JP4982098B2 - 電気抵抗変化素子およびこの電気抵抗変化素子を備えた半導体装置ならびにその製造方法 - Google Patents

電気抵抗変化素子およびこの電気抵抗変化素子を備えた半導体装置ならびにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気抵抗変化素子およびこの電気抵抗変化素子を含む半導体装置ならびにその製造方法に関する。
携帯電話などの普及に伴い、フラッシュメモリが大量に使用されるようになってきた。しかしながらフラッシュメモリには書き込み速度が遅いといった問題点がある。従来から様々な不揮発性メモリが提案されてきたが、近年急激に大容量化されたハードディスクの技術の転用が可能と考えられたMRAM(Magnetic Random Access Memory)、近年の大容量DVD(Digital Versatile Disk)の技術が転用可能と考えられたPRAM(Phase change Random Access Memory)に加え、動作原理は不詳であるが近年抵抗変化現象が報告されて以来、急激に研究が進んだRRAM(Resistive Random Access Memory)といった目新しい動作原理の不揮発性メモリでもってフラッシュメモリを置き換える検討が進んできた。特にRRAMは、単純な素子構造を有する電気抵抗変化素子を備え(例えば、特許文献1参照)、現在最も有力と考えられている動作原理によれば、素子サイズ依存性(スケーリングの問題)がほとんど無いため、注目されている。
特開2005−317976公報
しかしながらRRAMは、電気抵抗変化素子の抵抗変化膜の成膜後に、抵抗変化膜の絶縁性を破るようなフォーミングと呼ばれる高電圧処置によって、抵抗変化をプログラムできるように変化させる処置が必要である。従来のフォーミングは自発的な絶縁破壊であるため、高電圧ストレスによって膜中にランダムに生じた欠陥が繋がったような不規則な絶縁破壊経路になっていると考えられる。実際、特許文献1の図4Aに見られるように、抵抗変化が生じる電圧が0.7Vから1.2Vの範囲でばらつき、不規則な絶縁破壊経路を反映していると考えられる。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することのできる電気抵抗変化素子およびこの電気抵抗変化素子を備えた半導体装置ならびにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1実施形態による電気抵抗変化素子は、ZrおよびHfの少なくとも一方の元素を主成分として含む金属酸化物または金属酸窒化物を有し、前記金属酸化物または金属酸窒化物が蛍石型構造、蛍石型構造において陰イオンサイトが欠損した構造、立方晶の蛍石型結晶系が六方晶の結晶系となる状態に歪んだ構造、立方晶の蛍石型結晶系が菱面体晶の結晶系となる状態に歪んだ構造のいずれかである結晶構造を有する抵抗変化膜と、前記抵抗変化膜を挟むように設けられた1対の第1および第2電極と、を備え、前記抵抗変化膜の結晶構造は、一部または全部にBevanクラスターを有し、Vを蛍石型結晶構造における陰イオンサイトに陰イオンが存在しない空孔、Mを上記金属酸化物または金属酸窒化物の金属元素、Sを蛍石型結晶構造における最大の8面体型空隙サイトとしたとき、前記Bevanクラスターのユニットセルにおける「…−S−V−M−V−S−…」となる直鎖状の連鎖の配列の方向が前記膜の主面に対して実質的に垂直である結晶の向きを有することを特徴とする。
なお、前記抵抗変化膜は、少なくとも2個以上のBevanクラスターが「−V−M−V−」方向に接することで、「−S−(V−M−V−S−)」(ただしnは2以上の整数)となる連鎖を有し、前記連鎖の方向が前記抵抗変化膜の主面に対して実質的に垂直であるような結晶の向きを有していてもよい。
なお、前記第1および第2電極の少なくとも一方の電極と、前記抵抗変化膜との間に、
アモルファスなZrおよびHfの少なくとも一方を主成分として含む金属酸化物または金属酸窒化物を有する膜が設けられていてもよい。
なお、前記電気抵抗変化膜は、酸窒化物を有し、窒素の含有比率が10.0原子%以上57.1原子%以下であってもよい。
なお、前記抵抗変化膜の連鎖の方向が、前記抵抗変化膜の主面の法線に対して10度以下の角度であってもよい。
なお、前記抵抗変化膜中の結晶は、
組成式がMON(ここでMはZr、Hfのいずれか一種類以上)によって記述されしかも結晶の属する空間群がIa/3(国際表記の206番)、
組成式がM(ここでMはZr、Hfのいずれか一種類以上)によって記述されしかも結晶の属する空間群がR/3(国際表記の146番)、
組成式がM2(4p+3)/p4(p−1)/p(ここでMはZr、Hfのいずれか一種類以上、pは1以上の整数でかつ、pが奇数であるかまたはpが6の倍数である場合)によって記述されしかも結晶の属する空間群がP/3(国際表記の143番)
および組成式がM2(4p+3)/p4(p−1)/p(ここでMはZr、Hfのいずれか一種類以上、pは1以上の整数でかつ、pが6の倍数に2を足した整数であるかまたはpが6の倍数に4を足した整数である場合)によって記述されしかも結晶の属する空間群がR/3(国際表記の146番)
のいずれかであってもよい。
なお、前記酸化物または酸窒化物は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Mg、Ca、Sr、Baの中のいずれか1種類以上の元素Meを含み、前記酸化物または酸窒化物に含まれる前記元素Meの全ての種類の合計の個数を[Me]とし、前記酸化物または酸窒化物に含まれるZrおよびHfの元素の合計の個数を[M]とすると、比[Me]/([Me]+[M])が0.07以上0.22以下であってもよい。
また、本発明の第2の態様による半導体装置は、上記のいずれかに記載の前記電気抵抗変化素子を、記憶装置の不揮発性記憶素子として備えていることを特徴とする。
なお、前記電気抵抗変化素子に一端が接続されたトランジスタを備えていてもよい。
また、本発明の第3の態様による半導体装置は、上記のいずれかに記載の前記電気抵抗変化素子と、前記電気抵抗変化素子に一端が接続されたトランジスタとを含む不揮発性ロジック素子を備えていてもよい。
また、本発明の第4の態様による半導体装置の製造方法は、基板上にZrおよびHfの少なくとも一方を主成分として含む金属酸窒化物からなる第1の膜を成膜するステップと、
前記第1の膜上に、800℃以下の温度で結晶化する物質を含む第2の膜を成膜するステップと、800℃を超える温度でアニールを施すことによって前記第1の膜と前記第2の膜との界面におけるエネルギーが最も低くなる方向が前記第1の膜の主面に実質的に垂直なるように配向させるステップと、を備えたことを特徴とする。
なお、800℃以下の温度で結晶化する前記物質は、シリコンを主成分としていてもよい。
本発明によれば、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することの可能な電気抵抗変化素子、およびこの電気抵抗変化素子を備えた半導体装置およびその製造方法を得ることができる。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の概念を説明する。
