(典型的にはTa25)からなる抵抗変化層を有する素子が知られている。当該素子の抵抗変化層は、通常、タンタル母材を酸化処理して形成される。しかし、タンタルは、空気中において安定した酸化被膜(厚さ数nm程度)がその表面に形成される「不動態形成材料」であり、形成された酸化被膜は耐食性、耐酸性に優れることから、当該被膜によって、タンタルのそれ以上の酸化が抑制される。タンタルが有するこの性質のために、例えば、単層のタンタル酸化物からなる抵抗変化層を形成しようとすると、タンタル母材の内部にまで酸素を所望の濃度にて拡散させることが難しく、層の表面と内部との間で酸化状態のムラが生じるとともに、当該ムラの程度が素子によって異なるため、素子間の特性のバラツキが生じると考えられる。また、抵抗変化層を、タンタルを一度に強酸化した終端材料であるTa25により構成した場合、抵抗変化層の抵抗値が過度に高くなって、実際には抵抗変化特性を得ることが困難である。
これに対して本発明者らは、厚さ2nm以下の膜14を多層にして抵抗変化層12とすることにより、素子間の特性のバラツキが低減され、高集積性に優れる抵抗変化素子1を実現できることを見出した。膜14は、後述するように、タンタルを含む前駆体膜を、好ましくは厚さ2nm以下で形成し、形成した前駆体膜を酸化処理して形成できる。
また、タンタル酸化物、酸窒化物を抵抗変化層12に含む本発明の素子1は、一般に「フォーミング」と呼ばれる、素子の抵抗変化特性を発現させるための「慣らし動作」の工程が不要であるなど、抵抗変化特性の発現性および動作特性に優れる。素子1において、このような特異な特性が発現する理由は未だ明確ではないが、タンタル酸化物、酸窒化物を構成するTa元素のd電子軌道を介した伝導に強い電子相関が働きやすいことが起因しているのではないかと、推定される。
図1に示す素子1では、抵抗変化層12は3つの膜14からなるが、本発明の素子は、タンタルの酸化物または酸窒化物からなり、厚さが2nm以下である膜14を少なくとも2つ含めばよい。
本発明の素子の接合面積は特に限定されず、例えば、0.25μm2以下としてもよい。ここで「接合面積」とは、抵抗変化層12と第1の電極11とが接している面積、および、抵抗変化層12と第2の電極13とが接している面積の小さい方の面積に相当する。
本発明の素子では、抵抗変化層が、下部電極および上部電極から選ばれる少なくとも1つの電極に接していることが好ましく、図1に示す素子1のように、下部電極および上部電極の双方に接していることがより好ましい。
本発明の素子では、隣接する層(電極)同士は、各々の少なくとも一部の領域において互いに接していればよい。また本発明の素子は、下部電極、抵抗変化層および上部電極以外の層(電極)を含んでいてもよい。例えば、図2Aに示すように、下部電極11の一部の領域に接するように抵抗変化層12が配置された素子1であってもよく、図2Bに示すように、下部電極11における抵抗変化層12に接する面とは反対側の面に、さらなる電極15が配置された素子1であってもよい。また例えば、図2Cに示すように、抵抗変化層12の一部の領域に接するように下部電極11および上部電極13が配置された素子1であってもよく、この場合、図2Cに示すように、各層の積層方向に垂直な方向から素子1を見たときに、下部電極11と上部電極13とが互いに重複するように両電極が配置されていることが好ましい。また例えば、図2Dに示すように、上部電極13の一部の領域に接するように抵抗変化層12が配置されており、下部電極11における抵抗変化層12に接する面とは反対側の面に、当該面の一部の領域に接するように、さらなる電極15が配置された素子1であってもよい。なお、図2Cおよび図2Dに示す素子1における符号16は、絶縁層である。
本発明の素子では、図3に示すように、抵抗変化層12が4以上の膜14(14a、14b、・・・・、14x)を含んでいてもよく、この場合、より特性が安定した素子1とすることができる。
下部電極11および上部電極13は、基本的に、導電性に優れる材料からなればよく、例えば、白金(Pt)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)などにより形成されていてもよい。その電導度は、例えば、100mΩ・cm以下であることが好ましい。
基板10には、例えば、半導体基板、典型的にはシリコン(Si)基板を用いることができ、この場合、本発明の素子と半導体素子との組み合わせが容易となり、例えば、同一基板上に本発明の素子と半導体素子とを形成できる。基板10における下部電極11に接する表面が酸化されていてもよく、基板10の表面に酸化膜が形成されていてもよい。なお、本明細書における「基板」には、トランジスタあるいはコンタクトプラグなどが形成された基板も含まれる。また、本発明の素子、あるいは、本発明の素子と半導体素子とを組み合わせた素子を、1つの基板上に複数形成してもよい。
抵抗変化層12の厚さは、通常、1nm〜500nmの範囲であり、2nm〜20nmの範囲が好ましい。なお、抵抗変化層12の厚さの下限は成膜時の制御に依存しており、ここでは1nm以上、より好ましくは2nm以上としているが、成膜制御の手法の向上により、この下限値はさらに小さくできる。
駆動電圧または電流は、下部電極11および上部電極13を介して素子1に印加される。駆動電圧または電流の印加により、素子1における上記状態が、例えば、高抵抗状態から低抵抗状態へと変化するが、変化後の状態は、素子1に駆動電圧または電流が再び印加されるまで保持される。素子1の上記状態は、駆動電圧または電流を素子1に印加することにより、再び変化させる(例えば、低抵抗状態から高抵抗状態へ)ことができる。
素子1に印加する駆動電圧または電流は、素子1が高抵抗状態にあるときと、低抵抗状態にあるときとの間で必ずしも同一でなくてもよく、その大きさ、印加方向などは、素子1の状態により異なっていてもよい。即ち、本明細書における「駆動電圧または電流」とは、素子1がある状態にあるときに、当該状態とは異なる他の状態へと変化できる「電圧または電流」であればよい。
このように素子1では、特定の電気抵抗値を示す素子の状態を、素子1に駆動電圧または電流を印加するまで保持できる。このため、素子1と、素子1における上記状態を検出する機構(即ち、素子1の電気抵抗値を検出する機構)とを組み合わせることにより、不揮発性の抵抗変化型メモリを構築できる。2以上の素子1を用いることにより、2以上のメモリ素子が配列したメモリアレイの構築も可能である。このメモリでは、素子1の上記各状態に対してビット、例えば、高抵抗状態に対して「0」を、低抵抗状態に対して「1」を割り当てればよい。素子1の上記状態の変化は少なくとも2回以上繰り返して行うことができるため、信頼性のある不揮発性ランダムアクセスメモリを得ることもできる。また、素子1の上記各状態に対して「ON」または「OFF」を割り当てることにより、素子1をスイッチング素子へ応用することも可能である。
素子1に印加する駆動電圧または電流は、パルス状であることが好ましい。駆動電圧(駆動電流)をパルス状とすることにより、素子1を用いて構築したメモリなどのデバイスにおける消費電力の低減やスイッチング効率の向上を図ることができる。パルスの形状は、特に限定されず、例えば、正弦波状、矩形波状および三角波状から選ばれる少なくとも1つの形状であってもよい。パルスの幅は、通常、数ナノ秒〜数ミリ秒程度の範囲であればよい。
もちろん、素子1に印加する駆動電圧または電流は、抵抗変化層12の上記状態を変化させることができる限り、パルス状でなくてもよい。
デバイスの駆動をより簡便に行うためには、パルスの形状が三角波状であることが好ましい。素子1の応答をより高速にするためには、パルスの形状が矩形波状であることが好ましく、この場合、数ナノ秒〜数マイクロ秒程度の応答を図ることができる。簡便な駆動、消費電力の低減、早い応答速度などを達成するためには、パルスの形状が、正弦波状、あるいは、矩形波状の立ち上がり部/立ち下がり部に適度なスロープを設けた台形状であることが好ましい。正弦波状や台形状のパルスは、素子1の応答速度を、数十ナノ秒〜数百マイクロ秒程度とする場合に適しており、三角波状のパルスは、素子1の応答速度を、数十マイクロ秒〜数ミリ秒程度とする場合に適している。
