JP4855427B2 - ペースト塗布装置及びペースト塗布方法 - Google Patents

ペースト塗布装置及びペースト塗布方法 Download PDF

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Description

本発明は、予め設定されたパターンで基板上にペーストを塗布するペースト塗布装置及びペースト塗布方法に関する。
従来、基板上に設定されたパターンでペーストを塗布するペースト塗布装置は、基板を載置するステージの上方に、リニアモータによってフレームが所定方向に移動可能に配置されている。このフレームには複数の塗布ヘッドがフレームの移動方向と直交する方向に移動可能に設けられている。
それによって、フレームを移動させつつこのフレーム上で複数の塗布ヘッドを移動させながら、ペーストを基板上に所望のパターンで複数個同時に塗布することができる。このような技術は、たとえば特許文献1に示されている。
上述のペースト塗布装置においては、基板の上方で移動する塗布ヘッドの移動装置にリニアモータを用いているので、塗布ヘッドの移動に起因する発塵が少なく、塵による基板の汚染を防止することができるということがある。
特開2002−346452号公報
しかしながら、上述のペースト塗布装置においては、複数の塗布ヘッドを移動させながらペーストを基板上に所望のパターンで複数個塗布するにあたり、塗布パターンの途中で塗布ヘッド同士が干渉を生じる塗布条件が設定された場合、塗布作業を効率良く行なうことができない。
本発明の目的は、塗布作業を効率良く行なうことができるペースト塗布装置及びペースト塗布方法を提供することにある。
本発明は、基板にペーストを予め設定されたパターンで塗布するペースト塗布装置であって、
前記基板を載置する保持面を有するステージと、
このステージの上方で前記保持面に沿う方向に延設された梁状部材と、
この梁状部材と前記ステージとを前記保持面に沿う方向であって前記梁状部材の延設方向と直交する方向に相対的に移動させる第1の移動装置と、
前記梁状部材に、この梁状部材の延設方向に沿って設けられたガイド部材と、
このガイド部材に沿って移動可能に支持された複数の塗布ヘッドと、
この複数の塗布ヘッドを前記ガイド部材に沿って個別に移動させる第2の移動装置と、
前記複数の塗布ヘッドによって前記基板上に塗布するペーストの塗布パターンデータを記憶する記憶部と、
前記複数の塗布ヘッドの許容される接近間隔が設定される設定部と、
前記記憶部に記憶された塗布パターンデータに基づき前記塗布ヘッドが移動するときの複数の塗布ヘッドの相対間隔を塗布ヘッドの移動経過時間毎に求め、求めた相対間隔が前記設定部に設定された接近間隔以下となるか否かを判別する演算部と、
を具備することを特徴とする。
本発明は、複数の塗布ヘッドによって基板にペーストを予め設定されたパターンで塗布するペースト塗布方法であって、
予め設定された前記複数の塗布ヘッドによって前記基板上に塗布するペーストの塗布パターンデータに基づき前記塗布ヘッドが移動するときの複数の塗布ヘッドの相対間隔を塗布ヘッドの移動経過時間毎に求め、求めた相対間隔のなかに予め設定された複数の塗布ヘッドの許容される接近間隔以下となる前記相対間隔がない場合に前記ペーストの塗布を実行することを制御装置により行うことを特徴とする。
本発明によれば、製品品質の低下が極力防止でき、良好なペーストの塗布を行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明に係るペースト塗布装置の構成を示す斜視図、図2は、図1に示すペースト塗布装置の要部構成を示す図、図3は、図1に示すペースト塗布装置の制御装置の構成を示す図、図4は図1に示すペースト塗布装置の動作説明図である。
図1において、ペースト塗布装置1は、架台2、この架台2上に配置され基板3を載置するステージ4、同じく架台2上に固定された門形のフレーム5、このフレーム5の梁状部材5aに移動自在に支持された2つの塗布ヘッド6、及び架台2内に配置された制御装置7を有して構成される。