本発明の概念を最も単純化した構造は、抵抗変化膜における絶縁破壊が容易であるような結晶の向きを、膜の主面に対して垂直と見なせるような状態に向けたものである。ジルコニウムまたはハフニウムを主成分とする金属酸窒化物において、Zr([N]=21.1原子%)、ZrON([N]=40.0原子%)、Hf([N]=21.1原子%)、HfON([N]=40.0原子%)といった組成は単相であることが知られ、結晶構造も知られている。上記金属酸窒化物結晶には、「…−S−(V−M−V−S−)…」(ただしnは1以上の整数、Vは蛍石型結晶構造における陰イオンサイトに陰イオンが存在しないような空孔、Mは上記金属酸窒化物を構成する金属元素、Sは蛍石型結晶構造における最大の8面体型空隙サイト)といった連鎖が存在する。上記のような連鎖が存在すると、金属元素Mの電子軌道が陰イオンの空孔サイトVにまで広がるため、連鎖上で空孔Vを介して隣り合う金属元素Mから金属元素Mへのバンドギャップが狭まり、絶縁破壊が生じやすくなる。
このような空孔は、ジルコニウムまたはハフニウムの酸窒化物に限らず、ジルコニウムまたはハフニウムの酸化物または窒化物または酸窒化物に3価の元素または2価の元素を添加した場合にも発生することが知られている。またジルコニウムまたはハフニウムの酸化物または窒化物または酸窒化物において、「…−S−V−Mm−V−S−…」(MmはZr、Hf、Y、Sc、ランタノイド元素、Al、Mg、Ca、Sr、Baのいずれか1種類以上、Vは蛍石型結晶構造における陰イオンサイトに陰イオンが存在しないような空孔、Sは蛍石型結晶構造における最大の8面体型空隙サイト)といった連鎖を形成すると結晶の凝集エネルギーが低下することも知られているので、このような物質を使っても同様に絶縁破壊が生じやすい方向を作製することが可能である。
絶縁破壊が生じやすい方向を、膜の主面に対して事実上垂直とみなせるような向きにした場合、絶縁破壊経路は直線的になると考えられる。そこで、本発明者達は、フォーミングによって直線的な絶縁破壊経路を形成できれば、抵抗変化特性のばらつきを抑制することが可能であると、考えた。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による半導体装置を図1に示す。本実施形態の半導体装置は電気抵抗変化素子(不揮発性記憶素子)1を備えている。この電気抵抗変化素子1は、基板11上に設けられ、抵抗変化膜4と、この抵抗変化膜4を挟むように形成された2つの電極2、6とを備えている。抵抗変化膜4は図1に示すように、111方向が基板11に対して垂直となるような配向を持っている。
次に、本実施形態に係る電気抵抗変化素子1の製造方法を説明する。
まず、基板11上に電気伝導性のある膜を電極2として成膜する。成膜方法はスパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(ALD: Atomic Layer Deposition法など類似な成法を含む)、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、溶液塗布法、水熱合成法など各種可能である。中でもスパッタ法とCVD法が、膜質と産業的な採算とのバランスをとり易い。電気伝導性のある膜として、例えばSrRuOのような電気伝導性酸化物、ZrNまたはHfNのような金属化合物、IrやPtのような単体金属など各種挙げられ、1050℃程度の熱処理後も周辺物質との化学反応が少ない物質が好ましいものの、必須条件ではない。
なお、基板11と電気伝導性のある膜2との間には、基板11と電気伝導性のある膜2とが反応を起こさないように、1枚以上の複数のバリア膜を設けることも可能である。また上記電気伝導性のある膜は、基板に対してエピタキシャルに成膜することも可能である。電気伝導性のある膜が基板に対してエピタキシャルになるように、基板と電気伝導性のある膜との間に格子緩和膜を1枚以上挟むことも可能である。基板と電気伝導性のある膜の格子定数を調整するために、基板あるいは電気伝導性のある膜に応力または張力を加えることも可能である。
次に、電気伝導性のある膜2上に、事実上HfONなる組成であると見なせるような膜4を成膜する。成膜法は上記で説明したいずれの方法でも良く、あるいはHfOを成膜後に窒化処置を施すような方法も可能である。HfON膜4はアモルファスでも良く、最初から111方向が基板11に対して垂直となるような配向を持つように成膜しても良い。なお、本実施形態においては、後述する熱処理によって111方向が基板11に対して垂直となる配向を得ている。一般的に成膜条件を変えることによって膜の結晶性や配向を変えることができることは、当業者であれば通常知るところである。本実施形態では化成スパッタ法によってアモルファスなHfON膜を成膜した。
本実施形態では、抵抗変化膜4としてハフニウム酸窒化物であるHfON膜を用いたが、ZrON膜を用いることも可能である。ZrとHfは化学的性質が非常に良く似ていることが知られ、同様の結晶構造の酸窒化物となることが知られている。化学的性質が非常に良く似ているため、現在の技術を持ってしても両者の完全分離は難しく、通常入手可能なハフニウムまたはジルコニウムには、互いの元素が1原子%程度不純物として含まれることからも化学的類似性は明らかである。ハフニウムとジルコニウムのどちらの元素を用いても容易に同様の効果がある構造が得られることは、当業者であれば通常知るところである。ハフニウムはジルコニウムに比べて融点が高いため、耐熱性を要求する場合にはハフニウムを用いることが好ましく、ジルコニウムはハフニウムより資源的に多く存在し廉価であるため耐熱性がジルコニウムで十分であればジルコニウムを用いることが産業上好ましい。互いのイオン半径などもほとんど同じであり、任意組成で互いに固溶するが、例えば両者が等分に混在しているHfZrONのような酸窒化物でも同様の効果が期待できることが容易に類推される。
次に、HfON膜4上に電気伝導性のある膜を電極6として成膜する。上記のHfON膜4の下の電極2と同じ物質でも良く、異なる物質でも良い。続いて、電極2、HfON膜4、電極6からなる積層膜に対して1050℃におけるスパイクアニール処理を施す。その結果、HfON膜が界面の影響を受けて、界面におけるエネルギーが最も低くなるような111方向が基板と垂直になるように配向する。このような方法で結晶配向させたHfON膜4のX線回折プロファイルおよびロッキングカーブの半値幅を図2乃至図5に示す。
2θ/θ法で測定された図2に示すグラフと、薄膜法で測定された図3に示すグラフにおいて出現するピークが異なるのは、ピークを示す結晶が基板面に対して配向していることを意味する。実際にロッキングカーブを調べてみると、図4に示す、2θ=31.04°におけるロッキングカーブも、図5に示す、2θ=64.36°におけるロッキングカーブも半値幅が約10度であることが分かった。したがって、膜中の結晶の111方向は基板面に対する法線方向に対して10度以下の角度をなしていることが分かった。