素子1には電圧を印加することが好ましく、この場合、素子1の微細化や、素子1を用いて構築したデバイスの小型化がより容易となる。電気抵抗値に関する2つの状態が存在する素子1の場合、下部電極2と上部電極4との間に電位差を発生させる電位差印加機構を素子1に接続し、下部電極2の電位に対して上部電極4の電位が正となるようなバイアス電圧(正バイアス電圧)を素子1に印加することにより、例えば、素子1を高抵抗状態から低抵抗状態へと変化させ、下部電極2の電位に対して上部電極4の電位が負となるようなバイアス電圧(負バイアス電圧)を素子1に印加することにより(即ち、先ほどとは極性を反転させた電圧を印加することにより)、例えば、素子1を低抵抗状態から高抵抗状態へと変化させてもよい。電位差印加機構としては、例えば、パルスジェネレータが挙げられる。
[抵抗変化型メモリ]
本発明の抵抗変化素子を、半導体素子、例えば、ダイオード、あるいは、MOS電界効果トランジスタ(MOS−FET)などのトランジスタなど、と組み合わせることにより、抵抗変化型メモリを構築できる。
本発明の抵抗変化素子とMOS−FETとを組み合わせた、抵抗変化型メモリ(メモリ素子)の一例を図4に示す。
図4に示す抵抗変化型メモリ素子200は、抵抗変化素子1とトランジスタ21とを備えており、素子1は、トランジスタ21およびビット線32と電気的に接続されている。トランジスタ21のゲート電極はワード線33に電気的に接続されており、トランジスタ21の残る1つの電極は接地されている。このようなメモリ素子200では、トランジスタ21をスイッチング素子として、素子1における上記状態の検出(即ち、素子1の電気抵抗値の検出)、および、素子1への駆動電圧または電流の印加が可能となる。例えば、素子1が、電気抵抗値が異なる2つの状態をとる場合、図4に示すメモリ素子31を、1ビットの抵抗変化型メモリ素子とすることができる。
トランジスタ21は、MOS−FETとして一般的な構成であればよい。
本発明の抵抗変化型メモリ(メモリ素子)の具体的な構成の一例を図5に示す。図5に示すメモリ素子200では、シリコン基板20上に、トランジスタ21および本発明の抵抗変化素子1が形成されており、素子1とトランジスタ21とが一体化されている。
以下、図5のメモリ素子200の構成を具体的に説明する。基板20にはソース電極24およびドレイン電極25が形成されており、ドレイン電極25は、プラグ27を介して素子1の下部電極11と電気的に接続されている。ソース電極24は、図示していないが、別途、接地電位などに接続されていればよい。基板20におけるソース電極24とドレイン電極25との間には、ゲート絶縁膜22およびゲート電極23が形成されている。素子1の下部電極11上には、抵抗変化層12および上部電極13が上記順に配置されている。ゲート電極23は、ワード線(図示せず)と電気的に接続され、上部電極13はプラグ30を介してビット線32と電気的に接続されている。基板20上には、基板20の表面、ならびに、トランジスタ21および素子1の全体を覆うように層間絶縁層28が配置されており、層間絶縁層28によって、各電極間における電気的なリークの発生が防止されている。なお、基板11上の符号29で示された部分は、素子分離部29である。
層間絶縁層28は、SiO2やAl23などの絶縁材料からなればよく、2以上の種類の材料の積層体であってもよい。絶縁材料には、SiO2やAl23などの無機材料の他、レジスト材料のような有機材料を用いてもよい。絶縁材料に有機材料を用いた場合、平坦でない表面上に層間絶縁層28を形成する場合においても、スピナーコーティング法などを用いることによって、自らの表面が平坦な層間絶縁層28を容易に形成できる。有機材料としては、例えば、感光性樹脂であるポリイミドのような材料が好ましい。
図5に示す例では、抵抗変化素子とMOS−FETとを組み合わせることにより抵抗変化型メモリ素子が構築されているが、本発明の抵抗変化型メモリの構成は図5に示す例に限定されず、例えば、本発明の抵抗変化素子と、情報の記録および読出時に素子を選択するための選択素子(スイッチング素子)として、その他の種類のトランジスタやダイオードなど、任意の半導体素子とを組み合わせてもよい。このとき、本発明の抵抗変化素子と選択素子とが直列接続されていることが好ましい。
また、図5に示すメモリ素子200では、トランジスタ21の直上に抵抗変化素子1が配置されているが、トランジスタ21と抵抗変化素子1とを互いに離れた場所に配置し、下部電極11とドレイン電極25とを引き出し電極により電気的に接続してもよい。メモリ素子200の製造プロセスを容易にするためには、素子1とトランジスタ21とを互いに離して配置することが好ましい。一方、図5に示すように、トランジスタ21の直上に素子1を配置することにより、メモリ素子200の占有面積を小さくでき、より高集積化された抵抗変化型メモリアレイを実現できる。
メモリ素子200への情報の記録は、素子1への駆動電圧または電流の印加により行えばよく、素子1に記録した情報の読出は、例えば、情報の記録時とは異なる大きさの電圧(電流)を素子1に印加することにより行えばよい。情報の記録および読出方法として、パルス状の電圧を素子1に印加する方法の一例について、図6を用いて説明する。
図6に示す例では、抵抗変化素子1は、ある閾値(V0)以上の大きさを有する正バイアス電圧の印加により、高抵抗状態から低抵抗状態へと変化し、ある閾値(V0’)以上の大きさを有する負バイアス電圧の印加により、低抵抗状態から高抵抗状態へと変化する抵抗変化特性を有する。各バイアス電圧の大きさは、下部電極11と上部電極13との間の電位差の大きさに相当する。
抵抗変化素子1が、高抵抗状態にあるとする。下部電極11と上部電極13との間にパルス状の正バイアス電圧VS(|VS|≧V0)を印加すると、素子1は高抵抗状態から低抵抗状態へと変化する(図6に示すSET)。このとき印加する正バイアス電圧をSET電圧とする。
ここで、SET電圧よりも小さく、大きさがV0未満の正バイアス電圧を素子1に印加することにより、素子1の電気抵抗値を、素子1の電流出力として検出できる(図6に示すREAD1およびOUTPUT1)。素子1の電気抵抗値の検出は、素子1に、大きさがV0’未満の負バイアス電圧を印加することによっても行うことができ、これら、素子1の電気抵抗値を検出するために印加する電圧をREAD電圧(VRE)とする。READ電圧は、図6に示すようにパルス状であってもよく、この場合、SET電圧をパルス状とした時と同様に、メモリ素子200における消費電力の低減やスイッチング効率の向上を図ることができる。READ電圧の印加では、素子1の状態は変化しないため、複数回READ電圧を印加した場合においても、同一の電気抵抗値を検出できる。
次に、下部電極11と上部電極13との間にパルス状の負バイアス電圧VRS(|VRS|≧V0’)を印加すると、素子1は低抵抗状態から高抵抗状態へと変化する(図6に示すRESET)。このとき印加する負バイアス電圧をRESET電圧とする。
ここで、素子1にREAD電圧を印加すれば、素子1の電気抵抗値を、素子1の電流出力として検出できる(図6に示すREAD2およびOUTPUT2)。この場合も、READ電圧の印加では、素子1の状態は変化しないため、複数回READ電圧を印加した場合においても、同一の電気抵抗値を検出できる。
このように、パルス状の電圧の印加により、素子1を備えるメモリ素子200への情報の記録および読出を行うことができる。読出によって得られる素子1の出力電流の大きさは、素子1の状態に対応して異なる。ここで、相対的に出力電流の大きい状態(図6におけるOUTPUT1)を「1」、相対的に出力電流の小さい状態(図6におけるOUTPUT2)を「0」とすれば、メモリ素子200を、SET電圧により情報「1」が記録され、RESET電圧により情報「0」が記録される(情報「1」が消去される)メモリ素子とすることができる。
図5に示すメモリ素子200において、抵抗変化素子1にパルス状の電圧を印加するためには、ワード線によりトランジスタ21をON状態とし、ビット線32を介して電圧を印加すればよい。