図1に矢印でX、Y及びZ方向を示す。ステージ4は、架台2上に第1の移動装置としてのY軸移動ステージ4aを介して配置される。Y軸移動ステージ4aは、ステージ4を矢印Y方向に駆動する。ステージ4の保持面4bには、基板3を吸着保持するための不図示の吸着孔が形成されている。また、ステージ4には、同じく不図示の基板搬送用のロボットによって保持面4bに対して基板を受け渡しするための不図示のリフトピンが昇降可能に設けられる。
フレーム5は、矢印X方向にステージ4を跨いで架台2上に固定配置される。
2つの塗布ヘッド6は、フレーム5の矢印X方向に延設された梁状部材5aの前面にガイド装置8を介して移動自在に設けられる。
また、図2に示すように、塗布ヘッド6は、ガイド装置8に支持されたX軸移動テーブル6a、X軸移動テーブル6a上に昇降自在に支持されモータ6bにて駆動される送りねじ機構を用いた昇降機構6c、この昇降機構6cによって昇降駆動されるZ軸移動テーブル6d、Z軸移動テーブル6dに固定されペーストを吐出するための塗布ノズル6eを備えたシリンジ6fを有する。
同じく図2に示すように、ガイド装置8は、3組のリニアガイド8aを有する。これらのリニアガイド8aは、それぞれ梁状部材5aに上下方向に平行に設けられた3本のガイドレール(ガイド部材)8a1と、各ガイドレール8a1に摺動自在に設けられた可動台8a2とを有する。各可動台8a2は、塗布ヘッド6のX軸移動テーブル6aに取付具6gを介して固定される。取付具6gは、X軸移動テーブル6aにスペーサ6g3を介して取付けられる。
取付具6gは、図2に示すように、基部6g1に対して3つのアーム部6g2を3本のガイドレール8a1に対応するように左右交互に突出させて設けてなり、各アーム部6g2にそれぞれ可動台8a2が固定される。したがって、同一のガイドレール8a1上において、可動台8a2は隣り合う一対の塗布ヘッド6間で同じ方向に突出し、一つの塗布ヘッド6のX軸移動テーブル6aに対しては、3つの可動台8a2が千鳥状に配置される。
なお、図2においては、一対の塗布ヘッド6のうち一方は実線で示しているが、他方は取付具6gを実線で示し、この取付具6gに取り付けられるX軸移動テーブル6aを鎖線で示している。
塗布ヘッド6は、第2の移動装置としてのリニアモータ9の駆動によりX方向に駆動されるようになっており、このリニアモータ9は、3本のガイドレール8a1に沿って上下2列に配置された固定子としてのマグネット9aと、X軸移動テーブル6aに固定される可動子としてのコイル9bとを有して構成される。このコイル9bは、2つの塗布ヘッド6のうち、左側の塗布ヘッド6のX軸移動テーブル6aに対しては上側に配置されたマグネット9aに対応する位置に、右側の塗布ヘッド6のX軸移動テーブル6aに対しては下側に配置されたマグネット9aに対応する位置にそれぞれ固定される。
各ガイドレール8a1の下側には、ガイドレール8a1に沿って吸引部としての複数の吸引孔5bが所定間隔で配置される。各吸引孔5bは、不図示の真空源に配管5cを介して接続されており、電磁弁等の配管の開閉機構により適宜真空吸引力を発生させることができるように構成される。なお、吸引孔5bに吸引された空気は、配管5cを介して、ペースト塗布装置1が設置されるクリーンルーム等の室外に排気される。
制御装置7は、図3に示すように、演算部7a、記憶部7b、設定部7cを有してなり、記憶部7bには、ペーストの塗布作業を行なうに必要な塗布条件、例えば、塗布パターンデータ、この塗布パターンデータに対応する塗布速度である、基板3と塗布ヘッド6との相対移動速度、ペースト塗布時のギャップである、基板3と塗布ノズル6eとの間の間隔、及びペーストの吐出圧力等が記憶される。
設定部7cには、2つの塗布ヘッド6の接近間隔Lが設定される。ここで、接近間隔Lとは、2つの塗布ヘッド6がガイド装置8上で互いに干渉することなく接近することができる最小距離のことである。演算部7aは、記憶部7bに記憶されたデータに基いて、塗布作業時の塗布ヘッド6やステージ4の動作の制御、および、記憶部7bに記憶されたデータの適否判定を行なう。
なお、記憶部7bに記憶されたデータの適否判定については後に詳述する。記憶部7bおよび設定部7cに対しては、不図示のキーボードやタッチパネル等の入力操作部を介してデータを入力することが可能とされる。
次に、作動について説明する。