図3に示すグラフのX線回折ピーク位置に対して、HfON結晶からのものであることを確認するため、ハフニウム酸窒化物の結晶からのX線回折ピーク位置を計算したものを図6(a)、6(b)に示す。図6(a)は、2θが10度から70度までの範囲の計算結果を示し、図6(b)は2θが10度から28度までの範囲で図6(a)の強さを10倍に拡大した図である。図6(a)、6(b)からわかるように、ハフニウム酸窒化物のX線回折ピークは互いに似ているため、ピークプロファイルだけからどの結晶であるか同定するのは困難であることが分かる。
そこで、測定されたピーク位置を計算されたピーク位置に対して最小二乗法によるフィッティングを行った結果を図7(a)、7(b)に示す。図7(a)は観測されたピーク位置に対応する面間隔(dobs.)と、計算されたピーク位置に対応する面間隔(dcalc.)が最も小さくなるようにフィッティングした結果を示す図であり、図7(b)は計算された格子定数を示す図である。図7(a)において、h、k、lは結晶面の指数を示し、do−dcは面間隔(dobs.)と面間隔(dcalc.)の差を示し、Qo.は面間隔(dobs.)に対応するX線の波数を示し、Qc.は面間隔(dcalc.) に対応するX線の波数を示す。また、図7(b)において、aは計算された格子定数、Δaは標準偏差を示す。図7(a)、7(b)より、立方晶(空間群Ia/3(国際表記206番))のHfON結晶であると仮定した場合、ピーク位置の測定値が計算値とよく一致することが分かった。他の結晶構造を仮定した場合は測定値と計算値が一致しないため、結晶構造の仮定が否定できることが分かった。なお、記号「/3」は数字3の上に記号「−」がついたものを意味している。
この過程において、界面層に十分注意を払う必要がある。例えば界面における結晶核形成または結晶成長が抑制されるような組成の界面反応層があると、配向したHfON膜4の形成のために、より過酷な熱処理条件を要する。具体例として、電極2、6としてシリサイド電極膜を用いる場合、HfON膜中にシリサイドを構成するシリコン原子が混入してHfSiONからなる界面反応相が1nm程度形成される。HfSiONはHfONより結晶成長が抑制されるため、本実施形態のようにするためにはより高温または長時間の処理が必要となり、現実のLSIプロセスにて用いることが困難になるので注意が必要である。また界面に十分に注意を払わない別の例として、例えば界面においてモフォロジーの悪い状態になっていると、特に尖端部で結晶成長を誘発し、アニール後の結晶の配向性が乱れたりモフォロジーの悪さを拡大したりするようになってしまう。
HfON結晶は立方晶であり、蛍石型結晶構造の陰イオンを欠損(陰イオンサイトに空孔を発生)させた構造と見なす事ができる。膜厚方向が111方向となるように配向したHfON膜4は、図8に示したように膜厚方向に「…−S−(V−Hf−V−S−)…」といった絶縁破壊が起こりやすいような連鎖が発生している。ただしnは十分大きな値であり、膜中の結晶粒径を上記連鎖の基本周期で割った値であると事実上見なせるような整数値である。111方向以外にも、11−1、1−11、−111といった方向にも連鎖があるが、それらがHfON膜4の膜厚方向となす角度は図9に示すように70.5度であり、その方向に絶縁破壊が生じるとは考えにくい。
以上のことから、本実施形態の電気抵抗変化素子1は、図19(a)に示すように、空孔の連鎖の方向が膜面に実質的に垂直な方向に形成されるため、絶縁破壊路が膜面に実質的に垂直な方向となる。なお、本明細書においては、絶縁破壊路(連鎖の方向)が膜面に実質的に垂直であるとは、膜面の法線に対して、絶縁破壊路が10度以内にあることを意味する。
他方、従来の電気抵抗変化素子は、図19(b)に示すように、抵抗変化膜40に形成される空孔が膜面に実質的に垂直な方向に形成されず、曲がって形成されるため、絶縁破壊路が膜面に実質的に垂直な方向とならない。
以上説明したように本実施形態によれば、抵抗変化膜4は111方向、すなわち膜面に垂直な方向に絶縁破壊が起こりやすい連鎖が発生している。このため、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することができる。これにより、動作特性の揃った電気抵抗変化素子を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による半導体装置を説明する。
第1実施形態の半導体装置においては、抵抗変化膜4として窒素の組成比[N]が40.0原子%のHfON膜(またはZrON膜、ZrHf1−xON膜)を用いたが、窒素の組成[N]が21.1原子%のHf膜(またはZr膜、ZrHf1−x膜)を用いることも可能である。第2実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置において、抵抗変化膜4としてHf膜を用いた構成となっている。
Hf結晶は菱面体晶(空間群R/3(国際表記の146番)であり、立方晶の蛍石型結晶を111方向に変形させた構造と見なすことができる。ここで記号「/3」は数字3の上に記号「−」が設けられたものを意味する。蛍石型構造と見なしたときの陰イオンサイトにはいくつか欠損があり、図10(a)に示すように111方向に「…−S−(V−Hf−V−S−)…」といった絶縁破壊が生じやすい連鎖が発生している。ただしnは十分大きな値であり、膜中の結晶粒径を上記連鎖の基本周期で割った値であると事実上見なせるような整数値である。本結晶構造のユニットセルはBevanクラスターであり、Bevanクラスターが上記連鎖方向に結晶粒径と同等の長さまで積層されているような構造である。Bevanクラスターは図10(b)に示したような形態であり、基本的には蛍石型構造であるが、陰イオンサイトに2箇所欠損があることによってM14−2といったクラスターを形成している。ここで、MはHfまたはZr、Aは陰イオンを表す。
上記菱面体晶の座標軸の取り方として六方晶的にとることも可能であり、この場合は、菱面体晶は六方晶となり、上記連鎖は0001方向となる。Hfの場合、上記連鎖は菱面体晶の座標軸を採用した際の111方向すなわち六方晶の座標軸を採用した際の0001方向に限られる。
以上説明したように本実施形態によれば、抵抗変化膜4は菱面体晶の座標軸を採用した際の111方向、すなわち膜面に実質的に垂直な方向に絶縁破壊が起こりやすい連鎖が発生している。このため、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することができる。これにより、動作特性の揃った電気抵抗変化素子を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による半導体装置を説明する。
本実施形態の半導体装置は、第1実施形態の半導体装置において、抵抗変化膜4として、窒素の組成比率[N]が16.5原子%のHf9.23.2膜(またはZr9.23.2膜、ZrHf1−x9.23.2膜)を用いた構成となっている。なお、Hf9.23.2膜の代わりにZr9.23.2膜、またはZrHf1−x9.23.2膜を用いても良い。