READ電圧の大きさは、SET電圧およびRESET電圧の大きさに対して、通常、1/4〜1/1000程度の範囲にあることが好ましい。SET電圧およびRESET電圧の具体的な値は、抵抗変化素子1の構成にもよるが、通常、0.1V〜20V程度の範囲であり、1V〜12V程度の範囲が好ましい。
素子1、即ち、メモリ素子200の電気抵抗値は、素子1(200)の抵抗値(または出力電流値)と、参照素子の参照抵抗値(または参照出力電流値)との差分に基づいて算出することが好ましい。参照抵抗値は、例えば、検出する素子とは別に参照素子を準備し、参照素子に対しても素子1(200)と同様にREAD電圧を印加して得ることができる。このような方法により素子1(200)の電気抵抗値を得るための回路の構成の一例を図7に示す。
図7に示す回路では、素子1(あるいはメモリ素子200)からの出力91を負帰還増幅回路92aにより増幅した出力93と、参照素子94からの出力95を負帰還増幅回路92bにより増幅した出力96とを差動増幅回路97に入力する。そして、差動増幅回路97から得られた出力信号98を用いて、素子1(200)の抵抗を求めることができる。
図8に示すように、2以上のメモリ素子200をマトリクス状に配列することにより、不揮発性でランダムアクセス型の抵抗変化型メモリ(メモリアレイ)300を構築できる。メモリ300では、2以上のビット線32から選ばれる1つのビット線(Bn)と、2以上のワード線33から選ばれる1つのワード線(Wn)とを選択することにより、座標(Bn、Wn)に位置するメモリ素子200aへの情報の記録およびメモリ素子200aからの情報の読出が可能となる。図8に示すように2以上のメモリ素子200をマトリクス状に配列する場合、少なくとも1つのメモリ素子200を参照素子としてもよい。
図9に示すように、パストランジスタ35を用い、2以上の抵抗変化素子1をマトリクス状に配列することによっても、不揮発性でランダムアクセス型の抵抗変化型メモリ(メモリアレイ)301を構築できる。メモリ301では、ビット線32は素子1の上部電極13に接続され、ワード線33は素子1の下部電極11に接続されている。メモリ301では、2以上のビット線32から選ばれる1つのビット線(Bn)に接続されたパストランジスタ35aと、2以上のワード線33から選ばれる1つのワード線(Wn)に接続されたパストランジスタ35bとを選択的にON状態とすることによって、座標(Bn、Wn)に位置する抵抗変化素子1aへの情報の記録、および、抵抗変化素子1aからの情報の読出が可能となる。素子1aの情報を読出すためには、例えば、素子1aの電気抵抗値に対応する電圧である、図9に示す電圧Vを測定すればよい。
図9に示すメモリ301には参照素子群37が配置されている。参照素子群37に接続されたビット線(B0)に対応するパストランジスタ35cを選択的にON状態とし、図9に示す電圧VREFを測定することによって、素子1aの出力と、参照素子群37の出力との差分を検出できる。
また、図9に示すメモリアレイ301では、パストランジスタにより選択されなかった非選択の素子1を参照素子として利用することも可能である。この方法では、パストランジスタにより選択された素子1a周辺の素子の状態を検証しながら、参照素子を適宜設定する必要があるため、メモリアレイとしての動作がやや遅くなることがあるが、メモリアレイの構成をより簡便にできる。
図10に示すように、本発明の抵抗変化素子1に、非線形の電流電圧特性を有する選択素子39(図10では一例としてダイオード)が直列接続されたメモリ素子201とし、2以上の当該メモリ素子201をマトリクス状に配列することによっても、不揮発性でランダムアクセス型の抵抗変化型メモリ(メモリアレイ)302を構築できる。メモリ302では、2以上のビット線32から選ばれる1つのビット線(Bn)と、2以上のワード線33から選ばれる1つのワード線(Wn)とを選択することにより、座標(Bn、Wn)に位置するメモリ素子201aへの情報の記録と、メモリ素子201aからの情報の読出が可能となる。
図10に示すメモリ素子201では、抵抗変化素子1に選択素子39が電気的に直列に接続されており、情報の記録および読出時において選択されなかった素子1の抵抗成分を低減できる。
[抵抗変化素子の製造方法]
本発明の製造方法では、基板上に第1の導電膜を形成した後に(工程(a))、形成した第1の導電膜上に、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜を2以上含み、かつ前記膜の厚さが2nm以下である多層膜を形成する(工程(b))。次に、形成した多層膜上に第2の導電膜を形成し(工程(c))、形成した第1の導電膜、多層膜および第2の導電膜を、微細加工によりパターニングして、第1の導電膜から下部電極を、多層膜から抵抗変化層を、第2の導電膜から上部電極を、それぞれ形成する(工程(d))。本発明の製造方法によれば、上述した本発明の抵抗変化素子を形成できる。
本発明の製造方法では、工程(b)において、タンタルを含む前駆体膜、例えばタンタル膜、を形成した後に、形成した前駆体膜を酸化処理して、タンタルの酸化物からなる膜を形成してもよい(方法1)。
本発明の製造方法では、工程(b)において、タンタルおよび酸素を含む前駆体膜、例えば酸化タンタル(Ta−O)膜、を形成した後に、形成した前駆体膜をさらに酸化処理して、上記前駆体膜よりも酸化の程度が高い、タンタルの酸化物からなる膜を形成してもよい(方法2)。
本発明の製造方法では、工程(b)において、タンタルおよび窒素を含む前駆体膜、例えば窒化タンタル(Ta−N)膜、を形成した後に、形成した前駆体膜を酸化処理して、タンタルの酸窒化物からなる膜を形成してもよい(方法3)。
方法1〜3において形成する前駆体膜の上記例に着目すると、方法1〜3は、タンタル、酸化タンタルおよび窒化タンタルから選ばれる少なくとも1つを含む前駆体膜を形成した後に、形成した前駆体膜を酸化処理して、当該前駆体膜よりも酸化の程度が高い、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜を形成する方法であるともいえる。
方法1〜3では、厚さ2nm以下の前駆体膜を形成してもよく、この場合、厚さ2nm以下の、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜をより確実に形成できる。また、前駆体膜の厚さが2nm以下である場合、酸化処理により、当該前駆体膜をより均一に酸化でき、例えばウェハ基板上に複数の素子を形成する場合においても、形成した素子間の特性のバラツキをさらに抑制でき、より安定かつ均一な特性を有する素子を実現できる。
方法1〜3では、前駆体膜を形成する工程と、形成した前駆体膜を酸化処理する工程とを含む、前駆体膜形成−酸化処理サイクルを2回以上繰り返すことにより、上記多層膜を形成してもよい。このとき、上記サイクル間で前駆体膜の酸化処理の程度を変化させて、酸化の程度が互いに異なる上記膜を含む上記多層膜を形成してもよい。このとき、例えば、隣接する2つの上記膜の酸化の程度が互いに異なるように、前駆体膜形成−酸化処理サイクルを繰り返してもよい。
方法1〜3では、厚さ2nm以下の前駆体膜を形成する工程と、形成した前駆体膜を酸化処理する工程とを含む前駆体膜形成−酸化処理サイクルを2回以上繰り返すことにより、上記多層膜を形成してもよい。このようにタンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜を少しずつ形成することにより、所望の構成を有する緻密な多層膜(抵抗変化層)の形成が容易となる他、多層膜(抵抗変化層)の形成時間の短縮を図ることができる。
前駆体膜を酸化処理する方法は特に限定されず、例えば、酸化剤、典型的には酸素ガス、酸素プラズマおよびオゾンから選ばれる少なくとも1つ、を含む雰囲気下において前駆体膜を自然酸化させればよく、より具体的な例としては、上記雰囲気下にある槽(チャンバー)内に前駆体膜を収容して当該膜の酸化処理を行えばよい。
このとき、前駆体膜の形成と、形成した前駆体膜の酸化処理とを、異なる槽内において別個に実施してもよい。本発明の抵抗変化素子を製造するプロセス時間の一層の短縮を図ることができる他、当該素子のより安定した製造が可能となる。