基板3に対するペーストの塗布作業を行なうにあたり、まず、今回処理する基板3にペーストの塗布作業を行なうに必要な塗布条件を記憶部7bに記憶させる。記憶部7bに塗布条件が記憶されたならば、演算部7aは、記憶部7bに記憶された塗布条件と設定部7cに設定された接近間隔Lに基いて、以下のようにして記憶部7bに記憶されたデータの適否を判定する。
例えば、図4(A)に示すように、基板3上に矩形状のパターンP1、P2を2つ同時に描画する場合であって、記憶部7bに、左側の塗布ヘッド6に対する塗布パターンデータとして、基板3上の位置S1を塗布開始位置として左回りに矩形状パターンを描画するデータ、また右側の塗布ヘッド6に対する塗布パターンデータとして、基板3上の位置S2を塗布開始位置として右回りに矩形状パターンを描画するデータがそれぞれ記憶され、塗布速度等の他のデータは2つの塗布ヘッド6に関してともに同一条件が設定され、設定部7cには、予め接近間隔L=100mmが設定されたとする。
演算部7aは、記憶部7bに記憶された塗布条件に基いて、塗布開始から塗布終了までの経過時間t1、t2、t3、t4毎に、経過時間に対応する塗布ヘッド6同士の相対間隔L1、L2、L3、L4を算出する。図4(A)の例では、ペーストを幅寸法300mmの2つの矩形状に90mmの間隔で塗布する場合であって、同図においてL1=390mm、L2=690mm、L3=390mm、L4=90mmである。
次に、演算部7aは、算出した相対間隔と設定部7cに設定された接近間隔Lとを比較し、接近間隔L以下となる相対間隔が存在するか否かを判別する。そして、判別の結果、接近間隔L以下となる相対間隔が存在する場合には、記憶部7bに記憶された塗布条件では、図4(A)に示す塗布パターンP1、P2を2つの塗布ヘッド6で同時に描画することができないことから、不適切であると判断し、不図示のモニタや警報装置等を通じてオペレータにデータの修正を促す。図4(A)の場合、L4=90mmは接近間隔L=100mm以下となるので、演算部7aは、記憶部7bに記憶された塗布条件は不適切であると判定する。
なお、上述した例で演算部7aは、塗布開始から塗布終了までの経過時間毎に塗布ヘッド6同士の相対間隔を全て求めた後に接近間隔Lとの比較を行なう例としたが、他の例としては塗布開始からの経過時間毎の塗布ヘッド6同士の相対間隔を求め、その都度、求めた相対間隔と接近間隔Lとを比較し、相対間隔≦接近間隔Lとなった時点で、上述の判断を下すようにしても良い。
このようにすれば、塗布パターンの途中で相対間隔≦接近間隔Lとなる部分が存在することが判別された段階で、記憶部7bに記憶された塗布条件の適否を判定でき、前者に比べて迅速に判定作業を行なうことができる。
演算部7aは、モニタや警報装置等を通じてオペレータに塗布条件の修正を促した結果、記憶部7bに記憶された塗布条件が修正された場合、その修正された塗布条件に対しても同様に適否の判定を行なう。ここで、図4(B)に示すように、左右の塗布ヘッド6に対して、基板3上の位置S1、S2を塗布開始位置とする同じ右回りの塗布データが設定されたとする。この場合、各経過時間t1、t2、t3、t4毎の塗布ヘッド6同士の相対間隔L1、L2、L3、L4は、L1=390mm、L2=390mm、L3=390mm、L4=390mmとなり、いずれも接近間隔L(100mm)以上となる。したがって、演算部7aは、記憶部7bに記憶されたデータは適当と判定する。
上記の判定で適当と判定された塗布条件に基いて、下記の動作が行なわれる。
不図示の基板搬送用ロボットにて供給された基板3が、上昇位置で待ち受けていたリフトピン上に受け渡されると、リフトピンが下降して基板3がステージ4の保持面4bに載置される。ステージ4上に載置された基板3は、不図示の吸着孔によって吸着固定される。
基板3がステージ4上に固定されると、演算部7aは、不図示の位置検出用カメラを用いて基板3に付された位置検出用マークを検出し、基板3の位置を認識する。そして、この位置認識結果と記憶部7bに記憶されたデータに基いて、各塗布ヘッド6を待機位置、例えば、ガイド装置8の左右端位置から、それぞれが描画する塗布パターンの塗布開始位置S1、S2上に位置付ける。なおここで、塗布ヘッド6の移動、すなわち、リニアモータ9の駆動に先立って、演算部7aは、不図示の電磁弁を開操作して吸引孔5bに真空吸引力を作用させる。