Hf9.23.2結晶は菱面体晶(空間群P/3(国際表記の143番))であり、Bevanクラスター5個が「−S−(V−Hf−V−S−)」鎖を形成するように積層され、その後1層のBevanクラスターと同じ形状ではあるが陰イオンサイトに欠損が無いM14クラスターが1層積層されている構造である。ここで、MはHfまたはZrを示す。
したがって、このような組成の結晶構造の場合、上記連鎖は5周期で途切れ、1周期分の欠損の無い層が挟まるような構造、すなわち「…−S−{(V−Hf−V−S−)(O−Hf−O−S−)}…」のような断続的な連鎖が生じている。ここで、mは1以上の整数を示す。
この場合も、111方向が基板の法線方向となるように結晶を形成することで、5周期分の絶縁破壊が発生しやすい連鎖が膜厚方向に実質的に向いた構成となり、絶縁破壊経路を直線状に誘導し、絶縁破壊後の特性を揃える効果があることが分かる。
以上説明したように、本実施形態も、第1または第2実施形態と同様に、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することができる。これにより、動作特性の揃った電気抵抗変化素子を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による半導体装置を説明する。
第3実施形態では、抵抗変化膜4として窒素の組成比率[N]が16.5原子%であるHf9.23.2膜(または、Zr9.23.2膜、ZrHf1−x9.23.2膜等)を用いたが、より一般的に窒素の組成比率[N]が100×(4p−4)/(19p+2)原子%のHf2(4p+3)/p4(p−1)/p膜(Zr2(4p+3)/p4(p−1)/p膜、Zr7xHf7(1−x)2(4p+3)/p4(p−1)/p膜)を用いることができる。ここでpは1以上の整数である。第4実施形態の半導体装置は、第3実施形態の半導体装置において、抵抗変化膜としてHf2(4p+3)/p4(p−1)/p膜を用いた構成となっている。
この場合、pが奇数の場合か、またはpが6の倍数である場合に結晶の空間群はP/3であり、pが6の倍数に2を足した整数か、またはpが6の倍数に4を足した整数である場合に結晶の空間群はR/3である。
この場合、Bevanクラスター(p−1)個が「−S−(V−Hf−V−S−)(p−1)」鎖を形成するように積層され、その後1層のBevanクラスターと同じ形状ではあるが陰イオンサイトに欠損が無いM14クラスターが1層積層されている構造である。ここで、MはHfまたはZrを示す。
したがって、このような組成の結晶構造の場合、上記連鎖は(p−1)周期で途切れ、1周期分の欠損の無い層が挟まるような構造、すなわち「…−S−{(V−Hf−V−S−)(p−1)(O−Hf−O−S−)}…」のような断続的な連鎖が生じている。ここで、mは1以上の整数である。
この場合も111方向が基板の実質的に法線方向になるように結晶を形成することで、(p−1)周期分の絶縁破壊が発生しやすい連鎖が膜厚方向に向いた構成となる。これにより、絶縁破壊経路を直線状に誘導し、絶縁破壊後の特性を揃える効果があることが分かる。
特にp=2である場合、[N]=10.0原子%のHf11膜(または、Zr11膜、Zr7xHf7(1−x)11膜)となり、1層のBevanクラスターと、1層のBevanクラスターと同じ形状ではあるが陰イオンサイトに欠損が無いM14クラスターが積層されているような構造である。ただしMはHfまたはZrである。
このような場合、「…−S−(V−Hf−V−S−O−Hf−O−S−)…」といった状況であって「…−S−(V−Hf−V−S−)…」連鎖が最も短いが、それでもV−Hf−Vといった配置が111方向を向いているために111方向への絶縁破壊が最も発生しやすいといった状況には変わりが無い。
以上説明したように、本実施形態によれば、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することができる。これにより、動作特性の揃った電気抵抗変化素子を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態による半導体装置を、図11を参照して説明する。本実施形態の半導体装置は、図1に示す第1実施形態の半導体装置において、電気抵抗変化素子1を、図11に示す電気抵抗変化素子1Aに置き換えた構成となっている。本実施形態に係る電気抵抗変化素子1Aは、図1に示す電気抵抗変化素子において、抵抗変化膜4を非晶質膜7と、膜厚方向(膜面に垂直な方向)に絶縁破壊誘導路を有する膜8との積層膜に置き換えた構成となっている。
次に、本実施形態に係る電気抵抗変化素子の製造方法を説明する。
まず、シリコン基板11上に電極2となる導電性膜を成膜する。続いて、導電性膜2上に窒素の組成比率[N]が40原子%であるアモルファスなHfON膜7を成膜した。このHfON膜7上に電極6となる多結晶シリコン膜を成膜し、1065℃にてスパイクアニール(数ミリ秒程度)を実施した。このように構成された電気抵抗変化素子の断面写真を図12に示す。
図12からわかるように、HfON膜7の多結晶シリコン膜6と接する側においてHfONの柱状結晶8が形成されている。HfONの柱状結晶8の配向を、各結晶に対して調べたものが図13に示す。図13から、ほとんどの結晶が、111方向が膜厚方向となるように配向されていることがわかる。結晶の配向が膜の堆積方向の情報を反映しているということは、結晶核が膜の堆積方向の情報を有している部分に発生したことを意味し、それはすなわちHfON膜7の界面部分に他ならない。図12および図13においては、結晶核は、HfON膜7の界面までシリコンが含まれないような側である多結晶シリコン膜6との界面に発生し、上記結晶核は上記界面においてエネルギーが低くなるような111方向に生成し、上記結晶核を基点に柱状のHfONの結晶8が成長したと考えれば、図12および図13の膜構造は理解される。
一方、界面においてシリコンが混入していると考えられる基板側では、シリコンのために結晶核生成または結晶成長が抑制され、結果としてアニールを経てもアモルファスのまま保たれたと考えられる。したがって、図12および図13は界面層を制御することが本実施形態の構造を作製するために重要であることを端的に示す写真である。
結晶化のアニールが不十分で、図12に示すようにアモルファスな部分が残ったままの膜であっても、例えばRRAMの駆動電圧のばらつきを抑制するためには十分効果がある。なぜならば、アモルファス部分すなわち不規則な絶縁破壊が発生する部分の厚みが減っているので、ばらつきが少なくなるからである。
アモルファス部分はストレス誘起の欠陥サイトの大きさ程度(HfSiONであれば比較的大きく2nm〜4nm程度)に抑制されることが望ましい。なぜならば、高々1個の欠陥で絶縁破壊が発生するために、事実上絶縁破壊経路が直線に保つことができるからである。このように上記アモルファス部分の膜厚が上記ストレス誘起欠陥サイトの大きさ程度であれば、既に述べたアモルファス部分が無い構造と全く同じ特性ばらつきの抑制効果が期待できる。