例えば、図11Aに示すように、ウェハ基板を複葉にて待機可能な準備槽142から、当該基板を搬送路146を介して成膜槽143に搬送し、成膜槽143内において基板上に前駆体膜を形成した後、前駆体膜を形成した基板を、搬送路146、準備槽142、および搬送路145を介して酸化槽141に搬送して、前駆体膜の酸化処理を行ってもよい。また図11Bに示すように、酸化槽141および成膜槽143を搬送路149によって直接連結すれば、前駆体膜形成−酸化処理サイクルをより効率よく実施でき、素子の製造プロセス時間の一層の短縮を図ることができる。
方法1〜3では、前駆体膜の酸化処理を、前駆体膜が形成された2以上の基板、例えばウェハ基板、に対して、一括して行ってもよい。本発明の抵抗変化素子の製造プロセス時間の一層の短縮を図ることができる。
工程(a)および工程(c)では、上述した本発明の素子1における下部電極11および上部電極13を構成する材料と同一の材料からなる第1および第2の導電膜を形成すればよい。
工程(b)では、式TaOx(xは、0.5≦x<2.5を満たす数値である)により示される組成を有するタンタルの酸化物、または、式TaNyx(xおよびyは、それぞれ、0.5≦x<2.5、0<y<1)を満たす数値である)により示される組成を有するタンタルの酸窒化物からなる膜を2以上含む多層膜を形成することが好ましい。
工程(a)〜(c)は、半導体の製造プロセスを応用し、一般的な薄膜形成プロセスおよび微細加工プロセスを応用して実施できる。例えば、パルスレーザーデポジション(PLD)、イオンビームデポジション(IBD)、クラスターイオンビーム、およびRF、DC、電子サイクロトン共鳴(ECR)、ヘリコン、誘導結合プラズマ(ICP)、対向ターゲットなどの各種スパッタリング法、分子線エピタキシャル法(MBE)などの蒸着法、イオンプレーティング法などを用いればよい。これらPVD(Physical Vapor Deposition)法の他に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、メッキ法、MOD(Metal Organic Decomposition)法、あるいは、ゾルゲル法などを用いてもよい。工程(b)における前駆体膜、および、本発明の素子を備えるメモリなどのデバイスについても、上記方法によって、あるいは、上記方法と他の公知の方法とを組み合わせることによって、形成できる。
工程(d)における微細加工は、例えば、半導体製造プロセスや磁性デバイス(GMRやTMRなどの磁気抵抗素子など)製造プロセスに用いられる方法を適用して実施できる。具体的には、イオンミリング、RIE(Reactive Ion Etching)、FIB(Focused Ion Beam)などの物理的あるいは化学的エッチング法、および、微細パターン形成のためのステッパー、EB(Electron Beam)法などを用いたフォトリソグラフィー技術を組み合わせて用いればよい。各層の表面の平坦化には、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)、クラスター−イオンビームエッチングなどを用いればよい。
工程(b)において、前駆体膜を形成した後に当該膜の酸化処理を行う場合、酸化処理は、例えば、酸素の、原子、分子、イオンまたはラジカルなどを含む雰囲気下で行えばよい。なお、酸素のプラズマやラジカルを発生させる手段として、ECR放電、グロ−放電、RF放電、ヘリコンあるいはICPなどの公知の手段を適用できる。
本発明の製造方法では、必要に応じて、工程(a)〜(d)の間に任意の工程を行ってもよい。
本発明の抵抗変化素子および当該素子を含むメモリ素子の製造方法の一例を、図12A〜図12Gに示す。
最初に、図12Aに示すように、半導体からなる基板20上に、ゲート絶縁膜22およびゲート電極23を形成した後、基板20におけるゲート電極23の両側に、一対の不純物拡散層(ソース電極24およびドレイン電極25に相当)を形成し、トランジスタ21を形成する。次に、形成したトランジスタ21の周囲に素子分離層29を形成した後、基板20の表面に、トランジスタ21を覆うように第1の保護絶縁膜103を堆積させる。第1の保護絶縁膜103は、例えば、オゾンTEOSからなればよい。オゾンTEOSとは、TEOS(Tetra ethyl ortho silicate)およびオゾンから形成したSiO2膜である。次に、堆積させた第1の保護絶縁膜103に対して選択的にエッチングを行って、一対の不純物拡散層の一方(図12Aでは、ドレイン電極25)が露出するように、プラグ用開口部104を形成する。
次に、図12Bに示すように、第1の保護絶縁膜103の表面に、バリアメタル105およびプラグメタル106を順に堆積させる。バリアメタル105には、例えば、チタン膜と窒化チタン膜とからなる積層体を用いればよく、プラグメタル106には、例えば、タングステンなどの導電性に優れる材料を用いればよい。プラグメタル106は、プラグ用開口部104を充填するように堆積させればよい。次に、堆積させたバリアメタル105およびプラグメタル106における第1の保護絶縁膜103上の部分をCMPなどにより除去し、ドレイン電極25と電気的に接続された、図12Cに示すプラグ27を形成する。
次に、図12Cに示すように、プラグ27および第1の保護絶縁膜103の表面に、第1の導電膜151、多層膜152および第2の導電膜153を順に形成する。第1および第2の導電膜151、153、ならびに多層膜152の形成は、上記説明した工程(a)〜(c)に従えばよい。第1の導電膜151は、プラグ27との間に電気的な接続が確保されるように形成すればよい。
次に、図12Dに示すように、第1の導電膜151、多層膜152および第2の導電膜153を、微細加工によりパターニングして、第1の導電膜151から下部電極11を、多層膜152から抵抗変化層12を、第2の導電膜153から上部電極13を形成し、プラグ27側から下部電極11、抵抗変化層12および上部電極13が順に積層された抵抗変化素子1とする。
次に、図12Eに示すように、第1の保護絶縁膜103上に、下部電極11、抵抗変化層12および上部電極13を覆うように、第2の保護絶縁膜111を堆積させる。第2の保護絶縁膜111は、例えばオゾンTEOSからなればよい。
次に、図12Fに示すように、第2の保護絶縁膜111の表面をCMPなどにより平坦化した後、第2の保護絶縁膜111に対して選択的にエッチングを行ってプラグ用開口部130を形成する。開口部130は、上部電極13が露出するように形成すればよい。
次に、図12Gに示すように、第2の保護絶縁膜111の表面に密着用メタル107および配線用メタル108を順に堆積させ、ビット線32と、ビット線32および上部電極13を電気的に接続するプラグ30を形成する。
密着用メタル107には、例えば、窒化タンタルを用いればよく、配線用メタル108には、例えば、タングステン、タンタル、銅、アルミニウムなどを用いればよい。
配線用メタル108は、開口部130を充填するように、かつ、ビット線32が形成されるように堆積させればよい。このようにして、図5に示すメモリ素子200を形成できる。なお、第1の保護絶縁膜103および第2の保護絶縁膜111は、図5に示す層間絶縁層28となる。
本発明の抵抗変化素子および当該素子を含むメモリ素子の製造方法の一例を、図13A〜図13Hに示す。
最初に、図13Aに示すように、図12A〜図12Bに示す工程と同様にして、MOS−FETであるトランジスタ21が形成された基板20の表面に第1の保護絶縁膜103および水素バリア層18を堆積し、堆積した第1の保護絶縁膜103の一部の領域に、トランジスタ21のドレイン電極25と電気的に接続されたプラグ27、および、トランジスタ21のソース電極24と電気的に接続されたプラグ26を形成する。プラグ26は、プラグ27と同様に形成すればよい。水素バリア層18には、SiNあるいはTiAlOなどを好適に用いることができる。
次に、図13Bに示すように、水素バリア層18、プラグ27およびプラグ26上に第1の導電膜151を形成する。
次に、図13Cに示すように、第1の導電膜151を、プラグ27直上の部分を除いてエッチングなどにより除去する。
次に、図13Dに示すように、プラグ26の表面に、プラグ26との電気的な接続が確保されるように、ソース電極24と後に形成されるビット線32とを接続するための電極40を形成する。電極40は、基本的に、導電性を有する材料からなればよい。