この後、演算部7aは、記憶部7bに記憶されたデータに基いてステージ4、それぞれの塗布ヘッド6等の移動を制御して、記憶された塗布パターンで基板3上にペーストを塗布する。なお、塗布作業時の塗布ヘッド6等の制御については、公知の技術を用いることができるので詳述しない。
演算部7aは、基板3に対するペーストの塗布が完了すると、塗布ヘッド6をそれぞれの待機位置へ移動させ、不図示の吸着孔による吸着を解除した後、ペーストが塗布された基板3をリフトピンで持ち上げる。また、塗布ヘッド6の待機位置への移動が完了した時点で、演算部7aは不図示の電磁弁を閉操作して吸引孔5bへ作用させている真空吸引力を停止させる。なお、複数の基板3を連続して処理する場合には、最後の基板への塗布が完了するまで吸引孔5bに真空吸引力を作用させ続けても良い。
そして、持ち上げられた基板3が基板搬送用のロボットで搬出されることで、1枚の基板に対するペーストの塗布作業が完了する。
上記の実施の形態によれば、ステージ4の上方に配置された塗布ヘッド6をリニアモータ9で移動させるとともに、塗布ヘッド6を支持するガイド装置8のガイドレール8a1に沿って複数の吸引孔5bを所定間隔で配置し、塗布ヘッド6を移動させるときにはこの吸引孔5bに真空吸引力を作用させるようにした。リニアモータ9はマグネット9aに対してコイル9bが非接触で移動することから発塵が抑制できる。
また、仮に、リニアモータ9や、ガイドレール8a1と可動台8a2との間の摺動部において金属粉等の塵が発生したとしても、この塵は吸引孔5bに生じる吸引力によって形成される空気の流れにより吸引孔5b内へと吸い込まれるので、発生した塵が基板3上に落下することを防止できる。したがって、基板3が塵によって汚染されることが極力防止でき、ペーストが塗布された基板3を用いて生産される製品の品質を向上させることができる。
しかも、吸引孔5bに作用された真空吸引力によって形成される吸引方向への空気の流れによりリニアモータ9を冷却することができる。これにより、リニアモータ9がコイル9bへの通電によって発熱したとしても、この発熱による昇温を防止することができるから、加熱による各部材の熱膨張が防止できる。その結果、熱膨張に起因するリニアモータ9の移動精度の低下を防止できるので、安定した精度の良いペーストの塗布が実現できる。
また、演算部7aが、塗布作業を開始する前、つまり各塗布ヘッド6を塗布開始位置に位置付ける前に記憶部7bに記憶された塗布条件と設定部7cに設定された接近間隔Lとに基いて、記憶部7bに記憶された塗布条件の適否、つまり、塗布作業中に2つの塗布ヘッド6が干渉を生じるか否かを判定する。
そのため、記憶部7bに2つの塗布ヘッド6が干渉を生じる条件で塗布パターンデータ、塗布速度が設定されたとしても、その条件で塗布作業が実行されることを未然に防止できる。
したがって、図4(A)に示すように、塗布開始位置(t1)では塗布ヘッド同士の干渉がなく、塗布パターンの途中(t4)で塗布ヘッド同士が干渉を生じる塗布条件が設定されたとしても、その塗布条件で塗布作業が実行されることが回避できるので、一対の塗布ヘッド6同士が干渉することによって塗布作業が妨げられることが防止でき、塗布作業を効率良く行なうことができる。
なお、図4(A)に示す塗布パターンであっても、塗布ヘッド6の干渉が生じない塗布条件であれば塗布作業は実行可能であり、このような場合には、2つの塗布ヘッド6がガイド装置8上で相反する方向に同時に同速度で移動することとなるので、2つの塗布ヘッド6の加減速時に塗布ヘッド6の慣性によって作用するフレーム5を撓ませようとする力が相殺でき、フレーム5の撓み変形に起因する塗布精度の低下を防止できる。
また、塗布ヘッド6に対して3つのガイドレール8a1の可動台8a2を塗布ヘッド6のX軸移動テーブル6aから左右交互に突出させた千鳥状となるように配置して固定した。これにより、塗布ヘッド6の矢印Z方向を軸とする揺動(ガタ)を極力低減させることができる。
すなわち、リニアガイド8aはガイドレール8a1と可動台8a2との間のガタを完全に無くすことは困難であり、多少のガタを有している。そしてこのガタは、塗布ヘッド6に矢印Z方向を軸とする揺動を生じさせる原因となる。