このようにアモルファス部分が残っている構造を採用すると、比較的広い範囲の熱処理条件で適用可能であり、例えばスパイクアニールによっては熱処理温度の基板面内分布が問題になることがあるが、多少の基板面内に温度分布があっても特性のばらつきに影響がでない、といった大きな利点がある。
本実施形態においては、スパイクアニールは1065℃で行ったが、HfON膜7上に成膜された多結晶シリコン膜は800℃以下の温度で結晶化するため、スパイクアニールは800℃を超える温度で行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することができる。これにより、動作特性の揃った電気抵抗変化素子を得ることができる。
本実施形態において、Hfの代わりにZr、またはHfとZrの合金を用いても、全く同様の効果をえることができることはいうまでもない。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態による半導体装置を説明する。
第5実施形態においては窒素の組成比率(すなわち窒素の濃度)が40原子%のアモルファスなHfON膜を形成したが、第6実施形態の半導体装置は、窒素の濃度が40原子%のアモルファスなHfON膜の代わりに、窒素の濃度が50原子%のアモルファスなHfON膜を形成した構成となっている。
このような窒素の濃度が50原子%のHfON膜をアニールして結晶成長させると、窒素濃度が40原子%であるHfON結晶の部分と、結晶化せずにアモルファスなまま取り残され、しかも余分の窒素が濃縮されて、アニール前の窒素濃度50原子%より高いアモルファスなHfON膜の部分とに分かれる。
なお、アモルファスなHfON膜の窒素濃度の上限は57.1原子%である。これは、このときのアモルファスなHfON膜は窒素濃度が57.1原子%となるHfとなるからである。なぜならば、Hfは準安定な絶縁体として知られ、1000℃程度の熱処理を経ても安定に存在しうることが知られているからである。上記アニール時に少しでも酸素があれば、酸素の分だけHfONが析出し、酸素が使い果たされた後はHfアモルファス状態となっていることが推測される。
一方で、窒素濃度が57.1原子%を超えるHfON膜は、準アロイ的な組成式である(HfO1−x(Hfといった範囲から外れ、膜中で窒素が単離したガスとして気泡のような形で入っている可能性が高く、素子特性への悪影響が懸念される。
また、窒素濃度の下限は10.0原子%と考えられる。なぜならば窒素濃度が10.0原子%以下であると、上記連鎖が生じないばかりではなく、HfOの結晶が析出するため、配向された状態を作るのが困難になることが懸念される。
以上説明したように、本実施形態によれば、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することができる。これにより、動作特性の揃った電気抵抗変化素子を得ることができる。
本実施形態において、Hfの代わりにZr、またはHfとZrの合金を用いても、全く同様の効果を得ることができることは、いうまでもない。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態による半導体装置を説明する。
第1乃至第4実施形態における抵抗変化膜4または第5乃至第6実施形態における絶縁破壊誘導路を有する膜8は、HfまたはZrの酸化物ないしは酸窒化物、HfとZrの合金の酸化物ないしは酸窒化物であった。本実施形態の半導体装置は、抵抗変化膜4または絶縁破壊誘導路を有する膜8として、HfまたはZrの酸化物ないしは酸窒化物、HfとZrの合金の酸化物ないしは酸窒化物に、希土類元素(Sc,Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)またはアルカリ土類元素(Mg、Ca、Sr、Ba)またはAlを7原子%以上22原子%以下含んでいる構成となっている。すなわち、上記酸化物または酸窒化物は、希土類元素、アルカリ土類元素、およびAlのうちのいずれか1種類以上の元素Meを含み、上記酸化物または酸窒化物に含まれる上記元素Meの全ての種類の合計の個数を[Me]とし、上記酸化物または酸窒化物に含まれるZrおよびHfの元素の合計の個数を[M]とすると、比[Me]/([Me]+[M])が0.07以上0.22以下である構成となっている。
このような結晶が蛍石型構造、またはその原子位置の変位(原子拡散を伴わない変位、マルテンサイト的な変位)、またはその原子位置における原子の欠損によって生じた派生構造と見なせるような構造であって、蛍石型結晶構造と見なした際の111方向が膜厚方向と事実上平行であるような配向を作製する。
添加する希土類元素(Sc,Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)またはアルカリ土類元素(Mg、Ca、Sr、Ba)またはAlを7原子%以上22原子%以下含むことが良い理由は、この組成範囲においてイオン伝導性が高まることが知られていることに対応する(例えば、図14参照)。なお、図14は、A.Kvist、Physics of electrolyte (ed. J Hladic) vol.1 Academic Press ('72)より引用した。
イオン伝導性が高いと言うことは、陰イオンサイトに欠損があるということである。陰イオンサイトの欠損は図15(Diffuse scattering and disorder in zirconia、Friedrich Frey, Hans Boysen and Ines Kaiser-Bischoff、Z. Kristallogr. 220 (2005) 1017-1026より引用)に示すように、添加元素を挟んで対になりやすいことが知られ、局所的にはBevanクラスターのような形状が出現する。
ただし、この構造では「−S(−V−Mm−V−S)−」(ただしMmはHf,Zr、希土類元素、アルカリ土類元素、Alのいずれか1種類以上)といった配列が111方向、11−1方向、1−11方向、−111方向にランダムに生じている状況である。
添加元素が7原子%未満では上記配列が互いに遠く離れているため絶縁破壊が起こりにくい。添加元素が22原子%を超えると、上記配列は連鎖しやすくなるが、陽イオンサイトへ添加した元素のイオン半径がHfまたはZrのイオン半径と異なることから上記連鎖経路に歪みを与え、陰イオンの伝導性が低下する。すなわち絶縁破壊が起こりにくくなる。
希土類元素やアルカリ土類元素やAlの付近に陰イオンサイトの欠損があっても、希土類元素やアルカリ土類元素やAlのd軌道は空であるため、バンド的には絶縁破壊が起こりやすい訳ではない。
したがって、本実施形態の絶縁破壊誘導機構は第1実施形態乃至第6実施形態とは異なる原理によっている。すなわち、電場を加えることにより陰イオンが流動し、結果として「−S(−V−Mm−V−S)−」といった連鎖が膜厚方向に揃い、上記連鎖上ではなくて上記連鎖の付近の陰イオンが欠損することによって絶縁破壊が起こるといった機構による。ただし、pは2以上の整数、MmはHf、Zr、希土類元素、アルカリ土類元素、Alのいずれか1種類以上を表す。