次に、図13Eに示すように、水素バリア層18上に、第1の導電膜151および電極40を覆うように第2の保護絶縁膜111を堆積させた後に、図13Fに示すように、第2の保護絶縁膜111の表面をCMPなどにより平坦化して、第1の導電膜151および電極40を露出させる。
次に、図13Gに示すように、第2の保護絶縁膜111、第1の導電膜151および電極40上に、多層膜152および第2の導電膜153を形成する。第1および第2の導電膜151、153、ならびに多層膜152の形成は、上記説明した工程(a)〜(c)に従えばよい。
次に、図13Hに示すように、第1の導電膜151、多層膜152および第2の導電膜153を、微細加工によりパターニングして、第1の導電膜151から下部電極11を、多層膜152から抵抗変化層12を、第2の導電膜153から上部電極13を形成し、プラグ27側から下部電極11、抵抗変化層12および上部電極13が順に積層された抵抗変化素子1とする。
次に、図13Iに示すように、第2の保護絶縁膜111および電極40上に、抵抗変化素子1を覆うように、第3の保護絶縁膜112を形成する。
次に、図13Jに示すように、第2の保護絶縁膜111および第3の保護絶縁膜112のうち、素子1および電極40の周囲以外の部分を、水素バリア層18が露出するようにエッチングにより除去する。
次に、全体に水素バリア層19を堆積させた後、図13Kに示すように、水素バリア層19における素子1の周囲以外の部分をエッチングにより除去して、水素バリア層18および19により素子1を被覆する。水素バリア層19には、SiN、TiAlO、TiAlN、TiAlONなどを好適に用いることができる。
次に、全体に第4の保護絶縁膜116を形成し、その表面をCMPなどにより平坦化した後、第4の保護絶縁膜116に対して選択的にエッチングを行ってプラグ用開口部114を形成する(図13L)。開口部114は、電極40が露出するように形成すればよい。
次に、図13Mに示すように、第4の保護絶縁膜116の表面に密着用メタル107および配線用メタル108を順に堆積し、ビット線32と、ビット線32と電極40とを電気的に接続するプラグ115を形成して、メモリ素子202を形成できる。配線用メタル108は、プラグ用開口部114を充填するように、かつ、ビット線32が形成されるように堆積すればよい。
メモリ素子202では、上部電極13は、プラグ27と同様に水素バリア18を貫通するプラグ(図示せず)によって、素子の下部にある電極(図示せず)に電気的に接続されている。
図13A〜図13Mに示す製造方法によって形成されたメモリ素子は、高いパッシベーション効果を有する。このとき下部電極11(第1の導電膜151)に、水素暴露に対する耐性が高い、Ti−Al合金の窒化物、あるいは、その積層体を用いることで、より高いパッシベーション効果を得ることができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
(実施例1)
実施例1では、Si基板(8インチウェハー)上に、図1に示す構造を有する抵抗変化素子1を作製し、その抵抗変化特性を評価した。また、基板上に上記素子1を複数作製し、素子間の特性の面内バラツキを評価した。素子1は、図14A〜図14Gに示す方法により作製した。
最初に、表面に熱酸化膜(SiO2膜)が形成されたSi基板20上に、ポリシリコンからなる配線50を作製した。配線50の配線幅は、典型的には10μmとした。次に、基板20上に、配線50を覆うように、オゾンTEOSからなる第1の保護絶縁膜103を堆積させ、その表面をCMPにより平坦化した後に、第1の保護絶縁膜103に対して選択的にエッチングを行って、配線50の少なくとも一部が露出するプラグ用開口部104を形成した(ここまで図14A)。
次に、第1の保護絶縁膜103の表面に、チタン/窒化チタンからなるバリアメタル105を堆積させ、堆積させたバリアメタル105上に、タングステンからなるプラグメタル106を、開口部104を充填するように堆積させた(ここまで図14B)。
次に、CMPにより、開口部104の外側に露出しているバリアメタル105およびプラグメタル106を除去し、図14Cに示す、配線50と電気的に接続されたプラグ27を形成した。次に、プラグ27および第1の保護絶縁膜103の表面に、第1の導電膜151として窒化タンタル膜(厚さ50nm)を形成し、形成した窒化タンタル膜上に、前駆体膜としてタンタル膜(厚さ2nm)を形成した。
窒化タンタル膜は、Taをターゲットとして用い、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.1Paのアルゴン−窒素混合雰囲気下(窒素:アルゴン(分圧比)=約4:1)にて、Si基板の温度を0〜400℃(主に350℃)とした上で、印加電力をDC4kWとして形成した。タンタル膜は、Taをターゲットとして用い、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.7Paのアルゴン雰囲気下にて、Si基板の温度を100℃以下とした上で、印加電力をDC4kWとして形成した。なお、窒化タンタル膜およびタンタル膜は、同じ成膜槽内で形成した。
次に、第1の導電膜である窒化タンタル膜、および前駆体膜であるタンタル膜を形成した基板を、成膜槽とは異なる槽である酸化槽へ真空搬送により搬送し、酸化槽にて、前駆体膜の酸化処理を実施した。酸化処理は、酸素ガス雰囲気下(圧力100Pa、酸素ガス濃度が99体積%)において、Si基板の温度を200℃とした上で、処理時間5分間の自然酸化により行った。次に、基板を再び上記成膜槽に戻し、酸化処理した前駆体膜上に、新たに厚さ2nmの前駆体膜(タンタル膜)を上記と同じ条件で形成した。その後、酸化処理および新たな前駆体膜の形成を上記と同様に繰り返し、タンタルの酸化物からなる厚さ2nmの3つの膜が積層された多層膜152を形成した。
次に、形成した多層膜152上に、第2の導電膜153として窒化タンタル膜(厚さ50nm)を、第1の導電膜151と同様に形成した(ここまで図14C)。
次に、第1の導電膜151、多層膜152および第2の導電膜153を、微細加工によりパターニングして、第1の導電膜151から下部電極11を、多層膜152から抵抗変化層12を、第2の導電膜153から上部電極13を形成し、図14Dに示す抵抗変化素子1とした。
次に、図14Eに示すように、第1の保護絶縁膜103上に、素子1を覆うように、オゾンTEOSからなる第2の保護絶縁膜111を堆積させた。
次に、図14Fに示すように、第2の保護絶縁膜111の表面をCMPおよびドライエッチングにより平坦化した後、第2の保護絶縁膜111に対して選択的にエッチングを行って、上部電極13が露出するプラグ用開口部130を形成した。
次に、図14Gに示すように、第2の保護絶縁膜111の表面に、窒化タンタルからなる配線用メタルを、開口部130を充填するように堆積させて、配線51、および、上部電極13と電気的に接続したプラグ30を形成した。この評価用サンプル(サンプル1−1)には、基板20上に素子1を約10000個形成した。
サンプル1−1において形成した素子1の接合面積は、0.21μm2とした。
ここで、サンプル1−1の作製とは別に、上記前駆体膜の酸化処理方法と同様の方法でタンタル膜を酸化処理したときに、当該膜がどの程度酸化されるかについて評価を行った。評価方法は以下の通りである。最初に、表面にSiN膜が形成されたSi基板上に、上記前駆体膜の形成方法と同様の方法により、厚さ100nmのタンタル膜を形成した。次に、上記前駆体膜の酸化処理と同様の方法により、形成したタンタル膜の酸化処理を行った。酸化処理後のタンタル膜の構成を、X線反射測定およびラザフォード後方散乱分析(RBS)により評価したところ、表面から厚さ2nmの範囲で、式TaOx1(x1は1.2から1.8の範囲で典型的には1.5)により示される組成(以下「TaO1.5」と示す)を有するタンタル酸化物が形成されていた。このことから、サンプル1−1で形成した素子1の抵抗変化層12は、TaO1.5からなる3つの膜が積層された多層膜構造を有する、と考えられる。