しかも、この揺動の大きさは、可動台8a2の移動方向における端部間の長さ(以下、単に「移動方向長さ」という)と反比例の関係にある。そこで、塗布ヘッド6における矢印Z方向を軸とする揺動を小さくするためには、塗布ヘッド6に設けられる複数の可動台8a2の移動方向の間隔を長く取ればよいことになる。
したがって、本実施の形態のように、可動台8a2を塗布ヘッド6のX軸移動テーブル6aに対し左右に突出させて配置することで、X軸移動テーブル6aと同じ幅(移動方向長さ)で可動台8a2を設けた場合に比べて矢印Z方向を軸とする揺動を小さくすることができるのである。
しかも、可動台8a2を、同一のガイドレール8a1に関しては2つの塗布ヘッド6間で同一方向に、かつ一つのX軸移動テーブル6aに対しては左右交互に千鳥状に突出するように配置していることから、2つの塗布ヘッド6が接近したときにおいても、X軸移動テーブル6aから突出して配置された可動台8a2同士が干渉して、塗布ヘッド6の接近を妨げることが防止できる。
つまり、図2に示すように、左側のX軸移動テーブル6aの右側に突出した2つの可動台8a2の間に、右側のX軸移動テーブル6aの左側に突出した可動台8aが入り込むので、可動台8a2同士が干渉することなく、塗布ヘッド6を互いに近づけることができる。
しかも、図2の例では、可動台8a2がX軸移動テーブル6aの下に入り込めるように、可動台8a2が取り付けられたアーム部6g2とX軸移動テーブル6aとの間に図2に示すようにスペーサ6g3によって隙間Δdを設けているので、塗布ヘッド6同士をより近づけることが可能となる。
したがって、このような構成によれば、塗布ヘッド6の矢印Z方向を軸とする揺動を極力防止しつつ、2つの塗布ヘッド6の接近間隔Lを極力短くすることができるので、近接したパターンに対して、ペーストを2つの塗布ヘッド6で並行して精度良く塗布することができ、塗布品質を向上させることが可能となる。
また、固定子であるマグネット9aを上下に2本平行に配置し、可動子としてのコイル9bを、2つの塗布ヘッド6のうち、左側の塗布ヘッド6のX軸移動テーブル6aに対しては上側に配置されたマグネット9aに対応する位置に、右側の塗布ヘッド6のX軸移動テーブル6aに対しては下側に配置されたマグネット9aに対応する位置に固定した。このため、図2に示したように、コイル9bの両端部がX軸移動テーブル6aから左右に突出した場合でも、各塗布ヘッド6のコイル9bが互いに干渉することなく、これら塗布ヘッド6を接近させることが可能となる。
また、リニアモータ9の推力の大きさは、マグネット9aが同一であれば、コイル9bの大きさ、たとえばコイルの巻き数、複数のコイルから構成されるのであればコイルの数などが大きければ大きくなる。そのことから、コイル9bのマグネット9aに沿う方向の長さを大きくすればするほど大きな推力を得られ、同じ重量の塗布ヘッド6であればより急速な加減速が実現できる。
したがって、コイル9bをX軸移動テーブル6aの幅と同等の長さとした場合に比べて高い推力を保持したまま、2つの塗布ヘッド6の接近間隔Lを極力短くすることができるので、近接したパターンに対しても、ペーストを2つの塗布ヘッド6で並行して高速に塗布することができ、塗布作業効率を大幅に向上させることができる。
なお、上記実施の形態において、塗布ヘッド6が2つの例で説明したが、これに限られるものではなく、塗布ヘッド6は1つであっても、3つ以上設けても良い。
また、塗布ヘッド6を支持するフレーム5が1つである例で説明したが、フレーム5を2つ以上配置し、それぞれに塗布ヘッド6を設けるようにしても良い。
また、フレーム5を架台2に固定して配置した例で説明したが、フレーム5を、Y軸移動テーブルを介して架台2に対してY方向に移動自在に設けても良い。このようにすることで、Y方向に沿うパターンでペーストを塗布するときに、ステージ4とフレーム5を相対する方向に同時に移動させれば、ステージ4のみを移動させる場合に比べ、高速でペーストを塗布することができ、塗布作業効率を向上させることができる。
また、ガイド装置8のリニアガイド8aを3本配置した例で説明したが、2本、或いは4本以上であっても良い。