本実施形態による機構から考えると、第1実施形態乃至第6実施形態に示した構成と比較して絶縁破壊経路がより複雑になっていることが予想される。しかしながら実用上はこれでも十分である可能性がある。
以上説明したように、本実施形態によれば、フォーミング時の動作電圧のばらつきを低減することができる。これにより、動作特性の揃った電気抵抗変化素子を得ることができる。
なお、第1実施形態乃至第7実施形態において、抵抗変化膜への電極2、6の材料(以下、単に電極材料という)として、例えばSrRuOのような電気伝導性酸化物、ZrNまたはHfNのような金属化合物、IrやPtのような単体金属を用いることができる。
また、電極材料としてTiNまたはTiAlNを用いることも可能である。TiNやTiAlNはシリコン基板の100面に対してエピタキシャル成長させることが可能であり、化学的に安定な上に、融点が3290°C程度もあるため熱処理を行っても抵抗変化膜への拡散が無いなどの利点がある。TiAlNの方がTiNよりも耐酸化性が良い利点があるが、製造条件が若干厳しくなる問題点がある。
また、電極材料としてZrN、ZrAlN、HfN、HfAlNなどを用いることも可能である。これらも融点が高く、ZrNの融点は2960°C、HfNの融点は3305°Cである。ZrAlNやHfAlNの融点の正確なデータは無いが、それぞれZrNやHfNの融点より若干高いと予想される。化学的に安定な上に、熱処理を行っても抵抗変化膜への拡散が無いなどの利点がある。その他金属窒化物は一般に融点が高く、化学的に安定で、金属的な電気伝導性を示すものがほとんどである。例えばTaNの融点は3090°C、NbNの融点は2300°C、VNの融点は2050°Cなどと高く、化学的に安定な金属である。
また、電極材料としてRuO,OsO、RhO、IrO、PdO、PtOなどの白金族元素の酸化物を用いることも可能である。これらの融点は最大でも1000℃を超える程度であって必ずしも高くは無いが、金属的電気伝導を示す酸化物であるために、酸化物または酸窒化物であるような抵抗変化膜との化学的安定性に優れるといった利点がある。金属的電気伝導を示す酸化物には、これらの他にもSrRuO、SrRuO、BaRuOなども知られる。これらのアルカリ土類金属を添加した白金族酸化物の融点は1000℃を超え、より好ましいと考えられる。特にSrRuOは最も好ましい電極材料の一つである。これらの他にも例えば単一金属酸化物のNbO、MoOなどや、ペロブスカイト類似複合金属酸化物のLaTiO、LaVO、SrFeO、CaVO、SrMoO、SrIrO、BaMoO、BaIrO、CaMoO、CaNbO、SrNbO、BaNbO、KMoO、LaMnO、LaNiO、SrCrO、Pb、LiTi、YCoO、ErCoO、LaCoO、LnNiO(Lnはランタノイド元素)、LaBaCu13、LaSrCu15、BiSeCu19+yなどや、パイロクロア複合酸化物のA7−x(AはY、Ln(Lnはランタノイド元素)、Tl、In、Pb、Bi、B、Cdなど、BはTi、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Zr、Tc、Hf、Re、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Si、Ge、Sn、Ga、Sbなど)や、銅酸化物系高温超電導体のLa(2−x)BaCuO(xは超伝導発現組成または過剰ドープ組成領域となる値)、La(2−x)SrCuO(xは超伝導発現組成または過剰ドープ組成領域となる値)、YBaCu、YmBaCu(YmはYt、Lu、Tm、Hoなど)、BiSrCa(n−1)Cu(2n+4)(n=1、2、3)、TlMCa(n−1)Cu(2n+2.5)(nは1から5までの整数、MはBaまたはSr)、TlCa(n−1)Cu(2n+4)(nは1から3までの整数、MはBaまたはSr)、HgBaCa(n−1)Cu(2n+2)(nは1から3までの整数)、Nd(2−x)CeCuO、Sr(1−x)NdCuO、Sr(1−x)BaCuO(xは超伝導発現組成または過剰ドープ組成領域となる値)、La1.6Sr0.4CaCu、La1.7Ca1.3Cuなどや、酸化物超伝導体のBa(1−x)BiO(xは超伝導発現組成または過剰ドープ組成領域となる値)、SrRuO、BaPb(1−x)Bi、Bi(2−x)GdRu、La(1−x)SrMnO、Zn(1−x)Liなどや、組成ずれ酸化物半導体のSnO、TiO、CuO、AgO、In、Tl、ZnO、BaTi(Nb)O、SrTi(Nb)O、LaCrO、WO、TlOFなどや、ドープされることで金属的な電気伝導を示すようになったモット絶縁体のNiO、CoO、CuO、Cr、MnO、(V(1−x)Cr、Fe、VO、Ti、Ti(2n−1)(nは3から6までの整数)などや、f電子系電気伝導体のEuO(Gd)(xは1.5以上2以下の値)なども可能である。1050℃程度の熱処理後も周辺物質との化学反応が少ない物質が好ましいものの、必須条件ではない。
また、電極材料として、酸素を含まない化合物系電気伝導体であるHfB、HfB、HfC、TaB、TaC、TaC、TaC、TaN、WB、WC、WC、WC、WN、ReB、ReC、ReN、OsB、OsC、OsN、IrB、IrC、IrN、PtB、PtC、PtN、RuB、RuC、RuN、RhB、RhC、RhN、PdB、PdC、PdN、LnB(Lnはランタノイド元素)、LnC(Lnはランタノイド元素)、LnN(Lnはランタノイド元素)、ZrB、ZrB、ZrC、NbB、NbC、NbC、NbC、NbN、MoB、MoC、MoC、MoN、TiB、TiB、TiC、VB、VC、VN、CrB、CrC、Cr、CrN、MnB、MnC、MnN、FeB、FeC、FeN、CoB、CoC、CoN、NiB、NiC、NiN、HfSi、ZrSi、TiSi、TaSi、WSi、ReSi、OsSi、IrSi、PtSi、NbSi、MoSi、RuSi、RhSi、PdSi、VSi、CrSi、MnSi、FeSi、CoSi、CoSi、NiSi、NiSi、LnSi(Lnはランタノイド元素)などを用いることも可能である。これらは融点が高いため、上記抵抗変化膜とのコンタミネーションが少ない利点がある。
また、電極材料として、Hf、Zr、Ti、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niなどの高融点金属単体、およびこれらの合金、およびこれら高融点金属単体へ元素を添加したものを用いることも可能である。融点が高いことによる利点は上記同様である。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態による半導体装置の製造方法を図16乃至図18を参照して説明する。本実施形態の製造方法によって製造される半導体装置は、少なくとも1個のメモリセルを有する記憶装置であって、メモリセルは、上記第1乃至第7実施形態のいずれかの電気抵抗変化素子、例えば第1実施形態の電気抵抗変化素子1と、選択トランジスタとを備えている。