次に、サンプル1−1で形成した素子1に対し、図6に示すようにパルス状のSET電圧、RESET電圧およびREAD電圧を印加し、その抵抗変化比を評価した。
抵抗変化比の評価は以下のようにして行った。パルスジェネレータを用いて、配線50と配線51との間にパルス電圧を印加できるようにし、RESET電圧として3V(正バイアス電圧)を、SET電圧として−3V(負バイアス電圧)を、READ電圧として0.03V(正バイアス電圧)を印加した。各電圧のパルス幅は100ns(ナノ秒)とした。SET電圧またはRESET電圧を印加した後、READ電圧の印加により読み出した電流値からサンプルの電気抵抗値を算出し、算出した電気抵抗値のうち高抵抗状態の値をRHIGH、低抵抗状態の値をRLOWとして、以下の式から抵抗変化比を求めた。
抵抗変化比=(RHIGH−RLOW)/RLOW
なお、抵抗変化比の評価は、サンプル1−1で形成した全ての素子に対して行い、その平均値を、サンプル1−1における抵抗変化比とした。また、その標準偏差値を平均値で除した値を、サンプル1−1における抵抗変化比の面内バラツキの値とした。抵抗変化比および面内バラツキの評価方法は、以降の実施例2〜4においても同様である。
また、サンプル1−1で形成した素子1の抵抗変化比の評価とは別に、その繰り返し特性およびRHIGH保持特性を求めた。繰り返し特性は、素子の抵抗変化比が劣化しない、SET/RESET動作の繰り返し回数により表され、当該回数が大きいほど、耐久性に優れる素子であるといえる。RHIGH保持特性とは、高抵抗状態にある素子を125℃の高温雰囲気下に保持したときに、素子の抵抗値の変化が初期値の25%以内に保持されている時間により表され、この時間が長いほど、耐熱性に優れる素子であるといえる。
評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2009021524
表1に示すように、サンプル1−1では、10倍以上の抵抗変化比と、0.2以下の低い面内バラツキ、ならびに、優れた繰り返し特性およびRHIGH保持特性を実現できた。
これとは別に、素子1の接合面積を0.01〜25μm2の範囲で変化させた以外はサンプル1−1と同様に作製したサンプル1−2〜1−5に対し、サンプル1−1と同様にして、その抵抗変化比および面内バラツキの評価を行った。
評価結果を以下の表2に示す。
Figure 2009021524
表2に示すように、サンプル1−2〜1−5では、接合面積の違いによる抵抗変化比の差はほとんど見られなかったが、接合面積が小さいほど、基板内の面内バラツキが小さくなった。これは、接合面積が大きくなるに従い、素子1を構成する各層の接合面の端部近傍に電流が集中することで、電気的なリークまたはショートが生じやすくなるためではないかと考えられる。この結果より、素子の接合面積は、0.25μm2以下が好ましいことがわかった。
一方、サンプル1−1〜1−5とは別に、Ta25(即ちTaO2.5)またはTaO2からなる単層構造の抵抗変化層を有する素子1とした以外は、サンプル1−4と同様にして作製したサンプルA−1〜A−3(いずれも比較例)に対し、サンプル1−1と同様にして、その抵抗変化比の評価、ならびに、抵抗変化比が得られた場合はその面内バラツキの評価を行った。評価結果を以下の表3に示す。
なお、サンプルA−1〜A−3における素子の抵抗変化層は、ターゲットとしてTa25を用いたマグネトロンスパッタリング法により、圧力0.6Paの酸素−アルゴン混合雰囲気下(酸素:アルゴン(分圧比)=1:4)において、Si基板の温度を室温〜400℃(主に200℃)とし、印加電力をRF100Wとして形成した。
Figure 2009021524
表3に示すように、TaO2.5の単層構造からなる抵抗変化層を有する素子を形成したサンプルA−1、A−2では、素子の抵抗値が数MΩ以上と高く、抵抗変化現象を観察することができなかった。TaO2の単層構造からなる抵抗変化層を有する素子を形成したサンプルA−3では、最大10倍以上の抵抗変化比を素子によっては得ることができたが、面内バラツキが0.5以上、典型的には0.8〜0.9程度と、サンプル1−1〜1〜5に比べて大きくなった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1のサンプル1−1と同様にして、Si基板(8インチウェハー)上に、図3に示す構造を有する抵抗変化素子1を作製し、その抵抗変化特性と面内バラツキとを評価した。実施例2で作製したサンプルは、サンプル2−1、2−2の2つである。
作製した素子1の抵抗変化層12は、サンプル1−1の作製時に実施した前駆体膜形成−酸化処理サイクルを繰り返して形成した。酸化処理は、前駆体膜(タンタル膜)が、TaO1.5からなる膜(厚さ2nm)となるように行い、繰り返し回数は、サンプル2−1では5回、サンプル2−2では10回とした。即ち、サンプル2−1の抵抗変化層は、TaO1.5からなる5つの膜が積層された多層膜構造を有し、サンプル2−2の抵抗変化層は、TaO1.5からなる10の膜が積層された多層膜構造を有する。
前駆体膜であるタンタル膜をTaO1.5からなる膜とするための酸化処理は、Si基板の温度を200℃とし、圧力100Paおよび濃度99体積%の酸素ガス雰囲気下において、処理時間5分間の自然酸化により行った。
サンプル2−1、2−2において形成した素子1の接合面積は、0.01〜0.25μm2の範囲とした。
評価結果を、以下の表4に示す。なお、表4における「抵抗変化層が含む膜の組成/厚さ/積層数」の欄は、各サンプルにおいて形成した素子1の抵抗変化層の構成を示し、例えば、サンプル2−1において形成した素子1の抵抗変化層は、TaO1.5からなる厚さ2nmの膜が5層積層された構成を有することを意味する。以降の表6においても同様に、形成した素子1の抵抗変化層の構成を示す。
Figure 2009021524
表4に示すように、5以上の上記膜を含む抵抗変化層とした場合においても、10倍以上の抵抗変化比と、0.4以下の低い面内バラツキを実現できた。
(実施例3)
実施例3では、実施例1のサンプル1−1と同様にして、Si基板(8インチウェハー)上に、図1または図3に示す構造を有する抵抗変化素子1を作製し、その抵抗変化特性と面内バラツキとを評価した。実施例3で作製したサンプルは、サンプル3−1〜3−4の4つである。
作製した素子1の抵抗変化層12は、サンプル1−1の作製時に実施した前駆体膜形成−酸化処理サイクルを繰り返して形成した。酸化処理は、前駆体膜(タンタル膜)が、TaO1.5からなる膜、式TaOx2(x2は、1.9〜2.1の範囲で典型的には2)で示される組成(以下「TaO2」と示す)を有するタンタル酸化物からなる膜、または、式TaOx3(x3は、1.0〜1.4の範囲で典型的には1.2)で示される組成(以下「TaO1.2」と示す)を有するタンタル酸化物からなる膜(厚さ2nm)、となるように行った。
前駆体膜であるタンタル膜を、上記各組成を有するタンタル酸化物からなる膜とするための酸化処理の条件は、以下の通りであった;TaO1.5膜とする場合、Si基板の温度を200℃とし、圧力100Paおよび濃度99体積%の酸素ガス雰囲気下において、5分間の自然酸化;TaO2膜とする場合、Si基板の温度を200℃とし、圧力100Paおよび濃度99体積%の酸素ガス雰囲気下において、15分間の自然酸化;TaO1.2膜とする場合、Si基板の温度を200℃とし、圧力100Paおよび濃度99体積%の酸素ガス雰囲気下において、1.5分間の自然酸化。この酸化処理の条件は、実施例1で実施した、厚さ100nmのタンタル膜の酸化実験により確認した。
サンプル3−1〜3−4において形成した素子1の接合面積は、0.01〜0.25μm2の範囲とした。
評価結果を以下の表5に示す。なお、表5における「抵抗変化層が含む膜の組成/厚さ/積層数」の欄は、各サンプルにおいて形成した素子1の抵抗変化層の構成を示し、例えば、サンプル3−1の抵抗変化層は、下部電極11側から順に、TaO2膜(厚さ2nm)が1層と、TaO1.5膜(厚さ2nm)が2層積層された多層膜構造を有する。
Figure 2009021524