また、本発明において、可動台8a2の千鳥状の配置とは、3つの可動台8a2が1つずつX軸移動テーブル6aの一側と他側とに左右交互に配置されるものだけではなく、例えば、X軸移動テーブル6aの一側に複数の可動台8a2のうち2つを連続して突出配置し、3つめの可動台8a2を他側に突出するような配置であってもよい。つまり、可動台8a2は、一つのX軸移動テーブル6aに対して移動方向の両側に少なくとも1つが突出して配置され、しかも、隣接する塗布ヘッド6に設けられた可動台8a2が同一のガイドレール8a1上で対向する方向に突出しないように配置されることが好ましい。
また、吸引部としての吸引孔5bは、梁状部材5aの前面におけるガイドレール8a1の下側に配列した例で説明したが、上側に設けても良く、また、上下両側設けても良い。また、吸引部は吸引孔に限らず、ノズルであっても良い。
また、塗布ヘッド6の移動装置をリニアモータとした例で説明したが、これに限らず、他の移動装置、例えば、モータ駆動による送りねじ機構を用いた移動装置を用いることができる。
また、図4に示すように、塗布ヘッド同士の相対間隔を、矩形状の塗布パターンP1、P2において塗布ヘッドが4つの辺上を移動するタイミング全てついて求める例で説明した。しかしながら、塗布ヘッド同士が干渉を生じやすいのは、少なくとも一方の塗布ヘッドが2つの塗布パターンP1、P2における対向する辺上を移動するときと考えられる。
したがって、一方の塗布ヘッドが隣接する塗布パターンに対向する辺を移動するタイミングについてのみ塗布ヘッド同士の相対間隔を求め、他の辺を移動するタイミングでは塗布ヘッド同士の相対間隔を求めないようにしても良い。
この場合、塗布ヘッド同士の相対間隔を求めるタイミングは、対向する辺上で、1回であっても、所定の移動経過時間毎に複数回であっても良い。
図1は、本発明に係るペースト塗布装置の構成を示す斜視図である。 図2(A)は、図1に示すペースト塗布装置の要部構成を示す正面図、図2(B)は、図2(A)のA−A矢視断面図である。 図3は、図1に示すペースト塗布装置の制御装置の構成を示す図である。 図4は、図1に示すペースト塗布装置の動作説明図である。
符号の説明
1…ペースト塗布装置、2…架台、3…基板、4…テーブル、4a…Y軸移動テーブル(第1の移動装置)、5…フレーム、5a…梁状部材、6…塗布ヘッド、7…制御装置、7a…演算部、7b…記憶部、7c…設定部、8…ガイド装置、8a…リニアガイド、8a1…ガイドレール(ガイド部材)、8a2…可動子、9…リニアモータ(第2の移動装置)、9a…マグネット(固定子)、9b…コイル(可動子)。

Claims (2)

  1. 基板にペーストを予め設定されたパターンで塗布するペースト塗布装置であって、
    前記基板を載置する保持面を有するステージと、
    このステージの上方で前記保持面に沿う方向に延設された梁状部材と、
    この梁状部材と前記ステージとを前記保持面に沿う方向であって前記梁状部材の延設方向と直交する方向に相対的に移動させる第1の移動装置と、
    前記梁状部材に、この梁状部材の延設方向に沿って設けられたガイド部材と、
    このガイド部材に沿って移動可能に支持された複数の塗布ヘッドと、
    この複数の塗布ヘッドを前記ガイド部材に沿って個別に移動させる第2の移動装置と、
    前記複数の塗布ヘッドによって前記基板上に塗布するペーストの塗布パターンデータを記憶する記憶部と、
    前記複数の塗布ヘッドの許容される接近間隔が設定される設定部と、
    前記記憶部に記憶された塗布パターンデータに基づき前記塗布ヘッドが移動するときの複数の塗布ヘッドの相対間隔を塗布ヘッドの移動経過時間毎に求め、求めた相対間隔が前記設定部に設定された接近間隔以下となるか否かを判別する演算部と、
    を具備することを特徴とするペースト塗布装置。
  2. 複数の塗布ヘッドによって基板にペーストを予め設定されたパターンで塗布するペースト塗布方法であって、
    予め設定された前記複数の塗布ヘッドによって前記基板上に塗布するペーストの塗布パターンデータに基づき前記塗布ヘッドが移動するときの複数の塗布ヘッドの相対間隔を塗布ヘッドの移動経過時間毎に求め、求めた相対間隔のなかに予め設定された複数の塗布ヘッドの許容される接近間隔以下となる前記相対間隔がない場合に前記ペーストの塗布を実行することを制御装置により行うことを特徴とするペースト塗布方法。
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