まず、シリコン基板11上にアモルファスなHfONゲート絶縁膜24を形成する。組成は窒素の組成比[N]が21.1原子%とする。HfONゲート絶縁膜24の両界面にはシリコンが主成分であるSiON膜24a、24bが形成される。HfONゲート絶縁膜24上に界面膜24bを介して多結晶シリコン膜26を形成する。その後、多結晶シリコン膜26、界面膜24b、およびHfONゲート絶縁膜24をゲート電極形状にパターニングする。続いて、イオン注入し、シリコン基板11にソース/ドレイン領域22a、22bを形成する(図16参照)。
次に、図17に示すように、トランジスタのソース/ドレイン領域22a、22bを含む領域にアモルファスなHf膜4を形成するが、少なくとも上側界面にはSiONを形成せず、Hf膜4を露出させる。
次に、領域22bの真上のHf膜4上に電極6となる多結晶シリコン膜を形成し、パターニングすることにより、トランジスタ20および電気抵抗変化素子(不揮発性記憶素子)2を形成し、トランジスタ20のソース/ドレイン領域22a、22bを露出させる。その後、1100℃のスパイクアニールを施す。その結果、多結晶シリコンおよびトランジスタのソース/ドレイン領域22a、22bは導電性を持つように活性化され、しかもトランジスタ20のゲート絶縁膜24のHfONはアモルファスであるが、不揮発性記憶素子1の部分では膜厚方向を111方向とするようなHf膜4が形成される。このような製造方法によって、1個の不揮発性記憶素子1に対して、1個の選択トランジスタ20があるメモリセルが作製される(図18参照)。
本実施形態において、Hfの代わりにZrまたはHfとZrの合金を用いても、第1実施形態で説明した場合と同様に、同じ効果を得ることができる。また、本実施形態において、抵抗変化膜4としてHfの代わりに、HfONやZrやZrONを用いてもよい。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態による半導体装置の製造方法を、図16乃至図18を参照して説明する。本実施形態の製造方法によって製造される半導体装置は記憶装置であって、第8実施形態の製造方法によって製造される抵抗変化膜の窒素の組成を変えた構成となっている。
まず、シリコン基板11上にアモルファスなHfONゲート絶縁膜24を形成する。アモルファスなHfONゲート絶縁膜24の組成は窒素の組成比[N]が15.4原子%とする。上記HfONゲート絶縁膜24の両界面は、Hf/(Hf+Si)が15原子%のHfSiONからなる界面膜24a、24bを設け、これらの界面膜24a、24bの窒素の濃度[N]は17原子%とする。続いて、TiNからなる電極膜26を成膜した後、ゲート加工する。続いて、イオン注入することにより、ソース/ドレイン領域22a、22bを形成する。
次に、図17に示すように、ソース/ドレイン領域22a、22bを含む領域にアモルファスなHf9.5膜4を形成するが、少なくとも上側界面にはSiONを形成せず、Hf9.5膜4を露出させる。
これらの上にPtからなる電極6を形成し、ゲートおよび不揮発性記憶素子からなる構造をエッチングによって形成し、トランジスタのソース/ドレイン領域22a、22bを露出させる(図18)。
その後、1100℃のスパイクアニールを施す。その結果、トランジスタ20のソース/ドレイン領域22a、22bは導電性を持つように活性化され、しかもトランジスタ20のゲート絶縁膜24のHfONはアモルファスであるが、不揮発性記憶素子1の部分では膜厚方向を111方向とするようなHf9.5膜4が形成される。このような製造方法によって、1個の不揮発性記憶素子に対して、1個の読み出しトランジスタがある素子構造が作製される。
Ptは800℃以下の熱処理で容易に結晶化するため、電気抵抗変化膜中に結晶核発生を促す作用が期待できる。Pt以外にも、800℃以下で容易に結晶化するような材料であれば、同様の製造方法が可能である。
本実施形態において、Hfの代わりにZrまたはHfとZrの合金を用いても、全く同様の効果を得ることができることは云うまでもない。
(第10実施形態)
次に、本実施形態の半導体装置を、図20を参照して説明する。本実施形態の半導体装置は、選択トランジスタ型(1T1R型)配置の集積記憶装置であって、その模式的な構成を図20に示す。本実施形態の集積記憶装置は、上記第1乃至第7実施形態で説明した電気抵抗変化素子を、メモリセルの不揮発性記憶素子183として用いた構成となっている。この場合、メモリセルは、不揮発性記憶素子183と、選択トランジスタ182とを備えている。メモリセルをこのような構成にすると、高速動作が可能となる利点があるが、メモリセルが大きくなる欠点がある。なお、メモリセルは、ビット線185と、ワード線184の交差領域に設けられる。不揮発性記憶素子183の一端はビット線185に接続され、他端は選択トランジスタ182のソース・ドレインの一方に接続される。選択トランジスタ182のソース・ドレインの他方が読み出しワード線186に接続され、ゲートがワード線184に接続される。
また、上記第1乃至第7実施形態で説明した電気抵抗変化素子を、図21に示すクロスポイント型(1R型)配置の集積記憶装置のメモリセル183として用いることも可能である。この場合、選択トランジスタは必要なく、電気抵抗変化素子を図21に示す電気抵抗変化素子183として描いてある。このような構造をとると、メモリセルの面積が最小になって高集積化に有利であるが、抵抗変化膜の抵抗変化量が十分大きくない場合、図20に示す同じワード線184あるいは同じビット線185に接続された他の抵抗変化部分の抵抗値まで読み込んでしまう欠点がある。それでもクロスポイント型の構造を用いる場合、多層化も容易であるといった利点がある。
また、プログラマブルロジック回路、あるいはリコンフィギュアラブルロジック回路として、FPGA(Field Programmable Gate Alley)やCPLD(Complex Programmable Logic Device)などが知られている。ロジック回路の動作を決めるような情報を保持するロジック素子として、SRAM(Static Random Access Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、アンチヒューズ、フラッシュメモリが使われている。
上記第1乃至第7実施形態に係る電気抵抗変化素子は、トランジスタのゲート絶縁膜製造プロセスとほぼ同じプロセスが利用できるため、上記の情報を保持する不揮発性ロジック素子として用いることが可能である。