表5に示すように、いずれのサンプルにおいても、10倍以上の抵抗変化比と、0.4以下の低い面内バラツキを実現できた。なお、サンプル3−4の面内バラツキは、サンプル3−1の面内バラツキよりも大きくなったが、これは、抵抗変化層の多膜化により、膜内の酸化物の組成の均一性がわずかに低下することが要因であると推定される。
(実施例4)
実施例4では、実施例1のサンプル1−1と同様にして、Si基板(8インチウェハー)上に、図1に示す構造を有する抵抗変化素子1を作製し、その抵抗変化特性および面内バラツキを評価した。実施例4で作製したサンプルは、サンプル4−1の1つである。
作製した素子1の抵抗変化層12は、サンプル1−1の作製時に実施した前駆体膜形成−酸化処理サイクルを繰り返して形成した。ただし、前駆体膜として窒化タンタル(TaN)膜を用い、酸化処理は、前駆体膜としてタンタル膜を用いたときに、TaO1.5からなる膜が形成される条件と同一の条件(Si基板の温度を200℃とし、圧力100Paおよび濃度99体積%の酸素ガス雰囲気下において、5分間の自然酸化)で行った。このような酸化処理では、窒化タンタル中の窒素が欠損しながら酸化が進むと考えられるため、式TaNy11.5(y1は1未満)で示される組成を有するタンタルの酸窒化物からなる膜が形成されると考えられる。
前駆体膜であるTaN膜は、ターゲットとしてTaを用いたマグネトロンスパッタリングにより、圧力0.1Paの窒素−アルゴン混合雰囲気下(窒素:アルゴン(分圧比)=約4:1)にて、Si基板の温度を0〜400℃(主に350℃)とした上で、印加電力をDC4kWとして形成した。
サンプル4−1において形成した素子1の接合面積は、0.25μm2とした。
評価結果を以下の表6に示す。
Figure 2009021524
表6に示すように、サンプル4−1では、0.1以下の非常に小さい面内バラツキを実現できた。サンプル4−1において、このような特性が実現できた詳細な原因は不明だが、前駆体膜として窒化タンタル膜を用いた場合、当該膜に含まれる窒素が、ある程度、酸素により置換されながら酸化反応が進むと考えられ、金属タンタルからなる前駆体膜を用いた場合に比べて、酸化に伴う膜の体積膨張が小さく、このことが面内バラツキの低減に好影響を与えるのではないかと推定される。
また、前駆体膜の酸化処理を、酸素プラズマ雰囲気下、あるいはオゾン雰囲気下で行った場合にも、同様の結果が得られた。
(実施例5)
実施例5では、図5に示す構造を有する、抵抗変化素子1を備えるメモリ素子200を作製し、その抵抗変化特性を評価した。評価した素子200は、上述した図12A〜図12Gに示す方法により作製し、素子1の抵抗変化層12は、実施例4のサンプル4−1において作製した素子1の抵抗変化層と同様とした。
第1の保護絶縁膜103は、厚さ400nmのオゾンTEOS膜とした。バリアメタル105はチタン膜と窒化チタン膜との積層体とし、プラグメタル106はタングステン膜とした。
第1の導電膜151(下部電極11)は、基板20側から順にTiAlN膜およびPt膜を堆積させたTiAlN/Pt膜(合計の厚さ100nm)とした。TiAlN膜は、Ti70Al30合金をターゲットとして用い、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.1Paの窒素−アルゴン混合雰囲気下(窒素:アルゴン(分圧比)=約4:1)にて、Si基板の温度を0〜400℃(主に350℃)とした上で、印加電力をDC4kWとして形成した。Pt膜は、TiAlN膜を形成した槽と同じ槽内において、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.7Paのアルゴン雰囲気下にて、Si基板の温度を27℃とした上で、印加電力をRF100Wとして形成した。
多層膜152(抵抗変化層12)は、実施例4のサンプル4−1と同様に形成した。
第2の導電膜152(上部電極13)は、Pt膜(厚さ50nm)とし、当該膜は、マグネトロンスパッタリング法により、圧力0.7Paのアルゴン雰囲気下にて、Si基板の温度を27℃とした上で、印加電力をRF100Wとして形成した。
第2の保護絶縁膜111は厚さ800nmのTEOS膜とした。密着用メタル107は厚さ10nmの窒化チタン膜とし、配線用メタル108は厚さ300nmのアルミニウム膜とした。
なお、メモリ素子200の作製にあたっては、密着用メタル107および配線用メタル108によりビット線32を形成した後(図12G参照)、窒素ガス中において、400℃のシンタリング処理(熱処理)を10分間行った。
このようにして作製したメモリ素子(サンプル5−1)に対して、図6に示すようにパルス状のSET電圧、RESET電圧およびREAD電圧を印加し、その抵抗変化比を評価した。評価は、ゲート電極23への電圧印加によってトランジスタ21をON状態とし、ソース電極24と上部電極13との間にパルス状の電圧を印加して、素子から出力される電流値を測定することによって行った。このとき、図6に示すRESET電圧を3.5V(正バイアス電圧)とし、SET電圧を−3.5V(負バイアス電圧)とし、READ電圧を0.05V(正バイアス電圧)とした。各電圧のパルス幅は100ns(ナノ秒)とした。なお、素子の抵抗値は、参照電流値と素子の出力電流値との差分値に基づいて算出した。参照電流値は、対象の素子とは別に配置した参照抵抗に、素子に印加したREAD電圧と同様の電圧を印加することによって得た。素子から出力される電流値から、素子の抵抗変化比を求める方法は、実施例1と同様とした。
評価の結果、サンプル5−1は10倍以上の抵抗変化比を示し、104回以上のSET電圧およびRESET電圧の印加によっても、その機能を失わなかった。
次に、サンプル5−1を、図8に示すようにマトリクス状(4×4)に配列して16ビットのメモリアレイ300を構築し、当該メモリアレイの動作確認を行ったところ、ランダムアクセス型の半導体メモリとしての動作を確認できた。
本発明によれば、タンタルを含む抵抗変化層を有しながら、例えばウェハ基板上に複数の素子を形成する場合においても、素子間の特性のバラツキを低減でき、安定かつ均一な特性の実現が可能な構成を有する抵抗変化素子を提供できる。この素子は微細化による悪影響を受けにくく、高集積性に優れる。本発明の抵抗変化素子を用いた電子デバイスとしては、例えば、情報通信端末、デジタル家電などに使用される不揮発性メモリ、スイッチング素子、センサ、画像表示装置などが挙げられる。
本発明の抵抗変化素子の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子の別の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子の別の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子の別の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子の別の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子の別の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリ素子の構成の一例を模式的に示す回路図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリ素子の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリ素子における情報の記録および読出方法の一例を説明するための図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリ素子における情報の記録および読出方法の一例を説明するための図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリアレイの一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリアレイの別の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリアレイの別の一例を示す模式図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法における、前駆体膜の形成方法、および当該前駆体膜の酸化処理方法の一例を説明するための図である。 本発明の抵抗変化素子の製造方法における、前駆体膜の形成方法、および当該前駆体膜の酸化処理方法の別の一例を説明するための図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリ素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 図12Aの工程に続く工程を示す図である。 図12Bの工程に続く工程を示す図である。 図12Cの工程に続く工程を示す図である。 図12Dの工程に続く工程を示す図である。 図12Eの工程に続く工程を示す図である。 図12Fの工程に続く工程を示す図である。 本発明の抵抗変化素子を備えるメモリ素子の製造方法の別の一例を模式的に示す工程図である。 図13Aの工程に続く工程を示す図である。 図13Bの工程に続く工程を示す図である。 図13Cの工程に続く工程を示す図である。 図13Dの工程に続く工程を示す図である。 図13Eの工程に続く工程を示す図である。 図13Fの工程に続く工程を示す図である。 図13Gの工程に続く工程を示す図である。 図13Hの工程に続く工程を示す図である。 図13Iの工程に続く工程を示す図である。 図13Jの工程に続く工程を示す図である。 図13Kの工程に続く工程を示す図である。 図13Lの工程に続く工程を示す図である。 実施例において作製した本発明の抵抗変化素子を備えるメモリ素子の製造方法を模式的に示す工程図である。 図14Aの工程に続く工程を示す図である。 図14Bの工程に続く工程を示す図である。 図14Cの工程に続く工程を示す図である。 図14Dの工程に続く工程を示す図である。 図14Eの工程に続く工程を示す図である。 図14Fの工程に続く工程を示す図である。
符号の説明
1、1a 抵抗変化素子
10 基板
11 下部電極
12 抵抗変化層
13 上部電極
14、14a、14b、14c、14x (タンタルの酸化物または酸窒化物からなる)膜
15 電極
16 絶縁層
18 水素バリア層
19 水素バリア層
20 基板
21 トランジスタ
22 ゲート電極
23 ゲート絶縁膜
24 ソース電極
25 ドレイン電極
27 プラグ
28 層間絶縁層
29 素子分離部
30 プラグ
32 ビット線
33 ワード線
35、35a、35b、35c パストランジスタ
37 参照素子群
39 選択素子
40 電極
50 配線
91 (素子1、メモリ素子200からの)出力
92a、92b 負帰還増幅回路
93 (負帰還増幅回路92aからの)出力
94 参照素子
95 (参照素子94からの)出力
96 (負帰還増幅回路92bからの)出力
97 差動増幅回路
98 (差動増幅回路97からの)出力信号
103 第1の保護絶縁膜
104 (プラグ用)開口部
105 バリアメタル
106 プラグメタル
107 密着用メタル
108 配線用メタル
111 第2の保護絶縁膜
112 第3の保護絶縁膜
115 プラグ
116 第4の保護絶縁膜
130 (プラグ用)開口部
141 酸化槽
142 準備槽
143 成膜槽
145、146、149 搬送路
151 第1の導電膜
152 多層膜
153 第2の導電膜
200、201、202、203 メモリ(素子)
200a、201a メモリ(素子)
300、301、302 メモリ(アレイ)

Claims (19)

  1. 基板と、前記基板上に配置された下部電極および上部電極と、前記下部電極と前記上部電極との間に配置された抵抗変化層と、を含み、
    前記下部電極と前記上部電極との間の電気抵抗値が異なる2以上の状態が存在し、
    前記下部電極と前記上部電極との間に駆動電圧または電流を印加することにより、前記2以上の状態から選ばれる1つの状態から他の状態へと変化する抵抗変化素子であって、
    前記抵抗変化層は、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜を2以上含み、かつ前記膜の厚さが2nm以下である多層膜構造を有する抵抗変化素子。
  2. 前記酸化物が、式TaOx(xは、0.5≦x<2.5を満たす数値である)により示される組成を有する請求項1に記載の抵抗変化素子。
  3. 前記酸窒化物が、式TaNyx(xおよびyは、それぞれ、0.5≦x<2.5、0<y<1)を満たす数値である)により示される組成を有する請求項1に記載の抵抗変化素子。
  4. 前記抵抗変化層は、酸化の程度が互いに異なる前記膜を含む請求項1に記載の抵抗変化素子。
  5. 前記抵抗変化層は、前記下部電極および前記上部電極から選ばれる少なくとも1つの電極に接している請求項1に記載の抵抗変化素子。
  6. 前記抵抗変化層は、前記下部電極および前記上部電極の双方に接している請求項1に記載の抵抗変化素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の抵抗変化素子を含むメモリ素子を備える抵抗変化型メモリ。
  8. 2以上の前記メモリ素子がマトリクス状に配置されている請求項7に記載の抵抗変化型メモリ。
  9. 前記メモリ素子が、前記抵抗変化素子に接続された選択素子をさらに含む請求項7または8に記載の抵抗変化型メモリ。
  10. 請求項1に記載の抵抗変化素子の製造方法であって、
    (a)基板上に、第1の導電膜を形成する工程と、
    (b)前記第1の導電膜上に、タンタルの酸化物または酸窒化物からなる膜を2以上含み、かつ前記膜の厚さが2nm以下である多層膜を形成する工程と、
    (c)前記多層膜上に、第2の導電膜を形成する工程と
    (d)形成した前記第1の導電膜、前記多層膜および前記第2の導電膜を微細加工して、前記第1の導電膜から下部電極を、前記多層膜から抵抗変化層を、前記第2の導電膜から上部電極を、それぞれ形成する工程と、を含む抵抗変化素子の製造方法。
  11. 前記工程(b)において、
    タンタルを含む前駆体膜を形成した後に、形成した前記前駆体膜を酸化処理して、タンタルの酸化物からなる前記膜を形成する、請求項10に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  12. 前記工程(b)において、
    タンタルおよび酸素を含む前駆体膜を形成した後に、形成した前記前駆体膜を酸化処理して、前記前駆体膜よりも酸化の程度が高い、タンタルの酸化物からなる前記膜を形成する、請求項10に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  13. 前記工程(b)において、
    タンタルおよび窒素を含む前駆体膜を形成した後に、形成した前記前駆体膜を酸化処理して、タンタルの酸窒化物からなる前記膜を形成する、請求項10に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  14. 厚さ2nm以下の前記前駆体膜を形成する請求項11〜13のいずれかに記載の抵抗変化素子の製造方法。
  15. 前記前駆体膜の形成と、形成した前記前駆体膜の酸化処理とを含む、前駆体膜形成−酸化処理サイクルを2回以上繰り返すことにより、前記多層膜を形成する、請求項11〜13のいずれかに記載の抵抗変化素子の製造方法。
  16. 前記サイクル間で前記前駆体膜の酸化処理の程度を変化させて、酸化の程度が互いに異なる前記膜を含む前記多層膜を形成する、請求項15に記載の抵抗変化素子の製造方法。
  17. 前記前駆体膜の酸化処理を、酸素ガス、酸素プラズマおよびオゾンから選ばれる少なくとも1つを含む雰囲気下で行う、請求項11〜13のいずれかに記載の抵抗変化素子の製造方法。
  18. 前記前駆体膜の酸化処理を、前記前駆体膜が形成された2以上の前記基板に対して、一括して行う、請求項11〜13のいずれかに記載の抵抗変化素子の製造方法。
  19. 前記前駆体膜の形成と、前記形成した前駆体膜の酸化処理とを、異なる槽内において別個に実施する、請求項11〜13のいずれかに記載の抵抗変化素子の製造方法。
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