本発明の第1実施形態による半導体装置を示す断面図。 第1実施形態に係る抵抗変化膜中の結晶からのX線回折を2θ/θ法で測定した実験結果を示す図。 第1実施形態の半導体装置に係る抵抗変化膜中の結晶からのX線回折を薄膜法で測定した実験結果を示す図 2θ=31.04°におけるロッキングカーブを示す図。 2θ=64.36°におけるロッキングカーブを示す図。 ハフニウム酸窒化物の結晶からX線回折ピーク位置を計算した図。 第1実施形態の半導体装置に係る抵抗変化膜中の結晶のX線回折ピーク位置について、実験値と計算値の差が最小となるように最小二乗法を行って結晶の同定および結晶格子定数を求めた図。 第1実施形態の半導体装置に係る抵抗変化膜中の原子配列を示す図。 陰イオンを欠損させた連鎖の方向を説明する図。 本発明の第2実施形態の半導体装置に係る抵抗変化膜中の原子の配列を示す図。 本発明の第5実施形態による半導体装置を示す断面図。 第5実施形態による半導体装置の電気抵抗変化素子の断面を示す顕微鏡写真。 第5実施形態による半導体装置に係る抵抗変化膜の結晶の配向を示す顕微鏡写真。 ジルコニアに希土類の添加量を変えたときの酸素移動の変化を示す図。 ジルコニアに希土類を添加したときに発生する陰イオンサイト欠損が増えた場合に、金属原子の両端が対になって、Bevanクラスター的な構造になったことを示す図。 本発明の第8実施形態による半導体装置の製造方法を示す断面図。 第8実施形態の製造方法を示す断面図。 第8実施形態の製造方法を示す断面図。 第1実施形態に係る抵抗変化膜中の空孔の発生形態を示す図。 本発明の第10実施形態による半導体装置を示す回路図。 第10実施形態の変形例による半導体装置を示す回路図。
符号の説明
1 電気抵抗変化素子
2 電極
4 抵抗変化膜
6 電極
7 非晶質膜
8 絶縁破壊誘導路を有する膜
11 基板
20 選択トランジスタ
22a、22b ソース/ドレイン領域
24 ゲート絶縁膜
24a 界面層
24b 界面層
26 電極

Claims (11)

  1. ZrおよびHfの少なくとも一方の元素を主成分として含む金属酸窒化物を有し、前記金属酸窒化物が蛍石型構造、蛍石型構造において陰イオンサイトが欠損した構造、立方晶の蛍石型結晶系が六方晶の結晶系となる状態に歪んだ構造、立方晶の蛍石型結晶系が菱面体晶の結晶系となる状態に歪んだ構造のいずれかである結晶構造を有する抵抗変化膜と、
    前記抵抗変化膜を挟むように設けられた1対の第1および第2電極と、
    を備え、
    前記抵抗変化膜の結晶構造は、一部または全部にBevanクラスターを有し、Vを蛍石型結晶構造における陰イオンサイトに陰イオンが存在しない空孔、Mを上記金属酸窒化物の金属元素、Sを蛍石型結晶構造における最大の8面体型空隙サイトとしたとき、前記Bevanクラスターのユニットセルにおける「−S−V−M−V−S−」となる直鎖状の連鎖の配列の方向が前記膜の主面に対して実質的に垂直である結晶の向きを有することを特徴とする電気抵抗変化素子。
  2. 前記抵抗変化膜は、少なくとも2個以上のBevanクラスターが「−V−M−V−」方向に接することで、「−S−(V−M−V−S−)」(ただしnは2以上の整数)となる連鎖を有し、前記連鎖の方向が前記抵抗変化膜の主面に対して実質的に垂直であるような結晶の向きを有することを特徴とする請求項1記載の電気抵抗変化素子。
  3. 前記第1および第2電極の少なくとも一方の電極と、前記抵抗変化膜との間に、アモルファスなZrおよびHfの少なくとも一方を主成分として含む金属酸化物または金属酸窒化物を有する膜が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の電気抵抗変化素子。
  4. 前記抵抗変化膜は、酸窒化物を有し、窒素の含有比率が10.0原子%以上57.1原子%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気抵抗変化素子。
  5. 前記抵抗変化膜の連鎖の方向が、前記抵抗変化膜の主面の法線に対して10度以下の角度であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気抵抗変化素子。
  6. 前記抵抗変化膜中の結晶は、
    組成式がMON(ここでMはZr、Hfのいずれか一種類以上)によって記述されしかも結晶の属する空間群がIa/3(国際表記の206番)、
    組成式がM(ここでMはZr、Hfのいずれか一種類以上)によって記述されしかも結晶の属する空間群がR/3(国際表記の146番)、
    組成式がM2(4p+3)/p4(p−1)/p(ここでMはZr、Hfのいずれか一種類以上、pは1以上の整数でかつ、pが奇数であるかまたはpが6の倍数である場合)によって記述されしかも結晶の属する空間群がP/3(国際表記の143番)
    および組成式がM2(4p+3)/p4(p−1)/p(ここでMはZr、Hfのいずれか一種類以上、pは1以上の整数でかつ、pが6の倍数に2を足した整数であるかまたはpが6の倍数に4を足した整数である場合)によって記述されしかも結晶の属する空間群がR/3(国際表記の146番
    のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気抵抗変化素子。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の前記電気抵抗変化素子を、記憶装置の不揮発性記憶素子として備えていることを特徴とする半導体装置。
  8. 前記電気抵抗変化素子に一端が接続されたトランジスタを備えていることを特徴とする請求項記載の半導体装置。
  9. 請求項1乃至のいずれかに記載の前記電気抵抗変化素子と、前記電気抵抗変化素子に一端が接続されたトランジスタとを含む不揮発性ロジック素子を備えていることを特徴する半導体装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法であって、
    基板上にZrおよびHfの少なくとも一方を主成分として含む前記金属酸窒化物からなる第1の膜を成膜するステップと、
    前記第1の膜上に、800℃以下の温度で結晶化する物質を含む第2の膜を成膜するステップと、
    800℃を超える温度でアニールを施すことによって前記第1の膜と前記第2の膜との界面におけるエネルギーが最も低くなる方向が前記第1の膜の主面に実質的に垂直なるように配向させるステップと、
    を備え、前記第1の膜は、前記アニール後にZrおよびHfの少なくとも一方の元素を主成分として含む金属酸窒化物を有し、前記金属酸窒化物が蛍石型構造、蛍石型構造において陰イオンサイトが欠損した構造、立方晶の蛍石型結晶系が六方晶の結晶系となる状態に歪んだ構造、立方晶の蛍石型結晶系が菱面体晶の結晶系となる状態に歪んだ構造のいずれかである結晶構造を有し、
    前記結晶構造は、一部または全部にBevanクラスターを有し、Vを蛍石型結晶構造における陰イオンサイトに陰イオンが存在しない空孔、Mを上記金属酸窒化物の金属元素、Sを蛍石型結晶構造における最大の8面体型空隙サイトとしたとき、前記Bevanクラスターのユニットセルにおける「−S−V−M−V−S−」となる直鎖状の連鎖の配列の方向が前記膜の主面に対して実質的に垂直である結晶の向きを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 800℃以下の温度で結晶化する前記物質は、シリコンを主成分とすることを特徴とする請求項10記載の半導体装置の製造方法。
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